アウターミラー装置は自動車に搭載されたものであり、右LRモータ1と右UDモータ2と左LRモータ3と左UDモータ4(いずれも図1参照)と右ドアミラーと左ドアミラーを有している。右ドアミラーは運転者から見て右側のフロントドアの表面に装着されたものである。この右ドアミラーは上下方向へ指向する軸を中心とする左右方向および左右方向へ指向する軸を中心とする上下方向のそれぞれへ回転可能にされたものであり、右LRモータ1は正転することに応じて右ドアミラーを左方向および右方向の一方へ傾斜させると共に逆転することに応じて他方へ傾斜させ、右UDモータ2は正転することに応じて右ドアミラーを上方向および下方向の一方へ傾斜させると共に逆転することに応じて他方へ傾斜させる。
左ドアミラーは運転者から見て左側のフロントドアの表面に装着されたものである。この左ドアミラーは上下方向へ指向する軸を中心とする左右方向および左右方向へ指向する軸を中心とする上下方向のそれぞれへ回転可能にされたものであり、左LRモータ3は正転することに応じて左ドアミラーを左方向および右方向の一方へ傾斜させると共に逆転することに応じて他方へ傾斜させ、左UDモータ4は正転することに応じて左ドアミラーを上方向および下方向の一方へ傾斜させると共に逆転することに応じて他方へ傾斜させる。
スイッチ装置はアウターミラー装置の右LRモータ1〜左UDモータ4の4つのそれぞれに正転用の駆動電源および逆転用の駆動電源を供給するものである。このスイッチ装置は自動車の運転者側のフロントドアに当該フロントドアの閉鎖状態で車内に位置するように装着されたものであり、次のように構成されている。
図2のハウジング11は合成樹脂を材料に成形されたものであり、ハウジング11には基板収納室12が形成されている。この基板収納室12は底板および底板を取囲む周壁を有するものであり、後面が開口している。この基板収納室12内にはプリント配線基板13が垂直に収納されており、プリント配線基板13の後面には給電パターンが形成されている。この給電パターンはアウターミラー装置の右LRモータ1〜左UDモータ4の4つのそれぞれに正転用の駆動電源および逆転用の駆動電源を供給するものであり、図1に示すように、一対の右接点14と一対の左接点15と一対の上接点16と一対の下接点17と一対の右用右下接点18と一対の右用左上接点19と一対の左用右下接点20と一対の左用左上接点21を有している。
プリント配線基板13には、図2に示すように。ゴム製のコンタクトラバー22が固定されている。このコンタクトラバー22は垂直な板状のベース23と右ホルダ24と左ホルダ25と上ホルダ26と下ホルダ27と右用右下ホルダ28と右用左上ホルダ29と左用右下ホルダ30と左用左上ホルダ31の8つを有するものであり、図3に示すように、コンタクトラバー22のベース23はプリント配線基板13の後面を覆っている。
右ホルダ24〜左用左上ホルダ31の8つのそれぞれは、図2に示すように、ベース23から後へ突出する円柱状をなすものである。これら右ホルダ24〜左用左上ホルダ31の8つのそれぞれは前後方向の長さ寸法が同一に設定されたものであり、右ホルダ24〜左用左上ホルダ31の8つのそれぞれの前面には、図3に示すように、接点32が固定されている。これら右ホルダ24〜左用左上ホルダ31の8つのそれぞれは外力が作用していない自然状態でオフ位置(図3参照)に静止するものである。これら右ホルダ24〜左用左上ホルダ31の8つのそれぞれは後から前への外力が作用した場合にベース23が弾性変形することに応じてオフ位置からオフ位置に比べて前方のオン位置(図5および図6参照)に移動するものであり、外力が消滅した場合にはベース23の弾性復元力でオン位置からオフ位置に自己復帰する。
右ホルダ24と左ホルダ25と上ホルダ26と下ホルダ27は、図4に示すように、中心点CPを中心とする円形軌跡CL上に円周方向に90°の等ピッチで配列されたものであり、プリント配線基板13の一対の右接点14は右ホルダ24の接点32の前方に配置されている。この右ホルダ24の接点32は右ホルダ24のオフ位置で一対の右接点14に後から隙間を介して対向するものであり、右ホルダ24のオン位置で一対の右接点14に接触することで一対の右接点14間を導通状態とする。これら一対の右接点14と右ホルダ24と右ホルダ24の接点32は対向接点スイッチに相当する。
プリント配線基板13の一対の左接点15は左ホルダ25の接点32の前方に配置されたものである。この左ホルダ25の接点32は左ホルダ25のオフ位置で一対の左接点15に後から隙間を介して対向するものであり、左ホルダ25のオン位置で一対の左接点15に接触することで一対の左接点15間を導通状態とする。これら一対の左接点15と左ホルダ25と左ホルダ25の接点32は対向接点スイッチに相当する。
プリント配線基板13の一対の上接点16は上ホルダ26の接点32の前方に配置されたものである。この上ホルダ26の接点32は上ホルダ26のオフ位置で一対の上接点16に後から隙間を介して対向するものであり、上ホルダ26のオン位置で一対の上接点16に接触することで一対の上接点16間を導通状態とする。これら一対の上接点16と上ホルダ26と上ホルダ26の接点32は対向接点スイッチに相当する。
プリント配線基板13の一対の下接点17は下ホルダ27の接点32の前方に配置されたものであり、一対の右接点14と一対の左接点15と一対の上接点15と一対の下接点17は後から見て図4の円形軌跡CL上に円周方向に90°の等ピッチで配列されている。この下ホルダ27の接点32は下ホルダ27のオフ位置で一対の下接点17に後から隙間を介して対向するものであり、下ホルダ27のオン位置で一対の下接点17に接触することで一対の下接点17間を導通状態とする。これら一対の下接点17と下ホルダ27と下ホルダ27の接点32は対向接点スイッチに相当する。
右用右下ホルダ28は、図4に示すように、右ホルダ24および下ホルダ27間の円周方向の中間に配置されたものであり、右用左上ホルダ29は左ホルダ25および上ホルダ26間の円周方向の中間に配置されたものであり、右用右下ホルダ28および右用左上ホルダ29は中心点CPを通る直線L上に中心点CPを中心とする一方側および他方側に分けて配置されている。これら右用右下ホルダ28および右用左上ホルダ29のそれぞれは中心点CPまでの距離が円形軌跡CLの半径に比べて小さな同一値に設定されたものであり、プリント配線基板13の一対の右用右下接点18は右用右下ホルダ28の接点32の前方に配置され、一対の右用左上接点19は右用左上ホルダ29の接点32の前方に配置されている。
右用右下ホルダ28の接点32は右用右下ホルダ28のオフ位置で一対の右用右下接点18に後から隙間を介して対向するものであり、右用右下ホルダ28のオン位置で一対の右用右下接点18に接触することで一対の右用右下接点18間を導通状態とする。右用左上ホルダ29の接点32は右用左上ホルダ29のオフ位置で一対の右用左上接点19に後から隙間を介して対向するものであり、右用左上ホルダ29のオン位置で一対の右用左上接点19に接触することで一対の右用左上接点19間を導通状態とする。これら一対の右用左上接点19と右用左上ホルダ29と右用左上ホルダ29の接点32は第1の対向接点スイッチに相当し、一対の右用右下接点18と右用右下ホルダ28と右用右下ホルダ28の接点32も第1の対向接点スイッチに相当する。
左用右下ホルダ30は右ホルダ24および下ホルダ27の円周方向の中間に配置されたものであり、左用左上ホルダ31は左ホルダ25および上ホルダ26の円周方向の中間に配置されたものである。これら左用右下ホルダ30および左用左上ホルダ31のそれぞれは図4の直線L上に中心点CPを中心とする一方側および他方側に分けて配置されたものであり、中心点CPまでの距離が円形軌跡CLの半径に比べて大きな同一値に設定されている。
プリント配線基板13の一対の左用右下接点20は左用右下ホルダ30の接点32の前方に配置され、一対の左用左上接点21は左用左上ホルダ31の接点32の前方に配置されている。左用右下ホルダ30の接点32は左用右下ホルダ30のオフ位置で一対の左用右下接点20に後から隙間を介して対向するものであり、左用右下ホルダ30のオン位置で一対の左用右下接点20に接触することで一対の左用右下接点20間を導通状態とする。左用左上ホルダ31の接点32は左用左上ホルダ31のオフ位置で一対の左用左上接点21に後から隙間を介して対向するものであり、左用左上ホルダ31のオン位置で一対の左用左上接点21に接触することで一対の左用左上接点21間を導通状態とする。これら一対の左用左上接点21と左用左上ホルダ31と左用左上ホルダ31の接点32は第2の対向接点スイッチに相当し、一対の左用右下接点20と左用右下ホルダ30と左用右下ホルダ30の接点32も第2の対向接点スイッチに相当する。
ハウジング11には、図2に示すように、合成樹脂製のボディ33が固定されており、ボディ33には8つのガイド34が形成されている。これら8つのガイド34のそれぞれは前面および後面が開口する円筒状をなすものであり、右ホルダ24〜左用左上ホルダ31の8つのそれぞれは、図4に示すように、ガイド34内にオフ位置およびオン位置間で移動可能に挿入されている。
ボディ33には、図2に示すように、ロータ収納室35が形成されている。このロータ収納室35は底板および底板を取囲む円筒状の周壁を有するものであり、ロータ収納室35内にはロータ36が収納されている。このロータ36は前後方向へ指向する軸を有する円柱状をなすものである。このロータ36の軸は図4の中心点CPを通るものであり、ロータ36内には、図3に示すように、節度スプリング37が収納されている。この節度スプリング37は圧縮コイルスプリングからなるものであり、節度スプリング37の先端部には節度ボール38が固定されている。この節度ボール38は節度スプリング37のバネ力でロータ収納室35の周壁に押付けられたものであり、ロータ36は節度ボール38がロータ収納室35の周壁に沿って摺動することに応じて中心点CPを通る軸を中心に回転可能にされている。
ロータ収納室35の周壁には、図4に示すように、節度凹部39と節度凹部40と節度凹部41が形成されている。これら節度凹部39〜41の3つのそれぞれは後から見て外側へ凹む正三角形状をなすものであり、節度凹部40は右ホルダ24の中心および左ホルダ25の中心を通る直線上に配置され、節度凹部39は節度凹部40に対して円周方向の一方側に45°だけ離間して配置され、節度凹部41は節度凹部40に対して円周方向の他方側に45°だけ離間して配置されている。これら節度凹部39〜41の3つのそれぞれは、図6に示すように、ロータ36が回転することに応じて節度ボール38が脱出可能に嵌合するものであり、節度ボール38が上側の節度凹部39に嵌合した位置をRポジションと称し(図5参照)、節度ボール38が中央の節度凹部40に嵌合した位置をNポジションと称し(図3参照)、節度ボール38が下側の節度凹部41に嵌合した位置をLポジションと称する(図6参照)。このLポジションは第2の位置に相当し、Rポジションは第1の位置に相当する。
ロータ36には、図2に示すように、2つの軸受42が形成されている。これら2つの軸受42のそれぞれはロータ36から後へ突出する板状をなすものであり、2つの軸受42のそれぞれには軸43が形成されている。これら2つの軸43のそれぞれはロータ36のRポジションで上下方向へ指向し、ロータ36のLポジションで左右方向へ指向するものであり、ロータ36のNポジションで左右方向および上下方向のそれぞれに対して45°傾斜する。
ロータ36の2つの軸受42には、図2に示すように、コネクタ44が嵌合されている。このコネクタ44は天壁および天壁を取囲む4つの壁を有するものであり、コネクタ44の4つの壁のうち互いに対向する2つには円形状の貫通孔45が形成され、残りの2つには円柱状の軸46が形成されている。このコネクタ44の2つの貫通孔45内のそれぞれには、図3に示すように、軸受42の軸43が挿入されており、コネクタ44は2つの軸43を中心にロータ36に対して傾倒可能で且つロータ36の軸を中心にロータ36と共に回転可能にされている。
図2のダイアル49は運転者が手指で操作するものであり、円板状をなしている。このダイアル49には2つの軸受47が形成されている。これら2つの軸受47のそれぞれはダイアル49から前へ突出する板状をなすものであり、2つの軸受47間には、図3に示すように、コネクタ44が嵌合されている。このダイアル49はロータ36の軸を中心にロータ36およびコネクタ44と一体的にRポジションとNポジションとLポジションのそれぞれに回転可能にされたものであり、操作部材に相当する。
ダイアル49の2つの軸受47のそれぞれには、図3に示すように、円形状の貫通孔48が形成されている。これら2つの貫通孔48内のそれぞれにはコネクタ44の軸46が挿入されている。このコネクタ44の2つの軸46のそれぞれはロータ36の軸43に対して直交するものであり、ダイアル49はNポジションで中立姿勢から中立姿勢に対して傾倒した4つの傾倒姿勢にロータ36の2つの軸43またはコネクタ44の2つの軸46を中心に傾倒可能にされている。
ダイアル49は、図5に示すように、Rポジションで中立姿勢から中立姿勢に対して上下方向へ傾倒した傾倒姿勢にコネクタ44の2つの軸46を中心に傾倒可能にされたものであり、中立姿勢に対して左右方向へ傾倒した傾倒姿勢にロータ36の2つの軸43を中心に傾倒可能にされている。このダイアル49は、図6に示すように、Lポジションで中立姿勢から中立姿勢に対して上下方向へ傾倒した傾倒姿勢にロータ36の2つの軸43を中心に傾倒可能にされたものであり、中立姿勢に対して左右方向へ傾倒した傾倒姿勢にコネクタ44の2つの軸46を中心に傾倒可能にされている。
ダイアル49の後面には、図3に示すように、(L)(N)(R)のポジションマーク50が形成されている。これら(L)(N)(R)のポジションマーク50は運転者が視認可能なものであり、(L)および(N)のポジションマーク50間には(L)のポジションマーク50を指す矢印マーク51が形成され、(R)および(N)のポジションマーク50間には(R)のポジションマーク50を指す矢印マーク51が形成されている。
(N)のポジションマーク50は、図3に示すように、ダイアル49のNポジションで最上部となるものであり、運転者は(N)のポジションマーク50を最上部に合わせることでNポジションを選択することができる。(R)のポジションマーク50は、図5に示すように、ダイアル49のRポジションで最上部となるものであり、運転者は(R)のポジションマーク50を最上部に合わせることでRポジションを選択することができる。(L)のポジションマーク50は、図6に示すように、ダイアル49のLポジションで最上部となるものであり、運転者は(L)のポジションマーク50を最上部に合わせることでLポジションを選択することができる。
ダイアル49には、図3に示すように、4つのスイッチ操作部52が形成されている。これら4つのスイッチ操作部52は中心点CPを中心とする共通の円形軌跡上に円周方向に等ピッチで配列されたものであり、ダイアル49の前面から前へ突出する円柱状をなしている。これら4つのスイッチ操作部52のそれぞれは右ホルダ24と左ホルダ25と上ホルダ26と下ホルダ27のうちの1つを操作するものであり、ダイアル49のNポジションでは右ホルダ24〜下ホルダ27の全てに対して円周方向へずれることで操作可能に対応しない。これら4つのスイッチ操作部52のそれぞれは、図5に示すように、ダイアル49のRポジションで右ホルダ24〜下ホルダ27のうち相互に異なる1つに後から操作可能に対応するものであり、図6に示すように、ダイアル49のLポジションでも右ホルダ24〜下ホルダ27のうち相互に異なる1つに後から操作可能に対応する。
ダイアル49の後面には、図3に示すように、4つの操作マーク53が形成されている。これら4つの操作マーク53は運転者が視認可能なものであり、中心点CPを中心とする共通の円形軌跡上に円周方向に等ピッチで配列されている。これら4つの操作マーク53は、図3に示すように、ダイアル49のNポジションで上下左右の4方向に配置されないものであり、図5および図6に示すように、ダイアル49のRポジションおよびLポジションのそれぞれで上下左右に配置される。
4つの操作マーク53のそれぞれは運転者がダイアル49を中立姿勢から傾倒操作する場合の操作位置を示すものであり、ダイアル49のRポジションおよびLポジションのそれぞれで右側の操作マーク53が前へ押された場合にはダイアル49が左から右に向けて前へ傾倒した傾倒姿勢となる。このダイアル49の傾倒姿勢では右ホルダ24が右側のスイッチ操作部52によってオフ位置からオン位置に押されることでプリント配線基板13の一対の右接点14間が導通状態となる。
ダイアル49のRポジションおよびLポジションのそれぞれで左側の操作マーク53が前へ押された場合にはダイアル49が右から左に向けて前へ傾倒した傾倒姿勢となる。このダイアル49の傾倒姿勢では左ホルダ25が左側のスイッチ操作部52によってオフ位置からオン位置に押されることでプリント配線基板13の一対の左接点15間が導通状態となる。
ダイアル49のRポジションおよびLポジションのそれぞれで上側の操作マーク53が前へ押された場合にはダイアル49が下から上に向けて前へ傾倒した傾倒姿勢となる。このダイアル49の傾倒姿勢では上ホルダ26が上側のスイッチ操作部52によってオフ位置からオン位置に押されることでプリント配線基板13の一対の上接点16間が導通状態となる。
ダイアル49のRポジションおよびLポジションのそれぞれで下側の操作マーク53が前へ押された場合にはダイアル49が上から下に向けて前へ傾倒した傾倒姿勢となる。このダイアル49の傾倒姿勢では下ホルダ27が下側のスイッチ操作部52によってオフ位置からオン位置に押されることでプリント配線基板13の一対の下接点17間が導通状態となる。
ダイアル49には、図3に示すように、2つの右用スイッチ操作部54が形成されている。これら2つの右用スイッチ操作部54のそれぞれはダイアル49の前面から前へ突出する円柱状をなすものであり、スイッチ操作部52に比べて前後方向の長さ寸法が長く設定されている。これら2つの右用スイッチ操作部54は4つのスイッチ操作部52に比べて直径寸法が小さな中心点CPを中心とする共通の円形軌跡上に配列されたものであり、円周方向に隣接する2つのスイッチ操作部52間の円周方向の中間に配置されている。これら2つの右用スイッチ操作部54は中心点CPを通る共通の直線上に配列されたものであり、第1のスイッチ操作部に相当する。
2つの右用スイッチ操作部54のうちの一方は、図5に示すように、ダイアル49のRポジションで右用右下ホルダ28に後から操作可能に対応し、他方はダイアル49のRポジションで右用左上ホルダ29に後から操作可能に対応する。この他方の右用スイッチ操作部54は右ホルダ24〜左用左上ホルダ31のうち右用左上ホルダ29を除いた7つに対してはダイアル49のNポジションとRポジションとLポジションのそれぞれで操作可能に対応しないものであり、一方の右用スイッチ操作部54は右ホルダ24〜左用左上ホルダ31のうち右用右下ホルダ28を除いた7つに対してはダイアル49のNポジションとRポジションとLポジションのそれぞれで操作可能に対応しない。
ダイアル49には、図3に示すように、2つの左用スイッチ操作部55が形成されている。これら2つの左用スイッチ操作部55のそれぞれはダイアル49の前面から前へ突出する円柱状をなすものであり、スイッチ操作部52に比べて前後方向の長さ寸法が短く設定されている。これら2つの左用スイッチ操作部55は4つのスイッチ操作部52に比べて直径寸法が大きな中心点CPを中心とする共通の円形軌跡上に配列されたものであり、円周方向に隣接する2つのスイッチ操作部52間の円周方向の中間に配置されている。これら2つの左用スイッチ操作部55は右用スイッチ操作部54に対して直交する共通の直線上に配列されたものであり、第2のスイッチ操作部に相当する。
2つの左用スイッチ操作部55のうち一方は、図6に示すように、ダイアル49のLポジションで左用右下ホルダ30に後から操作可能に対応し、他方はダイアル49のLポジションで左用左上ホルダ31に後から操作可能に対応する。この他方の左用スイッチ操作部55は右ホルダ24〜左用左上ホルダ31のうち左用左上ホルダ31を除いた7つに対してはダイアル49のNポジション〜Lポジションのそれぞれで操作可能に対応しないものであり、一方の左用スイッチ操作部55は右ホルダ24〜左用左上ホルダ31のうち左用右下ホルダ30を除いた7つに対してはダイアル49のNポジション〜Lポジションのそれぞれで操作可能に対応しない。
次のスイッチ装置の作用について説明する。
1.ダイアル49のNポジション
ダイアル49のNポジションでは、図3に示すように、右ホルダ24〜左用左上ホルダ31の8つのそれぞれが4つのスイッチ操作部52と2つの右用スイッチ操作部54と2つの左用スイッチ操作部55のいずれにも操作可能に対応しない。従って、ダイアル49のNポジションでダイアル49の4つの操作マーク53のそれぞれが操作された場合には右ホルダ24〜左用左上ホルダ31の8つがいずれもオフ位置からオン位置に操作されず、アウターミラー装置の右LRモータ1〜左UDモータ4の4つのいずれにも駆動電源が供給されない。
2.ダイアル49のRポジション
ダイアル49がNポジションから反時計回り方向へ操作された場合にはロータ36の節度ボール38が節度凹部40内から脱出して節度凹部39内に嵌合することでダイアル49がRポジションに静止する。このダイアル49のRポジションでは、図5に示すように、右ホルダ24〜下ホルダ27の4つのそれぞれがダイアル49のスイッチ操作部52に操作可能に対応し、右用右下ホルダ28および右用左上ホルダ29のそれぞれがダイアル49の右用スイッチ操作部54に操作可能に対応し、左用右下ホルダ30および左用左上ホルダ31のそれぞれが4つのスイッチ操作部52と2つの右用スイッチ操作部54と2つの左用スイッチ操作部55のいずれにも操作可能に対応しない。
2−1.右ドアミラーの左右方向への操作について
ダイアル49のRポジションで右側の操作マーク53が前へ操作された場合にはダイアル49が中立姿勢から傾倒姿勢となる。このダイアル49の傾倒姿勢では右ホルダ24が右側のスイッチ操作部52によって操作されることでオフ位置からオン位置に移動し、右用右下ホルダ28が右下の右用スイッチ操作部54によって操作されることでオフ位置からオン位置に移動する。従って、プリント配線基板13の一対の右接点14間が右ホルダ24の接点32を介して導通状態となり、一対の右用右下接点18間が右用右下ホルダ28の接点32を介して導通状態となり、右LRモータ1に正転用および逆転用の一方の駆動電源が供給されることで右ドアミラーが右方向および左方向の一方へ傾斜する。
ダイアル49のRポジションで左側の操作マーク53が前へ操作された場合にはダイアル49が中立姿勢から傾倒姿勢となる。このダイアル49の傾倒姿勢では左ホルダ25が左側のスイッチ操作部52によって操作されることでオフ位置からオン位置に移動し、右用左上ホルダ29が左上の右用スイッチ操作部54によって操作されることでオフ位置からオン位置に移動する。従って、プリント配線基板13の一対の左接点14間が左ホルダ25の接点32を介して導通状態となり、一対の右用左上接点19間が右用左上ホルダ29の接点32を介して導通状態となり、右LRモータ1に正転用および逆転用の他方の駆動電源が供給されることで右ドアミラーが右方向および左方向の他方へ傾斜する。
2−2.右ドアミラーの上下方向への操作について
ダイアル49のRポジションで上側の操作マーク53が前へ操作された場合にはダイアル49が中立姿勢から傾倒姿勢となる。このダイアル49の傾倒姿勢では上ホルダ26が上側のスイッチ操作部52によって操作されることでオフ位置からオン位置に移動し、右用左上ホルダ29が左上の右用スイッチ操作部54によって操作されることでオフ位置からオン位置に移動する。従って、プリント配線基板13の一対の上接点16間が上ホルダ26の接点32を介して導通状態となり、一対の右用左上接点19間が右用左上ホルダ29の接点32を介して導通状態となり、右UDモータ2に正転用および逆転用の一方の駆動電源が供給されることで右ドアミラーが上方向および下方向の一方へ傾斜する。
ダイアル49のRポジションで下側の操作マーク53が前へ操作された場合にはダイアル49が中立姿勢から傾倒姿勢となる。このダイアル49の傾倒姿勢では下ホルダ27が下側のスイッチ操作部52によって操作されることでオフ位置からオン位置に移動し、右用右下ホルダ28が右下の右用スイッチ操作部54によって操作されることでオフ位置からオン位置に移動する。従って、プリント配線基板13の一対の下接点17間が下ホルダ27の接点32を介して導通状態となり、一対の右用右下接点18間が右用右下ホルダ28の接点32を介して導通状態となり、右UDモータ2に正転用および逆転用の他方の駆動電源が供給されることで右ドアミラーが上方向および下方向の他方へ傾斜する。
3.ダイアル49のLポジション
ダイアル49がNポジションから時計回り方向へ操作された場合には、図6に示すように、ロータ36の節度ボール38が節度凹部40内から脱出して節度凹部41内に嵌合することでダイアル49がLポジションに静止する。このダイアル49のLポジションでは右ホルダ24〜下ホルダ27の4つのそれぞれがダイアル49のスイッチ操作部52に操作可能に対応し、左用右下ホルダ30および左用左上ホルダ31のそれぞれがダイアル49の左用スイッチ操作部55に操作可能に対応し、右用右下ホルダ28および右用左上ホルダ29のそれぞれが4つのスイッチ操作部52と2つの右用スイッチ操作部54と2つの左用スイッチ操作部55のいずれにも操作可能に対応しない。
3−1.左ドアミラーの左右方向への操作について
ダイアル49のLポジションで右側の操作マーク53が前へ操作された場合にはダイアル49が中立姿勢から傾倒姿勢となる。このダイアル49の傾倒姿勢では右ホルダ24が右側のスイッチ操作部52によって操作されることでオフ位置からオン位置に移動し、左用右下ホルダ30が右下の左用スイッチ操作部55によって操作されることでオフ位置からオン位置に移動する。従って、プリント配線基板13の一対の右接点14間が右ホルダ24の接点32を介して導通状態となり、一対の左用右下接点20間が左用右下ホルダ30の接点32を介して導通状態となり、左LRモータ3に正転用および逆転用の一方の駆動電源が供給されることで左ドアミラーが右方向および左方向の一方へ傾斜する。
ダイアル49のLポジションで左側の操作マーク53が前へ操作された場合にはダイアル49が中立姿勢から傾倒姿勢となる。このダイアル49の傾倒姿勢では左ホルダ25が左側のスイッチ操作部52によって操作されることでオフ位置からオン位置に移動し、左用左上ホルダ31が左上の左用スイッチ操作部55によって操作されることでオフ位置からオン位置に移動する。従って、プリント配線基板13の一対の左接点14間が左ホルダ25の接点32を介して導通状態となり、一対の左用左上接点21間が左用左上ホルダ31の接点32を介して導通状態となり、左LRモータ3に正転用および逆転用の他方の駆動電源が供給されることで左ドアミラーが右方向および左方向の他方へ傾斜する。
3−2.左ドアミラーの上下方向への操作について
ダイアル49のLポジションで上側の操作マーク53が前へ操作された場合にはダイアル49が中立姿勢から傾倒姿勢となる。このダイアル49の傾倒姿勢では上ホルダ26が上側のスイッチ操作部52によって操作されることでオフ位置からオン位置に移動し、左用左上ホルダ31が左上の左用スイッチ操作部55によって操作されることでオフ位置からオン位置に移動する。従って、プリント配線基板13の一対の上接点16間が上ホルダ26の接点32を介して導通状態となり、一対の左用左上接点21間が左用左上ホルダ31の接点32を介して導通状態となり、左UDモータ4に正転用および逆転用の一方の駆動電源が供給されることで左ドアミラーが上方向および下方向の一方へ傾斜する。
ダイアル49のLポジションで下側の操作マーク53が前へ操作された場合にはダイアル49が中立姿勢から傾倒姿勢となる。このダイアル49の傾倒姿勢では下ホルダ27が下側のスイッチ操作部52によって操作されることでオフ位置からオン位置に移動し、左用右下ホルダ30が右下の左用スイッチ操作部55によって操作されることでオフ位置からオン位置に移動する。従って、プリント配線基板13の一対の下接点17間が下ホルダ27の接点32を介して導通状態となり、一対の左用右下接点20間が左用右下ホルダ30の接点32を介して導通状態となり、左UDモータ4に正転用および逆転用の他方の駆動電源が供給されることで左ドアミラーが上方向および下方向の他方へ傾斜する。
右ホルダ24〜左用左上ホルダ31の8つのそれぞれは運転者がダイアル49の傾倒姿勢でダイアル49から手指を離した場合にコンタクトラバー22の弾性復元力でオン位置からオフ位置に自己復帰するものであり、ダイアル49のRポジションではスイッチ操作部52が右ホルダ24〜下ホルダ27の4つのいずれかで後へ押されると共に右用スイッチ操作部54が右用右下ホルダ28または右用左上ホルダ29で後へ押されることに応じてダイアル49が傾倒姿勢から中立姿勢に復帰し、ダイアル49のLポジションではスイッチ操作部52が右ホルダ24〜下ホルダ27の4つのいずれかで後へ押されると共に左用スイッチ操作部55が左用右下ホルダ30または左用左上ホルダ31で後へ押されることに応じてダイアル49が傾倒姿勢から中立姿勢に復帰する。
上記実施例1によれば次の効果を奏する。
ダイアル49がRポジションで右左上下の4つのそれぞれの方向へ傾倒操作された場合には一対の右接点24と一対の左接点25と一対の上接点26と一対の下接点27のうちの1つが接点32を介して導通状態にされ、一対の右用右下接点28および一対の右用左上接点29のうちの1つが接点32を介して導通状態にされる。このダイアル49がLポジションで4つのそれぞれの方向へ傾倒操作された場合には一対の右接点24〜一対の下接点27のうちの1つが接点32を介して導通状態にされ、一対の左用右下接点30および一対の左用左上接点31のうちの1つが接点32を介して導通状態にされる。従って、ダイアル49がRポジションおよびLポジションのいずれで4つのうちのどの方向へ傾倒操作されたかが対向接点スイッチのみで検出可能となる。
右ホルダ24〜左用左上ホルダ31の8つをコンタクトラバー22として一体成形した。従って、ダイアル49がRポジションおよびLポジションのいずれで傾倒操作されたかを摺動接点スイッチで検出していた従来に比べて部品点数が削減され、半田付けする手間も削減される。しかも、運転者側のフロントドアが開放された場合に一対の右接点24〜一対の左用左上接点31の全てが雨水で濡れることがなくなるので、スイッチ装置の防水性も向上する。
一対の右用右下接点28および一対の右用左上接点29をダイアル49の軸に対して直交する1つの直線L上に中心点CPを中心とする一方側および他方側に分けて配置し、一対の左用右下接点30および一対の左用左上接点31を直線L上に中心点CPを中心とする一方側および他方側に分けて配置したので、ダイアル49がRポジションおよびLポジションのいずれで右左上下の4つの方向へ傾倒操作されたかを少数の対向接点スイッチで検出可能となる。
右用右下ホルダ28および右用左上ホルダ29を右ホルダ24〜下ホルダ27の4つに比べて内周側に配置し、右用スイッチ操作部54の長さ寸法をスイッチ操作部52の長さ寸法に比べて長く設定した。しかも、左用右下ホルダ30および左用左上ホルダ31を右ホルダ24〜下ホルダ27の4つに比べて外周側に配置し、左用スイッチ操作部55の長さ寸法をスイッチ操作部52の長さ寸法に比べて短く設定した。従って、ダイアル49がRポジションおよびLポジションのそれぞれで右左上下の4つの方向へ傾倒操作された場合に右ホルダ24〜左用左上ホルダ31のうちの必要なものだけが確実に操作されるようになる。
上記実施例1においては、4つのスイッチ操作部52と2つの右用スイッチ操作部54と2つの左用スイッチ操作部55の8つのそれぞれを同一の長さ寸法に設定しても良い。この場合には右用右下ホルダ28および右用左上ホルダ29のそれぞれの長さ寸法を右ホルダ24〜下ホルダ27の4つに比べて長く設定し、左用右下ホルダ30および左用左上ホルダ31のそれぞれの長さ寸法を右ホルダ24〜下ホルダ27の4つに比べて短く設定することが好ましい。
上記実施例1においては、一対の右接点14〜一対の左用左上接点21の8つを右LRモータ1〜左UDモータ4に図1とは異なる態様で電気的に接続しても良い。
上記実施例1においては、本発明を自動車のアウターミラー装置以外のスイッチ装置に適用しても良い。この場合にはダイアル49の軸を中心とする2つの回転位置のそれぞれでダイアル49を4つ以外の複数の方向へ傾倒可能に設けても良い。
上記実施例1においては、ダイアル49の形状は図示のようなフラット形状に限定されるものでなく、例えば図7のようなジョイスティック形状としても良い。