JP6117032B2 - 切替装置、受信機及び送信機 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、伝送信号を伝送する伝送線路を切り替える切替装置、この切替装置を用いる受信機及び送信機に関する。
一般に、高周波信号等の伝送信号を伝送する伝送線路の切り替えには、スイッチ等の切替部品による切替装置が用いられている。特に、高周波信号の伝送線路の切替装置としては、機械的なリレースイッチや半導体回路によるピンダイオードスイッチ及びFETスイッチ等の切替部品が知られている。
しかしながら、従来の切替装置では、切替部品が持つ抵抗に起因する抵抗損失が大きい。また、切替装置は、伝送線路上に切替部品を介在させることから、その切替部品の特性や挿入パッド等の影響により、切替部品と伝送線路との間に寄生素子ができてしまう。その結果、寄生素子によるミスマッチロスという伝送信号の損失が発生する。
特開平10−135715号公報
以上のように、従来の切替装置では、切替部品が持つ抵抗に起因する抵抗損失や伝送線路中の切替部品によって伝送線路との間にできる寄生素子によるミスマッチロスという伝送損失が問題となっている。
そこで、目的は、切替部品が持つ抵抗に起因する抵抗損失や寄生素子によるミスマッチロスの発生を防止し、低損失で伝送信号を伝送することができる切替装置、この切替装置を用いる受信機及び送信機を提供することにある。
本実施形態によれば、伝送信号を第1の処理回路または第2の処理回路へ選択的に切替伝送する切替装置において、切替装置は、常伝導線路と、超伝導線路と、超伝導共振回路と、冷却手段と、制御手段とを具備する。常伝導線路は、常伝導体で構築され、前記伝送信号を前記第1の処理回路へ伝送する。超伝導線路は、超伝導体で構築され、前記常伝導線路上に設けられる分岐点で分岐される伝送信号を前記第2の処理回路へ伝送する。超伝導共振回路は、超伝導体で構築され、前記分岐点から前記常伝導線路に沿って1/4波長×n(nは正の奇数)の位置で、前記常伝導線路に近接配置され、超伝導状態で共振して前記状伝導線路と電磁結合する。冷却手段は、前記超伝導線路及び超伝導共振回路を超伝導状態となるまで極低温に冷却する。制御手段は、前記冷却手段をオン・オフ制御する。
第1の実施形態に係る受信機の構成を示すブロック図。 図1に示す切替装置に用いる超伝導共振回路の具体例を示す図。 図1に示す受信機の回路構成例を示す図である。 第2の実施形態に係る受信機の構成を示すブロック図。 図4に示す切替装置に用いる多重モード共振回路の具体例を示す図。 第3の実施形態に係る1つの受信回路を持つ受信機の構成を示すブロック図。 第3の実施形態に係る1つの受信回路を持つ受信機の構成の変形例1を示すブロック図。 第3の実施形態に係る1つの受信回路を持つ受信機の構成の変形例2を示すブロック図。 第4の実施形態に係る送信機の構成を示すブロック図。 第5の実施形態に係る1つの送信回路を持つ送信機の構成を示すブロック図。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以降の図における同一部分には同一符号を付記する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る受信機の構成を示すブロック図である。図1に示す受信機は、第1受信回路1及び第2受信回路2と、アンテナで受信される受信信号を第1受信回路1及び第2受信回路2へ選択的に伝送する切替装置とを備える。なお、第1受信回路1及び第2受信回路2では、それぞれ信号処理を行う周波数帯域が異なるものとする。
第1受信回路1及び第2受信回路2は、それぞれ入力信号から所望の周波数帯域の信号を選択して増幅し復調出力する。
切替装置は、常伝導線路3と、超伝導線路4と、超伝導共振回路5と、真空容器6と、冷却部7とを備える。常伝導線路3及び超伝導線路4には、マイクロストリップラインやコプレーナラインを用いる。
常伝導線路3は、常伝導体で構築され、上記受信信号を第1受信回路1へ伝送するための伝送線路であり、受信信号入力端と第1受信回路1の入力端との間を接続する。
超伝導線路4は、超伝導体で構築され、上記受信信号を第2受信回路2へ伝送するための伝送線路であり、常伝導線路3に設けられる分岐点と第2受信回路2の入力端との間を接続する。なお、上記分岐点は、機械的なリレースイッチや半導体回路によるピンダイオードスイッチまたはFETスイッチ等ではなく、単なる常伝導線路3と超伝導線路4との接続点である。以降の実施形態についても同様である。
超伝導共振回路5は、超伝導体で構築され、超伝導状態で共振する回路である。この超伝導共振回路5は、常伝導線路3と超伝導線路4との分岐点から常伝導線路3に沿って伝送信号の1/4波長×n(nは正の奇数)の位置で、常伝導線路3に近接配置され、超伝導状態で常伝導線路3と電磁結合するもので、例えば図1に示すようなリング共振回路が用いられる。
真空容器6は、極低温の効率的な維持を目的として、内部に常伝導線路3、超伝導線路4及び超伝導共振回路5を収容した状態で、周囲を真空状態にして断熱し保温する容器である。冷却部7は、真空容器6の内部に配置され、オン・オフ制御部7Aからのオン指令に応じて真空容器6内の超伝導線路4及び超伝導共振回路5を超伝導状態となるまで極低温に冷却する。また、冷却部7は、オン・オフ制御部7Aからのオフ指令に応じて、真空容器6内の冷却を停止する。このとき、真空容器6内は、極低温から温度が上昇し、超伝導線路4及び超伝導共振回路5は超伝導状態から開放される。
次に、上記構成により、受信信号の伝送線路を切り替える仕組みについて説明する。
超伝導体は、臨界温度よりも高い温度において、非常に高い抵抗体となり、等価的に絶縁体とみなすことができる。そこで、冷却部7をオフとし、真空容器6内を超伝導臨界温度よりも高い温度とすれば、超伝導線路4及び超伝導共振回路5は回路基板の誘電体の一部とみなされ、実質的に常伝導線路3のみが伝送線路となる。よって、受信信号は、常伝導線路3を介して第1受信回路1にのみ伝送される。
また、超伝導体は、臨界温度よりも低い温度において、超伝導状態(実質的にインピーダンスがゼロ)となる。そこで、冷却部7をオンとし、真空容器6内を超伝導臨界温度よりも低い温度とすれば、超伝導線路4及び超伝導共振回路5はそれぞれ伝送線路及び共振回路として機能する。このとき、超伝導共振回路5は共振周波数にてショートとなるので、常伝導線路3は超伝導共振回路5との電磁結合点において、オープンのインピーダンスになる。よって、受信信号は、第1受信回路1には伝送されず、分岐点から超伝導線路4を介して第2受信回路2に伝送される。
このように、本実施形態に用いられる切替装置は、超伝導状態のオン・オフ切替によって線路の切替が可能であり、線路中に切替部品を持たないため、伝送損失を飛躍的に低減することができる。
ここで、上記常伝導線路3のうち、当該常伝導線路3と超伝導線路4との分岐点から常伝導線路3と超伝導共振回路5との電磁結合点までの距離は、常伝導線路3−超伝導共振回路5間の距離に応じて、1/4波長×nよりも短縮することが可能である。第1の実施形態では、この常伝導線路3−超伝導共振回路5間の距離で決定され、常伝導線路3と超伝導線路4との分岐点から常伝導線路3と超伝導共振回路5との電磁結合点までの距離を短縮するための値を数値Xと定義する。このとき、常伝導線路3と超伝導線路4との分岐点から常伝導線路3と超伝導共振回路5との電磁結合点までの距離は、1/4波長×n−Xとなる。
ここで、上記数値Xと、常伝導線路3−超伝導共振回路5間の距離との関係について、一般的な直列共振回路の共振時の等価回路と共に説明する。
一般に、直列共振回路の共振時の等価回路は、共振時のインダクタンス成分と共振時の対地容量で表すことができ、インダクタンスL及び電気容量Cの値で回路インピーダンスを決定することができる。また、インダクタンスLを通るエネルギー量及び電気容量Cに蓄えられるエネルギー量の総和は伝搬エネルギーUtotalであり、次式で表すことができる。
Figure 0006117032
式(1)に示すように、入力電力が一定であれば、伝搬エネルギーUtotalは一定の値となる。
ここで、常伝導線路3−超伝導共振回路5間の電磁結合を考慮すると、電気容量Cのエネルギー量は、対地容量及び結合容量の和になる。このことから、電気容量Cのエネルギー量は、常伝導線路3−超伝導共振回路5間の電磁結合を考慮しない場合と比較すると、結合容量の分だけ値が大きくなる。これにより、インダクタンスLのエネルギー量は、式(1)に示す関係に基づき、値が小さくなる。このため、切替装置に用いる超伝導共振回路5のインダクタンスLの値は小さくなる。
すなわち、常伝導線路3−超伝導共振回路5間の距離を調整することにより、常伝導線路3と超伝導共振回路5との電磁結合の強さが変化する。このため、電気容量Cの値が変化して、式(1)に示す関係に基づき、インダクタンスLが変化する。
つまり、常伝導線路3−超伝導共振回路5間の距離が近づくと、電磁結合が強くなり、電気容量Cが大きくなるため、数値Xが大きくなる。これにより、常伝導線路3と超伝導線路4との分岐点から常伝導線路3と超伝導共振回路5との電磁結合点までの距離は、一般的な開放端容量のフリンジング効果と同様に、数値Xの分だけ短縮することが可能となり、常伝導線路3における伝送損失も低減することができる。なお、本実施形態の切替装置は、常伝導線路3−超伝導共振回路5間の距離の設計で電気容量Cを変更している点について、上記開放端容量と異なる。
図2は、図1に示す切替装置に用いる超伝導共振回路5の具体例を示す図である。図2に示すように、切替装置に用いる超伝導共振回路5は、図2(a)に示す半波長共振回路51、図2(b)に示す1/4波長共振回路52、図2(c)に示すヘアピン共振回路53、図2(d)に示す方形パッチ共振回路54等を用いることが可能である。なお、図2(b)に示す1/4波長共振回路では、電磁結合点と反対側にショート点を作る必要がある。
図3は、図1に示す受信機の回路構成例を示す図である。図3(a)は、常伝導線路3及び超伝導線路4を別々の回路基板81,82に形成する場合の構成を示している。このように、別々の回路基板81,82にそれぞれ常伝導線路3及び超伝導線路4を形成する場合、異なる基板材料が利用可能である。図3(a)では、それぞれの回路基板81,82に形成される常伝導線路3及び超伝導線路4の分岐点接続方法として、ボンディングワイヤ10を利用する方法を示している。図3(b)は、常伝導線路3及び超伝導線路4を同一の回路基板8上に形成する場合の構成を示している。尚、図3(a)及び図3(b)において、コネクタ9は、外部伝送用の同軸ケーブルに接続するための変換器である。また、第1受信回路1及び第2受信回路2は、常伝導線路3及び超伝導線路4と同様に、別々の回路基板81,82に形成することが可能である。
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係る受信機の構成を示すブロック図である。図4に示す受信機に用いられる切替装置は、図1に示す第1の実施形態の切替装置と基本的に同様の構成である。しかしながら、図1に示すような単純な共振回路では、単一の周波数帯域のみでしか切り替え特性を実現できない。このため、第2の実施形態の切替装置では、超伝導共振回路5として多重モード共振回路を用いることで広帯域化を実現している。具体的には、本実施形態の切替装置は、摂動素子を持つ2重モードリング共振回路を用いる。この2重モードリング共振回路は、摂動素子の形状によって周波数帯域幅を調整することが可能とある。したがって、切替装置において、大きな摂動素子を用いた2重モードリング共振回路を超伝導共振回路5に用いれば、より広い帯域の周波数特性を実現することが可能となる。ここで、常伝導線路3の長さを決める波長は、中心周波数である。
図5は、図4に示す切替装置に用いる多重モード共振回路の具体例を示す図である。図5では、図4に示す2重モードリング共振回路とは別の多重モード共振回路を示す。広帯域化を行う共振回路には、図5(a)に示す切り込みを持つ円形パッチ共振回路55、図5(b)に示す外部線路素子を用いる円形パッチ共振回路56、図5(c)に示す切り込みを持つ方形パッチ共振回路57等を用いることが可能である。
(第3の実施形態)
図6は、第3の実施形態に係る受信機の構成を示すブロック図である。
図6に示す受信機は、アンテナにより受信される信号から所望の周波数帯域の信号を選択して増幅し復調出力する1個の受信回路11と、アンテナ受信される受信信号を受信回路11へ伝送するための伝送線路を、本線路と迂回線路との間で切り替える切替装置とを備える。
切替装置は、常伝導線路3と、超伝導線路4と、超伝導共振回路5と、真空容器6と、冷却部7とを備える。
常伝導線路3は、常伝導体で構築され、上記受信信号を受信回路11へ伝送するための伝送線路であり、受信信号入力端と受信回路11の入力端との間を接続し、本線路として機能する。
超伝導線路4は、超伝導体で構築され、上記受信信号を本線路から迂回して受信回路11へ伝送するための伝送線路であり、常伝導線路3に設けられる分岐点から迂回して、1/4波長×nの2倍の位置で常伝導線路3と接続される。超伝導線路4が超伝導状態となる場合、受信信号は分岐点で分岐され、超伝導線路4を介して受信回路11へ伝送される。
超伝導共振回路5は、超伝導体で構築され、超伝導状態で共振する回路である。この超伝導共振回路5は、常伝導線路3と超伝導線路4との分岐点から常伝導線路3に沿って伝送信号の1/4波長×n(nは正の奇数)の位置で、常伝導線路3に近接配置され、超伝導状態で常伝導線路3と電磁結合するもので、例えば図6に示すようなリング共振回路が用いられる。
真空容器6は、極低温の効率的な維持を目的として、内部に常伝導線路3、超伝導線路4及び超伝導共振回路5を収容した状態で、周囲を真空状態にして断熱し保温する容器である。冷却部7は、真空容器6の内部に配置され、オン・オフ制御部7Aからのオン指令に応じて真空容器6内を、超伝導線路4及び超伝導共振回路5を超伝導状態となるまで極低温に冷却する。また、冷却部7は、オン・オフ制御部7Aからのオフ指令に応じて、真空容器6内の冷却を停止する。このとき、真空容器6内は、極低温から温度が上昇し、超伝導線路4及び超伝導共振回路5は超伝導状態から開放される。
上記構成によれば、冷却部7のオン・オフにより本線路と迂回線路とを選択的に切り替えることができる。この場合、迂回線路が超伝導線路4であることから、迂回線路の長さによる損失を考慮する必要はなく、極めて低損失で線路の切替を実現することができる。
図7及び図8は、それぞれ第3の実施形態に係る受信機の変形例1、変形例2を示すブロック図である。図7に示す受信機は、例えば受信信号に急峻なフィルタ特性を与えるフィルタ12を超伝導線路4に設けたものである。また、図8に示す受信機は、超伝導線路4に上記フィルタ12と共に増幅器13を設けたものである。
図7及び図8に示す構成によれば、第3の実施形態に示す受信機は、冷却部7Aのオン制御により、超伝導線路4に設けられたフィルタ12が超伝導線路4と共に極低温で冷却され、これによって受信信号に急峻なフィルタ特性を与えて受信回路11に送ることが可能となる。また、超伝導線路4に設けられたフィルタ12により、超伝導線路4上で所定の周波数帯域の受信信号を高精度な切り分けにて選択することが可能となる。この構成によれば、図1に示すように信号処理を行う周波数帯域ごとに受信回路を設ける必要がなくなる。また、超伝導線路4に増幅器13を設け、超伝導線路4と共に増幅器13を極低温で冷却されることにより、内部雑音が低減され、これによって低損失化を図ることが可能となる。
尚、図8に示す受信機は、超伝導線路4にフィルタ12及び増幅器13を設ける構成としているが、増幅器13のみを超伝導線路4に設置するようにしてもよい。
(第4の実施形態)
図9は、第4の実施形態に係る送信機の構成を示すブロック図である。図9に示す送信機は、第1送信回路14及び第2送信回路15と、信号生成器(図示せず)で生成される送信信号を第1送信回路14及び第2送信会15へ選択的に伝送する切替装置とを備える。なお、第1送信回路14及び第2送信回路15では、それぞれ信号処理を行う送信信号の周波数帯域が異なるものとする。
切替装置は、常伝導線路3と、超伝導線路4と、超伝導共振回路5と、真空容器6と、冷却部7とを備える。この構成は、図1に示した切替回路と同じであり、オン・オフ制御部7Aからオン指令が出力されると、冷却部7は冷却を開始して、真空容器6内が超伝導線路4及び超伝導共振回路5が超伝導状態となる極低温に冷却する。また、オン・オフ制御部7Aからオフ指令が出力されると、冷却部7は、真空容器6内の冷却を停止する。このとき、真空容器6内は、極低温から温度が上昇し、超伝導線路4及び超伝導共振回路5は超伝導状態から開放される。このように、切替装置は超伝導状態のオン・オフ切替によって線路の切替が可能であり、線路中に切替部品を持たないため、伝送損失を飛躍的に低減することができる。
また、第1の実施形態でも説明したように、常伝導線路3−超伝導共振回路5間の距離が近づくと、電磁結合が強くなり、電気容量Cが大きくなるため、数値Xが大きくなる。これにより、常伝導線路3と超伝導線路4との分岐点から常伝導線路3と超伝導共振回路5との電磁結合点までの距離は、数値Xの分だけ短縮することが可能となり、常伝導線路3における伝送損失も低減することができる。
(第5の実施形態)
図10は、第5の実施形態に係る送信機の構成を示すブロック図である。
図10に示す送信機は、信号生成器等により生成される送信信号から所望の周波数帯域の送信信号を選択し、アンテナ等による空間への放射に必要な強度へ選択した送信信号を増幅する送信回路16と、生成される送信信号を送信回路16へ伝送するための伝送線路を、本線路と迂回線路との間で切り替える切替装置とを備える。
切替装置は、常伝導線路3と、超伝導線路4と、超伝導共振回路5と、真空容器6と、冷却部7とを備える。この構成は、図1に示した切替回路と同じであり、オン・オフ制御部7Aからオン指令が出力されると、冷却部7は冷却を開始して、真空容器6内が超伝導線路4及び超伝導共振回路5が超伝導状態となる極低温に冷却する。また、オン・オフ制御部7Aからオフ指令が出力されると、冷却部7は、真空容器6内の冷却を停止する。このとき、真空容器6内は、極低温から温度が上昇し、超伝導線路4及び超伝導共振回路5は超伝導状態から開放される。このように、切替装置は超伝導状態のオン・オフ切替によって線路の切替が可能であり、線路中に切替部品を持たないため、伝送損失を飛躍的に低減することができる。
ここで、図10に示す送信機は、第3の実施形態と同様に、超伝導線路4にフィルタ12及び増幅器13の少なくともいずれかを設置してもよい。
以上のように、上記構成による切替装置は、常伝導線路3と、超伝導線路4と、超伝導共振回路5と、真空容器6と、冷却部7とを備え、冷却部7による超伝導線路4及び超伝導共振回路5の冷却により、伝送信号の伝送線路を切り替える。これにより、切替装置は、単に動作温度のみで伝送線路の切り替えが可能となる。また、上記実施形態の切替装置は、冷却部7により超伝導状態になるまで極低温に冷却される超伝導線路4を採用することにより、伝送線路が持つインピーダンスをゼロとし、常伝導線路3と超伝導線路4との分岐点から受信回路や送信回路等の処理回路までの伝送損失を低減することが可能となる。また、上記実施形態の切替装置は、線路上に伝送線路を切り替えるための部品を取り付けないことから、切替部品が持つ抵抗に起因する抵抗損失や寄生素子によるミスマッチロスの発生を防止することが可能となる。すなわち、切替装置は、抵抗損失やミスマッチロスによる伝送信号の損失を低減させることが可能となる。また、切替装置は、電磁結合方式を採用して、超伝導共振回路5を常伝導線路3に接続させることから、結合容量によって常伝導線路の長さを1/4波長×nよりも短縮することが可能であり、処理回路までの伝送線路を短縮することで、伝送線路による伝送損失を低減することが可能となる。
したがって、上記実施形態の切替装置は、切替部品が持つ抵抗に起因する抵抗損失や寄生素子によるミスマッチロスの発生を防止し、従来よりも低損失で伝送信号を伝送することができる。また、この切替装置を用いる受信機及び送信機を提供することができる。
また、上記切替装置を用いる受信機では、伝送信号の低損失化により、受信感度の向上が可能となる。また、上記切替装置を用いる送信機では、伝送信号の低損失化により、アンテナからの送信電力が同じ場合、全体の消費電力の削減が期待できる。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…第1受信回路、2…第2受信回路、3…常伝導線路、4…超伝導線路、5…超伝導共振回路、51…半波長共振回路、52…1/4波長共振回路、53…ヘアピン共振回路、54…方形パッチ共振回路、55…切り込みを持つ円形パッチ共振回路、56…外部線路素子を用いる円形パッチ共振回路、57…切り込みを持つ方形パッチ共振回路、6…真空容器、7…冷却部、7A…オン・オフ制御部、81,82…回路基板、9…コネクタ、10…ボンディングワイヤ、11…受信回路、12…フィルタ、13…増幅器、14…第1送信回路、15…第2送信回路、16…送信回路。

Claims (11)

  1. 伝送信号を第1の処理回路または第2の処理回路へ選択的に切替伝送する切替装置において、
    常伝導体で構築され、前記伝送信号を前記第1の処理回路へ伝送する常伝導線路と、
    超伝導体で構築され、前記常伝導線路上に設けられる分岐点で分岐される伝送信号を前記第2の処理回路へ伝送する超伝導線路と、
    超伝導体で構築され、前記分岐点から前記常伝導線路に沿って1/4波長×n(nは正の奇数)の位置で、前記常伝導線路に近接配置され、超伝導状態で共振して前記常伝導線路と電磁結合する超伝導共振回路と、
    前記超伝導線路及び超伝導共振回路を超伝導状態となるまで極低温に冷却する冷却手段と、
    前記冷却手段をオン・オフ制御する制御手段と
    を具備する切替装置。
  2. 前記常伝導線路は、前記常伝導線路と前記超伝導共振回路との距離に応じて、前記分岐点から前記常伝導線路と前記超伝導共振回路との電磁結合点までの距離を選定する請求項1記載の切替装置。
  3. 前記超伝導共振回路は、多重モード共振回路である請求項1記載の切替装置。
  4. それぞれ受信信号の任意の周波数帯の信号処理を行う第1の受信回路及び第2の受信回路と、
    前記受信信号を前記第1の受信回路または第2の受信回路へ選択的に切替伝送する切替装置とを具備し、
    前記切替装置は、
    常伝導体で構築され、前記受信信号を前記第1の受信回路へ伝送する常伝導線路と、
    超伝導体で構築され、前記常伝導線路上に設けられる分岐点で分岐される受信信号を前記第2の受信回路へ伝送する超伝導線路と、
    超伝導体で構築され、前記分岐点から前記常伝導線路に沿って1/4波長×n(nは正の奇数)の位置で、前記常伝導線路に近接配置され、超伝導状態で共振して前記常伝導線路と電磁結合する超伝導共振回路と、
    前記超伝導線路及び超伝導共振回路を超伝導状態となるまで極低温に冷却する冷却手段と、
    前記冷却手段をオン・オフ制御する制御手段と
    を具備する受信機。
  5. 受信信号の信号処理を行う受信回路と、
    前記受信信号を前記受信回路に伝送する本線路と当該本線路に設けられる分岐点で分岐される受信信号を前記本線路の任意の位置に迂回伝送する迂回線路とを選択的に切り替える切替装置とを具備し、
    前記切替装置は、
    常伝導体で構築され、前記受信信号を前記受信回路へ伝送する前記本線路用の常伝導線路と、
    超伝導体で構築され、前記常伝導線路上に設けられる分岐点で分岐される受信信号を迂回伝送する前記迂回線路用の超伝導線路と、
    超伝導体で構築され、前記分岐点から前記常伝導線路に沿って1/4波長×n(nは正の奇数)の位置で、前記常伝導線路に近接配置され、超伝導状態で共振して前記常伝導線路と電磁結合する超伝導共振回路と、
    前記超伝導線路及び超伝導共振回路を超伝導状態となるまで極低温に冷却する冷却手段と、
    前記冷却手段をオン・オフ制御する制御手段と
    を具備する受信機。
  6. 前記迂回線路は、前記分岐点から1/4波長×nの2倍の位置で前記常伝導線路と接続される請求項5記載の受信機。
  7. 前記迂回線路には、フィルタ及び増幅器の少なくともいずれかが配置される請求項5記載の受信機。
  8. それぞれ送信信号について任意の周波数帯の信号処理を行う第1の送信回路及び第2の送信回路と、
    前記送信信号を前記第1の送信回路または第2の送信回路へ選択的に切替伝送する切替装置とを具備し、
    前記切替装置は、
    常伝導体で構築され、前記送信信号を前記第1の送信回路へ伝送する常伝導線路と、
    超伝導体で構築され、前記常伝導線路上に設けられる分岐点で分岐される送信信号を前記第2の送信回路へ伝送する超伝導線路と、
    超伝導体で構築され、前記分岐点から前記常伝導線路に沿って1/4波長×n(nは正の奇数)の位置で、前記常伝導線路に近接配置され、超伝導状態で共振して前記常伝導線路と電磁結合する超伝導共振回路と、
    前記超伝導線路及び超伝導共振回路を超伝導状態となるまで極低温に冷却する冷却手段と、
    前記冷却手段をオン・オフ制御する制御手段と
    を具備する送信機。
  9. 送信信号の信号処理を行う送信回路と、
    前記送信信号を前記送信回路に伝送する本線路と当該本線路に設けられる分岐点で分岐される送信信号を前記本線路の任意の位置に迂回伝送する迂回線路とを選択的に切り替える切替装置とを具備し、
    前記切替装置は、
    常伝導体で構築され、前記送信信号を前記送信回路へ伝送する前記本線路用の常伝導線路と、
    超伝導体で構築され、前記常伝導線路上に設けられる分岐点で分岐される送信信号を迂回伝送する前記迂回線路用の超伝導線路と、
    超伝導体で構築され、前記分岐点から前記常伝導線路に沿って1/4波長×n(nは正の奇数)の位置で、前記常伝導線路に近接配置され、超伝導状態で共振して前記常伝導線路と電磁結合する超伝導共振回路と、
    前記超伝導線路及び超伝導共振回路を超伝導状態となるまで極低温に冷却する冷却手段と、
    前記冷却手段をオン・オフ制御する制御手段と
    を具備する送信機。
  10. 前記迂回線路は、前記分岐点から1/4波長×nの2倍の位置で前記常伝導線路と接続される請求項9記載の送信機。
  11. 前記迂回線路には、フィルタ及び増幅器の少なくともいずれかが配置される請求項9記載の送信機。
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