JP6116505B2 - 温度センサ付電極カテーテル - Google Patents
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Description
この結果、焼灼側に面している電極部分は高温(例えば50℃以上)となっているときに、焼灼側とは反対側の電極部分は低温(例えば40℃以下)となっていて、リング状電極の周方向に温度差が生じる。
また、アブレーション術中に、リング状電極が装着されたカテーテルシャフトの先端部分が軸線の回りに回転することによって温度センサの溶接位置が回転し、測定される温度が変化することも考えられる。
本発明の目的は、構成する温度測定用電極を食道などの体内中空器官の内部に配置したときに、正確な温度測定を行うことができる信頼性の高い温度センサ付電極カテーテルを提供することにある。
本発明の他の目的は、アブレーション術中に、温度測定用電極が装着されたカテーテルシャフトの先端部分を軸線の回りに回転させても、測定される温度が変化することのない温度センサ付電極カテーテルを提供することにある。
先端可撓部分を有するカテーテルシャフトと、カテーテルシャフトの基端側に接続された操作ハンドルと、前記先端可撓部分を撓ませるために前記カテーテルシャフトの内部に延在し、その基端側を引張操作することができる操作用ワイヤと、前記先端可撓部分に配置された少なくとも1個の温度測定用電極と、前記温度測定用電極に接続されている温度センサと、前記温度センサのリード線とを備えてなり、
前記温度測定用電極は、前記先端可撓部分を構成する絶縁性円筒体が両端に連結されている導電性円柱体からなり、前記導電性円柱体には、この円柱の中心軸に沿って延びて、基端側の円柱底面に開口する有底孔が形成され、前記温度センサは、前記有底孔内において前記導電性円柱体に固定されることにより、前記温度測定用電極に接続されていることを特徴とする。
また、温度センサが導電性円柱体(温度測定用電極)の中心軸上に位置していることにより、アブレーション術中に、温度測定用電極が装着されたカテーテルシャフトの先端部分(先端可撓部分)をその軸線の回りに回転させても、温度センサにより検知される温度(電極カテーテルにより測定される温度)が変化することはない。
このような構成の電極カテーテルによれば、カテーテルシャフトの内部にリード線を延在させる際の取り回し性を向上させることができる。
また、アブレーション術中において、温度測定用電極が装着されているカテーテルシャフトの先端可撓部分を、その軸線の回りに回転させても、測定される温度が変化することはない。
図1乃至図5に示す本実施形態の電極カテーテル100は、左房アブレーション術中において食道の内部温度を測定するための電極カテーテルであって;
先端可撓部分10Aを有するカテーテルシャフト10と、カテーテルシャフト10の基端側に接続された操作ハンドル20と、先端可撓部分10Aを撓ませるためにカテーテルシャフト10の内部に延在し、その基端側を引張操作することができる操作用ワイヤ30と、カテーテルシャフト10の先端に装着された温度測定用の先端電極41と、先端電極41に接続されている温度センサ61と、温度センサ61のリード線71と、先端電極41の内部に装着され、当該先端電極41の中心軸上において温度センサ61を固定するとともに、操作用ワイヤ30を折り返した状態で固定するアンカー部材45と、カテーテルシャフト10の先端可撓部分10Aに装着された温度測定用電極52〜55と、温度測定用電極52〜55の各々に接続されている温度センサ62〜65と、温度センサ62〜65のリード線72〜75とを備えてなり;
温度測定用電極52〜55の各々は、先端可撓部分10Aを構成する絶縁性円筒体(絶縁性円筒体121〜125の何れか2つ)が両端に連結されている導電性円柱体50からなり、温度測定用電極52〜55の各々を構成する導電性円柱体50には、当該円柱の中心軸に沿って延びて基端側の円柱底面に開口する有底孔56が形成され、温度センサ62〜65の各々は、有底孔56内において導電性円柱体50に固定されることにより、温度測定用電極52〜55の各々に電気的に接続されており;
温度測定用電極52〜55の各々を構成する導電性円柱体50には、更に、操作用ワイヤ30を挿通するための貫通孔571および572と、先端電極41に接続されている温度センサ61のリード線71および当該導電性円柱体50の先端側に位置する他の導電性円柱体50の有底孔56内において固定されている温度センサのリード線を挿通することのできる貫通孔581および582とが形成されている。
ここに、「先端可撓部分」とは、操作用ワイヤを引張操作することによって撓むことのできるカテーテルシャフトの先端部分をいう。
絶縁性円筒体121〜125の構成材料としては、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエーテルポリアミド、ポリウレタン、ナイロン、PEBAX(ポリエーテルブロックアミド)などの合成樹脂を例示することができる。
先端可撓部分10Aの外径(絶縁性円筒体121〜125および導電性円柱体50の外径)は、通常1.0〜4.0mmとされ、好ましくは1.2〜3.0mm、好適な一例を示せば2.3mmとされる。
先端可撓部分10Aの内径(絶縁性円筒体121〜125の内径)は、通常0.5〜3.5mmとされ、好ましくは1.0〜2.6mm、好適な一例を示せば1.8mmとされる。
シングルルーメンチューブ13は、絶縁性円筒体121〜125よりも剛性が高い材料からなる。具体的には、合成樹脂からなるチューブをステンレス素線で編組したブレードチューブからなることが好ましい。
シングルルーメンチューブ13の内径は、通常0.5〜3.5mmとされ、好ましくは1.0〜2.6mm、好適な一例を示せば1.92mmとされる。
シングルルーメンチューブ13の長さは、通常300〜1500mmとされ、好ましくは500〜900mm、好適な一例を示せば760mmとされる。
図3Bにおいて、14は、シングルルーメンチューブ13のルーメンにコイルチューブ15を固定するためのコイル止めである。
従って、シングルルーメンチューブ13のルーメンにコイルチューブ15を配置することにより、操作用ワイヤ30を引張操作したときに、先端可撓部分10Aとともにシングルルーメンチューブ13が撓むことを防止することができる。
コイルチューブ15の内径は、通常0.3〜3.3mmとされ、好ましくは0.8〜2.4mm、好適な一例を示せば1.6mmとされる。
コイルチューブ15の長さは、シングルルーメンチューブ13の長さと同程度であることが好ましい。
コイルチューブ15のルーメンにマルチルーメンチューブ16を配置することにより、先端偏向操作時におけるレスポンスの向上を図ることができる。
操作ハンドル20からは、先端電極41および温度測定用電極52〜55の各々に接続された温度センサ61〜65のリード線71〜75の後端部分が引き出される。
また、操作ハンドル20には、先端偏向操作(操作用ワイヤ30の引張操作)を行うための摘み25が装着されている。
操作用ワイヤ30は、その一端および他端が基端(近位端)となっており、カテーテルシャフト10の内部を、一端から先端方向に延びて、先端電極41の内部に進入し、先端電極41の内部に装着されたアンカー部材45の貫通孔451および452を通って折り返され(従って、折り返し部分が、操作用ワイヤ30の遠位端となる)、カテーテルシャフト10の内部を基端方向に延びて他端に至る1本のワイヤからなる。
操作用ワイヤ30の基端(近位端)である一端および他端は、操作ハンドル20の摘み25に接続されている。
また、操作ハンドル20の摘み25を、矢印B1で示す方向に回転させることにより、操作用ワイヤ30の他端が基端方向に引張され、先端可撓部分10Aが矢印Bで示す方向に撓んで、電極カテーテル100の先端が同方向に偏向する。
操作用ワイヤ30の外径は、特に限定されるものではないが0.05〜1.0mmであることが好ましく、更に好ましくは0.1〜0.5mm、好適な一例を示せば0.25mmである。
先端電極41の固定方法としては特に限定されるものではなく、例えば接着などの方法を挙げることができる。
先端電極41の構成材料としては、アルミニウム、銅、ステンレス、金、白金など、熱伝導性の良好な金属を例示することができる。なお、X線に対する良好な造影性を持たせるためには、白金などで構成されることが好ましい。
先端電極41の外径は、カテーテルシャフト10の外径と同程度であることが好ましい。
図7に示すように、このアンカー部材45には、先端電極の中心軸に沿って貫通孔453が形成されているとともに、これと平行に貫通孔451および452が形成されている。
アンカー部材45の貫通孔451および452には、これらの先端側において折り返される操作用ワイヤ30が挿通されている。
また、先端電極41の中心軸上に形成された貫通孔453には、温度センサ61およびそのリード線71の先端部分が挿入されている。
アンカー部材45の貫通孔451および452に挿通された操作用ワイヤ30の遠位端(折り返し部分)と、貫通孔453に挿入された温度センサ61およびそのリード線71の先端部分は、先端電極41の内部に充填されたハンダ80により、先端電極41に対して接続固定されている。
また、温度センサ61のリード線71は、熱電対を構成する異種の金属線からなる。
温度測定用電極52、53、54および55は、それぞれの両端に、絶縁性円筒体(121,122)、(122,123)、(123,124)および(124,125)が連結されている導電性円柱体50からなる。
また、貫通孔571および572は、操作用ワイヤ30を挿通するための貫通孔であり、貫通孔581および582は、当該導電性円柱体50より先端側に位置する他の導電性円柱体50の有底孔内において固定されている温度センサのリード線を挿通することのできる貫通孔である。
また、貫通孔581および582は、先端電極41に接続固定された温度センサ61のリード線71を挿通することもできる。
温度センサ62は、有底孔56内において導電性円柱体50に対して溶接によって固定されることにより、温度測定用電極52に接続されている。
この導電性円柱体50の貫通孔571および572には操作用ワイヤ30が挿通され、この導電性円柱体50の貫通孔581には、先端電極41に接続された温度センサ61のリード線71が挿通されている。
温度センサ63は、有底孔56内において導電性円柱体50に対して溶接によって固定されることにより、温度測定用電極53に接続されている。
この導電性円柱体50の貫通孔571および572には操作用ワイヤ30が挿通され、この導電性円柱体50の貫通孔581には、先端電極41に接続された温度センサ61のリード線71および温度測定用電極52に接続された温度センサ62のリード線72が挿通されている。
温度センサ64は、有底孔56内において導電性円柱体50に対して溶接によって固定されることにより、温度測定用電極54に接続されている。
この導電性円柱体50の貫通孔571および572には操作用ワイヤ30が挿通され、この導電性円柱体50の貫通孔581には、先端電極41に接続された温度センサ61のリード線71および温度測定用電極52に接続された温度センサ62のリード線72が挿通され、この導電性円柱体50の貫通孔582には、温度測定用電極53に接続された温度センサ63のリード線73が挿通されている。
温度センサ65は、有底孔56内において導電性円柱体50に対して溶接によって固定されることにより、温度測定用電極55に接続されている。
この導電性円柱体50の貫通孔571および572には操作用ワイヤ30が挿通され、この導電性円柱体50の貫通孔581には、先端電極41に接続された温度センサ61のリード線71、温度測定用電極52に接続された温度センサ62のリード線72および温度測定用電極54に接続された温度センサ64のリード線74が挿通され、この導電性円柱体50の貫通孔582には、温度測定用電極53に接続された温度センサ63のリード線73が挿通されている。
このようにして得られる導電性円柱体50からなる温度測定用電極52〜55は、リング状の電極と比較して、焼灼側に面している電極部分と、それとは反対側の電極部分との温度差を小さくすることができる。
これにより、導電性円柱体50の中央円柱部502の外周面のみが、温度測定用電極52〜55の外観として先端可撓部分10Aに現れている。
この電極幅(w)が短すぎると、熱電対を十分に固定することができなくなる。
他方、電極幅(w)が長すぎると、先端可撓部分10Aを十分に曲げることができなくなる。
この電極間距離(d)は、隣り合う温度測定用電極の離間距離であり、絶縁性円筒体122〜124の長さに相当する。
電極間距離(d)が短すぎると、連結される絶縁性円筒体の内部において、リード線の取り回しが困難となる。
他方、電極間距離(d)が長すぎると、隣り合う電極の中間に位置する部位の測定温度(温度センサにより検知される温度)が、実際より低い温度になることがある。
これにより、カテーテルシャフト10(絶縁性円筒体122〜124)の内部にリード線を延在させるときに(このとき、絶縁性円筒体の軸方向にリード線を移動させながら径方向にも移動させる)、軸方向の移動距離を長く確保することができるので、リード線の取り回しを向上させることができる。
これにより、絶縁性円筒体121〜125と導電性円柱体50とが強固に連結された先端可撓部分10Aを形成することができ、先端可撓部分10Aの撓み剛性などを向上させることができる。
例えば、食道の内部温度を測定するための電極数は5個(先端電極41および温度測定用電極52〜55)に限定されるものではなく、例えば1〜20個の範囲で適宜調整することができる。
また、温度を測定するための電極として先端電極41が必須ではなく、先端可撓部分に装着された温度測定用電極のみにより、内部温度を測定してもよい。
10A 先端可撓部分
121〜125 絶縁性円筒体
13 シングルルーメンチューブ
14 コイル止め
15 コイルチューブ
16 マルチルーメンチューブ
171,172 ルーメン(操作用ワイヤ挿通用)
173 中央ルーメン(リード線挿通用)
20 操作ハンドル
30 操作用ワイヤ
41 先端電極
45 アンカー部材
451〜453 貫通孔
52〜55 温度測定用電極
50 導電性円柱体
501 先端側小径部
502 中央円柱部
503 基端側小径部
56 有底孔 571,572 貫通孔(操作用ワイヤの挿通用)
581,582 貫通孔(リード線の挿通用)
59 抜け防止用凸部
61〜65 温度センサ
71〜75 リード線
80 ハンダ
Claims (7)
- 体内の中空器官の内部温度を測定するための電極カテーテルであって、
先端可撓部分を有するカテーテルシャフトと、カテーテルシャフトの基端側に接続された操作ハンドルと、前記先端可撓部分を撓ませるために前記カテーテルシャフトの内部に延在し、その基端側を引張操作することができる操作用ワイヤと、前記先端可撓部分に配置された少なくとも1個の温度測定用電極と、前記温度測定用電極に接続されている温度センサと、前記温度センサのリード線とを備えてなり、
前記温度測定用電極は、前記先端可撓部分を構成する絶縁性円筒体が両端に連結されている導電性円柱体からなり、前記導電性円柱体には、この円柱の中心軸に沿って延びて、基端側の円柱底面に開口する有底孔が形成され、前記温度センサは、前記有底孔内において前記導電性円柱体に固定されることにより、前記温度測定用電極に接続されていることを特徴とする温度センサ付電極カテーテル。 - 前記導電性円柱体には、前記操作用ワイヤを挿通するための貫通孔と、
前記導電性円柱体の先端側に他の導電性円柱体が位置しているときに、前記他の導電性円柱体の有底孔内において当該他の導電性円柱体に固定されている温度センサのリード線を挿通することのできる貫通孔とが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の温度センサ付電極カテーテル。 - 前記導電性円柱体の両端は小径部となっており、前記小径部の各々が前記絶縁性円筒体の内部に挿入されることにより、前記導電性円柱体の両端に前記絶縁性円筒体が連結されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の温度センサ付電極カテーテル。
- 前記導電性円柱体の両端部を構成する小径部の少なくとも一方にザグリ加工が施されていることを特徴とする請求項3に記載の温度センサ付電極カテーテル。
- 前記導電性円柱体の両端部を構成する小径部の外周に抜け防止用凸部が形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の温度センサ付電極カテーテル。
- 前記先端可撓部分に配列された複数の温度測定用電極の電極間距離が5mm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の温度センサ付電極カテーテル。
- 前記カテーテルシャフトの先端側に温度測定用の先端電極を備えており、
前記先端電極の内部には、前記先端電極の中心軸上において温度センサを固定するアンカー部材が装着されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の温度センサ付電極カテーテル。
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