JP6115842B1 - 足場材料への細胞播種方法及びその装置 - Google Patents

足場材料への細胞播種方法及びその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的大きな寸法の足場材料でも芯部から短時間で均一に細胞を自動的に播種でき、更に細胞を培地に懸濁した細胞液の使用量も必要最小限に抑制できる、足場材料への細胞播種方法及びその装置の提供。【解決手段】細胞が3次元的に増殖するための足場として機能する多孔性足場材料3に、細胞が培養液に懸濁した状態の細胞液を充填したシリンジ2を駆動し、均一に細胞を播種するための細胞播種装置1であって、基台11上に、多孔性足場材料3を保持する足場材料保持部31と、側面部に複数の吐出口を設けたニードル23を備えたシリンジ2の外筒部21を保持して穿刺方向に進退移動可能な主可動部12と、シリンジ2のプランジャ22の端部を保持してシリンジ2の外筒部21に対して進退移動可能な副可動部13とを備える細胞播種装置1。【選択図】図11

Description

本発明は、足場材料への細胞播種方法及びその装置に係わり、更に詳しくは再生医療等において3次元培養のために必要な足場材料への細胞播種方法及びその装置に関するものである。
再生医療等に用いるためのヒト軟骨等の3次元生体組織を、細胞を培養して作製する場合、通常は生分解性で連続多孔性の足場材料に細胞を播種し、適宜な培養方法によって3次元培養する。
特許文献1には、生分解性高分子のコーティング層を形成したコラーゲン糸状物を成形して作製した連通多孔体からなる組織再生材料に、細胞を培地(培養液)に懸濁した懸濁液(細胞液)を直接塗布して播種する方法が開示されている。しかし、足場材料の外部から細胞液を塗布する方法では、足場材料の芯部まで細胞を十分に注入することはできない。
特許文献2、3には、細胞を多孔性足場材料に減圧下で吸着させることにより播種する点が開示されている。具体的には、細胞を含む懸濁液に足場材料を浸漬し、スターラー等で培地を撹拌しながら、密閉容器内で真空ポンプ及び圧力調整器を用いて80〜120mmHgの陰圧をかけて一定時間(例えば5〜20分間)保持することにより、細胞を足場材料内に導入するという方法である。尚、陰圧の代わりに加圧条件下に置くこともある。
しかし、足場材料に減圧下で細胞液を浸透させる方法(減圧法)は、塗布法よりも足場材料のより内部まで細胞液を導入することができるものの、足場材料が浸漬するほど大量の細胞液が必要であり、また前述のような真空機器が必要になって装置コストが嵩むばかりでなく、クリーンルームあるいはアイソレータ内で使用するには排気処理も問題になり、手軽に利用することができない。また、この減圧法は、一度のバッチ処理に比較的長時間を要するので、大量に処理するのに適しているが、少量の処理には適しない。
更に、これら細胞を足場材料の外側から播種する方法では、足場材料の芯部まで細胞を十分に導入することができないばかりでなく、播種した細胞の密度が不均一になる。特に、再生医療には比較的大きな生体組織を作製する必要があり、それに応じて足場材料も肉厚が大きくならざるを得ないが、その場合には足場材料の芯部への細胞播種の問題は顕著になる。足場材料の芯部まで細胞を均一に播種できないと、それを培養して作製した生体組織も均質にはならない。
また、人手によってシリンジを用いて、細胞液を足場材料に注入する方法もあるが、作業者スキルによるバラツキが大きく、また細胞培養のアイソレータ内で作業中に針を直接何度も触るのでグローブの破損やコンタミのリスクが大きい。
特開2005−278909号公報(段落[0027]) 特許第4921692号公報(請求項1) 特開2012−080874号公報(段落[0067])
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、比較的大きな寸法の足場材料でも芯部から短時間で均一に細胞を自動的に播種することができ、更に細胞を培地に懸濁した細胞液の使用量も必要最小限に抑制できる、足場材料への細胞播種方法及びその装置を提供する点にある。
本発明は、前述の課題解決のために、以下の足場材料への細胞播種方法及び足場材料への細胞装置を構成した。
(1)細胞が3次元的に増殖するための足場として機能する多孔性足場材料に、細胞を播種するための細胞播種方法であって、細胞が培養液に懸濁した状態の細胞液を、側面部に複数の吐出口を設けたニードルを備えたシリンジに充填し、足場材料に全ての吐出口が埋没するように穿刺した前記ニードルから細胞液を該足場材料の内部に加圧注入して、細胞を足場材料に均一に播種することを含む、足場材料への細胞播種方法。
(2)前記足場材料に対して前記ニードルを静止状態で細胞液を加圧注入する、(1)記載の足場材料への細胞播種方法。
(3)前記足場材料に対して前記ニードルを穿刺方向に対して、前進又は後退若しくは前進と後退を組み合わせて移動させながら細胞液を加圧注入する、(1)記載の足場材料への細胞播種方法。
(4)前記足場材料は円柱形状であり、前記ニードルを該足場材料の中心軸に沿って穿刺する、(1)〜(3)の何れか1項に記載の足場材料への細胞播種方法。
(5)前記ニードルは、ニードルチップを除く先端部分の側面部に複数の吐出口を備え、全ての吐出口で細胞液の単位時間当たりの吐出量を略均一に設定した、(1)〜(4)の何れか1項に記載の足場材料への細胞播種方法。
(6)細胞が3次元的に増殖するための足場として機能する多孔性足場材料に、細胞が培養液に懸濁した状態の細胞液を充填したシリンジを駆動し、均一に細胞を播種するための細胞播種装置であって、基台上に、多孔性足場材料を保持する足場材料保持部と、側面部に複数の吐出口を設けたニードルを備えたシリンジの外筒部を保持して穿刺方向に進退移動可能な主可動部と、前記シリンジのプランジャの端部を保持して前記シリンジの外筒部に対して進退移動可能な副可動部とを備え、更に前記主可動部を前進駆動して前記ニードルを全ての吐出口が埋没するように足場材料に穿刺する穿刺モードを備えるとともに、前記主可動部を静止状態で前記副可動部を前進駆動して前記ニードルから細胞液を足場材料の内部に加圧注入する静止注入モードと、前記主可動部を前進又は後退若しくは前進と後退を組み合わせて移動させながら、前記副可動部を前進駆動して前記ニードルから細胞液を足場材料の内部に加圧注入する移動注入モードの少なくとも一方を備えた、足場材料への細胞播種装置。
(7)前記副可動部は、前記主可動部を基準として進退移動可能に設け、前記主可動部に対する副可動部の変位によって、前記シリンジの外筒部に対するプランジャの押し込み量を制御して、前記ニードルによる加圧注入時の圧力及び単位時間当たりの注入量を調節する、(6)記載の足場材料への細胞播種装置。
(8)前記副可動部は、前記基台を基準として進退移動可能に設け、前記基台に対する前記主可動部の変位と副可動部の変位の差分によって、前記シリンジの外筒部に対するプランジャの押し込み量を制御して、前記ニードルによる加圧注入時の圧力及び単位時間当たりの注入量を調節する、(6)記載の足場材料への細胞播種装置。
(9)前記足場材料保持部は、内部に前記足場材料の外周を取り囲んで包持する収容空間を備えるとともに、一部に前記ニードルが進入する導入口を備えている、(6)〜(8)の何れか1項に記載の足場材料への細胞播種装置。
(10)前記足場材料は円柱形状であり、前記ニードルを該足場材料の中心軸に沿って穿刺する、(6)〜(9)の何れか1項に記載の足場材料への細胞播種装置。
(11)前記ニードルは、ニードルチップを除く先端部分の側面部に複数の吐出口を備え、全ての吐出口で細胞液の単位時間当たりの吐出量を略均一に設定した、(6)〜(10)の何れか1項に記載の足場材料への細胞播種装置。
本発明の足場材料への細胞播種方法及びその装置によれば、比較的大きな寸法の足場材料でも芯部から短時間で均一に細胞を自動的に播種することができる。また、細胞を培地に懸濁した細胞液は、必要最小限の使用量で済み、高価な細胞や培地を節約できる。作業者スキルによらず、足場材料に安定した播種が行なえる。また、本発明の細胞播種装置は、クリーンルームあるいはアイソレータ内で使用することができる。
本発明に係る細胞播種装置の全体斜視図である。 同じくハウジングを省略した状態の細胞播種装置の斜視図である。 シリンジを細胞播種装置に保持する構造を示す斜視図である。 主可動部を駆動する機構を示す部分斜視図である。 主可動部を示す部分斜視図である。 同じく主可動部を示す部分斜視図である。 足場材料保持部の構造を示す分解斜視図である。 タイプAのニードルの斜視図である。 タイプBのニードルの斜視図である。 タイプAのニードルの部分断面図である。 細胞播種装置にシリンジを装着し、ホームポジション状態の縦断面図である。 ニードルを足場材料に穿刺した状態の縦断面図である。 ニードルから細胞液を足場材料に注入した状態の縦断面図である。 横型の細胞播種装置の全体斜視図である。 足場材料への播種実験における染色状態を観察するための切断箇所を示す説明図である。 各播種速度における染色状態の観察結果を示す足場材料の切断面の図面代用写真である。 各播種速度における染色面積比のグラフである。
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。図1〜図13は本発明の足場材料への細胞播種装置を示し、図中符号1は細胞播種装置、2はシリンジ、3は足場材料、11は基台、12は主可動部、13は副可動部、21は外筒部、22はプランジャ、23はニードル、24は吐出口、31は足場材料保持部をそれぞれ示している。尚、図1〜図13に示した細胞播種装置1は縦型であり、図14に示した細胞播種装置1Aは横型であるが、基本構造は縦型と同じである。
本発明の細胞播種装置1は、細胞が3次元的に増殖するための足場として機能する多孔性足場材料3に、細胞が培地(培養液)に懸濁した状態の細胞液を充填したシリンジ2を駆動して、均一に細胞を播種するためのものである。
本発明において「足場材料」とは、細胞が3次元的に増殖するための足場として機能する細胞足場材料(スキャホールド)を意味する。足場材料の足場部分は3次元構造を有しており、すなわち足場部分が立体的に配置されている。足場材料はその内部への細胞の侵入を可能にするため、多数の気孔(空隙)を有する。足場材料は、気孔を任意の形状及び/又は分布で有するものであってよいが、多孔性であることが好ましい。足場材料は、気孔間連通性を有していることがさらに好ましく、3次元ネットワーク構造を有していることも好ましい。足場材料について「多孔性」とは、孔径数μm〜数百μm程度の無数の気孔(空隙)が足場材料全体に比較的均一に存在することを指す。本発明においては、足場材料の空隙率(足場材料の全体積に比した空隙部分の体積の割合)は好ましくは30〜95%、より好ましくは60〜90%である。足場材料の孔径(気孔の直径)は、以下に限定されないが、好ましくは10〜500μm、より好ましくは50〜300μm、例えば50〜200μm(平均値)である。
足場材料の形状は、シリンジのニードルを穿刺して細胞液を注入できる形状であれば特に限定されず、円柱形、ディスク状、ブロック状、球形、楕円球形など任意の形状であってよい。本発明では、足場材料の大きさは、特に限定されないが、作製する生体組織の大きさに合わせた大きさであることが好ましい。本実施形態では、直径10mm、長さ50mmの円柱形のものを用いた。
本発明で用いる足場材料は、生分解性材料で構成される。本発明の足場材料は、医療分野等で使用される、生体内で分解されて細胞及び/又は生体に無毒な代謝産物を生成する生分解性材料で構成されることが好ましい。本発明における生分解性の足場材料は、例えば、コラーゲン、生分解性ポリマー、多糖類、又はそれらの組み合わせを含むものであってよい。「コラーゲン」としては、I型、II型、III型、IV型、V型、VI型及びVII型コラーゲンのいずれか、若しくはそれらの処理物(テロペプチドを除去したアテロコラーゲンや、熱変性体であるゼラチン等)、又はそれらの混合物が挙げられる。コラーゲンは、2種以上のコラーゲンの混合物であってもよく、一例として、生体内での利用のために抗原性低減が望まれる場合には複数種のアテロコラーゲンの混合物、例えば、熱変性アテロコラーゲンと線維化アテロコラーゲンの混合物(線維化アテロコラーゲンに熱変性アテロコラーゲンを5〜20%、例えば7〜12%添加したものなど)であってもよい。他の生分解性ポリマーとしては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリアルギン酸などの生分解性ポリエステル類、キチン、キトサン、アルギン酸、ポリアスパラギン酸、ヒアルロン酸等が挙げられるが、これらに限定されない。生分解性の足場材料は市販のものを用いてもよいし、動物組織から抽出・精製したコラーゲン等の生分解性材料から作製したものを用いてもよい。本発明で用いる生分解性足場材料の好ましい例として、テルプラグ(R)(オリンパステルモバイオマテリアル株式会社)などの多孔性コラーゲンスポンジが挙げられる。
本発明において「細胞」とは、培養細胞であり、初代培養細胞又は樹立細胞株であり得る。そのような細胞は正常細胞由来であってもがん細胞由来であってもよい。本発明における細胞は、任意の哺乳動物(例えば、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、ウサギ、イヌ、ネコ、サル、ウシなど)由来であってよいが、ヒト由来が好ましい。本発明における細胞はまた、体性幹細胞、臍帯血幹細胞、ES細胞、iPS細胞等の幹細胞から分化誘導により特定生体組織細胞に分化させたものであってもよい。細胞は不死化されていても、有限増殖性であってもよい。本発明における細胞はまた、ヒト生体より採取した初代細胞(正常細胞)でもよい。本発明における細胞は、遺伝子導入等の遺伝子改変がされていない非遺伝子組換え細胞であってもよい。
細胞を懸濁する培地(培養液)は、それらの細胞の培養に適した培地であれば特に限定されない。培地には、FBS(ウシ胎仔血清)や、Antibiotic-Antimycotic等の抗生物質を添加してもよい。培地には、分化誘導因子を含むものでもよい。
具体的には、本発明の細胞播種装置1は、図2及び図11に示すように、基台11上に、多孔性足場材料3を保持する足場材料保持部31と、側面部に複数の吐出口24,…を設けたニードル23を備えたシリンジ2の外筒部21を保持して穿刺方向に進退移動可能な主可動部12と、前記シリンジ2のプランジャ22の端部を保持して前記シリンジ2の外筒部21に対して進退移動可能な副可動部13とを備えている。ここで、本発明において「穿刺方向」とは、ニードル23を足場材料3に突き刺す方向を意味する。本発明において「前進」とは穿刺方向に進むことを意味し、「後退」とは穿刺方向と逆に進むことを意味している。
更に、本発明は、図11及び図12に示すように、前記主可動部12を前進駆動して前記ニードル23を全ての吐出口24,…が埋没するように足場材料3に穿刺する穿刺モードを備えている。加えて、本発明は、前記主可動部12を静止状態で前記副可動部13を前進駆動して前記ニードル23から細胞液を足場材料3の内部に加圧注入する静止注入モード(図13参照)と、前記主可動部12を前進又は後退若しくは前進と後退を組み合わせて移動させながら、前記副可動部13を前進駆動して前記ニードル23から細胞液を足場材料3の内部に加圧注入する移動注入モードの少なくとも一方を備えている。つまり、前記移動注入モードは、更に前進注入モード又は後退注入モード又は前進後退注入モードを選択できるようになっている。
ここで、前記副可動部13は、前記主可動部12を基準として進退移動可能に設け、前記主可動部12に対する副可動部13の変位によって、前記シリンジ2の外筒部21に対するプランジャ22の押し込み量を制御して、前記ニードル23による加圧注入時の圧力及び単位時間当たりの注入量を調節するようにしている。尚、図示しないが、前記副可動部13は、前記基台11を基準として進退移動可能に設け、前記基台11に対する前記主可動部12の変位と副可動部13の変位の差分によって、前記シリンジ2の外筒部21に対するプランジャ22の押し込み量を制御して、前記ニードル23による加圧注入時の圧力及び単位時間当たりの注入量を調節することも可能である。
また、本発明において、前記足場材料保持部31は、図1〜図3及び図7に示すように、前記基台11に取付けたサポート部材32と、内部に前記足場材料3を収容した状態で前記サポート部材32に着脱可能に保持する保護部材33とからなり、前記保護部材33の内部に前記足場材料3の外周を取り囲んで包持する収容空間34を備えるとともに、一部に前記ニードル23が進入する導入口35を備えている。本実施形態では、前記足場材料3は円柱形状であり、前記ニードル23を該足場材料3の中心軸に沿って穿刺するようになっている。
更に詳しくは、前記足場材料保持部31のサポート部材32は、上方に開放した円筒部36と下端部周囲に張り出した受皿部37とを有し、前記円筒部36の上部の対向壁部に切欠部38,38を形成して指を受け入れるようになっている。前記保護部材33は、外形が前記サポート部材32の円筒部36に内嵌する円筒状で、中心線を含む直径方向に二つ割りした構造になっており、接合面にはダボ39と凹部(図示せず)による凹凸嵌合構造を設けている。そして、前記保護部材33を分離状態で、一方の分割部材33Aの収容空間34に前記足場材料3を収容し、他方の分割部材33Bを接合し、その接合状態を保ったまま、前記サポート部材32の円筒部36に収容して保持する。前記収容空間34の大きさ及び形状は、それに収容する足場材料3に応じて決定される。
本実施形態のシリンジ2は、図3に示すように、外筒部21の筒先に前記ニードル23の基部のアダプター25を接続して使用し、前記外筒部21にはバックフランジ26を備えるとともに、前記プランジャ22の端部にプランジャボタン27を備えた通常の構造である。そして、本発明における前記ニードル23は、図8〜図10に示すように、先端部分の側面部に複数の吐出口24,…を備えている。更に詳しくは、本発明のニードル23は、ニードルチップ28を除く側面部に中心の流路29に連通する複数の吐出口24,…を備えている。前記吐出口24を備える領域は、注入モードに応じて異なる。尚、前記ニードルチップ28にも吐出口24を設けることは可能であるが、足場材料3に穿刺時に該材料で吐出口が塞がることも想定されるので、細胞液の均一播種に必要である場合を除き、ニードルチップ28には吐出口は設けない。
先ず、図8に示したニードル23(Aタイプ)は、静止注入モードで使用するものであり、前記足場材料3に穿刺した状態で、該足場材料3の内部に均一に細胞液を注入できるように、挿入部分の全長にわたって前記吐出口24,…を一定間隔で設けたものである。本実施形態では、先端から等間隔に10箇所の位置に前記吐出口24,…を設けている。次に、図9に示したニードル23(Bタイプ)は、移動注入モードで使用するものであり、先端部のみの狭い範囲に前記吐出口24,…を一定間隔で設けたものである。本実施形態では、先端から等間隔に4箇所の位置に前記吐出口24,…を設けている。
ここで、前記ニードル23を前記足場材料3に穿刺した状態で、全ての吐出口24,…で細胞液の単位時間当たりの吐出量を略均一に設定することが望ましい。オリフィスにおける流量は、内外の圧力差とコンダクタンスの積で表される。各吐出口24の外側の圧力、つまり足場材料3に接する部分の圧力は一定であると仮定し、全吐出口24の流路長が同じであると仮定する。ニードル23の流路29内の圧力が至るところで一定であると見なせる場合には、全吐出口24の断面を同形、例えば断面が円形の場合には同じ直径又は半径に設定すれば、全ての吐出口24のコンダクタンスは同じになり、吐出量を略均一にすることができる。一方、ニードル23の流路29の先端に向けて内圧が漸減する場合には、全吐出口24で同じ吐出量を確保するためには、先端側の吐出口24ほどコンダクタンスを大きく、例えば直径又は半径を大きくすればよい。あるいは、ニードル23の単位長さ当たりの吐出量を略均一にするという発想もある。その場合、各吐出口24のコンダクタンスを同じに設定し、ニードル23の流路29内の圧力の変化に応じて、吐出口24を設ける数密度を変えればよい。
更に具体的に、本発明の細胞播種装置1を説明する。前記基台11は、図4に示すように、水平なベース板111の上面に垂直な支柱部112を固定した構造であり、前記ベース板111の上面には前記足場材料保持部31を取付けている。前記支柱部112は、支持板113とその両側に設けた補強板114,114とで平面視略コ字形の剛性の高い構造となっている。そして、前記支持板113には、上下方向にリニアガイド115のガイドレール115Aを固定するとともに、該ガイドレール115Aに平行に、ステッピングモータやサーボモータ等の回転数を制御可能な駆動モータ116で回転駆動される送りねじ機構117のねじ軸117Aが設けられている。尚、送りねじ機構117の代わりに更に精度の高いボールねじを用いてもよい。
そして、前記主可動部12は、図2及び図3に示すように、前記基台11の支柱部112に上下移動可能に設けられている。前記主可動部12は、図5及び図6に示すように、基板118の表側下部に前記シリンジ2の外筒部21を保持する外筒部保持部119を設けるとともに、裏側に前記リニアガイド115を構成する可動ブロック115B,115Bを上下に固定するとともに、前記送りねじ機構117を構成するナット117Bを固定している。勿論、前記可動ブロック115B,115Bは、前記ガイドレール115Aにスライド可能に連係し、前記ナット117Bは、前記ねじ軸117Aに螺進退可能に連係している。それにより、前記主可動部12は、前記駆動モータ116で駆動された送りねじ機構117により、前記リニアガイド115で案内されて、前記基台11の支柱部112に対して上下移動する。
そして、前記副可動部13は、図5及び図6に示すように、前記主可動部12を基準として上下移動可能に設けられている。前記副可動部13は、前記基板118の表側に、リニアガイド120と駆動モータ121で回転駆動される送りねじ機構122とによって上下移動可能に設けられている。この場合も、前記リニアガイド120は、前記基板118に上下方向に固定されたガイドレール120Aと、前記副可動部13の裏面側に固定され、前記ガイドレール120Aに対してスライド移動する可動ブロック120Bとからなっている。また、前記送りねじ機構122も前記同様であり、前記基板118の表側に、前記ガイドレール120Aに平行にねじ軸122Aを設け、ナット122Bは前記副可動部13の裏面に固定している。前記駆動モータ121も前記同様に、ステッピングモータやサーボモータ等の回転数を制御可能なものである。それにより、前記副可動部13は、前記駆動モータ121で駆動された送りねじ機構122により、前記リニアガイド120で案内されて、前記基板118に対して上下移動する。更に、前記副可動部13の表側に前記シリンジ2のプランジャ22の端部を保持するプランジャ保持部123を設けている。
また、安全のためとホームポジションを決定するために、各可動部の可動範囲を制限するリミット機構が設けられている。先ず、前記主可動部12に対しては、前記基台11の支柱部112の上下部に近接センサ124,124を取付け、前記基板118の一側端に取付けた規制片125を検出し、前記駆動モータ116を強制停止するようになっている。また、前記副可動部13に対しては、前記基板118の他側部の上下部に、適宜な取付金具を介して近接センサ126,126を取付け、前記副可動部13の一側端に取付けた規制片127を検出し、前記駆動モータ116を強制停止するようになっている。また、前記機構部を前記シリンジ2に対して覆うために、前記基板118の下端部に下方へ延びたカバー128を設けるとともに、前記基板118と平行にカバー129を設けている。更に、前記支柱部112の背後に、着脱可能に補助脚130を設け、前記ベース板111の下面及び前記補助脚130の先端部にゴム製の接地パッド131,…を設けている。
前記主可動部12に設けた外筒部保持部119は、図2及び図5に示すように、前記シリンジ2の外筒部21を受け入れる凹部132と、前記バックフランジ26を嵌合するフランジ嵌合部133と、前記外筒部21を外側から押さえて保持する保持部材134とからなる。前記保持部材134は、一端を水平回動可能に保持するとともに、他端を弾性的にフック135で係脱できるように構成している。また、前記副可動部13に設けたプランジャ保持部123は、前記シリンジ2のプランジャボタン27を嵌合するボタン嵌合部136で構成している。前記凹部132、フランジ嵌合部133及びボタン嵌合部136は、シリンジ2に細胞液を充填した状態で、前記主可動部12の前面側からシリンジ2の各部を受け入れて保持できる構造であり、特にニードル23の穿刺方向において、前記フランジ嵌合部133に嵌合したバックフランジ26を前記主可動部12に対して移動不能に嵌合し、前記ボタン嵌合部136に嵌合したプランジャボタン27を前記副可動部13に対して移動不能に嵌合する。それにより、前記主可動部12に対して前記副可動部13が穿刺方向に相対変位、この場合、前進移動すると、前記プランジャ22が外筒部21内に押し込まれ、前記ニードル23の吐出口24,…から細胞液が吐出するのである。
本発明の細胞播種装置1は、可動部に設けた駆動モータ121や近接センサ126に接続するケーブルを保護するために、前記支柱部112と前記主可動部12との間にチェーン型の可撓性ケーブル保護管137を設けている。また、図1及び図14に示すように、前記基台11の支柱部112には、前述の主可動部12や副可動部13などの機構部を覆うハウジング138を設け、該ハウジング138には前記シリンジ2の脱着作業のために前面側に開閉扉139を設けている。
また、前記足場材料保持部31のサポート部材32は、図11に示すように、前記基台11のベース板111に着脱可能に取付けている。前記ベース板111の前部の所定位置に開口140を形成し、該開口140に前記サポート部材32の下面中央に突設した係合部141を係合させて位置決めし、下方から前記係合部141に取付ネジ142を螺合して締結する。前記サポート部材32の円筒部36の底部には液溜143を設けてあり、前記足場材料3から溢れた細胞液を受けるようになっている。更に、前記サポート部材32の受皿部37にも播種作業中にこぼれた細胞液を受けることができるようになっている。
本発明の細胞播種装置1の動作を図11〜図13に基づいて説明する。先ず、図11に示すように、前記主可動部12及び前記副可動部13が最上位に位置する状態をホームポジションとする。前記外筒部保持部119の保持部材134を開いた状態で、細胞液を充填した前記シリンジ2を、前記凹部132、フランジ嵌合部133及びボタン嵌合部136に、それぞれ外筒部21、バックフランジ26及びプランジャボタン27を嵌合し、それから保持部材134を閉じてフック135で保持する。一方、足場材料3は、前述のように保護部材33の収容空間34内に包持した状態で、前記サポート部材32の円筒部36に挿入してセットする。それから、穿刺モードを実行し、図12に示すように、前記駆動モータ116を駆動して前記主可動部12を穿刺方向に対して前進(下降)させて、前記ニードル23を保護部材33の導入口35から侵入させて足場材料3に所定深さまで挿入する。それから、静止注入モードでは、図13に示すように、前記主可動部12を静止状態で前記副可動部13のみを前進駆動して前記ニードル23から細胞液を足場材料3の内部に加圧注入する。細胞液の注入が終った後に、抜刺モードを実行し、つまり前記主可動部12を穿刺方向に対して後退(上昇)させてニードル23を足場材料3から抜き去り、ホームポジションに戻す。それから、シリンジ2を取り外した後、前記副可動部13もホームポジションに戻す。
また、前記主可動部12を前進又は後退若しくは前進と後退を組み合わせて移動させながら、前記副可動部13を前進駆動して前記ニードル23から細胞液を足場材料3の内部に加圧注入する移動注入モードを選択することも可能である。この移動注入モードは、更にニードル23を穿刺方向に挿入しながら細胞液を注入する前進注入モード又はニードル23を深く刺し込んだ状態から抜きながら細胞液を注入する後退注入モード又はニードル23を穿刺方向に対して前進及び後退を組み合わせて移動させながら細胞液を注入する前進後退注入モードを選択できる。
このように本発明の細胞播種装置1を用いて、足場材料3に内部から細胞を培地に懸濁した細胞液を注入した後、必要に応じて細胞液の残液をディッシュ等に受けて、それに足場材料3を浸漬して外部からも細胞液を浸透させることにより、更に均一な細胞の播種が可能となる。尚、足場材料3の形状によっては、前記シリンジ2のニードル23を足場材料3の異なる位置に複数回穿刺する必要があり、そのために前記ベース板111に対して前記足場材料保持部31を穿刺方向と交差する方向に移動可能にすることもある。それには、1軸あるいは2軸の移動テーブルを介して前記足場材料保持部31を前記ベース板111に支持すればよい。
図14は、横型の細胞播種装置1Aを示しているが、前述の縦型の細胞播種装置1から補助脚130を外し、前記支柱部112の補強板114,114の先端と中間部に、ゴム製の接地パッド131,…を取付けて横置きとしたものである。この場合、前記受皿部37の代わりに、前記支柱部112の支持板113の上面に、複数のダボ144で周囲を保持した受皿145を設けて足場材料3から溢れた細胞液を受ける。その他の構造は、前記同様であるので、同一構成には同一符号を付してその説明を省略する。
最後に、本発明の細胞播種装置1を用いて、足場材料に細胞を均一に播種できることを確認するための実験を行なった。足場材料は、直径10mm、長さ50mmの円柱形のテルプラグ(R)(オリンパステルモバイオマテリアル株式会社)である。そして、細胞液の代わりにトリパンブルー水溶液を用いた。本実験では、図8に示したタイプAのニードル23を用い、静止注入モードで行なった。全注入量は1ml(1cc)で、播種速度(注入速度)を10から200μl/sの7種類を比較した。足場材料の中心軸にニードルを穿刺し、各々の速度でトリパンブルー水溶液を注入した後、図15に示すように、中心軸に直角に5箇所を切断し、各切断片(a,b,c,d,e)の上側の切断面あたりの染色面積を求め、比較を行なった。図16は、各播種速度毎の切断面の写真であり、これから染色面積比を出し、その結果を図17に示す。図17には、各播種速度につき3回(N=3)行なった結果を重ねて記載している。
図17の結果から、播種速度が100μl/sの場合が最もばらつきがなく、染色面積も高い値を示し、至適播種速度であると示唆されました。
本発明は、再生医療等に用いるためのヒト軟骨等の3次元培養に利用できる。
1 細胞播種装置(縦型)、
1A 細胞播種装置(横型)、
2 シリンジ、
3 足場材料、
11 基台、
12 主可動部、
13 副可動部、
21 外筒部、 22 プランジャ、
23 ニードル、 24 吐出口、
25 アダプター、 26 バックフランジ、
27 プランジャボタン、 28 ニードルチップ、
29 流路、
31 足場材料保持部、 32 サポート部材、
33 保護部材、 33A 分割部材、
33B 分割部材、 34 収容空間、
35 導入口、 36 円筒部、
37 受皿部、 38 切欠部、
39 ダボ、
111 ベース板、 112 支柱部、
113 支持板、 114 補強板、
115 リニアガイド、 115A ガイドレール、
115B 可動ブロック、 116 駆動モータ、
117 送りねじ機構、 117A ねじ軸、
117B ナット、 118 基板、
119 外筒部保持部、 120 リニアガイド、
120A ガイドレール、 120B 可動ブロック、
121 駆動モータ、 122 送りねじ機構、
122A ねじ軸、 122B ナット、
123 プランジャ保持部、 124 近接センサ、
125 規制片、 126 近接センサ、
127 規制片、 128 カバー、
129 カバー、 130 補助脚、
131 接地パッド、 132 凹部、
133 フランジ嵌合部、 134 保持部材、
135 フック、 136 ボタン嵌合部、
137 可撓性ケーブル保護管、138 ハウジング、
139 開閉扉、 140 開口、
141 係合部、 142 取付ネジ、
143 液溜、 144 ダボ、
145 受皿。

Claims (11)

  1. 細胞が3次元的に増殖するための足場として機能する多孔性足場材料に、細胞を播種するための細胞播種方法であって、細胞が培養液に懸濁した状態の細胞液を、側面部に複数の吐出口を設けたニードルを備えたシリンジに充填し、足場材料に全ての吐出口が埋没するように穿刺した前記ニードルから細胞液を該足場材料の内部に加圧注入して、細胞を足場材料に均一に播種することを含む、足場材料への細胞播種方法。
  2. 前記足場材料に対して前記ニードルを静止状態で細胞液を加圧注入する、請求項1記載の足場材料への細胞播種方法。
  3. 前記足場材料に対して前記ニードルを穿刺方向に対して、前進又は後退若しくは前進と後退を組み合わせて移動させながら細胞液を加圧注入する、請求項1記載の足場材料への細胞播種方法。
  4. 前記足場材料は円柱形状であり、前記ニードルを該足場材料の中心軸に沿って穿刺する、請求項1〜3の何れか1項に記載の足場材料への細胞播種方法。
  5. 前記ニードルは、ニードルチップを除く先端部分の側面部に複数の吐出口を備え、全ての吐出口で細胞液の単位時間当たりの吐出量を略均一に設定した、請求項1〜4の何れか1項に記載の足場材料への細胞播種方法。
  6. 細胞が3次元的に増殖するための足場として機能する多孔性足場材料に、細胞が培養液に懸濁した状態の細胞液を充填したシリンジを駆動し、均一に細胞を播種するための細胞播種装置であって、基台上に、多孔性足場材料を保持する足場材料保持部と、側面部に複数の吐出口を設けたニードルを備えたシリンジの外筒部を保持して穿刺方向に進退移動可能な主可動部と、前記シリンジのプランジャの端部を保持して前記シリンジの外筒部に対して進退移動可能な副可動部とを備え、更に前記主可動部を前進駆動して前記ニードルを全ての吐出口が埋没するように足場材料に穿刺する穿刺モードを備えるとともに、前記主可動部を静止状態で前記副可動部を前進駆動して前記ニードルから細胞液を足場材料の内部に加圧注入する静止注入モードと、前記主可動部を前進又は後退若しくは前進と後退を組み合わせて移動させながら、前記副可動部を前進駆動して前記ニードルから細胞液を足場材料の内部に加圧注入する移動注入モードの少なくとも一方を備えた、足場材料への細胞播種装置。
  7. 前記副可動部は、前記主可動部を基準として進退移動可能に設け、前記主可動部に対する副可動部の変位によって、前記シリンジの外筒部に対するプランジャの押し込み量を制御して、前記ニードルによる加圧注入時の圧力及び単位時間当たりの注入量を調節する、請求項6記載の足場材料への細胞播種装置。
  8. 前記副可動部は、前記基台を基準として進退移動可能に設け、前記基台に対する前記主可動部の変位と副可動部の変位の差分によって、前記シリンジの外筒部に対するプランジャの押し込み量を制御して、前記ニードルによる加圧注入時の圧力及び単位時間当たりの注入量を調節する、請求項6記載の足場材料への細胞播種装置。
  9. 前記足場材料保持部は、内部に前記足場材料の外周を取り囲んで包持する収容空間を備えるとともに、一部に前記ニードルが進入する導入口を備えている、請求項6〜8の何れか1項に記載の足場材料への細胞播種装置。
  10. 前記足場材料は円柱形状であり、前記ニードルを該足場材料の中心軸に沿って穿刺する、請求項6〜9の何れか1項に記載の足場材料への細胞播種装置。
  11. 前記ニードルは、ニードルチップを除く先端部分の側面部に複数の吐出口を備え、全ての吐出口で細胞液の単位時間当たりの吐出量を略均一に設定した、請求項6〜10の何れか1項に記載の足場材料への細胞播種装置。
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