以下、図1〜6に基づいて、本発明の一実施形態に係る車両の運行管理装置を説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1に示すように、本実施形態に係る車両の運行管理装置は、車速センサ10と、乗務員交代操作装置11と、表示装置12と、警報装置13と、電子制御ユニット(以下、ECU)20とを備え構成されている。
車速センサ10は、本実施形態の運行管理装置が搭載される車両の速度を検出するもので、検出される車速値Vは電気的に接続されたECU20に入力される。
乗務員交代操作装置11は、例えば運転室内に設けられる操作ボタン等であって、運行開始ボタン11aと運行終了ボタン11bとを備え構成されている。これら運行開始ボタン11a、及び、運行終了ボタン11bのON/OFF信号は、電気的に接続されたECU20に入力される。
表示装置12は、例えば運転室内に設けられる公知の液晶パネル等であって、電気的に接続されたECU20から入力される情報を液晶画面上に表示して、運転者に視認させる。
警報装置13は、例えば運転室内に設けられる公知のスピーカ等であって、電気的に接続されたECU20から入力される情報を運転者に音声で通知する。
ECU20は各種制御を行うもので、公知のCPUやROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え構成されている。また、ECU20は、判定区間設定部21と、休憩時間累積演算部22と、運転時間累積演算部23と、連続運転超過判定部24と、超過判定解除部25と、判定区間初期化部26と、日時記憶部27と、表示装置制御部28と、警報装置制御部29とを一部の機能要素として有する。これら各機能要素は、本実施形態では一体のハードウェアであるECU20に含まれるものとして説明するが、これらのいずれか一部を別体のハードウェアに設けることもできる。
判定区間設定部21は、運転者による車両の運行開始から運行終了までの一区間を、連続運転時間の超過判定を行う判定区間として設定する。すなわち、判定区間設定部21は、乗務員交代操作装置11の運行開始ボタン11aがON操作されてから運行終了ボタン11bがON操作されるまでの期間を判定区間として設定するように構成されている。なお、乗務員交代操作装置11の他に、車両が公知のデジタルタコグラフ(不図示)を装備している場合は、メモリカードの挿入から取り出しまでの期間を判定区間として設定するように構成してもよい。
休憩時間累積演算部22は、車速センサ10から入力される車速値VとECU20に内蔵されたタイマ(不図示)の計時値とに基づいて、判定区間における車両の停止時間を休憩時間として累積演算する。より詳しくは、ECU20には、予め設定された基準休憩時間BTS(10分)が記憶されている。休憩時間累積演算部22は、判定区間において車速値Vが継続してゼロ(V=0)となる時間をタイマの計時値に基づいて計測すると共に、この継続時間が基準休憩時間BTS(10分)以上になると、休憩時間として累積を開始するように構成されている。以下、休憩時間累積演算部22により累積される休憩時間を累積休憩時間BTCUMと称する。
運転時間累積演算部23は、車速センサ10から入力される車速値Vとタイマの計時値とに基づいて、判定区間における車両の走行時間を運転時間として累積演算する。より詳しくは、運転時間累積演算部23は、判定区間において車速センサ10から0(ゼロ)よりも大きい値(V≠0)が入力されると、タイマの計時値に基づいて運転時間の累積を開始する。さらに、運転時間累積演算部23は、休憩時間累積演算部22で累積演算された累積休憩時間BTCUMが基準休憩時間BTS(10分)未満の場合、この累積休憩時間BTCUMを運転時間として累積する。以下、運転時間累積演算部23により累積される運転時間を累積運転時間DTCUMと称する。なお、運転時間累積演算部23は、休憩時間累積演算部22による休憩時間の累積中に乗務員交代操作装置11の運行終了ボタン11bがON操作された場合、累積休憩時間BTCUMが基準休憩時間BTS(10分)未満であっても、この累積休憩時間BTCUMを運転時間に累積しないように構成されている。
連続運転超過判定部24は、累積休憩時間BTCUMと累積運転時間DTCUMとに基づいて、判定区間における連続運転時間の超過判定を行う。より詳しくは、ECU20には、予め設定した連続運転上限時間DTMAX(4時間)及び、必要累積休憩時間BTR(30分)が記憶されている。連続運転超過判定部24は、累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)以上となる前に、累積運転時間DTCUMが連続運転上限時間DTMAX(4時間)を超えた場合に、連続運転時間を超過と判定する。
すなわち、図2に示すように、連続運転超過判定部24は、(a)必要累積休憩時間BTR(30分)を満たす休憩を一括取得したが、累積運転時間DTCUMが連続運転上限時間DTMAX(4時間)を超えた場合、もしくは、(b)一回目及び二回目に分割取得した休憩時間が基準休憩時間BTS(10分)を満たさず、累積休憩時間BTCUMも必要累積休憩時間BTR(30分)を満たさない場合に、連続運転時間を超過と判定する。一方、累積運転時間DTCUMが連続運転上限時間DTMAX(4時間)を超える前に、(c)一括取得による累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)を満たした場合、もしくは、(d)分割取得した各累積休憩時間BTCUMが基準休憩時間BTS(10分)を満たし、それにより合計の累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)を満たした場合、連続運転時間は非超過として処理される。
超過判定解除部25は、累積運転時間DTCUMが連続運転上限時間DTMAX(4時間)を超える前に、累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)に達した場合に、連続運転超過判定部24による超過判定を直ちに解除する。また、超過判定解除部25は、乗務員交代操作装置11の運行終了ボタン11bがON操作された際も、連続運転超過判定部24による超過判定を直ちに解除する。
さらに、超過判定解除部25は、イグニッションキーOFF操作後に、累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)に達した場合も、連続運転超過判定部24による超過判定を解除する。
より詳しくは、イグニッションキーOFF操作後にイグニッションキーON操作がなされた場合、超過判定解除部25は、以下の手順で超過判定の解除を行う。まず、イグニッションキーOFF操作時点の累積休憩時間BTCUMを記憶し、その後イグニッションキーがON操作されると、イグニッションキーOFF操作日時からON操作日時を減算して得られる値を停車時間として求める。そして、累積休憩時間BTCUMに停車時間を加算した値(以下、IGG−OFF・ON操作時休憩時間という)が必要累積休憩時間BTR(30分)以上となった場合は、この必要累積休憩時間BTR(30分)に達した日時で連続運転超過判定部24による超過判定を解除したとして処理される。例えば、算出した停車時間が15分の場合において、イグニッションキーOFF操作時点で記憶した累積休憩時間BTCUMが既に20分であれば、イグニッションキーOFF操作時から10分経過した時(必要累積休憩時間BTR(30分)を満たした時)に、連続運転超過判定部24による超過判定を解除したとして処理する。
判定区間初期化部26は、累積休憩時間BTCUMと累積運転時間DTCUMとを0(ゼロ)にリセットする判定区間の初期化を実行する。より詳しくは、判定区間初期化部26は、乗務員交代操作装置11の運行終了ボタン11bがON操作された場合に、判定区間を直ちに初期化する。また、判定区間初期化部26は、累積運転時間DTCUMが連続運転上限時間DTMAX(4時間)を超える前に、累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)に達した場合も、判定区間を直ちに初期化する。さらに、判定区間初期化部26は、イグニッションキーOFF操作後に、累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)に達した場合も、判定区間を初期化する。なお、この場合の初期化時期は、累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)に達した直後、もしくは、その後にイグニッションキーがON操作された時の何れであってもよい。
日時記憶部27は、連続運転超過判定部24が連続運転時間を超過と判定した場合に、その判定日時を記憶する。また、日時記憶部27は、イグニッションキーOFF操作の日時を記憶するIGG−OFF日時記憶手段としての機能も有する。また、日時記憶部27は、超過判定解除部25が超過判定を解除した場合に、その解除日時も記憶する。より詳しくは、累積運転時間DTCUMが連続運転上限時間DTMAX(4時間)を超える前に累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)を満たしたことで超過判定が解除された場合、日時記憶部27は、その解除日時を記憶する。また、乗務員交代操作装置11の運行終了ボタン11b:ON操作により超過判定が解除された場合、日時記憶部27は、直前の休憩時間の累積開始時を解除日時として記憶する。
さらに、日時記憶部27は、イグニッションキーOFF操作後に累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)を満たしたことで、超過判定が超過判定解除部25によって解除された場合は、累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)に達した日時を解除日時として記憶する。つまり、イグニッションキーOFF操作後にイグニッションキーON操作がなされた場合は、超過判定解除部25によって算出されるIGG−OFF・ON操作時休憩時間が必要累積休憩時間BTR(30分)に達した日時を解除日時として記憶する。例えば、この停車時間が15分の場合において、イグニッションキーOFF操作時点の累積休憩時間BTCUMが既に20分であれば、イグニッションキーOFF操作時から10分経過した時(必要累積休憩時間BTR(30分)を満たした時)を解除日時として記憶する。
表示装置制御部28は、累積休憩時間BTCUMに応じて運転者に通知を行うべく、表示装置12に指示信号を入力する。より詳しくは、表示装置制御部28は、累積休憩時間BTCUMが基準休憩時間BTS(10分)に達すると、図3に示すような、運転者に休憩中であることを知らせる所定のアイコン(本実施形態では、累積休憩時間BTCUMの分単位:例えば10〜30分)を表示装置12の液晶画面に表示させる。このアイコンの数値は、車速値Vが0(ゼロ)の間は継続して表示され、休憩時間の経過に伴い1分単位で更新される。また、アイコンの表示は、車両が走行を開始(V≠0)すると消灯される。さらに、このアイコン表示は、累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)を満たした後は、この必要累積休憩時間BTR(30分)で固定表示される。この固定表示されたアイコンは、車速値Vが0(ゼロ)の間は継続表示され、車両が走行を開始(V≠0)すると消灯されるように構成されている。
なお、運転者が休憩を分割取得した場合、二回目以降の休憩時に表示されるアイコンは、前回の休憩時間を加算した数値として表示される。すなわち、図4に示すように、一回目の休憩が11分であった場合、二回目の休憩時間が基準休憩時間BTS(10分)を経過した際に表示されるアイコンは、一回目の休憩時間を加算した数値で表示される。
警報装置制御部29は、累積運転時間DTCUMに応じて運転者に通知を行うべく、警報装置13に指示信号を入力する。より詳しくは、警報装置制御部29は、累積運転時間DTCUMが予め設定した所定の予告基準時間NADV(3時間40分)を超過すると、警報装置13に予告通知を行わせる。また、警報装置制御部29は、累積運転時間DTCUMが連続運転上限時間DTMAX(4時間)を超過すると、警報装置13に連続運転時間の超過通知を行わせるように構成されている。
次に、図5,6に基づいて、本実施形態に係る車両の運行管理装置による制御フローを説明する。図5のフローチャートは、運転者が4時間の運転につき休憩を一括取得する場合の一例、図6のフローチャートは、運転者が4時間の運転につき休憩を二回に分けて分割取得する場合の一例を示している。なお、何れの制御も車両の運行開始(乗務員交代操作装置11の運行開始ボタン11a:ON操作)と同時にスタートする。
まず、運転者が休憩を一括取得する図5のフローチャートから説明する。ステップ(以下、ステップを単にSと記載する)100では、車両が走行を開始したか否か(V≠0)が判定される。走行を開始した場合(V≠0)はS110に進む。
S110では、運転時間累積演算部23による運転時間の累積(累積運転時間DTCUM)が開始される。
S120では、警報装置制御部29により、累積運転時間DTCUMが予告基準時間NADV(3時間40分)を超過したか否かが判定される。累積運転時間DTCUMが予告基準時間NADV(3時間40分)を超過していない場合はS180に進む。一方、累積運転時間DTCUMが予告基準時間NADV(3時間40分)を超過している場合は、S130で警報装置13による予告通知が行われる。そして、S140で、累積運転時間DTCUMが連続運転上限時間DTMAX(4時間)を超過した場合は、S150で警報装置13による連続運転時間の超過通知が行われる。
S120からS180に進むと、車両が停止(V=0)したか否かが判定される。車両が停止している場合は、S190で休憩時間累積演算部22による休憩時間の累積(累積休憩時間BTCUM)が開始される。
S200では、表示装置制御部28により累積休憩時間BTCUMが基準休憩時間BTS(10分)に達したか否かが判定される。累積休憩時間BTCUMが基準休憩時間BTS(10分)に達した場合は、S210で表示装置12の液晶画面に累積休憩時間BTCUMを示すアイコンが表示される。このアイコンの表示は、休憩時間の経過に伴い1分単位で更新され、必要累積休憩時間BTR(30分)に達すると固定表示される。
S220では、連続運転超過判定部24による連続運転時間の超過判定が行われる。累積運転時間DTCUMが連続運転上限時間DTMAX(4時間)を超える前に、累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)に達した非超過の場合(NO)は、S230で超過判定が解除され、S240で解除日時が記憶され、さらにS250で判定区間が初期化されてリターンされる。一方、累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)以上となる前に、累積運転時間DTCUMが連続運転上限時間DTMAX(4時間)を超過した場合(YES)は、S260で超過判定の日時が記憶される。
なお、S200〜S260の間において、乗務員交代操作装置11の運行終了ボタン11bがON操作された場合、もしくは、イグニッションキーOFF操作後に累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)に達した場合は、S220における超過判定の結果にかかわらず、超過判定の解除、及び判定区間の初期化が実行される。
次に、運転者が休憩を二回に分けて分割取得する図6のフローチャートを説明する。S300では、車両が走行を開始したか否か(V≠0)が判定される。走行を開始した場合(V≠0)はS310に進む。
S310では、運転時間累積演算部23による運転時間の累積(累積運転時間DTCUM)が開始される。
S320では、車両が停止(V=0)したか否かが判定される。車両が停止している場合はS330に進み、休憩時間累積演算部22による休憩時間の累積(累積休憩時間BTCUM)が開始される。
S340では、車両が停止(V=0)を継続しているか否かが判定され、S350では、累積休憩時間BTCUMが基準休憩時間BTS(10分)に達したか否かが判定される。
車両が停止(V=0)を継続し、かつ、累積休憩時間BTCUMが基準休憩時間BTS(10分)に達している場合は、S360で表示装置12の液晶画面に累積休憩時間を示すアイコンが表示される。このアイコンの表示は、休憩時間の経過に伴い1分単位で更新される。
S370では、車両が走行を開始したか否か(V≠0)が判定される。走行を開始した場合(V≠0)は、S380で表示装置12の液晶画面に表示されたアイコンを消灯し、S400で運転時間累積演算部23による運転時間の累積が開始される。なお、累積休憩時間BTCUMが基準休憩時間BTS(10分)に達する前に、車両が走行を開始した場合(S340,S350でNO)は、この間に累積された停止時間を運転時間として累積する。
S410では、二回目の休憩を取得すべく、車両が停止(V=0)したか否かが判定される。車両が停止している場合はS420に進み、休憩時間累積演算部22による二回目の休憩時間の累積(累積休憩時間BTCUM)が開始される。
S430では車両が停止(V=0)を継続しているか否かが判定され、S440では二回目の休憩の累積休憩時間BTCUMが基準休憩時間BTS(10分)に達したか否かが判定される。
車両が停止(V=0)を継続し、かつ、2回目の休憩の累積休憩時間BTCUMが基準休憩時間BTS(10分)に達している場合は、S450で表示装置12の液晶画面に、一回目の休憩時間を加算した累積休憩時間を示すアイコンが表示される。このアイコンの表示は、休憩時間の経過に伴い1分単位で更新される。
S460では、車両が走行を開始したか否か(V≠0)が判定される。走行を開始した場合(V≠0)は、S470で表示装置12の液晶画面に表示されたアイコンを消灯し、S480で運転時間累積演算部23による運転時間の累積が開始される。なお、2回目の休憩の累積休憩時間BTCUMが基準休憩時間BTS(10分)に達する前に、車両が走行を開始した場合(S430,S440でNO)は、この間に累積された停止時間を運転時間として累積する。
S500では、連続運転超過判定部24による連続運転時間の超過判定が行われる。累積運転時間DTCUMが連続運転上限時間DTMAX(4時間)を超える前に、一回目及び二回目の累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)に達した非超過の場合(NO)は、S510で超過判定が解除され、S520で解除日時が記憶され、さらにS530で判定区間が初期化されてリターンされる。一方、一回目及び二回目の累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)以上となる前に、累積運転時間DTCUMが連続運転上限時間DTMAX(4時間)を超過した場合(YES)は、S540で超過判定の日時が記憶される。
なお、S480〜S540の間において、乗務員交代操作装置11の運行終了ボタン11bがON操作された場合、もしくは、イグニッションキーOFF操作後に一回目及び二回目の累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)に達した場合は、S500における超過判定の結果にかかわらず、超過判定の解除、及び判定区間の初期化が実行される。また、図6のフローでは説明を省略したが、S480〜500の時点で累積運転時間DTCUMが予告基準時間NADV(3時間40分)を超過している場合は、図5のフローでS130〜150に示す予告通知及び、超過通知が行われる。
次に、本実施形態に係る車両の運行管理装置による作用効果を説明する。
本実施形態の車両の運行管理装置では、累積運転時間DTCUMが連続運転上限時間DTMAX(4時間)を超える前に累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)に達すると、連続運転時間の超過判定は直ちに解除される。また、乗務員交代操作装置11の運行終了ボタン11bがON操作された際も、超過判定は直ちに解除される。さらに、イグニッションキーのOFF操作後に累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)に達した場合も、超過判定は解除されるように構成されている。
したがって、本実施形態の車両の運行管理装置によれば、休憩の一括取得もしくは分割取得にかかわらず、累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)を満たす運行を確実に管理することが可能になる。
また、本実施形態の車両の運行管理装置では、累積運転時間DTCUMが連続運転上限時間DTMAX(4時間)を超える前に累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)を満たしたことで超過判定が解除された場合は、その解除日時が記憶される。また、乗務員交代操作装置11の運行終了ボタン11bのON操作により超過判定が解除された場合は、直前の休憩時間の累積開始時が解除日時として記憶される。さらに、イグニッションキーOFF操作後に累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)を満たしたことで超過判定が解除され場合は、その解除日時ではなく、累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)に達した日時が解除日時として記憶されるように構成されている。
したがって、本実施形態の車両の運行管理装置によれば、超過判定の解除日時を実際の運行状況に応じて正確に記憶することが可能となり、運行管理の実効性を向上することができる。
また、本実施形態の車両の運行管理装置では、運転者による車両の運行開始から運行終了までの一区間を、連続運転時間の超過判定を行う判定区間として設定するように構成されている。
したがって、本実施形態の車両の運行管理装置によれば、車両の運行開始から運行終了までの一区間を基準とした正確な超過判定を行うことが可能になると共に、乗務員交代等、実際の運行状況に応じた運行管理も可能になる。
また、本実施形態の車両の運行管理装置では、乗務員交代操作装置11の運行終了ボタン11bがON操作された場合に、累積休憩時間BTCUMと累積運転時間DTCUMとを0(ゼロ)にリセットする判定区間の初期化が実行される。また、累積運転時間DTCUMが連続運転上限時間DTMAX(4時間)を超える前に累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)に達した場合も、判定区間の初期化が実行される。さらに、イグニッションキーOFF操作後に累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)に達した場合も、判定区間の初期化が実行されるように構成されている。
したがって、本実施形態の車両の運行管理装置によれば、累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)を満たす運行を確実に初期化(リセット)して、次に開始される新たな運行の超過判定を正確に行うことが可能になる。
また、本実施形態の車両の運行管理装置では、累積休憩時間BTCUMが基準休憩時間BTS(10分)に達すると、運転者に休憩中であることを知らせるアイコン(累積休憩時間BTCUM)が表示装置12の液晶画面に表示される。このアイコン表示は、休憩時間の累積経過に伴い分単位で更新されると共に、累積休憩時間BTCUMが必要累積休憩時間BTR(30分)を満たした後は、この必要累積休憩時間BTR(30分)で固定表示される。
したがって、本実施形態の車両の運行管理装置によれば、累積休憩時間BTCUMが基準休憩時間BTS(10分)に達した際は、運転者に休憩中であることを確実に知らせることが可能になる。また、必要累積休憩時間BTR(30分)を満たした後はアイコンを固定表示とすることで、運転者に対する不必要な情報提供を効果的に低減することができる。
また、本実施形態の車両の運行管理装置では、表示装置12の液晶画面に表示されたアイコンは、車両が走行を開始(V≠0)すると消灯されるように構成されている。
したがって、本実施形態の車両の運行管理装置によれば、車両の走行中は無駄な情報提供を行わないことで、運転者の運転に対する注意力が妨げられることを効果的に防止することができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
例えば、上述の実施形態において、表示装置12の液晶画面に表示されるアイコンは、累積休憩時間BTCUMを分単位で表示する数値として説明したが、このアイコンを単に休憩中であることを示す図形等で表示してもよい。
また、基準休憩時間BTS(10分)や必要累積休憩時間BTR(30分)は、上述の実施形態で用いた数値に限定されず、法規の改正等に合わせて他の数値に変更することも可能である。
また、運転者への情報提供には、表示装置12及び警報装置13を用いるものとして説明したが、これら表示装置12もしくは警報装置13の何れか一方のみで行うように構成してもよい。