JP6115013B2 - 光偏向装置、レーザレーダ装置 - Google Patents

光偏向装置、レーザレーダ装置 Download PDF

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Description

本発明は、光源が発生させたレーザビームを、光偏向器で偏向させる光偏向装置に関する。
対象物との距離及び方位を検出する技術が開発されている。その1つに、レーザレーダを利用する技術がある。レーザレーダ装置は、レーザービーム(例えばパルス波)を所定の角度内にてスキャンしながら照射し、検知対象物からの反射光を受信する。レーザビームの照射方向から対象物の方位を、照射してから反射光を受信するまでの時間により距離を、それぞれ計測する。このように前方をスキャンすることで、道路の車線区分を表す白線やキャッツアイ等のレーンマーカーを検出したり、物体種別判別が可能になる(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、車速センサが検出する車速に応じて、走査角を制御するレーザビーム装置が開示されている。
図9は、一般的な走査型のレーザレーダ装置300の動作原理方法について説明する図である。レーザレーダ装置300は、送光部50、受光部40、及び、ECU(電子制御ユニット)200などからなる。ECU200は車両に搭載される場合の部品名でありマイコンなどであればよい。送光部50及び受光部40は、自車両の前方に存在する物体を検出できるように車両の前部に設けられる。
送光部50は、パルス状のレーザ光を放射する半導体で作成されているレーザダイオード11、レーザダイオード11を駆動するLD駆動回路12、光スキャナ15、レーザダイオード11からの出力光を光スキャナ15に結合するための入力光学系14、光スキャナ15を通過したレーザビームの路面に対する傾斜角等(すなわち仰角)を制御するための出力光学系17、走査角モニタ16、及び、光スキャナ駆動回路13等を備えている。
レーザダイオード11は、LD駆動回路12を介してECU200に接続され、ECU200からのLD駆動信号が入力された時にパルス状のレーザ光を放射する。光スキャナ15は、所定の周波数でレーザダイオード11から出力されたレーザビームを繰り返し水平方向の所定の走査角の範囲(走査全角)を走査する。
光スキャナ15によるレーザビームの走査角は走査角モニタ16によって検出され、ECU200に出力される。ECU200は、検出された走査角を光スキャナ駆動信号にフィードバックすることにより走査角度が走査全角の範囲を走査するように、かつ、走査周波数が予め決められた周波数となるように制御する。
受光部40は、車両前方の物体から反射されたレーザ光を受光する受光レンズ21、及び、不図示のミラー素子等を介してレーザ光が収束する受光素子(フォトダイオード)22を有している。受光素子22は、反射光を反射光の強度に対応した電圧を出力する。この受光素子22の出力電圧は増幅器23にて増幅された後、コンパレータ24に出力される。コンパレータ24は増幅器23の出力電圧を基準電圧V0と比較し、出力電圧が基準電圧V0より大きくなった時、所定の受光信号を時間計測回路60へ出力する。
時間計測回路60にはECU200からLD駆動回路12へ出力されるLD駆動信号も入力されている。この時間計測回路60は、LD駆動信号を出力してから受光信号が発生するまでの時間、すなわちレーザ光を出射した時刻と反射光を受光した時刻の時間差を、計測時間データとしてECU200に出力する。この時間差とレーザ光の伝播速度から、物体までの距離が容易に計算できる。
図10は、光スキャナ15の概略構成図の一例を示す。光スキャナ15としては従来からポリゴンミラーやガルバノミラー等が用いられている。これらのデバイスはミラーの回転速度に応じた繰り返し周波数で、所定の走査全角をレーザビームで走査する。
図10の光スキャナ15は、電圧印加によって屈折率を変化させることができる電気光学材料35を用いた光学偏向素子によって構成される。ポリゴンミラーやガルバノミラー等の機械的な走査手段を実装してもよい。光スキャナ駆動回路13は、ECU200が出力する光スキャナ駆動信号に基づき光スキャナ15の屈折率を変化させる。
光スキャナ駆動回路13は入力された光スキャナ駆動信号に応じて光スキャナ15を駆動させて、光スキャナ15に導入されたレーザビームを偏向させることにより、ある走査全角を繰り返し走査する。電圧印加によって屈折率が変化する材料としては、例えば、ニオブ酸リチウム結晶やタンタル酸リチウム結晶等の電気光学結晶が知られている。
電気光学材料35は略直方体の形状を有し、レーザビームの通路を挟むように1対の電極34が配置されている。図示するように電極34は鋸歯状の形状である。電気光学材料35の反対の面(紙面の反対側)にも同様の形状の電極34が設けられており、両電極34に電圧が印加される。光スキャナ駆動回路13によって2つの電極34の間に電圧が印加されると、電極34で挟まれた領域の屈折率が変化する。より具体的には、電圧と屈折率には比例関係があり、電圧を変化させることで走査全角が走査される。
入力されたレーザビームはこの鋸歯状のうち三角形状の部分を次々と通過する。三角形状の部分は、電気光学材料35の厚みにより、紙面に垂直方向に三角柱の立体形状を有する。三角柱はプリズムと同様の作用をもたらし、屈折率の異なる界面で入力されたレーザビームを屈折させる。したがって、光スキャナ15は印加電圧に応じてレーザビームの出力方向を偏向する。
図11は、従来の光スキャナ15によるレーザビームの走査特性を示す図の一例である。横軸は時間、縦軸は走査角であり例えば車両正面方向がゼロとなっている。最小値(マイナス値)が例えば正面方向の左端に対応し、最大値が正面方向の右端に対応する。最小値から最大値までの角度が走査全角(例えば100°程度)である。
図示するように、光スキャナ15は所定の走査時間間隔毎に走査全角を、繰り返しレーザパルスで走査する。また、走査時間間隔範囲内において、光スキャナ15による走査角度は時間に比例する。
レーザレーダ装置300の送光部50における重要なパラメータとして、以下の5つがある。
・走査全角θscan
・走査時間間隔の逆数である走査周波数fscan
・ビーム広がり角Δθbeam、
・レーザパルス点灯の繰返し周波数fpls
・パルス時間幅Δtpls
ビーム広がり角Δθbeamは、レーザレーダ装置の空間分解能を決定する(1パルスのレーザビームの広がり角なので、これが小さいほど対象物の方位が正確になる。)。走査全角をビーム広がり角で割った値が解像点数として定義される。例えば、θscan=60°、Δθbeam=0.3°のときは解像点数=200であり、レーザビームのスキャン方向のセンシング範囲を200点に分割してそれぞれの点における前方障害物との距離を測定することが可能となる。
また、パルス時間幅Δtplsが短いほど、レーザビームのパルスが障害物から反射してレーザレーダ装置の受光部40に戻ってくるまでの時間を高精度に評価することが可能であり、測定距離分解能が向上する。通常のレーザレーダシステムではΔtplsは数nsec〜数十nsecである。
また、繰返し周波数fplsが高いほど一定の時間範囲内に送出されるパルスの数が増加するため、測定感度が向上する。実際には光源であるレーザダイオード11の発熱による出力強度低減を回避するため、繰返し周波数が制限される。具体的にはfplsは数十kHz程度である。
しかしながら、従来のレーザレーダ装置ではレーザビームの偏向角が解像点数1点分だけ移動する時間内に、複数のレーザパルスが空間的に異なる点を照射しており、これが評価信頼性の低下およびスキャン方向の分解能の低下の原因となっていた。すなわち、図11に示したように、光スキャナ15によりレーザビームの偏向角度が時間に対して比例関係にあるため、1つの解像点に対し複数のレーザパルスが異なる方位に照射されている。
具体例として、θscan=100°、Δθbeam=0.2°、fscan=25Hz、fpls=100kHzの場合を例に説明する。解像点数は100/0.2=500点であり、1回のスキャンに要する時間(走査時間間隔)は1/fscan=40msecであるから、レーザビームが解像点数1点分だけ移動するのに要する時間は40msec/500点=80μsecである。
一方、レーザビームのパルスが照射される時間間隔は1/fpls=10μsecであるから、空間的に解像点数1点分移動する間に8回のパルス照射があり、これら複数のパルスは互いにわずかに異なる点を照射することになる。
すなわち、従来のレーザレーダ装置は、複数のレーザビームのパルスがビーム広がり角の範囲内で互いにずれた点で対象物をセンシングすることになり、空間的な解像度の低下を引き起こし、高分解能での距離測定が困難になるという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑み、従来のレーザレーダ装置と比べて空間的な解像度を向上させる光偏向装置を提供することを目的とする。
本発明は、光源が発生させたレーザビームを、光偏向器で偏向させる光偏向装置であって、レーザビームを所定の偏向角速度で、第一の偏向角から第二の偏向角の走査角で変化させることを第一の走査周期ごとに繰り返す第一の光偏向手段と、前記第一の光偏向手段が偏向したレーザビームを、前記第一の光偏向手段の走査面と同一平面内を前記偏向角速度と同じ角速度で、前記第一の光偏向手段とは逆方向に、前記走査角よりも大きい第三の偏向角から第四の偏向角の走査全角で偏向させる第二の光偏向手段と、
を有し、
前記走査全角の空間分解能をM、前記走査全角の第二の走査周波数をFとした場合、
一定間隔で発光を繰り返すパルス光源である前記光源がレーザビームを照射する照射周波数が、2以上の自然数×M×Fになるように定められており、
前記第一の光偏向手段の前記第一の走査周期が、レーザビームの解像点数1点分の偏向角度/(走査全角×F)により決定されていることを特徴とする。
従来のレーザレーダ装置と比べて空間的な解像度を向上させる光偏向装置を提供することができる。
本実施形態の光偏向器の構成を説明する図の一例である。 第一の光偏向器及び第二の光偏向器の走査角度を説明する図の一例である。 光スキャナから出力される光レーザの強度の角度分布を示す図の一例である。 第一の光偏向器の構成図の一例を示す図である。 第一の光偏向器の側面図の一例を示す図である。 電気光学材料が薄膜化された第一の光偏光器の概略構成図の一例である。 本実施形態の光スキャナによって与えられる偏向角度の時間変化と、レーザダイオードから放出されるレーザビームのパルスの時間応答を示す図の一例である。 光スキャナから出力されるレーザパルス強度の角度分布の別の例を示す図の一例である。 一般的な走査型のレーザレーダ装置の動作原理方法について説明する図である。 従来の光スキャナの概略構成図の一例である。 従来の光スキャナによるレーザビームの走査特性を示す図の一例である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の光スキャナの構成を説明する図の一例である。図1の第一の光偏向器32と第二の光偏向器33が、図9の光スキャナ15に相当する。したがって、図示する構成は図9の送光部50に含まれる。送光部50の制御系は、図1と同様であるので図示は省略する。本実施形態では、ECU200が光スキャナ駆動回路13を駆動して、第一の光偏向器32と第二の光偏向器33の両方を制御する。
光源となるレーザダイオード11から順に、コリメートレンズ31、入力光学系14、第一の光偏向器32、出力光学系17、及び、第二の光偏向器33が配置される。コリメートレンズ31はレーザダイオード11から放出されるレーザビームを平行光に変換し、入力光学系14は第一の光偏向器32に平行光のレーザビームを結合する(導く)。出力光学系17は第一の光偏向器32から出力されたレーザビームを平行光に変換し、第二の光偏向器33に供給する。
レーザダイオード11が発する光は、例えば波長800nm〜1000nm程度の近赤外光であり、ピークパワーが数W〜数十W程度のパルスを繰返し発光するパルスレーザである。第一の光偏向器32は図9にて説明したように、電気光学効果による材料の高速屈折率変調を利用してレーザビームを走査する。第一の光偏向器32として、電圧を印加することで光偏向を制御する電気光学材料35を採用することで、高い周波数でのスキャンが可能となる。
また、第二の光偏向器33は従来のレーザレーダ装置で用いられるようなポリゴンミラーやガルバノミラー、又は、MEMSミラー等で構成され、30°〜150°程度の広範囲のスキャン角度(走査全角)を与えることが可能である。第二の光偏向器33は、第一の光偏向器32と比較するとスキャン速度が1/100程度と遅い(空間的な解像度によるもので、解像点数を500とすれば1/500でよい。)。
本実施形態の光スキャナ15は、このように直列に配置された2種類の光偏向器によって構成することが特徴の1つとなっている。第二の光偏向器33は従来通りの一様なスキャンを担い、第一の光偏向器33は「第二の光偏向器の走査周波数fscan×解像点数」で与えられる繰返し周波数で、レーザビームに対し解像点数1点以内のビーム偏向角を与える。
後述するように、本実施形態の光スキャナ15は、複数のレーザビームのパルスがビーム広がり角の範囲内で、ほぼ1点で対象物をセンシングするため、空間的な解像度の低下を抑制し、高分解能での距離測定が可能になる。
また、2種類のレーザビーム走査を組み合わせることによって、所定の一定時間(例えば解像点数1点分を移動するだけの時間範囲)において、レーザビームの偏向角度を一定に保持することが可能となる。結果として、複数のレーザパルスが所定時間範囲内で同一の点を照射、センシングするので、レーザレーダ装置300の空間的な解像度を向上させることが可能となる。
レーザダイオード11から放出されたレーザビームはコリメートレンズ31を通過することで平行光になり、その後、第二の光偏向器33によってレーザビームの伝播方向を周期的に変えられる。本実施形態における光スキャナ15はレーザダイオード11と第二の光偏向器33との間に、入力光学系14から放出されるレーザビームの偏向角を高精度に調整するための第一の光偏向器32を備える。第一の光偏向器32がレーザビームを偏向してできる面と第二の光偏向器33がレーザビーム偏向してできる面は同一である。例えば、図1の紙面に水平な面において、第一の光偏向器32と第二の光偏向器33がそれぞれレーザビームを偏向する。紙面に対し垂直方向に偏向する必要がある場合、出力光学系17がレーザビームの角度を調整する。
すなわち、レーザビームは最初に第一の光偏向器32を通過することにより微小な偏向角を与えられ、その直後に第二の光偏向器33を経ることによって最終的な偏向角度が決定され、レーザレーダ装置300からシグナルパルスとして出力される。
第一の光偏向器32は電気光学効果によって動作するため、印加電圧に対する応答速度が極めて速く、数μsec程度の時間周期でレーザビームを繰返し走査することが可能である。また、第二の光偏向器33の走査周波数は、数10Hz程度であるため、第二の光偏向器33が1回水平方向にレーザビームを走査する間に、第一の光偏向器32は1000回程度のビーム走査が可能である。この回数はレーザレーダ装置300の解像点数(数100点程度)より十分に大きい。
図2は、第一の光偏向器32及び第二の光偏向器33の走査角度を説明する図の一例である。図2(a)は第一の光偏向器32の走査角度を、図2(b)は第二の光偏向器33の走査角度を、図2(c)は第一、第二の光偏向器33を通過した後にレーザビームに与えられる偏向角を、それぞれ示している。なお、図2(a)の第一の光偏向器32の走査角度の時間的変化は、右上がりでもよい(この場合、第二の光偏向器33の走査角度は右下がりになる。)。
図中のΔθbeamは、従来はビーム広がり角を表していたが、本実施形態ではレーザレーダ装置300から出力されるレーザビームの解像点数1点分の偏向角度に相当する。物理量の大きさとしては同じとして扱うことができる。また、Δtは第二の光偏向器33からのレーザビームの偏向角が解像点数1点分だけ変化する時間である。すなわちΔtはΔt=Δθbeam/(θscan・fscan)で与えられる。θscan=100°、Δθbeam=0.2°、fscan=25Hz、の場合、Δt=80μ秒である。
第二の光偏向器33によって与えられる偏向角度は時間に比例するのに対し、第一の光偏向器32は周期Δtごとに微小なスキャンを繰り返す。
そして、第一の光偏向器32及び第二の光偏向器33の偏向角速度に相当するΔθbeam/Δtは、第一の光偏向器32と第二の光偏向器33においてその絶対値が等しく符号が逆転している。すなわち、Δtの時間範囲内において、第一の光偏向器32は第二の光偏向器33で与えられる偏向角度を打ち消す働きをする(第二の光偏向器33は第一の光偏向器32で与えられる偏向角度を打ち消す、と表現してもよい。)。
結果として、第二の光偏向器33から出力されるレーザビームは、図2(c)に示すように、Δtの間、一定の偏向角度を維持する。すなわち、第二の光偏向器33から出力されるレーザビームの偏向角度は、時間に対し階段状に変化して出力される。したがって、解像点数1点分を走査する時間範囲Δtにおいてレーザビームは常に同じ偏向角度を保持して出力される。
図3は、光スキャナ15から出力されるレーザビームの強度の角度分布を示す図の一例である。比較のために、図3(a)に、従来のレーザレーダ装置(第一の光偏向器32しかないレーザレーダ装置)の光強度分布を示す。
レーザビームの偏向角が解像点数1点分だけ変化する時間Δtを具体的に求めると、fscan=25Hz、解像点数500点のとき、Δt=80μsecである。光源のパルスレーザの繰返し周波数が50kHzとすると(20μ秒で1回レーザパルスを出力する)、このΔtの間に4回のレーザパルスが照射される。すなわち、レーザレーダ装置300において、解像点数1点分の偏向角度範囲で複数(例えば4つだが図では3つになっている)のレーザパルスが照射されることになる。従来のレーザレーダ装置では、これらのレーザパルスがそれぞれΔθbeam以下で異なる偏向角度を持って出力される。すなわち、解像点数1点分に対しセンシングの対象となる点が少しずつずれている。
したがって、本来設定した偏向角度とは異なった方向にレーザビームが送光部50から放出されることになり、これが空間的な解像度の低下を引き起こし、高分解能での距離測定を困難にしていた。
図3(b)は、本実施形態の光スキャナ15によって照射されるレーザビームの強度分布を示している。図3(b)に示すように、解像点数1点分の時間範囲において偏向角が一定に保持されるため、この時間範囲に照射されたレーザビームの3つのパルスは全て同じ対象物をセンシングする。
このような照射パターンのレーザビームを照射することで、レーザレーダ装置300の空間的な解像度を向上させることが可能となる。また、複数のレーザパルスが同じ点を照射することから、距離測定を複数回繰返し行うことになり、測定結果の信頼性が向上するという効果も得られる。
なお、本実施形態では、例えば、走査角モニタ16を2つ設けておき、一方で第一の光偏向器32の走査角を監視し、他方で第二の光偏光器33の走査角を監視する。ECU200は、予め規定されている走査周波数fscan、になるように第二の光偏向器33の回転速度をフィードバック制御する。
また、ECU200は、第二の偏向器33が1スキャン終えた時を起点に、第一の光偏向器32の偏向制御を開始する。第一の光偏向器32のスキャン周期をΔt=Δθbeam/(θscan・fscan)とすると、Δtの逆数が走査周波数となる。ECU200は、例えば、第一の光偏向器32の1スキャン毎に第一の光偏向器32の走査速度及び走査角をフィードバック制御する。
〔第一の光偏向器の動作原理及び具体例〕
図4は、第一の光偏向器32の構成図の一例を、図5は、第一の光偏向器32のX方向の側面図の一例を、それぞれ示す。第一の光偏向器32は電圧を印加することによってその屈折率が変化する電気光学材料35からなる薄板を主な構成とし、その表面および裏面に電圧を印加するための長方形の電極34(層)が設けられている。レーザビームは電気光学材料35の板の端面inから入力され、端面outから出力される。光スキャナ駆動回路13が上下電極間に電圧を印加することで、屈折率を変化させることができる。特に電界の強さに比例して屈折率が変化する効果はポッケルス効果と呼ばれ、屈折率変化量Δnは以下の式で与えられる。
Δn ∝ rij × V / d ・・・(1)
ここで、rijは電気光学定数(ポッケルス定数)、Vは印加電圧、dは電圧を印加する電極34の間隔である。
図4,5に示すように、電気光学材料35の薄板の表面および裏面に設けられた電極34に電圧を印加すると、式(1)によって与えられるプリズム形状の屈折率変化領域が得られる。図10では、電極34が鋸歯状であったが、図4,5では電極34の形状は長方形である。本実施形態でも図10と同様に電気光学材料35を形成してもよい。
図10のようなプリズム状の屈折率変化領域を得る方法として、図4,5の電気光学材料34では、プリズム形状の領域とそれ以外の部分で、電気光学材料35の分極軸を反転させておく。すなわち、プリズム形状の領域では、紙面裏面から表面の向きに分極し、それ以外の領域では紙面表面から裏面の向きに分極させる。そして、電気光学材料35の表面および裏面に、分極反転領域全体を覆うような電極34を設ける。
この場合、2つの電極34はそれぞれ分極反転領域を挟み込む。そして、2つの電極34の間に印加する電圧Vを変化させることで、レーザビームの偏向角を制御する。
具体的な電気光学材料35として、ニオブ酸リチウム結晶やタンタル酸リチウム結晶等の電気光学結晶が採用され得る。また、電気光学材料35に分極反転領域を形成するために、様々な方法が知られているが、一般的には結晶材料に抗電界以上の高い電界に相当する高電圧を印加すればよい。プリズム部分を絶縁体でマスクした状態で高電圧を印加することでプリズム形状の分極反転領域を形成することができる。上記の絶縁体としては一般的なフォトレジストで十分である。
第一の光偏向器32による偏向性能として、電極34への印加電圧と偏向角の関係を見積もって説明する。電気光学材料35としてニオブ酸リチウム結晶を仮定し、図4,5に示したような分極反転プリズムのドメイン(領域)を有する第一の光偏向器32について、結晶厚を300μm、プリズム幅を2mm、レーザビームがプリズム内部を伝播する長さ(プリズム長)を20mmとする。±400Vの電圧印加により、スキャン角度0。5°が得られる。この値は一般的なレーザレーダにおける水平方向のビーム広がり角(0。1〜0。5°)より大きく、解像点数1点分の範囲内における偏向角度の微調整には十分な値である。
さらに電気光学効果を利用した光スキャナ15において、より低電圧で大きな偏向角を得るために、電気光学材料35を薄膜化することが有効である。図6は、電気光学材料35が薄膜化された第一の光偏向器32の概略構成図の一例である。薄膜の上下表面に電気光学材料35より屈折率の小さい材料をスラブ層36として成膜することにより光導波路構造を形成し、導波路の上面および底面に電極34を形成する。
式(1)に示すように、電気光学材料35の厚さを薄くするほど低電圧でも大きな屈折率変化を与えることが可能である。例えば上述例においてニオブ酸リチウムの結晶厚を30μmまで薄くすることによって±40Vの電圧印加で0.5°の偏向角度が得られる。
〔パルスレーザの繰返し周波数〕
図7は、本実施形態の光スキャナ15によって与えられる偏向角度の時間変化と、レーザダイオード11から放出されるパルスの時間応答を示す図の一例である。従来のレーザレーダ装置300では、第一の光偏向器32の走査周波数とパルスレーザの繰返し周波数について特に関連性はなく、ともに任意の値に設定される。このため、従来では、ある解像点数の範囲内で照射されるレーザパルスの位置が常に変動する可能性がある。また、走査周波数とパルスレーザの繰返し周波数の関係が任意だと、本実施形態においても1つの解像点に対するパルス数が不定になってしまう。
そこで、本実施形態の光スキャナ15は、第一の光偏向器32の走査周波数とパルスレーザの繰返し周波数の間に以下の関係を持たせる。
pls = M × (θscan /Δθbeam) ×fscan (2)
式(2)においてMは自然数であり、この値が解像点数1点分の範囲内を照射するレーザパルスの数となる。
例えばθscan=100°、Δθbeam=0.2°、fscan=25Hz、M=3の場合を仮定すると、レーザビームのパルスの繰返し周波数fplsは37.5kHzとなる(約27μ秒で1回、パルスを照射する)。解像点数1点分の照射時間Δtが80μ秒なので、このとき、一定の偏向角度で3回のパルスの照射が行われ、解像点数1点分に相当する0.2°だけ偏向角が変化して再度3回の光照射が行われる。これを解像点数に相当する500回繰返すことで1回の水平方向走査がなされる。
こうすることで、全ての解像点において、照射されるレーザパルスの数が互いに等しくなるため、測定感度が全ての点で等しくなる。したがってレーザレーダ装置300のECU200において従来行われているような感度補正等の処理が不要になり、センシングに必要な処理の負荷が低減できる。
〔高出力レーザについて〕
図8は、光スキャナ15から出力されるレーザビーム強度の角度分布の別の例を示す図の一例である。図8(a)は比較のために示した従来のレーザビーム強度の角度分布である。レーザレーダ装置300に用いられる光源は、数十m以上の長距離のセンシングに対応するため、ピークパワーが数十Wの高強度のパルスLDであり、高い光強度を得るために活性層幅を広げたマルチモードLDであることが多い。さらに最近では活性層を2段あるいは3段に積層したスタック型のレーザダイオード素子も使われている。このような高強度レーザダイオードでは、遠方でのレーザビームのプロファイルが一般的なガウス関数形状ではなく、矩形に近いものになる。図3(a)と比較してレーザ強度のピークの形状が矩形に近くなっている。
また、スキャン方向の空間分解能を向上させるために出力光学系17等にビームプロファイル成形のための光学系を設けることもある。このような矩形のビームプロファイルでは、ピークが急峻でなくなる分、従来の第一の光偏向器32の問題(複数のレーザパルスが空間的に異なる点を照射することによる空間分解能の低下)がより顕著になる。
本実施形態による光スキャナ15は、図8(b)に示すように、特定の光源のビームプロファイルに限定されずに適用することが可能である。すなわち、解像点数1点分の時間範囲において偏向角が一定に保持された複数のレーザパルスを生成することが可能である。この時間範囲に照射されたレーザビームは全て同じ対象物をセンシングする。このような照射パターンによって、レーザパルスのピークが平坦に近くなっても、レーザレーダ装置の空間的な解像度を向上させることが可能となる。また、複数のレーザパルスが同じ点を照射することから、距離測定を複数回繰返し行うことになり、測定結果の信頼性が向上する。
以上説明したように、本実施形態のレーザレーダ装置300は、第一の光偏向器32と第二の光偏向器33が絶対値が同じだが正負の符号が異なる偏向角速度でレーザビームを走査することで、空間的な解像度を向上させることができる。第一の光偏向器32の走査周波数とパルスレーザの繰返し周波数の間に一定の関係を規定することで、測定感度を全ての点で等しくできる。
11 レーザダイオード
15 光スキャナ
32 第一の光偏光器
33 第二の光偏光器
34 電極
35 電気光学材料
36 スラブ層
40 受光部
50 送光部
60 時間計測回路
200 ECU
300 レーザレーダ装置
特開2000−147124号公報

Claims (5)

  1. 光源が発生させたレーザビームを、光偏向器で偏向させる光偏向装置であって、
    レーザビームを所定の偏向角速度で、第一の偏向角から第二の偏向角の走査角で変化させることを第一の走査周期ごとに繰り返す第一の光偏向手段と、
    前記第一の光偏向手段が偏向したレーザビームを、前記第一の光偏向手段の走査面と同一平面内を前記偏向角速度と同じ角速度で、前記第一の光偏向手段とは逆方向に、前記走査角よりも大きい第三の偏向角から第四の偏向角の走査全角で偏向させる第二の光偏向手段と、を有し、
    前記走査全角の空間分解能をM、前記走査全角の第二の走査周波数をFとした場合、
    一定間隔で発光を繰り返すパルス光源である前記光源がレーザビームを照射する照射周波数が、2以上の自然数×M×Fになるように定められており、
    前記第一の光偏向手段の前記第一の走査周期が、レーザビームの解像点数1点分の偏向角度/(走査全角×F)により決定されていることを特徴とする光偏向装置。
  2. 前記第一の光偏向手段がレーザビームの偏向角を前記第一の偏向角から前記第二の偏向角まで変化させている間、前記第二の光偏向手段が偏向するレーザビームの偏向角は略一定方向を維持する、ことを特徴とする請求項1記載の光偏向装置。
  3. 前記光源は、マルチモードで発振するレーザダイオードであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光偏向装置。
  4. 前記第一の光偏向手段は、電圧の印加により屈折率が変化する、厚さ50ミクロン以下の電気光材料を有しており、
    前記電気光材料の内部のプリズム形状の屈折率変調領域の上下表面に、前記電気光材料より屈折率の小さいスラブ層が配置され、前記スラブ層の上下表面に電圧を印加するための電極が配置されている、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の光偏向装置。
  5. 請求項1〜4いずれか1項記載の光偏向装置と、
    前記第二の光偏向手段が偏向して対象物によって反射されたレーザビームの反射光を受光する受光手段と、
    前記光源がレーザビームを発生させてから前記受光手段が反射光を受光するまでの時間を計測する時間計測手段と、を有するレーザレーダ装置。
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