JP6114279B2 - エネルギー管理装置、及びエネルギー管理装置の制御方法 - Google Patents

エネルギー管理装置、及びエネルギー管理装置の制御方法 Download PDF

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Description

関連出願へのクロスリファレンス
本出願は、日本国特許出願2012−179389号(2012年8月13日出願)の優先権を主張するものであり、当該出願の開示全体を、ここに参照のために取り込む。
本発明は、エネルギー管理装置、及びエネルギー管理装置の制御方法に関する。
近年、電力需要家ごとに設けられるエネルギー管理装置(例えば、HEMS:Home Energy Management System)によって、電力需要家に設けられる負荷機器や電力需要家に設けられる分散電源などを制御する技術が知られている(特許文献1参照)。
特開2003−309928号公報
ここで停電時にはエネルギー管理装置や負荷機器への電力供給が停止してしまう。エネルギー管理システムにおいて分散電源が備えられている場合、当該分散電源により停電時にも電力供給が行われるように制御することも考えられている。しかし、停電時の措置としては単に分散電源からの電源供給だけではまだまだ不十分な点があるため、停電時における適切な措置が望まれている。
従って、上記のような課題に鑑みてなされた本発明の目的は、停電時において、適切な措置をとることができるエネルギー管理装置、及びエネルギー管理装置の制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係るエネルギー管理装置は、
需要家に設けられ、需要家内の負荷機器あるいは分散電源の少なくとも電力状態を管理するエネルギー管理装置であって、
記憶媒体と、
商用電源及び前記分散電源からの電力供給を受ける電源入力部と、
前記電源入力部における商用電源からの電力供給が無い場合に電力を供給するバックアップ電源と、
前記電源入力部における前記商用電源からの電力供給が無い期間が所定時間以上である場合、前記記憶媒体の停止処理をし、前記電源入力部における前記商用電源からの電力供給が無い期間が所定時間未満である場合、前記記憶媒体の停止処理を行わない制御部と、を備えることを特徴とする。
また本発明に係るエネルギー管理装置は、
前記制御部がさらに、前記記憶媒体の停止処理をした後に前記エネルギー管理装置をシャットダウンすることを特徴とする。
また本発明に係るエネルギー管理装置は、
前記制御部は、前記商用電源からの電力供給が無くなって後、前記分散電源からの電力供給が開始されるとシステム動作を再開させることを特徴とする。
また本発明に係るエネルギー管理装置は、
前記制御部は、前記バックアップ電源の充電量を監視し、前記分散電源からの電力供給が開始され、なおかつ前記充電量が所定値以上である場合に前記エネルギー管理装置のシステム動作を再開させることを特徴とする。
また本発明に係るエネルギー管理装置は、
前記所定値は、前記記憶媒体の停止に要する電力値と前記所定時間システム動作の継続に要する電力値との合計値であることを特徴とする。
また本発明に係るエネルギー管理装置は、
前記バックアップ電源が、前記エネルギー管理装置の前記所定時間の電力供給及び前記記憶媒体の停止処理の間の電源供給が可能な容量を有することを特徴とする。
また本発明に係るエネルギー管理装置は、
前記所定時間は、電力事業者が瞬停と定義する最長時間であって、当該時間を超えると停電と定義づけられる時間であることを特徴とする。
また本発明に係るエネルギー管理装置は、前記所定時間が2秒であることを特徴とする。
また本発明に係るエネルギー管理装置の制御方法は、
需要家に設けられ、需要家内の負荷機器あるいは分散電源の電力状態を管理するエネルギー管理装置の制御方法であって、
商用電源及び前記分散電源からの電源入力部における電力供給が無い場合にバックアップ電源により電力を供給するステップと、
前記電源入力部における商用電源からの電力供給が無い期間が所定時間以上である場合、記憶媒体の停止処理をし、前記電源入力部における前記商用電源からの電力供給が無い期間が所定時間未満である場合、前記記憶媒体の停止処理を行わないステップと、
を含むことを特徴とする。
また本発明に係るエネルギー管理装置の制御方法は、
前記記憶媒体の停止処理をした後に前記エネルギー管理装置をシャットダウンするステップを含むことを特徴とする。
また本発明に係るエネルギー管理装置の制御方法は、
前記商用電源からの電力供給が無くなって後、前記分散電源からの電力供給が開始されるとシステム動作を再開させるステップを含むことを特徴とする。
また本発明に係るエネルギー管理装置の制御方法は、
前記バックアップ電源の充電量を監視し、前記分散電源からの電力供給が開始され、なおかつ前記充電量が所定値以上である場合に前記エネルギー管理装置のシステム動作を再開させることを特徴とする。
また本発明に係るエネルギー管理装置の制御方法は、
前記所定値が、前記記憶媒体の停止に要する電力値と前記所定時間システム動作の継続に要する電力値との合計値であることを特徴とする。
また本発明に係るエネルギー管理装置の制御方法は、
前記バックアップ電源が、前記エネルギー管理装置の前記所定時間の電力供給及び前記記憶媒体の停止処理の間の電源供給が可能な容量を有することを特徴とする。
また本発明に係るエネルギー管理装置の制御方法は、
前記所定時間は、電力事業者が瞬停と定義する最長時間であって、当該時間を超えると停電と定義づけられる時間であることを特徴とする。
また本発明に係るエネルギー管理装置の制御方法は、前記所定時間が2秒であることを特徴とする。
本発明におけるエネルギー管理装置、及びエネルギー管理装置の制御方法によれば、停電時において、適切な措置をとることができる。
本発明の一実施形態に係るエネルギー管理装置を含むエネルギー管理システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るエネルギー管理装置の概略構成を示す機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係るエネルギー管理装置の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態)
まず、本発明の一実施形態に係るエネルギー管理装置を含むエネルギー管理システムについて説明する。本実施形態に係るエネルギー管理装置を含むエネルギー管理システムは、電力系統(商用電源)から供給される電力の他に、分散電源を備える。分散電源としては、好適には例えば太陽光発電などによって電力を供給するシステム、および電力を充放電することができる蓄電池システムを備える。
また、電力を供給するシステムは、太陽光発電によって電力を供給するシステムに限定されるものではなく、例えばSOFC(Solid Oxide Fuel Cell)などの燃料電池を含む燃料電池システムなど、種々の発電システムとすることができる。以下、本実施形態においては、発電システムとして太陽光発電システムを備え、さらに蓄電池システムとして蓄電部を備える例について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るエネルギー管理装置を含むエネルギー管理システム10の概略構成を示すブロック図である。本発明の一実施形態に係るエネルギー管理システム10は、通信端末11と、エネルギー管理装置12と、スマートメータ13と、パワーコンディショナ14と、太陽光発電システム15と、蓄電部16と、分電盤17と、負荷機器18とを備える。
図1において、各機能ブロックを結ぶ実線は、電力の流れを表す。また、図1において、各機能ブロックを結ぶ破線は、制御信号または通信される情報の流れを表す。当該破線が示す通信は有線通信としてもよいし、無線通信としてもよい。無線通信をする場合、無線ルータを介して通信が行われる。無線ルータはエネルギー管理装置12に内蔵されていてもよく、またエネルギー管理装置12とは別に備えられてもよい。
制御信号および情報の通信には、物理層、論理層含め、様々な方式を採用可能である。例えば、エネルギー管理装置12と、通信端末11、スマートメータ13、およびパワーコンディショナ14との通信には、ZigBee(登録商標)などの近距離通信方式による通信を採用することができる。また、エネルギー管理装置12と負荷機器18との通信には、赤外線通信、電力線搬送通信(PLC:PowerLine Communication)など、様々な伝送メディアを使用することができる。またそれぞれの通信に適した物理層の上で、各種プロトコル、例えばZigBee SEP2.0(Smart Energy Profile2.0)、ECHONET Lite(登録商標)などのような論理層だけ規定される通信プロトコルを動作させてもよい。以下、ECHONET Lite(登録商標)を、エネルギー管理装置12が、通信端末11、スマートメータ13、パワーコンディショナ14、および負荷機器18との通信を行う場合に採用するケースを例に説明を行う。
エネルギー管理システム10は、商用電源50から供給される電力の他、太陽光発電システム15が発電する電力、蓄電部16に充電された電力のうち放電された電力を、負荷機器18及びエネルギー管理装置12に供給可能である。
通信端末11は、エネルギー管理装置12が送信する情報を表示する。例えば通信端末11は、消費電力の履歴情報等を表示する。
エネルギー管理装置12は、図1に示すエネルギー管理システム10における各機器の電力を制御および管理する。エネルギー管理装置12の構成についての詳細は後述する。
スマートメータ13は、商用電源50に接続されて、商用電源50から供給される電力を計測する。また、スマートメータ13は、分電盤17にも接続されて、太陽光発電システム15が発電してパワーコンディショナ14から分電盤17を介して電力会社に売電する電力を計測する。スマートメータ13は、計測した電力を、エネルギー管理装置12に通知可能である。
また、スマートメータ13は、系統EMS(Energy Management System)60から、例えば電力に関する予測などの情報を受信可能である。ここで、系統EMS60は、電力に関する各種の予測および制御などを行う設備であり、一般的には、例えば電力会社などに設置される。系統EMS60は、例えばMDMS(メータデータマネジメントシステム)を構成するものを採用可能である。この系統EMS60は、各種の電力に関する情報を記憶する記憶媒体61を有しており、スマートメータ13が計測した結果の情報を収集して蓄積することもできる。また、系統EMS60は、インターネットなどの外部ネットワーク70に接続可能である。
パワーコンディショナ14は、太陽光発電システム15および蓄電部16から供給される直流の電力を、交流の電力に変換する。パワーコンディショナ14は、変換した交流の電力を、分電盤17で複数に分岐した支幹を介して各負荷機器18に供給する。また、パワーコンディショナ14は、太陽光発電システム15が発電した電力に余剰がある場合には、変換した交流の電力を、分電盤17を介して電力会社に売電することもできる。また、パワーコンディショナ14は、商用電源50から供給される交流の電力を、蓄電部16に充電するための直流の電力に変換可能である。
太陽光発電システム15は、太陽光を利用して発電する。このため、太陽光発電システム15は、太陽電池を備えており、太陽光のエネルギーを直流の電力に変換する。本実施形態において、太陽光発電システム15は、例えば家の屋根などにソーラパネルを設置して、太陽光を利用して発電するような態様を想定している。しかしながら、本発明において、太陽光発電システム15は、太陽光のエネルギーを電力に変換できるものであれば、任意のものを採用することができる。
太陽光発電システム15が発電する電力は、上述したように、パワーコンディショナ14によって交流に変換されてから、各負荷機器18へ供給、および/または、電力会社に売電可能である。また、太陽光発電システム15が発電した電力により、蓄電部16が充電可能であってもよく、さらには直流のまま負荷機器18に供給される構成であってもよい。
蓄電部16は、蓄電池を備えており、この蓄電池に充電された電力を放電することにより、電力を供給可能である。また、蓄電部16は、商用電源50または太陽光発電システム15等から供給される電力を充電可能である。図1に示すように、蓄電部16から放電される電力も、各負荷機器18及びエネルギー管理装置12に供給可能である。蓄電部16から放電される電力を各負荷機器18及びエネルギー管理装置12に供給する場合、商用電源50により供給される電力から、蓄電部16により放電される電力に切り替える。
分電盤17は、供給される電力を複数の支幹に分岐させて各負荷機器18に分配する。ここで、各支幹には、消費電力の大きい代表的な負荷機器18が直接接続されるものと、部屋ごとにまとめられたものとがある。前者における負荷機器18は、例えばエアコン、冷蔵庫、IHクッキングヒータなどである。後者における負荷機器18は、各部屋にいくつか設けられているコンセントに接続される負荷機器であり、どのような負荷機器がコンセントに接続されるかは不定である。
図1において、エネルギー管理システム10に接続される負荷機器18は、任意の数とすることができる。これらの負荷機器18は、例えば、テレビ、エアコン、冷蔵庫など、種々の電化製品である。これらの負荷機器18は分電盤17を介してパワーコンディショナ14に接続されて、電力が供給される。
次に、エネルギー管理装置12について、さらに説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係るエネルギー管理装置12の概略構成を示す機能ブロック図である。エネルギー管理装置12は、例えばHEMSであって、通信部121と、電源入力部122と、バックアップ電源123と、制御部124とを備える。
通信部121は、例えばインターフェースであり、通信端末11、スマートメータ13、パワーコンディショナ14、および負荷機器18との間における制御部124からの制御信号および様々な情報を送受信する。
例えば、通信部121は、スマートメータ13から、商用電源50の買電の電力および/または売電の電力を取得可能である。さらに、通信部121は、スマートメータ13を介して例えば電力会社などから需要応答(DemandResponse:DR)の情報を取得可能である。また、通信部121は、パワーコンディショナ14から、太陽光発電システム15、蓄電部16、および商用電源50から分電盤17で複数に分岐した支幹を介して負荷機器18に供給される電力について、各支幹に設けたセンサを介して取得可能である。また、通信部121は、パワーコンディショナ14から、蓄電部16に充電される電力(つまり充電電力)量についても直接取得可能である。また、通信部121は、各負荷機器18から消費電力についても直接取得可能である。また、通信部121は、ネットワーク70から多様な情報を取得可能である。
さらに、通信部121は通信端末11から制御信号を取得可能であり、また通信部121は通信端末11にエネルギー管理システム10における電力の制御および管理の状態を示す情報を通知する。一例として、ECHONET Lite(登録商標)を採用するケースを例に説明を行う。
電源入力部122は、スマートメータ13及び分電盤17を介して商用電源50、太陽光発電システム15、および蓄電部16からの電力供給を受ける。
バックアップ電源123は、例えばスーパキャパシタ等のキャパシタにより構成され、電源入力部122が受けた電力供給(つまり商用電源50からの電力供給など)により充電される。バックアップ電源123は、停電により電源入力部122が商用電源50からの電力供給が無い場合、充電した電力を放電し、エネルギー管理装置12の電力供給を商用電源50に代替して行う。すなわちバックアップ電源123は、停電時において臨時的に電力供給を代替する電源である。当該バックアップ電源123により、エネルギー管理装置12は、停電時においても、バックアップ電源123に充電された電力の範囲内で所定時間、動作を継続することができる。すなわち後述するように、エネルギー管理装置12は、バックアップ電源123に充電された電力の範囲内で所定時間動作し、また記憶媒体25の停止処理を行う。
制御部124は、通信部121が取得する様々な情報に基づいて、エネルギー管理システム10における各機器の電力を制御する制御信号および/または通信端末11に通知する情報を生成する。
また、制御部124は、エネルギー管理システム10における各機器の電力を管理するために、通信部121が取得する情報を蓄積する。
制御部124は収集した各種の情報を蓄積するために、記憶媒体25を有している。記憶媒体25は、エネルギー管理装置12の外部に接続されるようにしてもよいし、エネルギー管理装置12に内蔵されるようにしてもよい。記憶媒体25は、好適にはSDカードである。
また制御部124は、電源入力部122における商用電源50からの電力供給を監視し、電力供給の有無を判定する。そして制御部124は、当該電力供給が無い時間(以下、電断継続時間という。)が所定時間以上であるか否かを判定する。制御部124は、電断継続時間が当該所定時間以上である場合、記憶媒体25の停止処理をする。一方制御部124は、電断継続時間が当該所定時間未満である場合には、記憶媒体25の停止処理を行わない。当該所定時間は、好適には2秒であるが、これに限定されない。すなわち制御部124は、2秒未満の場合には、瞬間的に電力供給が停止した状態(以下、瞬停という。)であると判断し、この場合は記憶媒体25の停止処理を行わない。ここで瞬停とは、落雷等により瞬間的に商用電源50からの電力供給が停止する現象である。このようにすることで、瞬停の場合には装置のシャットダウン等を行わず、通常動作を継続できる。
記憶媒体25の停止処理として、具体的には制御部124は、電力供給が無い期間が所定時間以上である場合、記憶媒体25へのアクセスを禁止する。そして制御部124は、記憶媒体25のマウントを解除し、システムから切り離す。このようにすることで、停電時において、記憶媒体25に格納されたデータベースの情報の破損や不整合を防止することができる。またこのように構成するために、バックアップ電源123は、エネルギー管理装置12の所定時間の電力供給及び記憶媒体25の停止処理の間の電源供給が可能な容量を有することが好ましい。
さらに制御部124は、好適には記憶媒体25の停止処理の後にエネルギー管理装置12をシャットダウンする。この場合バックアップ電源123は、エネルギー管理装置12の所定時間の電力供給、記憶媒体25の停止処理の間の電源供給、及びエネルギー管理装置12をシャットダウンするための電源供給が可能な容量を有することが好ましい。
太陽光発電システム15又は蓄電部16からの電力供給がある場合、エネルギー管理装置12の制御部124は、シャットダウン後に太陽光発電システム15又は蓄電部16からの電力供給によりエネルギー管理装置12の動作を再開、すなわち再起動処理を行う。この場合制御部124は、好適にはバックアップ電源123の充電電圧値を監視し、充電電圧値が所定値以上である場合にエネルギー管理装置12のシステム動作を開始させる。当該所定値は、好適には上記所定時間の間、エネルギー管理装置12を動作させるための電力値と、記憶媒体25の停止処理をするための電力値との合計値である。
ここで、電断継続時間について付記する。
東京電力による発表資料「福島第一原子力発電所の送電系統の瞬時電圧低下の対応について(URL:http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu12_j/images/120511j0301.pdf)」によれば、以下のように記述される。
「電力系統を構成する設備に、落雷等により二相または三相短絡(地絡)が発生した場合(直接接地系では一相地絡事故を含む)、事故設備を保護リレーで検出し、遮断器を開放することにより事故設備を切り離すが、それまでの極めて短時間(0.07〜2秒程度)故障点を中心に、広範囲に電圧が著しく低下する現象をいう。」
「平成24年1月17日に発生した瞬時電圧低下の時間は0.08秒であり、また、夜の森線への落雷時における再閉路時に必要な最大時間は2秒と考えられることから、本定義の使用は妥当なものと考える。そこで本報告では、上記の定義に基づき夜の森線への落雷時における再閉路時に必要な最大時間2秒を考慮することとし、瞬時電圧低下により無電圧が2秒間継続した場合について検討する。」
すなわち、瞬停と判断する最長時間は2秒と規定され、これを超えると停電と判断されることが定義づけられている。本実施例においては東京電力管内を例にしており、この場合には電断継続時間における所定値としては上記瞬停最長時間である2秒が好ましいものの、各国あるいは各電力事業者で特有の数値が設定されているケースが有り、この場合にはそれぞれで設定されている数値を所定値としては扱うことが好ましい。
次に、本発明の一実施形態に係るエネルギー管理装置12について、図3に示すフローチャートによりその動作を説明する。
はじめにエネルギー管理装置12の電源入力部122における商用電源50からの電力供給が無くなる(ステップS1)。バックアップ電源123は、停電により電源入力部122が商用電源50からの電力供給が無い場合、充電した電力を放電し、エネルギー管理装置12の電力供給を商用電源50に代替して行う(ステップS2)。
続いて制御部124は、電断継続時間が所定時間以上であるか否かを判定する(ステップS3)。電断継続時間が所定値以上である場合、ステップS4に進む。一方、電断継続時間が所定値未満である場合は処理を終了する。
ステップS3において電断継続時間が所定値以上である場合、制御部124は、停電が発生したと判断し、記憶媒体25の停止処理をする(ステップS4)。具体的には制御部124は、電力供給が無い期間が所定時間以上である場合、記憶媒体25へのアクセスを禁止する。そして制御部124は、記憶媒体25のマウントを解除し、システムから切り離す。
続いて制御部124は、好適には記憶媒体25の停止処理の後にエネルギー管理装置12をシャットダウンする(ステップS5)。
このように本発明によれば、電断継続時間が所定値以上である場合、制御部124は停電が発生したと判断して記憶媒体25の停止処理をするため、停電時において、記憶媒体25に記憶されたデータを安全に保護することができる。さらに制御部124は、電断継続時間が所定値未満であるには、瞬停が発生したと判断して記憶媒体25の停止処理をしないため、瞬停時には通常動作を継続しユーザの利便性を向上させることができる。
ステップS5のシャットダウン処理において、消費電力が比較的大きいハードウェア、機能ブロックおよびプログラムに対して、優先的に電力供給を停止、イネーブル信号(ディセーブル信号)を送信、動作停止処理をするようにしてもよい。このようにすることで、消費電力が比較的大きいブロックを先に停止し、シャットダウン処理に必要な消費電力の合計値を抑制することができる。シャットダウン処理に必要な消費電力の合計値を抑制することにより、バックアップ電源123の容量を小さくし、バックアップ電源123のサイズ及びコストを低減することができる。
ステップS5の後、太陽光発電システム15又は蓄電部16からの電力供給がある場合、制御部124は、シャットダウン後に太陽光発電システム15又は蓄電部16からの電力供給によりエネルギー管理装置12の動作を再開、すなわち再起動処理を行ってもよい。この場合制御部124は、好適にはバックアップ電源123の充電電圧値を監視し、充電電圧値が所定値以上である場合にエネルギー管理装置12のシステム動作を開始させる。このようにすることで、起動後に停電が生じた場合であっても、バックアップ電源123に電力が十分に充電されているため、停電時にバックアップ電源123に充電された電力により動作し、記憶媒体25に記憶されたデータを安全に保護することができる。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
10 エネルギー管理システム
11 通信端末
12 エネルギー管理装置
13 スマートメータ
14 パワーコンディショナ
15 太陽光発電システム
16 蓄電部
17 分電盤
18 負荷機器
25 記憶媒体
50 商用電源
60 系統EMS
61 記憶媒体
70 ネットワーク
121 通信部
122 電源入力部
123 バックアップ電源
124 制御部

Claims (16)

  1. 需要家に設けられ、需要家内の負荷機器あるいは分散電源の少なくとも電力状態を管理するエネルギー管理装置であって、
    記憶媒体と、
    商用電源及び前記分散電源からの電力供給を受ける電源入力部と、
    前記電源入力部における商用電源からの電力供給が無い場合に電力を供給するバックアップ電源と、
    前記電源入力部における前記商用電源からの電力供給が無い期間が所定時間以上である場合、前記記憶媒体の停止処理をし、前記電源入力部における前記商用電源からの電力供給が無い期間が所定時間未満である場合、前記記憶媒体の停止処理を行わない制御部と、
    を備えることを特徴とするエネルギー管理装置。
  2. 前記制御部はさらに、前記記憶媒体の停止処理をした後に前記エネルギー管理装置をシャットダウンすることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー管理装置。
  3. 前記制御部は、前記商用電源からの電力供給が無くなって後、前記分散電源からの電力供給が開始されるとシステム動作を再開させることを特徴とする、請求項2に記載のエネルギー管理装置。
  4. 前記制御部は、前記バックアップ電源の充電量を監視し、前記分散電源からの電力供給が開始され、なおかつ前記充電量が所定値以上である場合に前記エネルギー管理装置のシステム動作を再開させることを特徴とする、請求項3に記載のエネルギー管理装置。
  5. 前記所定値は、前記記憶媒体の停止に要する電力値と前記所定時間システム動作の継続に要する電力値との合計値であることを特徴とする、請求項4に記載のエネルギー管理装置。
  6. 前記バックアップ電源は、前記エネルギー管理装置の前記所定時間の電力供給及び前記記憶媒体の停止処理の間の電源供給が可能な容量を有することを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー管理装置。
  7. 前記所定時間は、電力事業者が瞬停と定義する最長時間であって、当該時間を超えると停電と定義づけられる時間であることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー管理装置。
  8. 前記所定時間は、2秒であることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー管理装置。
  9. 需要家に設けられ、需要家内の負荷機器あるいは分散電源の電力状態を管理するエネルギー管理装置の制御方法であって、
    商用電源及び前記分散電源からの電源入力部における電力供給が無い場合にバックアップ電源により電力を供給するステップと、
    前記電源入力部における商用電源からの電力供給が無い期間が所定時間以上である場合、記憶媒体の停止処理をし、前記電源入力部における前記商用電源からの電力供給が無い期間が所定時間未満である場合、前記記憶媒体の停止処理を行わないステップと、
    を含むことを特徴とするエネルギー管理装置の制御方法。
  10. 前記エネルギー管理装置の制御方法はさらに、
    前記記憶媒体の停止処理をした後に前記エネルギー管理装置をシャットダウンするステップを含むことを特徴とする、請求項9に記載のエネルギー管理装置の制御方法。
  11. 前記エネルギー管理装置の制御方法はさらに、
    前記商用電源からの電力供給が無くなって後、前記分散電源からの電力供給が開始されるとシステム動作を再開させるステップを含むことを特徴とする、請求項10に記載のエネルギー管理装置の制御方法。
  12. 前記エネルギー管理装置の制御方法はさらに、
    前記バックアップ電源の充電量を監視し、前記分散電源からの電力供給が開始され、なおかつ前記充電量が所定値以上である場合に前記エネルギー管理装置のシステム動作を再開させることを特徴とする、請求項11に記載のエネルギー管理装置の制御方法。
  13. 前記エネルギー管理装置の制御方法はさらに、
    前記所定値が、前記記憶媒体の停止に要する電力値と前記所定時間システム動作の継続に要する電力値との合計値であることを特徴とする、請求項12に記載のエネルギー管理装置の制御方法。
  14. 前記バックアップ電源は、前記エネルギー管理装置の前記所定時間の電力供給及び前記記憶媒体の停止処理の間の電源供給が可能な容量を有することを特徴とする、請求項9に記載のエネルギー管理装置の制御方法。
  15. 前記所定時間は、電力事業者が瞬停と定義する最長時間であって、当該時間を超えると停電と定義づけられる時間であることを特徴とする、請求項9に記載のエネルギー管理装置の制御方法。
  16. 前記所定時間は、2秒であることを特徴とする、請求項9に記載のエネルギー管理装置の制御方法。
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