JP6113578B2 - 液晶表示装置の樹脂レンズ用光硬化型インクジェット印刷用組成物 - Google Patents

液晶表示装置の樹脂レンズ用光硬化型インクジェット印刷用組成物 Download PDF

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Description

本発明は、液晶表示装置の樹脂レンズに用いる光硬化型インクジェット印刷用組成物に関し、特に、吐出安定性、基板を走行させて印字した印字物の硬化性及び硬化させて得られた樹脂レンズの半球成型性にも優れ、且つ、得られた半球成型物の耐性、屈折率に優れる液晶表示装置の樹脂レンズ形成用光硬化型インクジェット印刷用組成物に関する。
液晶表示装置(LCD装置)は、パソコン、携帯電話、ゲーム機等の製品に利用されており、なかでも半透過型LCD装置は、太陽光や室内光を反射して表示する能力とバックライト光を利用して夜間や暗い場所で表示する能力を持っている。この能力は、LCDの内部の反射層あるいは反射板に開口部を設け、その開口部からバックライト光を通過させ、さらに反射層あるいは反射板にて外光を反射させることにより発揮される。
このような半透過型LCD装置において、反射機能を向上させて屋外での視認性を向上させるためには、開口部の面積を小さくして反射層の面積を大きくする必要がある。また逆に暗所での視認性を向上させるためには、開口部の面積を広げてバックライト光が多く通るようにする必要がある。
しかしながら、反射層の面積と反射層の開口部の面積とは、トレードオフの関係にあり、屋外での視認性の向上と、暗所での視認性の向上という性能を両立させることは困難であった。
周知のようにバックライト光のうち反射層あるいは反射板の開口部を抜ける光はわずかであり、ほとんどのバックライト光は、反射層あるいは反射板により遮られるため、その遮られたバックライト光が有効に使用されず、上記のトレードオフの関係を解決することができず、表示の視認性が不充分であった。
反射層あるいは反射板により遮られていたバックライト光を半透過型液晶表示装置の開口部に効率よく導く方法として、例えば、配光パターンの転写パターンを金型に形成し、遮光板を射出成型する際に導光板の表面へ配光パターンを転写して配光パターン(レンズ)を形成する方法、導光板に有機蛍光誘導体をスクリーン印刷により塗布し配光パターン(レンズ)を形成する方法(例えば、特許文献1)が知られている。
しかしながら、上記配光パターンは、一般的な解析ツールを利用して設計することができるが、実際の製品とした場合には金型の加工精度や製造誤差等の要因により、必ずしも設計通りの配光パターンを得られるわけでなかった。このため、いくつかの配光パターンを実際に試作・評価して、評価結果を設計へフィードバックすることにより製品を開発しているため、複数の金型やマスクが必要となり、時間がかかり、コストも高くなる問題を有するものであった。
近年、半透過型液晶表示装置の導光板上に、光硬化型組成物を用いてインクジェット方式により樹脂レンズを形成する製造方法、製造装置が提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
ところが、従来、インクジェット方式により、半透過型液晶表示装置用の樹脂レンズを形成する製造方法、製造装置は提案されているが、これに用いる光硬化型インクジェット印刷用組成物については、吐出性、基板を走行させながら印字した印字物を硬化させて得た樹脂レンズの半球成型性、得られた樹脂レンズの形状保持性(得られた半球成型物の耐性)及び屈折率を満足させるものが得られていなかった。
また、その問題を解決するために、1,6−ヘキサンジアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートエチレンオキサイド4モル付加物とを、含有比が61:39〜72:28(質量比率)(つまり、ペンタエリスリトールテトラアクリレートエチレンオキサイド4モル付加物の含有比率が明らかに低い)となるように含有する液晶表示装置の樹脂レンズ形成用光硬化型インクジェット印刷用インク組成物も提案している(特許文献4)が、吐出安定性をより向上させる必要があった。
特開平05−303017号公報 特開2004−240294号公報 特開2007−024970号公報 特開2012−201823号公報
本発明の課題は、インクジェット方式により光硬化型インクジェット印刷用組成物を吐出させる時の吐出性を向上させ、特に透過型液晶表示装置用の樹脂レンズを形成する際の光硬化型インクジェット印刷用組成物の吐出性、さらに基板を走行させて印字した印字物の硬化性、硬化させて得られた樹脂レンズの半球成型性、並びに、得られた半球成型物の耐性及び屈折率に優れる液晶表示装置の樹脂レンズ形成用光硬化型インクジェット印刷用組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意検討した結果、特定の組成の組成物とすることにより上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
つまり、本発明は、
1.光重合性モノマーとしてのエチレンオキサイド変性多官能モノマー及びその他の多官能モノマー、レベリング剤及び光重合開始剤を含有し、表面張力が27〜33mN/m、粘度が5〜100mPa・sであり、エチレンオキサイド変性多官能モノマーとその他の多官能モノマーとの含有比が、エチレンオキサイド変性多官能モノマー/その他の多官能モノマー=100/0〜50/50(質量比率)であることを特徴とする、光硬化型インクジェット印刷用組成物。
2.液晶表示装置の樹脂レンズ形成用である1に記載の光硬化型インクジェット印刷用組成物。
3.エチレンオキサイド変性多官能モノマーが、3官能以上のエチレンオキサイド変性モノマーと2官能のエチレンオキサイド変性モノマーであることを特徴とする、1又は2に記載の光硬化型インクジェット印刷用組成物。
4.エチレンオキサイド変性多官能モノマーが、3官能のエチレンオキサイド変性モノマー及び/又は2官能のエチレンオキサイド変性モノマーであることを特徴とする、3に記載の光硬化型インクジェット印刷用組成物。
5.3官能以上のエチレンオキサイド変性モノマーと2官能のエチレンオキサイド変性モノマーとの含有比が、3官能以上のエチレンオキサイド変性モノマー/2官能のエチレンオキサイド変性モノマー=20/80〜50/50であることを特徴とすることを特徴とする3に記載の光硬化型インクジェット印刷用組成物。
6.3官能以上のエチレンオキサイド変性モノマーが、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート及びエチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレートから選ばれる少なくとも1種であり、2官能以上のエチレンオキサイド変性モノマーがポリエチレングリコールジアクリレートであることを特徴とする3又は5に記載の光硬化型インクジェット印刷用組成物。
7.レベリング剤としてシリコーン系界面活性剤を0.05〜1質量%含有する1〜6のいずれかに記載の光硬化型インクジェット印刷用組成物。
である。
以下、本発明の液晶表示装置の樹脂レンズ形成用光硬化型インクジェット印刷用組成物についてさらに詳細に説明する。
本発明の液晶表示装置の樹脂レンズ形成用光硬化型インクジェット印刷用組成物(以下、本発明のインクジェット印刷用組成物ともいう)は光重合性化合物を含有する。光重合性化合物としては、吐出安定性の点から、エチレンオキサイド変性多官能モノマーとその他の多官能モノマーであり、その含有比が、エチレンオキサイド変性多官能モノマー/その他の多官能モノマー=100/0〜50/50(質量比率)の範囲である。
(エチレンオキサイド変性多官能モノマー)
本発明にて使用されるエチレンオキサイド変性多官能モノマーとしては、2官能以上、好ましくは2官能から4官能までのモノマーを採用することができる。
2官能のエチレンオキサイド変性モノマーの例として、ジエチエングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(200、400、600)ジアクリレート、エチレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレンオキサイド変性1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレンオキサイド変性(3モル、4モル、10モル、30モル)ビスフェノールAジアクリレート、エチレンオキサイド変性シクロヘキサンジメタノールジアクリレート等が、3官能以上のエチレンオキサイド変性モノマーの例として、エチレンオキサイド変性(3モル、6モル、9モル)トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性(3モル、6モル、9モル)グリセリントリアクリレート、エチレンオキサイド変性(4モル)ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が例示できる。
また、上記エチレンオキサイド変性多官能モノマーとして、3官能以上のエチレンオキサイド変性モノマーと2官能のエチレンオキサイド変性モノマーとを併用することがより好ましく、3官能以上のエチレンオキサイド変性モノマーの中でも3官能のものを採用することもできる。
その含有比率が、3官能以上のエチレンオキサイド変性モノマー/2官能のエチレンオキサイド変性モノマー=20/80〜50/50であることがさらに好ましい。
また、粘度の点から、3官能以上のエチレンオキサイド変性モノマーとして、エチレンオキサイド変性(3モル、6モル、9モル)トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレン変性(4モル)ペンタエリスリトールテトラアクリレートから選ばれる少なくとも1種と、2官能のエチレンオキサイド変性モノマーとして、ジエチエングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート及びポリエチレングリコール(200)ジアクリレートから選ばれる少なくとも1種を併用することがより好ましい。
本発明において、エチレンオキサイド変性多官能モノマーが上記範囲内にある場合には、本発明のインクジェット印刷用組成物を吐出させるときの吐出安定性が良好となる。さらに本発明のインクジェット印刷用組成物を用いて形成した樹脂レンズを、樹脂レンズとして機能するために要求される屈折率(1.49以上)とすることができる。また、形成する樹脂レンズが、よりシワや微細凹凸のない均一な曲面を備えた半球形状で、かつ、形状保持性(耐性)に優れたものとすることができる。なお、本明細書において、「半球」とは、真球を半分に分割した形状に限定されず、樹脂レンズとして充分に機能し得る凸状の突起を意味し、好ましくは後述するアクリル板に対する接触角度を充足し、滑らかな曲面を備えた凸状の突起である。
(その他の多官能モノマー)
本発明にて使用されるその他の多官能モノマーとしては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチルー1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が例示できる。
(レべリング剤)
本発明のインクジェット印刷用組成物はレべリング剤を含有する。そのレベリング剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が使用できる。なかでもシリコーン系界面活性剤が本発明におけるレベリング剤としてより好適である。
上記レベリング剤の含有量は、0.05〜1質量%であるのがより好ましい。レベリング剤の含有量が上記範囲内では、より適した表面張力が得られ、本発明のインクジェット印刷用組成物を、基板を走行させて印字した場合にさらに半球成型性を向上できる。
(光重合開始剤)
本発明インクジェット印刷用組成物は光重合開始剤を含有する。その光重合開始剤としては、具体的には、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、ベンジル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、トリアジン系光重合開始剤等が挙げられる。
本発明の液晶表示装置の樹脂レンズ形成用光硬化型インクジェット印刷用組成物における、上記光重合開始剤の含有量としては、5〜20質量%であることがより好ましく、さらに好ましくは5〜13質量%である。上記光重合開始剤の含有量が5〜20質量%であると、本発明のインクジェット印刷用組成物の光硬化性はより十分である。なお20質量%を超えると、効果の向上が見られず、過剰添加となる恐れがある。
(その他の成分)
更に、本発明のインクジェット印刷用組成物には、本発明による効果を奏することができる限りにおいて、必要に応じて各種の添加剤を添加することができる。上記添加剤としては、具体的には、光安定化剤、重合禁止剤、増感剤等が挙げられる。
また、他の重合性成分として単官能モノマーを含有させることができるが、その場合においても本発明の光硬化型インクジェット印刷用組成物中20質量%未満、好ましくは15質量%未満、更に好ましくは10質量%未満、できれば5質量%未満、さらに0質量%とする。
(表面張力)
上述した組成からなる本発明のインクジェット印刷用組成物は、表面張力が27〜33mN/mである。上記表面張力が27mN/m未満であると印刷対象の基板表面と馴染みすぎるため、半球形状の樹脂レンズを形成することができず、一方、33mN/mを超えると、形成する樹脂レンズが球体に近くなってしまう。
なお、上記表面張力は、インクジェット記録装置による吐出時(通常、25℃)における値であり、例えば、レスカ社製の動的濡れ性試験機WET−6000を用いて測定された値である。
また、本発明のインクジェット印刷用組成物は、アクリル板(PMMA)に印字した時の印字物のアクリル板に対する接触角度が35〜44°であることがより好ましい。上記接触角度が上記範囲以外となると、印字物の半球成型性が低下し、本発明のインクジェット印刷用組成物を用いた樹脂レンズの形成が困難となる可能性がある。
(粘度)
本発明のインクジェット印刷用組成物は、粘度が5〜100mPa・s(25℃)である。インクジェット印刷用組成物で印字する場合は、ヘッドに対応する粘度となるように、必要に応じて、インクジェット印刷用組成物を加温する。
粘度が5mPa・s(25℃)より低いと、インクジェット記録装置を用いた印刷時の吐出適性が低下し、上記粘度が100mPa・s(25℃)より高い場合は、加温温度が高くなるので好ましくない。
本発明のインクジェット印刷用組成物の表面張力及び粘度は、上記の光重合性化合物の含有比を充足しつつ、各構成材料を適宜調整して達成することが好ましい。
なお、上記粘度は25℃における値であり、E型粘度計(商品名:RE100L型粘度計、コーンの種類:CORD−0、0.8°×R24、東機産業社製)を用い、測定回転数10rpmにて測定された値である。
(調製方法)
本発明の液晶表示装置の樹脂レンズ形成用光硬化型インクジェット印刷用組成物を調製する方法としては特に限定されず、上述した材料の所定量を全て添加して攪拌機等で混合して、表面張力が27〜33mN/m、粘度が5〜100mPa・sとなるように調製する方法が挙げられる。
このような方法で得られた本発明のインクジェット印刷用組成物は、吐出安定性が良好となり、アクリル板(PMMA)に印字した時の接触角度が35〜44°とすることもでき、コンベアにのせてUV硬化させた際の半球成型性に優れるものとなり、且つ得られた硬化物の耐性が優れるものとなる。
(樹脂レンズ形成方法)
本発明のインクジェット印刷用組成物を用いて、液晶表示装置の樹脂レンズを形成する方法としては、例えば、ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェット記録装置に、本発明のインクジェット印刷用組成物を充填し、アクリル板(PMMA)上へ連続して印字し半球形状の印字物を形成し、該印字物をUV照射にて硬化させることにより得ることができる。
また、本発明のインクジェット印刷用組成物を用いて形成した樹脂レンズは、屈折率が1.49以上で、樹脂レンズの耐性が優れたものとなる。
本発明の液晶表示装置の樹脂レンズ形成用光硬化型インクジェット印刷用組成物は、光重合性化合物として、エチレンオキサイド変性多官能モノマーとその他の多官能モノマーとを、エチレンオキサイド変性多官能モノマー/その他の多官能モノマー=100/0〜50/50(質量比率)の含有比の範囲で使用し、更に、表面張力及び粘度が特定の範囲にあるため、インクジェット方式により、半透過型液晶表示装置用の樹脂レンズを形成する際の吐出性安定性、基板を走行させて印字した印字物を硬化させて得られた樹脂レンズの半球成型性、並びに、得られた樹脂レンズの形状保持性(得られた半球成型物の耐性)及び屈折率に優れたものとなる。
(実施例)
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りがない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
<液晶表示装置の樹脂レンズ形成用光硬化型インクジェット印刷用組成物の調製>
表1の配合組成となるように配合し、撹拌混合して、実施例1〜5、比較例1〜7の液晶表示装置の樹脂レンズ形成用光硬化型インクジェット印刷用組成物を得た。
なお、表1に示した組成は、以下のとおりである。
SR272:トリエチレングリコールジアクリレート
SR454:トリメチロールプロパントリアクリレートエチレンオキサイド3モル付 加物
ATM−4E:ペンタエリスリトールテトラアクリレートエチレンオキサイド4モル 付加物
HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
IBXA:イソボルニルアクリレート
SR256:エチルカルビトールアクリレート
Ir184:IRGACURE184(光重合開始剤、チバ・スペシャリティ・ケミ カルズ社製)
Ir754:IRGACURE754(光重合開始剤、チバ・スペシャリティ・ケミ カルズ社製)
UV−5:重合禁止剤(クロマケム社製)
BYK315:シリコーン系界面活性剤(BYK Chemie社製)
実施例及び比較例で得られた液晶表示装置の樹脂レンズ形成用光硬化型インクジェット印刷用組成物について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
<表面張力>
実施例1〜5、比較例1〜7の液晶表示装置の樹脂レンズ形成用光硬化型インクジェット印刷用組成物の表面張力を、レスカ社製動的濡れ性試験器WET−6000にて測定した(測定温度25℃)。
<粘度>
実施例1〜5、比較例1〜7の液晶表示装置の樹脂レンズ形成用光硬化型インクジェット印刷用組成物の粘度を、E型粘度計(商品名:RE100L型粘度計、コーンの種類:CORD−0、0.8°×R24、東機産業社製)を用い、測定回転数10rpmにて測定した(測定温度25℃)。
<吐出安定性>
ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェット記録装置に、実施例1〜5、比較例1〜7の液晶表示装置の樹脂レンズ形成用光硬化型インクジェット印刷用組成物をそれぞれ充填し、加温して粘度を約10mPa・sとした後に、アクリル板(ポリメチルメタアクリレート製)上へ連続して半球形状に印字したときの吐出安定性を射出性により判断した。
評価基準
○:サテライト・着弾位置のずれが発生しない
×:サテライト・着弾位置のずれが発生する
<硬化性>
ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェット記録装置に、実施例1〜5、比較例1〜7の液晶表示装置の樹脂レンズ形成用光硬化型インクジェット印刷用組成物をそれぞれ充填し、加温して粘度が約10mPa・sとなった後に、アクリル板(ポリメチルメタアクリレート製)上へ連続して半球形状に印字し、ヘレウス社製UVランプ(Z−8ランプ)を用いて140W/cm×23m/min、距離10cm(1パス当たりの積算光量100mj/cm)を照射後、綿棒でこすり傷の発生しない照度を調べた。
<樹脂レンズの作製>
ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェット記録装置に、実施例1〜5、比較例1〜7の液晶表示装置の樹脂レンズ形成用光硬化型インクジェット印刷用組成物をそれぞれ充填し、加温して粘度が約10mPa・sとなった後に、アクリル板(ポリメチルメタアクリレート製)上へ連続して半球形状に印字し、印字物をUV照射にて硬化させて各実施例及び比較例に係る樹脂レンズを得た。
なお、上記UV照射は、ヘレウス社製UVランプ(Z−8ランプ)を用いて、120W/cm×23m/min、距離10cm(1パス当たりのUV積算光量60mJ/cm)の照射条件とした。
<半球成型物の耐性>(塗膜硬度)
実施例1〜5、比較例1〜7の液晶表示装置の樹脂レンズ形成用光硬化型インクジェット印刷用組成物を、加温して粘度が約10mPa・sとなった後に、噴霧用エアブラシでアクリル板に噴霧し、上述した条件でUV硬化させた後、半球状の硬化物に荷重50gを温度85℃、湿度95%、500時間かけ半球成型物の耐性を電子顕微鏡で目視にて以下の基準で評価した。なお、噴霧用エアブラシによると、インクジェット記録装置を用いた場合と同等の半球成型物が得られる。
○:半球性良好
×:半球性不良(へこみあり)
<半球成型性>
実施例1〜5、比較例1〜7の液晶表示装置の樹脂レンズ形成用光硬化型インクジェット印刷用組成物を、加温して粘度が約10mPa・sとなった後に、噴霧用エアブラシでアクリル板に噴霧し、アクリル板をコンベアにのせて上述した条件でUV硬化させた際の半球性を電子顕微鏡で目視にて以下の基準で評価した。なお、噴霧用エアブラシによると、インクジェット記録装置を用いた場合と同等の半球成型物が得られる。
○:半球性良好
×:半球性不良
Figure 0006113578
実施例1〜5は、いずれも本発明におけるエチレンオキサイド変性多官能モノマー/その他の多官能モノマー=100/0〜50/50であることを満たす例である。そして、これらの実施例によれば、表面張力、粘度も本発明中の範囲内となることに加え、吐出安定性、硬化性、塗膜硬度、半球成型性のいずれも良好であった。
一方、比較例1〜7は、いずれも本発明におけるエチレンオキサイド変性多官能モノマー/その他の多官能モノマー=100/0〜50/50であることを満たさない例である。これらの比較例によると、いずれも吐出安定性が悪く、サテライトや着弾位置のずれが発生した。
特に比較例1〜6は、表面張力や粘度が本発明中の範囲内であるにも関わらず、吐出安定性が悪い結果になった。このような結果は、本発明の組成物において特定の表面張力や粘度の範囲とすることが、インクジェットによる吐出において、単に吐出安定性を向上させるに留まらないことを意味している。
比較例2は上記特許文献4に記載の例に相当するが、表面張力、粘度、硬化性、塗膜硬度、半球成型性には優れるものの、吐出安定性は劣るものであった。
加えて、IBXAを30.0質量部使用した比較例3、60.0質量部使用した比較例5、及びエチレンオキサイド変性多官能モノマーを使用しない比較例6、さらに実施例4においてSR454を使用せず、その分HDDAを増量した比較例7によると、塗膜硬度及び半球成型性も不良であった。
特に比較例3は、IBXAを30.0質量%含有させたために、表面張力、粘度、硬化性、塗膜硬度、半球成型性には優れるものの、吐出安定性は劣るものであった。
さらに比較例6及び比較例7によると硬化性も悪化し、特に比較例7は粘度が高いものであった。
以上の各実施例及び比較例の結果によると、本発明の組成物は、単にインクジェット印刷時の吐出安定性が良好なだけではなく、硬化性や塗膜硬度、半球成型性にも優れることが理解できる。
本発明の液晶表示装置の樹脂レンズ形成用光硬化型インクジェット印刷用組成物は、インクジェット方式により、半透過型液晶表示装置用の樹脂レンズを形成する際の吐出性、基板を走行させて印字したときの吐出安定性に優れ、印字物を硬化させて得られた樹脂レンズの半球成型性、並びに、得られた樹脂レンズの耐性及び屈折率に優れたものである。

Claims (3)

  1. 光重合性モノマーとしてエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート及びエチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレートから選ばれる少なくとも1種、ポリエチレングリコールジアクリレート、及び必要に応じてその他の多官能モノマー、レベリング剤及び光重合開始剤を含有し、表面張力が27〜33mN/m、粘度が5〜100mPa・sであり、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート及びエチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレートから選ばれる少なくとも1種と、ポリエチレングリコールジアクリレートの合計と、その他の多官能モノマーとの含有比が、該合計/その他の多官能モノマー=100/0〜50/50(質量比率)であることを特徴とする、液晶表示装置の樹脂レンズ形成用光硬化型インクジェット印刷用組成物。
  2. エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート及びエチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレートから選ばれる少なくとも1種と、ポリエチレングリコールジアクリレートとの含有比が、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート及びエチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレートから選ばれる少なくとも1種ポリエチレングリコールジアクリレート=20/80〜50/50であることを特徴とすることを特徴とする請求項に記載の光硬化型インクジェット印刷用組成物。
  3. レベリング剤としてシリコーン系界面活性剤を0.05〜1質量%含有する請求項1又は2に記載の光硬化型インクジェット印刷用組成物。
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