JP6111707B2 - 有機elデバイス - Google Patents

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Description

本発明は、有機ELデバイスに関する。
従来、照明用機器として白熱電球や蛍光灯が広く用いられている。これに対し、近年面発光照明機器がそのソフトな印象の光や省エネルギー性能などの理由から次世代照明として注目を浴びており、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと記載)、無機エレクトロルミネッセンス、あるいは発光ダイオードと導光板を組合せたものが開発されている。中でも有機ELは、機器の小型軽量化、薄型化が可能であり、発熱も小さいといった点で注目されている。
有機ELは、有機物質からなる発光材料に電圧を印可してエネルギーを付与し、陽極・陰極それぞれから流れ込んだ正孔および電子により発光励起子が誘起された当該発光材料が元の状態に戻る際に、光としてエネルギーを放出する現象のことをいう。有機EL技術を用いた発光素子である有機ELデバイスには、有機物質からなる発光材料を含む有機層と、当該有機層を挟むように対向した2個の電極(陽極及び陰極)とを、基板上に順次積層した構造が一般的に用いられている。
有機ELデバイスは、発光材料の種類を変えることによって発光波長を変更することができるため、例えば赤色、緑色、青色の3種類の発光材料を混合することにより、有機ELデバイスから白色光を得ることができる。また、例えば異なる発光材料を含んだ2種類以上の有機EL素子をストライプ状に交互に形成して有機ELデバイスとすることにより、各々の有機EL素子に独立して電流を供給する可変色の発光パネルを得ることができる。
このような発光パネルは、一般的な照明用途に用いることができる他、建屋内、乗物内のインテリア、またはエクステリアなどに用いることも可能である。有機EL素子を用いた発光パネルを一般的な照明として用いた例が、例えば、特許文献1に記載されている。
ところで、有機ELを用いた照明の実用化において、発光パネルにおける発光領域内の輝度分布が大きな問題であった。通常の有機ELデバイスの発光パネルにおける発光領域においては、透明な基板上に第一電極として透明電極である陽極、有機層、第二電極としての陰極が順に積層され、有機層で生じた光が該透明電極および該基板を透過して面発光パネルの外部に放射される。該透明電極への電力供給は、発光パネル端部の電力供給端子を介してなされるが、該透明電極を構成する酸化インジウムスズ(ITO:Indium
Tin Oxide)等の材料は、電気抵抗が比較的高いために、発光領域内において、電力供給端子から距離が離れた位置では電圧降下が起こり、その結果として輝度分布が生じてしまっていた。この問題は、第一電極の膜厚や体積抵抗率にも依存するが、典型的には発光領域を平面視した場合の第一電極の一辺の長さが1cmを超える大きさのパネルにおいて顕著となる。
発光パネルにおける発光領域内での、電力供給端子から距離が離れた発光領域の中央付近の領域の電圧降下を抑制して輝度分布を改善するための方法として、例えば非特許文献1には、金属の細線からなるストライプ状の補助電極、及びそれを取り囲む絶縁膜を基板上に設ける技術が開示されている。このような補助電極の存在により電圧降下を抑制し、発光領域内の最高輝度に対する最低輝度の割合(以下、輝度分布率と記載)を78%程度に維持できるとしている。
特開2011−18483号公報
東芝レビューVol.65 No11(2010)p42
上記のように補助電極は電圧降下の抑制に有効なものであるが、通常、陽極の上に形成されることが多く(稀に陽極の下の場合もある)、その補助電極を平面視において覆うように絶縁膜が形成されるので、さらにその上に発光層を含む有機層、陰極が形成されても、絶縁層の上に形成されるが故に陽極から正孔が注入されないため発光する領域とはならず、「非発光領域」となる。一方で補助電極及び絶縁層が形成されなかった領域に有機層が形成された領域に、陰極がオーバーラップして形成された領域は発光させることが可能な「発光領域」となる。
発光領域の面積が、発光形成領域全体の面積に占める比率を開口率と呼び、開口率が高い方が、輝度を一定とした場合に光度(=輝度x発光面積)もしくは光束(=光度の放射角度による積分値)が高くなる。ここで発光形成領域とは、陽極、発光層を含む有機層、陰極が平面視で重なって形成される領域であり、補助電極及びそれを覆う絶縁膜の部分をも含んでいる領域のことである。
ストライプ状の補助電極の場合は以下の式で表すことができる。
開口率(%) = 発光領域の幅/(発光領域の幅+非発光領域の幅)×100
発光パネル内に補助電極が存在しない場合は、開口率は100%であるが、電圧降下抑制のために補助電極を形成していくと非発光領域が増加して開口率が低下する。照明用機器として十分な光度を得るには、開口率が85%以上であることが好ましいが、上記非特許文献1では、輝度分布率を78%に維持した状態においては開口率が80%に留まっている。このように、従来の技術では、電圧降下の抑制による良好な輝度分布と、高い開口率によるより高い光度もしくはより大きな光束を両立させることが困難であった。
本発明者らが鋭意検討した結果、補助電極の形状、抵抗率及び第一電極の抵抗率を所定の関係を満たすように決定することで、電圧降下の抑制による良好な輝度分布率と、高い開口率による大きな光度または光束を両立させることができることを見出した。
すなわち、本発明の要旨は、基板上に少なくとも第一電極、有機層、第二電極がこの順に設けられた発光領域を有し、更に、前記第一電極上の前記有機層側に形成された複数のストライプ状の補助電極、及び前記補助電極を覆う絶縁膜からなる非発光領域を有するか、前記基板上の有機層側に直接形成されかつ前記第一電極に接する複数のストライプ状の補助電極、及び前記補助電極を覆う絶縁膜からなる非発光領域を有する有機ELデバイスであって、前記補助電極の平均線幅をw、前記補助電極の平均膜厚をt、前記補助電極のストライプ周期をP、前記補助電極の長さをL、前記補助電極の体積抵抗率をρ、前記第一電極のシート抵抗をR、前記絶縁膜の平均線幅をwとした時に、下記式(6)及び(7)を満たすことを特徴とする有機ELデバイス、に存する。
Figure 0006111707
は、Vin=Vのときの該有機ELデバイスの<J>−V特性における<J>のVinによる微分係数とする。Vinは、該有機ELデバイスに対する印加電圧、Vは、該有機ELデバイスにおいて所望の輝度を実現するのに必要な印加電圧(駆動電圧)とする。また、<J>は該有機ELデバイスにおける電流Iを該有機ELデバイスの発光領域の全面積で割って得られる平均電流密度である。)
ここで、前記補助電極が湿式成膜で形成されていることが好ましい。
更には、前記絶縁膜が湿式成膜で形成されていることが好ましい。
ここで、前記補助電極の平均膜厚が0.001mm以上であり、かつ、前記前記絶縁膜の平均膜厚が補助電極の平均膜厚の2.0倍以上であることが好ましい。
また、前記補助電極がスクリーン印刷で形成されていることが好ましい。
更には、前記絶縁膜がスクリーン印刷で形成されていることが好ましい。
本発明によれば、有機ELデバイスの発光領域を平面視した場合の、第一電極の1辺の長さ(あるいは、隣り合う補助電極間の最短距離)が1cmを超える大きさであっても、電圧降下を抑制し、かつ高い開口率を得ることができるために、高輝度を維持しながらも、輝度分布が小さく、かつ高光度または高光束の有機ELデバイスを得ることができる。
本発明の有機ELデバイスを第二電極側から見た上面図である。 図1における破線A−A‘の断面図である。 本発明の有機ELデバイスの、2本の補助電極を含む部分を抜き出した斜視図である。 図3を上面から見た場合の寸法をx−y平面上で規定した図である。 本発明を説明するために用いた試作品の電圧−電流密度、電圧−輝度特性を示したグラフである。 シミュレーションにより得られた、ストライプ周期と輝度分布率の関係をプロットしたグラフである。 シミュレーションにより得られた、ストライプ周期と輝度分布率の関係をプロットしたグラフである。 シミュレーションにより得られた、ストライプ周期と輝度分布率の関係をプロットしたグラフである。 シミュレーションにより得られた、ストライプ周期と輝度分布率の関係をプロットしたグラフである。 シミュレーションにより得られた、式(6)の右辺と輝度分布率の関係をプロットしたグラフである。 本発明の有機ELデバイスの発光領域の断面図の一例である。 本発明の参考例の補助電極パターンを説明するための図である。 本発明の参考例の第二電極パターンを説明するための図である。
以下に本発明の有機ELデバイスの実施態様を詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの内容に特定されない。
図1は、本発明の有機ELデバイスを第二電極側から見た上面図である。ストライプ状の補助電極を2本のみ形成して有機ELデバイスを単純化した形としている。
上面から見た場合、略長方形の有機ELデバイスにおいて、複数のストライプ状の発光領域が存在し、それ以外の部分が非発光領域となる構造を取っている。発光領域の最表面には第二電極が形成されているが、非発光領域にも絶縁膜の上に有機層の少なくとも一部や第二電極が形成されても良い。また、該非発光領域に直交する有機ELデバイスの平面視上辺と平面視下辺には、有機ELデバイスへの印加電圧の供給端子が接続されており、該上辺と該下辺においては、十分な断面積を有する低抵抗の配線部が形成され、ほぼ同一の電位となる電圧を供給可能である。
図1の有機ELデバイスについて、破線A−A‘の断面図を示したものが図2である。基板上に第一電極が形成され、発光領域については、第一電極上に発光材料等を含む1層以上の有機層が形成され、更にその上に第二電極が形成されている。非発光領域については、第一電極上に補助電極が形成され、更に、その補助電極全体を覆うように絶縁膜が形成されている構造を少なくとも有する。
絶縁膜は、補助電極と第二電極が電気的に短絡しない、または、発光に寄与しない漏れ電流あるいは無効電流が、発光に寄与する電流よりも実効的に十分に小さい状態を実現する機能を有さなければならない。従って、絶縁膜が補助電極を覆う状態とは、絶縁膜の存在により、補助電極の少なくとも一部もしくは全部を第二電極と電気的に実質的には導通しない状態にすることにより、前記の状態を保持している状態を指す。
上述の構成を前提に、コンピューターシミュレーションにより、本発明の有機ELデバイスの最適形状を検討した。
(シミュレーションモデルの説明)
図3及び図4は、シミュレーションモデルを説明するための図である。
図3は、有機ELデバイスから、1つのストライプ状の発光領域と、その両側に配置された補助電極を抜き出した斜視図である。補助電極の長手方向の長さを補助電極の長さLとし、補助電極の、長手方向と直交する方向の幅を補助電極の平均線幅wとし、補助電極の線幅方向の中心間の距離を補助電極のストライプ周期Pとし、補助電極の平均膜厚をtとし、第一電極のシート抵抗をRとし、補助電極の体積低効率をρと規定する。
有機ELデバイスの発光領域における輝度分布は、電圧分布に依存し、発光領域の電圧分布については、電磁気学的理論を適用すると、上記のパラメータによって決定されるモデルを構築することが可能である。以下、シミュレーションモデルについて詳述する。
図4(a)は、図3を上面から見た場合の寸法をx−y平面上で規定した図である。補助電極の幅方向をx軸方向、長さ方向をy軸方向とし、有機ELデバイスの下辺をx軸、左側の補助電極の長手方向の中心線をy軸と規定し、x−y平面上に有機ELデバイスの
寸法を示した。図4(b)は図4(a)の断面図を表したものである。図3では省略したが、実際は図2に示すように補助電極を覆うように絶縁膜が形成されており、この絶縁膜の、長手方向と直交する方向の幅を絶縁膜の平均線幅wとし、図4(a)に記載した。有機ELデバイスの任意の位置座標を(x、y)と表す。位置(x、y)における局所的な発光領域の第一電極及び第二電極間の電位差Vと、電流密度J及び発光輝度Lの関係がJ=J(V)、L=L(V)で与えられるとする。第一電極上の電位分布V(x、y)は以下の方程式(1)により表される。
Figure 0006111707
ここで、σは第一電極側のシート抵抗Rの逆数である。これは位置によって変化する量であってもよく、第一電極上に補助電極が形成されている場合には、補助電極が存在する領域でのσの値をσ=(1/R)+(t/ρ)とすることで、補助電極の抵抗に対する効果が考慮される。第一電極上には、第二電極が形成されていない領域もあり得るが、その領域は(1)の右辺を0とした方程式(2)にしたがう。
Figure 0006111707
ストライプ状の補助電極が周期的に形成されている場合には、1周期分を計算領域とすれば、有機ELデバイス全体の領域について把握可能である。具体的な例として図4の構成を考える。発光領域と非発光領域とでそれぞれ方程式(1)と(2)を計算することにより、第一電極上の電位分布V(x、y)が得られる。これを局所的な素子特性であるJ=J(V)、L=L(V)に代入することにより有機ELデバイス上の場所に依存した電流密度の分布J(x、y)ならびに発光輝度の分布L(x、y)をシミュレーションにより算出することができる。有機ELデバイスの平面視上辺と平面視下辺に印加電圧供給端子が接続されている場合、計算領域における境界条件は、以下の式(3)、(4)で与えられる。ここで、Vinは、印加電圧供給端子に加える印加電圧である。以降、特に所望の輝度等を実現するために選択された印加電圧Vinを駆動電圧Vと記述する。
Figure 0006111707
図4における第二電極にもシート抵抗は存在するが、典型的な有機ELデバイスでは100nm程度の厚さのAlやAgといった金属層が用いられるため、そのシート抵抗は0.1(Ω/□)程度であり、第一電極に用いられる典型的な透明電極のシート抵抗10〜100(Ω/□)と比較して無視できるぐらいに小さい。したがって、本検討では第二電極の電位は一定であると仮定している。しかしながら、仮に第二電極のシート抵抗が問題になるほど高い場合であっても、発光出射側の第一電極と異なり発光を妨げることなく補助電極の付与が可能なので、自明な方法でその影響を抑制すればよい。
ここで、前記自明な方法に関しては、例えば、第ニ電極に接してさらにその上に第2電
極と同等以下の抵抗率を有する金属膜を蒸着で形成する、または、その蒸着のときに島状の開口部を有する金属マスクを用いて島状の補助電極を形成し、全面に該金属膜を形成した場合よりも膜の内部応力による剥離を抑制する、などの方法が適宜取られる。
(シミュレーションの方法)
上記の方程式(1)〜(4)を有限要素法モデルで数値解析するために、PDE Solutions,inc社の汎用偏微分方程式ソルバ「Flex PDE(バージョン5.0.22)」を用いた。「Flex PDE」では、解くべき方程式と境界条件を正しく記述して与えれば、基本的には有限要素法メッシュが自動生成されて、ニュートンラプソン法による数値解の解析が実行される。(1)〜(4)の偏微分方程式境界値問題を「Flex PDE」のマニュアルにしたがって正確に記述し数値計算を実行することにより、十分な数値精度の解を得ることができる。
(印加電圧供給端子近傍の発光領域における電流−電圧−輝度特性)
J=J(V)、L=L(V)を図5に示す。これは2mm角の有機ELデバイスを試作して得られた測定結果である。試作した有機ELデバイスの詳細については、参考例3として後述する。
本検討では、所望の輝度を1300(cd/m)と設定する。図5から、輝度1300(cd/m)を実現するのに必要な電流密度は、12.5(mA/cm)=125(A/m)であることがわかる。さらに同図より、この電流密度を実現するための印加電圧は8Vとなることがわかる。したがって、所望の輝度を実現する印加電圧である駆動電圧VはV=8Vと決定される。電位分布V(x、y)ならびに輝度分布L(x、y)のシミュレーションにおいて、Vin=Vと設定して計算すると、印加電圧供給端子近傍の発光領域では、電流密度12.5(mA/cm)=125(A/m)、輝度1300(cd/m)となることが明らかである。一方、印加電圧供給端子から離れた領域では、第一電極や補助電極の抵抗によりVが減少し、電流密度と輝度が低下する。補助電極ならびに第一電極に関する種々のパラメータを変化させてシミュレーションを実施することにより、輝度の低下が十分小さくなる条件を調べた。
(発光領域全体に関するシミュレーション結果)
補助電極ならびに第一電極に関する前記パラメータ値を以下の表1のように設定した場合のすべての組合せについてシミュレーションを実施した。
Figure 0006111707
絶縁膜の平均線幅wは補助電極を確実に覆い、第二電極に対して補助電極を絶縁できる幅とすればよい。実際には、製造上の公差などを考慮して前記条件を満たすようにした値を採用すればよいが、本シミュレーションでは、補助電極の平均線幅 w に対して0.2mmを加えた値とした。
発光領域内の電流密度分布ならびに輝度分布を計算した結果から、輝度均一性の指標として輝度分布率Lmin/Lmax×100(%)を解析し、ストライプ周期Pに対してプロットした結果を表2〜表5ならびに図6〜図9に示す。ここで、Lmaxは発光領域内の最高輝度であり、Lminは発光領域内の最低輝度である。表2及び図6は、L=60mm、ρ=5x10−7Ω・mとした際に、表1のRとwの全組み合わせについてプロットしたものである。表3及び図7は、L=60mm、ρ=5x10−8Ω・mとした際に、表1のRとwの全組み合わせについてプロットしたものである。表4及び図8は、L=120mm、ρ=5x10−7Ω・mとした際に、表1のRとwの全組み合わせについてプロットしたものである。表5及び図9は、L=120mm、ρ=5x10−8Ω・mとした際に、表1のRとwの全組み合わせについてプロットしたものである。
Figure 0006111707
Figure 0006111707
Figure 0006111707
Figure 0006111707
ストライプ周期Pが増大するにしたがって、Lmin/Lmaxが減少し、輝度が不均一になっていくことがわかる。Lmin/Lmaxのストライプ周期Pに対する変化は、補助電極の構成や体積抵抗率、第一電極のシート抵抗、さらには、局所的な発光領域のJ−V−L特性や駆動電圧に依存している。これらのパラメータは独立に設定できるものであり、ストライプ周期Pをどこまで小さくすれば輝度均一性を保つことができるかは、パラメータ値を設定してシミュレーションを実行することで確認可能である。
(各パラメータの適切な範囲)
発光領域内の輝度分布率が85%以上であれば、実用上輝度が十分に均一とみなせるため、下記式(5)を満たすことが望まれる。
Figure 0006111707
発光領域内の輝度分布は、上述したように有機ELデバイスの構成に関わる多くのパラメータに依存するが、今回発明者らが上記シミュレーション結果を基に鋭意検討した結果、発光領域内の輝度均一性に影響を及ぼす因子の関係が明らかとなり、(5)式が満たされるための条件として以下の式を得た。
Figure 0006111707
(以下、単にXと記載)
は、有機ELデバイスへの印加電圧Vinを微小変化させたときに、平均電流密度<J>
が変化する変化率(<J>をVinで微分した微分係数)のVin=Vにおける値であ
る。平均電流密度<J>は、有機ELデバイス全体に流れる電流を発光領域の全面積で割
ったものとして定義される。
Xは上述の通り、有機ELデバイス全体の電流−電圧特性から導かれるものであるが、本願の有機ELデバイスの作製にあたっては、同一の電極と有機層からなる素子を適当なサイズで試作し、第一電極の電気抵抗による電圧降下を抑制した状態で電流−電圧特性を予め測定し、その測定結果から導かれるXを用いて(6)式を満たすように各パラメータを決定すればよい。これは、素子のサイズを十分小さくするか、第一電極上に十分な厚み(例えば100nm以上)の金属を蒸着することにより容易に実現できる。このように各パラメータを制御して作製された有機ELデバイスは、本願発明の効果として、電圧降下の影響による輝度の低下が抑制されているため、上述のように決定した2つのXはほぼ同一の値となることは明らかである。
一般に、Vが低ければ、Xの値も低くなるため、輝度を無視してVを低く設定することにより、式(6)を満たすことは容易である。しかしながら、所望の輝度が得られていない状態で輝度分布率、開口率が大きくても、有機ELデバイスとしては不十分である。従って、本願発明におけるVの値は、有機ELデバイスにおいて1000cd/m以上の輝度を実現可能な範囲の値であることが好ましい。このレベルの輝度であれば、有機ELデバイスとして十分実用に耐えうると考えられるからである。また、上記輝度を実現可能であり、かつ式(6)を満たすことが可能なVの値が1点でもあれば、その値を駆動電圧とすることで、後述の式(7)を満たすことを前提として本願発明の効果を実現可能である。従って、Vの値は、有機ELデバイスにおいて好ましくは1000cd/m以上の輝度を実現可能な範囲から任意に選択可能とする。
シミュレーションでは、ΔV=0.1(V)として、Vin=V+ΔVとV=Vに対する <J> の値の差 Δ<J> を計算し、これによりΔ<J>/ΔVとして求めた。各パラメータを振ったシミュレーションに対して得られた値を表2〜5に記載した。
図10に、上記のシミュレーションで得られた全てのデータについて、(6)式の左辺のパラメータを横軸としてLmin/Lmaxを縦軸にプロットした。これにより、図6〜図9のグラフではバラバラであったデータが、一つのマスターカーブ上にプロットされ、(6)式を満たしたときに、パネル内の輝度が十分に均一とみなせることがわかった。
一方、絶縁膜の平均線幅wに対してストライプ周期Pが小さくなると、開口率が小さくなってしまう。前述したように、照明機器として十分な光度を得るためには、開口率が85%以上であることが望ましい。このためには以下の式が満たされる必要がある。
Figure 0006111707
上記検討より、開口率85%以上でかつ、発光領域全体における輝度分布率Lmin/Lmax×100(%)が85%以上を満たすためには、各パラメータが式(6)と式(7)を満たす必要がある。
本発明においては、上記式(6)及び(7)を満たすように有機ELデバイスの各パラメータを設定することで、高い開口率と均一な輝度分布を両立させることが可能である。
なお、有機ELデバイスの端部では、2つの補助電極に挟まれない発光領域も存在する。この領域においては、補助電極のストライプ周期Pは、有機ELデバイスの端部から補助電極までの距離の2倍として計算するものとする。
上記検討では、周期的に配置された幅や高さが均一なストライプ状の補助電極及び絶縁膜を想定しているが、これは本願発明の範囲を限定するものではない。有機ELデバイス内の補助電極配置が周期的でない場合には、隣り合う補助電極に挟まれた間の発光領域について上記の知見を当てはめることができる。補助電極(あるいは絶縁膜)の幅や高さが均一でない場合には、これを長さ方向に平均化した値をもって上記の知見を当てはめることができる。
また、有機ELデバイス内で、部分的に各パラメータの数値が変更された領域が存在する場合は、それらパラメータの異なる各領域において、式(6)及び(7)を満たしていればよい。
以下、本発明の各構成について詳述する。
(基板)
基板としては、石英やガラスの板、プラスチックフィルムやシート等が用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン等の透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
本発明においては、後述するように従来よりも厚い補助電極、及び絶縁層を形成する傾向にあるが、厚い層においては層内部の応力が高くなるため、その下地との密着性が低いと剥離を起こす危険性がある。これを防ぐために、使用する基板に適度な「うねり」を持
たせておき、補助電極あるいは絶縁層と下地の接触面積を増大させることで密着性を向上させるのは好ましい方法である。ガラス基板を用いる場合は、フロート法で製造された、未研磨のガラス基板が、うねりが大きく好ましい。このような基板は製造コストが低い点からも好ましい。
(第一電極)
第一電極は、有機層への正孔注入の役割を果たす陽極、もしくは、有機層への電子注入の役割を果たす陰極のいずれでもよいが、陽極として用いるのが有機ELデバイス製造上好ましい。陽極として用いる場合は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/又はスズの酸化物等の金属酸化物(例えばITO、IZO)、ヨウ化銅等のハロゲン化金属、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等、さらには、単体もしくはそれらと組み合わされた金属ナノワイヤ等により構成される。陽極の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法等により行われることが多い。また、銀等の金属微粒子、ヨウ化銅等の微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末等を用いて陽極を形成する場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散させて、基板上に塗布することにより陽極を形成することもできる。さらに、導電性高分子の場合は、電解重合により直接基板上に薄膜を形成したり、基板上に導電性高分子を塗布したりして陽極を形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711頁,1992年)。
陽極は通常は単層構造であるが、所望により複数の材料からなる積層構造とすることも可能である。 また、アルカリガラスを基材に用い、基材表面にSiO2からなるバリヤ
層を設けてから第1電極を形成し、アルカリの有機電界発光素子への溶出を抑制することも行われている(特開平11−195487)
陽極の膜厚は、必要とする透明性および導電性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが好ましい。また導電性は、シート抵抗として、通常500(Ω/□)以下、好ましくは50(Ω/□)以下とすることが好ましい。この場合、陽極の膜厚は通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下程度である。不透明でよい場合は陽極の膜厚は任意であり、陽極は基板と一体化されたものであってもよい。また、異なる導電材料が積層されたものであってもよい。
第一電極を陽極として用いる場合、導電性と透明性の両立の観点から、本発明においてはITOを代表とする透明導電性金属酸化物が陽極材料として好ましい。
陽極に付着した不純物を除去し、イオン化ポテンシャルを調整して正孔注入性を向上させることを目的に、陽極表面を紫外線(UV)/オゾン処理したり、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ処理したりすることは好ましい。
(有機層)
図11に本発明の有機ELデバイスの発光領域の断面図の一例を示す。有機層は、有機発光層単層であっても、有機発光層と電荷輸送層の多層構造であってもよく、具体的には、下記の(1)〜(9)に示すような構成を挙げることができる。
(1) 有機発光層
(2) 正孔輸送層/有機発光層
(3) 有機発光層/電子輸送層
(4) 正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層
(5) 正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層
(6) 正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層
(7) 正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/正孔防止層/電子輸送層
(8) 正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/正孔防止層/電子輸送層/電子注入層 (9) 正孔注入層/正孔輸送層/電子防止層/有機発光層/正孔防止層/電子輸送層/電子注入層
本発明はこれらにより限定されるものではない。また、有機発光層、正孔注入層、正孔輸送層、正孔防止層、電子防止層、電子輸送層、および、電子注入層の各層は、単層構造でも多層構造でもよい。
ここで、図11では、上記(8)の構成を採用して、第一電極から第二電極に向けて、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層、電子注入層が、この順で積層されている。
有機発光層は、以下に例示する有機発光材料のみから構成されていてもよく、発光性のドーパント材料とホスト材料の組み合わせから構成されていてもよく、任意に正孔輸送材料、電子輸送材料、添加剤(ドナー、アクセプター等)等を含んでいてもよく、また、これらの材料が高分子材料(結着用樹脂)又は無機材料中に分散あるいは混合された構成であってもよい。発光効率・寿命の観点からは、ホスト材料中に発光性のドーパント材料が分散あるいは混合されたものが好ましい。
有機発光材料としては、有機EL用の公知の発光材料を用いることができる。このような発光材料は、低分子発光材料、高分子発光材料等に分類され、これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。また、上記発光材料は、蛍光材料、燐光材料等に分類されるものでもよい。低消費電力化の観点で、発光効率の高い燐光材料を用いることが好ましく、素子寿命の観点で、耐久性の高い蛍光材料を用いることが好ましく、適宜組み合わせて蛍光材料、燐光材料を併用しても良い。
ここで、具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。 低分子有機発光材料としては、例えば、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)−ビフェニル(DPVBi)等の芳香族ジメチリデン化合物、5−メチル−2−[2−[4−(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)フェニル]ビニル]ベンゾオキサゾール等のオキサジアゾール化合物、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5−t−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)等のトリアゾール誘導体、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン等のスチリルベンゼン化合物、チオピラジンジオキシド誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、フルオレノン誘導体等の蛍光性有機材料、および、アゾメチン亜鉛錯体、(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム錯体(Alq3)等の蛍光発光有機金属錯体等が挙げられる。
高分子発光材料としては、例えば、ポリ(2−デシルオキシ−1,4−フェニレン)(DO−PPP)、ポリ[2,5−ビス−[2−(N,N,N−トリエチルアンモニウム)エトキシ]−1,4−フェニル−アルト−1,4−フェニルレン]ジブロマイド(PPP−NEt3+)、ポリ[2−(2’−エチルヘキシルオキシ)−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)、ポリ[5−メトキシ−(2−プロパノキシサルフォニド)−1,4−フェニレンビニレン](MPS−PPV)、ポリ[2,5−ビス−(ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン−(1−シアノビニレン)](CN−PPV)等のポリフェニレンビニレン誘導体、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)(PDAF)等のポリスピロ誘導体が挙げられる。
有機発光層に任意に含まれる発光性のドーパント材料としては、有機EL用の公知のドーパント材料を用いることができる。このようなドーパント材料としては、例えば、スチリル誘導体、ペリレン、イリジウム錯体、クマリン誘導体、ルモーゲンFレッド、ジシアノメチレンピラン、フェノキザゾン、ポリフィリン誘導体等の蛍光発光材料、ビス[(4
,6−ジフルオロフェニル)−ピリジナト−N,C2‘]ピコリネート イリジウム(III)(FIrpic)、トリス(2−フェニルピリジル)イリジウム(III)(Ir(ppy)3)、トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム(III)(Ir(piq)3
)等の燐光発光有機金属錯体等が挙げられる。
また、ドーパント材料を用いる時のホスト材料としては、有機EL用の公知のホスト材料を用いることができる。このようなホスト材料としては、上述した低分子発光材料、高分子発光材料、4,4‘−ビス(カルバゾール)ビフェニル、9,9−ジ(4−ジカルバゾール−ベンジル)フルオレン(CPF)等のカルバゾール誘導体等が挙げられる。
本発明の有機ELデバイスを、白色照明器具として用いる場合は、公知の青色発光材料、赤色発光材料及び緑色発光材料を混合して有機発光層を形成してもよいし、各色の材料一種からなる有機発光層を複数積層することにより白色光を実現してもよい。また、3色の発光材料の内2種類を混合した有機発光層ともう1種の発光材料からなる有機発光層を積層してもよいし、緑色発光材料の代わりに黄色発光材料を用いるなどして白色光を実現することも可能である。
また、電荷注入輸送層は、電荷(正孔、電子)の電極からの注入と有機発光層への輸送(注入)をより効率よく行う目的で、電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と電荷輸送層(正孔輸送層、電子輸送層)に分類され、以下に例示する電荷注入輸送材料のみから構成されていてもよく、任意に添加剤(ドナー、アクセプター等)等を含んでいてもよく、これらの材料が高分子材料(結着用樹脂)又は無機材料中に分散あるいは混合された構成であってもよい。
電荷注入輸送材料としては、有機EL用、有機光導電体用の公知の電荷輸送材料を用いることができる。このような電荷注入輸送材料は、正孔注入輸送材料および電子注入輸送材料に分類され、これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
正孔注入・正孔輸送材料としては、例えば、酸化バナジウム(V)、酸化モリブデン(MoO)等の酸化物、無機p型半導体材料、ポルフィリン化合物、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(NPD)等の芳香族第三級アミン化合物、ヒドラゾン化合物、キナクリドン化合物、スチリルアミン化合物等の低分子材料、ポリアニリン(PANI)、ポリアニリン−樟脳スルホン酸(PANI−CSA)、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンサルフォネイト(PEDOT/PSS)、ポリ(トリフェニルアミン)誘導体(Poly−TPD)、ポリビニルカルバゾール(PVCz)、ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)、ポリ(p−ナフタレンビニレン)(PNV)等の高分子材料等が挙げられる。
また、陽極からの正孔の注入・輸送をより効率よく行う点で、正孔注入層として用いる材料としては、正孔輸送層に使用する正孔注入輸送材料より最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギー準位の絶対値が低い材料を用いることが好ましく、正孔輸送層としては、正孔注入層に使用する正孔注入輸送材料より正孔の移動度が、高い材料を用いることが好ましい。
また、より正孔の注入・輸送性を向上させるため、上記正孔注入・輸送材料にアクセプターをドープすることが好ましい。アクセプターとしては、有機EL用の公知のアクセプター材料を用いることができる。これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
アクセプター材料としては、Au、Pt、W,Ir、POCl、AsF、Cl、Br、I、酸化バナジウム(V)、酸化モリブデン(MoO)等の無機材料、TC
NQ(7,7,8,8,−テトラシアノキノジメタン)、TCNQF4 (テトラフルオロテトラシアノキノジメタン)、TCNE(テトラシアノエチレン)、HCNB(ヘキサシアノブタジエン)、DDQ(ジシクロジシアノベンゾキノン)等のシアノ基を有する化合物、TNF(トリニトロフルオレノン)、DNF(ジニトロフルオレノン)等のニトロ基を有する化合物、フルオラニル、クロラニル、ブロマニル等の有機材料が挙げられる。この内、TCNQ、TCNQF4、TCNE、HCNB、DDQ等のシアノ基を有する化合物がよりキャリア濃度を効果的に増加させることが可能であるためより好ましい。
電子注入・電子輸送材料としては、例えば、n型半導体である無機材料、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、チオピラジンジオキシド誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、フルオレノン誘導体、ベンゾジフラン誘導体等の低分子材料;ポリ(オキサジアゾール)(Poly−OXZ)、ポリスチレン誘導体(PSS)等の高分子材料が挙げられる。特に、電子注入材料としては、特にフッ化リチウム(LiF)、フッ化バリウム(BaF)等のフッ化物、酸化リチウム(LiO)等の酸化物等が挙げられる。
電子の陰極からの注入・輸送をより効率よく行う点で、電子注入層として用いる材料としては、電子輸送層に使用する電子注入輸送材料より最低空分子軌道(LUMO)のエネルギー準位の絶対値が高い材料を用いることが好ましく、電子輸送層として用いる材料としては、電子注入層に使用する電子注入輸送材料より電子の移動度が高い材料を用いることが好ましい。
また、より電子の注入・輸送性を向上させるため、上記電子注入・輸送材料にドナーをドープすることが好ましい。ドナーとしては、有機EL用の公知のドナー材料を用いることができる。これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
ドナー材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Al、Ag、Cu、In等の無機材料、アニリン類、フェニレンジアミン類、ベンジジン類(N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン、N,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス−(フェニル)−ベンジジン、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン等)、トリフェニルアミン類(トリフェニルアミン、4,4’4''−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン、4,4’4''−トリス(N−3−メチルフェニル−N−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン、4,4’4''−トリス(N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン等)、トリフェニルジアミン類(N,N’−ジ−(4−メチル−フェニル)−N,N’−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン)等の芳香族3級アミンを骨格にもつ化合物、フェナントレン、ピレン、ペリレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン等の縮合多環化合物(ただし、縮合多環化合物は置換基を有してもよい)、TTF(テトラチアフルバレン)類、ジベンゾフラン、フェノチアジン、カルバゾール等の有機材料がある。この内特に、芳香族3級アミンを骨格にもつ化合物、縮合多環化合物、アルカリ金属がよりキャリア濃度を効果的に増加させることが可能であるためより好ましい。
これら正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、正孔防止層、電子輸送層、および、電子注入層から構成される有機層は、上記の材料を抵抗加熱蒸着法、電子線(EB)蒸着法、分子線エピタキシー(MBE)法、スパッタリング法、有機気相蒸着(OVPD)法等の公知のドライプロセスを用いて形成される。一般的に有機層の形成には蒸着法が用いられる事が多い。また、上記の材料を溶剤に溶解、分散させた有機層形成用塗布液を用いて、スピンコーティング法、ディッピング法、ドクターブレード法、吐出コート法、スプレーコート法等の塗布法、インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、マイクログラビアコート法等の印刷法等による公知のウエットプロセスを用いて形成されても良い。ウエットプロセスにより有機層30を形成する場合には、形成用塗布液に、レ
ベリング剤、粘度調整剤等の塗布液の物性を調整するための添加剤を含んでいてもよい。また、有機層はレーザー転写法、熱転写法等の転写法により形成することもできる。転写に用いる転写用部材は、基材上に順次形成された、光熱変換層、および中間層と、そして光熱変換層の作用により加熱されて溶融し、受像要素にパターン状に転写される転写層とを備えている。転写層には有機層を構成する材料が含まれている。
有機層の膜厚は、通常1nm〜1000nm程度であるが、10nm〜500nmが好ましい。膜厚が10nm未満であると、本来必要とされる物性(電荷の注入特性、輸送特性、閉じ込め特性)を得ることが困難である。また、ゴミ等の異物による素子欠陥が生じるおそれがある。また、膜厚が500nmを超えると有機層30の抵抗成分により駆動電圧の上昇が生じ、消費電力の上昇に繋がる。
(第二電極)
第二電極は、第一電極が陽極の場合は陰極、第一電極が陰極の場合は陽極としての役割を果たすことになるが、陰極として用いるのが有機ELデバイス製造上好ましい。
陰極の材料としては、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/又はスズの酸化物等の金属酸化物、ヨウ化銅等のハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等が挙げられる。これらのうち、効率よく電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が好ましく、例えば、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属又はそれらの合金などが用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数の合金電極などが挙げられる。またアルカリ金属、またはアルカリ土類金属の酸化物あるいはフッ化物などを併用してもよい。
なお、陰極の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
陰極の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法等により行われることが多い。また、導電性高分子微粉末等を用いて陰極を形成する場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散させて、基板上に塗布することにより陰極を形成することもできる。
陰極の膜厚は、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが好ましい。この場合、陰極9の膜厚は通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下程度である。不透明でよい場合は陰極9の膜厚は任意であり、陰極は基板と同一でもよい。また、さらには、上記の陰極9の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
さらに、例えば、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウム等のアルカリ土類金属等からなる低仕事関数の金属からなる陰極を保護する目的で、この上に更に、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層すると、素子の安定性が増すので好ましい。この目的のために、例えば、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。なお、これらの材料は、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(補助電極)
補助電極は、図2(a)に示すように、基板上に設けられた第一電極上の有機層側に、複数のストライプ状に形成されるか、図2(b)に示すように、基板上の有機層側に直接形成される。
補助電極に用いる材料は導電性であって、かつ湿式成膜が可能なものが好ましい。補助
電極の体積抵抗率としては常温において1x10−6(Ω・m)以下であることが好ましい。発光領域全体に十分な電圧を印加するためである。補助電極材料の代表的なものとして、金属粒子、あるいは有機導電性物質をバインダー樹脂と混合してペースト状ないしインク状にしたものがある。金属粒子としてはAu、Ag、Cu、Al等の高導電性金属あるいはそれらを主体とする合金の粒子が好ましく用いられる。金属粒子の直径は1nm〜10μm程度である。バインダー樹脂としてはエポキシ系やアクリル系の樹脂が好ましく用いられる。有機導電性物質としては、例えばポリアセチレン、ポリチオフェン、芳香環を有するポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリパラフェニレンビニレン等の有機高分子半導体物質およびそれらの混合物、共重合物、縮重合物、架橋物、および、これらの物質にヨウ素や五フッ化ヒ素などの電子受容体(アクセプター)やアルカリ金属などの電子供与体(ドナー)等の適当な化学種を高分子に添加する、いわゆる化学ドーピングを施した材料、等を挙げることができる。該有機導電性物質の樹脂層中における形態は、微粒子であってもよいし、微粒子の形状を留めずに樹脂層中に均一に混合あるいは分散した状態であってもよい。 これらの中でも、比較的低体積抵抗率であり、安価で形成しやすいこ
とから、銀ペーストが特に好ましい。
バインダー樹脂中の、導電性微粒子または有機導電性物質の含有量は、通常、50重量%以上、好ましくは、70重量%以上、通常、99.9重量%以下、好ましくは95重量%以下である。ただし、有機導電性物質が樹脂である場合は、有機導電性物質がバインダー樹脂層の樹脂を兼ねていてもよく、その場合は樹脂層が有機導電性物質からなるものであってもよい。
(絶縁膜)
絶縁膜は、上述したように複数のストライプ状に形成された補助電極を被覆する形で形成される。補助電極被覆のための絶縁膜の成膜は、絶縁の確度を高めるため等の必要に応じて複数回行なってもよい。絶縁膜に用いる材料は導電性を有さないものであって、且つ湿式成膜が可能なものが好ましい。絶縁膜材料としては、ペースト状ないしインク状の樹脂材料が好ましい。樹脂材料は必要に応じて、フィラー、添加剤、溶剤を混合してもよい。樹脂材料は、硬化性を有するか、硬化せずとも他の溶剤に容易に溶解しないことが好ましく、ポリアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂などを挙げることができる。フィラーは、塗膜の物理的強度を上げるために必要に応じて配合するもので、公知の無機又は有機フィラーが使用できる。硫酸バリウム、球状シリカおよびタルクなどを挙げることができる。これらフィラーの配合量は、樹脂100質量部に対して、300質量部以下であることが好ましい。フィラーの配合量が、300質量部を超えた場合、樹脂組成物の粘度が高くなったり、印刷性が低下したり、硬化物が脆くなる。より好ましくは0.1〜300質量部、特に好ましくは、0.1〜150質量部である。添加剤には、微粉シリカ、有機ベントナイト、モンモリロナイト、ハイドロタルサイトなどのチキソ化剤、熱重合禁止剤や、シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤及び/又はレベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系等のシランカップリング剤、防錆剤、更にはビスフェノール系、トリアジンチオール系などの銅害防止剤などが挙げられる。配合比としては、通常添加剤として添加する程度でよく、樹脂100質量部に対して、0.01〜20質量部、好ましくは0.05質量部〜10質量部、特に好ましくは0.1質量部〜5質量部である。溶剤は基材に塗布する際の粘度調整のために、必要に応じて添加するもので、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などを挙げることができる。
(各パラメータの好ましい態様について)
本発明においては、上記式(6)及び(7)を満たすように各パラメータを設定するこ
とで、高い開口率と均一な輝度分布を両立させることが可能であるが、以下、実際に式(6)及び(7)を満たすための、各パラメータの好ましい態様について詳述する。
第一電極には、光透過率と電気伝導度の両立のため、前述の通りITOを代表とする透明導電性金属酸化物を用いることが好ましい。例として、ITOの場合のシート抵抗Rは、膜厚にも依存するが、およそ2〜1000(Ω/□)程度であるため、第一電極にITOを用いた場合は、本発明のRはこの範囲となる。
補助電極材料として好ましい銀ペーストの体積抵抗率ρは常温において5x10−8〜5x10−7(Ω・m)程度である。
補助電極の長さLは、有機ELデバイスの発光領域のサイズにより決定されるが、通常、10mm〜500mm程度である。
補助電極のストライプ周期Pは、形成精度の観点から1mm以上、有機ELデバイスのサイズから100mm以下とすることが一般的である。
補助電極の平均線幅wは、ストライプ周期Pと開口率に関連するが、0.01mm〜2.0mm程度と考えられる。
また、駆動電圧Vinは、経験的に2V〜10V程度であり、その際のXの値は、経験的に0.01〜1,000(m−2・Ω―1)程度の値となる。
上記の通常想定される各パラメータの範囲を基に、本発明の補助電極に必要とされる平均膜厚tを、式(6)、(7)より概算すると、0.001mm以上となる。この膜厚は、従来の有機ELデバイスの補助電極の膜厚に比べ著しく大きい。これだけの膜厚の補助電極を形成するには、製造効率の観点から、湿式成膜により形成することが好ましい。湿式成膜としては、例えば、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法(孔版印刷)、グラビア印刷法(凹版印刷)、フレキソ印刷法(凸版印刷)、平版印刷法等が挙げられる。また、実験室規模では、刷毛、またはスワブと呼ばれるプラスチック製の軸の先にスポンジを取り付けたものによる手塗り印刷法も利用可能であるが、規模の大小によらず、より好ましい形成方法としてはダイコート法、スクリーン印刷法が挙げられる。 中でもスクリーン印刷法が印刷版製造におけ
る簡便さに由来する安価・短納期の点、印刷装置価格の点、また印刷用インク物性の適合範囲の広範さの点で好ましい。
スクリーン印刷で補助電極を形成する場合、補助電極材料としては、価格、電気伝導度等、製造上の取り扱いやすさ等から、前述の通り銀ペーストを用いることが好ましい。
一方で、補助電極が第二電極と直接にあるいは有機層を介して短絡するのを防ぐため、補助電極の周囲は絶縁膜で覆う必要がある。ところが、上述の通り補助電極を湿式成膜で形成する場合、寸法精度が問題となる。一般に、湿式成膜、特にスクリーン印刷では、形成される膜の膜厚分布が大きく、上記のように補助電極が湿式成膜により厚く形成されている場合は補助電極表面の凹凸が著しく大きくなる。このため、補助電極上に絶縁膜を形成しても第二電極と短絡してしまう場合がある。このような事態を避けるためには、絶縁膜の平均膜厚も大きくする必要がある。絶縁膜の形成方法にかかわらず、ストライプ状に設けられた補助電極の周囲を完全に覆うためには、絶縁膜の平均膜厚は、補助電極の平均膜厚の2.0倍以上が好ましく、更に好ましくは3.0倍以上、特に好ましくは4.0倍以上である。
上記のように、絶縁膜について、補助電極の2倍以上の膜厚とするためには、製造効率の観点から、湿式成膜により形成することが好ましい。湿式成膜としては、例えば、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、インクジェット法、スクリーン
印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等が挙げられる。また、実験室規模では、刷毛、またはスワブと呼ばれるプラスチック製の軸の先にスポンジを取り付けたものによる手塗り印刷法も利用可能であるが、規模の大小によらず、より好ましい形成方法としてはダイコート法、スクリーン印刷法が挙げられる。 中でもスクリーン印刷法が補助電極の場
合と同様の理由から好ましい。
ここで、補助電極の平均線幅wとは、図2(a)の断面図における、補助電極が第一電極と接している部分の長さ、もしくは、図2(b)における、補助電極が基板と接している部分の長さの、補助電極の長手方向に複数点計測した場合の平均値であり、補助電極の断面膜厚を、線幅に対する図2(a)の垂直方向への第一電極表面からの補助電極の平均高さ、もしくは、線幅に対する図2(b)の垂直方向への基板表面からの補助電極の平均高さとすると、補助電極の平均膜厚とは、補助電極の長手方向に複数点計測した場合の断面膜厚の平均値である。
また、絶縁膜の平均線幅wとは、図2(a)及び図2(b)の断面図における、絶縁膜が第一電極と接している部分の補助電極の線幅を含んだ長さの、補助電極の長手方向に複数点計測した場合の平均値であり、絶縁膜の断面膜厚を、線幅に対する図2の垂直方向への第一電極面からの絶縁膜の平均高さとすると、絶縁膜の平均膜厚とは、絶縁膜の長手方向に複数点計測した場合の断面膜厚の平均値である。
第一電極のシート抵抗Rは、輝度分布率を高める上では小さい方が好ましい。100Ω/□以下が好ましく、更に好ましくは50Ω/□以下、特に好ましくは30Ω/□以下である。
補助電極材料の体積抵抗率ρは、輝度分布率を高める上では小さい方が好ましい。5x10−7Ω・m以下が好ましく、更に好ましくは1x10−7Ω・m以下、特に好ましくは8x10−8Ω・m以下である。
補助電極の長さLは、輝度分布率を高める上では小さい方が好ましいが、有機ELデバイスの発光領域を大きくするためには大きい方が好ましい。通常、500mm以下が好ましく、更に好ましくは400mm以下、特に好ましくは300mm以下である。また、10mm以上が好ましく、更に好ましくは50mm以上、特に好ましくは100mm以上である。
補助電極のストライプ周期Pは、輝度分布率を高める上では小さい方が好ましいが、開口率を高める上では大きい方が好ましい。通常、100mm以下が好ましく、更に好ましくは50mm以下、更に好ましくは30mm以下である、また、1.0mm以上が好ましく、更に好ましくは2.0mm以上、特に好ましくは3.0mm以上である。
補助電極の平均線幅wは、輝度分布率を高める上では大きい方が好ましいが、開口率を高める上では小さい方が好ましい。ストライプ周期Pにも依存するが、通常、5.0mm以下が好ましく、更に好ましくは2.0mm以下、特に好ましくは1.0mm以下である。また、0.02mm以上が好ましく、更に好ましくは0.1mm以上、特に好ましくは0.2mm以上である。
補助電極の平均膜厚tは、前述の通り、輝度分布率を高める上では大きい方が好ましく、形成のしやすさからは小さい方が好ましい。通常0.001mm以上が好ましく、更に好ましくは0.005mm以上、特に好ましくは0.01mm以上である。また、0.2mm以下が好ましく、更に好ましくは0.1mm以下、特に好ましくは0.05mm以下である。
ここで、式(6)及び式(7)を満たすために、最も自由に制御が可能なパラメータは
、補助電極の平均膜厚tと考えられる。他のパラメータは、他の要求性能によって、取りうる値の範囲がある程度制限されるからである。以下、補助電極の平均膜厚t以外のパラメータが現実に取りうる値を想定した場合について詳述する。なお、以下の数値はあくまで一例である。
第一電極のシート抵抗Rは、第一電極に好ましく用いられる透明導電性電極材料(特に好ましくはITO)の物性と膜厚によって決まるため、経験上20Ω/□程度と設定する。
補助電極材料の体積抵抗率ρは、補助電極材料に好ましく用いられる銀ペーストの物性により左右されるため、経験上5.6x10−8Ω・m程度と設定する。
補助電極の長さLは、照明用の有機ELデバイスとしては大きい方が好ましいため、150mm程度と設定する。
補助電極のストライプ周期Pは、開口率に最も大きな影響を与えるパラメータであり、上述の通り、少なくとも3.0mm以上と設定する。輝度分布率については他のパラメータで制御可能だからである。
補助電極の平均線幅wは、開口率と形成のしやすさから、上述の好ましい範囲の中間の値である0.3mm程度と設定する。絶縁膜の平均線幅wについては、形成精度等から、wより0.15mm程度大きい数値が好ましいため、0.45mm程度と設定する。
また、Xの値については、経験上80Ω−1・m−2程度と設定する。
上記数字を基に、式(7)の左辺の開口率を計算すると、0.85となり十分な開口率を有している。また、上記数字を基に、式(6)を満たす補助電極の平均膜厚tの範囲を計算すると、t≧0.00092mmとなり、tの値は0.001mm以上とすることが好ましいことになる。
(その他の構成)
本発明の有機ELデバイスにおいては、第二電極側表面に、封止を行う目的で、無機膜、樹脂膜を介してガラス、樹脂、金属等の封止基板、もしくは封止膜を設けることが好ましい。
封止基板および封止膜としては、公知の封止材料および封止方法により形成することができる。具体的には、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスをガラス、金属等で封止する方法が挙げられる。更に、封入した不活性ガス中に酸化バリウム等の吸湿剤等を混入する方がより水分による有機EL素子の劣化を効果的に低減できるため好ましい。更に、第二電極21上に樹脂をスピンコート法、ODF、ラミネート法を用いて塗布、または、貼り合わせることによって封止膜とすることもできる。更に、第二電極21上に、プラズマCVD法、イオンプレーティング法、イオンビーム法、スパッタ法等により、SiO、SiON、SiN等の無機膜を形成した後、更に、樹脂をスピンコート法、ODF、ラミネート法を用いて塗布、または、貼り合わせることによって封止膜とすることもできる。この封止膜により、外部からの素子内への酸素や水分の混入を防止することができ、有機EL素子の寿命が向上する。また、本発明は、これらの部材や形成方法に限定されるものではない。また、有機層30からの光を第二電極側から取り出す場合は、封止膜、封止基板共に光透過性の材料を使用する必要がある。
なお、封止基板は必ずしも必要ではなく、無機膜と樹脂膜のみで封止を行ってもよい。
以下の参考例1、2により、本願発明の好ましい補助電極及び絶縁膜を形成し、その場合においても実用上十分な絶縁特性が得られることを示した。また、参考例3に、前述のシミュレーションの基礎とした有機ELデバイスの詳細を示した。
(参考例1)
(補助電極の形成)
100mm角、0.7mm厚の無アルカリガラスをガラス基板として用い、このガラス基板上に、補助電極として銀ペーストをスクリーン印刷した。印刷後、銀ペーストを乾燥・硬化させるために200℃・30分の焼成をクリーンオーブンにて行った。これにより、図12に示すような、平均膜厚t=15μm、平均線幅w=450μm、長さL=72mm、ストライプ周期P=18mmのストライプパターンそれぞれが両端で接続されたパターンを形成した。また、同時に絶縁膜のアライメント印刷に使用するアライメントマークも形成した。
(引き出し線の形成)
次に、絶縁チェックを行うための引き出し線を形成した。引き出し線の材料には銀ペーストを使用した。スパチュラで銀ペーストを図12の様に盛り付けて引き出し線を形成した。幅2mm程度、長さ1cm程度、厚さは目視で印刷銀ペースト程度になるようにした。盛りつけた後、銀ペーストを乾燥・硬化させるために、ホットプレートにて80℃・10分の加熱を行った。引き出し線の形成後、引き出し線と、補助電極のストライプパターン間が導通することをテスターにて確認した。
(絶縁膜のアライメント印刷)
絶縁膜のスクリーン印刷パターンが補助電極のスクリーン印刷パターンに丁度重なるよう、先に得たアライメントマークを使って補助電極上に絶縁膜をアライメント印刷した。絶縁膜の材料としては市販のポリイミド系高耐熱ペーストを使用した。印刷後、絶縁膜を重ね印刷する際の版への付着を防ぐ様、絶縁膜を乾燥させるためにホットプレートにて100℃・5分の加熱処理を行った。この後、上記と同様のアライメント印刷、加熱処理を更に2回繰り返した。即ち、補助電極に対して、絶縁膜のアライメント印刷を3回行ったことになる。最後に絶縁膜を硬化させるために、230℃・30分の焼成をクリーンオーブンで行った。これにより、補助電極パターン上に、ストライプ部分は補助電極の平均線幅w+150μm、各ストライプパターン接続部分は補助電極の平均線幅+200μmの絶縁膜パターンが丁度重なり、被覆された状態となった。これにより絶縁膜の平均線幅wについては600μmとなった。
(絶縁膜単独の印刷)
上記の印刷にてどれだけの膜厚の絶縁膜が得られたかを測定するために、100mm角、0.7mm厚の無アルカリガラスをガラス基板として用い、このガラス基板上に、補助電極を形成しないこと及びアライメントを取らないこと以外は同じ条件で絶縁膜を印刷した。その後、ホットプレートにて100℃・5分の加熱処理後、クリーンオーブンにて230℃・30分の焼成を行った。この結果、上記条件において1回の印刷で平均膜厚12μmの絶縁膜が得られることがわかった。
(陰極の成膜)
補助電極と陰極の絶縁を確認するために、アルミニウムの陰極を蒸着法にて成膜した。陰極は図13の様にストライプパターン部分全域を覆う形に成膜した。陰極の膜厚は80nm程度とした。
(絶縁の確認)
引き出し線と陰極との間の抵抗値をテスターにて測定したところ、測定限界を超える抵抗値を示したことから、絶縁膜による被覆により、補助電極と陰極の絶縁が取れていることが確認できた。
補助電極及び絶縁膜のスクリーン印刷については、上記設計数値を実現可能な条件を、常識的な範囲で適宜設定して行った。具体的には、市販のスクリーン印刷装置を用いて、
スクリーン版の材質やメッシュ数、線径等を適宜選択し、印刷条件についてはスキージの材質、スキージ角度、スキージ速度、コート速度等を適宜設定して行った。
本参考例1において、明確になっていない本願発明の各パラメータについては、前述の現実に取りうる値を想定した場合の数値を用い、式(6)及び式(7)の左辺を計算すると、式(6)の左辺の値は0.43、式(7)の左辺の値は0.97となり、本願発明の範囲内となっており、本願発明の有機ELデバイスの作製は十分可能である。
(参考例2)
参考例1に対して、陰極の成膜までの工程を、絶縁膜のアライメント印刷の回数が2回であることを除いて全て同じ方法で操作を行った。この基板において、引き出し線と陰極間の抵抗をテスターにて測定したところ、測定限界を超える抵抗値を示したことから、絶縁膜による被覆により、銀ペーストと陰極の絶縁が取れていることが確認できた。
(参考例3)
前述のシミュレーションに用いた電流、電圧、輝度特性を示す有機ELデバイスは以下のように作製した。
<陽極>
ガラス基板10上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を厚さ150nmに成膜したもの(スパッタ成膜品、シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術により2mm幅のストライプにパターニングして陽極20を形成した。陽極を形成した基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄等の処理を行った。
<正孔注入層>
次いで、正孔注入層31を以下のように湿式成膜法によって形成した。
正孔注入層形成用組成物として、下記式(P1)の繰り返し構造を有する正孔輸送性高分子化合物2重量%と、酸化剤として4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート0.8重量%とを、安息香酸エチルに溶解させた組成物を調製し、この組成物を前記ITO基板上にスピンコートで成膜した。
Figure 0006111707
スピンコート条件として、スピナ回転数500rpm、2秒、そして1500rpm、30秒の2段階で行った。乾燥は、230℃のクリーンオーブンにより1時間加熱して行い、膜厚40nmの正孔注入層31を形成した。
<正孔輸送層>
次いで、形成された正孔注入層上に、以下の通り、正孔輸送層32を形成した。
架橋性化合物として、以下に示す繰り返し構造の高分子化合物(HT−1)(重量平均分子量:45000)および溶剤としてシクロヘキシルベンゼンを含有する正孔輸送層形成用組成物を調製した。該正孔輸送層形成用組成物における、該高分子化合物(HT−1
)の濃度は1.0重量%であった。
Figure 0006111707
該正孔輸送層形成用組成物を正孔注入層上に、スピナ回転数500rpm、スピナ回転時間2秒、そしてスピナ回転数1500rpm、スピナ回転時間120秒の2段階でスピンコートした。その後、230℃で60分間加熱して、該高分子化合物(HT−1)を架橋反応させて硬化させた。
以上の操作により、膜厚10nmの均一な正孔輸送層32の薄膜が形成された。
<発光層>
発光層33は、以下の塗布発光層と蒸着発光層を積層した2層構造とした。
<塗布発光層>
次いで、形成された正孔輸送層上に、以下の通り、塗布発光層を形成した。
以下に示す化合物(GH−1)、(GH−2)、(GD−1)および(RD−1)を、25:75:10:0.7の重量比で混合し、この混合物1.7重量%をシクロヘキシルベンゼンに溶解させた組成物を調製し、この組成物を窒素雰囲気下、前記正孔輸送層上にスピンコートで成膜した。
Figure 0006111707
スピンコート条件として、スピナ回転数500rpm、2秒、そして1500rpm、120秒の2段階で行った。その後、130℃で1時間乾燥を行うことで、膜厚20nm
の塗布発光層を形成した。
なお、上記化合物(GD−1)は515nmに極大発光波長を有する緑色燐光発光材料であり、(RD−1)は616nmに極大発光波長を有する赤色燐光発光材料である。
<蒸着発光層>
次いで、形成された塗布発光層上に、真空蒸着法により蒸着発光層を形成した。
以下に示す化合物(BH−1)と(BD−1)を100:5の重量比で真空蒸着法により蒸着して成膜することで、膜厚30nmの蒸着発光層を形成した。
Figure 0006111707
なお、上記化合物(BD−1)は461nmに極大発光波長を有する青色蛍光発光材料である。
<電子輸送層>
次いで、形成された蒸着発光層上に、真空蒸着法により電子輸送層35としてトリス(
8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)を膜厚20nmとなるように形成した。
<電子注入層・陰極>
ここで、電子輸送層までの蒸着を行った素子を、一度、前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして、陽極であるITOストライプと直交する形状の2mm幅のストライプ状シャドーマスクを素子に密着させ、別の真空蒸着装置内に設置して、電子輸送層と同様の真空蒸着法により、電子注入層36としてフッ化リチウム(LiF)を膜厚0.5nm、次いで陰極としてアルミニウムを膜厚80.0nmとなるようにそれぞれ積層した。
<封止>
引き続き、素子が保管中に大気中の水分等で劣化することを防ぐため、以下に記載の方法で封止処理を行った。
真空蒸着装置に連結された窒素グローブボックス中で、23mm×23mmサイズのガラス板の外周部に、約1mmの幅で光硬化性樹脂を塗布し、中央部に水分ゲッターシートを設置した。この上に、陰極形成を終了した基板を、蒸着された面が乾燥剤シートと対向するように貼り合わせた。その後、光硬化性樹脂が塗布された領域のみに紫外光を照射し、樹脂を硬化させた。これにより、2mm×2mmサイズの発光面積部分を有する有機ELデバイスが得られた。
以上のようにして作製した有機ELデバイスの、印加電圧による電流密度、輝度の変化を測定し、得られたデータ(図5)をシミュレーションに用いた。
10 基板
11 発光部
20 第一電極
21 第二電極
30 有機層
31 正孔注入層
32 正孔輸送層
33 有機発光層
34 正孔防止層
35 電子輸送層
36 電子注入層

Claims (6)

  1. 基板上に少なくとも第一電極、有機層、第二電極がこの順に設けられた発光領域を有し、更に、前記第一電極上の前記有機層側に形成された複数のストライプ状の補助電極、及び前記補助電極を覆う絶縁膜からなる非発光領域を有するか、前記基板上の有機層側に直接形成されかつ前記第一電極に接する複数のストライプ状の補助電極、及び前記補助電極を覆う絶縁膜からなる非発光領域を有する有機ELデバイスであって、前記補助電極の平均線幅をw、前記補助電極の平均膜厚をt、前記補助電極のストライプ周期をP、前記補助電極の長さをL、前記補助電極の体積抵抗率をρ、前記第一電極のシート抵抗をR、前記絶縁膜の平均線幅をwとした時に、下記式(6)及び(7)を満たすことを特徴とする有機ELデバイス。
    Figure 0006111707
    は、Vin=Vのときの該有機ELデバイスの<J>−V特性における<J>のVinによる微分係数とする。Vinは、該有機ELデバイスに対する印加電圧、Vは、該有機ELデバイスにおいて所望の輝度を実現するのに必要な印加電圧(駆動電圧)とする。また、<J>は該有機ELデバイスにおける電流Iを該有機ELデバイスの発光領域の全面積で割って得られる平均電流密度である。)
  2. 前記補助電極が湿式成膜で形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の有機ELデバイス。
  3. 前記絶縁膜が湿式成膜で形成されたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機ELデバイス。
  4. 前記補助電極の平均膜厚が0.001mm以上であり、かつ、前記絶縁膜の平均膜厚が補助電極の平均膜厚の2.0倍以上であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の有機ELデバイス。
  5. 前記補助電極がスクリーン印刷で形成されたことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の有機ELデバイス。
  6. 前記絶縁膜がスクリーン印刷で形成されたことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の有機ELデバイス。
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