JP6111459B2 - 樹脂モールド方法および樹脂モールド装置 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂モールド方法および樹脂モールド装置に適用して有効な技術に関する。
特開平5−111931号公報(特許文献1)には、モールド金型のキャビティ内底面を可動に設ける技術が記載されている。
特開2009−190400号公報(特許文献2)には、キャビティ凹部内でキャビティ駒を退避させてワークをクランプする工程と、プランジャを作動させてキャビティ凹部内へ溶融樹脂を充填して第1保圧を維持する工程と、キャビティ駒を成形位置まで押し出して余剰樹脂をゲートからポット側へ押し戻す工程と、プランジャを再度作動させて第1保圧より高い第2保圧を維持したまま封止樹脂を加熱硬化させる工程とを含む技術が記載されている。
特開2013−028087号公報(特許文献3)には、ワークをクランプする際に、ワーク支持部によりワーク板厚のばらつきを吸収して可動クランパに押し当てるくさび機構を設ける技術が記載されている。
特開平5−111931号公報 特開2009−190400号公報 特開2013−028087号公報
例えば、薄型の樹脂モールド製品(薄型パッケージ)を製造する場合、特許文献1〜3に記載の技術を用いることで、リジッド構造のキャビティでは樹脂充填し難い狭隘な箇所に樹脂充填することができると考えられる。しかしながら、樹脂には大きさの異なるフィラー(例えば、シリカ)が含有されているため、樹脂成分の中でも比較的大きなフィラー同士が狭隘な箇所に入り込むときに重なって後続の樹脂流入が阻害される場合があることを本発明者らは初めて見出した。
例えば、基板とこれにフリップチップ接続されたチップ部品(例えば、半導体チップ)との間の狭隘な箇所(チップ下部)を含んで樹脂モールドされるパッケージ(例えば、半導体パッケージ)の製造工程では、この箇所にボイド(エア溜まり)が発生して充分に樹脂が充填されないおそれがある。ボイドが発生した半導体装置は、基板と半導体チップとの接合部分が充分に保護されず、例えば、経時劣化により絶縁破壊が起こりやすくなり、信頼性が低下することとなる。このため、ボイドが発生した半導体装置を不良品とすると、半導体装置の製造歩留まりが低下することとなる。
本発明の目的は、樹脂充填性を向上することのできる技術を提供することにある。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明の一実施形態における樹脂モールド方法は、キャビティ駒と、前記キャビティ駒が挿入されて配置される貫通孔を有するクランパとを備え、前記キャビティ駒のパーティング面を含んでキャビティの底部が構成され、前記クランパに対して前記キャビティ駒が前記貫通孔の軸方向に相対的に移動するモールド金型を用いて、前記キャビティ駒を成形位置として前記キャビティ内に充填された樹脂を加熱硬化する樹脂モールド方法であって、前記キャビティ内に樹脂を充填した状態で、前記成形位置または前記成形位置よりも後退した後退位置を移動開始位置として前記キャビティ駒を前進させ、前進している前記キャビティ駒を後退させることを特徴とする。
その後、後退している前記キャビティ駒を前進させることが好ましい。
あるいは、その後、後退している前記キャビティ駒を前進させる動作と、前進している前記キャビティ駒を後退させる動作とをこの順でそれぞれ一回以上行うことが好ましい。
そして、前記キャビティ駒を前進から後退させる位置を徐々に前記成形位置に近づけていき、また、前記キャビティ駒を後退から前進させる位置を徐々に前記成形位置に近づけていき、前記キャビティ駒の移動を前記成形位置へ収束させることが好ましい。あるいは、前記移動開始位置を前記成形位置よりも後退した後退位置とし、前記キャビティ駒の移動範囲を前記移動開始位置から前記成形位置までとすることが好ましい。あるいは、前記移動開始位置を前記成形位置よりも後退した後退位置とし、前記キャビティ駒の移動範囲を前記移動開始位置から前記成形位置までとし、前記キャビティ駒を後退から前進させる位置を徐々に前記成形位置に近づけていき、前記キャビティ駒の移動を前記成形位置へ収束させることが好ましい。
また、前記キャビティ駒を前進から後退させる位置を前記成形位置よりも前進した前進位置とすることが好ましい。
本発明の他の実施形態における樹脂モールド方法は、キャビティ駒と、前記キャビティ駒が挿入されて配置される貫通孔を有するクランパとを備え、前記キャビティ駒のパーティング面を含んでキャビティの底部が構成され、前記クランパに対して前記キャビティ駒が前記貫通孔の軸方向に相対的に移動するモールド金型を用いて、前記キャビティ駒を成形位置として前記キャビティ内に充填された樹脂を加熱硬化する樹脂モールド方法であって、前記キャビティ内に樹脂を充填した状態で、前記成形位置または前記成形位置よりも前進した前進位置を移動開始位置として前記キャビティ駒を後退させ、後退している前記キャビティ駒を前進させることを特徴とする。
その後、前進している前記キャビティ駒を後退させることが好ましい。
その後、前進している前記キャビティ駒を後退させる動作と、後退している前記キャビティ駒を前進させる動作とをこの順でそれぞれ一回以上行うことが好ましい。
そして、前記キャビティ駒を後退から前進させる位置を徐々に前記成形位置に近づけていき、また、前記キャビティ駒を前進から後退させる位置を徐々に前記成形位置に近づけていき、前記キャビティ駒の移動を前記成形位置へ収束させることが好ましい。あるいは、前記移動開始位置を前記成形位置よりも前進した前進位置とし、前記キャビティ駒の移動範囲を前記移動開始位置から前記成形位置までとすることが好ましい。あるいは、前記移動開始位置を前記成形位置よりも前進した前進位置とし、前記キャビティ駒の移動範囲を前記移動開始位置から前記成形位置までとし、前記キャビティ駒を前進から後退させる位置を徐々に前記成形位置に近づけていき、前記キャビティ駒の移動を前記成形位置へ収束させることが好ましい。
前記キャビティ駒を後退から前進させる位置を前記成形位置よりも後退した後退位置とすることが好ましい。
これによれば、仮に狭隘な箇所で樹脂成分のフィラーが重なってその箇所への後続の樹脂流入が阻害されていたとしても、キャビティ駒の相対的な移動によって、キャビティ内の樹脂を出し戻して流動(往復流動)を起こして、フィラーの重なりを崩すことができる。そして、キャビティ駒の一度の相対的な移動では入らなかった狭隘な箇所へも樹脂を充填することができる。
また、本発明の一実施形態における樹脂モールド装置において、前記キャビティ駒は、前記モールド金型の金型チェイスに固定して組み付けられ、前記クランパは、前記金型チェイスに弾性部材を介して移動可能に組み付けられ、前記弾性部材の伸縮によって前記クランパに対して前記キャビティ駒が相対的に移動することを特徴とする。
これによれば、キャビティ駒の移動を型クランプ駆動(プレス駆動)で行うことができ、シンプルな金型構造を用いて樹脂充填することができる。
また、本発明の他の実施形態における樹脂モールド装置において、前記キャビティ駒は、駆動源と接続されて前記モールド金型の金型チェイスに移動可能に組み付けられ、前記クランパは、前記金型チェイスに固定して組み付けられ、前記駆動源の駆動によって前記クランパに対して前記キャビティ駒が相対的に移動することを特徴とする。
これによれば、キャビティ駒の移動を細かく行うことができ、制御性に優れた金型構造を用いて樹脂充填することができる。
また、前記他の実施形態における樹脂モールド装置において、前記モールド金型によって前記ワークと共にクランプされる、貫通孔を有する中間プレートを用い、前記中間プレートの貫通孔の内壁面を含んで前記キャビティの側部が構成され、前記中間プレートを前記クランパでクランプしたまま前記キャビティ駒が前記クランパに対して相対的に移動することが好ましい。
これによれば、キャビティの大きさを中間プレートの貫通孔の大きさで変化させることができ、種々のワークに対して柔軟に対応可能な金型構造を用いて樹脂充填することができる。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、樹脂充填性を向上することができる。
本発明に係る樹脂モールド装置の概略構成図である。 本発明に係る第1実施形態の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 図2に続く一動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 図3に続く一動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 図4に続く一動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 図5に続く一動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 図6に続く一動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 図2に示す樹脂モールド装置の動作のタイミングチャートである。 図4に続く他の動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 本発明に係る第2実施形態の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 図10に続く一動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 図11に続く一動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 図12に続く一動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 図13に続く一動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 図14に続く一動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 図10に示す樹脂モールド装置の動作のタイミングチャートである。 本発明に係る第3実施形態の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 図17に続く一動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 図18に続く一動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 図19に続く一動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 図20に続く一動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 図21に続く一動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 図22に続く一動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 図17に示す樹脂モールド装置の動作のタイミングチャートである。 本発明に係る第4実施形態の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 図25に続く一動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 図26に続く一動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 図27に続く一動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。 本発明に係る第5実施形態の樹脂モールド装置の要部の断面図である。
以下の本発明における実施形態では、必要な場合に複数のセクションなどに分けて説明するが、原則、それらはお互いに無関係ではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細などの関係にある。このため、全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
また、構成要素の数(個数、数値、量、範囲などを含む)については、特に明示した場合や原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。また、構成要素などの形状に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合などを除き、実質的にその形状などに近似または類似するものなどを含むものとする。
(第1実施形態)
まず、本実施形態における樹脂モールド方法に用いられる樹脂モールド装置100について図1を参照して説明する。図1は、樹脂モールド装置100の概略構成図である。
樹脂モールド装置100は、量産用の場合、供給部101と収納部102との間に、少なくとも一つのプレス部103(図1中では2つ)を具備して構成される。供給部101では、ワークや樹脂(例えば、タブレット状、顆粒状あるいは液状のモールド樹脂)をプレス部103へ供給する準備、処理がされる。収納部102では、樹脂モールド成形されたワークを収納する準備、処理がされる。供給部101、プレス部103、収納部102間のワークや樹脂の搬送には、プレス部103への搬入を行うローダ104と、プレス部103からの搬出を行うアンローダ105が用いられ、これらは搬送部106を含む公知の機構で構成される。そして、樹脂モールド装置100は、プレス部103などの各部を制御処理する制御部107を具備している。
次に、本実施形態における樹脂モールド装置100の要部であるプレス部103について図2を参照して説明する。図2は、樹脂モールド装置100の要部の模式的断面図である。この図2では、被成形品の状態のワークWも示している。ワークWは、基板108(例えば、配線基板)上にチップ部品109(例えば、半導体チップ)がダイボンド実装され、ボンディングワイヤ110によって基板108とチップ部品109とが電気的に接続されている。
プレス部103は、モールド金型1(対をなす上型2および下型3)を備えており、上型2側にキャビティ凹部(クランプ時にはキャビティという)6cが形成され、下型3側にポット11が設けられる。モールド金型1は、キャビティ駒5と、キャビティ駒5が挿入されて配置される貫通孔6dを有するクランパ6とを備えており、キャビティ駒5のパーティング面(図2では、キャビティ駒5の下側にある面)を含んでキャビティ凹部6cの底部(一部)が構成される。後述するが、モールド金型1は、クランパ6に対してキャビティ駒5が貫通孔6dの軸方向に相対的に移動してキャビティ凹部6c(キャビティ)の容積が変化する。このようなモールド金型1において、キャビティ6cとポット11とは、型閉じの状態において連通する。
モールド金型1は、ポット11を中心として左右対称にキャビティ凹部6cなどが形成される構成となっているが、説明を明解にするために、図2では、ポット11を中心として右側の構成を示している。なお、樹脂モールド金型1として、ポット11を中心として左右対称の構成とせずに、ポット11の一方側のみの構成を備えていてもよい。また、本実施形態では、下型3を可動型とし上型2を固定型として説明するが、上型2を可動型、下型3を固定型としたり、上型2および下型3を可動型としたりする場合でもよい。
上型2の構成について説明する。上型2では、上型チェイス4(金型チェイスブロック)にキャビティ底部を構成するキャビティ駒5が固定して組み付けられている。なお、キャビティ駒5は、剛体的に支持する他のブロックを介して上型チェイス4に位置決めされる構成としてもよい。
クランパ6(可動クランパ)は、上型チェイス4に弾性部材であるスプリング7を介して上下方向に移動可能に組み付けられている。このクランパ6には、一枚の板状金型にキャビティ駒5を挿入する貫通孔6dが複数箇所(図2では一箇所)に設けられている。すなわち、キャビティ駒5の周囲には、ワークWをクランプするクランパ6がスプリング7を介して吊下げ支持(フローティング支持)されている。
このため、上型チェイス4に対して固定のキャビティ駒5と移動するクランパ6との関係では、キャビティ駒5が、スプリング7の伸縮によってクランパ6に対して貫通孔6dの軸方向(上下方向)に相対的に移動することとなる。そして、上型2のパーティング面(クランプ面)には、キャビティ駒5の下面およびこれを囲んで配置されるクランパ6(貫通孔6d)の内壁面によりキャビティ凹部6cが構成される。より具体的には、図2に示すキャビティ凹部6cは、キャビティ駒5の下面を含んでキャビティ凹部6cの底部が構成され、クランパ6の貫通孔6dの内壁面を含んでキャビティ凹部6cの側部(一部)が構成されている。このため、モールド金型1では、キャビティ駒5の相対的な移動によってキャビティ凹部6cの容積が変化することとなる。
また、クランパ6のパーティング面には、中央部に上型カル6a、上型ランナゲート6bが貫通孔6dに連通して形成され、この貫通孔6dから金型外に向かって図示しないエアベント(溝)が形成されている。また、このエアベントの中途部に凹部状のオーバーフローキャビティ18が形成されている。貫通孔6dの下型3側の開口部は、成形品の形状に合わせた形状(凹部状)に形成されている。すなわち、貫通孔6dは、凹部(開口部)と、この凹部の底部にキャビティ駒5が挿入されて配置される孔部とを有している。
ここで、キャビティ駒5は、ワークWに行列状に配置されワイヤボンドされた複数のチップ部品109の配置領域よりも平面視面積が大きく成形されている。このため、このモールド金型1では、複数のチップ部品109を一括封止するマップタイプの成形が可能になっている。このようなマップタイプの成形により一括封止されたチップ部品109のパッケージ領域毎に公知のダイサー等によって個片化することによりパッケージ製品(半導体装置)が製造される。なお、車載用パッケージのように大型のものでは複数のチップ部品109が実装されたワークWを一括封止し、個片化せずに製品とする構成で用いることもできる。
キャビティ凹部6cを含む上型パーティング面にはリリースフィルム8が張設される。クランパ6と上型チェイス4との間部分には気密用のシール部30(例えば、Oリング)が設けられている。また、上型パーティング面に通じるキャビティ駒5とクランパ6の隙間31が形成され、この隙間31に連通するように上型チェイス4に吸引路32が形成されている。そして、吸引路32には吸引機構部33が連通している。したがって、リリースフィルム8は、上型パーティング面に隙間31、吸引路32を介して吸引機構部33により吸着保持される。
リリースフィルム8としては、モールド金型1の加熱温度に耐えられる耐熱性を有するもので、金型面より容易に剥離するものであって、柔軟性、伸展性を有するフィルム材、例えば、PTFE、ETFE、PET、FEP、フッ素含浸ガラスクロス、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリジン等が好適に用いられる。リリースフィルム8は、例えば長尺状のフィルム材が用いられ、ロール状に巻き取られた繰出しロールから引き出されて上型パーティング面を通過して巻取りロールへ巻き取られるように設けられる。リリースフィルム8を用いることでモールド金型1にエジェクタピンを設ける必要がなくなる。また、キャビティ駒5とクランパ6の隙間からの樹脂漏れを防止でき、金型の加工精度を必要以上に高めることもないため、モールド金型1を安価に製造することができる。
次に下型3の構成について説明する。可動型である下型3は、駆動源(電動モータ)により駆動する駆動伝達機構(トグルリンク等のリンク機構若しくはねじ軸等)を介して下型チェイス9を載置する下型可動プラテンを昇降させる公知の型クランプ機構によって型開閉が行われるようになっている。この場合、下型3の昇降動作は移動速度や加圧力等を任意に設定することができ、後述する余剰樹脂をランナゲートから押し戻す動作において樹脂の流動速度や樹脂圧力を任意に設定することができる。このため、型クランプ機構によってこれらの制御も可能となるため、装置構成を簡素化することができる。
下型チェイス9の凹部内には、下型センターインサート10が組み付けられている。下型センターインサート10の中央部には樹脂12(図2では、樹脂タブレットを示す。)が装填される筒状のポット11が組み付けられている。下型センターインサート10の上端面は、ポット11の上端面と面一に形成されている。ポット11内には公知のトランスファ駆動機構により上下方向に摺動可能なプランジャ13が設けられている。プランジャ13は、複数のポット11に対応して複数本が支持ブロック(図示しない)に設けられるマルチプランジャが用いられる。各プランジャ13の支持部には図示しない弾性部材が設けられており、各プランジャ13は弾性部材の弾性により僅かに変位して過剰な押圧力を逃がすとともに保圧時にはタブレットの樹脂量のばらつきに順応することができるようになっている。
下型チェイス9の凹部内には下型センターインサート10の両側に隣接してワークWが載置されるワーク支持部14が各々設けられている。各ワーク支持部14は、下型チェイス9との間に設けられたスプリング15によってフローティング支持されている。ワーク支持部14は、その周囲に設けられた下型センターインサート10及びクランパ支持部17の上端面より若干下がった位置にある。
ところで、クランパ6を吊り下げ支持するスプリング7には、その弾性力がスプリング15の弾性力より大きいものが使用される。具体的には、各ワークW及びワーク支持部14に対してスプリング7によって加えられる力がスプリング15によって加えられる力よりも十分に大きくなるように設計される。これにより、型閉じの際に下型3を上昇させることでスプリング7を撓ませずスプリング15を撓ませることができ、クランプするときにワークWの板厚に拘わらず均一な高さ位置でクランプすることができる。また、クランパ6によるワークWに対するクランプ力を作用し続けることができるため、樹脂のフラッシュばりを防ぐことができる。
また、スプリング15に支持されたワーク支持部14と下型チェイス9との間には、界面がテーパ面(傾斜面)に形成された板厚調整ブロック(テーパーブロック)16a、16bが重ね合わせて設けられている(くさび機構16)。具体的には、板厚調整ブロック16a、16bは、紙面奥行き方向に厚みの異なるブロックを組み合せることで、全体の厚みが奥行き方向に均一になるように構成されている。
この上下段に重ね合わせた板厚調整ブロック16a、16bのち一方がエアシリンダ、モータ等の駆動源によりスライド可能な構造になっている。例えば、上段の板厚調整ブロック16aは、ワーク支持部14の下面側に一体に設けてもよい。この場合には、下段の板厚調整ブロック16bが可動に設けられる。
このように傾斜面を組み合わせた板厚調整ブロック16a、16bをスライドすることでこれら全体の厚みを変えることができる。また、板厚調整ブロック16a、16bの界面における摩擦力により位置を固定する構成となっているため、樹脂圧などが駆動源に対して直接加わることがなく、駆動源によってブレーキなどで位置を固定する構成と比較して、ワーク支持部14の位置をより高精度に維持することができる。すなわち、下型3を上昇させることでクランパ6によってワーク支持部14を押し下げる力が加わっても板厚調整ブロック16a、16bで所定高さに支持固定することができるので、クランパ6によりワーク支持部14が過度に押し下げられないようにして成形厚を維持することができる。なお、例えば、板厚調整の必要がない場合には、モールド金型1にはくさび機構16(板厚調整機構)を設けなくともよい。
ワーク支持部14に隣接してその外周側には、クランパ支持部17が下型チェイス9上に設けられている。クランパ支持部17の上端面は、下型センターインサート10の上端面と同じ高さになるように形成されている。クランパ6がワークWをクランプしたままワーク支持部14をスプリング15の付勢力に抗して押し下げると、クランパ6のクランプ面(パーティング面)がクランパ支持部17の上端面に突き当たるようになっている。
モールド金型1には、エアベントの平面位置よりもさらに外方側位置に型閉じした際にパーティング面を気密にシールするためのシール部34(例えば、Oリング)が設けられている。エアベントとシール部34との間となる下型チェイス9には、エアベントから排出されたエアを流通させるための流通路35が設けられている。この流通路35は、外部と遮断されたキャビティ6c内を、オーバーフローキャビティ18を介して減圧する減圧機構部36に連通している。なお、エアベントからエアを確実に排出できる場合には、減圧機構部36を設けなくともよい。
次に、樹脂モールド装置100を用いた樹脂モールド方法の工程について図2〜図8を参照しながら説明する。図2〜図7は、動作を説明するための樹脂モールド装置100の要部の模式的断面図である。図8は、樹脂モールド装置100の動作のタイミングチャートであり、動作状態A〜Fにそれぞれ対応する図2〜図7に示す上下方向において、下型3およびプランジャ13の位置がどのように変化するかを示したものである。なお、図8中の波線は、後述する変形例の場合を示している。
下型3の昇降は型クランプ駆動によって、また、プランジャ13の移動はトランスファ駆動によってなされる。本実施形態では、下型3の昇降がキャビティ6cの容積の変化に関係する。なお、キャビティ駒5の相対的移動(型クランプ駆動)、プランジャ13の移動(トランスファ駆動)については、樹脂モールド装置100の制御部107(図1参照)によって制御処理される。
図2、図8(動作状態A)に示すように、モールド金型1が型開きした状態において、上型パーティング面には、リリースフィルム8が吸着保持されている。また、下型センターインサート10の両側に配置されたワーク支持部14にはワークWがそれぞれ搬入(セット)され、ポット11に樹脂12(樹脂タブレット)が供給される。ワークWは下型センターインサート10側に押し付けるように搬入されることで位置決めされる。また、ワーク支持部14上のワークWの基板上面は下型センターインサート10及びクランパ支持部17の上端面より若干上方になるように載置される。
続いて、図3、図8(動作状態B)に示す状態となるように、下型3を上昇させて、クランパ6によりワークWの基板面をクランプしてワーク支持部14を押し下げ、クランパ6をクランパ支持部17に突き当てて型閉じする。型閉じによって、ポット11、上型カル6a、ランナゲート6b、キャビティ6c(キャビティ凹部6c)が互いに連通する。ここでは、キャビティ駒5の下面(パーティング面)が成形品の厚さ寸法(成形位置)より上方へ所定厚だけ後退した後退位置となるようにクランパ6によってワークWをクランプしている。このときのキャビティ6cの容積は、キャビティ駒5が成形位置のキャビティ6cの容積よりも大きくなっている。
また、ワークWの基板上面と下型センターインサート10及びクランパ支持部17の上端面は面一となるように板厚差が吸収されてクランプされる。この際に、下型センターインサート10の両側に搬入されたワークWの板厚に差があったとしても、ワークWの基板上面を均一な高さにすることができるため、樹脂モールドの際には、樹脂12のフラッシュばりを防ぎながら成形厚を均一にすることができる。
次いで、ワークWを支持するワーク支持部14の高さ位置を調整してワーク板厚のばらつきを吸収してクランパ6にワークWを押し当てる。具体的には、図示しない駆動源(エアシリンダ等)を作動させて、例えば下段の板厚調整ブロック16bを所定量前進若しくは進退させて上段の板厚調整ブロック16aをワーク支持部14に下面に密着させて固定する。
続いて、図4、図8(動作状態C)に示す状態となるように、モールド金型1に搬入されたワークWをクランパ6がクランプしたままプランジャ13を上昇させて、ポット11内で溶融した樹脂12を、上型カル6a及び上型ランナゲート6bを経てキャビティ6c内へ充填する。このとき、ワークWに実装されたチップ部品109の上方に形成されるキャビティ駒5の下面までの隙間が大きいため、樹脂12の流速が抑えられ、低速低圧で樹脂12が充填される。このため、ワイヤフローを防止して高品質な成形が可能となっている。
続いて、図5、図8(動作状態D)に示す状態となるように、キャビティ6cに樹脂12を充填した状態で、キャビティ6cの容積を縮小するように、成形位置よりも上方の後退位置を移動開始位置として、キャビティ駒5を貫通孔6dの軸方向に相対的に移動(前進)させる。具体的には、型クランプ駆動によって下型3をさらに上昇させて、クランパ6を介してスプリング7を縮める。すなわち、クランパ6を上昇させる。これにより、キャビティ駒5がキャビティ6c内の樹脂12を押し出すようにクランパ6に対して相対的に移動開始位置から下方へ移動する。そして、キャビティ駒5の下面(パーティング面)が、後退位置から成形位置(所定の位置)となる。
本実施形態では、キャビティ6cの容積を縮小すると共に、キャビティ6cから押し出された樹脂12を、トランスファ駆動によってプランジャ13を下降させて、ポット11側へ収容する。なお、トランスファ駆動によらずとも、プランジャ13の支持部に設けられている弾性部材の変位によってプランジャ13が押し戻されるようにしてもよい。
続いて、図6、図8(動作状態E)に示す状態となるように、キャビティ6cに樹脂12を充填した状態で、キャビティ6cの容積を拡大するように、成形位置からキャビティ駒5が貫通孔6dの軸方向に相対的に移動する。具体的には、型クランプ駆動によって下型3をわずかに(図8では誇張して示している。)下降させて、スプリング7によってクランパ支持部17に突き当たっているクランパ6も下降させてスプリング7を伸ばす。これにより、キャビティ駒5がクランパ6に対して相対的に成形位置から上方へわずか上昇する。そして、キャビティ駒5の下面(パーティング面)が、成形位置から後退位置(所定の位置)となる。
本実施形態では、キャビティ6cの容積を拡大すると共に、ポット11側の樹脂12を、トランスファ駆動によってプランジャ13をわずかに上昇させて、キャビティ6cへ押し戻す(圧送する)。なお、トランスファ駆動によらずとも、プランジャ13の支持部に設けられている弾性部材の変位によってプランジャ13が上昇されるようにしてもよい。
その後、必要に応じて、図5、図6を参照して説明した動作をこの順でそれぞれ一回以上複数回行ってもよい。本実施形態では、図8に示すD−E−D−E間のような複数回の繰り返し(複動作)を行っている。この複動作期間では、下型3の移動量(言い換えると、キャビティ駒5の相対的な移動量)が昇降において同じとなるようにしている。また、プランジャ13の移動量が昇降においても同じとなるようにしている。すなわち、複動作期間では、キャビティ6cに対する樹脂12の入出量を同じにしている。
なお、キャビティ駒5のパーティング面が、成形品の厚さ寸法に対応する成形位置となる、すなわちキャビティ6cの最終的な容積を確保できるのであれば、複動作期間では、キャビティ6cに対する入出量を変えてもよい。
このような複動作によれば、仮に狭隘な箇所で樹脂成分のフィラーが重なってその箇所への後続の樹脂流入が阻害されていたとしても、キャビティ6c内の樹脂12を複数回出し戻しすることで流動(往復流動)させ、フィラーの重なりを崩すことができる。そして、再度キャビティ6c内に樹脂12を圧送して、キャビティ駒5の一度の相対的な移動では入らなかった狭隘な箇所へも樹脂12を充填することができるようになる。このようにキャビティ6c内で樹脂12を流動させることにより、樹脂充填性を向上することができる。
続いて、図7、図8(動作状態F)に示す状態となるように、型クランプ駆動によって下型3(クランパ支持部17)をわずかに上昇させる。これにより、下型センターインサート10及びクランパ支持部17によってクランパ6が上昇してスプリング7を押し縮め、このクランパ6に対するキャビティ駒5の相対的位置が成形品の厚みに対応する成形位置(最終高さ位置、正規位置)となるようにキャビティ6c内の余剰樹脂12がポット11側へ押し出される。この余剰樹脂12は、トランスファ駆動によってプランジャ13をわずかに下降させて、キャビティ6cからポット11側で収容される。このとき、キャビティ駒5の下面は、キャビティ凹部6cの底部面(貫通孔6dの凹部状の開口部の底部面)と略同一になる。
そして、キャビティ駒5の下面が成形品の厚みに対応する成形位置において、キャビティ6c内を保圧するため必要に応じてプランジャ13を再度上昇させながら、キャビティ6c内に充填された溶融樹脂12を加熱硬化させて成形品が略完成する。本実施形態におけるモールド金型1によれば、キャビティ駒5の移動を型クランプ駆動(プレス駆動)で行うことができ、シンプルな金型構造を用いて樹脂充填することができる。
ここで、余剰樹脂12の残りの部分はキャビティ6cよりオーバーフローキャビティ18へ流出させて収容される。キャビティ6cとオーバーフローキャビティ18の間のエアベント深さがある程度浅く形成されていることにより、複動作期間では、キャビティ凹部6c内への溶融樹脂12の充填時にはオーバーフローキャビティ18に流れることがない。そして、キャビティ6c内の余剰樹脂12を押し出す際の樹脂圧が高いときにのみ樹脂を流すことが可能となっている。
なお、図5を参照して説明した工程では、移動開始位置を成形位置よりも後退した後退位置とし、キャビティ駒5の移動範囲を移動開始位置から成形位置までとすることができるが、図9、図8(動作状態D’となる破線)に示す工程であってもよい。図9は、動作を説明するための樹脂モールド装置100の要部の模式的断面図である。図9に示すように、キャビティ駒5が、成形位置よりも下方に前進した前進位置(所定の位置)であってもよい。
図4に示す状態から、図9に示す状態となるように、キャビティ6cに樹脂12を充填した状態で、キャビティ6cの容積を縮小するようにキャビティ駒5を貫通孔6dの軸方向に相対的に移動する。具体的には、キャビティ6cに樹脂12を充填した状態で、下型3(クランパ支持部17)をさらに上昇させて、クランパ6を介してスプリング7を縮める。すなわち、図5に示す状態よりもクランパ6を上昇させる。これにより、キャビティ駒5がクランパ6に対して相対的に下降することとなる。また、キャビティ駒5の下面が、成形位置よりも後退した後退位置から成形位置を通過して成形位置よりも前進した前進位置(所定の位置)となる(図9の状態)。
その後、図9に示す状態から、図6に示す状態となるように、キャビティ6cに樹脂12を充填した状態で、キャビティ6cの容積を拡大するようにキャビティ駒5が貫通孔6dの軸方向に相対的に移動する。この過程では、キャビティ駒5のパーティング面が、成形位置よりも前進した前進位置から成形位置を通過して成形位置よりも後退した後退位置となる(図6の状態)。
そして、図9、図6を参照して説明した動作をこの順でそれぞれ一回以上複数回行うことで、キャビティ6c内での樹脂12の流動を大きくすることができ、これにより、樹脂充填性を向上することができる。
また、キャビティ駒5の下面が、最も後退した位置と最も前進した位置との間を徐々に少なくしていき、成形位置まで収束していくようにしてもよい。例えば、キャビティ駒5を前進から後退させる位置を徐々に成形位置に近づけていき、また、キャビティ駒5を後退から前進させる位置を徐々に成形位置に近づけていき、キャビティ駒5の移動を成形位置へ収束させてもよい。あるいは、移動開始位置を成形位置よりも後退した後退位置とし、キャビティ駒5の移動範囲を移動開始位置から成形位置までとしても良いし、さらに、キャビティ駒5を前進から後退させる位置を成形位置とし、キャビティ駒5を後退から前進させる位置を徐々に成形位置に近づけていき、キャビティ駒5の移動を成形位置へ収束させてもよい。これにより、キャビティ駒5の下面が成形位置となるまで樹脂12を徐々に落ち着かせることができる。
また、キャビティ駒5を移動し始める位置(移動開始位置)を、キャビティ駒5の下面が成形位置よりも後退した後退位置に代えて、キャビティ駒5の下面が成形位置よりも前進した前進位置としてもよい。すなわち、キャビティ6c内に樹脂12を充填した状態で、成形位置よりも前進した前進位置を移動開始位置としてキャビティ駒5を後退させ、後退しているキャビティ駒5を所定の位置(例えば、後退位置)で前進させてもよい。そして、その後、前進しているキャビティ駒5を所定の位置(例えば、前進位置)で後退させてもよい。
また、図9、図5を参照して説明した動作をこの順でそれぞれ一回以上複数回行ってもよい。このようにしても、キャビティ6c内で樹脂12を流動させることができ、これにより、樹脂充填性を向上することができる。ここで、キャビティ駒5を後退から前進させる位置を徐々に成形位置に近づけていき、また、キャビティ駒5を前進から後退させる位置を徐々に成形位置に近づけていき、キャビティ駒5の移動を成形位置へ収束させてもよい。あるいは、移動開始位置を成形位置よりも前進した前進位置とし、キャビティ駒5の移動範囲を移動開始位置から成形位置までとしても良いし、さらに、キャビティ駒5を後退から前進させる位置を成形位置とし、キャビティ駒5を前進から後退させる位置を徐々に成形位置に近づけていき、キャビティ駒5の移動を成形位置へ収束させてもよい。
さらに、前述したように、図7(動作状態F)に示す成形位置を複動作の最終の位置とし、図3(動作状態B)に示す後退位置(成形位置よりも後退した位置)を複動作の最初の位置(移動開始位置)としたが、図9(動作状態D’)に示す前進位置を移動開始位置としてもよいし、図7(動作状態F)に示す成形位置を移動開始位置としてもよい。また、キャビティ6cの容積が拡大、縮小するように、図7(動作状態F)に示すキャビティ駒5の下面の位置(最終高さ位置)を基準に複動作させることができるが、拡大位置から最終高さ位置に近づけるように徐々に拡大と縮小を繰り返しながら最終高さ位置に縮小してもよいし、縮小位置から最終高さ位置に近づけるように徐々に拡大と縮小を繰り返しながら最終高さ位置に拡大していってもよい。
(第2実施形態)
前記第1実施形態では、クランパ6に対して固定されたキャビティ駒5が貫通孔6dの軸方向に相対的に移動する場合について説明した。本実施形態では、固定されたクランパ6Aに対してキャビティ駒5A自身が貫通孔6dの軸方向に移動する(相対的に移動することにもなる)場合について説明する。
本実施形態におけるモールド金型1Aを備えた樹脂モールド装置100Aについて図10を参照して説明する。図10は、樹脂モールド装置100Aの要部の模式的断面図である。この図10では、被成形品の状態のワークWも示している。ワークWは、基板108上にチップ部品109がフリップチップ実装され、バンプ111によって基板108とチップ部品109とが電気的に接続されている。
図10に示すように、モールド金型1Aは、電動モータ23(駆動源)と接続されてモールド金型1Aの上型チェイス4に移動可能に組み付けられたキャビティ駒5A(可動キャビティ駒)と、上型チェイス4に固定して組み付けられたクランパ6Aとを備えている。モールド金型1Aは、クランパ6Aに対してキャビティ駒5Aが貫通孔6dの軸方向に相対的に移動してキャビティ6cの容積が変化する。
具体的には、上型チェイス4の側面には電動モータ23が組み付けられており、そのモータ軸であるねじ軸23aは、くさびブロック24aにねじ嵌合している。くさびブロック24aは、上型チェイス4の底部をスライド可能に組み付けられており、そのキャビティ駒5Aとの当接面はテーパ面に形成されている。電動モータ23を所定方向に正逆回転駆動すると、くさびブロック24aが所定方向にスライドして、上型チェイス4に対してスプリング22により吊り下げ支持されているキャビティ駒5Aの高さ位置を変更することができる。樹脂モールド装置100Aは、このように構成されるくさび機構24を具備している。なお、テーパ面の傾き方向は右下がりではなく左下がりになっていてもよい。
次に、本実施形態における樹脂モールド方法の工程について図10〜図16を参照しながら説明する。図10〜図15は、動作を説明するためのモールド装置100Aの模式的断面図である。図16は、モールド装置100Aの動作のタイミングチャートであり、動作状態A〜Fにそれぞれ対応する図10〜図16に示す上下方向において、下型3、キャビティ駒5Aおよびプランジャ13の位置がどのように変化するかを示したものである。
下型3の移動は型クランプ駆動によって、キャビティ駒5Aの移動は電動モータ23の駆動によって、また、プランジャ13の移動はトランスファ駆動によってなされる。本実施形態では、キャビティ駒5A自身の移動がキャビティ6cの容積の変化に関係する。なお、これらの移動(駆動)は、制御部107(図1参照)によって制御処理される。
図10、図16(動作状態A)に示すように、モールド金型1Aが型開きした状態において、リリースフィルム8、ワークW、樹脂12がセットされる。ここでは、キャビティ駒5Aの下面が成形品の厚さ寸法より所定厚だけ前進した前進位置(下降位置)にある。
続いて、図11、図16(動作状態B)に示す状態となるように、下型3を上昇させて、クランパ6Aをクランパ支持部17に突き当てて型閉じする。型閉じによって、ポット11、上型カル6a、ランナゲート6b、キャビティ6c(キャビティ凹部6c)が互いに連通する。ここでは、キャビティ駒5Aの下面(パーティング面)が、成形品の厚さ寸法より所定位置だけ前進した前進位置となるようにクランパ6AによってワークWをクランプしており、チップ部品109の上面(バンプ111が形成された主面と反対の裏面)と接触している。このときのキャビティ6cの容積は、キャビティ駒5Aが成形位置のキャビティ6cの容積よりも小さくなっている。
続いて、図12、図16(動作状態C)に示す状態となるように、クランパ6AがワークWをクランプしたままプランジャ13を上昇させて、ポット11内で溶融した樹脂12を、上型カル6aおよび上型ランナゲート6bを経てキャビティ6c内へ充填する。本実施形態では、チップ下部(基板108とチップ部品109との間)のような狭隘な箇所にまで樹脂12が充填されるように、キャビティ駒5Aの底面とチップ部品109の上面とを接触させて、チップ下部以外でキャビティ6cの容積を小さくしている。
続いて、図13、図16(動作状態D)に示す状態となるように、キャビティ6cに樹脂12を充填した状態で、キャビティ6cの容積を拡大するように、成形位置よりも下方の前進位置を移動開始位置として、キャビティ駒5Aを貫通孔6dの軸方向に相対的に移動(後退)させる。すなわち、ポット11側からキャビティ6c内へ樹脂12を引き込む(引き戻す)ようにキャビティ駒5Aを移動させる。また、ポット11側の樹脂12をキャビティ6cへ押し入れる(押し戻す)ようにプランジャ13を移動させる。具体的には、電動モータ23の駆動によってキャビティ駒5Aを上昇させ、トランスファ駆動によってプランジャ13を上昇させる。このとき、キャビティ駒5Aの下面とチップ部品109の上面とが離れるため、接触しなくなり、キャビティ駒5の下面が成形位置(所定の位置)まで移動する。なお、キャビティ駒5Aの下面が成形品の厚さ寸法より所定厚だけ上方に後退した後退位置(所定の位置)となるようにキャビティ駒5Aを移動してもよい。
続いて、図14、図16(動作状態E)に示す状態となるように、キャビティ6cに樹脂12を充填した状態で、後退しているキャビティ駒5Aを所定の位置(図13に示す成形位置)で前進させる。すなわち、キャビティ6c内の樹脂12をポット11側へ押し出すようにキャビティ駒5Aを移動させる。また、キャビティ6cから押し出された樹脂12をポット11側(上型ランナゲート6b、上型カル6a側となる)へ退出させるようにプランジャ13を移動させる。具体的には、電動モータ23の駆動によってキャビティ駒5Aを下降させ、トランスファ駆動によってプランジャ13を下降させる。
このとき、チップ部品109の上面にキャビティ駒5Aの下面を接触させるまで、キャビティ駒5Aを移動している。すなわち、キャビティ6c内の樹脂流動を最大限にし、これにより狭隘な箇所への樹脂充填性を向上させている。なお、キャビティ駒5Aやプランジャ13の移動によって狭隘な箇所でのフィラーの重なりを解消する樹脂流動を起こせればよいので、必ずしもキャビティ駒5Aの下面がチップ部品109の上面に接触しなくともよい。
その後、図13、図14を参照して説明した動作をこの順でそれぞれ一回以上複数回行ってもよい。本実施形態では、図16に示すD−E−D−E間のような複数回の繰り返し(複動作)を行っている。この複動作期間では、キャビティ駒5Aの移動量が昇降において同じとなるようにしている。また、プランジャ13の移動量が昇降においても同じとなるようにしている。すなわち、複動作期間では、キャビティ6cに対する樹脂12の入出量を同じにしている。これにより、仮に狭隘な箇所(チップ下部)でフィラー溜まりが起きて樹脂12が入り難くなっていても、樹脂12の往復流動によって、このような箇所への樹脂充填性を向上することができる。
続いて、図15、図16(動作状態F)に示す状態となるように、キャビティ6cに樹脂12を充填した状態で、前進しているキャビティ駒5Aを所定の位置(図14に示す前進位置)で後退させる。すなわち、ポット11側からキャビティ6c内へ樹脂12を引き戻すようにキャビティ駒5Aを再度上昇させる。また、ポット11側の樹脂12をキャビティ6cへ押し戻すようにプランジャ13を再度上昇させる。このようにして、クランパ6Aに対するキャビティ駒5Aの相対的位置を成形品の厚さ寸法に対応する成形位置(最終高さ位置)にしてキャビティ6c内を樹脂充填する。
そして、キャビティ6c内を保圧するため必要に応じてプランジャ13を再度上昇させながら溶融樹脂12を加熱硬化させて成形品が略完成する。本実施形態におけるモールド金型1Aによれば、キャビティ駒5Aの移動を細かく行うことができ、制御性に優れた金型構造を用いて樹脂充填することができる。なお、本実施形態では、チップ部品109の上面も樹脂モールド(オーバーモールド)させて成形する場合について説明したが、チップ部品109の上面を露出させて成形する場合にも適用することができる。
なお、本実施形態も前記第1実施形態と同様に、複動作の移動開始位置を最終高さ位置(成形位置)よりもチップ部品109の上面側へ前進した位置(図12)、または最終高さ位置(図15)としてもよい。また、キャビティ6cの容積が拡大、縮小するように、図15(動作状態F)に示すキャビティ駒5Aの下面の位置(最終高さ位置)を基準に複動作させることができるが、拡大位置から最終高さ位置に近づけるように徐々に拡大と縮小を繰り返しながら最終高さ位置に縮小してもよいし、縮小位置から最終高さ位置に近づけるように徐々に拡大と縮小を繰り返しながら最終高さ位置に拡大していってもよい。
(第3実施形態)
前記第2実施形態では、チップ部品109の上面とキャビティ駒5Aの下面(パーティング面)とを接触させてキャビティ6c内を樹脂充填した後、キャビティ6c内の樹脂12を往復流動させる場合について説明した。本実施形態では、チップ部品109の上面とキャビティ駒5Aの下面とを接触させずにキャビティ6c内を樹脂充填した後、キャビティ6c内の樹脂を往復流動させる場合について説明する。
本実施形態における樹脂モールド方法の工程について図17〜図24を参照しながら説明する。図17〜図23は、動作を説明するための樹脂モールド金型100Aの要部の模式的断面図である。図24は、モールド金型1Aの動作のタイミングチャートであり、動作状態A’〜G’にそれぞれ対応する図17〜図23に示す上下方向において、下型3、キャビティ駒5Aおよびプランジャ13の位置がどのように変化するかを示したものである。
図17、図24(動作状態A’)に示すように、モールド金型1Aが型開きした状態において、リリースフィルム8、ワークW、樹脂12がセットされる。ここでは、キャビティ駒5Aの下面(パーティング面)が成形品の厚さ寸法に対応する成形位置(最終高さ位置)にある。
続いて、図18、図24(動作状態B’)に示す状態となるように、下型3を上昇させて、クランパ6Aをクランパ支持部17に突き当てて型閉じする。型閉じによって、ポット11、上型カル6a、ランナゲート6b、キャビティ6c(キャビティ凹部6c)が互いに連通する。ここで、キャビティ駒5Aの下面とチップ部品109の上面とが離間しており、キャビティ6cの容積は、キャビティ駒5が成形位置のキャビティ6cの容積と同程度になっている。
続いて、図19、図24(動作状態C’)に示す状態となるように、クランパ6AがワークWをクランプしたままプランジャ13を上昇させて、ポット11内で溶融した樹脂12を、上型カル6aおよび上型ランナゲート6bを経てキャビティ6c内へ充填する。このとき、チップ部品109上部へも樹脂12が充填される(オーバーモールドされる)。
続いて、図20、図24(動作状態D’)に示す状態となるように、キャビティ6cに樹脂12を充填した状態で、成形位置を移動開始位置としてキャビティ駒5Aを前進させる。すなわち、キャビティ6c内の樹脂12をポット11側へ押し出すようにキャビティ駒5Aを移動させる。また、キャビティ6cから押し出された樹脂12をポット11側(上型ランナゲート6b、上型カル6a側となる)へ収容(退出)させるようにプランジャ13を移動させる。具体的には、電動モータ23の駆動によってキャビティ駒5Aを下降させ、トランスファ駆動によってプランジャ13を下降させる。
続いて、図21、図24(動作状態E’)に示す状態となるように、キャビティ6cに樹脂12を充填した状態で、前進しているキャビティ駒5Aを所定の位置(図20に示す前進位置)で後退させる。すなわち、ポット11側の樹脂12をキャビティ6c内へ戻すようにキャビティ駒5Aおよびプランジャ13を移動させる。具体的には、電動モータ23の駆動によってキャビティ駒5Aを上昇させ、トランスファ駆動によってプランジャ13を上昇させる。このとき、キャビティ駒5Aの下面とチップ部品109の裏面とが離れるため、接触しなくなる。
続いて、図22、図24(動作状態F’)に示す状態となるように、キャビティ6cに樹脂12を充填した状態で、後退しているキャビティ駒5Aを所定の位置(図21に示す成形位置)で前進させる。すなわち、キャビティ6c内の樹脂12をポット11側へ送るようにキャビティ駒5Aおよびプランジャ13を移動させる。具体的には、電動モータ23の駆動によってキャビティ駒5Aを下降させ、トランスファ駆動によってプランジャ13を下降させる。このとき、キャビティ駒5Aの下面とチップ部品109の裏面とは接触させずに、離間させておく。
続いて、図23、図24(動作状態G’)に示す状態となるように、キャビティ6cに樹脂12を充填した状態で、前進しているキャビティ駒5Aを所定の位置(図22に示す前進位置)で後退させる。すなわち、ポット11側の樹脂12をキャビティ6c内へ戻すようにキャビティ駒5Aおよびプランジャ13を移動させる。具体的には、電動モータ23の駆動によってキャビティ駒5Aを上昇させ、トランスファ駆動によってプランジャ13を上昇させる。このとき、クランパ6Aに対するキャビティ駒5Aの相対的位置を成形品の厚さ寸法に対応する成形位置にしてキャビティ6c内を樹脂充填する。そして、キャビティ6c内を保圧するため必要に応じてプランジャ13を再度上昇させながら充填樹脂12を加熱硬化させて成形品が略完成する。
本実施形態では、キャビティ6c内の充填樹脂12の往復流動について、キャビティ駒5Aが接触位置から成形位置まで収束(図24参照)させるようにキャビティ6cの容積を変化させている。このため、仮に狭隘な箇所(チップ下部)で樹脂成分のフィラーが重なって後続の樹脂流入が阻害されていたとしても、フィラーの重なりを大きな容積変化で崩した後、狭隘な箇所への樹脂充填を行うことができ、その後、一旦狭隘な箇所内を充填した樹脂12が狭隘な箇所から出過ぎないようにできる。したがって、本発明によれば、狭隘な箇所へも樹脂充填性を向上することができる。
(第4実施形態)
前記第3実施形態では、上型2にキャビティ凹部6cを形成して型閉じによりキャビティ6cを形成する場合について説明した。本実施形態では、上型と下型との間に中間プレートを設け、中間プレートに形成された貫通孔(以下、キャビティ孔ともいう。)の内部がキャビティを構成する場合について説明する。
本実施形態におけるモールド金型1Bを備えた樹脂モールド装置100Bについて図25を参照して説明する。図25は、樹脂モールド装置100Bの模式的断面図である。
図25に示すように、モールド金型1Bは、上型2と下型3との間に設けられる、キャビティ孔40aが形成された中間プレート40(プレート状の中間金型)を備えている。キャビティ孔40aの開口領域内にキャビティ駒5Aが配置される。この中間プレート40は、型閉じの際に上型2および下型3によってワークWと共にクランプされる。これにより、中間プレート40のキャビティ孔40aの内壁面を含んでキャビティの側部が構成される(キャビティ孔40aの内部がキャビティともなる)。すなわち、型閉じの際には、キャビティ孔40a内にチップ部品109が収納される。
また、中間プレート40は、上型カル6aに連通する、厚さ方向に貫通して形成されたカル孔40b(貫通孔)を有している。カル孔40bの上型カル6a側の開口部は、平面視において上型カル6aの開口部領域内に存在している。また、中間プレート40は、ランナゲートを構成する、上型2側のパーティング面に沿って形成された第1溝40c(ランナ溝)を有している。また、中間プレート40は、エアベントを構成する、上型2側のパーティング面に沿って形成された第2溝40d(エアベント溝)を有している。
中間プレート40の第1溝40cは、ポット11側から圧送されてくる樹脂12をキャビティ40aへ送り出すものとなっている。このため、ランナゲートを基板108上に設ける必要がないため、基板108端面からの樹脂漏れを防止すると共に、基板108上をランナゲートの形状の樹脂12を残すことなく成形することが可能となる。
次に、本実施形態における樹脂モールド方法の工程について図25〜図28を参照しながら説明する。図25〜図28は、動作を説明するための樹脂モールド装置100Bの要部の模式的断面図である。
モールド金型1Bが型開きした状態において、基板108にフリップチップ接続されたチップ部品109をワークWとしてモールド金型1Aに供給(搬入)し、ワーク支持部14のパーティング面上にワークW(基板108)を載置する(図25参照)。ワーク支持部14(下型3)では、チップ部品109を上型2側に向けてワークWを支持する。
また、型開きした状態では、上型2のパーティング面でリリースフィルム8が吸着保持される。また、型開きした状態では、プランジャ13のヘッド部が下降(後退)した位置(樹脂供給位置)で待機しているポット11内に、樹脂12が供給される(図25参照)。上型2および下型3が予め加熱されているので、ポット11内の樹脂12はその熱によって溶融することとなる。
次いで、中間プレート40のキャビティ孔40a内にチップ部品109を収容してワークWを覆うように、下型3のパーティング面上に中間プレート40をワークWに重ねて配置する(図25参照)。
続いて、図25に示すように、可動型の下型3を固定型の上型2に近づけるように駆動させて(下型3を上昇させて)、上型2と下型3との間で中間プレート40と共にワークWをクランプして型閉じする。これにより、ポット11、カル孔40b、上型カル6a、ランナゲート6b、第1溝40c、キャビティ孔40a(以下、キャビティ40aという。)、第2溝40d、オーバーフローキャビティ18で連通される連通路が形成される。また、型閉じされることによって、上型2および下型3の周縁部では、シール部34が上型2と下型3によりクランプされるので金型内部に気密された空間領域が形成される。また、キャビティ駒5Aの下面が、成形品の厚さ寸法より所定位置だけ進入した進入位置となるようにクランパ6Aによって中間プレート40と共にワークWをクランプしており、チップ部品109の上面と接触している。
続いて、キャビティ40aを含む連通路内を減圧機構部36によってエア吸引(減圧)しながら、図26に示すように、プランジャ13を上昇させて、ポット11内で溶融した樹脂12を圧送し、キャビティ40a内へ充填する。
続いて、図27に示すように、キャビティ40aに樹脂12を充填した状態(中間プレート40をクランパ6Aでクランプしたままの状態)で、キャビティ40aの容積を拡大するように、成形位置よりも前進した前進位置(図26参照)を移動開始位置としてキャビティ駒5Aを後退させる。また、ポット11側の樹脂12をキャビティ40aへ圧送するようにプランジャ13を移動させる。具体的には、電動モータ23の駆動によってキャビティ駒5Aを上昇させ、トランスファ駆動によってプランジャ13を上昇させる。
続いて、図28に示すように、キャビティ40aに樹脂12を充填した状態で、キャビティ40aの容積を縮小するように、後退しているキャビティ駒5Aを所定の位置(図27で示す成形位置)で前進させる。また、キャビティ40aから押し出された樹脂12をポット11側へ収容するようにプランジャ13を移動させる。具体的には、電動モータ23の駆動によってキャビティ駒5Aを下降させ、トランスファ駆動によってプランジャ13を下降させる。
その後、図27、図28を参照して説明した動作をこの順でそれぞれ一回以上複数回行ってもよい。次いで、成形品の厚さ寸法に対応する成形位置(図27参照)においてキャビティ40a内に充填された溶融樹脂12を加熱硬化する。具体的には、成形位置において、キャビティ40a内を保圧するため必要に応じてプランジャ13を再度上昇させながら溶融樹脂12を加熱硬化させて成形品が略完成する。本実施形態におけるモールド金型1Bによれば、キャビティの大きさを中間プレート40のキャビティ孔40aの大きさで変化させることができ、種々のワークWに対して柔軟に対応可能な金型構造を用いて樹脂充填することができる。
なお、本実施形態も前記第1、2実施形態と同様に、複動作の移動開始位置を最終高さ位置(成形位置)よりもチップ部品109の上面側へ前進した位置(図25)、または最終高さ位置(図27)としてもよい。また、キャビティ6cの容積が拡大、縮小するように、図27に示すキャビティ駒5Aの下面の位置(最終高さ位置)を基準に複動作させることができるが、拡大位置から最終高さ位置に近づけるように徐々に拡大と縮小を繰り返しながら最終高さ位置に縮小してもよいし、縮小位置から最終高さ位置に近づけるように徐々に拡大と縮小を繰り返しながら最終高さ位置に拡大していってもよい。
(第5実施形態)
前記第1実施形態では、樹脂モールド装置としてトランスファ成形装置に適用した場合について説明した。本実施形態では、圧縮成形装置に適用した場合について説明する。
まず、本実施形態におけるモールド金型1C(対をなす上型63および下型64)を備えた樹脂モールド装置100Cについて図29を参照して説明する。図29は、樹脂モールド装置100Cの要部の模式的断面図である。
なお、本実施形態では、下型64を可動型とし上型63を固定型として説明するが、上型63を可動型、下型64を固定型としたり、上型63および下型64を可動型としたりする場合でもよい。また、本実施形態では、下型64にキャビティ73cを設けた構成として説明するが、上型にキャビティを設けた構成としてもよい。
モールド金型1Cでは、下型64側にキャビティ凹部(クランプ時にはキャビティという)73aが形成され、下型64側にポット11Aが設けられる。クランプ時には、キャビティ73aとポット11Aとは連通することとなる。モールド金型1Cは、キャビティ駒72およびキャビティ駒72を囲むクランパ73を有し、クランパ73に対してキャビティ駒72が貫通孔の軸方向に相対的に移動してキャビティ73aの容積が変化するものである。
上型63は、ベース65と、チェイス66と、段付きガイド67と、段付きインサート68とを有して構成されている。チェイス66は、ベース65下側に固定して組み付けられている。また、段付きガイド67は、チェイス66下側であってチェイス66の外周部に固定して組み付けられている。また、段付きインサート68は、段付きガイド67でガイドされてチェイス66の中央部に固定して組み付けられている。
段付きインサート68には、下型64側にワークWを吸着保持する吸着面(上型パーティング面63a)が形成されている。また、段付きインサート68には吸着面に通じるエア吸引路が形成されている。このエア吸引路は、モールド金型1C外で設けられているエアを吸引する装置(図示せず)と接続されている。また、段付きインサート68とチェイス66との間にはリング状のシール部69が挿入されており、エア吸引路の気密性を確保するようになっている。このため、エア吸引装置が作動すると、エア吸引路などを介してワークWが段付きインサート68の吸着面に吸着保持されることとなる。
下型64は、下型ベース70と、下型チェイス71と、キャビティ駒72と、クランパ73(可動クランパ)とを有して構成されている。このような部材で構成される下型64には、ワークWをクランプするパーティング面64aが形成されている。このパーティング面64aには、リリースフィルム8が張設されている。
下型チェイス71は、下型ベース70上側に固定して組み付けられている。また、クランパ73は、下型チェイス71上面の凹部に設けられたスプリング74を介して下型チェイス71に対してフローティング支持され、上下動可能に組み付けられている。クランパ73には、キャビティ駒72が設けられる貫通孔が形成されている。キャビティ駒72は、下型チェイス71に固定して組み付けられている。また、クランパ73には、ポット11Aとなる貫通孔が形成されている。ポット11A内には電動モータなどで構成される駆動機構75により上下方向に摺動可能なプランジャ13Aが設けられている。
次に、本実施形態における樹脂モールド方法の工程について図29を参照しながら説明する。本実施形態では、下型64の移動は型クランプ駆動によって、また、プランジャ13Aの移動は駆動機構75によってなされる。また、キャビティ駒72の相対的移動、プランジャ13の移動については、樹脂モールド装置100Cの制御部107(図1参照)によって制御処理される。
まず、モールド金型1Cが型開きした状態において、モールド金型1Cに搬入されたワークWを、上型パーティング面63aで吸着保持する。また、リリースフィルム8を、下型パーティング面64aで吸着保持し、キャビティ73a内に、成形品を構成する樹脂量分より多い量の樹脂(例えば、液状樹脂)を供給する。
次いで、下型64を上昇させてモールド金型1Cを型閉じし、ワークWをクランパ73によりクランプしたままキャビティ73a内を樹脂で充填する。このとき、ポット11A内でプランジャ13Aを下降させておくことで、キャビティ73aから押し出された樹脂がポット13A側に収容される。
次いで、キャビティ73aに樹脂を充填した状態で、キャビティ73aの容積を拡大するように、成形位置を移動開始位置としてキャビティ駒72を後退させる。また、ポット11A側の樹脂をキャビティ73aへ圧送するようにプランジャ13Aを移動させる。具体的には、型クランプ駆動によって下型64を下降させてキャビティ駒72を相対的に下降させ、駆動機構75によってプランジャ13Aを上昇させる。
次いで、キャビティ73aに樹脂を充填した状態で、キャビティ73aの容積を縮小するように、後退しているキャビティ駒72を所定の位置(例えば、後退位置)で前進させる。また、キャビティ73aから押し出された樹脂をポット11A側へ収容するようにプランジャ13Aを移動する。具体的には、型クランプ駆動によって下型64を上昇させてキャビティ駒72を相対的に上昇させ、駆動機構75によってプランジャ13Aを下降させる。
その後、前進しているキャビティ駒72を所定の位置(例えば、成形位置)で後退させる動作と、後退しているキャビティ駒72を所定の位置(例えば、後退位置)で前進させる動作とをこの順でそれぞれ一回以上行う。次いで、成形品の厚さ寸法に対応する成形位置においてキャビティ73a内に充填された樹脂を加熱硬化する。具体的には、成形位置において、キャビティ73a内を保圧するため必要に応じてプランジャ13Aを再度上昇させながら溶融樹脂を加熱硬化させて成形品が略完成する。
1 モールド金型
5 キャビティ駒
6 クランパ
6c キャビティ(キャビティ凹部)
11 ポット
12 樹脂
13 プランジャ
100 樹脂モールド装置
W ワーク

Claims (17)

  1. キャビティ駒と、前記キャビティ駒が挿入されて配置される貫通孔を有するクランパとを備え、前記キャビティ駒のパーティング面を含んでキャビティの底部が構成され、前記クランパに対して前記キャビティ駒が前記貫通孔の軸方向に相対的に移動するモールド金型を用いて、前記キャビティ駒を成形位置として前記キャビティ内に充填された樹脂を加熱硬化する樹脂モールド方法であって、
    前記キャビティ内に樹脂を充填した状態で、前記成形位置または前記成形位置よりも後退した後退位置を移動開始位置として前記キャビティ駒を前進させ、前進している前記キャビティ駒を後退させることを特徴とする樹脂モールド方法。
  2. 請求項1記載の樹脂モールド方法において、
    その後、後退している前記キャビティ駒を前進させることを特徴とする樹脂モールド方法。
  3. 請求項1記載の樹脂モールド方法において、
    その後、後退している前記キャビティ駒を前進させる動作と、前進している前記キャビティ駒を後退させる動作とをこの順でそれぞれ一回以上行うことを特徴とする樹脂モールド方法。
  4. 請求項3記載の樹脂モールド方法において、
    前記キャビティ駒を前進から後退させる位置を徐々に前記成形位置に近づけていき、また、前記キャビティ駒を後退から前進させる位置を徐々に前記成形位置に近づけていき、前記キャビティ駒の移動を前記成形位置へ収束させることを特徴とする樹脂モールド方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂モールド方法において、
    前記キャビティ駒を前進から後退させる位置を前記成形位置よりも前進した前進位置とすることを特徴とする樹脂モールド方法。
  6. 請求項3または4記載の樹脂モールド方法において、
    前記移動開始位置を前記成形位置よりも後退した後退位置とし、前記キャビティ駒の移動範囲を前記移動開始位置から前記成形位置までとすることを特徴とする樹脂モールド方法。
  7. 請求項3記載の樹脂モールド方法において、
    前記移動開始位置を前記成形位置よりも後退した後退位置とし、前記キャビティ駒の移動範囲を前記移動開始位置から前記成形位置までとし
    記キャビティ駒を後退から前進させる位置を徐々に前記成形位置に近づけていき、前記キャビティ駒の移動を前記成形位置へ収束させることを特徴とする樹脂モールド方法。
  8. キャビティ駒と、前記キャビティ駒が挿入されて配置される貫通孔を有するクランパとを備え、前記キャビティ駒のパーティング面を含んでキャビティの底部が構成され、前記クランパに対して前記キャビティ駒が前記貫通孔の軸方向に相対的に移動するモールド金型を用いて、前記キャビティ駒を成形位置として前記キャビティ内に充填された樹脂を加熱硬化する樹脂モールド方法であって、
    前記キャビティ内に樹脂を充填した状態で、前記成形位置または前記成形位置よりも前進した前進位置を移動開始位置として前記キャビティ駒を後退させ、後退している前記キャビティ駒を前進させることを特徴とする樹脂モールド方法。
  9. 請求項8記載の樹脂モールド方法において、
    その後、前進している前記キャビティ駒を後退させることを特徴とする樹脂モールド方法。
  10. 請求項8記載の樹脂モールド方法において、
    その後、前進している前記キャビティ駒を後退させる動作と、後退している前記キャビティ駒を前進させる動作とをこの順でそれぞれ一回以上行うことを特徴とする樹脂モールド方法。
  11. 請求項10記載の樹脂モールド方法において、
    前記キャビティ駒を後退から前進させる位置を徐々に前記成形位置に近づけていき、また、前記キャビティ駒を前進から後退させる位置を徐々に前記成形位置に近づけていき、前記キャビティ駒の移動を前記成形位置へ収束させることを特徴とする樹脂モールド方法。
  12. 請求項8〜11のいずれか一項に記載の樹脂モールド方法において、
    前記キャビティ駒を後退から前進させる位置を前記成形位置よりも後退した後退位置とすることを特徴とする樹脂モールド方法。
  13. 請求項10または11記載の樹脂モールド方法において、
    前記移動開始位置を前記成形位置よりも前進した前進位置とし、前記キャビティ駒の移動範囲を前記移動開始位置から前記成形位置までとすることを特徴とする樹脂モールド方法。
  14. 請求項10記載の樹脂モールド方法において、
    前記移動開始位置を前記成形位置よりも前進した前進位置とし、前記キャビティ駒の移動範囲を前記移動開始位置から前記成形位置までとし
    記キャビティ駒を前進から後退させる位置を徐々に前記成形位置に近づけていき、前記キャビティ駒の移動を前記成形位置へ収束させることを特徴とする樹脂モールド方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の樹脂モールド方法を行う樹脂モールド装置において、
    前記キャビティ駒は、前記モールド金型の金型チェイスに固定して組み付けられ、
    前記クランパは、前記金型チェイスに弾性部材を介して移動可能に組み付けられ、
    前記弾性部材の伸縮によって前記クランパに対して前記キャビティ駒が相対的に移動することを特徴とする樹脂モールド装置。
  16. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の樹脂モールド方法を行う樹脂モールド装置において、
    前記キャビティ駒は、駆動源と接続されて前記モールド金型の金型チェイスに移動可能に組み付けられ、
    前記クランパは、前記金型チェイスに固定して組み付けられ、
    前記駆動源の駆動によって前記クランパに対して前記キャビティ駒が相対的に移動することを特徴とする樹脂モールド装置。
  17. 請求項16記載の樹脂モールド装置において、
    前記モールド金型によって前記ワークと共にクランプされる、貫通孔を有する中間プレートを用い、
    前記中間プレートの貫通孔の内壁面を含んで前記キャビティの側部が構成され、
    前記中間プレートを前記クランパでクランプしたまま前記キャビティ駒が前記クランパに対して相対的に移動することを特徴とする樹脂モールド装置。
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