JP4479442B2 - 封止成形装置及びそれを用いた樹脂封止型半導体パッケージの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トランジスターやICなどの半導体デバイスを樹脂で封止した樹脂封止型半導体パッケージを製造するための封止成形装置及びそれを用いた樹脂封止型半導体パッケージの製造方法に関する。
トランジスターやIC、LSIなどの半導体デバイス(半導体チップ)を樹脂で封止して樹脂封止型半導体パッケージ(いわゆるパッケージ又は樹脂封止型半導体装置)を効率よく成形する方法としてトランスファモールド装置を用いたトランスファ成形が広く利用されている(例えば、特許文献1など。)。
この方法は、エポキシ樹脂および充填剤などを主体としたエポキシ成形材料等の未硬化樹脂(以下、単に樹脂という。)を、加熱して溶融させ、トランスファ成形機を用いて金型に注入し、高温高圧状態で成形して硬化することにより、例えばリードフレームやテープ基板に搭載された半導体チップを封止する方法である。
この方法で製造される樹脂封止型半導体装置(樹脂封止型半導体パッケージ)は、半導体チップをエポキシ樹脂組成物が完全に覆うため信頼性に優れており、また金型で緻密に成形するためパッケ―ジの外観も良好であることから、現在ではほとんどの樹脂封止型半導体装置はこの方法で製造されている。
このトランスファモールド装置による成形では、ポットに封止すべき熱硬化性樹脂のタブレットが投入され、ポットで受けた樹脂は溶融されつつ型キャビティ部に送給される。封止用樹脂が型キャビティ部内に十分に充填された状態で硬化(キュア)が進行されて樹脂封止型半導体パッケージが成形される。
これに対して、ボンディングワイヤを介して外部リード構成体に接続された半導体チップの少なくとも能動面側に未硬化樹脂からなる封止用樹脂シートを配置し、封止用樹脂シートを半導体チップに対して加圧しながら硬化させて半導体チップの封止を行う封止工程を備えた樹脂封止型半導体装置の製造方法(以下、これを圧縮成形による方法と略称する場合がある。)が提案されている(例えば、特許文献2)。
また、シート状の樹脂Rを直接キャビティ内で成形するにあたり、図15に示すように、下型1、上型2に成形プランジャ3、3´が配置され、成形プランジャ3、3´で圧縮成形する方法が提案されている(例えば、特許文献3)。また、このプランジャ3は、図16に示すように、下型1にのみ設けられている場合もある。
下型1のキャビティ成形部4には、キャビティの下底面が先端面3aとなるような成形プランジャ3が摺動可能に設けられている。また、上型2のキャビティ成形部4には、キャビティの上底面が先端面3a´となるような成形プランジャ3´が摺動可能に設けられている。
このような装置では、シート状樹脂SRが夫々リードフレームF上面と下型1のキャビティ成形部4に載置及び投入される。シート状樹脂SRは、上型2及び下型1に当接するとすぐに溶融し始める。シート状樹脂SRを下型1内に投入すると上型2は、リードフレームFと共に下降し続け、下型1との間でリードフレームFを挟み型締めを行い、型締め完了と同時に、上型3内の成形プランジャ3´が所定位置まで下降(後退)し停止する。次に、下型1内の成形プランジャ3が上昇(前進)し、樹脂を圧縮成形してリードフレームFの半導体デバイスHが樹脂により封止された樹脂封止型半導体パッケージPを得ることができる。
そして、このような圧縮成形による方法によれば、封止工程の自動化、インライン化が可能で、しかもパッケージの大型化、薄型化に適し、パッケージ精度が高くかつパッケージの高信頼性の要求にも対応した樹脂封止型半導体装置の製造方法として利用できることが提案されている。
特開平8−111465号公報(従来技術の欄及び図19) 特開平6−275767号公報(図10、図11) 特開平8−330342号公報(図13、図14)
しかしながら、特許文献1に記載のトランスファー成形装置によれば、高価な樹脂材料からなる樹脂タブレットにおいて、かなりの部分が不要な硬化樹脂として廃棄される。しかも、樹脂タブレットは、本来封止樹脂として使用されることを前提として製造されているので、廃棄される硬化樹脂も、封止樹脂に対する要求を満たすだけの充分な高品質を有している。したがって、高品質な樹脂を廃棄することになり、コスト面のみならず資源の有効利用という観点からも課題がある。
また、樹脂タブレットの大きさ(外径)に応じてカル部,ランナ部がそれぞれ設計されている。したがって、樹脂タブレットについて樹脂歩留り(使用したタブレット樹脂に対する封止樹脂して使用される樹脂の比率)を向上させて、廃棄される部分を低減させようとしても、一定の限界がある。
また、このようなトランスファー成形装置によれば、型キャビティの大きさが異なる毎に異なる大きさの樹脂タブレットを使用しなければならない。これにより、複数種類の樹脂タブレットを在庫しておく必要があり、樹脂タブレットの在庫管理が煩雑になる。
また、このような樹脂タブレットのそれぞれの大きさに対応する搬送及び投入機構を準備する必要があり、樹脂封止装置の小型化と機構の簡素化とを阻害していた。
一方、特許文献2及び特許文献3に記載の圧縮成形による方法によれば、カル、ランナー及びゲートが不要となるため、カル樹脂などに基づく不要樹脂の樹脂廃棄量が無くなる。また、カル部、ランナー部、ゲート部が不要となるので金型及び装置全体のコンパクト化が可能であるという特徴を備えている。
しかしながら、近年樹脂封止型半導体装置の高集積化に伴う半導体チップの大型化によって、樹脂封止型半導体装置のパッケ―ジについても大型化が進む一方、実装スペースの微細化に伴いパッケージに用いるワイヤーの細線化及び高密度化がなされており、この傾向は今後益々強くなっていくと考えられる。
ここで、従来の圧縮成形による方法によればワイヤー流れが発生するという課題がある。これにより、ワイヤーが一層、細線化された場合に対応可能な高信頼性の封止成型装置又は樹脂封止型半導体パッケージの製造方法は提案されていない。特に樹脂封止型半導体パッケージの細線化が進み、ワイヤの径が20μm程度で長さが数ミリメートルのセミハード金線を用いた場合、ボンディングワイヤーが変形を起こし、隣接するボンディングワイヤーとの接触が生じやすい。この問題は、フィルムキャリアなどのリードの先端にバンプ等を介して直接、チップとの電気的接続を行う、いわゆるインナーリードボンディング法を採用した場合においても問題である。
このような状況下で、本出願人は、先に、ワイヤーが細線化された場合にもワイヤー流れが起こりにくい樹脂封止型半導体パッケージが得られる封止成形装置及びそれを用いた封止成形体の製造方法について既に特許出願を行っている(2003年3月28日出願の特願2003−89640号明細書参照。)。
この出願によれば、型締機構及び成形プランジャの進退機構を有する封止成形装置が提案されている。この封止成形装置は、下型キャビティ部には、成形プランジャが後退した状態で先端面の上部に封止樹脂を受け入れる樹脂受入部を形成するとともに、成形プランジャが前進した状態で先端面が樹脂受入部に供給された封止樹脂を圧縮しつつ下型キャビティの底成形面を形成して成形する圧縮成形用の成形プランジャが進退可能に装填される下型と、該下型と型締機構により型締め可能な上型とから構成される金型と、該金型が開かれた状態で、前記樹脂受入部に攪拌溶融された封止用樹脂を供給する樹脂供給装置を備えている。
このような先願発明に係る封止成形装置によれば、ワイヤーが細線化された場合にもワイヤー流れが起こりにくい封止成形体が得られるという特徴を有する。また、このような先願発明に係る封止成型装置によれば、樹脂タブレットを成型する工程が不要となる。また、封止成形装置の小型化と簡素化を図ることができ、さらには、高品質な樹脂の廃棄量を減らすことができ、ひいては製造コストの削減と樹脂の有効利用とを図ることができる封止成形装置及びそれを用いた封止成形体の製造方法を提供することができる。
ここで、この発明の目的は、上述の先願発明に係る封止成形装置をさらに実用的に有効に改良することにある。
本発明者等の研究によれば、成形プランジャの先端面を、例えば、設計の容易な円形にした場合においても、先願発明の効果は得られるが、先端面の形状と底成形面の形状をできるだけ同一とすることにより、未充填、外部ボイド、内部ボイド、ワイヤー流れ、樹脂廃棄率の低減された樹脂封止型半導体パッケージが得られることを見出した。
また、成形用プランジャの先端面は、底成形面よりも僅かでよいが小さく設計する必要があるので、理想的な先端面の形状は底成形面に対して実質的な略相似形となることが好ましい。ここで、実質的に相似形状とは、相似形状を含み、さらに、例えば、コーナー部の形状に曲率(アール)を設けるなどの改良設計をふくんでいる。
また、本発明者等の研究によれば、成形プランジャの面積が、下型キャビティの底成形面の面積に比べて90%以上の面積を確保している場合には、ワイヤー流れがなく、かつ、未充填、外部ボイド、内部ボイド、樹脂廃棄率を低減できることを見出した。
すなわち、本発明に係る封止成形装置は、固体の樹脂材料が加熱と撹拌とにより撹拌溶融された状態で封止用樹脂を前記樹脂受入部に供給する樹脂供給装置を備え、前記成形プランジャの先端面の外形状は、前記下型キャビティの底成形面の形状から、0.1〜0.5mmの範囲内で小さく実質的に相似形状に設計されていると共に、前記成形プランジャの先端面の面積は、前記下型キャビティの底成形面の面積に対して、90%以上であることを特徴としている。
このような封止成形装置によれば、(a)金型が開かれた状態で、樹脂供給装置において加熱されて撹拌溶融された状態の封止用の樹脂を樹脂受入部に供給する樹脂供給工程、(b)型締機構により上型と下型との型締めを行う型締工程、(c)成形プランジャの先端面を成形面まで上昇させて樹脂受入部に受け入れた溶融樹脂により半導体デバイスを封止して硬化させる圧縮成形工程、(d)金型を開放し、得られた樹脂封止型半導体パッケージを取り出す脱型工程を順次行うことを特徴とする樹脂封止型半導体パッケージの製造方法である。
また、このような封止成形装置を用いた樹脂封止型半導体パッケージの製造方法によれば、ワイヤー流れが少なく、かつ、カル、ランナー及びゲートが不要となるため、使用樹脂量の削減が可能となるのみならず、未充填、外部ボイド、内部ボイド、樹脂廃棄率が低減され、金型のコンパクト化、装置のコンパクト化が可能となり、さらにコスト削減も可能となる。
また、本発明に従えば、金型に供給される樹脂は攪拌溶融されているので、金型内でのプレヒート時間が削減でき、生産サイクルを向上させることができる。
また、樹脂供給装置に供給される封止用の樹脂は、粉末状、顆粒状でよく、シート状、樹脂タブレット状である必要がないので、封止用樹脂の成形工程が不要であり、また、樹脂タブレットの使用する場合の在庫管理の必要がない。
また、以上により得られる樹脂封止型半導体パッケージの底面には成形プランジャの先端面の外形形状に沿った凹凸線が形成されるが、この凹凸線の枠内でダイシングすれば、成形品の性能、外観に直接影響を与えることがない。
この発明によれば、封止部材中での溶融樹脂の流れ方向は、封止部材に略直交する方向であり、樹脂が均一に溶融されていること及び流れるべき樹脂量が少ないことなどに起因して、封止部材の周辺の溶融樹脂の流速が遅くてよく、封止部材にワイヤーの極細線が装填されていてもワイヤー流れが生じない。また、カル、ランナー及びゲートが不要となるため、使用樹脂量の削減が可能となるのみならず、未充填、外部ボイド、内部ボイドが低減され、更に、金型内に樹脂を受け入れた後のプレヒート工程時間の短縮、成形サイクルの短縮、樹脂廃棄量の大幅削減などが可能な封止成形装置及びそれを用いた樹脂封止型半導体パッケージの製造方法が提供できる、という実用上有益な効果を発揮する。
以下、本発明の具体的な実施例について図面を参照しつつ説明する。なお、従来技術で説明した封止成形装置と同一乃至均等な部位部材については、同一符号を付して説明する。
図1は、この発明の実施例に係る封止成形装置に用いる下型としての下型キャビティブロックを説明する平面図であり、図2は、図1のX−X線で切断した際の断面図である。
これらの図において、符号1は下型又は下型に対して交換可能に装備される下型キャビティブロックであり、中央に製品成形部としてのキャビティ成形部(モールド部)4が設けられている。このモールド部4の底面4aは、樹脂封止型半導体パッケージの底面形状と同一の方形であり、底面4aの外形線は符号4abで示されている。
周囲にフリンジ状に形成された幅wが0.1mm〜0.5mmの底面4aを残して、その中央部は底面4aと実質的に相似形の筒状に貫通され、その貫通部5の内壁に摺接されて上下に移動可能な成形プランジャ3が装填されている。
これにより、符号3abで示される外形線で囲まれた成形プランジャ3の先端面3aの形状は、底面4aの外形形状と実質的に相似形であり、外形線4abにより示される底面4aの外形形状よりは小さく設計されている。
ここで、この外形線4abで囲われた底面の面積100に対して、本発明においては、この外形線3abで囲われた先端面3aの面積は、90以上あることが必要である。面積比が90%以上であることにより、ワイヤー流れの歩留まりが飛躍的に向上する。この面積比の好ましい範囲は、93%以上であるが、特に好ましくは95%以上である。この面積比に上限は特には規定されないが、設計上98%程度となる。
これにより、この成形プランジャ3の先端面3aが底面4aと同一高さであるとき、下型キャビティ部はモールド部4と等しくなる。また、樹脂受入量の重量バラツキに応じて成形品の底面に凹凸線が生じるが、この凹凸線は実用上問題を生じることは少なく、特に樹脂の重量バラツキが少なければ、この凹凸線は軽微にできる。また、一括成形のようなパッケージでは、成形後に個々に分割(ダイシング)される際に、この凹凸線の枠内でダイシングを行えば、外観上の問題点は全く生じない。
この成形プランジャ3は、圧縮成形用の進退機構6により進退可能とされている。この進退機構6は特には限定されないが、例えば、サーボモータ、エンコーダなどにより、その進退量が正確に制御できるものが用いられている。不図示のサーボモータの回転に制御されてタイミングベルトなどによりボールネジを回転させてサーボモータの回転を上下動に変換する。成形プランジャ3の先端面3a位置は、サーボモータの回転数をエンコーダにより位置制御しつつ所望の位置に成形プランジャ3を進退させることができる。
ここで、圧縮成形用とは、圧縮成形に必要な圧力を保持できる進退機構という意味であり、圧力を制御する必要がある場合には、任意の位置に圧力センサーなどの圧力検出器を介して成形圧を制御できる機構を備えているものとする。このような圧力制御機構は公知であり、例えば、成形プランジャ3と進退機構6との間にロードセルなどの圧力検出器を介在させて圧力検出器により検出された圧力により必要な圧力を保持することができる。
成形プランジャ3の先端面3aの位置をモールド部4の下面4aの位置(以下、型合わせ位置という。)から後退させることにより、この先端面3a上に樹脂を受け入れる樹脂受入部7を形成することができ、この図2では、成形プランジャ3は後退されて先端面3aの上に樹脂受入部7が形成されている。
ここで、この発明においては、この樹脂受入部7に攪拌溶融された所定量の封止用樹脂が供給される。
本発明において使用される封止用樹脂は特には限定されないが、樹脂供給装置において加熱されて攪拌された状態で供給されるので、加熱された射出ユニットやシリンダー内での熱安定性の良好なものであって、モールド部4内で流動性が特に良好で速やかに硬化するものが望ましい。このような封止用樹脂は公知であり、例えば、特開平8−67741号公報、特開平8−67742号公報、特開平8−67745号公報に示されるようなエポキシ樹脂、フェノール樹脂硬化剤、硬化促進剤、無機質充填材を必須成分として含有する、エポキシ樹脂封止材料がその一例として例示される。このような封止用樹脂は、粉末又は顆粒状のものがそのまま利用できる。
この封止用樹脂の供給は、このような封止用樹脂(熱硬化性樹脂)を射出成形により封止するために開発された射出成形装置の射出装置(又は射出ユニット)が利用できる。そのような射出装置は、例えば、特開2002−210778に開示される粉末状又は顆粒状のエポキシ樹脂封止材料を供給し、スクリュー機構で均一混練・溶融し、型締めユニットにより型締めされた金型に対して進退自在に設けられた射出ユニットである。また、特開2001−189333号公報に記載されるスクリューインライン方式の射出ユニット、特開2000−68416に開示される粉末状又は顆粒状のエポキシ樹脂封止材料を供給し、スクリュー機構で均一混練・溶融し、スクリュー又はプランジャでキャビティ内に射出する射出ユニットであってもよい。温度コントロールの容易さ、溶融の均一化等の点からスクリューインライン式が好ましい。
本発明において、樹脂供給装置は基本的には、スクリュウ式、インラインスクリュウ式などの攪拌装置と、加熱装置とプランジャ式などの射出装置(又は押出装置)を備えた射出装置(又は射出ユニット)であればよい。また、射出成形装置では、封止用樹脂の流れの問題から射出速度が制限されているが、本発明によれば、この射出速度は特には問わない。射出により攪拌された樹脂が金型に供給できればよい。
この発明においては、封止用樹脂は均一に攪拌溶融されていることがよい。このために本発明においては、加熱装置、攪拌装置及び射出装置を備えた樹脂供給装置が好ましく用いられる。攪拌及び溶融された樹脂は、粉末又は顆粒状などの固体の樹脂材料が加熱と攪拌とにより溶融された低粘性の流動状態となる。
供給される樹脂の粘度が高い場合には、成形サイクルを早めると、半導体素子上のボンデイングワイヤの変形、切断が生起したり、ダイオード等では内部素子の電気性能の低下等を起こす可能性がある。一方、供給される樹脂の粘度に下限はないが、必要な封止性能を与える樹脂で80℃〜120℃に加熱された場合の粘度の下限値がこの程度であるということを示している。
本発明においては、金型に加熱された樹脂が供給されることにより成形サイクルを短縮させて生産性を向上させることができる。また、本発明においては、ワイヤー流れなどが発生し難い低粘性の流動状態となった樹脂を金型に供給することができる。このような樹脂供給装置の好適な一例は、特開2001−341155号公報に詳細に述べられている。
この樹脂供給装置は、例えば、樹脂材料を貯留したホッパ下部の計量管内にスクリュを挿入した計量手段を介して下方に配列された各計量ポットに所定量の樹脂材料の装填を可能とした計量ユニットと、配列された計量ポットと、このポットと並列に配置された複数の撹拌カップとの間で樹脂材料を授受させた撹拌カップにプランジャを挿着させた撹拌手段を介して先端から撹拌棒を突出させた各プランジャの回転で撹拌を可能とした撹拌ユニットと、正逆動可能なモータに軸着するプーリやベルトを設けた移動手段を介して計量ユニットから成形金型に至る間を撹拌ユニットの進退動を可能とした移動ユニットと、正逆動可能なモータに軸着するプーリやベルトを設けた上下動手段を介して、撹拌カップ内の樹脂材料を成形金型の金型ポットに向けて、プランジャでの押し出し供給を可能とした供給ユニットとから構成されている。
ここで、本発明においては、金型ポットを備えた成形金型に代えて成形面をプランジャの先端面3aとし、先端面3aの上に樹脂受入部7を設けた圧縮成形装置が用いられる。樹脂受入部7に上述の加熱されて攪拌された樹脂を受け入れた後、型締めされ、成形プランジャ3を所定位置まで上昇させることにより加熱され硬化して成形が完了される。従来のシート状の樹脂を投入する圧縮成形法に比較してワイヤー流れの発生し難い成形方法が提供される。
ここで、圧縮成形装置又は樹脂受入部7が移動ユニットなどにより供給ユニットへ向けて提供できれば、この特開2001−341155号公報に述べられている移動ユニットは不要となる。このような圧縮成形装置又は下型はターンテーブルを利用したり、進退可能な移動ユニット、一方向に流れる移動ユニットなどを利用することにより半導体製造装置のラインに組み込むことができる。もちろん、本発明においては、樹脂供給装置と樹脂受入部7とが互いに固定された構造であってもよい。
以下、この樹脂材料の供給装置により、下型キャビティブロック1に攪拌された樹脂を供給して成形する封止成形装置及び樹脂封止型半導体パッケージの製造方法について説明する。
このような封止成形装置20は、例えば、図3に示すように、大略計量ユニット21、攪拌ユニット31、供給ユニット41及び移動ユニット51から構成され、計量ユニット21の詳細は図4に示され、攪拌ユニット31の詳細は図5に示され、供給ユニット41の詳細は図6に示されている。
この封止成形装置20は、図3に示すように、ホッパ22に貯留された樹脂材料Rを、スクリュ24回転により計量管24a内に導き、この管24a内でスクリュ回転数により計量して、計量ポット25内に装填させる計量ユニット21と、計量された樹脂材料Rを、計量ポット25と撹拌カップ32との間で授受させ、この攪拌カップ32に、撹拌棒33aを先端から突出させたプランジャ37を挿着させ回転させて、撹拌溶融させる撹拌ユニット31と、この撹拌ユニット31を作動させながら、成形金型(下型)61に向けて移動させる移動ユニット51と、撹拌ユニット31が移動され、下型61に交換可能にセットされた下型ブロック1の樹脂受入部7上に撹拌カップ32が位置した時点で、撹拌ユニット31に装着したプランジャ37を作動させて、溶融された撹拌カップ32内の樹脂材料を、樹脂受入部7に供給する供給ユニット41とを備えている。以下、樹脂の流れに沿って説明する。
(a)樹脂供給工程
計量ユニット21の計量部21Aに供給された粉体状や顆粒状の樹脂材料Rは、撹拌ユニット31、移動ユニット51、供給ユニット41が、それぞれ一連の動作を行って、下型61に所定量が攪拌及び溶融された状態となって供給される。
これらの一連の動作は、計量ユニット21では、図4に示すように、ホッパ22に供給された樹脂材料Rはホッパ22内で、計量用モータ23の作動で回転されるスクリュ24の周囲で、崩しピン22cも回転して樹脂材料Rがブリッジすることなく崩され、スクリュ24に噛み込み易く供給される。このスクリュ24が計量管24aの中で、所定の回転数で所定量を計量し、計量部21Aからポット部25Aの計量ポット25内に装填される。
送り用モータ27の作動で、計量部21Aは各計量ポット上端面25a上に移動しながら、全ての計量ポット25を樹脂材料Rで装填させる。
各計量ポット25が装填されると、ポット移動用シリンダ28を作動させて、ポット部25Aを右方向に移動させ、カップ移動用モータ33も作動させて、撹拌カップ32が迎えるように左方向に移動して、計量ポット25の下部で開閉用シリンダ26を作動させてシャッタ板26aを開き、計量された樹脂材料Rを授受する。つづけて、右方向に戻るように移動して、プランジャ37下に位置させる。
ついで、四つの撹拌棒用シリンダ36aが作動して、撹拌棒37aをプランジャ37の先端より突出させ、つづけて、ギア38aを軸着させた撹拌用モータ38を作動させ、各プランジャ37に軸着させた各ギヤ38bを介して、プランジャ37を回転させて撹拌カップ32内の樹脂材料Rを撹拌して溶融させる。ここで、この撹拌カップ32は温度は用いる樹脂材料Rにより適宜に設定されるが、最も一般的には80℃〜120℃の範囲内で加熱されている。
撹拌ユニット31では、図5に示すように、撹拌しながら、迅速に移動ユニット51の移動用モータ52を作動させて、タイミングベルト54を前方に向けてリミットスイッチ56aの制動される位置に移動する。
撹拌溶融が終了すると、撹拌用シリンダ36aを作動させて、可動板44を上昇させ撹拌棒37aをシリンダ37内に引き込んで埋没させる。
そして、撹拌ユニット31の停止位置で、この撹拌ユニット31に組み込まれている供給ユニット41(図6)を作動させる。
すなわち、上下動用モータ45を作動させて、軸着されているプーリ45a・ベルト45bを介して、ボールねじ42を回転させ下動するボールねじナット43に、下連結板36で装着されている各プランジャ37を一気に下降させて、撹拌カップ32内で溶融された溶融樹脂MRを下型61に設けた樹脂受入部7に供給する。
この樹脂受入部7に供給された溶融樹脂MRの温度は、使用する樹脂材料Rの種類により異なるが、金型温度が170℃〜180℃(例えば、175℃程度)である最も一般的な場合には、攪拌ポット32の温度と略同一の80℃〜120℃の範囲内であり、その際の粘度は大略50Pa・s〜350Pa・sの範囲内にある。また、この樹脂は、攪拌され、均一化されており、粘性が低いので、樹脂受入部7に供給された溶融樹脂MRは金型の温度で一層加熱されつつ、平面方向に素早く展開される(図7)。
一方、この実施例では、供給の完了した撹拌ユニット31は、移動用モータ52の逆転作動で、タイミングベルト54を後方に向けて移動させ、リミットスイッチ56aの制動で停止しする、計量ユニット21のポット部25Aの位置まで、後方に向けて移動し、次の樹脂供給工程に備える。
(b)型締工程
ついで、不図示のリードフレームの集積・整列・搬出を行うインローダを介してプレヒートされたリードフレームFをモールド部4に位置決めして下型表面1a上にロードする(図7)。ここで、この実施例ではプラスチックフィルムFの片面に半導体デバイスHを保持したCSPが用いられ、封止すべき面を下面に向けてロードされる。上型2又は下型1の少なくとも一方を昇降させて型締めを行う型締機構により金型を閉じる(図8)。
(c)圧縮成形工程
ついで、図9に示すように、進退機構6を駆動させて成形プランジャ3の先端面3aを型合わせ位置(成形面)まで上昇(前進)させつつ圧縮成形を行う。これにより、樹脂受入部7に供給された溶融樹脂MRはモールド部4に向けて流動する。金型の温度は180℃にセットされているので、樹脂温度が175℃となると、溶融樹脂MRの粘度は例えば、3〜20Pa・sに一層低下する。
また、溶融樹脂MRの流れの方向は、封止すべき半導体デバイスHの下方から封止するので、CSPのような封止部材では、ワイヤーWを含む封止部材中を移動する溶融樹脂の距離が短くてよく、従って、ワイヤーWを横切る溶融樹脂MRの流速が遅いので、ワイヤーWが細線化された場合にもワイヤー流れが生じることが少ない。これによりワイヤー流れを起こすことなく溶融樹脂MRにより半導体デバイスHを封止することができる。この状態を所定時間(例えば、数秒から数十秒)保持することにより封止樹脂は熱により硬化される。
ここで、これらの金型温度、圧力及び保持時間は、用いる樹脂の性能、金型の大きさ、パッケージの大きさなどにより異なるので、最適の条件が実験などにより適宜決定され、温度、圧力、硬化保持時間などは上述の一例に限定されることはない。
なお、このような装置によれば、圧縮成型された樹脂封止型半導体パッケージ(製品P)は、下型1内の成形プランジャ3によって成形された面3a´は、樹脂量バラツキによって上下し、プランジャ3の先端面3aの外形線3abに沿った略方形の凹又は凸の凹凸マーク3ab´が形成される(図10)。
ここで、この実施例では、プランジャ3の先端面3aの外形状がキャビティ部4の底面4aの外形状から0.1mm〜0.5mmの範囲内で僅かに小さく設計されているので、この凹凸マーク3ab´は、装填される樹脂重量のバラツキが、例えば、±0.1g程度であれば、半導体デバイスの周縁にフリンジ状に形成され、実質的に製品の性能に影響しない。
また、CSP,BGA等の一括成形(通称MAP)のようなパッケージでは、脱型後に、この凹凸マーク3ab´の枠内で個別にダイシングされる。これにより、製品の底面には、この凹凸マーク3ab´は、反映されなくなる。
(d)脱型工程
硬化が終了後に型締機構により上下型(金型)を開放して任意の手法により樹脂封止型半導体パッケージとしての製品Pを取り出す。製品Pを取り出すには、例えば、吸盤などの吸着装置を用いるが、ノックアウトピンやエジェクタプレートを使って取り出してもよい。また、プランジャ3をモールド部4から突出できる構成とすれば、モールド部4の側面4bにぬき勾配が無くても容易に取り出すことができる。
また、図11に示すように、進退機構6によりプランジャ3を下降(後退)させて製品Pを取り出すこともできる。これにより、下型1には成形品取り出し用のエジェクトピンなどの取出装置が無くても製品Pを取り出すことができる。
得られた製品Pは、アンローダなどにより適宜、搬出・集積されて次工程に送り出される。また、金型の分割面のバリ・汚れ等がクリーナなどにより清掃され、次の成形サイクル工程の準備に移る。
以上説明した本発明の封止成形装置によれば、従来の樹脂封止型半導体パッケージのように、ランナー部等に残留したランナ樹脂などの不要樹脂と成形品とを分離する、いわゆるゲートブレーク工程を経ずにゲートブレークされた樹脂封止型半導体パッケージを得ることができ、これにより樹脂の歩留まりを高めて不要樹脂を排出することもない。また、得られた製品にはワイヤー流れが少ない良品を得ることができる。
以下に実施例に従い本発明の効果を説明するが、この発明は以下の実施例に制限されるものではない。
図1〜図11に示す図に従う封止成形装置を用いて樹脂封止型半導体パッケージを製造した。封止用樹脂としては、住友ベークライト(株)社製のエポキシ樹脂成形材料スミコン「EME−7730」(商品名)を用いた。
また、成形条件としては、攪拌ポット(攪拌カップ32)の温度を100℃、攪拌時間を30秒、射出圧力を9MPa、射出時間を12秒、金型温度(下型1、上型2の温度)を175℃を採用した。
金型としては、24チップ/1フレームのチップサイズパッケージで一括成形用を用い、ボンデイングワイヤ(25μm径、長さ2.8mmのセミハード金線)により金線ボンディングされたリードフレームを金型にセットして成形し、封止された成形品について、未充填、外部ボイド、内部ボイド、ワイヤー流れを測定した。なお、表1におけるワイヤ流れの数値は18チップの最大変形量の平均で示している。
比較として、一般的なミニタブレットを使用し、型内予熱4秒とし、他の成形条件は同一としたマルチトランスファー成形と、ミニタブレットを型内予熱4秒とし、圧縮成形を行ったTAB圧縮成形との比較を行った。
結果を併せて表1に示した。
Figure 0004479442
<測定方法>
成形品の20個を無作為に抽出し、以下の評価方法に従って測定した。
1.未充填(ショートショット):目視で表面の未充填個所の有無を観察した。2.外部ボイド:目視で表面のφ0.5mmを超える大きさのボイドの有無を観察した。
3.内部ボイド:成形品に軟X線を照射してφ0.3mmを超える大きさのボイドの有無を観察した。
なお、表1に示す数値は、分母は観察したパッケージ数(個数)であり、分子は異常が発生されたパッケージ数(個数)である。
4.ワイヤー流れ(金線変形):成形品に軟X線を照射して、ボンデイングワイヤの変形量を測定した。半導体(IC)素子端面とリード端子のボンデイング間の距離に対する最大ワイヤ変形量の比を%で示した。
この実施例2は、成形プランジャ3の先端面3aの形状を種々変化させた場合の、成形品の性能に及ぼす影響を確認する実施例である。
12チップ/1フレームの一括成形用(MAP)チップサイズパッケージCPSが用いられる。個々の半導体デバイスHのチップサイズは3.50mmであり、ボンディングワイヤーWは、25μm径、長さ3.30mmの高強度金線である。
また、成形条件としては、攪拌ポット温度を100℃、攪拌時間を30秒、射出圧力を9MPa、射出時間を8秒、金型温度(下型1、上型2の温度)を175℃を採用した。
先端面3aの形状を代えることにより、図12〜図14に示すとおりの凹凸マーク3ab´を有する製品(樹脂封止型半導体パッケージ)Pが得られることを除いては、実施例1に準じて成形した。
これにより、金線ボンディングされたリードフレームを金型にセットして成形し、封止された製品Pについて、実施例1と同様にして、未充填、外部ボイド、内部ボイド、ワイヤー流れを測定し、結果を表2に示した。なお、表2におけるワイヤ流れの数値は、パッケージ数n=3の最大変形量を平均値で示している。
Figure 0004479442
ここで、図12の実施例2では、製品外形線4ab´と凹凸マーク3ab´との間隔(底面4aの幅wに相当)が略0.3mmに設計され、プランジャ3の四角3Rの曲率半径が略2mmに設計されることにより、外形線4ab(図中、製品外形線4ab´)´で囲まれる領域の面積に対する先端面3a(図中凹凸マーク3ab´で囲まれる領域)の面積比が略96.5%に設計されている。
また、図13の比較例2では、底面4aの幅wが略0.6mmに設計され、プランジャ3の四角3Rの曲率半径が略10mmに設計されることにより、外形線4abで囲まれる面積に対する先端面3aの面積比が略85.2%になっている。
また、図14の比較例3では、本発明の比較例に係る金型の例であり、成形プランジャの先端面3aの形状が円形に設計され、外形線4abと外形線3abとの間の最小の幅wが略0.3mmに設計されることにより、外形線4abで囲まれる面積に対する先端面3aの面積比が76.5%になっている。
これにより、実施例2では、ダイシングラインDLは四隅DLaを含めて凹凸マーク3ab´の枠内にあるが、比較例2では、ダイシングラインDLの四隅DLaは、外形線3ab´の四隅3R´よりもはみ出しており、また、比較例3では、凹凸マーク3ab´が四隅の半導体パッケージHに大きく掛かっている。
以上の結果から、先端面3aの形状が相似形であることにより、また、成形プランジャの先端面の面積が、下型キャビティの底成形面の面積に対して、90%以上であることにより、未充填、外部ボイド、内部ボイド、ワイヤ流れが軽減されていることが理解される。
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
本発明は、半導体パッケージの大型化、薄型化、高集積化に際し、ワイヤー流れが発生しやすく、高信頼性が得られ難いパッケージに最適であり、樹脂の廃棄量を減らして有効活用を図ることができる樹脂封止型半導体パッケージの製造方法及び製造装置に適用できる。
さらに、本発明の製造方法によれば、製造工程のインライン化されて樹脂封止型半導体パッケージの製造工程が全自動化された場合にも、封止工程をインラインで行うことが可能である。
本発明の実施例に係る封止成形装置の下型の要部を示す平面図である。 図1の下型のX−X線で切断した場合の断面図である。 本発明の実施例に係る封止成形装置の全体を側面から示す説明図である。 図3のA矢視図である。 図3のB矢視図である。 図3のC矢視図である。 本発明の実施例に係る封止成形装置による封止の一工程である溶融樹脂MR供給後の下型の状況を説明する平面図である。 本発明の実施例に係る封止成形装置による封止の一工程である型締め後の状況を断面により説明する説明図である。 本発明の実施例に係る封止成形装置による封止の一工程である圧縮成形工程を断面により説明する説明図である。 図9により成形された成形品の形状を説明するための下型1を型開きした状態を平面により説明する説明図である。 本発明の実施例に係る封止成形装置による封止の一工程である脱型工程を説明するの説明図である。 本発明の実施例2に係る製品Pを説明する説明図である。 本発明の比較例2に係る製品Pを説明する説明図である。 本発明の比較例3に係る製品Pを説明する説明図である。 従来の封止成形装置による封止の工程を断面により説明する説明図である。 従来の封止成形装置による封止の工程を断面により説明する説明図
符号の説明
1…下型ブロック
2…上型ブロック
3…成形プランジャ
3a…先端面
3ab…外形線
3ab´…凹凸マーク
4…キャビティ成形部(モールド部)
4a…底面
4b…側面
4ab…外形線
4ab´…製品外形線
5…貫通部
6…進退機構
7…樹脂受入部
20…樹脂材料の供給装置
21…計量ユニット
25…計量ポット
31…撹拌ユニット
32…撹拌カップ
37…プランジャ
37a…撹拌棒
41…供給ユニット
45…上下動用モータ
51…移動ユニット
52…移動用モータ
61…成形金型(下型)
DL…ダイシングライン
DLa…角部
H…半導体デバイス
P…製品(樹脂封止型半導体パッケージ)
W…ワイヤー(ボンディングワイヤー)
w…幅

Claims (4)

  1. 型締機構及び成形プランジャの進退機構を有する成形装置であって、下型キャビティ部には、前記成形プランジャが後退した状態で先端面の上部に封止樹脂を受け入れる樹脂受入部を形成するとともに、前記成形プランジャが前進した状態で先端面が樹脂受入部に供給された封止樹脂を圧縮しつつ下型キャビティの底成形面を形成して成形する圧縮成形用の成形プランジャが進退可能に装填される下型と、該下型と型締機構により型締め可能な上型とから構成される金型と、該金型が開かれた状態で、前記樹脂受入部に攪拌溶融された封止用樹脂を供給する樹脂供給装置とを備えた封止成形装置において、
    固体の樹脂材料が加熱と撹拌とにより撹拌溶融された状態で封止用樹脂を前記樹脂受入部に供給する樹脂供給装置を備え、
    前記成形プランジャの先端面の外形状は、前記下型キャビティの底成形面の形状から、0.1〜0.5mmの範囲内で小さく実質的に相似形状に設計されていると共に、
    前記成形プランジャの先端面の面積は、前記下型キャビティの底成形面の面積に対して、90%以上であることを特徴とする封止成形装置。
  2. 請求項1に記載の装置を用い、
    (a)金型が開かれた状態で、樹脂供給装置において加熱されて撹拌溶融された状態の封止用の樹脂を樹脂受入部に供給する樹脂供給工程、
    (b)型締機構により上型と下型との型締めを行う型締工程、
    (c)成形プランジャの先端面を成形面まで上昇させて樹脂受入部に受け入れた溶融樹脂により半導体デバイスを封止して硬化させる圧縮成形工程、
    (d)金型を開放し、得られた樹脂封止型半導体パッケージを取り出す脱型工程を順次行うことを特徴とする樹脂封止型半導体パッケージの製造方法。
  3. 前記樹脂受入部に供給される樹脂の温度は80℃〜120℃の範囲内であり、かつ、該樹脂の粘度は50Pa・s〜350Pa・sの範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の樹脂封止半導体パッケージの製造方法。
  4. 請求項2または3に記載の樹脂封止型半導体パッケージの製造方法により得られた樹脂封止型半導体パッケージの底面に形成された成形用プランジャの先端面の外形形状に沿った凹凸線の枠内でダイシングすることを特徴とする樹脂封止型半導体パッケージの製造方法。
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