図1は、本発明の実施の形態における遊技機を適用して構成した遊技機の装置構成図の一例であって、図2は、本発明のガラス枠を開放させた状態の遊技機1の斜視図であり、図3は、1つの遊技機1の裏面側の斜視図である。
遊技機1は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠60と、その外枠60と回動可能に支持されたガラス枠50とが備えられている(図1、図2参照)。また、外枠60には、遊技球が流下する遊技領域6が形成された遊技盤2が設けられている。ガラス枠50には、回動操作されることにより遊技領域6に向けて遊技球を発射させる操作ハンドル3と、スピーカからなる音声出力装置32と、複数のランプを有する演出用照明装置34と、押圧操作により演出態様を変更させるための演出ボタン35とが設けられている。
さらに、ガラス枠50には、複数の遊技球を貯留する受け皿40が設けられており、この受け皿40は、操作ハンドル3の方向側に遊技球が流下するように下りの傾斜を有している(図2参照)。この受け皿40の下りの傾斜の端部には、遊技球を受け入れる受入口が設けられており、この受入口に受け入れられた遊技球は、玉送りソレノイド4bが駆動することにより、ガラス枠50の裏面に設けられた玉送り開口部41へ1個ずつ送り出される。
そして、玉送り開口部41へ送り出された遊技球は、打出部材4cの方向に向けて下り傾斜を有している発射レール42により、発射レール42の下り傾斜の端部に誘導される。発射レール42の下り傾斜の端部の上方には、遊技球を停留させる停止するストッパー43が設けられており、玉送り開口部41から送り出された遊技球は、発射レール42の下り傾斜の端部で1個の遊技球が停留されることになる(図2参照)。
そして、遊技者が操作ハンドル3を回動させると、操作ハンドル3に直結している発射ボリューム3bも回動し、発射ボリューム3bにより遊技球の発射強度が調整され、調整された発射強度で発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cが回転する。この打出部材4cが回転することで、打出部材4cにより発射レール42の下り傾斜の端部に貯留されている遊技球が打ち出され、遊技球が遊技領域6に発射されることとなる。
上記のようにして発射された遊技球は、発射レール42からレール5a、5b間を上昇して玉戻り防止片5cを超えると、遊技領域6に到達し、その後遊技領域6内を落下する。このとき、遊技領域6に設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
また、上記遊技領域6には、複数の一般入賞口12が設けられている。これら各一般入賞口12には、一般入賞口検出スイッチ12aが設けられており、この一般入賞口検出スイッチ12aが遊技球の入賞を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
また、上記遊技領域6の中央下側の領域には、遊技球が入球可能な始動領域を構成する第1始動口14および第2始動口15と、遊技球が入球可能な第2大入賞口17とが設けられている。
この第2始動口15は、一対の可動片15bを有しており、これら一対の可動片15bが閉状態に維持される第1の態様と、一対の可動片15bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。なお、第2始動口15が上記第1の態様に制御されているときには、当該第2始動口15の真上に位置する第2大入賞口17の入賞部材が障害物となって、遊技球の受入れを不可能としている。
一方で、第2始動口15が上記第2の態様に制御されているときには、上記一対の可動片15bが受け皿として機能し、第2始動口15への遊技球の入賞が容易となる。つまり、第2始動口15は、第1の態様にあるときには遊技球の入賞機会がなく、第2の態様にあるときには遊技球の入賞機会が増すこととなる。
ここで、第1始動口14には遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ14aが設けられ、第2始動口15には遊技球の入球を検出する第2始動口検出スイッチ15aが設けられている。そして、第1始動口検出スイッチ14aまたは第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出すると、特別図柄判定用乱数値等を取得し、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。
また、第1始動口検出スイッチ14aまたは第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出した場合にも、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
また、第2大入賞口17は、遊技盤2に形成された開口部から構成されている。この第2大入賞口17の下部には、遊技盤面側からガラス板52側に突出可能な第2大入賞口開閉扉17bを有しており、この第2大入賞口開閉扉17bが遊技盤面から突出する開放状態と、遊技盤面に埋没する閉鎖状態とに可動制御される。
そして、第2大入賞口開閉扉17bが遊技盤面に突出していると、遊技球を第2大入賞口17内に導く受け皿として機能し、遊技球が第2大入賞口17に入球可能となる。この第2大入賞口17には第2大入賞口検出スイッチ17aが設けられており、この第2大入賞口検出スイッチ17aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
さらに、上記遊技領域6の右側の領域には、遊技球が通過可能な普通領域を構成する普通図柄ゲート13と、遊技球が入球可能な第1大入賞口16とが設けられている。
このため、操作ハンドル3を大きく回動させ、強い力で打ち出された遊技球でないと、普通図柄ゲート13と第1大入賞口16とには遊技球が、通過または入賞しないように構成されている。
特に、後述する時短遊技状態に移行したとしても、遊技領域6の左側の領域に遊技球を流下させてしまうと、普通図柄ゲート13に遊技球が通過しないことから、第2始動口15にある一対の可動片15bが開状態とならず、第2始動口15に遊技球が入賞することが困難になるように構成されている。
この普通図柄ゲート13には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ13aが設けられており、このゲート検出スイッチ13aが遊技球の通過を検出すると、普通図柄判定用乱数値を取得し、後述する「普通図柄の抽選」が行われる。
第1大入賞口16は、通常は第1大入賞口開閉扉16bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技が開始されると、第1大入賞口開閉扉16bが開放されるとともに、この第1大入賞口開閉扉16bが遊技球を第1大入賞口16内に導く受け皿として機能し、遊技球が第1大入賞口16に入球可能となる。第1大入賞口16には第1大入賞口検出スイッチ16aが設けられており、この第1大入賞口検出スイッチ16aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
さらには、遊技領域6の最下部の領域には、一般入賞口12、第1始動口14、第2始動口15、第1大入賞口16および第2大入賞口17のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口11が設けられている。
また、遊技領域6の中央には、遊技球の流下に影響を与える飾り部材7が設けられている。この飾り部材7の略中央部分には、液晶表示装置(LCD)31が設けられており、この液晶表示装置31の上方には、ベルトの形をした演出用駆動装置33が設けられている。
この液晶表示装置31は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、後述する大当りの抽選結果を報知するための3個の演出図柄36が表示され、特定の演出図柄36の組合せ(例えば、777等)が停止表示されることにより、大当りの抽選結果として大当りが報知される。
より具体的には、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときには、3個の演出図柄36をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、演出図柄36を停止表示するものである。また、この演出図柄36の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクタ等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにもしている。
上記演出用駆動装置33は、その動作態様によって遊技者に期待感を与えるものである。演出用駆動装置33は、例えば、ベルトが下方に移動したり、ベルト中央部の回転部材が回転したりする動作を行う。これら演出用駆動装置33の動作態様によって、遊技者にさまざまな期待感を与えるようにしている。
さらに、上記の各種の演出装置に加えて、音声出力装置32は、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力し、サウンドによる演出を行い、演出用照明装置34は、各ランプの光の照射方向や発光色を変更して、照明による演出を行うようにしている。
また、演出ボタン35は、例えば、上記液晶表示装置31に当該演出ボタン35を操作するようなメッセージが表示されたときのみ有効となる。演出ボタン35には、演出ボタン検出スイッチ35aが設けられており、この演出ボタン検出スイッチ35aが遊技者の操作を検出すると、この操作に応じてさらなる演出が実行される。
遊技領域6の右下方には、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、普通図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示器23、第2特別図柄保留表示器24、普通図柄保留表示器25が設けられている。
上記第1特別図柄表示装置20は、第1始動口14に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するものであり、7セグメントのLEDで構成されている。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置20に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
ここで、「大当たりの抽選」とは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに、特別図柄判定用乱数値を取得し、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定する処理をいう。この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、第1特別図柄表示装置20において特別図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
なお、第2特別図柄表示装置21は、第2始動口15に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様は、上記第1特別図柄表示装置20における特別図柄の表示態様と同一である。
また、本実施形態において「大当たり」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たり遊技を実行する権利を獲得したことをいう。「大当たり遊技」においては、第1大入賞口16または第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を計15回行う。各ラウンド遊技における第1大入賞口16または第2大入賞口17の最大開放時間については予め定められた時間が設定されており、この間に第1大入賞口16または第2大入賞口17に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。
つまり、「大当たり遊技」は、第1大入賞口16または第2大入賞口17に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できる遊技である。
また、普通図柄表示装置22は、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。詳しくは後述するが、この普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置22が点灯し、その後、上記第2始動口15が所定時間、第2の態様に制御される。
ここで、「普通図柄の抽選」とは、普通図柄ゲート13に遊技球が通過したときに、普通図柄判定用乱数値を取得し、取得した普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、普通図柄ゲート13を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、普通図柄表示装置22において普通図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで、大当たりの抽選の権利が保留される。
より詳細には、第1始動口14に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第1保留として記憶し、第2始動口15に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第2保留として記憶する。
これら両保留は、それぞれ上限保留個数を4個に設定し、その保留個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24とに表示される。
なお、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の左側のLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の2つのLEDが点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の左側のLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の2つのLEDが点滅する。
また、第2特別図柄保留表示器24においても、上記と同様に第2保留の保留個数が表示される。
そして、普通図柄の上限保留個数も4個に設定されており、その保留個数が、上記第1特別図柄保留表示器23および第2特別図柄保留表示器24と同様の態様によって、普通図柄保留表示器25において表示される。
ガラス枠50は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板52を支持している。なお、ガラス板52は、ガラス枠50に対して着脱可能に固定されている。
またガラス枠50は、左右方向の一端側(たとえば遊技機1に正対して左側)においてヒンジ機構部51を介して外枠60に連結されており、ヒンジ機構部51を支点として左右方向の他端側(たとえば遊技機1に正対して右側)を外枠60から開放させる方向に回動可能とされている。ガラス枠50は、ガラス板52とともに遊技盤2を覆い、ヒンジ機構部51を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠60の内側部分を開放することができる。
ガラス枠50の他端側には、ガラス枠50の他端側を外枠60に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ガラス枠50には、ガラス枠50が外枠60から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ133も設けられている。
遊技機1の裏面には、図3に示すように、主制御基板110、演出制御基板120、払出制御基板130、電源基板170、遊技情報出力端子板30などが設けられている。また、電源基板170に遊技機1に電力を給電するための電源プラグ171や、図示しない電源スイッチが設けられている。
次に、図4の遊技機1全体のブロック図を用いて、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。
主制御基板110は遊技の基本動作を制御する主制御手段であり、第1始動口検出スイッチ14a等の各種検出信号を入力して、第1特別図柄表示装置20や第1大入賞口開閉ソレノイド16c等を駆動させて遊技を制御するものである。
この主制御基板110は、メインCPU110a、メインROM110bおよびメインRAM110cから構成されるワンチップマイコン110mと、主制御用の入力ポートと出力ポート(図示せず)と少なくとも備えている。
この主制御用の入力ポートには、払出制御基板130、一般入賞口12に遊技球が入球したことを検知する一般入賞口検出スイッチ12a、普通図柄ゲート13に遊技球が入球したことを検知するゲート検出スイッチ13a、第1始動口14に遊技球が入球したことを検知する第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口15に遊技球が入球したことを検知する第2始動口検出スイッチ15a、第1大入賞口16に遊技球が入球したことを検知する第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口17に遊技球が入球したことを検知する第2大入賞口検出スイッチ17aが接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板110に入力される。
また、主制御用の出力ポートには、払出制御基板130、第2始動口15の一対の可動片15bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド15c、第1大入賞口開閉扉16bを動作させる第1大入賞口開閉ソレノイド16c、第2大入賞口開閉扉17bを動作させる第2大入賞口開閉ソレノイド17c、特別図柄を表示する第1特別図柄表示装置20と第2特別図柄表示装置21、普通図柄を表示する普通図柄表示装置22、特別図柄の保留球数を表示する第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24、普通図柄の保留球数を表示する普通図柄保留表示器25、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板30が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。
メインCPU110aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM110bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。
主制御基板110のメインROM110bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。例えば、大当たり抽選に参照される大当り判定テーブル、普通図柄の抽選に参照される当り判定テーブル、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル、大当たり終了後の遊技状態を決定するための大当たり遊技終了時設定データテーブル、大入賞口開閉扉の開閉条件を決定する特別電動役物作動態様決定テーブル、大入賞口開放態様テーブル、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル等がメインROM110bに記憶されている。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板110のメインRAM110cは、メインCPU110aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
例えば、メインRAM110cには、普通図柄保留数(G)記憶領域、普通図柄保留記憶領域、普通図柄データ記憶領域、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域、第1特別図柄乱数値記憶領域、第2特別図柄乱数値記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、大入賞口入球数(C)記憶領域、遊技状態記憶領域(高確率遊技フラグ記憶領域と時短遊技フラグ記憶領域)、高確率遊技回数(X)カウンタ、時短回数(J)カウンタ、遊技状態バッファ、停止図柄データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタなど各種のタイマカウンタが設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
遊技情報出力端子板30は、主制御基板110において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板30は、主制御基板110と配線接続され、外部情報を遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
電源基板170は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機1に電源電圧を供給するとともに、遊技機1に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板110に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU110aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU110aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
演出制御基板120は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板120は、サブCPU120a、サブROM120b、サブRAM120cを備えており、主制御基板110に対して、当該主制御基板110から演出制御基板120への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU120aは、主制御基板110から送信されたコマンド、または、上記演出ボタン検出スイッチ35a、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM120bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板140または画像制御基板150に送信する。サブRAM120cは、サブCPU120aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
例えば、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、主制御基板110から特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、液晶表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34に所定の演出を実行させるためのデータを生成し、かかるデータを画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。
演出制御基板120のサブROM120bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための演出パターン決定テーブル、停止表示する演出図柄36の組み合わせを決定するための演出図柄決定テーブル等がサブROM120bに記憶されている。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板120のサブRAM120cは、サブCPU120aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
サブRAM120cには、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
払出制御基板130は、遊技球の払い出し制御を行う。この払出制御基板130は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備えており、主制御基板110に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPUは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数検知スイッチ132、扉開放スイッチ133、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板110に送信する。
また、払出制御基板130の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の遊技球を払い出すための払出装置の払出モータ131が接続されている。払出CPUは、主制御基板110から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROMから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、払出装置の払出モータ131を制御して所定の遊技球を払い出す。
このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
ランプ制御基板140は、遊技盤2に設けられた演出用照明装置34を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。また、演出用駆動装置33を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板140は、演出制御基板120に接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
画像制御基板150は、上記液晶表示装置31および音声出力装置32と接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、液晶表示装置31における画像の表示制御、音声出力装置32における音声の出力制御を行う。
画像制御基板150の詳しい説明は、図5の画像制御基板のブロック図を用いて以下で説明する。
次に、図5の画像制御基板150のブロック図を用いて、画像表示制御について説明する。
画像制御基板150は、液晶表示装置31の画像表示制御を行うためホストCPU150a、ホストRAM150b、ホストROM150c、CGROM151、水晶発振器152、VRAM153、VDP(Video Display Processor)2000と、音制御回路3000とを備えている。
ホストCPU150aは、演出制御基板120から受信した演出パターン指定コマンドに基づいて、VDP2000にCGROM151に記憶されている画像データを液晶表示装置31に表示させる指示を行う。かかる指示は、VDP2000における制御レジスタにおけるデータの設定、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストの出力によって行われる。
また、ホストCPU150aは、VDP2000からVブランク割込信号や描画終了信号を受信すると、適宜割り込み処理を行う。
さらに、ホストCPU150aは、音制御回路3000にも、演出制御基板120から受信した演出パターン指定コマンドに基づいて、所定の音声データを音声出力装置32に出力させる指示を行う。
ホストRAM150bは、ホストCPU150aに内蔵されており、ホストCPU150aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、ホストROM150cから読み出されたデータを一時的に記憶するものである。
また、ホストROM150cは、マスクROMで構成されており、ホストCPU150aの制御処理のプログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報等が記憶されている。
このアニメパターンは、演出パターンのアニメーションを表示するにあたり参照され、その演出パターンに含まれるアニメシーン情報の組み合わせや各アニメシーン情報の表示順序等を記憶している。また、アニメシーン情報には、ウェイトフレーム(表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、パラメータ(スプライトの表示位置、転送先アドレス等)、描画方法等などの情報を記憶している。
CGROM151は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば、32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなる画像データ(スプライト、ムービー)等を圧縮して記憶している。なお、前記画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。
さらに、CGROM151には、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータを圧縮せずに記憶している。
なお、CGROM151は、全ての画像データを圧縮せずとも、一部のみ圧縮している構成でもよい。また、ムービーの圧縮方式としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
水晶発振器152は、パルス信号をVDP2000に出力し、このパルス信号を分周することで、VDP2000が制御を行うためのシステムクロック、液晶表示装置31と同期を図るための同期信号等が生成される。
VRAM153は、画像データの書込みまたは読み出しが高速なSRAMで構成されている。
また、VRAM153は、ホストCPU150aから出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するディスプレイリスト記憶領域153aと、伸長回路により伸長された画像データを記憶する展開記憶領域153bと、画像を描画または表示するための第1フレームバッファ153c、第2フレームバッファ153dとを有している。また、VRAM153には、パレットデータも記憶される。
なお、この2つのフレームバッファは、描画の開始毎に、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とに交互に切り替わるものである。
VDP2000は、いわゆる画像プロセッサであり、ホストCPU150aからの指示に基づいて、いずれかのフレームバッファ(表示用フレームバッファ)から画像データを読み出し、読み出した画像データに基づいて、映像信号(RGB信号等)を生成して、液晶表示装置に出力するものである。
また、VDP2000は、演出制御部200のほか、図示しない制御レジスタ、CGバス I/F、CPU I/F、クロック生成回路、伸長回路、描画回路、表示回路、メモリコントローラとを備え、バスによって接続されている。この演出制御部200において行われる処理の流れを図18および図19に示し、以下で説明する。
制御レジスタは、VDP2000が描画や表示の制御を行うためレジスタであり、制御レジスタに対するデータの書き込みと読み出しで、描画の制御や表示の制御が行われる。ホストCPU150aは、CPU I/Fを介して、制御レジスタに対するデータの書き込みと読み出しを行うことができる。
この制御レジスタは、VDP2000が動作するために必要な基本的な設定を行うシステム制御レジスタと、データの転送に必要な設定をするデータ転送レジスタと、描画の制御をするための設定をする描画レジスタと、バスのアクセスに必要な設定をするバスインターフェースレジスタと、圧縮された画像の伸長に必要な設定をする伸長レジスタと、表示の制御をするための設定をする表示レジスタと、6種類のレジスタを備えている。
CGバス I/Fは、CGROM151との通信用のインターフェース回路であり、CGバス I/Fを介して、CGROM151からの画像データがVDP2000に入力される。
また、CPU I/Fは、ホストCPU150aとの通信用のインターフェース回路であり、CPU I/Fを介して、ホストCPU150aがVDP2000にディスプレイリストを出力したり、制御レジスタにアクセスしたり、VDP2000からの各種の割込信号をホストCPU150aが入力したりする。
データ転送回路は、各種デバイス間のデータ転送を行う。
具体的には、ホストCPU150aとVRAM153とのデータ転送、CGROM151とVRAM153とのデータ転送、VRAM153の各種記憶領域(フレームバッファも含む)の相互間のデータ転送を行う。
クロック生成回路は、水晶発振器152よりパルス信号を入力し、VDP2000の演算処理速度を決定するシステムクロックを生成する。また、同期信号生成用クロックを生成し、表示回路を介して同期信号を液晶表示装置31に出力する。
伸長回路は、CGROM151に圧縮された画像データを伸長するための回路であり、伸長した画像データを展開記憶領域153bに記憶させる。
描画回路は、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストによるシーケンス制御を行う回路である。
表示回路は、VRAM153にある「表示用フレームバッファ」に記憶された画像データ(デジタル信号)から、映像信号として画像の色データを示すRGB信号(アナログ信号)を生成し、生成した映像信号(RGB信号)を液晶表示装置31に出力する回路である。さらに、表示回路は、液晶表示装置31と同期を図るための同期信号(垂直同期信号、水平同期信号等)も液晶表示装置31に出力する。
なお、本実施形態では、映像信号として、デジタル信号をアナログ信号に変換したRGB信号を液晶表示装置31に出力するように構成したが、デジタル信号のまま映像信号を出力してもよい。
メモリコントローラは、ホストCPU150aからフレームバッファ切換えの指示があると、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とを切り替える制御を行うものである。
音制御回路3000には、音声データが多数格納されている音声ROMが備えられており、音制御回路が、演出制御基板120から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置32における音声出力制御をする。
図6は、本発明の実施の形態における遊技機を適用して構成した遊技機の演出制御部の詳細な構成を示すブロック図である。
図6において、演出制御部200は、受信部201、条件判断部202、条件記憶部203、演出制御処理部204、演出順番情報計数制御部205、先取得処理部206、一時保持部207、遊技状態判別部208、3次元仮想空間形成制御部209、3次元仮想空間形成情報記憶部210、保存部211、表示制御処理部212を具備して構成される。
遊技中や待機中等の各演出を制御している演出制御基板120から所定の演出を実行させるためのデータ(演出パターン指定コマンドなど)を受信した画像制御基板150のホストCPU150aが、VDP2000に対してCGROM151に記憶されている画像データを液晶表示装置31に表示させる指示を行うことにより、この指示を演出制御部200の受信部201において受信する。
この受信部201では、この指示に基づくデータを条件判断部202へと送出する。
条件判断部202では、受信部201より送出されてくるデータが、3次元仮想空間に配置された3次元オブジェクトを仮想カメラにより撮像することで写像した演出画像の表示要求であって、その3次元仮想空間を大当たり抽選処理の抽選結果およびそのときの遊技状態に基づいて形成する演出モードであるかを条件記憶部203で記憶する条件に基づいて判断する。
この3次元仮想空間は、「3次元仮想環境」とも呼ばれ、バーチャルリアリティーによる「縦」、「横」、「高さ」の情報を仮想空間上に表現し、現実空間と同じようにオブジェクトを遊技者に提示される環境である。この「縦」、「横」の情報は、それぞれ「幅」、「奥行き」の情報とも称される。この3次元仮想空間には、3次元オブジェクトが配置されることによって仮想的なリアリティー空間が再現される。
この3次元仮想空間を撮像する仮想カメラは、3次元仮想空間に配置された3次元オブジェクトを撮像して写像した演出画像を液晶表示装置31に表示する際の視点を定義するものである。このとき、3次元仮想空間上を移動するキャラクタを3次元オブジェクトとして配置すると、この3次元オブジェクトを特に「キャラクタオブジェクト」と称する。
条件判断部202によって、3次元仮想空間上に配置された3次元オブジェクトを仮想カメラによって撮像して写像した演出画像の表示要求であると判断されると、条件判断部202は、演出制御処理部204に対して演出の処理要求を行うとともに、演出順番情報計数制御部205に対して「演出順番情報」に基づく計数制御を指示する。
この演出制御処理部204で行われる演出処理は、演出内容を判断し、判断した演出内容に基づいた演出画像を生成するための情報を表示指示として表示制御処理部212へと送出する。
演出制御処理部204からキャラクタオブジェクトの視線(視界(表示領域))の変更指示(仮想カメラの撮像方向、撮像倍率の変更指示)若しくはキャラクタオブジェクト間の視線(表示領域)の変更指示を受け付けると、表示制御処理部212は、変更後の視線(表示領域)をその仮想カメラにより撮像されて写像した演出画像を描画(レンダリング)して液晶表示装置にその演出画像を表示する。
このときの描画処理は、まず、仮想カメラにより定義される視点を決定する処理を行う。これは、カメラから見える範囲を決定する処理である。この視点の決定が行われると、次に、決定した視点により表示画像が描画されたときに表示画面上の表示位置を決定する。
表示位置として、カメラの方向情報、拡縮度合い(ズーム値)、表示画面の縦横比(アスペクト比)を決定する。このときのズーム値は、3次元仮想空間におけるズーム値であることから水平方向用のズーム値(水平ズーム値)のほか、垂直方向用のズーム値(垂直ズーム値)を設定する。このときの水平ズーム値は、「X−Y平面」におけるズーム値であって、垂直ズーム値は、「X−Z平面」におけるズーム値として表すことができる。
表示画面上の表示位置が決定すると、可視対象となるオブジェクトを決定する。すなわち、カメラの視点から見えない(可視対象とならない)オブジェクトを除外する。
このようにして、表示画面に表示される表示画像を形成するパラメータ情報が決定すると、次に、可視対象のオブジェクトを構成する構成要素である幾何形状(「プリミティブ」ともいう)、例えば、ポリゴンの頂点座標を各オブジェクトのオブジェクト空間の座標系からワールド空間の座標系へと座標変換する。
続いて、ワールド空間の座標系に座標変換されたオブジェクトをカメラから見える視点のカメラ空間の座標系へと座標変換を行う。このカメラ空間は、表示画像が物語るシーンの視点(座標空間における原点)を定義するカメラによる仮想空間である。
このとき、カメラ空間の座標系におけるオブジェクトのプリミティブ(ポリゴン)の頂点座標を増減する処理を行うことも可能である。これは、例えば「ジオメトリシェーダ」等のソフトウェアによって行うことができる。
カメラ空間の座標系に座標変換されると、3次元オブジェクトを構成するポリゴン等のプリミティブのうち、カメラ空間で不要となる幾何形状を削除するカリング処理を行う。また、表示画面に表示する3次元オブジェクトだけをくり抜くクリッピング処理を行う。すなわち、このクリッピング処理によって、くり抜かれた以外の他の部分を表示しないこととなる。
このカリング処理およびクリッピング処理は、必須の処理ではなく、レンダリング処理の負担を軽減するために行われるものである。
続いて、3次元オブジェクトを構成する構成要素である幾何形状(プリミティブ)の頂点を投影し、カメラ空間における空間座標を2次元のスクリーン空間座標へ写像して、2次元空間の座標を生成する。この写像処理は、上記に示す、カリング処理やクリッピング処理を行う前に実行するような構成であってもよい。
このようにして、3次元オブジェクトが2次元空間のスクリーン空間座標へと変換されると、この座標をラスタライズ処理する。このラスタライズ処理によって、3次元オブジェクトを構成するポリゴンと表示画面の画素(ピクセル)とが対応付けられた状態となり、表示画像として表示画面に表示される状態となる。
そして、ラスタライズされた表示画像に陰影を設けるシェーディング処理(光源の設定処理)を行う。このほか、表示画像にα値を掛け合わせることで半透明な画像を複数、重ねるアルファブレンディングや、奥行き情報のメモリ領域(Zバッファ)を用いて手前にあるオブジェクトだけを描画するZバッファ処理を便宜、行うことも可能である。
このような処理によって表示画像がレンダリングされた状態となる。
レンダリング処理が行われた表示画像を、表示装置の表示画面に表示することによって、カメラの視点による画像が表示された状態となる。
このようにして、表示制御処理部212におけるレンダリング処理は、3次元オブジェクトの視線が変更することによって行われて表示される。
次に、条件判断部202から指示された演出順番情報計数制御部205では、条件判断部202から受信したデータに含まれる演出順番情報(以下、「先取得カウンタ値情報」ともいう)の計数制御処理を行い、計数制御処理が完了すると先取得処理部206に対して完了通知を行う。
このときの「取得カウンタ値情報」は、遊技媒体(遊技球)が始動口に入賞して大当たり抽選処理が保留されている全保留数のうちで大当たり抽選処理の結果を報知する順番を指定した情報であって、保留されている大当たり抽選処理が行われることによってその先取得カウンタ値情報が減少(デクリメント)されていき、「0(ゼロ)」となったときに、そのときの保留における大当たり抽選処理の抽選結果を報知する演出(「報知演出」ともいう)が行われるものである。
この演出順番情報計数制御部205によって計数制御処理を行った先取得カウンタ値情報は記憶領域(図示せず)に記憶しておき、デクリメントされることによって演出順番情報計数制御部205は記憶領域に記憶している先取得カウンタ値を更新していく。
そして、この記憶領域に記憶している先取得カウンタ値が「0(ゼロ)」となった場合、演出順番情報計数制御部205は、演出制御処理部204へとその旨を通知(以下、「順番到達通知」ともいう)する。
また、演出順番情報計数制御部205から完了通知を受信した先取得処理部206では、受信部201を介して、先取得カウンタ値の保留における大当たり抽選処理の抽選結果を先取得する。この先取得処理部206は、先取得した抽選結果情報を一時保持部207へと登録し、3次元仮想空間形成制御部209に対して完了通知を行うとともに、遊技状態判別部208に対して遊技状態の判別処理の指示を行う。
遊技状態判別部208では、受信部201を介して受信した遊技状態情報に基づいて、遊技状態を判別する。
このときの遊技状態は、少なくとも、大当たり抽選処理による抽選結果が「大当たり」となる確率状態(確率遊技状態)と、大当たり抽選処理の演出報知時間が短縮された時短によって報知される時短状態(時短遊技状態)とによって示される。
すなわち、遊技状態判別部208においては、確率遊技状態が通常の確率状態である「通常確率遊技状態」であるか、またはその通常確率遊技状態よりも「大当たり」となる確率が高い「高確率遊技状態」であるかが判別されるほか、時短状態が時短の遊技状態である「時短遊技状態」であるか、またはその時短状態ではない「非時短遊技状態」であるかの判別処理が行われる。
なお、「通常確率遊技状態」は、「高確率遊技状態」に対して「大当たり」となる確率が低いことから、「低確率遊技状態」とも称されることがある。
これによって、遊技状態判別部208では、(1)「通常確率遊技状態」であって「時短遊技状態」の「低確率時短遊技状態」であるか、(2)「通常確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」の「低確率非時短遊技状態」であるか、(3)「高確率遊技状態」であって「時短遊技状態」の「高確率時短遊技状態」であるか、(4)「高確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」の「高確率非時短遊技状態」であるか、のいずれかであるかを判別する。
この遊技状態判別部208の詳細な構成を図7に示し、以下で説明する。
遊技状態判別部208で遊技状態が判別されると、判別した遊技状態情報を一時保持部207へと登録し、3次元仮想空間形成制御部209に完了通知を行う。
3次元仮想空間形成制御部209では、先取得処理部206および遊技状態判別部208から完了通知を受信している場合に、一時保持部207に登録されている「抽選結果情報」および「遊技状態情報」を読み出し、この「抽選結果情報」によって指定されている抽選結果および「遊技状態情報」によって指定された遊技状態に対応する3次元仮想空間の形成制御処理を行う。
この3次元仮想空間の形成制御処理では、抽選結果および遊技状態を元に3次元仮想空間の空間形態を特定し、その空間形態に必要な「3次元仮想空間形成情報」を3次元仮想空間形成情報記憶部210から取得することによって3次元仮想空間を形成する。
これによって、抽選結果と遊技状態に基づいた3次元仮想空間が形成される。
3次元仮想空間形成情報記憶部210には、3次元仮想空間を形成するための「オブジェクト情報」および図21に示すような空間形態特定テーブルと図22に示すような空間識別テーブルとからなる「3次元仮想空間形成情報」が記憶されており、3次元仮想空間形成制御部209では、この「3次元仮想空間形成情報」の空間形態特定テーブルと空間識別テーブルとを用いて空間形態を特定し、その空間形態による「オブジェクト情報」を用いて3次元仮想空間を形成する。
図23、図24、図25には、3次元仮想空間形成制御部209において形成された3次元仮想空間の一部分の例を示している。
すなわち、抽選結果および遊技状態に基づいて作成される3次元仮想空間の例を示しており、例えば、図23は、遊技状態が「低確率非時短遊技状態」および「高確率非時短遊技状態」の場合に形成される3次元仮想空間の一例であって、図24は、遊技状態が「低確率時短遊技状態」の場合に形成される3次元仮想空間の一例であって、図25は、遊技状態が「高確率時短遊技状態」の場合に形成される3次元仮想空間の一例である。
図23、図24、図25に示している3次元仮想空間は、いずれも、3次元オブジェクトであるキャラクタオブジェクトの移動経路を示す3次元仮想空間の一部分を示す図であって、同一の空間位置から撮像したものである。
すなわち、この図23乃至図25では、キャラクタオブジェクトが突き当たりを右方向に移動できる移動経路を示している。
図23では、移動経路の左右の壁部がブロックによって構成された3次元仮想空間を示しており、図24では、移動経路の左右の壁部が複数の岩が重なることによって構成された3次元仮想空間を示しており、図25では、移動経路の左右の壁部が複数の支柱によって構成された3次元仮想空間を示している。
このような3次元仮想空間が形成されると、3次元仮想空間形成制御部209は、保存部211に形成した3次元仮想空間の空間情報を保存する。
そして、演出制御処理部204では、保存部211に保存されている3次元仮想空間の空間情報を用いて、キャラクタオブジェクトをその3次元仮想空間の移動経路を移動させる演出制御を行う。この演出制御処理では、演出順番情報計数制御部205において計数制御した先取得カウンタ値が「0(ゼロ)」となるときの演出に、抽選結果を報知する制御を行う。
この演出制御処理部204では、演出順番情報計数制御部205から先取得カウンタ値が「0(ゼロ)」となった「順番到達通知」が行われると、このときの大当たり抽選処理による抽選結果を報知する演出制御を行い、そのときの演出画像を表示制御処理部212で表示制御処理することによって液晶表示装置に表示する。
図23、図24、図25に示すような3次元仮想空間をキャラクタオブジェクトが移動したことによる演出制御により液晶表示装置に表示される演出画像の例を図26、図27、図28にそれぞれ示している。
図26は、図23に示すような3次元仮想空間をキャラクタオブジェクトが移動したときに表示される演出画像の一例であって、大当たり抽選処理の抽選結果(大当たり、ハズレ)ごとにそれぞれ5つの演出画像を示している。
いずれの抽選結果においても、まず、図26(a)に示すようなキャラクタオブジェクトが突き当たって右方向へ移動できる移動経路の画像が表示されており、この移動経路をキャラクタオブジェクトが移動することによって、突き当たりに到達し、右方向に移動したときの演出画像を図26(b)に示している。
図26(b)に示す演出画像は、遠くに光り輝くオブジェクトが視認できる画像であって、この図26(b)の状態からキャラクタオブジェクトが直進してその光り輝くオブジェクトと一定距離まで近づいた状態を図26(c)に示している。
すなわち、光り輝くオブジェクトに対して予め抽選結果を報知する「報知距離」が指定されており、その報知距離以下にキャラクタオブジェクトが近づいた状態である。
この図26(a)および図26(b)および図26(c)に示される演出画像は、3次元仮想空間を移動する3次元オブジェクトであるキャラクタオブジェクトの視線である仮想カメラから撮像した画像である。
そして、「報知距離」以下となることで、抽選結果ごとに、キャラクタオブジェクトの異なる報知演出が行われた状態を図26(d−1)と図26(d−2)に示している。図26(d−1)は、大当たり抽選結果が「大当たり」である場合に図26(c)から遷移する演出画像を示しており、図26(d−2)は、大当たり抽選結果が「ハズレ」である場合に図26(c)から遷移する演出画像を示している。
すなわち、図26(d−1)では、キャラクタオブジェクトがその光り輝くオブジェクト内に進むことができる報知演出が行われたときの演出画像を示しており、この報知演出により抽選結果が「大当たり」であることを報知する図26(e−1)に示すような演出画像が表示される。
また、図26(d−2)では、キャラクタオブジェクトが光り輝くオブジェクト内で落下してしまう報知演出が行われたときの演出画像を示しており、この報知演出により抽選結果が「ハズレ」であることを報知する図26(e−2)に示すような演出画像が表示される。
図27および図28は、その壁部の表示形態が遊技状態によって異なるものであるが、図27(a)および図28(a)が図26(a)に対応し、図27(b)および図28(b)が図26(b)に対応し、図27(c)および図28(c)が図26(c)に対応するものである。
すなわち、先取得情報および遊技状態情報に基づいて図26、図27、図28のいずれかの演出画像により抽選結果の報知演出が行われる。
図7は、図6に示す遊技状態判別部208の詳細な構成を示すブロック図である。
図7に示す遊技状態判別部208は、通知受信部208−1、確率遊技状態判別部208−2、時短状態判別部208−3、遊技状態特定部208−4を具備して構成されている。
図6に示す先取得処理部206からの完了通知を通知受信部208−1で受信すると、通知受信部208−1では、確率遊技状態判別部208−2へとその旨を通知する。この確率遊技状態判別部208−2では、図6に示す受信部201から遊技状態情報を受信すると、その遊技状態情報において指定された確率遊技状態を判別する。すなわち、確率遊技状態が通常の確率状態である「通常確率遊技状態」であるか、またはその通常確率遊技状態よりも「大当たり」となる確率が高い「高確率遊技状態」であるかを判別する。
確率遊技状態を判別すると、確率遊技状態判別部208−2は、時短状態判別部208−3に対して遊技状態情報を送出し、さらに遊技状態特定部208−4へと判別した確率遊技状態の情報を送出する。
時短状態判別部208−3では、時短状態が時短の遊技状態である「時短遊技状態」であるか、またはその時短状態ではない「非時短遊技状態」であるかの判別処理が行われる。この判別処理が行われると、時短状態判別部208−3は、遊技状態特定部208−4へと判別した時短遊技状態の情報を送出する。
これによって、遊技状態特定部208−4では、確率遊技状態判別部208−2から送出されてきた確率遊技状態の情報および時短状態判別部208−3から送出されてきた時短遊技状態の情報に基づいて遊技状態を特定する。この遊技状態特定部208−4では、遊技状態が「低確率時短遊技状態」であるか、「低確率非時短遊技状態」であるか、「高確率時短遊技状態」であるか、「高確率非時短遊技状態」であるかを特定する。
遊技状態特定部208−4によって遊技状態が特定されると、図6に示す一時保持部207へと遊技状態情報として登録する。
図8は、図6に示す3次元仮想空間形成制御部209の詳細な構成を示すブロック図である。
図8に示す3次元仮想空間形成制御部209は、通知受信部209−1、情報取得部209−2、空間形態特定処理部209−3、情報読出し制御部209−4、3次元仮想空間形成部209−5、登録処理部209−6を具備して構成されている。
図6に示す先取得処理部206からの完了通知および図6に示す遊技状態判別部208からの完了通知を通知受信部209−1で受信すると、通知受信部209−1では、情報取得部209−2へと3次元仮想空間の形成指示を通知する。
情報取得部209−2では、通知受信部209−1からこの形成指示が行われることによって図6に示す一時保持部207で保持している、「抽選結果情報」および「遊技状態情報」を取得し(読み出し)、空間形態特定処理部209−3へと送出する。
空間形態特定処理部209−3では、情報読出し制御部209−4に対して情報の読出しを指示する。情報読出し制御部209−4では、図6に示す3次元仮想空間形成情報記憶部210で記憶している「3次元仮想空間形成情報」を読み出し、この「3次元仮想空間形成情報」を構成する、図21に示すような空間形態特定テーブルと図22に示すような空間識別テーブルとから、空間形態を特定する。
さらに、情報読出し制御部209−4は、3次元仮想空間形成部209−5へと「3次元仮想空間形成情報」を構成するオブジェクト情報を送出する。
空間形態を特定した空間形態特定処理部209−3は3次元仮想空間形成部209−5に対してこの空間形態の情報を送出する。この3次元仮想空間形成部209−5では、空間形態特定処理部209−3から送出されてきた空間形態の情報に基づいて、情報読出し制御部209−4から送出されてきたオブジェクト情報を用いて3次元仮想空間を形成する。
なお、この形成処理において、3次元オブジェクトとして仮想空間を移動するキャラクタオブジェクトが設定されている場合には予め指定された空間位置にキャラクタオブジェクトを配置する。
そして、登録処理部209−6は、形成した3次元仮想空間の情報を図6に示す保存部211へと保存登録する。
次に、遊技機1における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
図9を用いて、主制御基板110のメイン処理を説明する。
電源基板170により電源が供給されると、メインCPU110aにシステムリセットが発生し、メインCPU110aは、以下のメイン処理を行う。
まず、ステップS10において、メインCPU110aは、初期化処理を行う。この処理において、メインCPU110aは、電源投入に応じて、メインROM110bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM110cに記憶されるフラグなどを初期化する処理を行う。
ステップS20において、メインCPU110aは、特別図柄の変動態様(変動時間)を決定するためのリーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値の更新を行う演出用乱数値更新処理を行う。
ステップS30において、メインCPU110aは、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、小当たり図柄用初期値乱数値、普通図柄判定用初期乱数値の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS20とステップS30との処理を繰り返し行う。
図10を用いて、主制御基板110のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板110に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS100において、メインCPU110aは、メインCPU110aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS110において、メインCPU110aは、特別図柄時間カウンタの更新処理、特別電動役物の開放時間等などの特別遊技タイマカウンタの更新処理、普通図柄時間カウンタの更新処理、普電開放時間カウンタの更新処理等の各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。具体的には、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタ、普通図柄時間カウンタ、普電開放時間カウンタから1を減算する処理を行う。
ステップS120において、メインCPU110aは、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、普通図柄判定用乱数値の乱数更新処理を行う。
具体的には、それぞれの乱数値及び乱数カウンタを+1加算して更新する。なお、加算した乱数カウンタが乱数範囲の最大値を超えた場合(乱数カウンタが1周した場合)には、乱数カウンタを0に戻し、その時の初期乱数値からそれぞれの乱数値を新たに更新する。
ステップS130において、メインCPU110aは、ステップS30と同様に、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、小当たり図柄用初期値乱数値、普通図柄判定用初期乱数値を更新する初期乱数値更新処理を行う。
ステップS200において、メインCPU110aは、入力制御処理を行う。
この処理において、メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ12a、第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口検出スイッチ17a、第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口検出スイッチ15a、ゲート検出スイッチ13aの各スイッチに入力があったか否か判定する入力処理を行う。
具体的には、一般入賞口検出スイッチ12a、第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口検出スイッチ17a、第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口検出スイッチ15aからの各種検出信号を入力した場合には、それぞれの入賞口毎に設けられた賞球のために用いる賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
さらに、第1始動口検出スイッチ14aから検出信号を入力した場合には、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に1を加算し、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値を取得して、取得した各種乱数値を第1特別図柄乱数値記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
同様に、第2始動口検出スイッチ15aから検出信号を入力した場合には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1を加算し、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値を取得して、取得した各種乱数値を第2特別図柄乱数値記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
また、ゲート検出スイッチ13aから検出信号を入力した場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、普通図柄保留数(G)記憶領域に1を加算し、普通図柄判定用乱数値を取得して、取得した普通図柄判定用乱数値を普通図柄保留記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
さらに、第1大入賞口検出スイッチ16aまたは第2大入賞口検出スイッチ17aからの検出信号を入力した場合には、第1大入賞口16または第2大入賞口17に入賞した遊技球を計数するための大入賞口入球数(C)記憶領域に1を加算して更新する。
ステップS300において、メインCPU110aは、大当たりの抽選、特別電動役物、遊技状態の制御を行うための特図特電制御処理を行う。
ステップS400において、メインCPU110aは、普通図柄の抽選、普通電動役物の制御を行うための普図普電制御処理を行う。
具体的には、まず普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされているか否かを判定し、普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされていなければ、今回の普図普電制御処理を終了する。
普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされていれば、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、普通図柄保留記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された普通図柄判定用乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、既に第0記憶部に書き込まれていた普通図柄判定用乱数値は上書きされて消去されることとなる。
そして、普通図柄保留記憶領域の第0記憶部に記憶された普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理を行う。その後、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示を行って、普通図柄の変動時間が経過すると普通図柄の抽選の結果に対応する普通図柄の停止表示を行う。そして、参照した普通図柄判定用乱数値が「当たり」のものであれば、始動口開閉ソレノイド15cを駆動させ、第2始動口15を所定の開放時間、第2の態様に制御する。
ここで、非時短遊技状態であれば、普通図柄の変動時間を29秒に設定し、「当たり」であると第2始動口15を0.2秒間、第2の態様に制御する。これに対して、時短遊技状態であれば、普通図柄の変動時間を0.2秒に設定し、「当たり」であると第2始動口15を3.5秒間、第2の態様に制御する。
ステップS500において、メインCPU110aは、払出制御処理を行う。
この払出制御処理において、メインCPU110aは、それぞれの賞球カウンタを参照し、各種入賞口に対応する払出個数指定コマンドを生成して、生成した払出個数指定コマンドを払出制御基板130に送信する。
ステップS600において、メインCPU110aは、外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータ、特別図柄表示装置データ、普通図柄表示装置データ、記憶数指定コマンドのデータ作成処理を行う。
ステップS700において、メインCPU110aは、出力制御処理を行う。この処理において、上記S600で作成した外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータの信号を出力させるポート出力処理を行う。
また、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21および普通図柄表示装置22の各LEDを点灯させるために、上記S600で作成した特別図柄表示装置データと普通図柄表示装置データとを出力する表示装置出力処理を行う。
さらに、メインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされているコマンドを演出制御基板120に送信するコマンド送信処理も行う。
ステップS800において、メインCPU110aは、ステップS100で退避した情報をメインCPU110aのレジスタに復帰させる。
図11を用いて、主制御基板110の特図特電制御処理を説明する。
まず、ステップS301において特図特電処理データの値をロードし、ステップS302においてロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照し、特図特電処理データ=0であれば特別図柄記憶判定処理(ステップS310)に処理を移し、特図特電処理データ=1であれば特別図柄変動処理(ステップS320)に処理を移し、特図特電処理データ=2であれば特別図柄停止処理(ステップS330)に処理を移し、特図特電処理データ=3であれば大当たり遊技処理(ステップS340)に処理を移し、特図特電処理データ=4であれば大当り遊技終了処理(ステップS350)に処理を移し、特図特電処理データ=5であれば小当り遊技終了処理(ステップS360)に処理を移す。
この「特図特電処理データ」は、特図特電制御処理の各サブルーチンの中で必要に応じてセットされていくので、その遊技において必要なサブルーチンが適宜処理されていくことになる。
ステップS310の特別図柄記憶判定処理においては、メインCPU110aは、大当たり判定処理、停止表示する特別図柄の決定をする特別図柄決定処理、特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定処理等を行う。ここで、図12を用いて、特別図柄記憶判定処理の具体的な内容を説明する。
図12は、主制御基板110の特別図柄記憶判定処理を示す図である。
まず、ステップS311において、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域または第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされているか否かを判定する。
そして、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域または第2特別図柄保留数(U2)記憶領域のいずれの記憶領域にも1以上のデータがセットされていなければ、特図特電処理データ=0を保持したまま、今回の特別図柄変動処理を終了する。
一方、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域または第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされていれば、ステップS312に処理を移す。
ステップS312において、メインCPU110aは、大当たり判定処理を行う。
具体的には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされている場合には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、第2特別図柄乱数値記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各種乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、既に第0記憶部に書き込まれていた各種乱数値は上書きされて消去されることとなる。そして、第2特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定を行う。
また、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされておらず、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に1以上のデータがセットされている場合には、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、第1特別図柄乱数値記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各種乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このときにも、既に第0記憶部に書き込まれていた各種乱数値は上書きされて消去されることとなる。そして、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定を行う。
本実施形態では、第1特別図柄乱数値記憶領域よりも第2特別図柄乱数値記憶領域に記憶された乱数値が優先してシフト(消化)されることになる。
これに限定されることなく、始動口に入賞した順序で、第1特別図柄乱数値記憶領域または第2特別図柄乱数値記憶領域をシフトさせてもよいし、第1特別図柄乱数値記憶領域を第2特別図柄乱数値記憶領域よりも優先させてシフトさせてもよい。
ステップS313において、メインCPU110aは、停止表示する特別図柄の種類を決定するための特別図柄決定処理を行う。
この特別図柄決定処理では、上記大当り判定処理(ステップS312)において「大当たり」と判定された場合には、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された大当たり図柄用乱数値に基づいて大当たり図柄を決定する。また、上記大当り判定処理(ステップS312)において「小当たり」と判定された場合には、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された小当たり図柄用乱数値に基づいて小当たり図柄を決定する。また、上記大当り判定処理(ステップS312)において「ハズレ」と判定された場合には、ハズレ図柄を決定する。
そして、決定した特別図柄に対応する停止図柄データを停止図柄データ記憶領域に記憶する。
ステップS314において、メインCPU110aは、特別図柄の変動時間決定処理を行う。
具体的には、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶されたリーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。その後、決定した特別図柄の変動パターンに対応する特別図柄の変動時間を決定する。そして、決定した特別図柄の変動時間に対応するカウンタを特別図柄時間カウンタにセットする処理を行う。
ステップS315において、メインCPU110aは、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に特別図柄の変動表示(LEDの点滅)を行わせるための変動表示データを所定の処理領域にセットする。これにより、所定の処理領域に変動表示データがセットされていると、上記ステップS600でLEDの点灯または消灯のデータが適宜作成され、作成されたデータがステップS700において出力されることで、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21の変動表示が行われる。
さらに、メインCPU110aは、特別図柄の変動表示が開始されるときに、上記ステップS314で決定された特別図柄の変動パターンに対応する特別図柄の変動パターン指定コマンド(第1特別図柄用変動パターン指定コマンドまたは第2特別図柄用変動パターン指定コマンド)をメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS316において、メインCPU110aは、「特図特電処理データ=0」から「特図特電処理データ=1」にセットして、特別図柄変動処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄記憶判定処理を終了する。
図13を用いて、演出制御基板120のメイン処理を説明する。
ステップS1000において、サブCPU120aは、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、電源投入に応じて、サブROM120bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM120cに記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1400に処理を移す。
ステップS1100において、サブCPU120aは、演出用乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cに記憶される乱数(演出用乱数値1、演出用乱数値2、演出図柄決定用乱数値、演出モード決定用乱数値等)を更新する処理を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、上記ステップS1100の処理を繰り返し行う。
図14を用いて、演出制御基板120のタイマ割込処理を説明する。
図示はしないが、演出制御基板120に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒)毎にクロックパルスが発生され、タイマ割込処理プログラムを読み込み、演出制御基板のタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS1400において、サブCPU120aは、サブCPU120aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS1500において、サブCPU120aは、演出制御基板120で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。
ステップS1600において、サブCPU120aは、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cの受信バッファに格納されているコマンドを解析する処理を行う。コマンド解析処理の具体的な説明は、図15および図16を用いて後述する。なお、演出制御基板120は、主制御基板110から送信されたコマンドを受信すると、図示しない演出制御基板120のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、本ステップS1600において受信したコマンドの解析処理が行われる。
ステップS1700において、サブCPU120aは、演出ボタン検出スイッチ35aの信号のチェックを行い、演出ボタン35に関する演出入力制御処理を行う。
ステップS1800において、サブCPU120aは、サブRAM120cの送信バッファにセットされている各種のコマンドをランプ制御基板140や画像制御基板150へ送信するデータ出力処理を行う。
ステップS1900において、サブCPU120aは、ステップS1400で退避した情報をサブCPU120aのレジスタに復帰させる。
図15および図16を用いて、演出制御基板120のコマンド解析処理を説明する。なお、図16のコマンド解析処理2は、図15のコマンド解析処理1に引き続いて行われるものである。
ステップS1601において、サブCPU120aは、受信バッファにコマンドが有るか否かを確認して、コマンドを受信したかを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファにコマンドがなければコマンド解析処理を終了し、受信バッファにコマンドがあればステップS1610に処理を移す。
ステップS1610において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、デモ指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがデモ指定コマンドであれば、ステップS1611に処理を移し、デモ指定コマンドでなければステップS1620に処理を移す。
ステップS1611において、サブCPU120aは、デモ演出パターンを決定するデモ演出パターン決定処理を行う。
具体的には、デモ演出パターンを決定し、決定したデモ演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定したデモ演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定したデモ演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1620において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、特別図柄記憶指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが特別図柄記憶指定コマンドであれば、ステップS1621に処理を移し、特別図柄記憶指定コマンドでなければステップS1630に処理を移す。
ステップS1621において、サブCPU120aは、特別図柄記憶指定コマンドを解析して、液晶表示装置31に表示させる特図保留画像の表示個数を決定するとともに、決定した特図保留画像の表示個数に対応する特図表示個数指定コマンドを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信する特別図柄記憶数決定処理を行う。
ステップS1630において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、演出図柄指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが演出図柄指定コマンドであれば、ステップS1631に処理を移し、演出図柄指定コマンドでなければステップS1640に処理を移す。
ステップS1631において、サブCPU120aは、受信した演出図柄指定コマンドの内容に基づいて、液晶表示装置31に停止表示させる演出図柄36を決定する演出図柄決定処理を行う。
具体的には、演出図柄指定コマンドを解析して、大当たりの有無、大当たりの種別に応じて演出図柄36の組み合わせを構成する演出図柄データを決定し、決定された演出図柄データを演出図柄記憶領域にセットするとともに、演出図柄データを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、演出図柄データ示す停止図柄指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1632において、サブCPU120aは、上記ステップ1100において更新されている演出モード決定用乱数値から1つの乱数値を取得し、取得した演出モード決定用乱数値と受信した演出図柄指定コマンドに基づいて、複数の演出モード(例えば、ノーマル演出モードやチャンス演出モード)の中から1つの演出モードを決定する演出モード決定処理を行う。また、決定した演出モードは、演出モード記憶領域にセットされる。
ステップS1640において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、変動パターン指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが変動パターン指定コマンドであれば、ステップS1641に処理を移し、変動パターン指定コマンドでなければステップS1650に処理を移す。
ステップS1641において、サブCPU120aは、上記ステップ1100において更新されている演出用乱数値1から1つの乱数値を取得し、取得した演出用乱数値1、受信した変動パターン指定コマンド及び演出モード記憶領域にセットされている演出モードに基づいて、複数の変動演出パターンの中から1つの変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を行う。
その後、かかる演出パターンに基づいて、液晶表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34が制御されることになる。なお、ここで決定した変動演出パターンに基づいて、演出図柄36の変動態様が決定されることとなる。
ステップS1650において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、図柄確定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが図柄確定コマンドであれば、ステップS1651に処理を移し、図柄確定コマンドでなければステップS1660に処理を移す。
ステップS1651において、サブCPU120aは、演出図柄36を停止表示させるために、演出図柄を停止表示させるための停止指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする演出図柄停止表示処理を行う。
ステップS1660において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドであればステップS1661に処理を移し、遊技状態指定コマンドでなければステップS1670に処理を移す。
ステップS1661において、サブCPU120aは、受信した遊技状態指定コマンドに基づいた遊技状態を示すデータをサブRAM120cにある遊技状態記憶領域にセットする。
ステップS1670において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、オープニングコマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがオープニングコマンドであればステップS1671に処理を移し、オープニングコマンドでなければステップS1680に処理を移す。
ステップS1671において、サブCPU120aは、当たり開始演出パターンを決定する当たり開始演出パターン決定処理を行う。
具体的には、オープニングコマンドに基づいて当たり開始演出パターンを決定し、決定した当たり開始演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり開始演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり開始演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1680において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、大入賞口開放指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが大入賞口開放指定コマンドであればステップS1681に処理を移し、大入賞口開放指定コマンドでなければステップS1690に処理を移す。
ステップS1681において、サブCPU120aは、大当たり演出パターンを決定する大当たり演出パターン決定処理を行う。
具体的には、大入賞口開放指定コマンドに基づいて大当たり演出パターンを決定し、決定した大当たり演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した大当たり演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した大当たり演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1690において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、エンディングコマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがエンディングコマンドであればステップS1691に処理を移し、エンディングコマンドでなければコマンド解析処理を終了する。
ステップS1691において、サブCPU120aは、当たり終了演出パターンを決定する当たり終了演出パターン決定処理を行う。
具体的には、エンディングコマンドに基づいて当たり終了演出パターンを決定し、決定した当たり終了演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり終了演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり終了演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。本処理を終了すると、コマンド解析処理が終了する。
図17を用いて、画像制御基板150のメイン処理を説明する。
電源基板170により電源が供給されると、ホストCPU150aにシステムリセットが発生し、ホストCPU150aは、以下のメイン処理を行う。
ステップS1710において、ホストCPU150aは、初期化処理を行う。この処理において、ホストCPU150aは、電源投入に応じて、ホストROM150cからメイン処理プログラムを読み込むとともに、ホストCPU150aの各種モジュールやVDP2000の初期設定を指示する。
ここで、ホストCPU150aは、VDP2000の初期設定の指示として、
(1)表示回路に映像信号を作成して出力させることを指示するため、映像信号作成の指示をしたり(表示レジスタの0bit目に1をセットしたり)、
(2)伸長回路に使用頻度の高い画像データ(演出図柄36等の画像データ)をVRAM153の展開記憶領域153bに伸長させて展開させるために、伸長レジスタに所定の初期値データをセットしたり、
(3)描画回路に初期値画像データ(「電源投入中」という文字画像等)を描画させるため、初期値ディスプレイリストを出力したりする。
ステップS1720において、ホストCPU150aは、描画実行開始処理を行う。この処理において、既に出力したディスプレイリストに対する描画の実行をVDP2000に指示するため、描画レジスタに描画実行開始データをセットする。
すなわち、電源投入開始時には上記ステップS1710で出力された初期値ディスプレイリストに対する描画の実行が指示され、通常のルーチン処理時には後述するS1750で出力されたディスプレイリストに対する描画の実行が指示されることになる。
ステップS1730において、ホストCPU150aは、演出制御基板120から送信された演出指示コマンド(ホストRAM150bの受信バッファに格納されているコマンド)を解析する演出指示コマンド解析処理を行う。
なお、画像制御基板150は、演出制御基板120から送信されたコマンドを受信すると、図示しない画像制御基板150のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、本ステップS1730において受信したコマンドの解析処理が行われる。
演出指示コマンド解析処理は、受信バッファに演出指示コマンドが記憶されているか否かを確認する。受信バッファに演出指示コマンドが記憶されていなければ、そのままステップS1740に処理を移す。
受信バッファに演出指示コマンドが記憶されていれば、新たな演出指示コマンドを読み込み、読み込んだ演出指示コマンドに基づいて、実行する1つまたは複数のアニメグループを決定するとともに、それぞれのアニメグループからアニメパターンを決定する。そして、アニメパターンを決定すると、読み込んだ演出指示コマンドを送信バッファから消去する。
ステップS1740において、ホストCPU150aは、アニメーション制御処理を行う。この処理において、後述するステップS2210において更新される「シーン切換えカウンタ」、「ウェイトフレーム」、「フレームカウンタ」と、上記ステップS1730で決定されたアニメパターンとに基づいて、各種アニメシーンのアドレスを更新する。
ステップS1750において、ホストCPU150aは、アニメシーンが属するアニメグループの優先順位(描画順序)に従って、更新したアドレスにあるアニメシーンの1フレームの表示情報(スプライトの識別番号、表示位置等)から、ディスプレイリストを生成していく。
そして、ディスプレイリストの生成が完了すると、ホストCPU150aはディスプレイリストをVDP2000に出力する。
なお、ここで出力されたディスプレイリストは、VDP2000におけるCPU I/Fを介して、VRAM153のディスプレイリスト記憶領域153aに記憶される。
ステップS1760において、ホストCPU150aは、「FB切換えフラグ=01」であるか否かを判定する。
ここで、FB切換えフラグは、1/60秒(約16.6ms)毎のVブランク割込みにおいて、前回のディスプレイリストの描画が完了していれば、FB切換えフラグ=01になる。すなわち、ステップS1760では、前回の描画が完了したか否かを判定することになる。
ホストCPU150aは、「FB切換えフラグ=01」であれば、ステップS1770に処理を移し、「FB切換えフラグ=00」であれば、「FB切換えフラグ=01」になるまで待機をする。
ステップS1770において、ホストCPU150aは、「FB切換えフラグ=00」をセットして(FB切換えフラグを「オフ」にして)、ステップS1720に処理を移す。
以降は、所定の割り込みが発生するまで、ステップS1720〜ステップS1770の処理を繰り返し行う。
図18は、本発明の実施の形態における遊技機を適用して構成した遊技機の演出制御部において行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図18において、表示要求を受信すると(S1801)処理が開始され、3次元仮想空間に配置されている3次元オブジェクトを仮想カメラの視点から撮像することにより写像した演出画像若しくはその3次元オブジェクトを撮像することにより写像した演出画像の表示要求を受信したかを判断する(S1802)。
このときの仮想カメラは、3次元仮想空間を撮像するカメラオブジェクトであって、この3次元仮想空間上に配置されている3次元オブジェクト(キャラクタオブジェクトや背景オブジェクト等)を撮像する。この仮想カメラによって3次元仮想空間を撮像したことにより演出画像が写像されるものである。
受信した表示要求が3次元仮想空間を撮像したことにより写像される演出画像の表示要求ではない場合(S1802でNO)には、その表示要求に基づく演出画像の描画を行い、表示装置にその演出画像を表示する表示処理を行う。
それに対して、この3次元仮想空間を撮像して写像した演出画像の表示要求を受信した場合(S1802でYES)には、続いて、3次元仮想空間を形成する演出モードであるかを判断する(S1803)。この3次元仮想空間を形成する演出モードでない場合(S1803でNO)には上記同様に、要求された演出モードにおける演出画像を表示装置に表示する表示処理を行う。
また、3次元仮想空間を形成する演出モードである場合(S1803でYES)には、遊技媒体が始動口に入賞することによって行われる大当たり抽選処理による抽選結果を、その大当たり抽選処理による抽選演出が行われる前に先取得(S1804)し、さらに、始動口に入賞して大当たり抽選処理が保留されている全保留数のうちで大当たり抽選処理の結果を報知する順番を指定した「先取得カウンタ値」(以下、「演出順番情報」ともいう)の情報を取得する(S1805)。
この「先取得カウンタ値」は、保留数が減少するとともにデクリメントされていき、先取得カウンタ値が「0(ゼロ)」となったときに、そのときの保留における大当たり抽選処理の抽選結果を報知する演出を行う。
そして、取得した抽選結果の情報および先取得カウンタ値の情報を含む「先取得情報」を記憶領域に記憶する(S1806)。
続いて、大当たり抽選処理により抽選結果が「大当たり」となる確率の確率遊技状態や大当たり抽選処理の抽選処理演出が時短状態にあるか否かの遊技状態を判別する遊技状態判別処理を行う(S1807)。この遊技状態判別処理の詳細な処理の流れを図19のフローチャートに示し、以下で説明する。
この遊技状態判別処理によって遊技状態が判別されると、この遊技状態の情報(以下、「遊技状態情報」ともいう)を記憶領域に記憶する(S1808)。
これによって、記憶領域には「先取得情報」および「遊技状態情報」が記憶された状態となる。
この状態となると、続いて、先取得情報によって示される先取得カウンタ値の保留における演出において抽選結果を報知する演出で用いられ、遊技状態情報に基づく遊技状態を識別できる3次元仮想空間の空間形態を特定する「空間形態特定処理」を行う(S1809)。
この「空間形態特定処理」は、図21において示されるような空間形態特定テーブルを用いることによって、遊技状態および先取得情報(抽選結果と先取得カウンタ値)に対応する空間形態を特定する。
この図21は、[確率状態]項目2101、[時短状態]項目2102、[抽選結果]項目2103、[先取得カウンタ情報]項目2104、[空間形態]項目2105によって構成されており、記憶領域に記憶された遊技状態情報を用いて、[確率状態]項目2101で示されている確率遊技状態および[時短状態]項目2102で示されている時短遊技状態を識別する。さらに、上記同様に、記憶領域に記憶された先取得情報を用いて、[抽選結果]項目2103で示されている抽選結果および[先取得カウンタ情報]項目2104で示されている先取得カウンタ値を識別する。
識別したこれらの情報に基づいて[空間形態]項目2105で指定された空間形態を特定する。
例えば、記憶領域に記憶された遊技状態情報によって示される、確率遊技状態が通常の確率状態よりも高確率となっている「高確率状態」であって、時短状態にあるかの情報によって示される時短遊技状態が大当たり抽選の演出報知時間が短縮された「時短状態」である場合、図21に示す空間形態特定テーブルの[確率状態]項目2101として「高確率状態」を特定し、[時短状態]項目2102として「時短 有」を特定する。
さらに、記憶領域に記憶された先取得情報によって示される、抽選結果が「大当たり」であって、先取得カウンタ情報が「4」である場合、図21に示す空間形態特定テーブルの[抽選結果]項目2103として「大当たり」を特定し、[先取得カウンタ情報]項目2104として「4以上」を特定する。
これによって、形成される3次元仮想空間の空間形態として、[空間形態]項目2105に示された「形態3」が特定される。すなわち、「形態3」によって識別される空間形態の3次元仮想空間が形成されることとなる。
また、図21に示す空間形態特定テーブルの[空間形態]項目2105に示された空間形態に対応する、3次元仮想空間を識別する情報を図22の空間識別テーブルで指定している。
図22に示す空間識別テーブルは、[空間形態]項目2201、[3次元仮想空間識別情報]項目2202によって構成されており、[空間形態]項目2201は図21に示す[空間形態]項目2105に対応する項目であって、[3次元仮想空間識別情報]項目2202は、3次元仮想空間を識別する情報である。
例えば、図21に示す[空間形態]項目2105として「形態3」が特定された場合、図22の[空間形態]項目2201として「形態3」を特定し、さらに、この「形態3」が指定された[空間形態]項目2201に対して、[3次元仮想空間識別情報]項目2202で指定された3次元仮想空間の識別情報として「3次元仮想空間003」を特定する。
以上の図21および図22に示すテーブルによって、「先取得情報」および「遊技状態情報」から3次元仮想空間の空間形態が特定されることとなる。
このようにして特定した空間形態における、後述する「報知演出オブジェクト」が配置された3次元仮想空間を形成する(S1810)。この3次元仮想空間の形成処理の詳細な流れを図20に示し、以下で説明する。
この3次元仮想空間形成処理によって形成される3次元仮想空間の例として、例えば、図23乃至図25がある。これらの図23乃至図25は、3次元オブジェクトの移動経路を示す3次元仮想空間の一部分を示す図であって、同一の空間位置から撮像したものである。
すなわち、この図23乃至図25では、突き当たりを右方向に移動できる移動経路を示している。
このような移動経路において、図23では、左右の壁部がブロックによって構成された3次元仮想空間を示しており、図24では、左右の壁部が複数の岩が重なることによって構成された3次元仮想空間を示しており、図25では、左右の壁部が複数の支柱によって構成された3次元仮想空間を示している。
一例として、図22に示す空間識別テーブルによって、「3次元仮想空間001」と識別された場合には図23に示すような3次元仮想空間を形成し、「3次元仮想空間002」と識別された場合には図24に示すような3次元仮想空間を形成し、「3次元仮想空間003」と識別された場合には図25に示すような3次元仮想空間を形成する。
そして、形成した3次元仮想空間を用いて、先取得カウンタ情報により示されるカウンタ値が「0(ゼロ)」となることによって大当たり抽選処理を行い、その抽選処理の結果に基づく演出制御処理を行う(S1811)。
この演出制御処理が行われている際に先取得カウンタ値情報を受信したかを判断し(S1812)、受信していない場合(S1812でNO)には演出制御処理を継続して行う(S1811)。それに対して、先取得カウンタ値情報を受信した場合(S1812でYES)には、記憶領域に記憶されている先取得カウンタ値情報を受信した先取得カウンタ値情報で更新し(S1813)、その更新後の先取得カウンタ値情報が「0(ゼロ)」となったかを判断する(S1814)。
更新後の先取得カウンタ値情報が「0(ゼロ)」となっていない場合(S1814でNO)には、演出制御処理を継続して行う(S1811)。
また、更新後の先取得カウンタ値情報が「0(ゼロ)」となった場合(S1814でYES)には、そのときの大当たり抽選処理の抽選結果を報知する報知演出を行う(S1815)。
上記の演出制御処理によって演出制御が行われて表示される演出画像および更新後の先取得カウンタ値情報が「0(ゼロ)」となったときに行われる抽選結果の報知演出において表示される演出画像の例を図26および図27および図28に示している。
図26に示す演出画像は、上記の形成処理によって形成された図23に示すような3次元仮想空間を撮像して写像した演出画像であって、図27に示す演出画像は、上記の形成処理によって形成された図24に示すような3次元仮想空間を撮像して写像した演出画像であって、図28に示す演出画像は、上記の形成処理によって形成された図25に示すような3次元仮想空間を撮像して写像した演出画像である。
図26に示す演出画像は、大当たり抽選処理の抽選結果(大当たり、ハズレ)ごとにそれぞれ5つの演出画像を示しており、いずれの抽選結果においても、まず、図26(a)に示すようなキャラクタオブジェクトが突き当たって右方向へ移動できる移動経路の画像が表示されている。この移動経路をキャラクタオブジェクトが移動することによって、突き当たりに到達し、右方向に移動したときの演出画像を図26(b)に示している。
図26(b)に示す演出画像は、遠くに光り輝くオブジェクトが視認できる画像であって、この図26(b)の状態からキャラクタオブジェクトが直進してその光り輝くオブジェクトと一定距離まで近づいた状態を図26(c)に示している。
この図26(a)および図26(b)および図26(c)に示される演出画像は、3次元仮想空間を移動する3次元オブジェクトであるキャラクタオブジェクトの視線である仮想カメラから撮像した画像である。
そして、抽選結果ごとに、キャラクタオブジェクトの異なる報知演出が行われた状態を図26(d−1)と図26(d−2)に示している。図26(d−1)は、大当たり抽選結果が「大当たり」である場合に図26(c)から遷移する演出画像を示しており、図26(d−2)は、大当たり抽選結果が「ハズレ」である場合に図26(c)から遷移する演出画像を示している。
すなわち、図26(d−1)では、キャラクタオブジェクトがその光り輝くオブジェクト内に進むことができる報知演出が行われたときの演出画像を示しており、この報知演出により抽選結果が「大当たり」であることを報知する図26(e−1)に示すような演出画像が表示される。また、図26(d−2)では、キャラクタオブジェクトが光り輝くオブジェクト内で落下してしまう報知演出が行われたときの演出画像を示しており、この報知演出により抽選結果が「ハズレ」であることを報知する図26(e−2)に示すような演出画像が表示される。
図27および図28は、その壁部の表示形態が遊技状態によって異なるものであるが、図27(a)および図28(a)が図26(a)に対応し、図27(b)および図28(b)が図26(b)に対応し、図27(c)および図28(c)が図26(c)に対応するものである。
すなわち、先取得情報および遊技状態情報に基づいて図26、図27、図28のいずれかの演出画像により抽選結果の報知演出が行われる。
図19は、図18に示す遊技状態判別処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
図19において、先取得情報が保存された状態となると処理が開始され、表示要求で指定された遊技状態情報に基づいて若しくは取得した遊技状態情報に基づいて、確率遊技状態が「高確率遊技状態」であるか否かを判断する(S1901)。
まず、確率遊技状態が「高確率遊技状態」であると判断された場合(S1901でYES)には、続いて、時短状態が「時短遊技状態」であるか否かを判断する(S1902)。時短遊技状態であると判断される場合(S1902でYES)には、遊技状態を「高確率時短遊技状態」と設定する(S1903)。それに対して、時短遊技状態であると判断されない場合であって、非時短遊技状態である場合(S1902でNO)には、遊技状態を「高確率非時短遊技状態」と設定する(S1904)。
次に、確率遊技状態が「高確率遊技状態」であると判断されない場合(S1901でNO)には、続いて、時短状態が「時短遊技状態」であるか否かを判断する(S1905)。時短遊技状態であると判断される場合(S1902でYES)には、遊技状態を「低確率時短遊技状態」と設定する(S1906)。それに対して、時短遊技状態であると判断されない場合であって、非時短遊技状態である場合(S1902でNO)には、「低確率非時短遊技状態」と設定する(S1907)。
図20は、図18に示す3次元仮想空間形成処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
図20において、図18に示す空間形態特定処理によって空間形態が特定されると処理が開始され、まず、記憶領域に記憶している、「抽選結果情報」および「遊技状態情報」を取得(読出し)する(S2001)。
続いて、読み出した「抽選結果情報」および「遊技状態情報」に基づいて3次元仮想空間を形成する(S2002)。
そして、抽選結果情報を用いて大当たり抽選処理の抽選結果の報知に用いられる「報知演出オブジェクト」を、形成した3次元仮想空間上の所定の空間位置に配置する(S2003)。このときの報知演出オブジェクトは抽選結果ごとに異なるものであってもよいし、同一のオブジェクトであってもよい。
図26および図27および図28に示す演出画像は、3次元仮想空間の所定の空間位置に抽選結果ごとに異なる報知演出オブジェクトを配置した場合における演出画像を示しており、この図26および図27および図28の演出画像では、抽選結果が「大当たり」である場合に「報知演出オブジェクト」として光り輝くトンネルオブジェクトを3次元仮想空間に配置した例であり、抽選結果が「ハズレ」である場合に「報知演出オブジェクト」として光り輝く落とし穴オブジェクトを3次元仮想空間に配置した例である。
このようにして演出報知オブジェクトが配置された状態の3次元仮想空間情報を記憶領域に登録する(S2004)。
以上に示す実施の形態は、本発明の実施の一形態であって、これらの実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。