JP6110921B1 - スラリー処理装置及びスラリー処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】放射性物質を含むスラリーを適切に減容化処理するためのスラリー処理装置及びスラリー処理方法を提供する。【解決手段】放射性物質を含むスラリーを原液タンクに供給するように構成されたスラリー供給ユニット10と、原液タンクから供給されるスラリーを乾燥するように構成される乾燥ユニット20と、乾燥ユニットから排気された蒸気を凝縮して、蒸気から放射性物質を除去するように構成される排気処理ユニット30と、乾燥ユニットでスラリーを乾燥して得られる放射性物質を含む乾燥物を容器に収納して容器を移送するように構成される移送ユニット40と、排気処理ユニットで発生した蒸気の凝縮水の放射性物質濃度を測定するように構成される測定ユニット80と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、スラリー処理装置及びスラリー処理方法に関する。
2011年3月11日に発生した東日本大震災により福島第一原子力発電所で発生した事故により、放射性物質を含む放射性廃液が大量に発生している。この放射性廃液には、原子炉圧力容器、格納容器、及び使用済み燃料プールに注水される冷却水に起因して発生する汚染水、トレンチ内に滞留しているトレンチ水、原子炉建屋周辺のサブドレンと呼ばれる井戸から汲み上げられるサブドレン水、地下水、及び海水等が含まれる(以下、これらを放射性廃液と称する)。これらの放射性廃液は、サリー(SARRY;Simplified Active Water Retieve and Recovery System)と呼ばれるセシウム除去装置や、アルプス(ALPS;Advanced Liquid Processing System)と呼ばれる多核種除去設備にて放射性物質が除去され、処理された水はタンクに回収される。
図2は、アルプスで実行されるプロセスを簡略化して示した図である。アルプスは、前処理設備110と、吸着塔120と、を有する。まず、既設の水処理設備で油分、セシウム等が除去された汚染水が、前処理設備110に供給され、鉄共沈処理と、炭酸塩共沈処理が行われる。続いて、前処理設備110で処理された汚染水は、後段の吸着塔120へ移送される。吸着塔120では、放射性物質吸着材が汚染水中の放射性物質を吸着する。吸着塔120で処理された水は、タンク等に貯蔵される。
ここで、前処理設備110では、鉄共沈処理により水酸化鉄(III)を含むスラリーが生成され、炭酸塩共沈処理により炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムを含むスラリーが生成される。これらのスラリーは、放射性物質を含むので、高性能容器(HIC;High Integrity Container)と呼ばれる樹脂製の容器130に充填され、保管される。しかしながら、これらのスラリーは、90wt%以上の含水率を有し、流動性が高いので、漏洩リスクが指摘されている。
また、近年では、これらのスラリーを収容しているHICのベントから、放射性物質を含む水が噴出し、流出するという事故が発生している。このため、早急にスラリーの含水率を下げ、安定化することが望まれている。
一方、既存の原子力発電所でも高含水率の粉末イオン交換樹脂や活性炭スラリー(以下、鉄共沈処理及び炭酸塩共沈処理で生成されるスラリーと併せて「スラリー等」という)が保管されており、廃炉に向けて、これらを減容化することも課題として挙げられている。
なお、特許文献1には、放射性セシウムを吸着したプルシアンブルーナノ粒子を減容化処理する技術が開示されている。
特開2015−141082号公報
上述したようなスラリー等は放射性物質を含むため、減容化処理は注意深く行う必要がある。具体的には、スラリー等を乾燥させることで固形状の放射性物質が生成され、この放射性物質を適切に処理する必要がある。また、スラリー等を乾燥させると大部分の放射性物質は固形状で回収されるが、スラリー等から微量の放射性物質を含む蒸気が発生するので、この蒸気も適切に処理する必要がある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものである。その目的は、放射性物質を含むスラリーを適切に減容化処理するためのスラリー処理装置及びスラリー処理方法を提供することである。
本発明の一形態によれば、スラリー処理装置が提供される。このスラリー処理装置は、放射性物質を含むスラリーを原液タンクに供給するように構成されたスラリー供給ユニットと、前記原液タンクから供給される前記スラリーを乾燥するように構成される乾燥ユニットと、前記乾燥ユニットから排気された蒸気を凝縮して、前記蒸気から放射性物質を除去するように構成される排気処理ユニットと、前記乾燥ユニットで前記スラリーを乾燥して得られる放射性物質を含む乾燥物を容器に収納して前記容器を移送するように構成される移送ユニットと、前記排気処理ユニットで発生した前記蒸気の凝縮水の放射性物質濃度を測定するように構成される測定ユニットと、を有する。
この一形態によれば、スラリーを乾燥させて含水率を下げることができる。また、スラリーを乾燥させて生成された放射性物質を含む乾燥物を容器に収納し、移送ユニットによって後段に移送することができるので、放射性物質を外部に流出させることなく、適切に処理することができる。また、スラリーを乾燥させることで生じた蒸気は、排気処理ユニットによって凝縮され、放射性物質が凝縮水に移行することで、蒸気から放射性物質を除去することができるので、放射性物質を含む蒸気が外部に流出することを抑制することができる。さらに、測定ユニットによりこの凝縮水の放射性物質濃度を測定することで、放射性物質がどの程度凝縮水に含まれているかを確認することができる。したがって、凝縮水を再び処理する必要があるか否か等の判断を適切に行うことができる。
上記スラリー処理装置の一形態において、前記測定ユニットは、前記凝縮水の放射性物質濃度が所定値よりも高いとき、前記凝縮水を前記原液タンクに戻すように構成される。
この一形態によれば、凝縮水の放射性物質濃度が所定値よりも高い場合、凝縮水を原液タンクに戻すので、凝縮水はスラリーと共に再び乾燥処理等され、凝縮水から放射性物質を適切に除去することができる。
上記スラリー処理装置の一形態において、前記スラリー供給ユニットと、前記乾燥ユニットと、前記移送ユニットは、放射線を遮蔽する遮蔽物で覆われる。
スラリー供給ユニットと、乾燥ユニットと、移送ユニットでは、放射性物質を含むスラリー及びこのスラリーから生じる固形状の放射性物質が処理されるので、これらのユニット内部の放射線量は比較的高くなる。この一形態によれば、これらのユニットの外部への放射線の漏洩を低減することができる。
上記スラリー処理装置の一形態において、前記スラリー供給ユニットと、前記乾燥ユニットと、前記移送ユニットは、密閉される。
スラリー供給ユニットと、乾燥ユニットと、移送ユニットでは、放射性物質を含むスラリー及びこのスラリーから生じる固形状の放射性物質が処理されるので、これらのユニッ
ト内部には、放射性物質が大気中に曝される虞がある。この一形態によれば、これらのユニットから放射性物質が外部へ流出することを防止することができる。
上記スラリー処理装置の一形態において、前記排気処理ユニットは、前記乾燥ユニットで発生した前記蒸気中のミストを捕集するミストセパレータと、前記乾燥ユニットで発生した前記蒸気を凝縮する凝縮機と、前記蒸気から分離した気体中の放射性物質を捕捉する第1排気フィルタと、を有する。
この一形態によれば、蒸気から放射性物質を除去することができるので、放射性物質が外部に流出することを抑制することができる。
上記スラリー処理装置の一形態において、前記排気処理ユニットは、前記乾燥ユニットで発生した前記蒸気を前記ミストセパレータ、前記凝縮機、及び前記第1排気フィルタを通過させて、前記蒸気から分離した気体を外部に排出するように構成された第1排風機を有する。
この一形態によれば、第1排風機によって、乾燥ユニットから排気処理ユニットへ蒸気を引き、蒸気から分離した気体を積極的に外部に排出することができる。したがって、蒸気が乾燥ユニットに滞留することなく、蒸気を安定して処理することができる。
上記スラリー処理装置の一形態において、スラリー処理装置は、前記原液タンク、前記乾燥ユニット、及び/又は前記排気処理ユニットに洗浄水を供給するように構成された洗浄ユニットを有する。
この一形態によれば、原液タンク、乾燥ユニット、及び/又は放射性物質ユニットに残った放射性物質を洗い流すことができる。
上記スラリー処理装置の一形態において、前記スラリー供給ユニット及び前記移送ユニットから排気された気体中の放射性物質を捕捉する第2排気フィルタと、前記スラリー供給ユニット及び前記移送ユニットから排気された気体を、前記第2排気フィルタを通過させて外部に排出するように構成された第2排風機と、を有する。
この一形態によれば、スラリー供給ユニット及び移送ユニット内の大気中に浮遊している放射性物質を第2排気フィルタで捕捉するので、放射性物質が外部に流出することを抑制することができる。また、第2排風機によって、スラリー供給ユニット及び移送ユニット内の大気中に放射性物質を溜めることなく、放射性物質を第2排気フィルタへ安定して導くことができる。
上記スラリー処理装置の一形態において、前記移送ユニットは、前記乾燥ユニットで前記スラリーを乾燥して得られる前記乾燥物が収納された前記容器の蓋を締める蓋締機と、前記容器を貯蔵庫へ移送する移送機と、を有し、前記容器は、放射線を遮蔽する金属を具備する。
この一形態によれば、放射性物質を含む乾燥物を収納した容器の蓋を締めることができるので、放射性物質が外部へ流出することを防止することができる。また、放射性物質を含む乾燥物を収納した容器の蓋を自動で締め、貯蔵庫へ自動で移送することができるので、作業員が手動でこれらの作業を行う必要が無く、作業員の被ばくを防止することができる。また、この容器に収納される乾燥物は乾燥されて固形状であるので、金属を具備する容器に収納しても容器の錆びの虞が少ない。また、容器は放射線を遮蔽する金属を具備するので、収納された放射性物質から容器外に放射線が漏洩することを抑制することができ
る。
上記スラリー処理装置の一形態において、前記移送ユニットは、前記容器に収納された前記乾燥物の重量及び/又は体積を測定する測定器を有し、前記蓋締機は、前記容器に前記乾燥物が所定量収納されたときに前記容器の蓋を締めるように構成される。
この一形態によれば、適切な量の乾燥物を容器に収納して、蓋を自動的に締めることができるので、容器から乾燥物が溢れることを防止することができ、容器内の乾燥物の量を適切に管理することができる。
上記スラリー処理装置の一形態において、スラリー処理装置は、前記貯蔵庫へ移送される前記容器の放射線量を測定する放射線測定機を有する。
この一形態によれば、容器から放射線の漏れが所定値以下かを確認することができる。
上記スラリー処理装置の一形態において、前記乾燥ユニットは、ディスク式乾燥機を有し、前記ディスク式乾燥機は、加熱可能に構成されたディスク部と、加熱された前記ディスク部に前記スラリーを噴射する噴射部と、前記ディスク部に付着した前記乾燥物を掻き取るスクレーパと、を有する。
この一形態によれば、スラリーの含水率を数%まで低減することができ、スラリーを著しく減容化することができる。
上記スラリー処理装置の一形態において、前記スラリー供給ユニットと、前記乾燥ユニットと、前記排気処理ユニットと、前記移送ユニットと、前記測定ユニットは、互いに独立したユニットであり、互いに組立可能に構成される。
この一形態によれば、各ユニットをそれぞれ別々に製造し、搬送することができるので、スラリー処理装置の製造、搬送、据付、組立を容易に行うことができる。具体的には、各ユニットは、現場ではなく、作業環境が良好な工場などで製造することができ、作業効率が向上する。現場においては、据付、組立のみをすれば良く、高放射線環境下での作業量を低減することができ、作業員の被ばくを極力防止することができる。また、スラリー処理装置全体としては大きな装置であっても、分割したユニットとすることで、公道を搬送できる大きさにすることができ、特別な手続きをすることなく陸送が可能となる。さらには、現場(工場等)の搬入口を大きくすることなく、各ユニットを現場に搬入し得る。また、各ユニットが独立しているので、各ユニットのいずれかが故障等によって交換が必要になった場合は、故障したユニットのみを交換をすることができる。
本発明の一形態によれば、スラリー処理方法が提供される。この方法は、放射性物質を含むスラリーを原液タンクに供給する工程と、前記原液タンクから供給される前記スラリーを乾燥する乾燥工程と、前記乾燥工程で発生した蒸気を凝縮させて、前記蒸気から放射性物質を除去する排気処理工程と、前記乾燥工程で前記スラリーを乾燥して得られる放射性物質を含む乾燥物を容器に収納して前記容器を移送するように移送工程と、前記排気処理工程で発生した前記スラリーの蒸気の凝縮水を回収して前記凝縮水の放射性物質濃度を測定する測定工程と、を有する。
この一形態によれば、スラリーを乾燥させて含水率を下げることができる。また、スラリーを乾燥させて生成された放射性物質を含む乾燥物を容器に収納し、移送ユニットによって後段に移送することができるので、放射性物質を外部に流出させることなく、適切に処理することができる。また、スラリーを乾燥させることで生じた蒸気は、排気処理ユニ
ットによって凝縮され、蒸気から放射性物質を除去することができるので、放射性物質を含む蒸気が外部に流出することを抑制することができる。さらに、測定ユニットによりこの凝縮水の放射性物質濃度を測定することで、放射性物質がどの程度凝縮水に含まれているかを確認することができる。したがって、凝縮水を再び処理する必要があるか否か等の判断を適切に行うことができる。
上記スラリー処理方法の一形態において、方法はさらに、前記測定工程で測定された前記凝縮水の放射性物質濃度が所定値よりも高いとき、前記凝縮水を前記原液タンクに戻す工程を有する。
この一形態によれば、凝縮水の放射性物質濃度が所定値よりも高い場合、凝縮水を原液タンクに戻すので、凝縮水はスラリーと共に再び乾燥処理等され、凝縮水から放射性物質を適切に除去することができる。
上記スラリー処理方法の一形態において、前記排気処理工程は、前記乾燥工程で発生した前記蒸気中のミストを捕集する捕集工程と、前記乾燥工程で発生した前記蒸気を凝縮する凝縮工程と、前記蒸気から分離した気体中の放射性物質を第1排気フィルタで捕捉する捕捉工程と、を含む。
この一形態によれば、蒸気から放射性物質を除去することができるので、放射性物質が外部に流出することを抑制することができる。
上記スラリー処理方法の一形態において、前記排気処理工程は、前記捕集工程、前記凝縮工程、及び前記捕捉工程を経て、前記蒸気から分離した気体を外部に排出する工程を有する。
この一形態によれば、蒸気から分離した気体を積極的に外部に排出することができる。したがって、蒸気が滞留することなく、安定して処理することができる。
上記スラリー処理方法の一形態において、方法はさらに、前記原液タンク、乾燥ユニット、及び/又は排気処理ユニットに洗浄水を供給する工程を有する。
この一形態によれば、原液タンク、乾燥ユニット、及び/又は排気処理ユニットに残った放射性物質を洗い流すことができる。
上記スラリー処理方法の一形態において、方法はさらに、スラリー供給ユニット及び移送ユニットから排気された気体中の放射性物質を第2排気フィルタで捕捉する工程と、前記スラリー供給ユニット及び前記移送ユニットから排気された気体を、前記第2排気フィルタを通過させて外部に排出する工程と、を有するスラリー処理方法。
この一形態によれば、スラリー供給ユニット及び移送ユニット内の大気中に浮遊している放射性物質を第2排気フィルタで捕捉するので、放射性物質が外部に流出することを抑制することができる。また、第2排風機によって、スラリー供給ユニット及び移送ユニット内の大気中に放射性物質を溜めることなく、放射性物質を第2排気フィルタへ安定して導くことができる。
上記スラリー処理方法の一形態において、前記移送工程は、前記乾燥工程で前記スラリーを乾燥して得られる前記乾燥物が収納された前記容器の蓋を締める蓋締工程と、前記容器を貯蔵庫へ移送する工程と、を有する。
この一形態によれば、放射性物質を収納した容器の蓋を締めることができるので、放射性物質が外部へ流出することを防止することができる。また、放射性物質を収納した容器の蓋を自動で締め、貯蔵庫へ自動で移送することができるので、作業員が手動でこれらの作業を行う必要が無く、作業員の被ばくを防止することができる。
上記スラリー処理方法の一形態において、前記移送工程は、前記容器に収納された前記乾燥物の重量及び/又は体積を測定する工程を含み、前記蓋締工程は、前記容器に前記乾燥物が所定量収納されたときに前記容器の蓋を締める。
この一形態によれば、適切な量の乾燥物を容器に収納して、蓋を自動的に締めることができるので、容器から乾燥物が溢れることを防止することができ、容器内の乾燥物の量を適切に管理することができる。
上記スラリー処理方法の一形態において、方法はさらに、前記貯蔵庫へ移送される前記容器の放射線量を測定する工程を有する。
この一形態によれば、容器から放射線の漏れが所定値以下かを確認することができる。
上記スラリー処理方法の一形態において、前記乾燥工程は、加熱されたディスク部に前記スラリーを噴射する工程と、前記ディスク部に付着した前記乾燥物を掻き取る工程と、を有する。
この一形態によれば、スラリーの含水率を数%まで低減することができ、スラリーを著しく減容化することができる。
本発明によれば、放射性物質を含むスラリーを適切に減容化処理するためのスラリー処理装置及びスラリー処理方法を提供することができる。
本実施形態に係るスラリー処理システムを示す全体概略図である。 アルプスで実行されるプロセスを簡略化して示した図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一の又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本実施形態に係るスラリー処理装置を示す全体概略図である。本実施形態に係るスラリー処理システムは、主に、スラリー供給ユニット10と、乾燥ユニット20と、排気処理ユニット30と、移送ユニット40と、蒸気供給ユニット50と、排気ユニット60と、洗浄ユニット70と、測定ユニット80と、制御部90と、を有する。制御部90は、各ユニットのオペレーションを自動制御する。これらの各ユニットは、それぞれ独立したユニットであり、それぞれのユニットを別々に搬送し得るように別々に製造される。これらの各ユニットを互いに組み立てることにより、スラリー処理装置が構成される。以下、各ユニットの構成と、各ユニットで行われるプロセスについて詳細に説明する。
スラリー供給ユニット10は、原液タンク13と、原液タンク13にスラリーを投入するためのスラリー投入器12とを有する。スラリーは、例えば、既設の水処理設備で油分、セシウム等が除去された汚染水を図2に関連して説明した鉄共沈処理又は炭酸塩共沈処理することによって生じたスラリーであり、放射性物質を含む。スラリーの含水率は、例
えば90wt%以上である。このスラリーは、例えばHIC等の容器11に収納される。スラリー投入器12は、この容器11に収納されたスラリーを原液タンク13に投入する。具体的には、一例では、スラリー投入器12は、容器11を傾斜させて、容器11の上部に形成された開口からスラリーを原液タンク13に投入するように構成される。また、他の例では、スラリー投入器12は、容器11と原液タンク13とを接続し、真空ポンプで容器11内のスラリーを原液タンク13に吸引するか、又は水中ポンプで容器11内のスラリーを原液タンク13に移送することで、スラリーを原液タンク13に投入するように構成される。
乾燥ユニット20は、ディスク式乾燥機21を有し、原液タンク13から供給されるスラリーを乾燥するように構成される。このディスク式乾燥機21としては、例えば、特開2002−206856号公報に開示された乾燥機を採用することができる。他の例では、乾燥ユニット20は、ディスク式乾燥機21に代えて、例えば、特開2015−37778号公報に開示された縦型円筒状の乾燥機、特開2004−313918号公報に開示された横型円筒状の乾燥機、特開平6−262001に開示されたドラム状の乾燥機等を採用することもできる。
ディスク式乾燥機21は、ディスク部22と、噴射部23と、スクレーパ24と、循環タンク25と、ポンプ26と、を有する。ディスク部22は、加熱可能であり、その周方向に所定速度で回転するように構成される。噴射部23は、循環タンク25からのスラリーを加熱されたディスク部22に噴射するように構成される。スクレーパ24は、ディスク部22で乾燥してディスク部22に付着したスラリー(放射性物質を含む固形状の乾燥物)をディスク部22から掻き取るように構成される。循環タンク25は、原液タンク13から供給されるスラリー及びディスク部22に噴射されたスラリーの一部を受ける。ポンプ26は、循環タンク25が受けたスラリーを循環させて、噴射部23に送るように構成される。また、循環タンク25には、図示しない水位検知センサが設けられ、水位が所定値よりも低下したときに、原液タンク13からスラリーが自動的に循環タンク25に供給される。
乾燥ユニット20では、まず、原液タンク13から供給されるスラリーを循環タンク25が受け、ポンプ26が循環タンク25内のスラリーを噴射部23に移送する。一方で、ディスク部22は、蒸気供給ユニット50によって加熱され、所定速度で周方向に回転する。噴射部23は、加熱され且つ回転したディスク部22の表面にスラリーを噴射する。スラリーはディスク部22によって加熱され、スラリーの水分が蒸発する。これにより、ディスク部22には、放射性物質を含む固形状(又は粉状)の乾燥物が残る。ディスク部22が回転することにより、ディスク部22に付着した乾燥物が、スクレーパ24によって掻き取られる。掻き取られた固形状の乾燥物は、移送ユニット40に設けられた後述するドラム缶41内に収納される。乾燥ユニット20は、ディスク部22から掻き取られた固形状の乾燥物をドラム缶41に払い出すための払い出し機構を備えていてもよい。この固形状の乾燥物は、含水率が数%以下に乾燥され、その体積は、乾燥前のスラリーの体積の数%まで低減される。スラリーが加熱されたことで発生する放射性物質を含む蒸気は、排気処理ユニット30へ排気される。
蒸気供給ユニット50は、乾燥ユニット20のディスク式乾燥機21が有するディスク部22に高温の蒸気を供給するように構成される。蒸気供給ユニット50は、ボイラー51を有し、ボイラー51で生成した蒸気がディスク部22の内部の空洞へ供給され、ディスク部22を加熱する。ディスク部22を介してスラリーと熱交換して冷却された蒸気は凝縮し、凝縮水(ドレン)が生成される。ドレンは、スチームトラップ52を介して排水される。
排気処理ユニット30は、乾燥ユニット20から排気された蒸気を凝縮して、蒸気から放射性物質を除去するように構成される。排気処理ユニット30は、ミストセパレータ31と、凝縮機32と、オフガス冷却器33と、第1排気フィルタ34と、第1排風機35とを有する。ミストセパレータ31は、乾燥ユニット20で発生した蒸気中に含まれるミストを捕集するように構成される。ミストセパレータ31を通過した蒸気は、凝縮機32及びオフガス冷却器33によって蒸気中の水分が凝縮される。具体的には、凝縮機32及びオフガス冷却器33には、冷却水が供給され、蒸気の熱が冷却水に吸収されることにより、蒸気中の水分が凝縮される。ミストセパレータ31、凝縮機32、及びオフガス冷却器33によって生成された凝縮水は、測定ユニット80へ移送される。
第1排気フィルタ34は、例えばHEPAフィルタであり、オフガス冷却器33を通過して蒸気から分離された気体に含まれる放射性物質を捕捉するように構成される。第1排風機35は、乾燥ユニット20で発生した蒸気をミストセパレータ31、凝縮機32、オフガス冷却器33、及び第1排気フィルタ34を通過させて、蒸気から分離した気体を外部に排出する。なお、凝縮機32は、オフガス冷却器33と一体に構成されていてもよい。
洗浄ユニット70は、原液タンク13、乾燥ユニット20、及び/又は排気処理ユニット30に洗浄水を供給するように構成される。具体的には、洗浄ユニット70は、例えばスラリー処理装置の停止中に、原液タンク13に付着したスラリーを洗浄し、乾燥ユニット20のディスク部22の表面に付着した放射性物質を含む固形状の乾燥物を洗浄し、且つ/又は排気処理ユニット30のミストセパレータ31及び凝縮機32に付着した凝縮水を洗浄するように構成される。これらのユニットの洗浄に使用された洗浄水は、放射性物質を含むことになるので、後述する凝縮水受けタンク81に回収され、適切に処理される。
測定ユニット80は、排気処理ユニット30で発生した蒸気の凝縮水の放射性物質濃度を測定するように構成される。具体的には、測定ユニット80は、凝縮水受けタンク81と、測定部82とを有する。凝縮水受けタンク81は、排気処理ユニット30のミストセパレータ31、凝縮機32、及びオフガス冷却器33で発生した蒸気の凝縮水や各ユニットの洗浄に使用された洗浄水を回収する。測定部82は、凝縮水受けタンク81内の凝縮水の一部をサンプリングして凝縮水に含まれる放射性物質の濃度を測定する。
凝縮水に含まれる放射性物質の濃度は、測定部82が不純物濃度を測定することで、間接的に測定することができる。測定部82は、例えば、凝縮水の導電率や濁度を測定することで、凝縮水の不純物濃度を測定することができる。制御部90は、測定部82が測定した不純物濃度を受信し、この不純物濃度に基づいて、放射性物質の濃度が第1の所定値よりも高いかどうかを判定する。放射性物質の濃度が第1の所定値よりも高い場合は、凝縮水に含まれる放射性物質の量が多いことを意味するので、制御部90は、凝縮水受けタンク81内の凝縮水を原液タンク13に戻すように測定ユニット80を制御する。具体的には、例えば、制御部90は、凝縮水受けタンク81と原液タンク13とを接続する第1戻り管路83に設けられる図示しないバルブを開き、凝縮水を原液タンク13に戻す。原液タンク13に戻された凝縮水は、原液タンク13に供給されるスラリーと共に減容化処理される。放射性物質の濃度が第1の所定値以下である場合は、凝縮水受けタンク81内の凝縮水は保管又は再利用され得る。
また、他の一例として、制御部90は、測定部82が測定した不純物濃度に基づき、放射性物質の濃度を第1の所定値よりも大きい第2の所定値と比較してもよい。放射性物質の濃度が第2の所定値よりも高い場合は、凝縮水に含まれる放射性物質の量が著しく多いことを意味するので、制御部90は、スラリー処理装置よりも前段の処理装置へ凝縮水を戻すように測定ユニット80を制御する(矢印84参照)。凝縮水は、前段の処理装置で再び放射性物質除去処理が行われたうえで、スラリー処理装置で処理される。
凝縮水に含まれる放射性物質を測定するためには、上述したように凝縮水の不純物濃度を計測してもよいし、これに代えて又はこれに加えて、凝縮水からの放射線量を計測してもよい。或いは、凝縮水の放射性物質を公定分析方法にて計測してもよい。なお、公定分析方法で凝縮水の放射性物質を計測する場合には、凝縮水受けタンク81からサンプリングした凝縮水を別の設備で分析する。この場合、作業員は、分析結果に基づいて測定ユニット80を手動で操作して、凝縮水受けタンク81内の凝縮水の処理(原液タンク13に戻す、保管する、再利用する等)を行う。
排気ユニット60は、第2排気フィルタ61と、第2排風機62とを有する。第2排気フィルタ61は、例えばHEPAフィルタであり、スラリー供給ユニット10と移送ユニット40から排気された気体中の放射性物質を除去する。第2排風機62は、スラリー供給ユニット10と移送ユニット40から排気された気体を、第2排気フィルタ61を通過させて外部に排出するように構成される。スラリー供給ユニット10及び移送ユニット40の内部では、スラリーに含まれる放射性物質が大気中に浮遊する。第2排気フィルタ61は、この放射性物質を捕捉するので、放射性物質が外部に流出することを抑制することができる。また、第2排風機62によって、スラリー供給ユニット10及び移送ユニット40の内部の大気中に放射性物質が滞留することなく、放射性物質を第2排気フィルタ61へ安定して導くことができる。
次に、移送ユニット40について説明する。移送ユニット40は、乾燥ユニット20でスラリーを乾燥して得られた固形状の放射性物質をドラム缶41(容器の一例に相当する)に収納して、ドラム缶41を移送するように構成される。具体的には、移送ユニット40は、放射線物質が収納されたドラム缶41の蓋を締める蓋締機42と、ドラム缶41を貯蔵庫へ移送する移送機44と、ドラム缶41に収納された放射性物質の重量及び/又は体積を測定する測定器43と、を有する。移送機44は、略直線上にドラム缶41を移送するベルトコンベアであってもよいし、ドラム缶41を円環上に移送するラウンドコンベア(メリーゴーランド)であってもよい。ドラム缶41は、放射線を遮蔽する金属を具備する。
乾燥ユニット20で得られた放射性物質を含む固形状の乾燥物がドラム缶41に収納されると、測定器43は、ドラム缶41内の乾燥物の重量及び/又は体積を測定する。測定器43は、例えば、重量を測定する重量測定器やドラム缶41内の乾燥物の高さ(レベル)を測定するレベル測定器を含むことができる。制御部90は、測定器43が測定した重量及び/又は体積が所定値に達したとき、移送機44を制御してドラム缶41を蓋締機42の下方に移送させる。これにより、ドラム缶41内に収納される乾燥物の量を適切に管理することができ、ドラム缶41内の乾燥物の量が少なすぎたり、ドラム缶41から乾燥物が溢れたりすることを防止することができる。
移送機44によって移送されたドラム缶41は、続いて、蓋締機42によって自動的に蓋が締められる。即ち、ドラム缶41に乾燥物が所定量収納されたときに、ドラム缶41が蓋締機42へ移送され、蓋締機42によって自動的に蓋が締められ、ドラム缶41が密閉される。蓋が締められたドラム缶41は、後段の貯蔵庫93へ移送される前に、放射線測定機92によってドラム缶41の放射線量が測定される。これにより、ドラム缶41から放射線の漏れが所定値以下か否かを確認することができる。放射線量が測定され、放射線の漏れが所定値以下であることが確認されたドラム缶41は、貯蔵庫93に貯蔵される。
以上で説明したユニットのうち、少なくともスラリー供給ユニット10と、乾燥ユニット20と、移送ユニット40では、放射性物質を含むスラリー及びこのスラリーから生じる放射性物質を含む固形状の乾燥物が処理されるので、これらのユニット内部の放射線量は比較的高くなる。このため、スラリー供給ユニット10と、乾燥ユニット20と、移送ユニット40は、これらのユニットから外部への放射線の漏洩を低減するために、放射線を遮蔽する遮蔽物で覆われることが望ましい。
また、同様に、少なくともスラリー供給ユニット10と、乾燥ユニット20と、移送ユニット40では、放射性物質を含むスラリー及びこのスラリーから生じる放射性物質を含む固形状の乾燥物が処理されるので、これらのユニット内部には、放射性物質が大気中に曝される虞がある。このため、スラリー供給ユニット10と、乾燥ユニット20と、移送ユニット40は、放射性物質が外部へ流出することを防止するために、密閉されることが望ましい。また、少なくともスラリー供給ユニット10と、乾燥ユニット20と、移送ユニット40は、外部への放射性物質の流出を防止するために、それらの内部が負圧に管理されることが望ましい。
次に、スラリー処理装置においてスラリーを処理する方法について説明する。以下で説明する各ユニットの処理は、制御部90により全て自動的に行われる。まず、スラリー供給ユニット10において、容器11から原液タンク13にスラリーが投入される。原液タンク13内のスラリーは、ポンプ等によって乾燥ユニット20の循環タンク25へ移送される。
乾燥ユニット20において、循環タンク25内のスラリーがポンプ26によって噴射部23へ移送され、噴射部23は、回転するディスク部22にスラリーを噴射する。このとき、ディスク部22は、蒸気供給ユニット50によって加熱される。ディスク部22に噴射されたスラリーは乾燥し、蒸気が発生するとともにディスク部22に放射性物質を含む固形状の乾燥物が残る。
乾燥ユニット20において発生した蒸気は、排気処理ユニット30へ排気され、第1排風機35によって、ミストセパレータ31、凝縮機32、オフガス冷却器33、及び第1排気フィルタ34を通過し、放射性物質が除去された気体が外部へ排気される。
ミストセパレータ31、凝縮機32、及びオフガス冷却器33で発生した凝縮水は、測定ユニット80の凝縮水受けタンク81に回収され、測定部82によって不純物濃度が測定され、不純物濃度に基づいて放射性物質濃度が測定される。放射性物質濃度が第1の所定値以下である場合は、凝縮水受けタンク81内の凝縮水は保管又は再利用される。放射性物質濃度が第1の所定値よりも高い場合は、凝縮水が原液タンク13に戻される。また、放射性物質濃度が第2の所定値よりも高い場合は、凝縮水を前段の処理装置へ戻してもよい。
一方で、乾燥ユニット20において、ディスク部22に付着した乾燥物はスクレーパ24によって掻き取られ、移送ユニット40のドラム缶41に収納される。移送ユニット40の測定器43は、ドラム缶41内に収納された乾燥物の重量及び/又は体積を測定する。所定の重量及び/又は体積の乾燥物がドラム缶41内に収納されると、移送機44によりドラム缶41は蓋締機42へ移送され、ドラム缶41の蓋が締められる。蓋締機42によって蓋が締められたドラム缶41は、放射線測定機92によって放射線量が測定され、放射線の漏れが所定値以下であることが確認された後、ドラム缶貯蔵庫93に貯蔵される。
上記の処理の間、スラリー供給ユニット10と移送ユニット40の内部の気体は、第2
排風機62によって排気ユニット60へ排気され、気体中の放射性物質が第2排気フィルタ61によって除去される。
洗浄ユニット70は、例えば、スラリー処理装置が停止している間、原液タンク13に付着したスラリーを洗浄し、乾燥ユニット20のディスク部22の表面に付着した乾燥物を洗浄し、且つ/又は排気処理ユニット30のミストセパレータ31及び凝縮機32に付着した凝縮水を洗浄する。
以上で説明したスラリー処理装置によれば、スラリーを乾燥させて含水率を下げることができる。また、スラリーを乾燥させて生成された放射性物質を含む乾燥物をドラム缶41に収納し、移送ユニット40によって後段に移送することができるので、放射性物質を外部に流出させることなく、適切に処理することができる。また、スラリーを乾燥させることで生じた蒸気は、排気処理ユニット30によって凝縮され、蒸気から放射性物質を除去することができるので、放射性物質を含む蒸気が外部に流出することを抑制することができる。さらに、測定ユニット80によりこの凝縮水の放射性物質濃度を測定することで、放射性物質がどの程度凝縮水に含まれているかを確認することができる。したがって、凝縮水を再び処理する必要があるか否か等の判断を適切に行うことができる。
また、スラリー処理装置は、凝縮水の放射性物質濃度が所定値よりも高い場合、凝縮水を原液タンク13に戻すので、凝縮水はスラリーと共に再び乾燥処理等され、凝縮水から放射性物質を適切に除去することができる。
上述したように、スラリー供給ユニット10と、乾燥ユニット20と、移送ユニット40は、放射線を遮蔽する遮蔽物で覆われるので、これらのユニットの外部への放射線の漏洩を低減することができる。
また、スラリー供給ユニット10と、乾燥ユニット20と、移送ユニット40は、密閉されるので、これらのユニットから放射性物質が外部へ流出することを防止することができる。
また、乾燥ユニット20で発生した蒸気は、排気処理ユニット30で放射性物質が除去されるので、放射性物質が外部に流出することを抑制することができる。さらに、乾燥ユニット20で発生した蒸気は第1排風機35によって積極的に排気されるので、蒸気が乾燥ユニット20に滞留することなく、安定して蒸気を排気することができる。
スラリー処理装置は、洗浄ユニット70を有するので、原液タンク13、乾燥ユニット20、及び/又は排気処理ユニット30に残った放射性物質を洗い流すことができ、放射性物質が各ユニットに溜まることを抑制することができる。
スラリー供給ユニット10及び移送ユニット40内の大気中に浮遊している放射性物質を第2排気フィルタ61で捕捉するので、放射性物質が外部に流出することを抑制することができる。また、第2排風機62によって、スラリー供給ユニット10及び移送ユニット40内の大気中に放射性物質を溜めることなく、放射性物質を第2排気フィルタ61へ安定して導くことができる。
スラリー処理装置は、移送ユニット40を有するので、乾燥物を収納したドラム缶41の蓋を締めることができ、乾燥物が外部へ流出することを防止することができる。また、乾燥物を収納したドラム缶41の蓋を自動で締め、貯蔵庫へ自動で移送することができるので、作業員が手動でこれらの作業を行う必要が無く、作業員の被ばくを防止することができる。また、このドラム缶41に収納される乾燥物は乾燥されて固形状であるので、金
属を具備するドラム缶41に収納してもドラム缶41の錆びの虞が少ない。また、ドラム缶41は放射線を遮蔽する金属を具備するので、収納された放射性物質からドラム缶41外に放射線が漏洩することを抑制することができる。
また、移送ユニット40は、測定器43を有するので、適切な量の乾燥物をドラム缶41に収納して、蓋を自動的に締めることができる。したがって、ドラム缶41から乾燥物が溢れることを防止することができ、ドラム缶41内の乾燥物の量を適切に管理することができる。
また、スラリー処理装置は、放射線測定機92を有するので、ドラム缶41から放射線の漏れが所定値以下かを確認することができる。
乾燥ユニット20は、ディスク式乾燥機21を採用しているので、スラリーの含水率を数%まで低減することができ、スラリーを著しく減容化することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲及び明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、又は省略が可能である。
10 スラリー供給ユニット
13 原液タンク
20 乾燥ユニット
21 ディスク式乾燥機
22 ディスク部
23 噴射部
24スクレーパ
30 排気処理ユニット
31 ミストセパレータ
32 凝縮器
34 第1排気フィルタ
35 第1排風機
40 移送ユニット
41 ドラム缶
42 蓋締機
44 移送機
50 蒸気供給ユニット
60 排気ユニット
61 第2排気フィルタ
62 第2排風機
70 洗浄ユニット
80 測定ユニット
92 放射線測定機

Claims (21)

  1. 放射性物質を含むスラリーを原液タンクに供給するように構成されたスラリー供給ユニットと、
    前記原液タンクから供給される前記スラリーを加熱して乾燥するように構成される乾燥ユニットであって、前記乾燥ユニットは、前記原液タンクから供給される前記スラリーを加熱する加熱面と、前記加熱面によって加熱されたスラリーの水分が蒸発した後に残る乾燥物を掻き取るための掻き取り機構と、を有する、乾燥ユニットと、
    前記乾燥ユニットからの排ガスのうち、前記乾燥ユニットにおいて前記スラリーを加熱することで生じた蒸気を凝縮する凝縮器と前記凝縮器を通過して前記蒸気分離した前記排ガスに含まれる放射性物質から成る固形物を捕捉する第1排気フィルタとを有する排気処理ユニットと、
    前記乾燥ユニットで前記スラリーを乾燥して得られる放射性物質を含む前記乾燥物を容器に収納して前記容器を移送するように構成される移送ユニットと、
    前記排気処理ユニットで発生した前記蒸気の凝縮水の放射性物質濃度を測定するように構成される測定ユニットと、を有し、
    前記測定ユニットは、前記凝縮水の放射性物質濃度が所定値よりも高いときにのみ、前記凝縮水を前記原液タンクに戻すように構成されるスラリー処理装置。
  2. 請求項1に記載されたスラリー処理装置において、
    前記スラリー供給ユニットと、前記乾燥ユニットと、前記移送ユニットは、放射線を遮蔽する遮蔽物で覆われる、スラリー処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載されたスラリー処理装置において、
    前記スラリー供給ユニットと、前記乾燥ユニットと、前記移送ユニットは、密閉される、スラリー処理装置。
  4. 請求項1ないしのいずれか一項に記載されたスラリー処理装置において、
    前記排気処理ユニットは、
    前記凝縮器を通過する前の前記乾燥ユニットからの前記排ガス中のミストを捕集するミストセパレータを有するスラリー処理装置。
  5. 請求項に記載されたスラリー処理装置において、
    前記排気処理ユニットは、前記乾燥ユニットで発生した前記排ガスを前記ミストセパレータ、前記凝縮機、及び前記第1排気フィルタを通過させて、前記排ガスから分離した気体を外部に排出するように構成された第1排風機を有する、スラリー処理装置。
  6. 請求項1ないしのいずれか一項に記載されたスラリー処理装置において、
    前記原液タンク、前記乾燥ユニット、及び/又は前記排気処理ユニットに洗浄水を供給するように構成された洗浄ユニットを有する、スラリー処理装置。
  7. 請求項1ないしのいずれか一項に記載されたスラリー処理装置において、
    前記スラリー供給ユニット及び前記移送ユニットから排気された気体中の放射性物質を捕捉する第2排気フィルタと、
    前記スラリー供給ユニット及び前記移送ユニットから排気された気体を、前記第2排気フィルタを通過させて外部に排出するように構成された第2排風機と、を有するスラリー処理装置。
  8. 請求項1ないしのいずれか一項に記載されたスラリー処理装置において、
    前記移送ユニットは、
    前記乾燥ユニットで前記スラリーを乾燥して得られる前記乾燥物が収納された前記容器の蓋を締める蓋締機と、
    前記容器を貯蔵庫へ移送する移送機と、を有し、
    前記容器は、放射線を遮蔽する金属を具備する、スラリー処理装置。
  9. 請求項に記載されたスラリー処理装置において、
    前記移送ユニットは、
    前記容器に収納された前記乾燥物の重量及び/又は体積を測定する測定器を有し、
    前記蓋締機は、前記容器に前記乾燥物が所定量収納されたときに前記容器の蓋を締めるように構成される、スラリー処理装置。
  10. 請求項又はに記載されたスラリー処理装置において、
    前記貯蔵庫へ移送される前記容器の放射線量を測定する放射線測定機を有する、スラリー処理装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれか一項に記載されたスラリー処理装置において、
    前記乾燥ユニットは、ディスク式乾燥機を有し、
    前記ディスク式乾燥機は、
    加熱可能に構成されたディスク部と、
    加熱された前記ディスク部に前記スラリーを噴射する噴射部と、
    前記ディスク部に付着した前記乾燥物を掻き取るスクレーパと、を有し、
    前記ディスク部は前記加熱面を含み、
    前記スクレーパは前記掻き取り機構を含む、スラリー処理装置。
  12. 請求項1ないし11のいずれか一項に記載されたスラリー処理装置において、
    前記スラリー供給ユニットと、前記乾燥ユニットと、前記排気処理ユニットと、前記移送ユニットと、前記測定ユニットは、互いに独立したユニットであり、互いに組立可能に構成される、スラリー処理装置。
  13. 放射性物質を含むスラリーを原液タンクに供給する工程と、
    前記原液タンクから供給される前記スラリーを加熱して乾燥する乾燥工程であって、前記原液タンクから供給される前記スラリーを加熱面で加熱すること、及び前記加熱面によって加熱されたスラリーの水分が蒸発した後に残る乾燥物を掻き取ることを含む、乾燥工程と、
    前記乾燥工程で発生した排ガスのうち、前記スラリーを加熱することで発生した蒸気を凝縮する凝縮工程と前記凝縮工程を経て前記蒸気分離した前記排ガスに含まれる放射性物質から成る固形物を第1排気フィルタで捕捉する捕捉工程と、を含む排気処理工程と、
    前記乾燥工程で前記スラリーを乾燥して得られる放射性物質を含む前記乾燥物を容器に収納して前記容器を移送する移送工程と、
    前記排気処理工程で発生した前記スラリーの蒸気の凝縮水を回収して前記凝縮水の放射性物質濃度を測定する測定工程と、
    前記測定工程で測定された前記凝縮水の放射性物質濃度が所定値よりも高いときにのみ、前記凝縮水を前記原液タンクに戻す工程と、を有するスラリー処理方法。
  14. 請求項13に記載されたスラリー処理方法において、
    前記排気処理工程は、
    前記凝縮工程の前に、前記乾燥工程で発生した前記排ガス中のミストを捕集する捕集工程、
    含む、スラリー処理方法。
  15. 請求項14に記載されたスラリー処理方法において、
    前記排気処理工程は、前記捕集工程、前記凝縮工程、及び前記捕捉工程を経て、前記排ガスから分離した気体を外部に排出する工程を有する、スラリー処理方法。
  16. 請求項13ないし15のいずれか一項に記載されたスラリー処理方法において、
    前記原液タンク、乾燥ユニット、及び/又は排気処理ユニットに洗浄水を供給する工程を有する、スラリー処理方法。
  17. 請求項13ないし16のいずれか一項に記載されたスラリー処理方法において、
    スラリー供給ユニット及び移送ユニットから排気された気体中の放射性物質を第2排気フィルタで捕捉する工程と、
    前記スラリー供給ユニット及び前記移送ユニットから排気された気体を、前記第2排気フィルタを通過させて外部に排出する工程と、を有するスラリー処理方法。
  18. 請求項13ないし17のいずれか一項に記載されたスラリー処理方法において、
    前記移送工程は、
    前記乾燥工程で前記スラリーを乾燥して得られる前記乾燥物が収納された前記容器の蓋を締める蓋締工程と、
    前記容器を貯蔵庫へ移送する工程と、を有するスラリー処理方法。
  19. 請求項18に記載されたスラリー処理方法において、
    前記移送工程は、
    前記容器に収納された前記乾燥物の重量及び/又は体積を測定する工程を含み、
    前記蓋締工程は、前記容器に前記乾燥物が所定量収納されたときに前記容器の蓋を締める、スラリー処理方法。
  20. 請求項18又は19に記載されたスラリー処理方法において、
    前記貯蔵庫へ移送される前記容器の放射線量を測定する工程を有する、スラリー処理方法。
  21. 請求項13ないし20のいずれか一項に記載されたスラリー処理方法において、
    前記乾燥工程は、
    加熱されたディスク部に前記スラリーを噴射する工程と、
    前記ディスク部に付着した前記乾燥物を掻き取る工程と、を有する、スラリー処理方法。
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