JP2020183922A - 汚染水乾燥処理装置及び汚染水乾燥処理方法 - Google Patents

汚染水乾燥処理装置及び汚染水乾燥処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】汚染水を濃縮・乾燥させ、当該装置から排出されるガスの放射線量が大気中に放出可能な程度である汚染水乾燥処理装置を提供する。【解決手段】汚染水及び第一の吸収剤を混合してスラリーを形成するスラリータンク11と、スラリーが供給された際に、当該スラリーを噴霧乾燥して放射性物質の一部及び第一の吸収剤を含む汚染粒子と放射性物質の残余成分を含む蒸発ガスとを形成する噴霧乾燥機13と、蒸発ガスに第二の吸収剤を供給する第二の吸収剤用タンク15と、噴霧乾燥機13及び第二の吸収剤用タンク15に連結され、蒸発ガスと第二の吸収剤との混合物から残余成分を捕集する、直列に連結された2つ以上のバッグフィルタ19を備えるバッグフィルタ群17と、噴霧乾燥機13とバッグフィルタ群17の各バッグフィルタ19とに連結され、汚染粒子及び残余成分を含む粉体を回収する粉体タンク21と、を備える、汚染水乾燥処理装置100。【選択図】図1

Description

本発明は、汚染水乾燥処理装置及び汚染水乾燥処理方法に関する。更に詳しくは、多核種除去設備で処理された処理水(放射性物質を含むもの)を濃縮・乾燥させ、保管スペース(即ち、放射性物質の保管スペース)を小さくすることができ、排出されるガスの放射線量は大気中に放出可能な放射線量である汚染水乾燥処理装置及び汚染水乾燥処理方法に関する。
現在、福島第一原子力発電所における除染手段として、鉄共沈及び炭酸塩共沈を行う前処理設備と、吸着材交換式の直列多数基の吸着塔と、からなる多核種除去設備(ALPS(Advanced Liquid Processing System))が採用されている。
このALPSは、上記の通り前処理設備と吸着塔とを有しており、以下のように除染を行うものである。まず、既設の水処理設備で油分、セシウム等が除去された汚染水が、前処理設備に供給され、鉄共沈処理と炭酸塩共沈処理が行われる。次に、前処理設備で処理された汚染水は、吸着塔へ移送される。そして、吸着塔では、放射性物質吸着材によって汚染水中の放射性物質が吸着される。その後、吸着塔で処理された処理水(放射性物質吸着材によって放射性物質が除去された水)は、保管タンクに貯蔵されることになる。
このALPSで処理され保管タンクに貯蔵された処理水は、実際には未だ放射性物質を含んでおり(即ち、この処理水は「放射性汚染物」と言うことができる)、含有される放射性物質の量は、この処理水を海に排出可能な排水基準以下には達していない。そのため、上記処理水は、福島第一原子力発電所の敷地内に保管されている状態である。そして、この処理水は、日々増え続けており、その保管場所の問題などが生じている。
ここで、放射性物質を含む水から放射性物質を除去して除染する方法としては、例えば、放射性物質を含む液体を放射性物質除去機能が付与された有機高分子よりなるイオン交換繊維等と接触させて微粒子状などの放射性物質を除去する放射性液体の除染方法が報告されている(特許文献1参照)。
特開2013−140031号公報
しかし、特許文献1に記載の放射性液体の除染方法であっても、ALPSで処理された後の処理水(放射性汚染物)に含まれる放射性物質を除去するには十分ではなく、上記処理水中の放射性物質をより良好に除去でき、更に放射性物質の保管スペースを小さくできる汚染水乾燥処理装置の開発が切望されていた。
本発明は、上述のような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、多核種除去設備で処理された処理水(放射性物質を含む汚染水)を濃縮・乾燥させ、保管スペース(即ち、放射性物質の保管スペース)を小さくすることができる汚染水乾燥処理装置及び汚染水乾燥処理方法を提供するものである。
本発明により、以下の汚染水乾燥処理装置及び汚染水乾燥処理方法が提供される。
[1] 放射性物質を含む汚染水及び第一の吸収剤を混合してスラリーを形成するスラリータンクと、
前記スラリーが供給された際に、当該スラリーを噴霧乾燥して前記放射性物質の一部及び前記第一の吸収剤を含む汚染粒子と前記放射性物質の残余成分を含む蒸発ガスとを形成する噴霧乾燥機と、
前記蒸発ガスに第二の吸収剤を供給する第二の吸収剤用タンクと、
前記噴霧乾燥機及び第二の吸収剤用タンクに連結され、前記蒸発ガスと前記第二の吸収剤との混合物から前記残余成分を捕集する、直列に連結された2つ以上のバッグフィルタを備えるバッグフィルタ群と、
前記噴霧乾燥機と前記バッグフィルタ群の各バッグフィルタとに連結され、前記汚染粒子及び前記残余成分を含む粉体を回収する粉体タンクと、を備える、汚染水乾燥処理装置。
[2] 前記バッグフィルタ群が、直列に連結された3つ以上の前記バッグフィルタを備え、当該バッグフィルタ群のうちの最後尾の前記バッグフィルタは、他の前記バッグフィルタよりも容量が大きい、前記[1]に記載の汚染水乾燥処理装置。
[3] 前記スラリータンクと前記噴霧乾燥機との間には、前記噴霧乾燥機に前記スラリーを連続的に供給するサービスタンクが配置されている、前記[1]または[2]に記載の汚染水乾燥処理装置。
[4] 前記第二の吸収剤は、2種類以上の吸収剤からなり、各吸収剤を貯留する複数のタンクを備える、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の汚染水乾燥処理装置。
[5] 前記汚染水が貯留され前記スラリータンクに汚染水を供給する汚染水タンクと、
前記第一の吸収剤が貯留され前記スラリータンクに前記第一の吸収剤を供給する第一の吸収剤用タンクと、を備える、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の汚染水乾燥処理装置。
[6] 放射性物質を含む汚染水及び第一の吸収剤を混合させてスラリーを作製するスラリー作製ステップと、
前記スラリーを噴霧乾燥機によって噴霧乾燥して、前記放射性物質の一部及び第一の吸収剤を含む汚染粒子と前記放射性物質の残余成分を含む蒸発ガスとを形成させる噴霧乾燥ステップと、
前記蒸発ガスを回収し、回収した前記蒸発ガスに第二の吸収剤を混合した後、直列に連結された2つ以上のバッグフィルタを備えるバッグフィルタ群によって前記残余成分を捕集する残余成分捕集ステップと、
前記噴霧乾燥機で得られる前記汚染粒子、及び前記バッグフィルタ群の各バッグフィルタで得られる前記残余成分を含む粉体を回収する回収ステップと、を有する、
前記[1]〜[5]のいずれかに記載の汚染水乾燥処理装置を用いる汚染水乾燥処理方法。
本発明の汚染水乾燥処理装置は、多核種除去設備で処理された処理水(未だ放射性物質を含む放射性汚染物(即ち、「汚染水」))を濃縮・乾燥させ、放射性汚染物の容積を小さくすることができ、その保管スペース(即ち、放射性物質の保管スペース)を小さくすることができ、更に、当該装置から排出されるガスの放射線量が大気中に放出可能な程度である。
本発明の汚染水乾燥処理方法によれば、本発明の汚染水乾燥処理装置を用いることで、多核種除去設備で処理された処理水(未だ放射性物質を含む放射性汚染物(即ち、「汚染水」))を濃縮・乾燥させ、放射性汚染物の容積を小さくすることができ、その保管スペース(即ち、放射性物質の保管スペース)を小さくすることができる。また、使用する上記装置から排出されるガスの放射線量は大気中に放出可能な程度となる。
本発明の汚染水乾燥処理装置の一の実施形態を模式的に示す説明図である。 実施例1における、汚染水の乾燥処理操作を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。即ち、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に属することが理解されるべきである。
(1)汚染水乾燥処理装置:
本発明の汚染水乾燥処理装置の一の実施形態は、図1に示す汚染水乾燥処理装置100である。汚染水乾燥処理装置100は、放射性物質を含む汚染水及び第一の吸収剤を混合してスラリーを形成するスラリータンク11と、スラリーが供給された際に、当該スラリーを噴霧乾燥して放射性物質の一部及び第一の吸収剤を含む汚染粒子と放射性物質の残余成分を含む蒸発ガスとを形成する噴霧乾燥機13と、蒸発ガスに第二の吸収剤を供給する第二の吸収剤用タンク15と、噴霧乾燥機13及び第二の吸収剤用タンク15に連結され、蒸発ガスと第二の吸収剤との混合物から残余成分を捕集する、直列に連結された2つ以上のバッグフィルタ19を備えるバッグフィルタ群17と、噴霧乾燥機13とバッグフィルタ群17の各バッグフィルタ19とに連結され、汚染粒子及び残余成分を含む粉体を回収する粉体タンク21と、を備えている。
多核種除去設備(ALPS)によって処理された処理水(処理後の水)中には、依然として放射性物質が残っており、そのまま海に排出可能な排水基準以下には達していない。そのため、この処理水は、放射性汚染物というものである。ここで、汚染水乾燥処理装置100は、この放射性汚染物である処理水を濃縮・乾燥させ、その保管スペース(即ち、放射性物質の保管スペース)を小さくすることができる。また、汚染水乾燥処理装置100においては、この装置から排出されるガス中の放射性物質の濃度(放射線量)は非常に小さく、この汚染水乾燥処理装置100から排出されるガスの放射線量は大気中に放出することができる程度となる。
更に、汚染水乾燥処理装置100は、バッグフィルタ群17が、直列に連結された3つのバッグフィルタ19を備え、当該バッグフィルタ群17のうちの最後尾のバッグフィルタであって他のバッグフィルタ19よりも容量が大きいバッグフィルタ(調整バッグフィルタ31)を備えている。更に、汚染水乾燥処理装置100は、スラリータンク11と噴霧乾燥機13との間には、噴霧乾燥機13にスラリーを連続的に供給するサービスタンク23が配置されている。更に、汚染水乾燥処理装置100は、2つのタンクから構成される第二の吸収剤用タンク15を有しており、各タンクには、それぞれ異なる吸収剤が貯留されている。更に、汚染水乾燥処理装置100は、汚染水が貯留されスラリータンク11に汚染水を供給する汚染水タンク25と、第一の吸収剤が貯留されスラリータンク11に第一の吸収剤を供給する第一の吸収剤用タンク27と、を備えている。汚染水タンク25の容量は、特に制限はないが、1〜10000mとすることができる。
ここで、本発明の汚染水乾燥処理装置は、より具体的には、福島第一原子力発電所に貯蔵されている汚染水の濃縮・乾燥処理を行い、規制値以下に除染した後にガスを大気中に放出する装置である。即ち、2019年4月現在、事故を起こした福島第一原子力発電所の放射性物質を含む汚染水は、第一段階の除染処理として多核種除去設備(ALPS)で処理され、その処理水(以下、「ALPS処理水」という場合がある)が貯蔵タンクに貯蔵されている。このALPS処理水は、実際には放射性物質を未だ含んでおり、更にその濃度は海への排出基準以下にまでは達していない。そのため、ALPS処理水は上記の通り敷地内の貯蔵タンクで保管されている。ここで、敷地内で保管しているALPS処理水を薄めて排出基準以下とした後、太平洋に排出する案もあるが、放射性物質の絶対量が莫大であり、更に、薄めるとは言え放射性物質を太平洋に排出することは、日本の漁業関係者はもちろんのこと、世界中の国より批判の対象となっている。
本発明の汚染水乾燥処理装置は、ALPS処理水に含まれたセシウムなどの放射性物質を吸収剤と混合して泥状液体(スラリー)とし、これを噴霧乾燥機で濃縮・乾燥させ、(i)放射性物質の一部及び第一の吸収剤を含む汚染粒子と、(ii)放射性物質の残余成分を含む蒸発ガスとに分ける。即ち、放射性物質の一部を吸収剤(粉体)に移行させ、残りの放射性物質(第一の吸収剤に吸収されなかった放射性物質)を水蒸気状の蒸発ガスとする。より具体的には、ALPS処理水は、噴霧乾燥機13の中で瞬時(5〜30秒)に濃縮され(汚染粒子となり)、第一の吸収剤中に液体状で吸収され、蒸発して気体状となるものと分離される。更に、第一の吸収剤中に液体状で吸収されたものは、噴霧乾燥機13で乾燥されて粉体が得られることになる。なお、この粉体は、重量比で濃縮液体を1〜5重量%含む。次に、上記蒸発ガスは更に吸収剤(第二の吸収剤)を投入したバッグフィルタ(ろ過式集塵機)によって処理され、放射性物質の残余成分が第二の吸収剤に吸収される。このように本発明の汚染水乾燥処理装置では、ALPS処理水を濃縮・乾燥させることができ、最終的に液体としてはゼロにすることができ本発明の汚染水乾燥処理装置を用いると、大気中に放出されるのは、規制値以下に除染されたガスとすることができる。
(1−1)スラリータンク:
スラリータンク11は、放射性物質を含む汚染水及び第一の吸収剤を混合してスラリーを形成するものである。汚染水乾燥処理装置100は、上記スラリーを形成することで、第一の吸収剤が汚染水中の放射性物質を良好に捕捉することができる。ここで、吸収剤を含むスラリーを形成しない場合(即ち、単に汚染水を噴霧乾燥機に供給した場合)、噴霧乾燥機13において放射性物質が十分に捕集されないことになり、最終的に、大気放出のための規制値以下の放射線量となるまで除染することができない。より具体的には、汚染水中には加熱により蒸発して気体となる放射性物質(放射性ガス)が含まれている。ここで、汚染水をそのまま(即ち、吸収剤と混合してスラリー化することなく)噴霧乾燥させると、上記放射性ガスは単に蒸発してしまって捕捉することができず、十分に除染することができないこととなる。
第一の吸収剤としては、例えば、ゼオライト粉、雲母粉、シリカ粉、活性炭粉などを挙げることができ、これらを単独または2種類以上用いることができる。
第一の吸収剤の使用量は、特に制限はないが、1〜10000kg程度とすることができる。
スラリーの粘度は、特に制限はなく適宜設定することができる。このスラリーの粘度は、このスラリータンク11にて調節することができる。スラリーの粘度は、特に制限はなく適宜設定することができ、ポンプで輸送できる粘度であれば良い。粘度を所定の範囲に調節したスラリーを噴霧乾燥機13に供給することで、汚染水中の放射性物質をより効率的に捕捉することができる。
スラリータンク11の容量は、特に制限はなく適宜選択することができるが、1〜10000mとすることができる。
(1−2)噴霧乾燥機:
噴霧乾燥機13は、スラリーが供給された際に、当該スラリーを噴霧乾燥して「放射性物質の一部及び第一の吸収剤を含む汚染粒子」と「放射性物質の残余成分を含む蒸発ガス」とを形成するものである。この噴霧乾燥機13によって、放射性物質が第一の吸収剤により強固に捕捉されることになる。
噴霧乾燥の条件は、従来公知の条件を適宜採用することができるが、例えば、100〜500℃とすることができ、好ましくは350℃程度とすることができる。
噴霧乾燥機13は、スラリータンク11に連結されており(但し、サービスタンク23を備える場合には、噴霧乾燥機13はサービスタンク23に連結されている)、スラリータンク11中のスラリーが噴霧乾燥機13に供給されることになる。
汚染粒子は、汚染水に含まれていた放射性物質の一部及び第一の吸収剤を含むものであり、例えばゼオライト(第一の吸収剤)が、その内部に放射性物質を取り込んだ状態の粒子状のものをいう。
蒸発ガスは、放射性物質の残余成分を含むガスであり、汚染水に含まれていた放射性物質のうち、第一の吸収剤によって吸収されなかったもの(残余成分)を含むものである。
この噴霧乾燥機13は、従来公知の噴霧乾燥機を適宜選択して用いることができる。より具体的には、スプレードライの微粒化方式にノズルアトマイザーを複数(具体的には3〜12本)使用したものを用いることができる。放射性物質が噴霧乾燥機13に移行して放射性濃度が高まることが予想されるためである。また、ノズルアトマイザーは、1年での使い捨てであるので、分解メンテナンスに伴う危険(被ばく等)を回避することができる。更に、ワンパス型のスプレードライ方式であることがよい。このようにワンパス型であると、循環型に比べて噴霧乾燥機が汚染される度合いが少ないという利点がある。ワンパス型とは、ガスを循環させずに噴霧乾燥機等による処理後、ガスを装置外に放出するタイプの装置であることを意味する。
(1−3)第二の吸収剤用タンク:
第二の吸収剤用タンク15は、蒸発ガスに第二の吸収剤を供給するものである。この第二の吸収剤用タンク15によって蒸発ガス中に第二の吸収剤を供給することができ、第二の吸収剤によって蒸発ガス中の放射性物質を吸収させ、捕捉することができる。そのため、本発明の汚染水乾燥処理装置から排出されるガス中の放射性物質の濃度(放射線量)を低くし、当該ガスを大気中に放出することができる。なお、第二の吸収剤用タンク15を用いない場合、即ち、第二の吸収剤を採用しない場合、蒸発ガス中の気体状の放射性物質を捕集することができない。つまり、蒸発ガス中の気体状の放射性物質は、単にバッグフィルタ19を通過してしまい、捕集されない。そのため、大気中に放出できる程度に十分に放射線量を低くすることができない。
第二の吸収剤としては、例えば、粉末消石灰、ゼオライト粉、シリカ粉、活性炭粉などを挙げることができ、これらは単独でまたは2種類以上を用いることができる。即ち、第二の吸収剤は、1種類以上の吸収剤であり、望ましくは2種類以上からなることがよい。
第二の吸収剤用タンク15は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。第二の吸収剤を2種類以上用いる場合には、それぞれの吸収剤を貯留するためのタンクを設けることがよい。
なお、第二の吸収剤を2種類以上用いる場合、第二の吸収剤を分配するための分配器29を設けることがよい。この分配器29によって所定量を各バッグフィルタ19に供給することができる。この場合、1つ目(1段目)のバッグフィルタ19から排出されるろ過ガスと第二の吸収剤を混合させ、第二の吸収剤によってろ過ガス中の放射性物質を吸収させ、その後、2つ目(2段目)のバッグフィルタ19で放射性物質(放射性粉体)を捕捉することができる。なお、3つ目(3段目)のバッグフィルタ19についても同様にろ過ガスと第二の吸収剤を混合させることになる。
第二の吸収剤の使用量は、特に制限はなく適宜設定することができる。そして、粉末消石灰などの使用量は、1〜10000kg程度とすることができ、活性炭などの使用量は、1〜5000kg程度とすることができる。
(1−4)バッグフィルタ群:
バッグフィルタ群17は、噴霧乾燥機13及び第二の吸収剤用タンク15に連結され、蒸発ガスと第二の吸収剤との混合物から残余成分を捕集する、直列に連結された2つ以上のバッグフィルタ19を備えるものである。このバッグフィルタ群17を用いることによって、ALPS処理水の除染を更に進めることができ、最終的に基準値以下の放射線量として大気中に排出することができる。また、ALPSで処理され保管タンクに貯蔵された処理水を長時間(8時間以上)連続して処理できる。即ち、直列に連結された2つ以上のバッグフィルタ19を用いない場合(即ち、バッグフィルタ19を用いないか、或いは、バッグフィルタ19が1つである場合(2つ以上備えていても直列でない場合))、十分に残余成分の捕集を行うことができず、また、長時間の連続処理ができない。
本明細書において「直列に連結された」とは、1つ目のバッグフィルタでろ過した後、そのろ過されたガスを更に2つ目のバッグフィルタでろ過するように、順次、ろ過されたガスをバッグフィルタでろ過するようにバッグフィルタが配置されていることを意味する。
「残余成分」は、噴霧乾燥機13で発生する蒸発ガスに含まれる放射性物質のことをいい、汚染水に含まれる全放射性物質のうち、噴霧乾燥機13までの過程で第一の吸収剤によって捕捉されなかった残りの放射性物質をいう。
バッグフィルタ群17を構成する各バッグフィルタ19は、従来公知のバッグフィルタを適宜採用することができる。
バッグフィルタ19は、筐体と、当該筐体内を上部空間(ろ過済み空間)と下部空間(ろ過前空間)に区画し且つ複数の貫通孔が形成された区画壁と、当該区画壁の貫通孔のそれぞれから下方に延びるバッグ状エレメントと、を備えているものなどを用いることができる。このようなバッグフィルタ19は、噴霧乾燥機13からろ過前空間に、蒸発ガスと第二の吸収剤との混合物が供給され、各バッグ状エレメントの表面において第二の吸収剤によって蒸発ガス中の放射性物質(放射性物質を含む第二の吸収剤からなる粉体(残余成分を含む粉体(即ち、放射性粉体))が捕集される。そして、このバッグフィルタ19は、定期的にバッグ状エレメントにパルスエアなどが当てられ、バッグ状エレメントの表面に捕集された放射性粉体が払い落とされる(エレメント再生処理)。このようにバッグフィルタ19を用いると、フィルタとしての再生機能を有するため、フィルタの再生が容易になる。なお、このエレメント再生処理は、バッグ状エレメントの全てを一度に行うのではなく、その一部を順次行うこととなる。なお、バッグフィルタ19には、区画壁の各貫通孔から下方に延びてバッグ状エレメントを支持するリテーナ(枠材)を備えている。このバッグ状エレメントはリテーナを覆っているということもできる。
1つ目(1段目)のバッグフィルタ19におけるバッグ状エレメントでろ過され、ろ過済み空間に移動したろ過ガスは、2つ目(2段目)バッグフィルタ19のろ過前空間に供給され、更に、2段目のバッグフィルタ19のバッグ状エレメントでろ過されることになる。
なお、バッグフィルタ19は、上記構造のものに限らず適宜採用することができる。ここで、バッグフィルタ19以外の通常のフィルタを使用する場合、数十μmの粉体を対象としたろ過を行う場合、装置の運転中に目詰まりが発生続け、その結果、8時間以上の連続運転は不可能となる。一方、バッグフィルタを用いると、上述の通り、圧縮空気によるパルスジェット(パルスエア)によって運転中でもバッグ状エレメントのクリーニングが可能であるため、8時間以上の連続運転(長時間連続運転)が可能となる。なお、ALPSで処理され保管タンクに貯蔵された処理水は、非常に大量に存在し、日々発生するものであるため、長時間連続運転が可能であることが重要となる。
バッグフィルタ群17が備えるバッグフィルタ19の数は、特に制限はないが、2つまたは3つ程度であることがよい。
バッグフィルタ群17は、直列に連結された3つ以上のバッグフィルタ19を備え、当該バッグフィルタ群17のうちの最後尾のバッグフィルタ19(調整バッグフィルタ31)は、他のバッグフィルタ19よりも容量が大きいものであることが好ましい。この調整バッグフィルタ31を備えることによって、大気中に排出するβ放射線を出すトリチウム等の放射線物質の濃度を適正な範囲に調節することができる。
調整バッグフィルタ31には、大気等のガスをこの調整バッグフィルタ31に供給するための送風機(ブロワー)33が連結されていることがよい。
(1−5)粉体タンク:
粉体タンク21は、噴霧乾燥機13とバッグフィルタ群17の各バッグフィルタ19とに連結され、汚染粒子及び残余成分を含む粉体を回収するものである。この粉体タンク21は、従来公知の粉体タンク(回収タンク)を適宜採用することができる。
粉体タンク21の容量は、特に制限はなく適宜設定することができるが、1〜100mとすることができる。
なお、粉体タンク21に回収された粉体(汚染粒子及び残余成分を含む粉体)は、管理される放射性物質として他の固形物放射性物質と同様に処理管理されることがよい。
(1−6)サービスタンク:
サービスタンク23は、スラリータンク11と噴霧乾燥機13との間に配置され、噴霧乾燥機13に連続的にスラリーを供給するものである。ここで、スラリーは、スラリータンク11においてバッチ式で製造及び調整されるので、製造及び調整されたスラリーをサービスタンク23に一旦貯めることで、スラリーを噴霧乾燥機13に連続的に供給することができる。特に、汚染水乾燥処理装置100は、並列に複数の噴霧乾燥機13を備えることができ、このように複数の噴霧乾燥機13を備える場合には、1つのスラリータンク11から、一旦、1つのサービスタンク23にスラリーを供給し、その後、このサービスタンク23から複数の噴霧乾燥機13のそれぞれにスラリーを分配することができる。なお、各噴霧乾燥機13の下流にはそれぞれバッグフィルタ群17が配置されることになる(即ち、バッグフィルタ群17を複数備えることになる)。
なお、「連続的に」とは、スラリーはスラリータンク11においてバッチ式でそれぞれ製造及び調整されるが、噴霧乾燥機13へのスラリーの供給は各バッチごとに中断するのではなく連続して供給することを意味する。
(2)汚染水乾燥処理装置の使用方法:
本発明の汚染水乾燥処理装置の使用方法は、以下の通りである。まず、汚染水タンク25からスラリータンク11に、当該汚染水タンク25に貯留された汚染水を供給するとともに、第一の吸収剤用タンク27からスラリータンク11に、当該第一の吸収剤用タンク27に貯留された第一の吸収剤(ゼオライトなど)を供給する。その後、スラリータンク11において汚染水及び第一の吸収剤を混合してスラリーを形成し、必要に応じてこのスラリーの粘度が適宜調整される。次に、形成されたスラリーをサービスタンク23に供給し、このサービスタンク23から噴霧乾燥機13にスラリーを供給する。そして、噴霧乾燥機13に供給されたスラリーは、噴霧乾燥機13の供給口で圧縮空気源35から供給される圧縮空気などによって、微粒化されて微小液滴37とされ、噴霧乾燥機13内で瞬間的に濃縮・乾燥される。微小液滴37の粒子径としては、1〜500μmとすることができ、好ましくは50μm程度である。
噴霧乾燥機13における濃縮・乾燥用熱風は、熱風用送風機39から熱風発生器41で熱風(100℃〜500℃とすることができ、好ましくは350℃程度である)とされたものである。この濃縮・乾燥用熱風によって微小液滴37は、瞬時(5〜30秒程度)に気体(蒸発ガス)と粉体(汚染粒子)に分けられる。そして、分けられた気体(蒸発ガス)は、予め第二の吸収剤を入れたバッグフィルタ群17に供給される。このバッグフィルタ群17では、直列に連結された2つ以上のバッグフィルタ(ろ過式集塵機)19が配置され、1つ目(1段目)のバッグフィルタ19でろ過がされて放射性物質が除去され、その後、2つ目(2段目)のバッグフィルタ19で更にろ過がされて放射性物質が除去され、順次ろ過がなされて放射線量が低くなる。
なお、第二の吸収剤は、粉末消石灰などを貯留する(A)タンク45及び活性炭などを貯留する(B)タンク47から供給される。このとき、(A)タンクから排出された粉末消石灰などと、(B)タンク47から排出された活性炭などは、分配器29に投入され、この分配器29によって所定量を各バッグフィルタ19に供給する。
バッグフィルタ群17による放射性物質(主にトリチウム)の除去の程度によっては、以下の調整バッグフィルタ31を設けることもできる。即ち、直列に連結された3つ以上のバッグフィルタ19を配置し、これらのうちの最後尾のバッグフィルタ(調整バッグフィルタ31)に送風機(ブロワー)33によって希釈空気を供給し、この調整バッグフィルタ31で希釈とろ過を行う。このようにして、バッグフィルタ群17により処理した後、ろ過ガスは、排風機43で大気に放出される。また、噴霧乾燥機13から排出された汚染粒子、及びバッグフィルタ群17の各バッグフィルタ19から排出された粉体(残余成分を含む粉体)は、粉体タンク21に回収され、貯蔵される。以上のようにして、本発明の汚染水乾燥処理装置を使用することができ、ろ過ガスの放射線量は、大気への排気の規制値以下とすることができる。
このように本発明の汚染水乾燥処理装置では、ろ過ガス(バッグフィルタ群の最後尾のバッグフィルタから排出されたガス)を回収して装置内(噴霧乾燥機13やバッグフィルタ19)に戻して、装置内を循環させるものではなく、ろ過ガスはそのまま大気中に放出される(いわゆる「ワンパス型」)。なお、ろ過ガスを回収して装置内(特に噴霧乾燥機13)に投入してガスを循環させる場合、特に放射性物質としてトリチウムが含まれると、循環されることでトリチウムの濃度が高まり、噴霧乾燥機13が汚染される度合いが大きい(特に、噴霧乾燥機13を構成するステンレスが汚染される傾向がある)。
(3)本発明の汚染水乾燥処理方法:
本発明の汚染水乾燥処理方法は、本発明の汚染水乾燥処理装置を用いる方法である。そして、本発明の汚染水乾燥処理方法は、放射性物質を含む汚染水及び第一の吸収剤を混合させてスラリーを作製するスラリー作製ステップと、スラリーを噴霧乾燥機によって噴霧乾燥して、放射性物質の一部及び第一の吸収剤を含む汚染粒子と放射性物質の残余成分を含む蒸発ガスとを形成させる噴霧乾燥ステップと、蒸発ガスを回収し、回収した蒸発ガスに第二の吸収剤を混合した後、直列に連結された2つ以上のバッグフィルタを備えるバッグフィルタ群によって残余成分を捕集する残余成分捕集ステップと、噴霧乾燥機で得られる汚染粒子、及びバッグフィルタ群の各バッグフィルタで得られる残余成分を含む粉体を回収する回収ステップと、を有する方法である。
このような汚染水乾燥処理方法によれば、本発明の汚染水乾燥処理装置を用いることで、多核種除去設備で処理された処理水(未だ放射性物質を含む放射性汚染物(即ち、「汚染水」))を濃縮・乾燥させ、その保管スペース(即ち、放射性物質の保管スペース)を小さくすることができる。また、使用する上記装置から排出されるガスの放射線量は大気中に放出可能な程度となる。
(2−1)スラリー作製ステップ:
スラリー作製ステップは、放射性物質を含む汚染水及び第一の吸収剤を混合させてスラリーを作製するステップである。このように本ステップによって上記スラリーを作製し、このスラリーを噴霧乾燥させることで効率よく放射性物質を捕捉することができる。ここで、スラリーが吸収剤を含まない場合、上述したように、最終的に、大気放出のための規制値以下の放射線量となるまで除染することができない。より具体的には、汚染水中には加熱により蒸発して気体となる放射性物質(放射性ガス)が含まれている。ここで、汚染水をそのまま(即ち、吸収剤と混合してスラリー化することなく)噴霧乾燥させると、上記放射性ガスは単に蒸発してしまって捕捉することができず、十分に除染することができない。
(2−2)噴霧乾燥ステップ:
噴霧乾燥ステップは、スラリー作製ステップで作製したスラリーを噴霧乾燥機13によって噴霧乾燥(濃縮・乾燥)して、「放射性物質の一部及び第一の吸収剤を含む汚染粒子」と「放射性物質の残余成分を含む蒸発ガス」とを形成させるステップである。このステップによって汚染水の大半を占める水を除去し、放射性汚染物の体積を小さくすることができる。
噴霧乾燥の条件は、従来公知の条件を適宜採用することができるが、例えば、100〜500℃とすることができ、好ましくは350℃程度とすることができる。
汚染粒子と蒸発ガスは、本発明の汚染水乾燥処理装置にて説明したものと同様のものである。
(2−3)残余成分捕集ステップ:
残余成分捕集ステップは、噴霧乾燥ステップで発生した蒸発ガスを回収し、回収した蒸発ガスに第二の吸収剤を混合した後、直列に連結された2つ以上のバッグフィルタを備えるバッグフィルタ群によって、噴霧乾燥ステップで捕集できなかった放射性物質(残余成分)を捕集するステップである。このステップでは、上記バッグフィルタ群を採用することによって、放射性物質の残余成分の捕集をより確実に行っている。
バッグフィルタ群17は、直列に連結された2つ以上のバッグフィルタ19を備えていればよく、バッグフィルタ19の数は、特に制限はないが、2つまたは3つ程度とすることができる。
ここで、本ステップでは、バッグフィルタ群17は、直列に連結された3つ以上のバッグフィルタ19を備え、当該バッグフィルタ群17のうちの最後尾のバッグフィルタ(調整バッグフィルタ31)は、他のバッグフィルタ19よりも容量が大きいものであることが好ましい。この調整バッグフィルタ31を備えることによって、大気中に排出する、β放射線を出すトリチウム等の放射線物質の濃度を、適正な範囲に調節することができる。
(2−4)回収ステップ:
回収ステップは、噴霧乾燥機13で得られる汚染粒子、及びバッグフィルタ群17の各バッグフィルタ19で得られる残余成分、を含む粉体を回収するステップである。本ステップにより回収された粉体は、汚染水中に含まれていたトリチウムを除く放射性物質のほとんど(99%以上)を含んでおり、この粉体は、ドラム缶などの容器に入れられて、管理される放射性物質として他の固形物放射性物質と同様に処理管理される。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例及び比較例に限定されるものではない。
(実施例1)
図2に示すように汚染水乾燥処理装置から排出される放射性物質の排出量(回収されない放射性物質の量)は、気体状1.6g+粉体状0.0008g=1.6008g/hである。
排気量は118000kg/hであり、この排気量に1.6008g/hが存在することになる。排気比容は1.25m/kgであるから、式:118000kg/h×1/1.25m/kg=94400m/hであり、94400m/h中に1.6008g/h(即ち、1600.8mg/h)が排気されることになる。そこで、1m中の排気濃度は、1600.8mg/h÷94400m/h=0.169mg/mとなる。
つまり、放射性物質1kgを含んだ汚染水10000kg/hをこの装置で処理すると、放射性物質が粉体で回収され、回収出来ない放射性物質は放出排気中に0.169mg/mとなる。1mあたりに言い換えれば、放射性物質0.1kgを含んだ汚染水1m=1000kgとなる。
従って、回収されない放射性物質は、放出排気1m当り0.169mgとなる。ここで、液体と気体との違いはあるが、容積当りの放射性物質の排出量は0.169mg÷(0.1kg×1000g/kg×1000mg/g)=0.00000169倍となる。このように、放射線物質の保管スペースを小さくすることができる。
(実施例2〜5)
最初の放射線量、噴霧乾燥機の吸収率及びバッグフィルタの吸収率を変更させた例(実施例2〜5)の結果(シュミレーション結果)を表1に示す。
Figure 2020183922
(比較例1〜8)
比較例1〜4では、第一の吸収剤を使用しない例(スラリータンクを備えない例)を示している(結果(シュミレーション結果)を表2に示す)。比較例5〜8では、第二の吸収剤を使用しない例(第二の吸収剤用タンクを備えない例)を示している(結果(シュミレーション結果)を表3に示す)。ここで、例えば、実施例2と比較例3における「回収されない放射性物質の量(g/h)」の値を比べると、実施例2では「1.6008(g/h)」であり、比較例3では「8.0008(g/h)」である。このように第一の吸収剤を使用しない場合、5倍程度の違いが生じることになる。同様に、例えば実施例2と比較例7における「回収されない放射性物質の量(g/h)」の値を比べると、実施例2では「1.6008(g/h)」であり、比較例7では「400(g/h)」である。このように第一の吸収剤を使用しない場合、大きな違いが生じることになる。大気中へのガスの放出は、厳しい排出基準の下で行われるため、「回収されない放射性物質の量(g/h)」の値は小さいことが重要である。
Figure 2020183922
Figure 2020183922
本発明の汚染水乾燥処理装置は、多核種除去設備(ALPS)によって処理された処理水を濃縮・乾燥させる装置として利用することができる。本発明の汚染水乾燥処理方法は、多核種除去設備(ALPS)によって処理された処理水を濃縮・乾燥させる方法として採用することができる。
11:スラリータンク、13:噴霧乾燥機、15:第二の吸収剤用タンク、17:バッグフィルタ群、19:バッグフィルタ、21:粉体タンク、23:サービスタンク、25:汚染水タンク、27:第一の吸収剤用タンク、29:分配器、31:調整バッグフィルタ、33:送風機(ブロワー)、35:圧縮空気源、37:微小液滴、39:熱風用送風機、41:熱風発生器、43:排風機、45:(A)タンク、47:(B)タンク、100:汚染水乾燥処理装置。

Claims (6)

  1. 放射性物質を含む汚染水及び第一の吸収剤を混合してスラリーを形成するスラリータンクと、
    前記スラリーが供給された際に、当該スラリーを噴霧乾燥して前記放射性物質の一部及び前記第一の吸収剤を含む汚染粒子と前記放射性物質の残余成分を含む蒸発ガスとを形成する噴霧乾燥機と、
    前記蒸発ガスに第二の吸収剤を供給する第二の吸収剤用タンクと、
    前記噴霧乾燥機及び第二の吸収剤用タンクに連結され、前記蒸発ガスと前記第二の吸収剤との混合物から前記残余成分を捕集する、直列に連結された2つ以上のバッグフィルタを備えるバッグフィルタ群と、
    前記噴霧乾燥機と前記バッグフィルタ群の各バッグフィルタとに連結され、前記汚染粒子及び前記残余成分を含む粉体を回収する粉体タンクと、を備える、汚染水乾燥処理装置。
  2. 前記バッグフィルタ群が、直列に連結された3つ以上の前記バッグフィルタを備え、当該バッグフィルタ群のうちの最後尾の前記バッグフィルタは、他の前記バッグフィルタよりも容量が大きい、請求項1に記載の汚染水乾燥処理装置。
  3. 前記スラリータンクと前記噴霧乾燥機との間には、前記噴霧乾燥機に前記スラリーを連続的に供給するサービスタンクが配置されている、請求項1または2に記載の汚染水乾燥処理装置。
  4. 前記第二の吸収剤は、2種類以上の吸収剤からなり、各吸収剤を貯留する複数のタンクを備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の汚染水乾燥処理装置。
  5. 前記汚染水が貯留され前記スラリータンクに汚染水を供給する汚染水タンクと、
    前記第一の吸収剤が貯留され前記スラリータンクに前記第一の吸収剤を供給する第一の吸収剤用タンクと、を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の汚染水乾燥処理装置。
  6. 放射性物質を含む汚染水及び第一の吸収剤を混合させてスラリーを作製するスラリー作製ステップと、
    前記スラリーを噴霧乾燥機によって噴霧乾燥して、前記放射性物質の一部及び第一の吸収剤を含む汚染粒子と前記放射性物質の残余成分を含む蒸発ガスとを形成させる噴霧乾燥ステップと、
    前記蒸発ガスを回収し、回収した前記蒸発ガスに第二の吸収剤を混合した後、直列に連結された2つ以上のバッグフィルタを備えるバッグフィルタ群によって前記残余成分を捕集する残余成分捕集ステップと、
    前記噴霧乾燥機で得られる前記汚染粒子、及び前記バッグフィルタ群の各バッグフィルタで得られる前記残余成分を含む粉体を回収する回収ステップと、を有する、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の汚染水乾燥処理装置を用いる汚染水乾燥処理方法。
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