JP6110729B2 - 自動車の燃料給油装置 - Google Patents

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本発明は、自動車の燃料タンクにガソリン等の燃料を給油する際の通路となる燃料給油装置に関するものである。
従来より、自動車に設けられる燃料給油装置として、一端に給油口を有する一方、他端が燃料タンクに接続されるフィラーパイプと、一端がフィラーパイプに接続される一方、他端が燃料タンクに接続されるブリーザーパイプとを備えたものが知られている。
近年、自動車の衝突安全性能の向上が強く求められているところ、従来のような自動車の前部及び後部に加えて側面部からの衝突安全性能の向上も求められている。
そうした中で、車体の側面内部に設置されることが一般的な燃料給油装置においては、車両側面部からの衝突等によってフィラーパイプとブリーザーパイプとの接続部分に過度な荷重が加わり、その接続部分に破損または亀裂が生じて燃料漏れが発生する懸念がある。この対策として、例えばフィラーパイプとブリーザーパイプとの接続部分におけるフィラーパイプの板厚を厚くする等の方法が考えられる。しかし一方、自動車の軽量化についても要求が高まっているところ、上記方法によると重量アップにつながるため好ましくない。
そのため、燃料給油装置のフィラーパイプとブリーザーパイプとの接続部分において重量を増加することなく衝突時に燃料漏れが生じないように対策を講じる必要がある。
そこで、例えば特許文献1に示されるように、フィラーパイプ(インレットパイプ)とブリーザーパイプ(ブリーザチューブ)との接続部分の強化を図ったものが提案されている。
具体的には、上記特許文献1では、フィラーパイプとブリーザーパイプを接続するためにフィラーパイプに設けた接続孔の周囲に、外側に向かって立設した筒部をバーリング加工等によって形成する。ブリーザーパイプの一端をその接続孔に挿入した後、フィラーパイプ内に拡径具を挿入して、ブリーザーパイプ先端を拡径させて拡径部を形成する。そして、フィラーパイプとブリーザーパイプとをロー付けする。すなわち、フィラーパイプの接続孔周囲に立設した筒部を形成し、接続孔に挿入したブリーザーパイプの先端に拡径部を形成することによって、車体側面部からの衝突等によりブリーザーパイプに引張力や曲げ力が作用した場合にブリーザーパイプがフィラーパイプの接続孔から抜けることを抑制し、燃料漏れを防止しようとするものである。
特開2006−264588号公報(特に段落0008、図3)
しかし、上記特許文献1のものでは、車両側面部からの衝突等によりブリーザーパイプに過度な変形荷重が加わった場合、ブリーザーパイプがフィラーパイプの接続孔から抜けることは抑制されるものの、フィラーパイプとブリーザーパイプとの接続部分近傍におけるフィラーパイプおよび/またはブリーザーパイプ(以下、接続部分近傍と称す)が変形して破損が生じ燃料漏れが発生するおそれがある。
また、フィラーパイプの接続孔周囲に筒部を形成するためには、フィラーパイプの内部にバーリング加工具を設置して、フィラーパイプの内部から外部に向かって加工する必要がある。さらに、接続孔に挿入したブリーザーパイプの先端に拡径部を形成するときには、フィラーパイプの内部に拡径具を挿入して加工する必要がある。このように複数段階に亘って、接続孔の位置やブリーザーパイプの先端の位置にバーリング加工具や拡径具を正確に位置決めしてフィラーパイプの内部から加工するのは難易度が高く、作業工程上好ましくない。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、衝突等により燃料給油装置、特にブリーザーパイプに荷重が加わったときにフィラーパイプの変形を抑制する工夫をフィラーパイプに設けることで、上記接続部分近傍の破損による燃料漏れを防止することにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、フィラーパイプの変形を防止するためのビードをフィラーパイプの接続孔近傍に設けて、部品の重量化を招来することなく上記接続部分近傍の破損による燃料漏れを防ぐことができるようにした。
具体的には、第1の発明では、一端に給油口を有し、他端が燃料タンクに接続される筒状のフィラーパイプと、一端が該フィラーパイプに接続されて、他端が燃料タンクに接続される筒状のブリーザーパイプとを備えた自動車の燃料給油装置が前提である。
そして、上記フィラーパイプは、上記燃料タンクに接続される筒状の小径部と、上記給油口を有し車体の側部外板に設けられた開口に挿入される筒状の大径部と、一端が上記小径部に、他端が上記大径部にそれぞれ一体に連結される筒状のテーパー筒部とを備え、上記ブリーザーパイプは、上記フィラーパイプの上記大径部または上記テーパー筒部に開孔された接続孔に、該大径部または該テーパー筒部の外周面に対して立ち上がるように挿入して接続される立設部と、該立設部と一体に連結されて上記燃料タンク側に延びて該燃料タンクに接続される延出部とを有し、上記フィラーパイプの上記大径部または上記テーパー筒部には、上記接続孔の近傍かつ該接続孔の中心よりも上記燃料タンク側に、上記フィラーパイプ補強用内側ビードが該フィラーパイプの径方向外側もしくは内側に突出して形成されていることを特徴とする。
第2の発明では、第1の発明において、上記フィラーパイプには、該フィラーパイプの周方向で上記接続孔の両側であって少なくとも該接続孔の中心よりも上記給油口側に、側部ビードが径方向外側もしくは内側に突出して形成されていることを特徴とする。
第3の発明では、第2の発明において、上記内側ビードは、上記接続孔近傍を一端とし、該一端から上記フィラーパイプの上記燃料タンク側に直線状に延びるように形成され、上記側部ビードは、中間部が上記フィラーパイプの周方向で上記接続孔の両側近傍に位置し、上記接続孔の中心の上記給油口側から上記燃料タンク側に亘って直線状に延びるように形成されていることを特徴とする。
第4の発明では、第1の発明において、上記内側ビードは、上記接続孔を取り巻くように形成されていることを特徴とする。
第5の発明では、第1の発明において、上記内側ビードは、中間部が上記フィラーパイプの上記接続孔近傍に位置しており、上記フィラーパイプの軸線に対して略直交し、かつ上記フィラーパイプの周方向に延びるように形成されていることを特徴とする。
衝突等によって車両側面部から衝撃が加わったとき、燃料給油装置に対して車内方向に向けて衝撃力が作用するだけでなく、車体側部外板の一部が変形してブリーザーパイプに接触する等によって、ブリーザーパイプに対しても直に車内方向に向けて衝撃力が作用することがある。かかる場合、ブリーザーパイプが接続されたフィラーパイプの接続孔周り、特にその燃料タンク側(車内側)部分を凹ませる大きな荷重が加わることとなる。
このような場合の対策として、第1の発明では、フィラーパイプには、ブリーザーパイプの立設部が挿入されて接続される接続孔の近傍であって、該接続孔の中心よりも燃料タンク側に、補強用内側ビードが形成されている。すなわち、フィラーパイプにおいて大きな荷重が加わる部分に内側ビードが形成されている。
それにより、上記接続孔周りのフィラーパイプの剛性が高められ、ブリーザーパイプに荷重が加わったときにフィラーパイプが変形することなく、ブリーザーパイプが変形してその荷重エネルギーを吸収することになる。その結果、上記フィラーパイプの接続孔周りの変形を抑制することができるので、上記接続部分近傍に破損や亀裂が生じて燃料漏れが発生することを防止できる。
また、フィラーパイプに上記大径部を成形する際の拡径加工等によってビードを形成することができるので、簡単に補強できるだけでなく、フィラーパイプの肉厚アップや新たに別の部品を追加する必要がなく、重量の増加を抑制できる。
第2の発明によると、内側ビードに加えて側部ビードが形成されているため、フィラーパイプの剛性をさらに高めることができる。
第3の発明によると、内側ビードおよび側部ビードは、それぞれフィラーパイプの軸方向すなわち座屈荷重が加わる方向に延びて形成されているので、座屈荷重に対する耐力が高まり、フィラーパイプの剛性をさらに高めることができる。
第4の発明によると、フィラーパイプの接続孔周りに沿うように内側ビードが形成されている。そのため、フィラーパイプの軸線と平行方向に荷重が加わった場合だけでなく、該軸線と交差する方向に荷重が加わった場合でも、フィラーパイプの剛性を高めることができる。
第5の発明によると、中間部がフィラーパイプの接続孔近傍かつ該接続孔の中心よりも燃料タンク側に位置して、周方向に延びるように内側ビードが形成されている。そのため、フィラーパイプを径方向内側に凹ませようとする荷重に対して、フィラーパイプの剛性をさらに高めることができる。
本発明の実施形態1に係る燃料給油装置、燃料タンク及び給油キャップの斜視図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のフィラーパイプの要部拡大図である。 図1の燃料給油装置を車体に設置した状態を示す概略図である。 (a)は、衝突時の状態を示す概略図であり、(b)は、衝突によってブリーザーパイプが変形した状態を示す概略図である。 本発明の実施形態2に係るフィラーパイプの要部拡大図である。 本発明の実施形態3に係るフィラーパイプの要部拡大図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下の説明においては、図3、図6及び図7における自動車の前方向を「前」、後方向を「後」とし、自動車の右側方を「車外側(給油口側)」、右側方からみた車内方向を「車内側(燃料タンク側)」とする。また、図5においても同様に、「車外側」及び「車内側」とする。
(実施形態1)
まず、図1ないし図4に基づいて構成を説明する。なお、図3においては分かりやすくするために、ブリーザーパイプ3は、フィラーパイプ2の外表面で切断した断面の状態で示す。
図1は、本発明の実施形態1に係る燃料給油装置1を示す。該燃料給油装置1は、一端に給油口2aを有する一方、他端が燃料タンク10に接続され、該燃料タンク10内に燃料を給油する際に燃料の通路となる円筒状の金属製フィラーパイプ2と、一端が該フィラーパイプ2に接続され、他端が上記燃料タンク10に接続される円筒状の金属製ブリーザーパイプ3と、上記給油口2a内に組み付けられ、給油ノズル(図示省略)を上記フィラーパイプ2内に導いてこれを保持するための短筒状の金属製リテーナ4(図2参照)とを備えている。
上記給油口2aには、非給油時に該給油口2aに螺合させる一方、給油時には該給油口2aから外せるように給油キャップ5が取り付けられている。
図1及び図2に示すように、上記フィラーパイプ2は、上記燃料タンク10に接続される円筒状の小径部22と、該小径部22を拡径して形成される円筒状の大径部23と、上記小径部22と上記大径部23とを連結する円筒状のテーパー筒部24とを一体に備えている。そして、上記大径部23の一端側が上記給油口2aを構成している。
図2に示すように、両端が開口した短筒状の上記リテーナ4は、フィラーパイプ2の上記大径部23の内周側に配設され、溶接等によって上記フィラーパイプ2の内周面に固着されて、給油する際に給油ノズル(図示省略)を当該リテーナ4内に導いて保持する。上記リテーナ4が固着された部分に対応する上記フィラーパイプ2の大径部23は、該リテーナ4によって剛性が高くなっている。
図1及び図2に示すように、上記ブリーザーパイプ3は、上記フィラーパイプ2の上記テーパー筒部24の上面に開孔された円形状の接続孔25に、当該テーパー筒部24の外周面に対して立ち上がるように挿入される立設部31と、一端が該立設部31と一体に連結され、他端が上記燃料タンク10側に延びて該燃料タンク10に接続される延出部32とを有している。
図2に示すように、上記ブリーザーパイプ3は、上記立設部31の基端をフィラーパイプ2の上記接続孔25に挿入してロー付けすることによって該フィラーパイプ2(テーパー筒部24)に接合(固着)されている。
図3に示すように、上記テーパー筒部24には、内側ビード26、側部ビード27、28がそれぞれ該フィラーパイプ2の径方向外側に膨出して、かつフィラーパイプ2の長手方向に直線状に延びるように形成されている。すなわち、図3に示すように、内側ビード26、側部ビード27、28は、それぞれフィラーパイプ2の長手方向が長辺となる平面視長方形状をなして並設されている。
そして、上記内側ビード26は、一端が上記フィラーパイプ2の上記接続孔25の近傍かつ該接続孔25の中心Pよりも車内側(上記燃料タンク10側)に位置し、他端が上記テーパー筒部24と上記小径部22との連接部分近傍まで延びるように形成されている。よって、内側ビード26を設けることにより、上記フィラーパイプ2の上記接続孔25の中心Pよりも車内側部分の該フィラーパイプ2(テーパー筒部24)を補強して剛性を高めることができる。
ここで、車外側からの衝突荷重が上記ブリーザーパイプ3の立設部31に加わったときに、フィラーパイプ2の上記接続孔25の上記中心Pよりも車内側部分には、図2に矢印で示すように、車外側から車内側に向けて作用する外力Fによって、当該立設部31が車内側に倒れ込もうとする曲げモーメントMが作用する。すなわち、上記接続部分近傍に大きく力が作用し、上記接続孔25の上記中心Pよりも車内側部分には、フィラーパイプ2を径方向内側へ押し込む力(圧縮荷重)が加わり、車外側部分にはフィラーパイプ2を径方向外側へ引き上げる力(引張り荷重)が加わることとなる。このとき、フィラーパイプ2の車外側部分は、図2に示すようにリテーナ4が固着されている、または別部材が追加されて構造的に強くなっていることにより、引張り荷重によって径方向外側に変形しにくくなっているため、フィラーパイプ2の車内側部分に圧縮荷重が大きく加わることとなる。一方、上記フィラーパイプ2の車内側部分は、上記内側ビード26及び側部ビード27、28によって補強され剛性が高まっているため、圧縮荷重が加わっても径方向内側に変形しにくい。このように、車外側から車内側に向けて衝突荷重がブリーザーパイプ3の上記立設部31に加わったときに、ブリーザーパイプ3が挿入されて接続される接続孔25周りのフィラーパイプ2の変形が抑制されるため、ブリーザーパイプ3に対してその変形耐荷重を超えて荷重が加わり、そのブリーザーパイプ3自体が変形することとなる。
一方、上記側部ビード27、28は、図3に示すように、それぞれその中間部が上記フィラーパイプ2の上記接続孔25の近傍かつ該接続孔25の周方向両側に位置していて、一端が上記接続孔25の近傍に位置し、他端が上記テーパー筒部24の長手方向中間位置よりも車内側まで延びるように形成されている。
なお、上記内側ビード26及び上記側部ビード27、28は、上記接続孔25近傍の上記フィラーパイプ2の剛性を高めることができればよいので、上記実施形態1の構造に限られるものではなく、他の構造でもよい。例えば、実施形態1では、上記内側ビード26の他端が上記テーパー筒部24と上記小径部22との連接部分近傍まで延びるようにしたが、さらに車内側まで延びるように設けてもよく、逆に短くしてもよい。また、上記側部ビード27、28の長さや位置も、上記内側ビード26と同様に補強できればよいものであり、上記構造に限られるものではない。また、本実施形態1では、内側ビード26と側部ビード27、28を形成しているが、内側ビード26のみとしてもよいし、更にビードを加えてもよい。また、内側ビード26と側部ビード27、28は平面視長方形状に限られるものではなく、例えば楕円形状としてもよい。
そして、上記内側ビード26及び側部ビード27、28は、詳細は省略するが、例えば上記フィラーパイプ2内に押型(図示省略)を設置するとともに、上記フィラーパイプ2の外側に受型(図示省略)を設置して押型を受型方向に押圧することにより、上記フィラーパイプ2を塑性変形させて形成される。
次に、燃料給油装置1が自動車の車体側面内部に設置されている状態について、図4に基づいて説明する。
図4に示すように、車体の側部外板6には、車内側に凹んだ円錐台状の凹陥部60が形成され、該凹陥部60の底部61には開口62が設けられている。上記凹陥部60はリッド63によって開閉できるようになっている。上記開口62には、上記フィラーパイプ2の大径部23が挿通されて、該大径部23の先端が上記凹陥部60内に位置している。また、上記大径部23の先端には上記給油キャップ5が螺合されている。そして、上記開口62の周縁には、上記フィラーパイプ2が自動車の走行中に振動して、当該開口62と接触して騒音が発生するのを抑制するための弾性部材64が取り付けられている。
次に、車体側面部から衝突荷重が加わったときの状態について、図5(a)、(b)に基づいて説明する。なお、図5(a)、(b)においては車体側面部に衝突荷重を加える衝突物Sを二点鎖線で示す。また、衝突時に上記弾性部材64は破損あるいは脱落しているものとして図示を省略する。
図5(a)に示すように、衝突物Sの車体側面部への衝突等によって車外側から上記側部外板6に荷重が加わると、該側部外板6が大きく変形するとともに、変形した該側部外板6における上記底部61の一部、すなわち上記ブリーザーパイプ3の上記立設部31と対向する上記底部61の部分がブリーザーパイプ3の立設部31に衝突することになる。
このとき、上述のように、上記ブリーザーパイプ3の立設部31に対して車内側に向けて荷重が加わることにより、立設部31は車内側(燃料タンク10側)に倒れ込もうとするため、上記接続孔25の上記中心Pよりも車内側部分には、フィラーパイプ2を径方向内側へ押し込む力(圧縮荷重)が加わり、車外側部分にはフィラーパイプ2を径方向外側へ引き上げる力(引張り荷重)が加わる。このとき、フィラーパイプ2の車外側部分は、図2に示すようにリテーナ4が固着されている等の理由により、引張り荷重によって径方向外側に変形しにくくなっているため、フィラーパイプ2の車内側部分に圧縮荷重が大きく加わることとなる。
一方、上記フィラーパイプ2の接続孔25近傍かつ上記中心Pよりも車内側部分には内側ビード26が形成されている。また、上記テーパー筒部24の周方向で上記接続孔25の両側近傍には、それぞれ側部ビード27、28が形成されている。そのため、上記接続孔25近傍で上記中心Pより車内側部分も、剛性が高まり変形しにくくなっている。すなわち、耐荷重の観点から比較すると、ブリーザーパイプ3の変形耐荷重<フィラーパイプ2の変形耐荷重になる。その結果、衝突荷重は、耐荷重がフィラーパイプ2よりも小さいブリーザーパイプ3に対して及ぶこととなる。そのため、図5(b)に示すように、変形した側部外板6によってブリーザーパイプ3が湾曲状に変形する。すなわち、上記接続孔25近傍のフィラーパイプ2の変形耐荷重をブリーザーパイプ3の変形耐荷重よりも大きくすることで、ブリーザーパイプ3が変形して衝突エネルギーを吸収し、これにより上記接続部分近傍には、変形による破損や亀裂が生じることがなく燃料漏れを防止できる。
(実施形態2)
図6は、本発明の実施形態2に係るフィラーパイプ2の要部拡大図である。図6に示すように、上記フィラーパイプ2の上記テーパー筒部24には、上記接続孔25の中心Pよりも車内側周縁を取り巻くように、内側ビードとしての半円形の弧状ビード261が設けられている。その他の構成は、上記実施形態1と同様である。
本実施形態2によると、上記側部外板6が上記ブリーザーパイプ3の立設部31に衝突したときに荷重が加わる上記フィラーパイプ2の上記接続孔25近傍であって、特に圧縮荷重が大きく加わる上記接続孔25の中心Pよりも車内側に弧状ビード261が形成されている。そのため、弧状ビード261近傍の上記フィラーパイプ2の剛性が高まり、荷重が加わっても、上記実施形態1と同様に上記接続部分近傍の変形が防止される。
さらに、上記弧状ビード261は、上記フィラーパイプ2の接続孔25周りに沿うように形成されているため、フィラーパイプ2の軸線と平行方向に荷重が加わった場合だけでなく、少し前寄り方向または後寄り方向等、該軸線と交差する方向に荷重が加わった場合でも、接続孔25周りにおけるフィラーパイプ2の剛性を高めることができる。
なお、本実施形態2では、弧状ビード261を半円形に連続して形成しているが、くの字状やハの字状に形成してもよいし、連続して形成しても間欠状に形成してもよい。
(実施形態3)
図7は、本発明の実施形態3に係るフィラーパイプ2の要部拡大図である。図7に示すように、上記フィラーパイプ2の上記テーパー筒部24には、上記接続孔25の中心Pよりも車内側に、上記フィラーパイプ2の軸線に直交する方向、すなわち上記テーパー筒部24の周方向に延びるように内側ビードとしての周方向ビード262、263が平面視直線状に2条並設されている。これにより、当該テーパー筒部24を径方向内側に凹ませようとする圧縮荷重に対して、剛性をさらに高めることができる。
なお、本実施形態3では、上記フィラーパイプ2の軸線に直交する方向に延びるように上記周方向ビード262、263を形成しているが、この構造に限られるものではなく、例えば一端側が少し車外側、他端側が少し車内側を向く等、上記フィラーパイプ2の軸線に直交する方向に対して少し斜めに、すなわち略直交するように形成されていてもよい。また、本実施形態3では、上記周方向ビード262、263を2本設けるようにしたが、1本あるいは3本以上設けるようにしてもよい。
(その他の実施形態)
なお、本発明の実施形態1ないし3では、内側ビード26、側部ビード27、28、弧状ビード261及び周方向ビード262、263はフィラーパイプ2の径方向外側(外周面側)に膨出するように形成されているが、径方向内側(内周面側)に膨出するように形成してもよい。
また、内側ビード26、側部ビード27、28、弧状ビード261及び周方向ビード262、263は、接続孔25近傍の少なくとも燃料タンク10側部分に形成されていればよいものであり、これに加えてさらに給油口2a側に形成されていてもよく、例えば接続孔25の全周縁を取り巻くように形成されていてもよい。
また、内側ビード26、側部ビード27、28、及び周方向ビード262、263は、平面視長手方向に連続した一条のビードであるが、これらビードは連続することなく、間欠的に形成されてもよい。
また、本発明の実施形態1ないし3では、ブリーザーパイプ3は車体に組み付けた状態においてフィラーパイプ2の上側(上面)に接続されているが、これに限られるものではなく、例えば、フィラーパイプ2の下側(下面)や側面(車体の前方又は後方)等に接続されていてもよい。
また、ブリーザーパイプ3はフィラーパイプ2のテーパー筒部24に接続されているが、大径部23に接続されていてもよい。
また、給油口2aをフィラーパイプ2の先端に設けて、リテーナ4をフィラーパイプ2内に配設しているが、この構造に限られるものではなく、例えばリテーナの先端に給油キャップが装着可能な螺子を形成した給油口構造を設けて、フィラーパイプの先端と接合する構造としてもよい。
さらに、本発明の実施形態1ないし3では、燃料給油装置1は給油口2aが車体の右側方に位置するように設置されているが、左側方に位置するようにしてもよい。
本発明は、自動車の燃料タンクにガソリン等の燃料を給油する際の通路となる燃料給油装置に適している。
1 燃料給油装置
2 フィラーパイプ
2a 給油口
22 小径部
23 大径部
24 テーパー筒部
25 接続孔
26 内側ビード
261 弧状ビード(内側ビード)
262、263 周方向ビード(内側ビード)
27、28 側部ビード
3 ブリーザーパイプ
31 立設部
32 延出部
4 リテーナ
5 給油キャップ
6 側部外板
60 凹陥部
61 底部
62 開口
63 リッド
64 弾性部材
10 燃料タンク
P 中心
F 外力
M 曲げモーメント
S 衝突物

Claims (5)

  1. 一端に給油口を有し、他端が燃料タンクに接続される筒状のフィラーパイプと、
    一端が該フィラーパイプに接続されて、他端が燃料タンクに接続される筒状のブリーザーパイプとを備えた自動車の燃料給油装置であって、
    上記フィラーパイプは、上記燃料タンクに接続される筒状の小径部と、上記給油口を有し車体の側部外板に設けられた開口に挿入される筒状の大径部と、一端が上記小径部に、他端が上記大径部にそれぞれ一体に連結される筒状のテーパー筒部とを備え、
    上記ブリーザーパイプは、上記フィラーパイプの上記大径部または上記テーパー筒部に開孔された接続孔に、該大径部または該テーパー筒部の外周面に対して立ち上がるように挿入して接続される立設部と、該立設部と一体に連結されて上記燃料タンク側に延びて該燃料タンクに接続される延出部とを有し、
    上記フィラーパイプの上記大径部または上記テーパー筒部には、上記接続孔の近傍かつ該接続孔の中心よりも上記燃料タンク側に、上記フィラーパイプ補強用内側ビードが該フィラーパイプの径方向外側もしくは内側に突出して形成されていることを特徴とする自動車の燃料給油装置。
  2. 請求項1において、
    上記フィラーパイプには、該フィラーパイプの周方向で上記接続孔の両側であって、少なくとも該接続孔の中心よりも上記給油口側に、側部ビードが径方向外側もしくは内側に突出して形成されていることを特徴とする自動車の燃料給油装置。
  3. 請求項2において、
    上記内側ビードは、上記接続孔近傍を一端とし、該一端から上記フィラーパイプの上記燃料タンク側に直線状に延びるように形成され、
    上記側部ビードは、中間部が上記フィラーパイプの周方向で上記接続孔の両側近傍に位置し、上記接続孔の中心の上記給油口側から上記燃料タンク側に亘って直線状に延びるように形成されていることを特徴とする自動車の燃料給油装置。
  4. 請求項1において、
    上記内側ビードは、上記接続孔を取り巻くように形成されていることを特徴とする自動車の燃料給油装置。
  5. 請求項1において、
    上記内側ビードは、中間部が上記フィラーパイプの上記接続孔近傍に位置しており、上記フィラーパイプの軸線に対して略直交し、かつ上記フィラーパイプの周方向に延びるように形成されていることを特徴とする自動車の燃料給油装置。
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