JP6108197B2 - 三級アミノ基含有脂質の製造方法 - Google Patents

三級アミノ基含有脂質の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、三級アミノ基含有脂質の製造方法に関する。
近年、遺伝子治療は様々な疾患に対してその原因となる異常を遺伝子レベルで修復、正常化することが期待できる治療法である。しかし、遺伝子はそのままで投与しても生体内ではヌクレアーゼなどにより分解を受けるなど、非常に不安定である。そのため、遺伝子治療に使用するベクターの選択は非常に重要である。
従来使用されてきたウイルスベクターは、遺伝子導入効率が高く有効なベクターであるが、臨床試験において死亡例も報告されており、安全性において不安がある。そこで、安全性が高く、遺伝子導入効率も高い、非ウイルスベクターの開発が主流になってきており、世界中で活発に研究されている。
非ウイルスベクターには、ポリエチレンイミンなどのカチオン性のポリマーと遺伝子との複合体(ポリプレックス)と、カチオン性脂質からなるリポソームと遺伝子との複合体(リポプレックス)がある。
中でもリポプレックスは、混合する脂質の種類によって、血中滞留性の向上や標的細胞への集積などの機能化が容易であるため、現在最も一般的に使用されているベクターであり、その実用化が大いに期待されている。
リポプレックスの代表的な例として、膜融合性脂質であるジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)やカチオン性脂質などを含有した安定化プラスミド脂質粒子(SPLP)をポリエチレングリコール脂質によりコーティングした、Wheelerらの報告がある(非特許文献1)。その報告には、カチオン性脂質として、薬物の送達効率を高めるため膜融合性を有するオレイル基など1つの不飽和結合を含んでいる脂質(例えば、DODAC(ジオレイルジメチルアンモニウムクロリド)など)が使用されている。
また、リノレイル基などのように2つ以上の不飽和結合を有し柔軟性を高めたカチオン性脂質を使用することで、従来よりもさらに薬剤の送達効率を高めた報告がある(特許文献1)。また、類似のカチオン性脂質を使用した報告例もある(特許文献2)。
これらに使用されているカチオン性脂質は、脂質部分とカチオン性基を有する骨格がエーテル基で結合している。そのため、脂質部分とカチオン性基を有する骨格がエステル基で結合しているカチオン性脂質等とは異なり、加水分解を受けないため非常に安定である。
一般的に、このようなエーテル基で結合したカチオン性脂質を合成する際には、カチオン性基と水酸基を有する化合物と、脱離基を有する脂質化合物とを、有機溶剤中、強塩基の存在下、高温で反応させる、Williamsonらの方法が使用される。例えば、カチオン性脂質化合物の具体的な製造方法としては、カチオン性基(ジメチルアミノ基)を含む3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオールと、長鎖脂肪族ブロマイドまたは長鎖脂肪族メタンスルホネートを、ベンゼン、トルエンやキシレンなどの芳香族系溶媒中、水素化ナトリウムや水酸化カリウムなどの強アルカリ触媒存在下で、還流などの高温で製造された例がある(特許文献1、2)。
一般的に、リノール酸などのような、分子内に隣接する2つのシス型二重結合によって挟まれたメチレン基を有する脂肪酸は、そのメチレン基の反応性が大きいため、高温、アルカリの条件などで、容易に酸化され、異性化し易いことが知られている。異性化した脂肪酸(トランス脂肪酸)は、異なる生理活性を示し、過剰に摂取すると心疾患のリスクを高めるなどの報告もあり、体内に悪影響を及ぼす可能性がある。
一方で、オレイン酸のような1つの二重結合を有する脂肪酸も、二重結合の両隣にメチレンを有するため、酸化を受けるが、リノール酸などのような、分子内に隣接する2つのシス型二重結合によって挟まれたメチレン基の反応性よりも格段に小さく、異性化は起こりにくいことが知られている。
Wheeler,et al.,Gene Therapy 6:271−281(1999)
特表2008−501729号公報 特表平8−509953号公報
すなわち、従来の方法で、リノレイル基などのように分子内に隣接する2つのシス型二重結合によって挟まれたメチレン基を有する化合物をエーテル化し、三級アミノ基を含有するカチオン性脂質を得るためには、高温、強アルカリの条件が必要であるため、シス型二重結合によって挟まれた活性メチレン基のプロトンが引き抜かれやすく、シス型からトランス型への異性化が起こり、目的物中に異性体を多く含むという問題があった。
本発明者らは上記の課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、分子内に隣接する2つのシス型二重結合によって挟まれたメチレン基を1つ以上有するカチオン性脂質の製造において、シス型からトランス型への異性化を顕著に抑制することに成功した。
(1) (A)下記の式(I)
Figure 0006108197

(式中、Rは、分子内に隣接する2つのシス型二重結合によって挟まれたメチレン基を1個以上有する炭素数8〜24の炭化水素基であり、Xは脱離基である)で表される化合物と、
(B)分子中に三級アミノ基と水酸基をそれぞれ1個以上有する化合物を、炭素数5〜10からなる飽和炭化水素溶媒中、アルカリ触媒存在下で反応させ、前記飽和炭化水素溶媒中での反応の際に前記化合物(A)から前記脱離基Xを脱離させると共に前記化合物(B)の前記水酸基から水素原子を脱離させることで、前記水素原子が脱離した前記化合物(B)の酸素原子と前記炭化水素基R との間でエーテル結合を生成させてなる三級アミノ基含有脂質を得る方法であって、
(B)分子中に三級アミノ基と水酸基をそれぞれ1個以上有する前記化合物が、下記の式(II-1)
Figure 0006108197

[式中、Zは2〜8価からなり、直鎖状、分岐状、環状であってもよい炭素数1〜8の炭化水素基であり、k は1≦k ≦7であり、k は1≦k ≦3であり、2≦k +k ≦8である。Yは以下の構造で表される官能基であり、
Figure 0006108197


(R 、R はそれぞれ直鎖状、分岐状、または環状である炭素数1〜8の炭化水素基であり、Wは、OまたはNR (R は炭素数1〜3のアルキル基)である。)]で示される化合物と、
下記の式(II-2)
Figure 0006108197

(式中、mは1〜4であり、R は炭素数1〜4の直鎖状、分岐状のアルキル基または、−(CH )n−OHである(nは1〜4))で示される化合物とから選択されることを特徴とする、三級アミノ基含有脂質の製造方法。
(2) 飽和炭化水素溶媒が、ヘキサンまたはメチルシクロヘキサンである、前記製造方法。
(3)Rがリノレイル基である、前記製造方法。
(5)Xがメタンスルホネート基(−OSOCH)である前記製造方法。
(6)アルカリ触媒が、水酸化カリウムである前記製造方法。
本発明の製造方法を使用することにより、異性化を抑制し、かつ、反応の転化率を向上することができる。このようにして異性化が抑制された三級アミノ基含有脂質は、高純度であるため、遺伝子導入用のリポプレックスなどの非ウイルスベクターの構成成分として使用する際に、ベクターとしての均一性の点で有利であり、かつ、体内に悪影響を及ぼす可能性を低減できるため有用である。
式(I)で示される化合物において、Rは、分子内に隣接する2つのシス型二重結合によって挟まれたメチレン基を1個以上有する炭素数8〜24の炭化水素基であり、2〜6個のシス型不飽和結合を有する炭素数8〜24の炭化水素基である。好ましくは、分子内に隣接する2つのシス型二重結合によって挟まれたメチレン基を1〜4個有する炭化水素基であり、より好ましくは1〜2個有する炭化水素基である。
は通常、脂肪族アルコールに由来する、脂肪族炭化水素基が用いられるが、これらに限定されない。分子内に隣接する2つのシス型二重結合によって挟まれたメチレン基を1個以上有する炭素数8〜24の炭化水素基を有する官能基としては、例えば、以下のものが挙げられる。
9,12−オクタデカジエニル基(リノレイル基)(炭素数18個中にシス型不飽和結合2個を有するため、C18:2と略す。また、シス型二重結合に挟まれたメチレン基の個数が1個であるため(1)とする。以下、同様に略記する。)、10,13−ノナデカジエニル基(C19:2、(1))、9,12,15−オクタデカトリエニル基(α−リノレニル基、C18:3、(2))、6,9,12−オクタデカトリエニル基(γ−リノレニル基、C18:3、(2))、11,14−エイコサジエニル基(C20:2、(1))、8,11,14−エイコサトリエニル基(C20:3、(2))、11,14、17−エイコサトリエニル基(C20:3、(2))、5,8,11,14−エイコサテトラエニル基(アラキドニル基、C20:4、(3))、5,8,11,14,17−エイコサペンタエニル基(C20:5、(4))、7,10,13,16,19−ドコサペンタエニル基(C22:5、(4))、4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエニル基(C22:6、(5))、13,16−ドコサジエニル基(C22:2、(1))、13,16,19−ドコサトリエニル基(C22:3、(2))、7,10,13,16−ドコサテトラエニル基(C22:4、(3))が挙げられる。
好ましくは、9,12−オクタデカジエニル基(リノレイル基)、9,12,15−オクタデカトリエニル基(α−リノレニル基)、6,9,12−オクタデカトリエニル基(γ−リノレニル基)であり、より好ましくは、9,12−オクタデカジエニル基(リノレイル基)である。
Xは、三級アミノ基と水酸基をそれぞれ1個以上有する化合物中の水酸基と反応して脱離し、エーテル結合を生成する官能基である。具体的には、メタンスルホネート基(−OMs)、p−トルエンスルホネート基(−OTs)、トリフルオロメタンスルホネ−ト基(−OTf)、トリフルオロエタンスルホネ−ト基(−OTresyl)、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。
好ましくは、メタンスルホネート基、臭素であり、より好ましくは、メタンスルホネート基である。
式(I)に反応させる化合物は、分子中に三級アミノ基と水酸基をそれぞれ1個以上有しており、式(II−1,2)で示される化合物が挙げられる。
式(II−1)中、Zは2〜8価からなり、直鎖状、分岐状、環状であってもよい炭素数1〜8の炭化水素基である。好ましくは、Zが2〜6価、より好ましくはZが2〜3価である。炭素数は、好ましくは1〜6であり、より好ましくは1〜3である。具体的に、Zが2価であるものとしては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンなどの直鎖状の官能基や、シクロヘキシレン、フェニレンなどの環状の官能基がある。Zが3価であるものとしては、グリセリンから3つの水酸基を除いた炭化水素基がある。Zが4価であるものとしては、エリトリトールから4つの水酸基を除いた炭化水素基、Zが5価であるものとしては、キシリトールから5つの水酸基を除いた炭化水素基、Zが6価であるものとしては、マンニトールやソルビトールから6つの水酸基を除いた炭化水素基などが挙げられる。好ましくは、グリセリンから3つの水酸基を除いた炭化水素基である。
は1≦k≦7であり、kは1≦k≦3であり、2≦k+k≦8である。好ましくは、kは1≦k≦5、kは1、2≦k+k≦6であり、より好ましくは、kは2、kは1、k+k=3である。
Yは以下の構造で表される官能基であり、
Figure 0006108197
、Rはそれぞれ直鎖状、分岐状、または環状である炭素数1〜8の炭化水素基である。R、Rは同一であっても異なっていてもよい。好ましくは、炭素数1〜4であり、より好ましくは炭素数1〜2である。炭化水素基としては、脂肪族、脂環式、または芳香族であり、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基などが挙げられる。好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基であり、より好ましくはメチル基である。
Wは、OまたはNRであり、Rは炭素数1〜3のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基であり、好ましくはメチル基である。
式(II-2)において、mは1〜4であり、好ましくは、mは2である。Rは炭素数1〜4の直鎖状、分岐状のアルキル基または、−(CH)n−OHである。nは1〜4であり、好ましくはnは2である。Rは具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、またはnが2であるヒドロキシエチル基などが挙げられる。
式(I)で示される化合物の量は、三級アミノ基と水酸基をそれぞれ1個以上有する化合物の1水酸基に対して、1〜5モル当量であり、好ましくは1〜3モル当量であり、さらに好ましくは1〜1.5モル当量である。式(I)で示される化合物の量が、三級アミノ基と水酸基をそれぞれ1個以上有する化合物の1水酸基に対して1モル当量未満である場合には、三級アミノ基と水酸基をそれぞれ1個以上有する化合物が過剰になるため、目的物の収率が低い可能性がある。
反応に使用する溶媒としては、炭素数5〜10からなる飽和炭化水素溶媒が挙げられる。炭素数5〜10からなる飽和炭化水素溶媒としては、特に制限はなく、直鎖状、分岐状、環状であってもよい。飽和炭化水素溶媒の炭素数は、好ましくは5〜8であり、より好ましくは6〜7である。例えば、ペンタン、2−メチルブタン、シクロペンタン、ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,4−ジメチルペンタン、オクタン、イソオクタン、エチルシクロヘキサン、ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、デカンなどが挙げられる。好ましくは、ペンタン、2−メチルブタン、シクロペンタン、ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,4−ジメチルペンタン、オクタン、イソオクタン、エチルシクロヘキサンであり、より好ましくは、ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,4−ジメチルペンタンである。
溶媒量に特に制限はないが、式(I)の化合物に対して0.1〜100重量倍であり、好ましくは、0.5〜30重量倍であり、より好ましくは1〜10重量倍である。
アルカリ触媒は、アルカリ金属を含む化合物であり、具体的には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、t−ブトキシカリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、金属ナトリウムなどが挙げられる。好ましくは、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムであり、より好ましくは水酸化カリウムである。
また、異性化を抑制するために、溶媒に対して水を添加することもできる。この場合、添加する水の重量は、使用する溶媒重量を100重量部としたとき、0.5〜5重量部であり、好ましくは、0.5〜3重量部、より好ましくは1〜3重量部である。
また、系中に水を添加した場合、有機層と水層の反応を円滑にし、反応時間の短縮を行うために、相間移動触媒を入れることもできる。
相間移動触媒は、例えば、第四級アンモニウム塩、クラウンエーテル、ホスホニウム化合物や、キラルな相間移動触媒を使用できる。具体的には、臭化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、18−クラウン−6、15−クラウン−5、12−クラウン−4、臭化テトラブチルホスホニウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウムなどが挙げられる。好ましくは、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウムであり、より好ましくは臭化テトラブチルアンモニウムである。
これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いることも可能である。
相間移動触媒を使用する場合、相間移動触媒の使用量は、三級アミノ基と水酸基をそれぞれ1個以上有する化合物に対して、0.01〜1モル当量であり、好ましくは、0.01〜0.5モル当量であり、より好ましくは0.01〜0.1モル当量である。
式(I)で示される化合物と、分子中に三級アミノ基と水酸基をそれぞれ1個以上有する化合物を、炭素数5〜10からなる飽和炭化水素溶媒中で反応させる温度としては、0〜110℃、好ましくは5〜80℃であり、さらに好ましくは10〜50℃である。反応温度が低くても反応は進行するが反応が遅いことがある。反応温度は、使用する飽和炭化水素溶媒の沸点に応じて、適宜調整できる。
式(I)で示される化合物は、分子内に隣接する2つのシス型二重結合によって挟まれたメチレン基を1個以上有するため、酸化を受けやすく、異性化を起こしやすい。そのため、反応や精製は、空気にさらされないよう、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
反応後の処理としては、アルカリ触媒をデカンテーションや濾過などにより、除去することもできる。これらの方法によってアルカリ触媒を除去した溶液は、水や緩衝液などを加えた後、二層分離させ、水層を除去し、有機層を回収、脱水、濃縮することにより、三級アミノ基含有脂質を得ることができる。
また、アルカリ触媒をデカンテーションや濾過などにより除去しなくても、アルカリ触媒を含む反応溶液に水や緩衝液を加えることもできる。水や緩衝液を加える場合には、発熱を伴い、異性化が起こる可能性があるため、反応溶液を25℃以下に冷却し、水や緩衝液を滴下するなどして、徐々に加えるのが好ましい。二層分離後、水層を除去し、有機層を回収、脱水、濃縮することにより、三級アミノ基含有脂質を得ることができる。
得られた三級アミノ基含有脂質は、目的物以外の不純物を含むことが予想される。そのため、得られた三級アミノ基含有脂質中の不純物を特許文献1、2に記載の方法や、以下の方法などにより除去、精製することもできる。精製には、一般的に使用される、再結晶、晶析、液−液抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの方法を制限なく使用することができる。本発明の方法においては、三級アミノ基含有脂質中の不純物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて除去、精製し、目的物である三級アミノ基含有脂質を得ることが好ましい。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに使用する溶剤は特に限定されないが、例えば、クロロホルム、メタノール、ヘキサン、酢酸エチル、水、バッファーなどから、単独あるいは2種以上の組合せによって使用することができる。例えば、クロロホルム/メタノール、クロロホルム/メタノール/水、ヘキサン/酢酸エチルなどの溶剤の組合わせが挙げられる。好ましくは、クロロホルム/メタノール、ヘキサン/酢酸エチルであり、より好ましくはヘキサン/酢酸エチルである。
クロロホルム/メタノール、ヘキサン/酢酸エチルの比率については、100/0〜40/60(vol/vol)の範囲で使用でき、100/0〜50/50で行うことが好ましい。
以下、本発明の実施例について説明する。
(製造例1)
(リノレイルメタンスルホネートの合成)
四つ口フラスコに脱水トルエン(500g)、リノレイルアルコール(cis,cis-9,12-オクタデカジエン-1-オール、100g、375mmol)、トリエチルアミン(46g、450mmol)を加え、窒素雰囲気下にて攪拌した。10℃に冷却後、塩化メタンスルホニル(47g、413mmol)を、反応温度が30℃以下になるように、2時間かけて滴下した。滴下終了1時間後、反応液をサンプリングし、TLC(クロロホルム展開、リン酸・硫酸銅発色)によりリノレイルアルコールのスポットが消失していることを確認した。エタノール(5.2g、113mmol)を加え、トリエチルアミン塩酸塩をろ過した。ろ液をイオン交換水(150g)で水洗し、水層を廃棄した。水洗を同様の操作で再度行った。有機層を無水硫酸マグネシウム(20g)にて脱水後、ろ過、濃縮してリノレイルメタンスルホネートを得た (収量:120g、収率:93%)。
得られたリノレイルメタンスルホネートを1H-NMR(600MHz、CDCl3)にて分析し、δ3.00(s, 3H, OSO2CH 3)、5.42-5.30(m, 4H, 2x CH=CH)、2.06(q,
4H, 2x CH2CH 2CH=)、4.22(t,
2H, CH2CH 2OSO2CH3)、2.79(t, 2H, =CHCH 2CH=)、0.89(t,
3H, CH2CH 3) より目的物であることを確認した。
実施例1〜7、比較例1〜4では、製造例1で得られたリノレイルメタンスルホネートを原料とし、種々の基質と反応させた。各実施例、比較例につき、反応後のサンプル、および、目的物について、H-NMR(600MHz、CDCl3)の測定を行った。
(反応終点の確認方法)
反応溶液を一部サンプリングし、サンプリングした溶液をPTFEフィルター(0.5μm、ADVANTEC製)により、アルカリ触媒を濾別除去し、脱溶剤後に、1H-NMR(600MHz、CDCl3)を測定した。反応は、リノレイル基の不飽和結合由来のδ5.42-5.30のシグナルの積分値を8H(プロトン)として、リノレイルメタンスルホネートのメチル基由来のδ3.00(s,
3H, OSO2CH 3)を基準としたリノレイルメタンスルホネートの残存量が5.0%以下(積分値:0.3以下)になった時点で終了した。
(異性体積分値の算出方法)
異性体積分値は、リノレイル基の不飽和結合由来のδ5.42-5.30のシグナルの積分値を8H(プロトン)とした時、δ6.29、5.94、5.67のシグナル(trans不飽和結合由来)の平均積分値から算出した。
(転化率の算出方法)
実施例1、実施例2、実施例4、実施例6、実施例7および、比較例1〜3の目的物への転化率は、リノレイル基の不飽和結合由来のδ5.42-5.30のシグナルの積分値を8H(プロトン)として、ジメチルアミノ基由来のδ2.28のシグナルの積分値(6H(プロトン)の時100%)から算出した。
同様に、実施例3の目的物への転化率は、δ3.69のシグナル(モルホリノ基由来)(4H(プロトン)の時100%)の積分値から、実施例5の目的物への転化率は、δ2.32のシグナル(N-メチル基由来) (3H(プロトン)の時100%)の積分値から算出した。
(実施例1)
1,2-ジリノレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)の合成
スクリュー管に、ヘキサン(30ml)と水酸化カリウム(3.1g、54.4mmol)を加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオール(0.72g、6.04mmol:DAP)を滴下した。その後、製造例1で得られたリノレイルメタンスルホネート(5.0g、14.5mmol)を滴下し、室温で攪拌した。48時間後、残存リノレイルメタンスルホネートが0.9%となったため、反応を終了した(転化率:65.0%、異性体積分値:
0.017)。
反応溶液のデカンテーションを行い、上澄み溶液をpH6のリン酸バッファー(75ml)に加え、攪拌した。静置分層後、水層を廃棄した。アセトニトリル(20ml)を加え、攪拌静置後、下層(アセトニトリル層)を除去した。再度アセトニトリル(20ml)を加え、同様の操作を行った。ヘキサン層を硫酸マグネシウム(1.0g)で脱水、ろ過後、脱溶剤し、粗精製物(3.3g)を得た。これをシリカゲル(ダイソーゲル IR-60-25/40)カラムにより、酢酸エチルを5-20体積%を含むヘキサン溶液を使用して精製し、目的物(2.0g)を得た
(異性体積分値:0.015) 。
得られた目的物を1H-NMR(600MHz、CDCl3)にて分析し、1H-NMR(600MHz、CDCl3):δ5.42-5.30(m, 8H, 4x CH=CH), 3.59-3.44(m, 7H, OCH,
3x OCH 2), 2.79(t, 4H, 2x =CHCH 2CH=),
2.40(m, 2H, NCH 2), 2.28(s, 6H, 2x NCH 3),
2.06(q, 8H, 4x CH2CH 2CH=), 1.56(m, 4H, 2x CH 2CH2O),
1.41-1.28(m, 32H), 0.89(t, 6H, 2x CH2CH 3 )より目的物であることを確認した。
また、特許文献1に記載の同じ化合物と同様のシグナルが得られていることを確認した。
次に比較例1の実験を示す。
(比較例1)
1,2-ジリノレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)の合成
四つ口フラスコに脱水トルエン(30ml)と60%水素化ナトリウム(1.2g、30.0mmol)を加え、窒素雰囲気下で攪拌しながらDAP(0.57g、4.84mmol)を滴下した。その後、リノレイルメタンスルホネート(5.0g、14.5mmol)を滴下し、110℃で3時間攪拌した(転化率:59.0%、異性体積分値:0.073)。室温まで放冷した後、氷冷し、反応溶液にエタノール(3mL)をゆっくり加えた。さらに150mlのトルエンで希釈した後、蒸留水(150mL×2回)、及び飽和食塩水(150mL)で洗浄した。有機層に硫酸マグネシウム(1.0g)を加えて脱水した後、ろ過、脱溶剤し、粗精製物を得た。粗精製物をシリカゲル(ダイソーゲル IR-60-25/40)カラムクロマトグラフィーにより、0〜5%のメタノールを含むクロロホルム溶液を使用して精製し、目的物(1.6g)を得た(異性体積分値:0.071)。
実施例1、比較例1の異性体積分値についての結果を表1に示す。
Figure 0006108197
表1に示したとおり、反応溶剤にヘキサンを使用した実施例1の反応後の異性体積分値は、トルエンを使用した比較例1の積分値と比較し、顕著に抑制されていた。
一方、その後のカラム精製では、異性体積分値が減少しており、わずかに異性体を除去できたものの、異性体を完全には除去できないことが分かった。すなわち、目的物中の異性体含有量は、反応時の異性体含有量に左右されることが分かった。
そこで、以下の実施例2〜7、比較例2〜4では反応後の異性体の積分値で比較することとした。
(実施例2)
1,2-ジリノレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)の合成
窒素雰囲気下、四つ口フラスコにヘキサン(30mL)、水酸化カリウム(3.1g、54.4mmol)、水(0.6g:ヘキサン100重量部に対して3重量部)を加え、攪拌しながら3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオール(0.72g、6.04mmol:DAP)を滴下した。その後、リノレイルメタンスルホネート(5.0g、14.5mmol)を加え、40℃で19時間攪拌し、残存リノレイルメタンスルホネートが1.0%となったため、反応を終了した(転化率:64.0%、異性体積分値:0.009)。
(実施例3)
1,2-ジリノレイルオキシ-モルホリノプロパンの合成
窒素雰囲気下、4つ口フラスコにヘキサン(30mL)と水酸化カリウム(3.1g、54.4mmol)を加え、攪拌しながら3-モルホリノ-1,2-プロパンジオール
(0.98g、6.1mmol:MPP)を滴下した。その後、リノレイルメタンスルホネート(5.0g、14.5mmol)を加え、室温で23時間攪拌し、リノレイルメタンスルホネートが消失したため、反応を終了した。 (転化率72.3%、異性体積分値0.012)。
(実施例4)
1,2-ジリノレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)の合成
窒素雰囲気下、四つ口フラスコにメチルシクロヘキサン(30mL)と水酸化カリウム(3.1g、54.4mmol)を加え、攪拌しながら3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオール(0.72g、6.04mmol:DAP)を滴下した。その後、リノレイルメタンスルホネート(5.0g、14.5mmol)を加え、40℃で13時間攪拌し、残存リノレイルメタンスルホネートが2.1%となったため、反応を終了した(転化率68.0%、異性体積分値0.024)。
(実施例5)
N,N-ジリノレイルオキシエチル-N-メチルアミンの合成
窒素雰囲気下、四つ口フラスコにヘキサン(30mL)と水酸化カリウム(3.1g、54.4mmol)を加え、攪拌しながらN-メチルジエタノールアミン(0.72g、6.04mmol:MDA)を滴下した。その後、リノレイルメタンスルホネート(5.0g、14.5mmol)を加え、室温で5時間攪拌し、残存リノレイルメタンスルホネートが3.9%となったため、反応を終了した。 (転化率87.0%、異性体積分値0.011)。
(実施例6)
1,2-ジリノレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)の合成
窒素雰囲気下、四つ口フラスコにヘキサン(30mL)、水酸化カリウム(3.1g、54.4mmol)、水(0.6g:ヘキサン100重量部に対して3重量部)、臭化テトラブチルアンモニウム(0.04g、0.12mmol:TBAB)を入れ、攪拌し、3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオール(0.72g、6.04mmol:DAP)を滴下した。その後、リノレイルメタンスルホネート(5.0g、14.5mmol)を加え、室温で11時間攪拌し、残存リノレイルメタンスルホネートが0.9%となったため、反応を終了した(転化率:65.0%、異性体積分値:0.011)。
(実施例7)
1,2-ジリノレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)の合成
窒素雰囲気下、四つ口フラスコにヘキサン(30mL)、水酸化カリウム(6.1g、108.7mmol)を入れ、攪拌しながら3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオール(0.72g、6.04mmol:DAP)を滴下した。その後、リノレイルメタンスルホネート(5.0g、14.5mmol)を加え、室温で3時間攪拌し、残存リノレイルメタンスルホネートが0.2%となったため、反応を終了した(転化率:59.2%、異性体積分値:0.027)。
(比較例2)
1,2-ジリノレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)の合成
窒素雰囲気下、四つ口フラスコに脱水トルエン(30ml)と水酸化カリウム(1.8g、28.8mmol)を加え、攪拌しながら3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオール(0.57g、4.78mmol)を滴下した。その後、リノレイルメタンスルホネート(5.0g、14.5mmol)を加え、110℃で3時間還流し、残存リノレイルメタンスルホネートが4.8%となったため、反応を終了した(転化率51.1%、異性体積分値0.142)。
(比較例3)
1,2-ジリノレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)の合成
窒素雰囲気下、四つ口フラスコに脱水トルエン(30ml)と水酸化カリウム(4.9g、87.0mmol)を加え、攪拌しながら3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオール(0.57g、4.78mmol:DAP)を滴下した。その後、リノレイルメタンスルホネート(5.0g、14.5mmol)を加え、室温で14.5時間反応させた。残存リノレイルメタンスルホネートは51.1%であり、5.0%以下を満たさなかったが、異性体が0.079まで増加したため、反応を終了した(転化率28.9%、異性体積分値0.079)。
(比較例4)
N,N-ジリノレイルオキシエチル-N-メチルアミンの合成
窒素雰囲気下、四つ口フラスコに脱水トルエン(30ml)と水酸化カリウム(3.1g、54.4mmol)を加え、攪拌しながらN-メチルジエタノールアミン (0.72g、6.04mmol:MDA)を滴下した。その後、リノレイルメタンスルホネート(5.0g、14.5mmol)を加え、室温で44時間反応し、残存リノレイルメタンスルホネートが3.5%となったため、反応を終了した(転化率39.5%、異性体積分値0.042)。
Figure 0006108197
Figure 0006108197
三級アミノ基と水酸基をそれぞれ1個以上有する化合物が、3−(ジメチルアミノ)−1,2−プロパンジオール(DAP)の場合は、実施例1、2、4、6、7および、比較例1、2、3である。これらの異性体積分値を比較すると、実施例の異性体積分値が、0.009〜0.027であるのに対し、比較例では0.073〜0.142であり、実施例では異性化が抑制でき、かつ、転化率を高めることができた。
同様に、実施例3、5では、DAPの代わりに、それぞれ、3−モルホリノ−1,2−プロパンジオール(MPP)、N−メチルジエタノールアミン(MDA)を使用したが、異性体積分値は、0.012、0.011であり、3−(ジメチルアミノ)−1,2−プロパンジオール(DAP)の場合と同様に、異性化を抑制できたことがわかった。
MDAを使用した場合で比較すると、比較例4では異性体積分値は、0.042であるのに対し実施例5の場合が0.011であり、異性化を抑制でき、かつ、転化率も高めることができた。
反応系中に水と臭化テトラブチルアンモニウム(TBAB)を使用した実施例6では、同じ基質、溶剤、水を使用した実施例2と比較しても、反応時間を短縮できることがわかった。

Claims (5)

  1. (A)下記の式(I)
    Figure 0006108197


    (式中、Rは、分子内に隣接する2つのシス型二重結合によって挟まれたメチレン基を1個以上有する炭素数8〜24の炭化水素基であり、Xは脱離基である)で表される化合物と、
    (B)分子中に三級アミノ基と水酸基をそれぞれ1個以上有する化合物を、炭素数5〜10からなる飽和炭化水素溶媒中、アルカリ触媒存在下で反応させ、前記飽和炭化水素溶媒中での反応の際に前記化合物(A)から前記脱離基Xを脱離させると共に前記化合物(B)の前記水酸基から水素原子を脱離させることで、前記水素原子が脱離した前記化合物(B)の酸素原子と前記炭化水素基R との間でエーテル結合を生成させてなる三級アミノ基含有脂質を得る方法であって、
    (B)分子中に三級アミノ基と水酸基をそれぞれ1個以上有する前記化合物が、下記の式(II-1)
    Figure 0006108197

    [式中、Zは2〜8価からなり、直鎖状、分岐状、環状であってもよい炭素数1〜8の炭化水素基であり、k は1≦k ≦7であり、k は1≦k ≦3であり、2≦k +k ≦8である。Yは以下の構造で表される官能基であり、
    Figure 0006108197
    (R 、R はそれぞれ直鎖状、分岐状、または環状である炭素数1〜8の炭化水素基であり、Wは、OまたはNR (R は炭素数1〜3のアルキル基)である。)]で示される化合物と、
    下記の式(II-2)
    Figure 0006108197


    (式中、mは1〜4であり、R は炭素数1〜4の直鎖状、分岐状のアルキル基または、−(CH )n−OHである(nは1〜4))で示される化合物とから選択されることを特徴とする、三級アミノ基含有脂質の製造方法。
  2. 前記飽和炭化水素溶媒がヘキサンまたはメチルシクロヘキサンである、請求項1記載の方法。
  3. がリノレイル基である、請求項1または2記載の方法。
  4. Xがメタンスルホネート基(−OSOCH)である、請求項1〜のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  5. 前記アルカリ触媒が水酸化カリウムである、請求項1〜のいずれか一つの請求項に記載の方法。
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