以下、本発明に関する各実施例を説明する。
図1、2、3、4を用いて第一の実施例について説明する。図1は本実施例の映像投射装置のブロック図の一例である。
図1において、第一の実施例の映像投射装置1は、例えば映像入力端子2、映像入力端子2から入力された映像信号に所定の信号処理を施す信号処理部3、信号処理部3の出力に基いて光源で生じた光を変調して外部に投射する光学ユニット7と、光学ユニット7における光変調処理の動作を変更するための設定を行う光変調制御部6、光学ユニット7が投射する方向に投射領域より広い範囲に赤外線を射出する赤外線射出部8、赤外線射出部8が射出した赤外線の反射光を受光する赤外線受光部9、赤外線受光部9の結果を用いて前記赤外線を反射させた物体までの距離を測定する測距部10、信号処理制御部5の命令に従い複数の閾値を保持する閾値保持部11、測距部10の出力と閾値保持部11が保持している複数の閾値とを比較し、測距部10の出力が該当する距離領域を選出する測距値比較部12、信号処理部3と閾値保持部11の動作を変更するための設定をそれぞれに出力する信号処理制御部5を備える。
なお、本実施例の映像投射装置の構成例では、赤外線射出部8と赤外線受光部9を用いているが、これは、光学ユニット7から射出される可視光映像の影響を受けにくい波長成分を主とする光線を用いるものであればよい。例えば、可視光領域外の波長の光線を主とする光であればよいので、赤外領域の光に限られず、紫外領域の光でもかまわない。
図1のブロック図の接続例について説明する。映像入力端子2からの入力は信号処理部3の入力に接続し、信号処理部3の出力は光変調制御部6と光学ユニット7のそれぞれの入力に接続し、光変調制御部6の出力は光学ユニット7の入力に接続する。赤外線射出部8の赤外線発射を示す出力と赤外線受光部9の出力は測距部10のそれぞれの入力に接続し、測距部10の出力は測距値比較部12の入力に接続し、測距値比較部12の出力は信号処理制御部5と光変調制御部6のそれぞれの入力に接続し、信号処理制御部5の2つの出力は閾値保持部11と信号処理部3のそれぞれの入力に接続し、閾値保持部11の出力は測距値比較部12の別の入力に接続している。
次に、動作例について説明する。赤外線射出部8は、光学ユニット7が映像を投射した方向に赤外線を射出する。赤外線射出部8は、赤外線を該方向に、光学ユニット7の映像投射面よりも広い範囲に射出する。射出された赤外線は、射出範囲に存在する物体に反射する。赤外線受光部9は、反射した赤外線を受光し、測距部10に受光結果を出力する。測距部10は赤外線受光部9の赤外線受光結果に基いて、赤外線を反射させた物体までの距離を算出する。ここで、赤外線受光による距離測定方法は、既存の技術を用いればよい。例えば、赤外線の射出時間と、赤外線の反射光の受光時間に基いて距離を測定してもよい。その場合は、赤外線射出部8は、測距部10に赤外線の射出時間に関する情報が出力し、赤外線受光部9は、測距部10に赤外線の反射光の受光時間に関する情報を出力し、測距部10がこれらの情報に基いて、赤外線を反射させた物体までの距離を算出すればよい。また、例えば、赤外線受光部9が、赤外線受光部9において反射光を受光した位置の情報を測距部10に送信し、当該情報に基いて測距部10が赤外線を反射させた物体までの距離を算出してもよい。以上のように測距部10で算出した結果は、測距値比較部12に出力される。測距値比較部12は、信号処理制御部5の命令で閾値保持部11が保持している複数の閾値を用いて、測距部10の出力した値はどの距離領域に該当するかを出力する。例えば、閾値Aは投射面よりも所定の距離α(例えば20cm)手前の値、閾値Bは投射面までの値、閾値Cは投射面よりも所定の距離β(例えば20cm)先の値とする。測距部10の出力が閾値Aより近い場合、投射面と光学ユニット7の間に移動物体等が進入したこととなる。測距部10の出力が閾値Aより遠く、閾値Bより近い場合、投射面と光学ユニット7の間に移動物体が無いこととなる。測距部10の出力が閾値Bより遠く、閾値Cより近い場合、投射面の背後近くに別の物体が存在することとなる。測距部10の出力が閾値Cより遠い場合、投射面の背後に別の物体が存在しないこととなる。
閾値保持部11が保持している上述の閾値A、B、Cは、映像投射装置1を設置する際に、投射面までの距離を測定して、当該投射面を基準としたキャリブレーションを行なうことにより、変更してもよい。例えば、ユーザに投射映像の中心位置が投射面内に含まれるように配置してもらい、映像投射装置1と投射面の間に移動物体が進入していない状態でメニュー画面やリモコンのボタン等の操作によりキャリブレーション開始指示信号を入力し、上述の測距部10の測距処理により、映像投射装置1と投射面の間の距離を測定する。ここで、信号処理制御部5は、当該キャリブレーションにより測定した映像投射装置1と投射面の間の距離を閾値Bに上書きする処理を行う。また、閾値Aは、新たな閾値Bに対して所定の距離αだけ手前の距離に書き換える。また、閾値Cは、新たな閾値Bに対して所定の距離βだけ奥の距離に書き換える。このようにして、映像投射装置1の使用環境に応じて、上記閾値A、B、Cを設定し、閾値保持部11が保持させることができる。
上述の閾値を用いて、信号処理制御部5は以下の処理を行う。信号処理制御部5は、該当した距離領域が閾値Aよりも近くにあった場合、光学ユニット7が投射した方向に可動する物体が進入したことを認識し、前記物体が存在する領域を算出する。次に信号処理制御部5は、例えば物体が存在する領域の輝度値を下げるという処理を行うための設定を信号処理部3に出力する。光変調制御部6は、該当した距離領域が閾値Cよりも遠くであった場合、投射面を外れた領域と認識すると同時に、投射面を外れた領域を算出する。次に光変調制御部6は、例えば投射面を外れた領域の光を通さない処理を行うための設定を光学ユニット7に出力する。
次に、図2、図3を用いて前記信号処理部3の動作を詳しく説明する。図2は、投射面より大きく映像を投射した例の図である。図2において13は投射面(スクリーン)、14は投射画像領域、15は発表者である。通常の投射画像領域14は、投射面13よりも少々狭い範囲で投射する。投射した結果、より中央を拡大して投射したい場合や、投射面と投射画像領域のアスペクト比が合わない場合など、図2に示すように、投射映像を拡大して投射画像領域14を投射面13よりも広くなるように投射する場合がある。このようなときに、映像が投射される位置には、投射面13よりも近い位置、投射面13付近の位置、投射面13よりも遠い位置という3つの距離領域が存在することとなる。信号処理制御部5は、投射面13よりも近い位置について、例えば物体が存在する領域の輝度値を下げるという処理を行う。投射面13付近の位置については通常の信号処理を行う。光変調制御部6は、投射面13よりも遠い位置については、例えば、投射面(スクリーン)の外であると判断して、当該領域を黒信号と置き換えるという処理を行う。
これにより、発表者15は投射画像領域内に進入しても眩しくなく、投射面を外れた領域も不要な投射をしない制御を行うことができる。つまり、発表者にとっては眩しさが低減され、鑑賞者にとっては、より好適に映像を鑑賞可能な映像投射が実現できる。
次に、図3は、非矩形の投射面に映像を投射した例の説明図である。図3において、14は投射画像領域、15は発表者、61は非矩形の投射面である非矩形投射面である。ここで、図3に示すように投射面が非矩形投射面61であった場合、矩形の投射画像領域を有する映像投射装置の場合、図2と同様に、映像が投射される位置として、同様に非矩形投射面61よりも近い位置、非矩形投射面61付近の位置、非矩形投射面61よりも遠い位置という3つの距離領域が存在することとなる。信号処理制御部5は、非矩形投射面61よりも近い位置について、例えば物体が存在する領域の輝度値を下げるという処理を行う。非矩形投射面61付近の位置については通常の信号処理を行う。光変調制御部6は、非矩形投射面61よりも遠い位置について、例えば物体が存在する領域を黒信号と置き換えるという処理を行う。これにより、発表者15は投射画像領域14内に進入しても眩しくなく、投射面を外れた領域も不要な投射をしない制御を行うことができる。つまり、この場合も、発表者にとっては眩しさが低減され、鑑賞者にとっては、より好適に映像を鑑賞可能な映像投射が実現できる。
図4を用いて、変形例の映像投射処理の説明をする。図4は立体的な投射面に投射した例の説明図である。立体スクリーン側面図35、立体スクリーン正面図36は、映像を投射していない状態のスクリーンを示している。立体スクリーン側面図37、立体スクリーン正面図38は映像投射例(a)にけるスクリーンの状態を示している。立体スクリーン側面図39、立体スクリーン正面図40は、映像投射例(b)にけるスクリーンの状態を示している。
各例における動作について説明する。信号処理制御部5は、閾値保持部11に細かく区切った多くの閾値を出力する。例えば図4の立体スクリーン側面図35の高さを4等分する領域を作るように閾値を設定する。信号処理制御部5は、測距値比較部12の出力に従い、各領域別に輝度値を変える制御を行う設定を信号処理部3に出力する。
例えば、映像投射例(a)では、立体スクリーンの最も映像投射装置に近い位置から、最も映像投射装置から遠い位置に向かい、順に映像を暗くする制御を行う。この状態が、立体スクリーン側面図37、立体スクリーン正面図38に示されている。
この場合では、スクリーン正面から鑑賞する鑑賞者に近い部分が明るく表現されるので、より立体効果のある映像を投射することが可能となる。これは、立体スクリーンを用いてより立体的な映像を投射したい場合に有効である。
また、映像投射例(b)では、立体スクリーンの最も映像投射装置に近い位置から、最も映像投射装置から遠い位置に向かい、順に明るくする制御を行う。この状態が、立体スクリーン側面図39、立体スクリーン正面図40に示す効果がある。
この場合では、スクリーンから遠いほど、すなわち鑑賞者に近いほどなだらかに暗くなるため、スクリーンの立体感を低減し、立体スクリーンでも平面的に映像を投射することが可能となる。これは、平面的に映像を投射したい場合に、スクリーンの設置状況の制約により投射面が立体的になってしまわざるを得ない場合に有効である。
次に、図16を用いて、上述の図4(b)の映像投射例の技術を応用した変形例の技術について、通常の平面スクリーンを用いたプレゼンテーションを行う場合の例を説明する。図16は、投射面(スクリーン)13の前に発表者15が立っている。投射画像領域14は、投射面13より狭い範囲に投射されている場合の例である。
図16の映像投射例では、図4(b)の映像投射例と同様に、閾値保持部11に複数の閾値を用意し、信号処理制御部5は、スクリーンから手前の物体ほど、映像の照度を暗くするように、信号処理部3の映像信号処理を制御する。図16では、発表者15に示す黒の濃淡でこの照度の大小を示している。白いほど照度が高く、黒いほど照度が低い。最も照度の低い部分は完全に黒表示としても良いし、一定の低照度表示としてもよい。
図16のように映像を投影すれば、発表者15が正面を向いている際に、よりスクリーンから遠い顔の部分の照度が暗くなり、発表者にとって眩しくない。また、発表者15の輪郭部分は照度が高くなり、スクリーン上の映像に近い表示となる。これにより、発表者15の輪郭部分がスクリーン上の表示映像に自然と溶け込むように表現することができ、鑑賞者にとってスクリーン上の表示映像をより自然に鑑賞することが可能となる。
さらに、閾値保持部11の複数の閾値の数を多くすれば、照度の変化をグラデーション状にすることができる。このようにすれば、より自然に発表者15をスクリーン上の表示映像に溶け込ませながら、発表者15の眩しさを低減することが可能となる。
なお、図16の映像投射例では、発表者15の目が最も照度の低い領域に含まれているが、発表者が横を向いている場合は、このようにならない可能性もある。しかしながら、発表者が横を向いている場合は、発表者の目の瞳孔の開口の法線方向と映像投射装置の光学ユニット7からの投射映像の光線との角度が大きくなり、そもそも瞳に入る光量が低減される。よって、図16の映像投射例では、発表者15は正面を向いている場合も横を向いている場合も、映像投射装置の光学ユニット7からの投射映像の光線を正面向きに受ける場合に比べて眩しさを低減した状態で発表を行うことが可能となる。
また、図16の映像投射例の別の効果について図17を用いて説明する。図17の映像投射例(a)と映像投射例(b)において、投射面(スクリーン)13の前に発表者15が立っており、投射画像領域14は投射面13より狭い範囲に投射されている。ここで、図17の映像投射例(a)と映像投射例(b)は、発表者15が投射画像領域14中で矢印の方向に移動した場合を示している。
ここで、図17の映像投射例(b)が、図16の映像投射例に対応するものであり、複数の閾値を用いて段階的に(多段階に)照度を低減し、さらに発表者15の輪郭部分のすぐ内側については、スクリーン上の映像と比べて照度低減を行わない例である。これに対し、図17の映像投射例(a)は、一つの閾値を用いた照度切り替えや画像認識により、発表者の輪郭を目標に照度変更を行う場合の例である。
いずれの場合においても、発表者15が移動してしまうと、距離測定処理または画像認識処理や映像信号処理により、少なからず実際の発表者15の位置に対して映像信号処理の対象領域のディレイが生じる。
例えば、図17の映像投射例(a)では、発表者15が矢印の方向に移動してしまうと、映像信号処理による照度低減または黒表示の領域170にズレが生じることとなる。これにより、発表者15がそもそもいない領域に、照度低減領域または黒表示領域が現れ、鑑賞者にとって不自然な映像投射になる可能性がある。また、照度差の大きい領域170の境界が発表者15の体上に重なるため、やはり鑑賞者にとって不自然な映像投射になる可能性がある。
これに対し、図17の映像投射例(b)では、複数の閾値を用いて多段階に投射映像の照度を低減しており、かつ発表者15の輪郭部分のすぐ内側については、スクリーン上の映像と比べて照度低減を行わないように映像信号処理を行う。これにより、発表者15が矢印の方向に移動しても、多段階に照度を低減する領域は、発表者15の領域よりも小さい領域であり、発表者15がいない領域への影響が少なくて済む。これにより、鑑賞者はより自然な映像を鑑賞することができる。また、図17の映像投射例(b)では、映像投射例(a)のように照度差の大きい境界が存在しないので、照度差の大きい境界が重なることも無い。これにより、鑑賞者はより自然な映像を鑑賞することができる。
すなわち、図17の映像投射例(b)では、鑑賞者への鑑賞に与える影響は、多段階な照度低減の重心が実際の発表者15の領域の中央からずれるだけであり、映像投射例(a)より不自然な映像が生じにくくなる。当該効果は、閾値保持部11の複数の閾値の数を多くし、照度の変化をグラデーション状にすればよい効果が高まる。
なお、図16及び図17(b)の映像投射例は、図4(b)の例と同様にスクリーン面を基準にキャリブレーションした複数の閾値を用いた処理により実現することが可能である。しかしながら処理を用いると多段階の照度変更は実現できるものの、発表者15が1歩前に進んだ場合に発表者15の領域の照度が全体的に下がることとなる。また、発表者15が1歩後ろに下がった場合、発表者15の領域の照度が全体的に上がることとなる。
すると、発表者の前後の立ち位置によっては、発表者の眩しさの低減効果が十分でなくなる可能性もある。
そこで、これを解決するために、投影面13(スクリーン)または投射画像領域14とが重なっている領域において、投影面13(スクリーン)の手前に物体が存在する場合に、測距部10が測定した距離の情報のうち、当該領域で最も手前に物体が存在する位置を基準位置とし、当該基準位置よりスクリーン側の複数の位置にそれぞれ閾値を設定してもよい。例えば、基準位置から3cm、6cm、10cm、15cmの位置にそれぞれ閾値を設定してもよい。このようにして、複数の閾値を設定し、測距部10の距離測定結果をリアルタイム処理で反映して当該基準位置を動的に変更すれば、結果的に複数の閾値も動的に変更される。ここで、基準位置から最初の閾値までの領域の映像輝度低減量を所定の輝度低減量または輝度低減率で固定にすれば、発表者15が前に進んでも後ろに下がっても、発表者が正面を向いたときの顔の中心部の照度低減効果が、発表者15の立ち位置で変化することをより抑制することが可能となる。
なお、上述の照度の変化のグラデーションは、測距部10の出力と複数の閾値の比較により実現していた。これに替えて、以下の方法で照度の変化のグラデーション処理を実現してもよい。まず、測距部10の出力と閾値保持部11に保持する閾値処理により、スクリーン前に侵入した発表者の領域と輪郭を特定する。次に、信号処理制御部5は、当該特定された発表者の領域の内側にむかって、輪郭からの距離に応じて輝度を低減するように信号処理部3を制御する。このようにすれば、発表者が存在する領域の特定には測距部10の出力を用いるが、発表者の領域の内側については測距部10の出力を用いなくとも、図16や図17(b)のような映像投射例と同様の効果を得ることが可能となる。このようにすれば、例えば、測距部10の測定分解能が小さくなく、あまり多くの閾値を設定できない場合でも、発表者の領域の輪郭からの距離に応じた輝度低減処理側で輝度の変化幅を細かく設定すれば、自然なグラデーションの輝度低減処理が可能となる。
以上説明した本発明の第一の実施例の映像投射装置によれば、発表者の眩しさを低減しながら、鑑賞者がより好適に映像を鑑賞することができる。
次に、図5、6、7、8を用いて第二の実施例について説明する。図5は本実施例の映像投射装置のブロック図、図6は、投射領域に発表者が進入していないときの投射面を示した図、図7は、投射領域に発表者が進入したときの投射面を示した図、図8は発表者が投射領域内に指示棒を出した時の投射面を示した図である。
図5において、62は第二の実施例の映像投射装置、4は信号処理制御部5の設定にて、信号処理部3の出力を保持し、また信号処理部3へ出力する画像保持部である。その他の構成は図1の第一の実施例の映像投射装置1と同様であるので説明を省略する。
図5のブロック図の接続について説明する。信号処理部3の出力は画像保持部4に接続し、画像保持部4の出力は信号処理部3の別の入力に接続し、信号処理制御部5の出力は画像保持部4のそれぞれの入力に接続している。その他の接続は図1の第一の実施例の映像投射装置1と同様であるので説明を省略する。
動作について説明する。信号処理制御部5は、測距部10が測定した距離が閾値Aよりも、映像投射装置に近かった場合、光学ユニット7が投射した方向に可動する物体が進入したことを認識する。また、同時に、前記物体が存在する領域を算出し、次に例えば物体が存在する領域の輝度値を下げるなどの処理を行うための設定を信号処理部3に出力するところまでは第一の実施例の映像投射装置1と同様に行なう。当該処理については、実施例1で説明したため、再度の説明は省略する。
本実施例では、信号処理制御部5は、前記物体とが重なる領域に投射する予定であった映像を、別の領域に出力させる命令を画像保持部4に出力し、かつ、投射する全体画像の縮小処理を施す命令を信号処理部3に出力る。信号処理部3は、縮小処理を施した画像と、画像保持部4からの前記物体とが重なる領域に投射する予定であった映像を、投射する画像内に組み込み光変調制御部6に出力する。
図6、図7を用いて、当該信号処理部3の動作を詳しく説明する。図6、7において13は投射面、14は投射画像領域、15は発表者、16は補助投射面、18は縮小処理したときの投射画像領域である投射画像領域、20は補助投射面、21は前記物体と重なる領域の映像である投射画像とする。
投射画像領域は、発表者15が投射画像領域14内に進入していない時は、図6のように通常の大きさである。発表者15が投射画像領域14内に進入した時、信号処理部3は、信号処理制御部5からの命令を受けて図7のように投射画像領域14を、投射画像領域18に変更する処理を行う。さらに、発表者15が、投射画像領域18内に進入した時、信号処理部3は、信号処理制御部5からの命令を受けて図7のように補助投射面20内に投射画像21を移して表示するための処理をする。これにより鑑賞者は、発表者15が投射面13の前を移動しながら説明をしても、発表者の映り込みによって情報が読み取りにくい場合でも、補助投射面20内に表示された映像により投射面13上の情報を得ることができる。また、その際に発表者15が、補助投射面16、投射画像領域18、補助投射面20のいずれの領域に進入した場合、信号処理制御部5は、比較部12からの差分値を基に、発表者15の領域に投射する映像信号に輝度値を下げるなどの実施例1と同様の信号処理を行ってもよい。また、同様の動作を光変調制御部6にて行う場合、比較部12からの差分値を基に、発表者15の領域に投射する映像信号を遮断するといった所定の光変調処理を施してもよい。
図8を用いて別の動作例を説明する。図8において17は発表者15が指示棒にて指し示した位置の投射画像である投射画像、22は発表者15が持つ指示棒の先についた物体、23はカーソルなど、映像中の特定の部分を強調する強調表示マークである。始めに、物体22の形状の情報を予め、映像投射装置の図示しない記憶部などに記憶しておく。物体22は円錐形のように距離情報に特徴を持ったものが望ましい。これにより、測距部10が測定した距離情報と、上記記憶部に記憶した物体22の形状の情報とに基いて、物体22の位置(投射映像装置から見て投射映像内で物体22が重なる位置)を特定することができる。発表者15は物体22を説明したい情報の位置に置く。信号処理制御部5は、測距部10が測定した距離情報と、上記記憶部に記憶した物体22の形状の情報とに基いて、物体22が投射画像領域18のどの位置に存在するかを検知し、該当する位置とその周辺の映像を出力させる命令を画像保持部4に出力する。信号処理部3は、補助投射面16内に投射画像17を移して表示するための処理を行い処理後の画像を、光変調制御部6に出力する。これにより鑑賞者は、発表者15が投射面13の前を移動しながら説明する場合でも、発表者15が物体22で指し示す情報を、鑑賞者が見やすい状態で表示することができる。また、信号処理制御部5は、補助投射面16内の投射画像17上に、投射画像領域18内での物体22の位置を表示する命令を信号処理部3に出力し、信号処理部3がカーソル23を表示させて、発表者15が指している位置を示し、その部分を強調することができる。この場合、鑑賞者は補助投射面16内の投射画像17において注目すべき箇所を容易に判断することができる。
図9、10、11を用いて、第三の実施例について説明する。図9は本実施例の映像投射システムのブロック図、図10は、投射領域に発表者が進入していないときの投射面を示した図、図11は、投射領域に発表者が進入したときの投射面を示した図である。図9は、第一の実施例の映像投射装置1と、第三の実施例の映像投射装置24を組み合わせたシステムである。第三の実施例の映像投射装置24は、第一の実施例の映像投射装置1内の信号処理制御部5を、第三の実施例の信号処理制御部25に置き換えたものである。26は第一の映像入力端子、27は第二の映像入力端子、28は映像信号を選択する選択部である。
本システムは、第一の映像入力端子26と第二の映像入力端子27からの映像信号を選択する選択部28の選択信号を、第二の実施例の信号処理制御部25が出力する構成になっている。第三の実施例の映像投射装置24内の他の接続は、第一の実施例の映像投射装置1と同じであるので説明を省略する。
次に、図10、11を用いて本実施例の映像投射装置の動作について説明する。図10、11において29は第一の投射面、30は第一の投射画像、31は第二の投射面、32は第二の投射画像である。発表者15が第一の投射画像30内に進入していない時、第一の実施例の映像投射装置1は、図10のように第二の投射面31に、第二の映像入力端子27からの映像を投射する。発表者15が第一の投射画像30内に進入した時、映像投射装置24の信号処理制御部25は、測距値比較部12の出力が測距部10が測定した距離が所定の範囲を超えていることを示している場合、光学ユニット7が投射した方向に可動する物体が進入したことを認識し、、選択部28に第一の映像入力端子26からの入力映像信号を選択させることを示す信号を出力する。これにより映像投射装置1は、第一の投射画像30を第二の投射面31内に移して第二の投射画像32として投射する。また、その際に発表者15が、第一の投射画像30の領域に進入した場合、信号処理制御部25は、第一の実施例と同様に、測距値比較部12からの比較結果の出力に応じ、発表者15の領域に投射する映像信号に輝度値を下げるといった所定の信号処理を施してもよい。また、同様の動作を光変調制御部6にて行う場合、測距値比較部12からの比較結果の出力に応じ、発表者15の領域に投射する映像信号を遮断するといった所定の光変調処理を施してもよい。
これにより鑑賞者は、発表者15が第一の投射画像30の前を移動しながら説明をして、第一の投射画像30が読みづらくなったとしても、第二の投射面31上に表示される第一の投射画像30の内容を表示する第二の投射画像32から情報を得ることができる。また、図11に示すように、第二の実施例で説明した図8でと同様に、カーソル23を第二の投射面31内に表示させて、発表者15が指している位置を示し、その部分を強調してもよい。この場合、第二の投射画像32側でも、第一の投射画像30の前で発表者が指し示している場所を、鑑賞者が理解することが可能である。これにより、鑑賞者にとってより好適に映像を鑑賞可能な環境を提供することができる。
以上説明した本発明の第三の実施例によれば、二つ映像投射表示装置を連動させて、一方の映像投射表示装置の表示映像の前に発表者が侵入しても他方の映像投射表示装置に映像を表示することで、鑑賞者がより好適に映像を鑑賞することが可能となる。
図12、13を用いて第四の実施例について説明する。図12は本実施例の映像投射装置のブロック図、図13は、本実施例の効果を示した画像投射図である。図12において第四の実施例の映像投射装置46は、第一の実施例の映像投射装置1内の光学ユニット7と第1の実施例の光変調制御部6を、第四の実施例の光学ユニット48と、第四の実施例の光変調制御部47に置き換えたものである。第四の実施例の光学ユニット48は、光学ユニット7に、投射領域を上下方向、左右方向、遠近方向に移動させる投射方向移動部49を内蔵したものである。当該投射領域の移動技術は、投射レンズ光軸可変シフト機構を採用しても良い。また、投射レンズ光軸の角度を変更してもよい。または、MEMSデバイス等の反射方素子を採用する映像投射装置の場合はMEMSデバイスの反射角度などを変更してもよい。また、レーザ走査により映像を投射する映像投射装置の場合は、レーザ走査の角度を変更するなどすれば実現できる。第四の実施例の光変調制御部47は、第一の実施例の光変調制御部6に、前記第投射方向移動部49に投射領域を移動させる命令を出す機能を追加したものである。 次に、本実施例の映像投射装置の動作について説明する。以下で説明する部分以外の動作は、第一の実施例の映像装置1と同様のため省略する。
まず、本実施例の映像投射装置の赤外線射出部8および赤外線受光部9は、これまでの実施例で説明した範囲よりも広い範囲を対象とする。すなわち、赤外線射出部8は広角な光学系を用いて赤外線を射出し、赤外線受光部9も広角な光学系を用いて赤外線を受光すればよい。光学ユニット7の映像射出領域よりもかなり広い範囲を対象とする。例えば数画面分離れた位置を対象としてもよい。
次に、光変調制御部47は、測距値比較部12が、測距部10が測定した距離が所定の範囲を超えていることを示している領域があった場合、赤外線射出部8および赤外線受光部9が対象とする所定の範囲に、物体が侵入したことを認識する。次に光変調制御部47は、進入した物体が存在する位置に近い位置に光学ユニット48が映像を投射するように動作するための設定を投射方向移動部49に送る。さらに光変調制御部47は、上述の進入した物体が存在する位置に近い位置に投射した映像の投射位置を、上述の進入した物体が存在する位置から離れる方向に段階的に移動させるように動作するための設定を投射方向移動部49に送る。その際、信号処理制御部5は、光学ユニット48が投射する投射位置が変わるごとに、信号処理部3の例えば拡大処理、あるいは縮小処理の設定を変更する。
図13を用いて詳しく説明する。図13において50は移動人物、51〜55は一連の投射画像である。第四の実施例の映像投射装置46は、赤外線射出部8および赤外線受光部9が対象とする所定の範囲に移動人物50が進入したことを認識すると、移動人物50に近い位置(例えば足元付近)に最初の投射画像51を投射する。光変調制御部47は、この最初の画像の位置から最終的に表示予定投射画像55までの距離を分割する。図13の例では4分割している。
信号処理制御部5は、途中の位置に表示する投射画像52、53、54について、最初の投射画像51を投射した位置と、最終的に表示予定投射画像55の投射位置との間における位置に対応した拡大処理を行う設定を信号処理部3に出す。光変調制御部47は、画像の位置を移動させ映像を投射するよう動作するための設定を投射方向移動部49に送る。これのようにして、投射画像52、投射画像53、投射画像54を投射することができる。最後に、最終地点に投射画像55をで投射する。
この動作で、赤外線射出部8および赤外線受光部9が対象とする所定の範囲に進入した移動人物50は、移動していく映像を目で追いかけていく、または自身が移動しながら追いかけていくことにより、最終的に大画面に表示した連続投射画像55を見ることとなる。
以上説明した本実施例の映像投射装置によれば、鑑賞者を最終的に表示する投射画像に誘導することができる。
例えば、本実施例の映像投射装置を、街頭に設置すれば、通行人の注目を集めた後、大画面に発信したい情報を含む映像を投射するなどの新しいサイネージの提供をすることができる。
なお、立ち入りを禁止領域の付近などに、本実施例の映像投射装置を設置して、立ち入りを禁止領域に接近する人物や動物の足元に、警告を示す表示(文字、図形、キャラクタなど)を含む投射画像を投射すればで、セキュリティー関連製品として用いることもできる。
図14を用いて第五の実施例について説明する。図14の第五の実施例の映像投射装置56は、図5の第二の実施例の映像投射装置62の赤外線射出部8、赤外線受光部9、測距部10を、光学ユニット7が投射する方向を撮影する撮影部57に置き換え、さらに、閾値保持部11を、映像情報を保持する映像情報保持部58に、測距値比較部12を、撮影部57の出力と映像情報保持部58の出力を比較する映像比較部59に置き換えた例である。
本実施例の映像投射装置の動作について説明する。撮影部57は、光学ユニット7が投射する方向を撮影し、映像情報保持部58と映像比較部59に映像信号を出力する。映像情報保持部58は、信号処理制御部5の命令に従い映像信号を保持する。保持するのは、例えば光学ユニット7が投射した方向に可動する物体が存在しないときが望ましい。映像情報保持部58に保持された映像情報は基準映像として使用する。よって、当該保持処理は、設定メニューなどからユーザに対して指示を提示し、ユーザの操作を促し、図示しないリモコンなどからのユーザ操作信号に応じて、信号処理制御部5が命令を出せば良い。次に、映像比較部59は、撮影部57が随時出力する映像信号と映像情報保持部58の出力を比較して、差分値を信号処理制御部5に出力する。信号処理制御部5は、前記差分値が所定の範囲を超えた領域があった場合、光学ユニット7が投射した方向に可動する物体が進入したことを認識すると同時に、前記物体が存在する領域を算出する。以後の動作は図5の実施例と同じであるため省略する。
また、始めに形状を予め認識しておく物体22は、星形といったように特徴のある形状にするのが望ましい。発表者15は物体22を説明したい情報の位置に置く。信号処理制御部5は、物体22が投射画像領域18のどの位置に存在するかを検知し、さらに該当する位置とその周辺の映像を出力させる命令を画像保持部4に出す。以後の動作は図8の動作と同じであるため省略する。
これにより、撮影部57により撮影した映像から、光学ユニット7が投射する方向の状況の変化を抽出し、障害物と重なる領域の画像を、別の領域に投射することができる。鑑賞者は、図5の実施例と同様に、発表者15が投射面13の前を移動しながら説明をしても、読み取りにくいことなく投射面13上の情報を得ることができる。
以上説明した本実施例の映像投射装置では、撮像部を用いた構成を用いても、実施例2と同様の効果を得ることができる。
図15を用いて第六の実施例について説明する。図15の第六の実施例の映像投射装置60は、図9の第三の実施例の映像投射装置24の赤外線射出部8、赤外線受光部9、測距部10を、光学ユニット7が投射する方向を撮影する撮影部57に置き換え、さらに、閾値保持部11を、映像情報を保持する映像情報保持部58に、測距値比較部12を、撮影部57の出力と映像情報保持部58の出力を比較する映像比較部59に置き換えた例である。
本実施例の映像投射装置の動作について説明する。撮影部57は、光学ユニット7が投射する方向を撮影し、映像情報保持部58と映像比較部59に映像信号を出力する。映像情報保持部58は、信号処理制御部5の命令に従い映像信号を保持する。保持するのは、例えば光学ユニット7が投射した方向に可動する物体が存在しないときが望ましい。映像情報保持部58に保持された映像情報は基準映像として使用する。よって、当該保持処理は、設定メニューなどからユーザに対して指示を提示し、ユーザの操作を促し、図示しないリモコンなどからのユーザ操作信号に応じて、信号処理制御部5が命令を出せば良い。次に、映像比較部59は、撮影部57が随時出力する映像信号と映像情報保持部58の出力を比較して、差分値を信号処理制御部5に出力する。信号処理制御部5は、前記差分値が所定の範囲を超えた領域があった場合、光学ユニット7が投射した方向に可動する物体が進入したことを認識すると同時に、前記物体が存在する領域を算出する。以後の動作は図9の実施例と同じであるため省略する。
また、始めに形状を予め認識しておく物体22は、星形といったように特徴のある形状にするのが望ましい。発表者15は物体22を説明したい情報の位置に置く。信号処理制御部5は、物体22が投射画像領域18のどの位置に存在するかを検知し、さらに該当する位置とその周辺の映像を出力させる命令を画像保持部4に出す。以後の動作は図7の動作と同じであるため省略する。
これにより、撮影部57により撮影した映像から、光学ユニット7が投射する方向の状況の変化を抽出し、障害物と重なる領域の画像を、別の領域に投射することができる。鑑賞者は、図9の実施例と同様に、発表者15が投射面13の前を移動しながら説明をしても、読み取りにくいことなく第二の投射面31上の情報を得ることができる。
以上説明した本実施例の映像投射装置では、撮像部を用いた構成を用いても、実施例3と同様の効果を得ることができる。
図18を用いて第七の実施例について説明する。図18は、第七の実施例におけるシステム構成を示す図である。映像投射装置180は、図5に示す第二の実施例の映像投射装置の信号処理制御部5を図18に示す信号処理制御部181に置き換えたものであり、その他の要素については第二の実施例で説明したとおりであるので説明を省略する。
映像投射装置185は、映像投射装置180と同様の構成を有する映像投射装置であり、映像投射装置180の信号処理制御部181に対応する信号処理制御部186、映像投射装置180の映像入力端子2に対応する映像入力端子187のみ図示している。その他の構成は、映像投射装置185内の構成と同様であるので、説明は省略する。
映像投射装置180の信号処理制御部181と映像投射装置185の信号処理制御部186とは有線または無線の通信手段である通信経路189を介して相互に情報を通信可能である。なお、映像投射装置180において、信号処理制御部181と通信経路189との間に図示しない通信部が介在してもよい。また、映像投射装置185において、信号処理制御部186と通信経路189の間に図示しない通信部が介在してもよい。この場合、両者の通信部が、通信経路189を介して情報を送受信すればよい。
また、映像信号出力源183は、映像投射装置180の映像入力端子2と、映像投射装置185の映像入力端子187にそれぞれ映像信号を出力する。それぞれの端子には、同じ映像を出力しても、違う映像を出力してもよいが、以下の表示例では、同じ映像を出力する例について説明する。
ここで、第三の実施例で用いた図11を用いて当該表示例を説明する。映像投射装置180と映像投射装置185には、映像信号出力源183から同じ映像信号が入力される。
入力された映像信号について、映像投射装置180は、第一の投射面29に第一の投射画像30として投射する。映像投射装置185は、第二の投射面31に第二の投射画像32として投射する。
同一の投射画面を鑑賞者の前方に同じ内容を表示する2画面同時に表示する。これは特に大きい会場に多数の鑑賞者の前で行なわれるプレゼンテーションの際に適用できる映像投影例である。鑑賞者は自分の位置に近い画面を鑑賞すればより好適に映像を鑑賞できる。
ここで、本実施例の映像投射装置180と映像投射装置185は、始めから上述の2画面同時を行っている状態で、第一の投射面29または第二の投射面31の一方の前に発表者が進入したことを第二の実施例または第三の実施例で説明した方法により検出する。また、発表者が物体22により、投射映像の一部を指した場合、第二の実施例または第三の実施例で説明した方法により、投射映像内での物体22位置を検出する。物体22が検出された一方の画像(第一の投射画像30または第二の投射画像32)に映像を投射している一方の映像投射装置(映像投射装置180または映像投射装置185)の信号処理制御部(信号処理制御部181または信号処理制御部186)は、他方の信号処理制御部に対して、投射画像内での物体22の位置の情報を送信する。当該他方の信号処理制御部は、自らが搭載される他方の映像投射装置の信号処理部を制御し、他方の映像投射装置が投射する投射画像内において、受信した位置情報に対応する位置に、カーソル23などの強調表示マークを表示する。
例えば、図11の例では、映像投射装置180が映像を投射している第一の投射面29の前に発表者15が進入し、発表者15が物体22を用いて、第一の投射画像30の一部を指している。映像投射装置180は、上述の方法で、第一の投射画像30内における物体22の位置を検出し、当該位置の情報を映像投射装置185に出力する。当該位置の情報を受信した映像投射装置185は、第二の投射面31の第二の投射画像32内において、当該位置情報に対応する位置にカーソル23などの強調表示マークを表示する。
このような表示を行うことで、例えば、多数の鑑賞者のうち、第二の投射面31側が見やすい鑑賞者にとっても、第一の投射面29の前で発表者15が指し示している位置を、第二の投射面31を見ているだけで認識できるため、より好適に映像を鑑賞すること可能となる。
なお、この場合、発表者15に重なっている映像の領域については、第一の実施例において説明した輝度低減処理やグラデーション化処理を行ってもよい。この場合は、第一の投射画像30と第二の投射画像32には同じ内容の映像が表示されるが、一部の領域輝度が低減処理などの調整処理がなされることとなる。
なお、以上説明した本発明の第7の実施例のシステム例では、2台接続の例を説明したが、3台以上接続してもかまわない。すなわちこの場合、複数台の映像投射装置と対応する複数の投射面が存在する場合に、発表者が物体22で指し示した投射面に対応する映像投射装置がその他の複数の映像投射装置に上述の位置情報を出力し、位置情報を受信した各映像投射装置がそれぞれの投射面の投射画像にカーソル等の強調表示マークの表示を行えばよい。
以上説明した本発明の第7の実施例のシステムによれば、複数の映像投射装置を用いた複数投射画面の同時表示においてより鑑賞者が好適に鑑賞できる映像投射を実現できる。