JP6105553B2 - 新規バチルス属微生物およびその利用 - Google Patents

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Description

本発明は、新規バチルス属微生物およびその利用に関し、更に詳細には、活性汚泥法による排水処理で発生する余剰汚泥を抑制し、また真菌類と共生することで油脂排水の処理を効率的におこなう新規なバチルス属微生物、該微生物を使用した好気性汚泥処理方法および排水処理装置等に関するものである。
我国で発生している上下水道等の汚泥は、平成17年度実績によれば産業廃棄物全体の44.5%を占め、年間約1億8,779万トンが発生している(環境省調べ)。このうち48%(7,961万トン)が下水処理場から発生している下水汚泥で、動物の糞尿が21%(3,944万トン)、その他の工場排水が31%(5,822万トン)である。
代表的な下水汚泥の処理処分状況は、再生利用率9%、中間処理率86%、最終処分率5%となり、中間処理は濃縮、脱水、焼却が大部分となり、多くのエネルギーが付加されることとなる。汚泥は多くの場合、含水率が60〜90%の水を含むので処理処分には大きなエネルギーコストがかかることとなる。
工場排水処理の余剰汚泥の一部は、土壌改良剤、コンポスト材料として利用もなされているものの、大部分は脱水、焼却などの前処理をした後、埋め立てなどで廃棄することが主流である。この処理には多くのエネルギーを消費し、事業者はエネルギーコストの上昇に苦しめられ、自治体や最終処分業者は処分場所の確保の困難さや規制の問題が集積し、今後も大きな問題となって横たわる。
汚泥減容化の技術は、非特許文献1によれば、化学的減容化法、物理化学的減容化法、生物的減容化法などがある。このうち、化学的減容化法としては、オゾンの酸化力により細胞壁を分解するオゾン法、セルラーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼなどの酵素により細胞壁を可溶化する酵素法、アルカリによるタンパク質の変性を利用したアルカリ法等がある。このうち、オゾン法はイニシャルコストが高く、酵素法はランニングコストが高い等の課題がある。
また、物理化学的減容化法には、ビーズミル、高速回転ディスク等による高い剪断力を利用して汚泥を機械的に磨砕することにより可溶化を促進する機械的分解法、熱による熱分解ガス化する熱分解法、超臨界水や亜臨界水の水熱反応を用いてあらゆる有機物を加水分解、熱分解により低分子化して可溶化する水熱反応法、食塩水の電気分解により発生する塩素および次亜塩素酸にて微生物を死滅・可溶化させ、生物分解する電解酸化法がある。これらの減容化法はイニシャルコストもランニングコストも高額な投資に大きな課題がある。
更に、生物学的減容化法には、自己酸化法および食物連鎖法がある。このうち、自己酸化法は、汚泥を構成する微生物が外部からの有機エネルギーの供給がない状況で、他の微生物を有機エネルギー源として利用し、時間の経過とともに、水と炭酸ガスにまで分解し減容化する方法であり、食物連鎖法は、細菌類→原生動物→後生動物の食物連鎖系を作る方法である。自己酸化法は1週間分の汚泥をためる減容槽の設置と温度を60℃に保つなどのランニングコストが課題であり、食物連鎖法には外気開放系で細菌類、原生動物、後生動物を飼育する技術的ノウハウの蓄積が課題である。
更にまた、汚泥減容化手段として、特許文献1にあるように熱性微生物を添加する方法や、特許文献2にあるようにアルカリ条件下で好気性微生物の存在下で曝気して生物処理工程に返送する汚泥処理方法も提案されている。
特許文献3では、高アルカリ性・高温という条件で生育可能な、汚泥分解能を持つ新規な微生物で、汚泥を減容化する方法を提案している。これらの技術は高温、アルカリ性に保つことで、アルカリ剤の使用や中和剤の使用、また高温にするエネルギーを毎日使用する、生産性のない汚泥の処理に高いイニシャルコスト及びランニングコストが課題となる。
また、油脂含有量の多い排水を出すアイスクリーム、マヨネーズ製造工場や、これらを利用したレストランやデリカフーズを生産する店舗の排水も同様に油脂含量が多い。これらの油脂は植物性であれ、動物性であれ油脂含量の多い排水は、そのまま微生物処理することが困難となり、予め、物理学的、化学的に油脂を排除した排水を活性汚泥法等の排水処理工程に送り込まなければならない。
油脂含有排水の除去方法としては、N−ヘキサン抽出物として200〜500mg/Lまでの油脂含有排水は、油脂分離槽を設置して処理し、500mg/Lを超える場合は加圧浮上分離槽を設置して油脂を除去し、N−ヘキサン抽出物を低下させた上で処理することが望まれている。油脂含有排水の処理には、このような施設の設置のイニシャルコストと浮上させた油脂の廃棄処分費といったランニングコストもかかり、夏場の保管には悪臭も漂うことから、微生物による処理が熱望されている。
そこで、種々の酵母を用いて動植物性油脂を資化させる方法が提案されている。中でも特許文献4の技術は油脂資化性酵母の生育pHの幅が広く、細菌汚染を塩素剤で抑えなくて良く、利用しやすい生物学的排水処理の発明であるが、排水油脂の減量に時間がかかる課題があった。
特開平9−253699 特開平9−136097 特開2000−139449 特許第4654332
「最新環境浄化のための微生物学」p285〜296(稲森悠平編)
本発明は上記観点からなされたものであり、排水処理上の改善、すなわち排水を効率良く処理することができる微生物を見いだし、これを用いて排水処理の余剰汚泥の減容化や排水中の油脂の低減等を可能にする技術及びこれらに関する排水処理装置を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、種々の酵素を分泌するバチルス属に属する微生物に着目し、油脂含有排水の処理に有効な分解酵素を分泌するものを検索していたところ、数種のバチルス属の野生株が、脂質や、細菌の細胞壁を分解する酵素を分泌することを見いだした。また、この酵素分泌能をより強固にするためにコンピテント細胞化して種々の酵素を分泌させる株を作製し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、バチルス属に属し、少なくとも細菌の細胞壁および脂質を分解する能力を有する新規微生物である。
また本発明は、上記の新規微生物を含む、余剰汚泥発生防止もしくは減容化のための排水処理生菌剤である。
更に本発明は、上記の新規微生物と油脂資化性酵母を含む油脂含有排水処理生菌組成物である。
更にまた本発明は、排水処理施設の被処理水中に、前記の新規微生物を、単独あるいは2種以上混合して添加することを特徴とする、排水処理施設での余剰汚泥の減容化方法である。
また更に本発明は、固液分離膜を用いて除水する固液分離排水処理方法において、前記固液分離膜に前記の新規微生物を単独あるいは2種以上混合して作用させることを特徴とする、膜通過のフラックス低下を抑制する方法である。
加えて本発明は、被処理水を収容、処理するための処理槽、当該処理槽に被処理水を流入させる流入配管、処理水を排出させるための排出配管および被処理水を曝気するための曝気パイプを有する排水処理装置であって、処理剤を投入するための処理剤投入装置を設けたことを特徴とする排水処理装置である。
本発明の新規バチルス属微生物は、少なくとも細菌の細胞壁および脂質を分解する能力を有し、更にタンパク質およびデンプンを分解する作用を有するものも含まれるので、従来の好気性生物処理による排水処理においてこのものを用いることで、汚泥の分解処理や油脂資化が容易に可能となるので、余剰汚泥や廃油脂の発生量を減少させることができる。
特に、排水処理工程中に酵母油脂分解槽を設け、ここで油脂資化性酵母と併用すると、余剰汚泥や廃油脂の発生量を低減ないし、なくすことができる。
また固液分離膜を用いて除水する固液分離排水処理方法において、この固液分離膜に本発明の新規バチルス属微生物を作用させることで、膜の詰まりによる膜通過のフラックスの低下を防止することがでる。
本発明排水処理装置の一態様を模式的に示した図面である。
本発明で使用する、バチルス属に属する微生物は、少なくとも細菌の細胞壁および脂質を分解する能力を有するものである。このような能力を有する微生物は、自然界からスクリーニングにより、あるいは自然界からスクリーニングで得た微生物を元に遺伝子操作の手段により形質転換を施すことにより得ることができる。
本発明のバチルス属に属する微生物を採るための方法の具体例としては、植物、水中、食品あるいは土壌より分離した微生物を、細菌の細胞壁の分解能および脂質の分解能の有無を指標に、選抜することにより得ることができる。また、これらの微生物は、タンパク質、デンプン等の分解能を有するものであれば、より好ましい。なお、細胞壁の分解能とは細胞壁の全部および一部を破壊若しくは溶解することである。スクリーニングでHB−88株およびHB−113株を得た。
このようにして得た微生物は、上記のようにそのまま細菌の細胞壁の分解能および脂質の分解能から選抜しても良いが、例えば、紫外線照射下等において10%程成育する条件で、定法により突然変異を行なわせ、その後スクリーニングしても良い。
更に、自然形質転換能が高い枯草菌のマーバーグ株やその他160、166、168の由来株を用いて、コンピテントの細胞を調節する形質転換用培地を用い、形質転換能を高めてここにドナー株を導入して、新たな性質を有するものとしても良い。なお、上記マーバーグ株や由来株は、理化学研究所、NBRC、ATCC等から購入することができる。
使用したマーバーグ株はデンプン分解酵素と脂質分解酵素を有していたので、同様にグラム陰性菌、グラム陽性菌の分解酵素を付加する形質転換を同様に行った。この操作により、改質された菌は、脂質、細菌細胞壁、デンプン、タンパク質の分解酵素を分泌するように改質された。改質された菌株が16株あり、この中で、強く酵素を分泌するものを1株見出した。この株をHB−14株とした。
以上のようにして、HB−14株、HB−88株およびHB−113株の3種の微生物を得た。この微生物について、その菌学的性質を、”Bergey’s manual of systematic bacteriology Volume 2(1984)”に照らし合わせた結果、いずれの微生物もバチルス属に属するものであった。
更に、下記のDNA分析を行った結果、16sDNA遺伝子解明でHB−14株はバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、HB−88株は、バチルス・メチロトロフィカス(Bacillus methylotrophicus)と推定された((株)テクノスルガ・ラボ)。HB−113株はAPI50CHBにより、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)と判定された。
次に上記スクリーニングより選抜したHB−14およびHB−88の菌学的諸性質を示す。DNA解析は、Nutrient agar培地にて、培養は温度30℃、40時間、好気培養にて行い供試菌とした。
16S rDNA−Fullによる菌種の同定については、アクロモペプチダーゼ(和光純薬工業(株))でDNAを抽出し、PrimeSTAR HS DNA polymerase(タカラバイオ(株))のPCRを使用し、BigDye Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kit(Applied Biosystems、CA、USA)のサイクルシーエンスを用い、使用プライマーは(PCR増幅:9F、1510R、シークエンス:9F、785F、802R、1510R)、シークエンスはABIPRISM3130xl Genetic Analyzer System(Applied Biosystems、CA、USA)で、塩基配列の決定にはChromasPro1.4(Technelysium Pty Ltd.,Tewantin、USA)を用い、相同性検索および簡易系統解析にはソフトウェアとしてアポロン2.0、データベースとしてアポロンDB−BA7.0((株)テクノスルガ・ラボ)、国際塩基配列データベース(GenBank/DDBJ/Embl)を使用した。また、HB−113については、検索法に則り(スポア実験マニュアル p110〜111、技報堂出版)、各種の検索を行うと共にAPIシステムにて同定を行った。
新規微生物の特性一覧I(30℃培養)
新規微生物の特性一覧II
これら微生物は、独立行政法人 製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(〒292−0818 日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)にHB−14はNITE BP−1275、HB−88はNITE BP−1276、HB−113はNITE BP−1277として2012年3月7日に国際寄託した。
以上説明した、本発明の新規バチルス属微生物は、好気的排水処理工程において、BOD負荷のある全ての排水に利用できるが、下水処理や食品工場等の工場排水に好ましく使用することができる。
本発明の新規バチルス属微生物を活性汚泥法に利用し、汚泥の減容化をする場合は、排水処理施設の原水槽や曝気槽に、培養液で培養した微生物(10〜10/ml)を1〜1000ppm添加すればよく、好ましくは10〜300ppm添加すればよい。効果を継続するには1〜3日に1回程度の添加がより好ましい。
本発明の新規バチルス属微生物は、特に膜処理を利用する排水処理法において好ましく使用される。すなわち、本発明の微生物は、前記したように細菌の細胞壁の分解能を有するため、排水処理で使用する処理膜の細孔中、あるいはその周辺に生育する細菌や粘性物を分解するため、処理膜の細孔が目詰まりすることなく、十分な汚泥処理能力を維持できる為である。この処理膜としては、平膜でも、中空糸膜でもあっても良く、同様に利用できる。最も適切な膜の種類は、膜の穴の大きさからMF膜である。
また、本発明の新規バチルス属微生物を、膜使用の排水処理方法と活性汚泥法を組み合わせる処理に利用することで、より余剰汚泥の減容化率を高めることができる。この両方法の組み合わせには、並列処理法、直列処理法があるが、排水中の有機物の種類が一定の場合はフロックを生じない本バチルスで直列処理を利用することで、高濃度処理ができる。一方、処理物の種類が多種で変化に富む場合は膜を利用して高濃度排水のみ並列処理した後に活性汚泥槽に流す方法がよい。
次に、本発明の新規バチルス属微生物による排水処理を実施するに当たり、有利に利用することのできる排水処理装置について説明する。
図1は、本発明排水処理装置の一態様を模式的に示した図面である。図中、1は排水処理装置、2は処理槽、3は被処理水、4は曝気パイプ、5は曝気孔、6は被処理水流入配管、7は処理剤投入装置、8は処理剤注入管、9は微細気泡発生装置、10は水中ポンプ、11は被処理水排出配管をそれぞれ示す。
図1に示した排水処理装置は、被処理水3を収容し、処理するための処理槽2と、この処理槽に被処理水を流入させる流入配管6、被処理水を排出させるための排出配管11および被処理水を曝気するための曝気パイプ4および処理剤を投入するための処理剤投入装置7を含むものである。
処理槽2は、被処理水3が収納可能であれば、どのような材質、大きさのものであっても良いが、一般には排水処理装置において、調整槽として使用されるようなものを利用することが好ましい。また、曝気パイプ4も、適当な数の曝気孔5を設けたものであれば、一般に排水処理においてエアレーションに使用されるようなものであれば問題なく使用することができる。この曝気孔5の数や径の大きさは、処理槽の容量や、深さを勘案し、十分な量の空気が吹き込まれるようにすることが好ましい。
更に、流入配管6や排出配管11も、被処理水を流入、排出できるものであれば、従来から排水処理装置に使用されていたものをそのまま利用することができる。流入配管6から流入する被処理水は、例えば、食品の製造工場や、食品を調理、提供する店舗などから排出される脂質、タンパク質、デンプン等が含まれる排水、特に植物性や、動物性の油脂含量の多い排水であっても良く、その流量が大きく変化するものであっても良い。なお、排出配管11は、被処理水3が所定量以上になった際に、自然に流出するオーバーフロー槽に設けても良いし、またポンプとつなげた配管とし、電動で連続的あるいは間欠的に排出するようにしても良い。
本排水処理装置の特徴は、処理剤投入装置7が設けられており、ここから処理剤が投入できる点である。すなわち、本排水処理装置は、曝気パイプ4からの空気でエアレーションするのみでなく、このエアレーションさせた被処理水中に処理剤、例えば、少なくとも細菌の細胞壁および脂質を分解する能力を有するバチルス属微生物(以下、「本発明微生物」ということがある)を含む排水処理生菌剤や、この微生物と油脂資化性酵母を含む油脂含有排水処理生菌組成物を投入することで、積極的に、脂質、タンパク質、デンプン等を分解することを可能としたものである。そして、この処理剤投入装置7から1度に全部の処理剤を投入することも可能であるが、例えば、間欠的な投入や、滴下、処理剤粉体を添加するなどの手段により、定量的に投入する方が、一定の処理能力を維持できるので好ましい。また、流入配管6からの被処理水の量に対応して処理剤を投入するようにしても良い。
また本排水処理装置において、更に処理槽2に水中ポンプ10を備えた微細気泡発生装置9を設置し、被処理水3の循環を可能とすることもできる。この微細気泡発生装置9を設置することで、処理水中の空気量が増え、槽内の処理水の循環が生じ本発明微生物等の活動が活発になり、より優れた脂質、タンパク質、デンプン等の分解が期待できる。
本発明の微細気泡発生装置9は、マイクロバブル(直径1〜1000μm)やナノバブル(直径1〜1000nm)の気泡を連続的に放出するもので、その発生機構は圧壊、キャビテーション、乱流または剪断、微細孔、個体包埋、電解、化学反応等による。この微細気泡は、水中の溶存酸素を上昇させ、且つ、放出力や水の比重差で、槽中の排水を流動させ、均質化する性質がある。
以上説明した本排水処理装置1は、後記実施例に示すようにBOD、CODや油脂の濃度を大きく低下させることができるため、それのみでも直接下水道に処理水を排出するための装置として利用可能であるが、通常の排水処理装置における前段階の処理用の装置(一次生物処理槽)としても利用可能である。
後者の使用の場合、後段階の処理方法(二次生物処理)としては、活性汚泥生物法、流動床法、固定床法等の生物処理や、凝集処理、膜処理等が挙げられる。このように2段階で処理された処理水は、その状態で河川放流することが可能であり、しかも本排水処理装置により、余剰汚泥の発生量も大幅に減らすことが可能となる。
以上説明した本発明で利用する微生物はバチルス属の微生物であり、胞子を形成するものであるため、これを利用して粉末形態で使用することができる。この場合、水中で分散しやすくするために鉱物、フスマのような穀物成分や、ブドウ糖のような有機物に混合した形態で使用することができる。また、粘土質の土壌と捏ねて固形物(発泡コンクリート等を含む)として使用することもでき、これは乾燥していても、また水分を含有していてもよい。更に、生育を調整するために、静菌剤を加えることができ、例えばアルコール類、塩類、乳化剤等を加えたり、低pHにするための成分を加えた液体であってもよい。
以下実施例を用いて発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
試 験 例 1
有用菌のスクリーニング
土壌、枯れ葉、排水中、食品より、バチルス属に属する微生物を採取し分離した。本発明のために利用した菌の同定は、食品中のバチルス属の一般的分離・同定法(スポア実験マニュアル、p110〜111、技報堂出版)に準じて行なった。
具体的には、先ず採取試料を適当量の生理食塩水にて希釈又は懸濁させ、80℃にて10分ほど加熱し、普通寒天培地(栄研化学株式会社)に画線し、37℃4日間培養した。この際に出現した発芽菌は3000株を超えていた。
純粋培養した菌株をグラム染色しグラム陽性のスポア形成桿菌(Bacillus属菌)を確認したら先の実験マニュアルに従い生化学的性状を検査し、菌種を推定した。推定される菌種はBacillus licheniforms、B.coagulans、B.polymyxa、B.cereus、B.alvei、B.subtilis、B.pumilus、B.stearothermophilus、B.macerans、B.megaterium、B.circulans、B.firmus、B.laterosprus、B.brevis、B.sphericus、B.larvae、B.popilliae、B.lentimorbusであった。
グラム陽性のスポア形成桿菌の場合は、カタラーゼ、VPテスト、嫌気寒天培地での生育性およびデンプン加水分解能についてそれぞれテストを行い、バチルス属(Bacillus)として180株選出した。種々の酵素分泌性を検討して、2つ以上の酵素を有する菌を保存し、アピテスト等の醗酵性等で有害性菌種を除き68株を選定した。これらについて、後記試験例3の分解性試験を行い、最終的に高能力を有するバチルスHB−88株およびバチルスHB−113株を更に選抜した。
試 験 例 2
コンピテンス法を用いた形質転換菌の取得
コンピテンスさせる枯草菌のマーバーグ株としては、NBRCにて入手したNBRC14144株を使用した。この株は、ドナーのDNAを菌体内に引きずり込む形質転換の能力を有するが、分泌酵素の種類が少ないのと強さが不足していた。ドナー菌としては、野生の枯草菌中から、酵素を強く分泌する株としてスクリーニングされたバチルスHB−88株を使用した。
NBRC14144株をシャーレの生理食塩水(0.85%)に懸濁させた後、紫外線照射により抗生物質耐性菌を作製し、抗生物質グラディエントプレート法(Manual of Methods for General Bacteriolozy p230 1981)にて、クロラフェニコールを使用して選出した。
自然形質転換は、微生物遺伝実験法p96〜101(1982年)の方法にて、最少培地を利用してコンピテント細胞を作製し、ドナー菌株を供与して形質転換させた。この結果、バチルスHB−14株を得た。
試 験 例 3
分解酵素分泌バチルス属微生物の選出
(1)分泌酵素生産性程度は、「納豆の研究法」、第44頁((株)恒星社厚生閣、木内幹監修)に記載の方法にて行った。標準寒天培地に、検討すべき基質を溶解させ定法に従い滅菌し、直径85mmのポリシャーレに流しプレートを作成した。力価は直径8mm、厚さ1.5mmのペーパーディスク(東洋濾紙(株))を使用して、コロニー外側のクリアゾーンを測定した。測定する菌液は全て普通ブイヨン培地にて、20時間の撹拌培養後に画線培養し、有効であった菌液を30〜70μlディスクに含ませた後に測定プレートに添付した。力価の判定はクリアゾーンがコロニー外縁より1mm以内を(+)、2〜3mmを(++)、3mm以上を(+++)として判定した。なお、クリアゾーンが作成されないものは(−)とした。
(2)脂質の分解性の確認
トリブチリン3%を含む標準寒天培地を滅菌した後ポリトロン(POLYTRON) ホモジナイザー(KINEMATICA.CH)20000rpm5分で乳化し、シャーレに流し込み、脂質分解性確認プレートを作製した。第一スクリーニングとして、このプレートに先に分離したバチルス属微生物を画線培養し、脂質の分解性を確認した。陽性の菌液70μlをディスクに含ませ、プレートに載せ37℃で5日間恒温器に入れ、クリアゾーンを測定した。コロニーが大きく成長した際は、下部が透明であればクリアーゾーンに加えた。HB−14株、HB−88株、HB−113株はともに(+++)であった。
(3)デンプンの分解性の確認
可溶性デンプン(和光純薬工業(株))3%を含む標準寒天培地を滅菌した後、シャーレに流し込み、デンプン分解性確認プレートを作製した。第一スクリーニングとして、このプレートに先に分離したバチルス属微生物を画線培養し、デンプンの分解性を確認した。陽性の菌液30μlをディスクに含ませ、プレートに載せ、37℃で8時間恒温器に入れ、ルゴール液適してクリアゾーンを測定した。HB−14株、HB−88株、HB−113株はともに(+++)であった。
(4)タンパク質の分解性の確認
豆乳(株式会社 ふくれん)10%を含む標準寒天培地を滅菌した後、シャーレに流し込み、植物性タンパク質分解性確認プレートを作製した。第一スクリーニングとして、このプレートに先に分離したバチルス属微生物を画線し、タンパク質の分解性を確認した。陽性の菌液50μlをディスクに含ませ、プレートに載せ、37℃で3日間恒温器に入れ、クリアゾーンを測定した。HB−14株、HB−88株、HB−113株はともに(+++)であった。
無脂肪乳(タカナシ乳業)5%を含む標準寒天培地を滅菌した後、シャーレに流し込み、動物性タンパク質分解性確認プレートを作製した。第一スクリーニングとして、このプレートに先に分離したバチルス属微生物を画線し、タンパク質の分解性を確認した。陽性の菌液70μlをディスクに含ませ、プレートに載せ、37℃で10時間恒温器に入れ、クリアゾーンを測定した。HB−14株、HB−88株、HB−113株はともに(+++)であった。
(5)細菌分解性の確認(I)
大腸菌(E.coli NBRC14237株)を普通ブイヨン培地にて20時間培養し、滅菌した標準寒天培地に1%添加し、均質に混合し、シャーレに細菌分解性確認プレートを作製した。第一スクリーニングとして、このプレートに、先に分離したバチルス属微生物を画線し、細菌の分解性を確認した。陽性の菌液70μlをディスクに含ませ、プレートに載せ37℃2日間恒温器に入れ、クリアゾーンを測定した。HB−14株、HB−88株、HB−113株はともに(+++)であった。
次に、乳酸菌(ラクトバチルス・アシドフィラス(ATCC53103株))をMRS合成培地にて48時間培養し、滅菌した標準寒天培地に1%添加し、均質に混合し、シャーレに細菌分解性確認プレートを作製した。第一スクリーニングとして、このプレートに、先に分離したバチルス属微生物を画線し、細菌の分解性を確認した。陽性の菌液70μlをディスクに含ませ、プレートに載せ37℃1日間恒温器に入れ、クリアゾーンを測定した。HB−14株、HB−88株、HB−113株はともに(+++)であった。
(6)細菌分解性の確認(II)
細胞壁の分解を明確にするため、大腸菌および乳酸菌をそれぞれ20時間培養し、これらのそれぞれの培養液160mlを5000rpmで15分遠心し、菌体を分離した。この大腸菌および乳酸菌の菌体それぞれを80mlの滅菌生理食塩水(0.85%)にて2回遠心洗浄し、20mlの菌液とした。この菌液を85℃10分殺菌し、冷水冷却後、滅菌した標準寒天培地に5%(V/V)添加し、均質に混合し大腸菌用及び乳酸菌用の細胞壁分解性確認プレートを作製した。第一スクリーニングとして、このプレートに、先に分離したバチルス属微生物を画線し、細菌の分解性を確認した。陽性の菌液70μlをディスクに含ませ、先のそれぞれのプレートに載せ37℃10時間恒温器に入れ、クリアゾーンを測定した。HB−14株、HB−88株、HB−113株は大腸菌及び乳酸菌に関しても、ともに(+++)であった。
(7)溶菌からの生育性
先に記載した大腸菌を、普通ブイヨン培地にて20時間培養し、40mlの培養液を5000回転(rpm)で15分間遠心分離した。生理食塩水(0.85%)で同様に遠心洗浄し、これを3回繰り返した。全量の洗浄済みの菌、20%に、最低限必要な無機塩類(NHNO;1.0%、KHPO;0.25%、MgSO・7HO;0.25%、FeSO・7HO;0.0002%)及び寒天を加えて、シャーレに細菌分解性確認プレートを作製した。このプレートに画線し37℃で2日間恒温器にて培養し分解性を確認したところ、HB−14株、HB−88株、HB−113株では、その生育性が確認されると共にコロニー付近の培地が透明になった。なお、陽性株に対しては、上記無機塩のみの寒天培地では成育しない事を確認した。
試験例3から、180菌株中、2種(脂質、デンプン)の分解酵素を有する菌株68株にて他の分解酵素の力価を確認した。この結果を表3に示す。全ての項目が分解性(+++)の力価の菌株を5菌株見出し、HB−1、HB−88、HB−113をこの代表とした。
バチルス属菌の分解酵素の分解性の力価
実 施 例 1
好気処理の一般分析値
脂肪、細胞壁、タンパク質、デンプン分解性酵素を豊富に分泌し、且つ、溶菌した菌を栄養源として、生育できるHB−113(NITE BP−1277)を用いた。乳製品メーカーの排水を原水調整槽から200Lを500Lのタンクにとり、上記の菌を100mg/L加え、微細気泡発生装置MAB((株)日本水処理技研)を使用し、発生時溶存酸素10mg/L(25℃)以上の好気性条件にて24時間処理した。排水を処理した際の分析値を下記の表4、5に示す。HB−113菌添加処理した槽が、BOD、COD,N−ヘキサン、SSのカット率が無添加に比較して非常に良好な結果を示した。
結 果 :HB−113菌添加処理
結 果 :添加菌なし
実 施 例 2
汚泥の減容化試験
7%の牛乳を含む水を排水の原水モデルとし、その200mlに、普通ブイヨン培地(栄研化学(株))で培養したバチルス HB−14株(NITE BP−1275)を2ml加え、30℃にて24時間、攪拌培養して前段培養とした。この前段培養液を800mlの菓子を製造している食品会社の排水処理の汚泥液(被検汚泥液;COD=31)に加え、熱帯魚に使用するエアーストーンを通して汚泥が循環する強さ(1.2〜2.0mg 酸素/L)でエアーを送り、曝気培養した。1日後、200mlのサンプルを採取し、前段培養液を初日と同様に加えた。これを1週間継続し、汚泥量のMLSSの値を測定した。
また、比較としては、HB−14株に代え、納豆から分離したバチルス属微生物(細菌を溶解せず、タンパク質分解性(+)、脂質分解性(−)、デンプン分解性(+++))を用いた。これらの結果を表6に示す。
結 果 :
実 施 例 3
膜を利用した排水処理での目詰まり防止試験
(1)10%の豆乳(成分無調整豆乳;株式会社 ふくれん)1000mlを排水原液モデルとして使用した。この液に、普通ブイヨン培地で20時間培養したバチルス・サブチルスHB−88株(NITE ABP−1276)を20ml加え、熱帯魚に使用するエアーストーンを通して汚泥が循環する強さ(1.2〜2.0mg 酸素/L)でエアーを送り、終日曝気培養した。1日後〜4日後にそれぞれ200mlのサンプルを採取し、その都度10%の豆乳排水原液モデルを加えて1000mlにし、曝気培養を継続した。各々のサンプルは、MLSSを測定した後に遠心(3000rpm)し、0.45ミクロンの除菌膜を使用することで5日間排水が可能であった。
(2)一方、普通ブイヨン培地で培養したバチルス・サブチルス HB−88株に代え、返送活性汚泥液(食品工場で得たもの;COD=31)を使用する以外は、上記(1)と同様に処理した。この場合、0.45ミクロンの除菌膜が目詰まりしてほとんど濾過できなかった。
実 施 例 4
排水中の油脂低減化試験
(1)無機塩((NHSO:5.0g、NaHPO:0.5g、MgSO・7HO:0.25g、CaCO:5.0)を溶解した水溶液500mlを滅菌し、これに脱脂乳(タカナシ無脂肪乳)100mlを水で500mlとした溶液を加え、あわせて1000mlとしたものを前培養液とした。この前培養液は2セット準備した。
(2)この前培養液に、普通ブィヨン培地で30℃、2日間攪拌培養した酵母(YH−01株 日之出産業(株))培養液20mlと、同様に培養したバチルス HB−113株(NITE BP−1277)培養液20mlを加え、容器を30℃に保ち、エアーストーンを通して溶液が循環する強さ(1.2〜2.0mg 酸素/L)でエアーを送り1日間培養し、前段培養液(2セット)とした。
牛乳60ml(タカナシ無調整牛乳 乳脂肪率3.6%)に水を加え、全量を1000mlとし、油脂含有排水のモデル原水とした。このモデル原水に、前段培養液を加えて、全量2000mlの油脂含有(1080mg/L)排水とした。この油脂含有排水(2セット)を、容器中で30℃に保ち、先と同様にエアーストーンを通して溶液が循環する強さでエアーを送り、3日間培養した。1日1000mlを試料として採取し、処理水中のn−ヘキサン抽出物量(油分量)を測定した。
(3)比較例として、上記(1)で調製した2セットの前培養液に、普通ブィヨン培地で30℃2日間攪拌培養した酵母(YH−01株 日之出産業(株))培養液20mlのみを加え、以下、(2)と同様に培養し、処理液中のn−ヘキサン抽出物量を測定した。
(4)比較例として、上記(1)で調製した2セットの前培養液に、普通ブィヨン培地で30℃2日間攪拌培養したHB−113培養液20mlのみを加え、以下、(2)と同様に培養し、処理液中のn−ヘキサン抽出物量を測定した。(2)、(3)および(4)の結果を表7に示す。
実 施 例 5
大腸菌抑制作用
無機塩((NHSO:5.0g、NaHPO:0.5、MgSO・7HO:0.25g、CaCO:5.0)を970mlの水に溶解し、これに牛乳30ml(脂肪率3.6%)を加えて1000mlの油脂含有排水モデルとした。これに普通ブィヨン培地中、30℃で2日間攪拌培養した酵母(YH−01株)培養液10ml、普通ブィヨン培地で35℃1日攪拌培養したHB−88株(NITE BP−1276)培養液10mlおよび普通ブイヨン培地で35℃1日静置培養した大腸菌(NBRC14237株)10mlを加え、32℃で3日間、緩やかに攪拌培養を行った。1日後と3日後に分析サンプルを採取し、油脂含有率と添加したそれぞれの菌数を計測した。菌数の測定法は定法に従い生理食塩滅菌水で適切に希釈し、酵母(YH−01)の検出はサブロウ―寒天培地(栄研)を使用し30℃で5日間、バチルス(HB−88)は標準寒天培地を使用し37℃で2日間培養した。大腸菌は原液をデオキシコーレイト培地のプレートに0.1ml塗布し37℃で2日間培養した。結果を表8に示す。この結果、1日後、3日後共に大腸菌が減少し、油脂の分解性も実施例4と同様に十分に分解された。
本発明の新規バチルス属微生物は、細胞壁を分解し、分解した細胞を資化して生育する性質を持ち、脂質を分解する酵素を分泌し、さらには、タンパク質、デンプンを分解する酵素を分泌するものである。
そして、上記バチルス属微生物の性質を利用して活性汚泥法の余剰汚泥の減容化と排水中の油脂の減少、固液分離を改良させることが可能となる。すなわち、汚泥は、蛋白質粘性物、多糖粘質物、脂肪凝塊物、細菌塊、鉱物等を構成成分とし、これらの凝集したものであるが、本発明のバチルス属微生物は、これらのうち鉱物以外を分解できる酵素を分泌し、かつ、溶菌した成分で生育できるので、余剰汚泥の減容化を有利に進めることができる。
また、油脂を含有する排水に対しては、油脂を資化する酵母と共生させることでより優れた油脂分解作用を得ることができる。
1 … … 排水処理装置
2 … … 処理槽
3 … … 被処理水
4 … … 曝気パイプ
5 … … 曝気孔
6 … … 被処理水流入配管
7 … … 処理剤投入装置
8 … … 処理剤注入管
9 … … 微細気泡発生装置
10 … … 水中ポンプ
11 … … 被処理水排出配管

Claims (5)

  1. バチルスHB−14株(NITE BP−1275)、バチルスHB−88株(NITE BP−1276)又はバチルスHB−113株(NITE BP−1277)と命名された新規微生物。
  2. 請求項1記載の新規微生物を含む、余剰汚泥減容化のための排水処理生菌剤。
  3. 請求項1記載の新規微生物と油脂資化性酵母を含む油脂含有排水処理生菌組成物。
  4. 排水処理施設の被処理水中に、請求項1記載の新規微生物を、単独あるいは2種以上混合して添加することを特徴とする、余剰汚泥の減容化方法。
  5. 固液分離膜を用いて除水する固液分離排水処理方法において、前記固液分離膜に、請求項1記載の新規微生物を、単独あるいは2種以上混合して作用させることを特徴とする、膜通過のフラックス低下を抑制する方法。
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