JP6104907B2 - 原子炉出力調整装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の第1の実施形態に係る原子炉出力調整装置の一例である原子炉出力調整装置30の構成図である。
補正原子炉出力相当信号107
=補正ゲインG1×原子炉出力相当信号106 ……(S1)
補正ゲインG1は原子炉出力演算部5における算出間隔毎に補正原子炉出力相当信号107と原子炉出力信号105が一致するように調整する。
補正ゲインG1=原子炉出力信号105/原子炉出力相当信号106 ……(S2)
補正原子炉出力相当信号107=原子炉出力信号105
+FG(原子炉出力相当信号106)×(原子炉出力相当信号106−原子炉出力信号105) ……(S3)
ここで、FG(X)とは、補正原子炉出力相当信号107と原子炉出力信号105が一致するよう予め設定したXの値に対応するゲインを与える関数である。原子炉出力信号105は原子炉出力演算部5における算出間隔毎に更新する。
補正原子炉出力相当信号107
=補正ゲインG2×FS(原子炉出力相当信号106) ……(S4)
ここで、FS(X)とは、補正原子炉出力相当信号107と原子炉出力信号105が一致するよう予め設定した関数である。予め設定した値と実測値との偏差を補正するため、原子炉出力演算部5における算出間隔毎に以下のように補正ゲインG2を調整する。
補正ゲインG2=原子炉出力信号105/FS(原子炉出力相当信号106)
……(S5)
補正原子炉出力相当信号107=FS(原子炉出力相当信号106)+B
……(S6)
ここで、FS(X)とは、補正原子炉出力相当信号107と原子炉出力信号105が一致するよう予め設定した関数である。予め設定した値と実測値との偏差を補正するため、原子炉出力演算部5における算出間隔毎に以下のように補正バイアスBを調整する。
補正バイアスB=原子炉出力信号105−FS(原子炉出力相当信号106)
……(S7)
故に、原子炉出力調整装置30では、原子炉出力信号の算出間隔が間欠的であっても、原子炉出力信号の算出間隔の如何に関わらず、当該算出間隔では原子炉出力相当とみなせる連続的な原子炉出力信号相当の信号であって、原子炉出力信号105との偏差を所定範囲内に抑えた補正原子炉出力相当信号107を得ることができ、補正原子炉出力相当信号107と原子炉出力信号105との偏差発生を抑制することができる。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る原子炉出力調整装置の一例である原子炉出力調整装置30Aの構成図である。原子炉出力調整装置30Aを説明するに当り、図1に示す原子炉出力調整装置30と同じ構成には、同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、第2の実施形態以降では、参照する図面(図4〜7)において、原子炉発電プラント系の図示も省略する。
原子炉出力信号切替部15は、算出された第1,2の原子炉出力制御信号108a,108bを受け取り、原子炉出力制御装置7に入力させる原子炉出力制御信号として出力する信号を、第1の原子炉出力制御信号108aとするか、第2の原子炉出力制御信号108bとするかを切り替える。この切り替えによって、原子炉出力信号切替部15から第1の原子炉出力制御信号108aおよび第2の原子炉出力制御信号108bの何れか一方が原子炉出力制御信号108として原子炉出力制御装置7に入力される。
図5は、本発明の第3の実施形態に係る原子炉出力調整装置の一例である原子炉出力調整装置30Bの構成図である。
なお、本実施形態の説明では、本発明の第3の実施形態に係る原子炉出力調整装置の一例として、原子炉出力調整装置30Aに原子炉出力変化率抑制部17をさらに備える原子炉出力調整装置30B(図5)を例示しているが、本発明の第3の実施形態に係る原子炉出力調整装置は、この例に限定されない。本発明の第3の実施形態に係る原子炉出力調整装置は、原子炉出力調整装置30に原子炉出力変化率抑制部17をさらに備える構成でもよい。
図6は、本発明の第4の実施形態に係る原子炉出力調整装置の一例である原子炉出力調整装置の原子炉出力調整装置30Cの構成図である。
原子炉出力調整装置30Cは、入力される複数の原子炉出力相当信号106{106a,106b(106c)}から補正部6(6a,6b)に入力する1個の原子炉出力相当信号106を切り替える(選択する)原子炉出力相当信号切替部20、および補正部6(6a,6b)から出力される複数の補正原子炉出力相当信号107(107a,107b)から原子炉出力制御部4(14)に入力する1個の補正原子炉出力相当信号107を切り替える(選択する)補正原子炉出力相当信号切替部22の少なくとも一方を追設した点で、構成が原子炉出力調整装置30と基本的に相違する。
なお、図6に示される原子炉出力調整装置30Cは、原子炉出力相当信号切替部20および補正原子炉出力相当信号切替部22の両方を備える場合の例である。
従って、補正原子炉出力相当信号切替部22を追設した場合、補正原子炉出力相当信号切替部22を備えない場合よりも安定して原子炉出力を調整することができる。この原子炉出力調整方法は補正部6における補正方法に依存せず使用することができ、また原子炉出力相当信号を各々に最適な補正方法を用いて補正し、補正原子炉出力相当信号107を算出することもできる。
これにより、原子炉出力調整装置30Cでは、ヒューマンエラーによる信号切替忘れを防止し、補正原子炉出力相当信号107と原子炉出力信号105との偏差の発生をより最小限に抑制することが可能となり、さらに安定して原子炉出力を調整することが可能となる。
図7は、本発明の第5の実施形態に係る原子炉出力調整装置一例である原子炉出力調整装置30Dの構成図である。
原子炉出力調整装置30Dは、原子炉出力調整の自動化の入切状態、すなわち、原子炉出力調整を自動で行なう自動モード(入)であるか原子炉出力調整を手動(自動ではない)で行なう手動モード(切)であるかを切り替える自動化オンオフ切替部25と、自動化オンオフ切替部25に原子炉出力調整の自動化の入切の要求を与える自動化解除信号生成部26とをさらに備えた点で、構成が原子炉出力調整装置30と基本的に異なる。
2 運転員
3 インターフェイス部
4(4a),14(4a,4b) 原子炉出力制御部
5 原子炉出力演算部
6,6a,6b 補正部
7 原子炉出力制御装置
7a 再循環流量制御装置
8 原子炉出力制御機器
8a 再循環ポンプ
9 原子炉
10 主蒸気配管
11 タービン
12 発電機
13a,13b 変換部
15 原子炉出力制御信号切替部
16 信号切替制御部
17 原子炉出力変化率抑制部
20 原子炉出力相当信号切替部
21 信号切替制御部
22 補正原子炉出力相当信号切替部
25(25a,25b) 自動化オンオフ切替部
26 自動化解除信号生成部
30,30A,30B,30C,30D 原子炉出力調整装置
101 運転パターン
102 原子炉出力目標値
103 原子炉出力変化率
104 プラント状態量
105 原子炉出力信号
106 原子炉出力相当信号
106a 発電機出力信号
106b 中性子束信号
106c 全流量検出信号
107 補正原子炉出力相当信号
108 原子炉出力制御信号
108a 第1の原子炉出力制御信号
108b 第2の原子炉出力制御信号
109 原子炉出力制御機器作動要求信号
110 原子炉出力制御信号切替要求信号
111 原子炉出力制御信号切替信号
112 原子炉出力変化率抑制信号
113 補正原子炉出力相当信号補正前後偏差信号
114 原子炉出力相当信号/補正原子炉出力相当信号切替要求信号
115 原子炉出力相当信号/補正原子炉出力相当信号切替信号
116 自動化解除信号
117 自動化解除報知信号
118 原子炉出力設定値
119 原子炉出力制御装置故障信号
Claims (17)
- 中央給電指令所もしくは運転員より入力された運転パターン、もしくは原子炉出力目標値および原子炉出力変化率に基づき原子炉の出力を調整する原子炉出力調整装置において、
必要な各種プラント状態量から熱平衡に基づく演算を行ない原子炉出力信号を算出する原子炉出力演算部と、
前記原子炉出力信号の算出間隔では原子炉出力相当と見なせてかつ連続的に得られる原子炉出力相当信号が前記原子炉出力演算部算出の原子炉出力信号に一致するように、前記原子炉出力相当信号の補正を前記原子炉出力演算部における算出間隔毎に行なって連続的な補正原子炉出力相当信号を算出する補正部と、
前記補正原子炉出力相当信号と前記原子炉出力目標値および原子炉出力変化率を用いて原子炉の出力制御を行なう少なくとも1種類の原子炉出力制御信号を算出する原子炉出力制御部と、
前記原子炉出力制御信号に基づいて作動される原子炉出力制御装置とを備えたことを特徴とする原子炉出力調整装置。 - 前記補正部は、原子炉出力演算部における算出間隔毎に補正したゲインを原子炉出力相当信号に乗じることで連続的な補正原子炉出力相当信号を算出することを特徴とする請求項1に記載の原子炉出力調整装置。
- 前記補正部は、原子炉出力相当信号と原子炉出力演算部算出の原子炉出力信号との差分に対し、原子炉出力信号に一致するように予め設定したゲインを乗じたものに原子炉出力信号を加算し、原子炉出力演算部における算出間隔で原子炉出力信号を更新することで連続的な補正原子炉出力相当信号を算出することを特徴とする請求項1に記載の原子炉出力調整装置。
- 前記補正部は、原子炉出力相当信号が原子炉出力演算部算出の原子炉出力信号に一致するよう予め設定した関数に、原子炉出力相当の信号がプラント運転時の原子炉出力信号に一致するように原子炉出力演算部における算出間隔毎に補正したゲインを乗じることで、連続的な補正原子炉出力相当信号を算出することを特徴とする請求項1に記載の原子炉出力調整装置。
- 前記補正部は、原子炉出力相当信号が原子炉出力演算部算出の原子炉出力信号に一致するよう予め設定した関数に、原子炉出力相当の信号がプラント運転時の原子炉出力信号に一致するように原子炉出力演算部における算出間隔毎に補正したバイアスを加算することで、連続的な補正原子炉出力相当信号を算出することを特徴とする請求項1に記載の原子炉出力調整装置。
- 前記少なくとも1種類の原子炉出力制御信号は、前記補正原子炉出力相当信号と前記原子炉出力目標値および原子炉出力変化率を用いて算出される第1の原子炉出力制御信号と、発電機出力目標値と発電機出力変化率および発電機出力を用いて算出される第2の原子炉出力制御信号であり、前記原子炉の制御に用いられる制御信号を前記第1の原子炉出力制御信号とするか前記第2の原子炉出力制御信号とするかを切り替える原子炉出力制御信号切替部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の原子炉出力調整装置。
- 原子炉出力に応じて、前記原子炉出力制御信号切替部に前記原子炉の制御に用いられる制御信号を前記第1の原子炉出力制御信号とするか前記第2の原子炉出力制御信号とするかを選択する要求を与える信号切替制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の原子炉出力調整装置。
- 前記信号切替制御部は、前記原子炉出力が一定値未満の場合、前記第2の原子炉出力制御信号を前記原子炉の制御に用いられる制御信号として選択する要求を前記原子炉出力制御信号切替部に与えるように構成されたことを特徴とする請求項7に記載の原子炉出力調整装置。
- 前記信号切替制御部は、前記原子炉出力が一定値以上の場合、前記第1の原子炉出力制御信号を前記原子炉の制御に用いられる制御信号として選択する要求を前記原子炉出力制御信号切替部に与えるように構成されたことを特徴とする請求項7に記載の原子炉出力調整装置。
- 前記補正部により補正された原子炉出力相当信号を用いて制御を行なう場合に前記原子炉出力変化率を抑制する機能を有する変化率抑制部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の原子炉出力調整装置。
- 前記変化率抑制部は、前記原子炉出力変化率を抑制する機能の入切状態を切り替える機能を有することを特徴とする請求項10に記載の原子炉出力調整装置。
- 前記変化率抑制部は、前記補正原子炉出力相当信号に基づいて原子炉出力変化率抑制信号を生成し、生成した原子炉出力変化率抑制信号を前記原子炉出力制御部へ出力するように構成されることを特徴とする請求項10に記載の原子炉出力調整装置。
- 前記変化率抑制部は、一定値未満の原子炉出力、もしくは前記補正原子炉出力相当信号の補正前後の値の偏差が一定値未満となった場合、前記原子炉出力変化率を抑制する機能を自動で切とする機能をさらに有することを特徴とする請求項11に記載の原子炉出力調整装置。
- 前記変化率抑制部は、一定値以上の原子炉出力、もしくは前記補正原子炉出力相当信号の補正前後の値の偏差が一定値以上となった場合、前記原子炉出力変化率を抑制する機能を自動で入とする機能をさらに有することを特徴とする請求項11に記載の原子炉出力調整装置。
- 受信する複数の前記原子炉出力相当信号のなかから1個の前記原子炉出力相当信号を切り替えて出力する原子炉出力相当信号切替部、およびそれぞれ異なる補正方法を用いて複数の補正原子炉出力相当信号を算出する前記補正部から受け取る前記複数の補正原子炉出力相当信号のなかから1個の前記補正原子炉出力相当信号を切り替えて出力する補正原子炉出力相当信号切替部の少なくとも一方をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の原子炉出力調整装置。
- 前記原子炉出力相当信号切替部を備える場合に、受信する前記複数の前記原子炉出力相当信号のなかから切り替えて出力するように前記原子炉出力相当信号切替部を制御する第1の信号切替制御部と、
前記補正原子炉出力相当信号切替部を備える場合に、受信する前記複数の補正原子炉出力相当信号のなかから切り替えて出力するように前記補正原子炉出力相当信号切替部を制御する第2の信号切替制御部とをさらに備え、
前記第1の信号切替制御部、および前記第2の信号切替制御部は、原子炉出力が一定値以上もしくは未満となった場合、または前記補正原子炉出力相当信号の補正前後の値の偏差が一定値以上となった場合に自動的に作動するように構成されることを特徴とする請求項15に記載の原子炉出力調整装置。 - 原子炉出力調整を自動で行なう自動モードの入切状態を切り替える自動化オンオフ切替部と、
前記原子炉出力演算部算出の原子炉出力信号もしくは前記補正原子炉出力相当信号が、定格原子炉出力を一定値以上超えた場合、または前記原子炉出力制御装置が故障した場合に、前記自動モードの入切状態を入から切に切り替えて前記原子炉出力調整を手動で行なう手動モードに切り替える自動化解除信号を生成する自動化解除信号生成部とをさらに備え、前記自動化オンオフ切替部は、前記自動化解除信号を前記自動化解除信号生成部から受信したか否かに応じて前記自動モードの入切状態を自動的に切り替えるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の原子炉出力調整装置。
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