JP5665688B2 - 蒸気温度制御装置および蒸気温度制御方法 - Google Patents

蒸気温度制御装置および蒸気温度制御方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、蒸気温度制御装置および蒸気温度制御方法に関する。
火力発電プラント等におけるボイラ設備には、過熱器等の熱交換器の出口もしくは入口の蒸気温度を制御するための蒸気温度制御装置が備えられる。
例えば、蒸気温度制御装置により火力発電プラント等における主蒸気の制御を行う場合、対象の熱交換器の前段にある減温器に注入する水の量を調節弁で調節することにより、該熱交換器を通過した後の蒸気の温度を一定に保つようにしている。
このような制御系においては、熱交換器において図9に示すような無駄時間(入力値が変化した場合に出力値が応答し始めるまでに要する時間)や時間遅れ(出力値が応答し始めてから変化し終えるまでの時間)が生じることから、制御が難しくなる。このような無駄時間等の時間的な遅れ要素を除去するためには、一般に、コントローラの出力をスミス予測器(Smith Predictor)を通じて該コントローラの入力側にフィードバックさせるスミス法が採用される。
特開平7−110108号公報 特開平5−87307号公報
既存のスミス法は、無駄時間要素を除去する方法としては有効であるが、プラントの例えば調節弁から熱交換器入口までの間などに発生する外乱には弱い。すなわち、プラントに外乱が発生した場合には、その外乱の影響を制御に反映することが難しいという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、無駄時間を補償しつつ外乱に強い制御系を実現する蒸気温度制御装置および蒸気温度制御方法を提供することにある。
実施形態の蒸気温度制御装置は、供給される蒸気を過熱する熱交換器と、前記熱交換器に供給される蒸気を冷媒により減温させる減温器と、前記減温器に供給される冷媒の量を調節する調節弁とを備えたボイラ設備を有するプラントに適用される蒸気温度制御装置において、前記熱交換器の入口温度の実測値を示す信号に基づいて、少なくとも前記熱交換器で生じる無駄時間を補償するための信号を出力する無駄時間補償手段と、前記熱交換器の出口温度の実測値を前記無駄時間補償回路から出力される信号に応じて補正した後の値と、前記熱交換器の出口温度の目標値とに基づいて、前記熱交換器の出口温度が目標値に等しくなるようにする第1の制御信号を出力する第1の制御手段と、前記熱交換器の入口温度の実測値と、前記熱交換器の入口温度の目標値を前記第1の制御信号に応じて補正した後の目標値とに基づいて、前記熱交換器の入口温度が当該補正後の目標値に等しくなるようにする第2の制御信号を前記調節弁に供給する第2の制御手段とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、無駄時間を補償しつつ外乱に強い制御系を実現する蒸気温度制御装置および蒸気温度制御方法を提供することができる。
各実施形態に共通するボイラ設備の概略構成を示すブロック図。 第1の実施形態に係る蒸気温度制御装置およびその制御対象周辺の構成の一例を示すブロック図。 図2中に示す無駄時間補償回路の機能構成を示す概念図。 第2の実施形態に係る蒸気温度制御装置およびその制御対象周辺の構成の一例を示すブロック図。 図4中に示す無駄時間・遅れ時間補償回路の機能構成を示す概念図。 第3の実施形態に係る蒸気温度制御装置およびその制御対象周辺の構成の一例を示すブロック図。 第4の実施形態に係る蒸気温度制御装置およびその制御対象周辺の構成の一例を示すブロック図。 第5の実施形態に係る蒸気温度制御装置およびその制御対象周辺の構成の一例を示すブロック図。 無駄時間および遅れ時間を説明するための概念図。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、各実施形態に共通するボイラ設備の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すボイラ設備1は、火力発電プラント等に設けられるものであり、主要な構成要素として、ボイラ2、蒸気ドラム3、蒸発器4、熱交換器(第1の熱交換器)5、熱交換器(第2の熱交換器)6、減温器7、調節弁8、脱気器9、給水ポンプ10、節炭器11、および蒸気温度制御装置20を有する。上記蒸発器4、熱交換器5、熱交換器6、および節炭器11は、ボイラ2に収納されている。
ボイラ設備1には外部から水が取り込まれ、この水は脱気器9により脱気が行われた後、給水ポンプ10によりボイラ2へ供給され、節炭器11により温度が上げられて、蒸気ドラム3に入り、蒸発器4により蒸気になる。この蒸気は蒸気ドラム3から熱交換器5を通って過熱され、減温器7によって減温された後、更に熱交換器6を通って再び過熱され、過熱された蒸気が蒸気タービン(図示せず)へ供給される。
一方、減温器7には、スプレー弁等の水量を調節する調節弁8を介して冷媒としての水が供給される。調節弁8の開度は蒸気温度制御装置20によって制御される。蒸気温度制御装置20は、制御対象としての熱交換器6の出口における蒸気の温度が目標の温度に等しくなるように調節弁8の開度指令値を計算し、その指令値を調節弁8に出力することにより、減温器7に供給される注水量を調節する。
以下、上記蒸気温度制御装置20の詳細について、個々の実施形態を通じて説明する。
(第1の実施形態)
図2および図3を参照して、第1の実施形態について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る蒸気温度制御装置20およびその制御対象周辺の構成の一例を示すブロック図である。
第1の実施形態に係る蒸気温度制御装置20は、主要な構成要素として、無駄時間補償回路21、補正部22、出口温度目標値設定部23、出口温度制御部(第1の制御部)24、入口温度目標値設定部25、補正部26、および入口温度制御部(第2の制御部)27を有する。また、熱交換器6の入口Aには、熱交換器6の入口における蒸気の温度(以下、「入口温度」と称す。)を検出する温度検出器28が設けられ、熱交換器6の出口Bには、熱交換器6の出口における蒸気の温度(以下、「出口温度」と称す。)を検出する温度検出器29が設けられる。
無駄時間補償回路21は、温度検出器28により検出される熱交換器6の入口温度の実測値を示す信号を入力し、この信号に基づいて少なくとも熱交換器6内で生じる無駄時間を補償するための無駄時間補償信号を出力するものである。この無駄時間補償回路21は、例えばスミス予測器を用いて実現してもよい。
補正部22は、温度検出器29により検出される熱交換器6の出口温度の実測値を示す信号を入力し、この信号を無駄時間補償回路21から出力される無駄時間補償信号に応じて補正し(即ち、出口温度の実測値を示す信号から無駄時間要素を除去し)、補正後の値を出口温度制御部24に供給するものである。なお、この補正部22は、無駄時間補償回路21の中に設けられてもよいし、あるいは、出口温度制御部24の中に設けられてもよい。
出口温度目標値設定部23は、熱交換器6の出口温度の目標値を設定し、設定した出口温度の目標値を出力するものである。
出口温度制御部24は、温度検出器29により検出される熱交換器6の出口温度の実測値を無駄時間補償回路21から出力される値に応じて補正した後の値と、出口温度目標値設定部23から出力される熱交換器6の出口温度の目標値とに基づいて、PID制御などによるフィードバック制御を行い、熱交換器6の出口温度が目標値に等しくなるようにする第1の制御信号を出力するものである。
入口温度目標値設定部25は、負荷指令値などのプラント指標に基づいて熱交換器6の入口温度の目標値を設定し、設定した入口温度の目標値を出力するものである。
補正部26は、入口温度目標値設定部25から出力される熱交換器6の入口温度の目標値を、出口温度制御部24から出力される第1の制御信号に応じて補正するものである。
入口温度制御部27は、温度検出器28により検出される入口温度の実測値と、補正部26により補正される入口温度の目標値とに基づいて、PID制御などによるフィードバック制御を行い、熱交換器6の入口温度が当該補正後の目標値に等しくなるようにする第2の制御信号を調節弁8の開度指令値信号として調節弁8に供給するものである。
上述の説明からわかるように、この蒸気温度制御装置20は、上位の制御として温度検出器29の実測値に基づいて出口温度制御部24により熱交換器6の出口温度を制御する構成と、下位の制御として温度検出器28の実測値に基づいて入口温度制御部27により熱交換器6の入口温度を制御する構成とを含む。図2の例では、1つの熱交換器(熱交換器6)の制御に対応する構成のみが図示されているが、図示しない直列接続された複数の熱交換器のそれぞれに対して同様の制御を並行して行えるように構成されていてもよい。例えば各熱交換器の入口・出口から温度の実測値を取り出すための回路がカスケード状に接続された構成が施されていてもよい。
プラントの運転中は、例えば調節弁8から熱交換器6入口までの間に外乱が生じる。温度検出器28で検出される入口温度の実測値は、このような外乱の影響を受けた形で無駄時間補償回路21へ伝えられる。無駄時間補償回路21においては、外乱の影響を含む入口温度の実測値に基づいて無駄時間補償要素の演算が行われ、無駄時間補償回路21からは外乱の影響が反映された無駄時間補償信号が補正部22に伝えられ、補正部22からは外乱の影響が反映された無駄時間補償信号により出口温度の実測値を示す信号が補正された信号(即ち、出口温度の実測値を示す信号から無駄時間要素が除去された信号)が出口温度制御部24に伝えられる。出口温度制御部24および入口温度制御部27においては、外乱の影響が反映されたフィードバック信号に基づいて制御が行われることになるため、無駄時間のみならず外乱をも補償された制御系が実現される。
図3は、図2中に示す無駄時間補償回路21の機能構成を示す概念図である。
制御部30は、図2中の要素24〜27を包括して表した要素である。実機としての熱交換器6には、無駄時間要素31のほか、1次遅れ要素32や2次遅れ要素33などを含む各種の遅れ時間要素が存在する。ここでは、3次以上の高次の遅れ時間要素の図示を省略している。
一方、無駄時間補償回路21は、実機としての熱交換器6における無駄時間要素31、1次遅れ要素32、2次遅れ要素33をそれぞれ予想する演算モデルとしての無駄時間要素31’、1次遅れ要素32’、2次遅れ要素33’を有する。ここでは説明の簡単化のため、3次以上の高次の遅れ時間要素の説明については割愛する。なお、補正部22は、無駄時間補償回路21の中に設けられてもよいし、あるいは、制御部30の中に設けられてもよい。
無駄時間要素、1次遅れ要素、2次遅れ要素は、それぞれ、例えば伝達関数Exp(-Ls)、G1(s)=G1×1/(1+T1s)、G2(s)=G2×1/(1+T2s)で表現することができる(但し、L:無駄時間、T1,T2:時定数、G1,G2:ゲイン)。また、無駄要素31’、1次遅れ要素32’、2次遅れ要素33’における各種の制御パラメータ(L:無駄時間、T1,T2:時定数、G1,G2:ゲイン)は可変であり、適宜、設定変更して調整することができる。
無駄時間補償回路21は、熱交換器6の入口Aから、外乱の影響を受けた入口温度の実測値を示す信号を入力し、この入力信号に対して例えば次数の高い遅れ要素から順に各遅れ要素を乗じ、最後に無駄時間要素を乗じる。ここでは、2次遅れ要素33’、1次遅れ要素32’、無駄時間要素31’の順に演算を行う。ここで、無駄時間補償回路21は、無駄時間要素31’を乗じる前の演算結果を所定の記憶領域(図示せず)に一時的に記憶し、無駄時間要素31’を乗じた後の演算結果から、当該無駄時間要素31’を乗じる前の演算結果を演算部34において差し引き、その結果を無駄時間補償信号として出力する。この無駄時間補償信号には、前述の外乱の影響が反映されている。
これにより、補正部22においては、熱交換器6の出口Bから得られる出口温度の実測値を示す信号が、外乱の影響が反映された無駄時間補償信号により補正されて、制御部30にフィードバックされる。
この第1の実施形態によれば、無駄時間補償回路21が、熱交換器6の入口Aから、外乱の影響を受けた入口温度の実測値を示す信号を入力して、無駄時間補償を行う構成となっているため、外乱補償のための装置を別途設置する必要なく、コストを増大させずに、無駄時間補償のみならず外乱補償をも行うことが可能となる。
また、無駄時間要素および外乱時間の除去が可能となることから、例えば出口温度制御部24の制御パラメータの値を大きく(強めに)設定した場合においても、プラント静定時の安定性を維持したまま、プラントの負荷変動などに対する応答性・追従性を高めることができる。
(第2の実施形態)
図4および図5を参照して、第2の実施形態について説明する。
図4は、第2の実施形態に係る蒸気温度制御装置20およびその制御対象周辺の構成の一例を示すブロック図である。なお、図2と共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図4に示す蒸気温度制御装置20は、図2に示した蒸気温度制御装置20の構成において、無駄時間補償回路21の代わりに、無駄時間・遅れ時間補償回路21Aを設けた構成となっている。
無駄時間・遅れ時間補償回路21Aは、前述の無駄時間補償回路21の中に熱交換器6内で生じる遅れ時間を補償する機能を付加したものであり、熱交換器6内で生じる無駄時間だけでなく遅れ時間をも補償するための無駄時間・遅れ時間補償信号を出力する。
図5は、図4中に示す無駄時間・遅れ時間補償回路21Aの機能構成を示す概念図である。なお、図3と共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図5に示す無駄時間・遅れ時間補償回路21Aは、図3に示した無駄時間補償回路21の構成において、1次遅れ要素32’の配置位置を変えた構成となっている。
無駄時間・遅れ時間補償回路21Aは、熱交換器6の入口Aから、外乱の影響を受けた入口温度の実測値を示す信号を入力し、この入力信号に対して例えば次数の高い遅れ要素から順に各遅れ要素を乗じ、最後に無駄時間要素を乗じる。ここでは、2次遅れ要素33’、1次遅れ要素32’、無駄時間要素31’の順に演算を行う。ここで、無駄時間・遅れ時間補償回路21Aは、1次遅れ要素32’および無駄時間要素31’を乗じる前の演算結果を所定の記憶領域(図示せず)に一時的に記憶し、1次遅れ要素32’および無駄時間要素31’を乗じた後の演算結果から、当該1次遅れ要素32’および無駄時間要素31’を乗じる前の演算結果を演算部34において差し引き、その結果を無駄時間・遅れ時間補償信号として出力する。この無駄時間・遅れ時間補償信号には、前述の外乱の影響が反映されている。
これにより、補正部22においては、熱交換器6の出口Bから得られる出口温度の実測値を示す信号が、外乱の影響が反映された無駄時間・遅れ時間補償信号により補正されて、制御部30にフィードバックされる。
なお、図5の例では、無駄時間要素31’に対して1次遅れ要素32’を直列接続する場合を例示しているが、これに加えて更に2次遅れ要素33’を直列接続するように構成してもよい。これにより、1次遅れ要素32’に加えて2次遅れ要素33’をも補償することができる。また、3次遅れ以上の高次の遅れ時間要素については、例えば複数個の1次遅れ要素32’を直接接続することで代用してもよい。
また、プロセスが例えば無駄時間要素および1次〜4次遅れ要素を考慮して同定されるような場合は、例えば無駄時間要素および1次〜2次遅れ要素の分を無駄時間・遅れ時間補償回路21Aにより補償し、残りの3次〜4次遅れ要素の分を出口温度制御部24の制御(PID制御など)により補償するように構成してもよい。この場合、無駄時間・遅れ時間補償回路21A側で取り扱う次数と、出口温度制御部24側で取り扱う次数とが同じになるため、制御パラメータを決定しやすい。
この第2の実施形態によれば、第1の実施形態で得られる効果に加え、更に、熱交換器6における遅れ時間をも補償することが可能となる。
(第3の実施形態)
図6を参照して、第3の実施形態について説明する。
図6は、第3の実施形態に係る蒸気温度制御装置20およびその制御対象周辺の構成の一例を示すブロック図である。なお、図4と共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図6に示す蒸気温度制御装置20は、図4に示した蒸気温度制御装置20の構成において、更に、動特性予想演算部41を含む構成となっている。
動特性予想演算部41は、プラントの負荷(負荷指令値など)の変化に伴う熱交換器6の熱量の変化を示す動特性モデルを有し、この動特性モデルに従い熱交換器6の入口温度の目標値を変化させるものである。すなわち、動特性予想演算部41は、動特性モデルを用いて、プラントの負荷変化時に熱交換器6に加わる熱量の変化を予測した予測値を演算し、その演算結果を、入口温度目標値設定部25により設定される熱交換器6の入口温度の目標値に対して加算する。
この第3の実施形態によれば、第1および第2の実施形態で得られる効果に加え、更に、熱交換器6の入口から出口までの間に加わる負荷変化時の熱量変化の影響をも補償することが可能となり、より一層外乱に強い制御系を実現することが可能となる。
(第4の実施形態)
図7を参照して、第4の実施形態について説明する。
図7は、第4の実施形態に係る蒸気温度制御装置20およびその制御対象周辺の構成の一例を示すブロック図である。なお、図6と共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図7に示す蒸気温度制御装置20は、図6に示した蒸気温度制御装置20の構成において、更に、ゲイン補償回路51を含む構成となっている。
ゲイン補償回路51は、プラントの運転状態の変化に伴う熱交換器6の出口蒸気と入口蒸気との蒸気エネルギー比率の変化に応じて無駄時間・遅れ時間補償回路21Aの出力信号のゲインを変化させるものである。すなわち、このゲイン補償回路51は、プラントが高負荷状態の時と低負荷状態の時とで熱交換器6の入口と出口の比熱比などの蒸気エネルギー比率が異なるという特性を利用し、例えば負荷指令値などに基づいて当該蒸気エネルギー比率に応じたゲインを決定する。
この第4の実施形態によれば、第1〜第3の実施形態で得られる効果に加え、更に、負荷が高く蒸気が大量に発生している場合や負荷が低く蒸気が少量である場合など、プラントの運転状態が大きく変化する場合においても、無駄時間補償、遅れ時間補償、外乱補償、熱量変化補償を伴う高精度な制御を維持することができる。
(第5の実施形態)
図8を参照して、第5の実施形態について説明する。
図8は、第5の実施形態に係る蒸気温度制御装置20およびその制御対象周辺の構成の一例を示すブロック図である。なお、図7と共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図8に示す蒸気温度制御装置20は、図7に示した蒸気温度制御装置20の構成において、更に、可変設定部61〜63を含む構成となっている。
可変設定部61〜63は、それぞれ、無駄時間・遅れ時間補償回路21A、出口温度制御部24、および入口温度制御部27の各演算に使用される制御パラメータの可変設定を行うものである。
例えば、あるプラント運転状態において、システム同定を行い、熱交換器6における無駄時間や遅れ時間などの推定を行い、これに伴い、無駄時間・遅れ時間補償回路21Aでの演算に使用されるゲイン,無駄時間,時定数などの制御パラメータ、出口温度制御部24での演算に使用されるゲインなどの制御パラメータ、および、入口温度制御部27での演算に使用されるゲインなどの制御パラメータのそれぞれについて最適値を計算する。そして、可変設定部61〜63により、各制御パラメータを最適値に設定する。なお、これら一連の処理の全部もしくは一部は、情報処理装置を用いて実施することが可能である。
この第5の実施形態によれば、第1〜第4の実施形態で得られる効果に加え、更に、プラント運転状態に応じて、上位の制御に関わる制御パラメータおよび下位の制御に関わる制御パラメータならびに無駄時間・遅れ時間補償のそれぞれを最適値に設定することができ、現地における制御調整を効率的に行うことが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…ボイラ設備、2…ボイラ、3…蒸気ドラム、4…蒸発器、5…熱交換器(第1の熱交換器)、6…熱交換器(第2の熱交換器)、7…減温器、8…調節弁、9…脱気器、10…給水ポンプ、11…節炭器、20…蒸気温度制御装置、21…無駄時間補償回路、21A…無駄時間・遅れ時間補償回路、22…補正部、23…出口温度目標値設定部、24…出口温度制御部(第1の制御部)、25…入口温度目標値設定部、26…補正部、27…入口温度制御部(第2の制御部)、28…温度検出器、29…温度検出器、30…制御部、31,31’…無駄時間要素、32,32’…1次遅れ要素、33,33’…2次遅れ要素、34…演算部、41…動特性予想演算部、51…ゲイン補償回路、61〜63…可変設定部。

Claims (6)

  1. 供給される蒸気を過熱する熱交換器と、前記熱交換器に供給される蒸気を冷媒により減温させる減温器と、前記減温器に供給される冷媒の量を調節する調節弁とを備えたボイラ設備を有するプラントに適用される蒸気温度制御装置において、
    前記熱交換器の入口温度の実測値を示す信号に基づいて、少なくとも前記熱交換器で生じる無駄時間を補償するための信号を出力する無駄時間補償手段と、
    前記熱交換器の出口温度の実測値を前記無駄時間補償回路から出力される信号に応じて補正した後の値と、前記熱交換器の出口温度の目標値とに基づいて、前記熱交換器の出口温度が目標値に等しくなるようにする第1の制御信号を出力する第1の制御手段と、
    前記熱交換器の入口温度の実測値と、前記熱交換器の入口温度の目標値を前記第1の制御信号に応じて補正した後の目標値とに基づいて、前記熱交換器の入口温度が当該補正後の目標値に等しくなるようにする第2の制御信号を前記調節弁に供給する第2の制御手段と
    を具備することを特徴とする蒸気温度制御装置。
  2. 請求項1に記載の蒸気温度制御装置において、前記無駄時間補償手段は、前記熱交換器で生じる無駄時間だけでなく遅れ時間要素をも補償するための信号を出力することを特徴とする蒸気温度制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の蒸気温度制御装置において、プラントの負荷の変化に伴う前記熱交換器の熱量の変化を示す動特性モデルを有し、前記動特性モデルに従い前記熱交換器の入口温度の目標値を変化させる手段を更に具備することを特徴とする蒸気温度制御装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蒸気温度制御装置において、プラントの運転状態の変化に伴う前記熱交換器の出口蒸気と入口蒸気との蒸気エネルギー比率の変化に応じて前記無駄時間補償手段の出力信号のゲインを変化させる手段を更に具備することを特徴とする蒸気温度制御装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の蒸気温度制御装置において、前記無駄時間補償手段、前記第1の制御手段、および前記第2の制御手段のそれぞれの演算に使用されるパラメータの少なくともいずれかの可変設定を行う手段を更に具備することを特徴とする蒸気温度制御装置。
  6. 供給される蒸気を過熱する熱交換器と、前記熱交換器に供給される蒸気を冷媒により減温させる減温器と、前記減温器に供給される冷媒の量を調節する調節弁とを備えたボイラ設備を有するプラントに適用される蒸気温度制御方法において、
    無駄時間補償手段により、前記熱交換器の入口温度の実測値を示す信号に基づいて、少なくとも前記熱交換器で生じる無駄時間を補償するための信号を出力し、
    第1の制御手段により、前記熱交換器の出口温度の実測値を前記無駄時間補償回路から出力される信号に応じて補正した後の値と、前記熱交換器の出口温度の目標値とに基づいて、前記熱交換器の出口温度が目標値に等しくなるようにする第1の制御信号を出力し、
    第2の制御手段により、前記熱交換器の入口温度の実測値と、前記熱交換器の入口温度の目標値を前記第1の制御信号に応じて補正した後の目標値とに基づいて、前記熱交換器の入口温度が当該補正後の目標値に等しくなるようにする第2の制御信号を前記調節弁に供給する
    ことを特徴とする蒸気温度制御方法。
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