JP6102734B2 - 電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、電解液中の塩濃度の偏りに伴って二次電池の内部抵抗値が上昇するときの抵抗上昇量を算出する電池システムに関する。
特許文献1に記載されているように、二次電池の充放電を大電流で繰り返すと、電解液中の塩濃度が偏ることにより、二次電池の内部抵抗値が上昇することが知られている。この内部抵抗値の上昇は、二次電池の経年劣化に伴う内部抵抗値の上昇とは区別される。特許文献1では、電解液中の塩濃度に関して、負極および正極が対向する方向における塩濃度の差が大きくなることに応じて、二次電池の内部抵抗値が上昇するものとしている。
特開2010−060406号公報 特開2009−123435号公報 特開2013−051115号公報
二次電池の電解液は、発電要素を構成する負極板および正極板の間(言い換えれば、発電要素の内部)に存在するものと、発電要素を収容する電池ケースの内部であって、発電要素の外部に存在するものとに分けられる。ここで、塩濃度の偏りに伴う内部抵抗値の上昇は、発電要素の外部に存在する電解液の液面の変動に依存することが分かった。したがって、塩濃度の偏りに伴う内部抵抗値の上昇を把握する上では、発電要素の外部に存在する電解液の液面の変動を把握する必要がある。
本発明の電池システムは、二次電池と、二次電池の電流値を検出する電流センサと、抵抗上昇量を算出するコントローラと、を有する。二次電池は、電池ケースを有しており、電池ケースには、充放電を行う発電要素と、電解液とが収容されている。ここで、電解液は、発電要素の内部および外部に存在している。抵抗上昇量とは、電解液中の塩濃度の偏りに伴って二次電池の内部抵抗値が上昇するときの量である。
コントローラは、電流センサによって検出された電流値に基づいて、発電要素の外部に存在する電解液の液面高さを算出する。液面高さとは、発電要素の外部に存在する電解液の液面に関して、基準面から液面上の基準点までの高さである。液面高さを算出することにより、液面高さの変動を把握できる。ここで、変動していない液面から基準点が離れる方向に液面高さが変動するとき、コントローラは、この液面高さの変動量に基づいて、発電要素の内部から外部に向かって電解液が移動するときの流速を、電解液の移動方向における発電要素内の位置毎に算出する。一方、変動していない液面に基準点が近づく方向に液面高さが変動するとき、コントローラは、この液面高さの変動量に基づいて、発電要素の外部から内部に向かって電解液が移動するときの流速を、電解液の移動方向における発電要素内の位置毎に算出する。
コントローラは、位置毎の流速と、電解液中の塩の拡散状態と、発電要素の充放電に伴う電解液中の塩の生成量とに基づいて、発電要素を構成する電極板の表面上における塩濃度の分布を算出する。電極板の表面とは、発電要素の充放電に関与する面である。塩濃度の分布を算出すれば、塩濃度の最大差を特定できる。ここで、塩濃度の最大差および抵抗上昇量の対応関係を用いることにより、塩濃度の最大差に対応する抵抗上昇量が算出される。
二次電池を充放電すると、発電要素の内部に存在する電解液が、電極板の表面に沿って移動することがある。この電解液の移動によって、電極板の表面上では、塩濃度の偏りが発生し、二次電池の内部抵抗値が上昇してしまうと考えられる。電極板の表面に沿って電解液が移動するとき、発電要素の内部および外部の間で電解液が移動する。この結果、発電要素の外部に存在する電解液において、液面高さが変動する。本発明では、この液面高さの変動量に着目して塩濃度の分布を算出し、塩濃度の分布から特定される塩濃度の最大差に基づいて、抵抗上昇量を算出している。
液面高さは、二次電池を充放電したときの電流値に依存するため、電流値を検出すれば、液面高さを算出することができる。このように液面高さを算出すれば、液面高さの変動を把握することができる。ここで、発電要素の内部から外部に向かって電解液が移動したとき、変動していない液面から基準点が離れる方向に液面高さが変動する。このため、この電解液の移動方向において、電解液の流速を算出することができる。電解液の流速は、液面高さの変動量に依存するため、液面高さの変動量に基づいて流速を算出できる。ここで、電解液の流速は、発電要素内の全体において一定にならず、発電要素内の位置に応じて異なる。したがって、発電要素内の位置毎に流速を算出する必要がある。
発電要素の外部から内部に向かって電解液が移動したとき、変動していない液面に基準点が近づく方向に液面高さが変動する。このため、この電解液の移動方向において、電解液の流速を算出することができる。電解液の流速は、液面高さの変動量に依存するため、液面高さの変動量に基づいて流速を算出できる。この場合にも、上述したように、発電要素内の位置毎に流速を算出する必要がある。このように流速を算出することにより、電極板の表面上における塩濃度の分布を把握することができ、塩濃度の分布(塩濃度の最大差)から抵抗上昇量を把握することができる。
液面高さは、電流値だけでなく、二次電池のSOC(State of Charge)や温度にも依存しやすい。そこで、電流値に加えて、SOCおよび温度の少なくとも一方を考慮して、液面高さを算出することができる。例えば、電流値と、SOCおよび温度の少なくとも一方と、液面高さとの対応関係を予め求めておけば、液面高さを算出することができる。
所定時間を周期として、液面高さを算出すれば、今回の液面高さから前回の液面高さを減算することにより、液面高さの変動量を算出することができる。
液面高さを算出するときには、電流値に基づいて、液面高さの限界値を算出する。液面高さの限界値は、電流値に依存するため、限界値および電流値の対応関係を予め求めておけば、電流センサによって検出された電流値に対応する限界値を算出できる。この限界値に向かって液面高さが変動するため、液面高さが限界値に到達するまでの間における液面高さの変動量を算出できる。
ここで、液面高さは、所定時間の周期で算出されるため、所定時間内における液面高さの変動量を算出する。この変動量を前回の液面高さに加算すれば、所定時間が経過した後の今回の液面高さを算出できる。ここで、所定時間の間に液面高さが限界値に到達するときには、限界値に基づいて、液面高さの変動量を算出することができる。しかし、所定時間の間では、液面高さが限界値に到達しないこともある。この場合には、所定時間内における液面高さの変動量を前回の液面高さに加算することにより、今回の液面高さを算出することができる。
限界値は、電流値だけでなく、二次電池のSOCや温度にも依存することがある。この場合には、電流値に加えて、二次電池のSOCや温度を考慮して、限界値を算出することができる。具体的には、電流値と、SOCおよび温度の少なくとも一方と、限界値との対応関係を予め求めておけば、電流値を検出し、SOCおよび温度の少なくとも一方を取得することにより、限界値を算出できる。
電池システムの構成を示す図である。 二次電池の構成を示す図である。 発電要素の展開図である。 発電要素の外観図である。 負極板および正極板が対向する方向における塩濃度の偏りを説明する図である。 負極板および正極板の表面上における塩濃度の偏りを説明する図である。 電解液の液面の変動を説明する図である。 抵抗上昇量を算出する処理を説明するフローチャートである。 上限値および電流値の対応関係を示す図である。 液面高さの変動量を説明する図である。 液面高さの変動量を説明する図である。 領域A内の位置関係を説明する図である。 流速および距離の関係を説明する図である。 抵抗上昇量および塩濃度の差の関係を示す図である。 抵抗上昇量を算出する処理を説明するフローチャートである。 流速および距離の関係を説明する図である。 二次電池の充放電を制御する処理を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施例について説明する。
本発明の電池システムについて、図1を用いて説明する。二次電池10は、正極ラインPLおよび負極ラインNLを介して、負荷20と接続されている。負荷20は、二次電池10から出力された電力を受けて動作する。また、負荷20は、発電を行うこともでき、負荷20によって生成された電力は、二次電池10に供給される。これにより、二次電池10が充電される。
図1に示す電池システムは、例えば、車両に搭載することができる。この場合には、複数の二次電池10を直列に接続した組電池を車両に搭載することができる。また、負荷20としては、モータ・ジェネレータを用いることができる。モータ・ジェネレータは、二次電池10から出力された電力を受けて、車両を走行させるための動力を生成することができる。モータ・ジェネレータが生成した動力は、車輪に伝達される。モータ・ジェネレータは、車両の制動時に発生する運動エネルギを電力に変換し、この電力を二次電池10に供給することができる。
電圧センサ31は、二次電池10の電圧値Vbを検出し、検出結果をコントローラ40に出力する。電流センサ32は、二次電池10の電流値Ibを検出し、検出結果をコントローラ40に出力する。本実施例において、二次電池10を放電しているときの電流値Ibを正の値とし、二次電池10を充電しているときの電流値Ibを負の値としている。
温度センサ33は、二次電池10の温度Tbを検出し、検出結果をコントローラ40に出力する。コントローラ40は、メモリ41を有する。メモリ41は、コントローラ40が所定の処理(特に、本実施例で説明する処理)を行うときに用いられる情報を記憶する。なお、メモリ41は、コントローラ40の外部に設けることもできる。
次に、二次電池10の構造について、図2を用いて説明する。図2において、X軸およびZ軸は、互いに直交する軸である。本実施例では、鉛直方向に相当する軸をZ軸としている。なお、X軸およびZ軸と直交する軸をY軸とする。
二次電池10は、電池ケース110および発電要素120を有する。電池ケース110は、発電要素120を収容している。電池ケース110は密閉状態となっており、電池ケース110の内部には、電解液130が注入されている。電池ケース110には負極端子111および正極端子112が固定されている。負極端子111および正極端子112は、発電要素120と電気的に接続されている。
発電要素120は、充放電を行う要素であり、図3に示すように、負極板(電極板)121と、正極板(電極板)122と、セパレータ123とを有する。図3は、発電要素120を展開した図である。負極板121は、集電箔121aと、集電箔121aの表面に形成された負極活物質層121bとを有する。負極活物質層121bは、負極活物質、導電剤、バインダーなどを含んでいる。負極活物質層121bは、集電箔121aの一部の領域に形成されており、集電箔121aの残りの領域には、負極活物質層121bが形成されていない。
正極板122は、集電箔122aと、集電箔122aの表面に形成された正極活物質層122bとを有する。正極活物質層122bは、正極活物質、導電剤、バインダーなどを含んでいる。正極活物質層122bは、集電箔122aの一部の領域に形成されており、集電箔122aの残りの領域には、正極活物質層122bが形成されていない。
ここで、負極活物質層121b、正極活物質層122bおよびセパレータ123には、電解液130がしみ込んでいる。この電解液130は、発電要素120の内部に存在する。一方、図2に示すように、発電要素120の外部、言い換えれば、発電要素120および電池ケース110の間に形成されたスペースにも、余剰液としての電解液130が存在している。
図3に示す順番で、負極板121、正極板122およびセパレータ123を積層し、この積層体をX軸の周りで図4に示す矢印Dの方向に巻くことにより、発電要素120が構成される。ここで、負極板121および正極板122の間には、セパレータ123が配置される。
X軸が延びる方向(X方向という)における発電要素120の一端では、負極板121の集電箔121aだけが巻かれている。集電箔121aだけが巻かれた部分は、図2に示す負極端子111と電気的に接続される。また、X方向における発電要素120の他端では、正極板122の集電箔122aだけが巻かれている。集電箔122aだけが巻かれた部分は、図2に示す正極端子112と電気的に接続される。
本実施例では、上述したように、積層体を巻くことにより、発電要素120を構成しているが、これに限るものではない。具体的には、積層体を巻かずに、負極板121、正極板122およびセパレータ123を積層しただけで、発電要素120を構成することもできる。
図4に示す領域Aは、負極活物質層121bおよび正極活物質層122bが対向する領域である。領域Aにおいて、二次電池10(発電要素120)の充放電に応じた化学反応が行われる。すなわち、領域Aは、二次電池10(発電要素120)の充放電に関与する領域である。ここで、X方向における領域Aの長さを2Lとする。
二次電池10では、電解液130中の塩濃度に偏りが発生することにより、二次電池10の内部抵抗値が上昇してしまう。このような内部抵抗値の上昇量を抵抗上昇量Dhとする。抵抗上昇量Dhは、二次電池10の劣化に伴う内部抵抗値の上昇量とは異なる。劣化に伴う内部抵抗値の上昇量は、増加するだけであり、減少することはない。一方、抵抗上昇量Dhは、塩濃度の偏りに依存するため、塩濃度が偏るほど、抵抗上昇量Dhが増加し、塩濃度の偏りが緩和されるほど、抵抗上昇量Dhが減少する。
塩濃度の偏りの状態としては、図5および図6に示す状態がある。図5は、負極板121および正極板122が対向する方向(Y方向)において、塩濃度の偏りが発生する状態を示す。図5では、負極板121、正極板122およびセパレータ123の位置関係を示す概略図(図5の上側の図)と、塩濃度の分布(一例)を示す図(図5の下側の図)とを表している。塩濃度分布を示す図において、縦軸は塩濃度であり、横軸はY方向における位置である。図5(上側の図)では、負極板121および正極板122がセパレータ123から離れているが、実際には、負極板121および正極板122がセパレータ123に接触している。図5(下側の図)に示すように、二次電池10の充電時では、塩濃度の偏りとして、実線で示す塩濃度の分布が発生する。また、二次電池10の放電時では、塩濃度の偏りとして、一点鎖線で示す塩濃度の分布が発生する。
なお、図5では、Y方向における塩濃度の偏りを示しているが、これに限るものではない。上述したように、本実施例の発電要素120では、負極板121および正極板122がX軸の周りで巻かれているため、負極板121(負極活物質層121b)および正極板122(正極活物質層122b)が対向する方向において、塩濃度の偏りが発生する。
二次電池10の充放電を行うときには、負極板121および正極板122の間において、負極板121および正極板122が対向する方向に塩が移動する。二次電池10がリチウムイオン二次電池であるとき、この塩はリチウム塩となる。負極板121および正極板122が対向する方向に塩が移動することによって、負極板121および正極板122が対向する方向において、塩濃度の偏りが発生する。
図6は、負極板121および正極板122のそれぞれの表面上(領域A上)において、塩濃度の偏りが発生する状態を示す。図6では、領域Aを含む負極板121の一部と、領域Aを含む正極板122の一部とを上下に分けて示している。図6の矢印で示すように、塩濃度の偏りは、領域A内において、X方向に発生しやすい。図6では、負極板121および正極板122のそれぞれにおいて、領域A内における塩濃度の分布(一例)も示している。塩濃度分布を示す図において、縦軸は塩濃度であり、横軸はX方向における位置である。ここで、二次電池10の充電時では、塩濃度の偏りとして、実線で示す塩濃度の分布が発生する。また、二次電池10の放電時では、塩濃度の偏りとして、一点鎖線で示す塩濃度の分布が発生する。
上述したように、X方向における発電要素120の両端部では、負極板121(集電箔121a)や正極板122(集電箔122a)がX軸の周りで巻かれているだけである。このため、X方向における発電要素120の両端部では、電解液130が通過しやすい。言い換えれば、発電要素120の内部から発電要素120の外部に向かって電解液130が移動したり、発電要素120の外部から発電要素120の内部に向かって電解液130が移動したりしやすい。
これにより、図6に示すように、領域A内のX方向において、塩濃度の偏りが発生しやすくなる。上述したように、負極板121、正極板122およびセパレータ123を積層しただけの構成であっても、発電要素120の内部から発電要素120の外部に向かって電解液130が移動したり、発電要素120の外部から発電要素120の内部に向かって電解液130が移動したりしやすい。
図5に示す塩濃度の偏りが発生すると、負極板121および正極板122のそれぞれの表面に沿って塩が移動する。これに伴い、図6に示す塩濃度の偏りが発生する。一方、図6に示す塩濃度の偏りは、図5に示す塩濃度の偏りによって発生するだけでなく、電解液130の液面が変動することによっても発生する。本実施例では、発電要素120の外部に存在する電解液(余剰液)130に関して、この液面の変動に着目している。二次電池10の充放電を行うと、電解液130の液面が変動し、この液面の変動によって、負極板121および正極板122のそれぞれの表面に沿って塩が移動する。これに伴い、図6に示す塩濃度の偏りが発生してしまう。
ここで、対向する負極板121および正極板122の間の距離(例えば、図5に示すY方向の距離)は、X方向における領域Aの長さLよりも短い。このため、図5に示す塩濃度の偏りは緩和されやすい。したがって、図6に示す塩濃度の偏りは、液面の変動に依存しやすい。そこで、本実施例では、液面の変動を把握して、図6に示す塩濃度の偏り(塩濃度の分布)を把握するようにしている。図6に示す塩濃度の偏りを把握すれば、抵抗上昇量Dhを把握することができる。
電解液130の液面の変動は、電流値(絶対値)Ibに依存する。二次電池10を充放電していないとき、言い換えれば、電流値Ibが0[A]であるとき、電解液130の液面は変動せず、液面は、図7の一点鎖線で示すように、水平面(X−Y平面)に沿った状態となる。図7の一点鎖線で示す液面は、発電要素120の外部に存在する電解液(余剰液)130の液面である。このとき、電解液130の液面の高さは、液面高さhrefとなる。液面高さhrefは、電池ケース110の底面(本発明の基準面に相当する)110aから電解液130の液面までの高さである。
一方、二次電池10に充電電流又は放電電流が流れ、電流値(絶対値)Ibが0[A]よりも大きくなると、電解液130の液面が変動する。これにより、図7の実線で示すように、電解液130の液面が波形状となる。図7の実線で示す液面は、発電要素120の外部に存在する電解液(余剰液)130の液面である。電解液(余剰液)130の液面の変動は、発電要素120の内部および外部の間で電解液130が移動することによって発生すると考えられる。ここで、底面110aから、電解液130の液面のうち最も高い頂点(本発明の基準点に相当する)P1までの高さ(最大高さ)を液面高さh1とする。液面が変動しているときの液面高さh1は、液面高さhrefよりも高くなる。液面が変動していないときの液面高さh1は、液面高さhrefと等しくなる。
0[A]よりも大きい任意の電流値(絶対値)Ibにおいて、二次電池10に電流(充電電流又は放電電流)が流れ続けると、液面高さh1が変動しにくくなる。このときの液面高さh1を上限値(本発明の限界値に相当する)hmaxとする。二次電池10に電流が流れていない状態から、任意の電流値(絶対値)Ibで二次電池10に電流が流れ続けると、液面高さh1は、液面高さhrefから上限値hmaxに変動する。上限値hmaxは、電流値(絶対値)Ibに依存する。具体的には、電流値(絶対値)Ibが大きくなるほど、上限値hmaxが高くなる。言い換えれば、電流値(絶対値)Ibが小さくなるほど、上限値hmaxが低くなる。
液面高さh1を監視し続ければ、液面高さh1の変動(すなわち、電解液130の液面の変動)を把握することができる。これにより、図6に示す塩濃度の偏りを把握して、抵抗上昇量Dhを把握することができる。
本実施例では、底面110aから頂点P1までの高さ(最大高さ)を液面高さh1としているが、これに限るものではない。具体的には、底面110aから、電解液130の液面のうち最も低い点P2(本発明の基準点に相当する、図7参照)までの高さ(最小高さ)を液面高さh2とすることもできる。この場合であっても、液面高さ(最小高さ)h2を監視し続ければ、液面高さh2の変動(すなわち、電解液130の液面の変動)を把握することができる。
液面高さh2を監視するときには、上述した上限値hmaxの代わりに、下限値(本発明の限界値に相当する)hminを用いることができる。上述したように、0[A]よりも大きい任意の電流値(絶対値)Ibにおいて、二次電池10に電流(充電電流又は放電電流)が流れ続けると、液面高さh2が変動しにくくなる。このときの液面高さh2が下限値hminとなる。
一方、本実施例では、底面110aから頂点P1までの高さ(最大高さ)を液面高さh1としているが、これに限るものではない。具体的には、液面高さ(本発明の基準面に相当する)hrefから頂点P1までの高さ(最大高さ)を液面高さh1とすることができる。すなわち、液面高さh1を規定するときには、底面110a又は液面高さhrefを基準にすることができる。また、液面高さ(最小高さ)h2を規定するときにも、底面110a又は液面高さhrefを基準にすることができる。
次に、抵抗上昇量Dhを算出する処理について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。図8に示す処理は、所定時間Δtの周期で繰り返し行われ、コントローラ40によって実行される。
ステップS101において、コントローラ40は、二次電池10の電流値Ibに基づいて上限値hmax(t+Δt)を算出する。ここで、「t」は前回の時間を示し、「t+Δt」は今回の時間を示している。
上限値hmaxおよび電流値Ibは、図9に示す関係(一例)を有する。図9において、縦軸は上限値hmaxであり、横軸は電流値Ibである。電流値Ibが0[A]であるときには、電解液130の液面が変動しないため、上限値hmaxは液面高さhrefとなる。電流値(絶対値)Ibが0[A]よりも大きいとき、上限値hmaxは液面高さhrefよりも高くなる。そして、電流値(絶対値)Ibが0[A]よりも大きくなるほど、上限値hmaxが上昇し、上限値hmaxおよび液面高さhrefの差が大きくなる。言い換えれば、電流値(絶対値)Ibが0[A]に近づくほど、上限値hmaxが低下し、上限値hmaxおよび液面高さhrefの差が小さくなる。
図9に示す上限値hmaxおよび電流値Ibの対応関係は、実験を行うことにより予め求めておくことができる。具体的には、透明な電池ケース110を備えた二次電池10を用意しておくことにより、液面高さh1を測定することができる。電流値Ibを変化させながら、上限値hmaxを測定すれば、電流値Ibおよび上限値hmaxの対応関係を特定することができる。
図9に示す対応関係は、マップ又は演算式として表すことができる。そして、図9に示す対応関係を特定する情報は、メモリ41に記憶しておくことができる。電流センサ32によって電流値Ibを検出すれば、この電流値Ibに対応した上限値hmaxを算出することができる。
なお、本実施例では、電流値Ibに基づいて上限値hmaxを算出しているが、これに限るものではない。ここで、上限値hmaxは、電流値Ibの他に、二次電池10の温度TbやSOC(State of Charge)によっても変動することがある。そこで、電流値Ibに加えて、温度TbおよびSOCの少なくとも一方に基づいて、上限値hmaxを算出することができる。
SOCとは、満充電容量に対する現在の充電容量の割合である。二次電池10のSOCは、公知の方法を用いて算出(推定)することができる。例えば、二次電池10のOCV(Open Circuit Voltage)およびSOCは、所定の対応関係がある。この対応関係を予め求めておけば、二次電池10のOCVを検出することにより、このOCVに対応するSOCを算出することができる。二次電池10のOCVは、電圧センサ31によって検出することができる。一方、二次電池10の電流値Ibを積算し続けることにより、二次電池10のSOCを算出することもできる。
温度Tbを変化させながら、図9に示す対応関係を予め求めておけば、電流値Ibおよび温度Tbに基づいて、上限値hmaxを算出することができる。ここで、温度Tbは、温度センサ33によって検出することができる。また、SOCを変化させながら、図9に示す対応関係を予め求めておけば、電流値IbおよびSOCに基づいて、上限値hmaxを算出することができる。さらに、温度Tb毎およびSOC毎に、図9に示す対応関係を予め求めておけば、電流値Ib、温度TbおよびSOCに基づいて、上限値hmaxを算出することができる。
ステップS102において、コントローラ40は、液面高さh1(t)が、ステップS101の処理で算出された上限値hmax(t+Δt)よりも低いか否かを判別する。ここで、液面高さh1(t)は、前回の処理(図8に示す処理)で算出された液面高さh1である。
液面高さh1(t)が上限値hmax(t+Δt)よりも低いとき、コントローラ40は、ステップS103において、今回の液面高さh1(t+Δt)を算出する。ここで、液面高さh1(t+Δt)は、下記式(1)に基づいて算出される。なお、tが「0」であるときの液面高さh1(0)は液面高さhrefとなる。
上記式(1)において、hmax(t+Δt)は、ステップS101の処理で算出された上限値hmaxである。Δtは、図8に示す処理を行う周期(所定時間)である。液面高さhrefは、予め求めておくことができる。例えば、電池ケース110に注入する電解液130の量(注入量)と、液面高さhrefとの対応関係を求めておけば、電解液130の注入量から液面高さhrefを特定することができる。
max1は、液面高さh1が液面高さhrefから上限値hmax(t+Δt)に到達するまでの時間である。時間tmax1は、上限値hmaxに応じて異なる。このため、ステップS103の処理では、ステップS101の処理で算出された上限値hmax(t+Δt)に対応する時間tmax1が用いられる。
時間tmax1および上限値hmaxの対応関係は、実験などによって予め求めておくことができる。これにより、上限値hmaxを算出することにより、この上限値hmaxに対応した時間tmax1を算出することができる。時間tmax1および上限値hmaxの対応関係は、マップ又は演算式として表すことができる。この対応関係を特定する情報は、メモリ41に記憶しておくことができる。
液面高さh1(t)が上限値hmax(t+Δt)よりも低ければ、所定時間Δtの間において、液面高さh1は上限値hmax(t+Δt)に向かって上昇する。すなわち、今回の液面高さh1(t+Δt)は、前回の液面高さh1(t)よりも高くなる。このため、上記式(1)に示すように、前回の液面高さh1(t)に対して、上記式(1)の右辺第2項の値(正の値)を加算することにより、今回の液面高さh1(t+Δt)を前回の液面高さh1(t)よりも高くしている。液面高さh1(t+Δt)が液面高さh1(t)よりも高くなるとき、液面高さh1を規定する頂点P1は、変動していない電解液(余剰液)130の液面から離れる方向に変化する。
ここで、所定時間Δtの間における液面高さh1の変動量(上昇量)は、上記式(1)の右辺第2項で表される。液面高さh1が上昇するときの速度が一定であると仮定すると、図10の直線L1で示すように、時間tmax1の間において、液面高さh1は一定の変動量で上昇する。そして、時間tmax1が経過したときには、液面高さh1が上限値hmaxに到達する。ここで、所定時間Δtの間では、液面高さh1の変動量がΔh1(t+Δt)となる。図10から分かるように、変動量Δh1(t+Δt)は、上記式(1)の右辺第2項によって表される。
ステップS102の処理において、前回の液面高さh1(t)が上限値hmax(t+Δt)以上であるとき、コントローラ40は、ステップS104において、今回の液面高さh1(t+Δt)を算出する。ここで、液面高さh1(t+Δt)は、下記式(2)に基づいて算出される。
上記式(2)において、τ1は、電解液130の液面の変動が安定するまでの時定数である。すなわち、τ1は、液面高さh1が液面高さh1(t)から上限値hmax(t+Δt)となるまでの時定数である。時定数τ1は、液面高さh1(t)および上限値hmax(t+Δt)の間の差Δhmax1に依存する。このため、ステップS104の処理では、ステップS101の処理で算出された上限値hmax(t+Δt)および液面高さh1(t)の間の差Δhmax1に対応する時定数τ1が用いられる。
差Δhmax1および時定数τ1の対応関係は、実験などによって予め求めておくことができる。これにより、差Δhmax1を算出することにより、この差Δhmax1に対応した時定数τ1を算出することができる。時定数τ1および差Δhmax1の対応関係は、マップ又は演算式として表すことができる。この対応関係を特定する情報は、メモリ41に記憶しておくことができる。
液面高さh1(t)が上限値hmax(t+Δt)以上であれば、所定時間Δtの間において、液面高さh1は、上限値hmax(t+Δt)のままか、上限値hmax(t+Δt)に向かって低下する。すなわち、今回の液面高さh1(t+Δt)は、前回の液面高さh1(t)以下となる。上記式(2)の右辺第2項では、上限値hmax(t+Δt)から液面高さh1(t)を減算しており、この値は、0又は負の値となる。このように、前回の液面高さh1(t)に対して、上記式(2)の右辺第2項の値(0又は負の値)を加算することにより、今回の液面高さh1(t+Δt)を前回の液面高さh1(t)以下としている。液面高さh1(t+Δt)が液面高さh1(t)よりも低くなるとき、液面高さh1を規定する頂点P1は、変動していない電解液(余剰液)130の液面に近づく方向に変化する。
ここで、所定時間Δtの間における液面高さh1の変動量(低下量)Δh1(t+Δt)は、上記式(2)の右辺第2項で表される。この変動量Δh1(t+Δt)は、図11に示す緩和曲線L2から算出される。緩和曲線L2は、液面の変動の緩和(液面高さh1の低下)によって、液面高さh1が液面高さh1(t)から上限値hmax(t+Δt)に到達するまでの軌跡を示す。図11から分かるように、所定時間Δtの間における変動量Δh1(t+Δt)は、上記式(2)の右辺第2項によって表される。
ステップS105において、コントローラ40は、変動量Δh1(t+Δt)を算出する。変動量Δh1(t+Δt)は、今回の液面高さh1(t+Δt)から前回の液面高さh1(t)を減算した値である。液面高さh1(t+Δt)としては、ステップS103又はステップS104の処理で算出された値が用いられる。
ステップS103の処理において、液面高さh1(t+Δt)を液面高さh1(t)よりも高くしたときには、変動量Δh1(t+Δt)は正の値となる。ステップS104の処理において、液面高さh1(t+Δt)を液面高さh1(t)以下としたときには、変動量Δh1(t+Δt)は0又は負の値となる。
なお、ステップS103又はステップS104の処理では、変動量Δh1(t+Δt)を既に算出している。このため、ステップS105の処理では、ステップS103又はステップS104の処理で算出された変動量Δh1(t+Δt)を用いることもできる。ここで、上記式(1)の右辺第2項の値や、上記式(2)の右辺第2項の値が変動量Δh1(t+Δt)となる。
ステップS106において、コントローラ40は、ステップS105の処理で算出された変動量Δh1(t+Δt)から流速Vfを算出する。流速Vfは、変動量Δh1(t+Δt)に応じて、発電要素120の内部で電解液130が移動するときの流速である。流速Vfは、下記式(3)に基づいて算出することができる。
上記式(3)において、Vf_facは、変動量Δh1(t+Δt)を流速Vfに換算するための係数である。dは、図12に示すように、X方向における領域Aの中心部Cからの距離(X方向の距離)を示す。図12は、図6に示す負極板121および正極板122を重ねて表した図である。領域Aの中心部Cでは、距離dが「0」となる。X方向における領域Aの一端部E1では、距離dを「+L」(正の値)とし、X方向における領域Aの他端部E2では、距離dを「−L」(負の値)としている。中心部Cから端部E1までの距離は、中心部Cから端部E2までの距離と等しい。
図12において、中心部Cよりも右側の領域A1において、X方向における位置に応じて、距離dは、0から「+L」の範囲内で変化する。また、中心部Cよりも左側の領域A2において、X方向における位置に応じて、距離dは、0から「−L」の範囲内で変化する。上記式(3)に示すように、流速Vfは、X方向における領域A内の位置(距離d)毎に算出される。
上記式(3)によれば、距離dおよび流速Vfの関係は、図13に示す関係となる。図13に示す直線(実線)L3は、変動量Δh1(t+Δt)が正の値であるときにおいて、距離dおよび流速Vfの関係を示す。ここで、距離dが負の値であるとき、流速Vfが負の値になるが、実際の流速Vfは、流速(負の値)Vfの絶対値となる。このため、図13に示す直線L3は、中心部Cから各端部E1,E2に近づくほど、流速Vfが増加することを示している。電解液130が中心部Cから各端部E1,E2に向かって移動するとき、言い換えれば、電解液130が発電要素120の内部から発電要素120の外部に向かって移動するとき、液面高さh1が上昇する。これに伴い、変動量Δh1(t+Δt)が正の値になる。このため、直線L3上の流速Vfは、電解液130が発電要素120の内部から外部に向かって移動するときの流速となる。ここで、電解液130の移動方向はX方向である。
図13に示す直線(一点鎖線)L4は、変動量Δh1(t+Δt)が負の値であるときにおいて、距離dおよび流速Vfの関係を示す。ここで、距離dが正の値であるとき、流速Vfが負の値になるが、実際の流速Vfは、流速(負の値)Vfの絶対値となる。このため、図13に示す直線L4は、中心部Cから各端部E1,E2に近づくほど、流速Vfが増加することを示している。電解液130が各端部E1,E2から中心部Cに向かって移動するとき、言い換えれば、電解液130が発電要素120の外部から発電要素120の内部に向かって移動するとき、液面高さh1が低下する。これに伴い、変動量Δh1(t+Δt)が負の値になる。このため、直線L4上の流速Vfは、電解液130が発電要素120の外部から内部に向かって移動するときの流速となる。ここで、電解液130の移動方向はX方向である。
ここで、各端部E1,E2における電解液130は、発電要素120の外部に存在する電解液130と隣り合っている。このため、各端部E1,E2における電解液130の変動量は、発電要素120の外部に存在する電解液130の変動量Δh1(t+Δt)と等しくなる。したがって、各端部E1,E2での流速(絶対値)Vfは「Δh1(t+Δt)×Vf_fac」となる。
一方、各端部E1,E2から中心部Cに向かうほど、電解液130は移動しにくくなる。このため、図13の直線L3,L4に示すように、各端部E1,E2から中心部Cに向かうほど、流速(絶対値)Vfが低下する。そして、中心部Cの流速Vfを「0」とみなすことができる。
ステップS107において、コントローラ40は、ステップS106の処理で算出された流速Vfに基づいて、負極板121および正極板122のそれぞれの表面上における塩濃度を算出する。具体的には、下記式(4)に基づいて塩濃度が算出される。
上記式(4)において、εejは電解液130の体積分率であり、cejは電解液130中の塩濃度である。流速Vfとしては、ステップS106の処理で算出された値が用いられる。Dej effは、電解液130の実効拡散係数であり、t は電解液130中の塩の輸率である。Fはファラデー定数であり、jは、単位体積および単位時間において、電解液130中の塩の生成量である。なお、添え字jは、負極および正極を区別するものである。
上記式(4)の左辺第1項は、所定時間Δtにおける塩濃度の変化を規定している。上記式(4)の左辺第2項は、電解液130の流れ(流速Vf)に依存する塩濃度の変化を規定している。上記式(4)の右辺第1項は、電解液130中の塩の拡散状態を規定している。上記式(4)の右辺第2項は、塩の生成量を規定している。ここで、二次電池10の放電時では、負極板121の表面において塩が生成され、二次電池10の充電時では、正極板122の表面において塩が生成される。
上記式(4)を解くことにより、負極板121および正極板122のそれぞれの表面上における塩濃度cを算出することができる。ここで、流速Vfとしては、距離dに応じた流速Vfが用いられるため、上記式(4)を解くことにより、距離dに応じた塩濃度cを算出することができる。
これにより、X方向における領域A内の位置(距離d)に応じた塩濃度cを算出することができる。言い換えれば、X方向における塩濃度cの分布を算出することができる。塩濃度cの分布を算出すれば、塩濃度cの差(最大差)Δc_maxを算出することができる。差Δc_maxは、塩濃度(最大値)cおよび塩濃度(最小値)cの差である。
ステップS108において、コントローラ40は、抵抗上昇量Dhを算出する。図14に示すように、抵抗上昇量Dhおよび塩濃度cの差Δc_maxの対応関係を予め求めておけば、差Δc_maxを算出することにより、この差Δc_maxに対応した抵抗上昇量Dhを算出することができる。図14に示すように、差Δc_maxが大きくなるほど、抵抗上昇量Dhが大きくなる。言い換えれば、差Δc_maxが小さくなるほど、抵抗上昇量Dhが小さくなる。
上述したように、差Δc_maxは、ステップS107の処理で算出された塩濃度cの分布に基づいて算出することができる。抵抗上昇量Dhおよび差Δc_maxの対応関係は、マップ又は演算式として表すことができる。そして、この対応関係を特定する情報は、メモリ41に記憶しておくことができる。図8に示す処理では、所定時間Δtが経過するたびに、抵抗上昇量Dhが算出される。これに伴い、抵抗上昇量Dhの変化を把握することができる。
図8に示す処理では、上限値hmaxを算出しているが、上述したように、上限値hmaxの代わりに、下限値hminを用いることもできる。この場合において、抵抗上昇量Dhを算出する処理について、図15に示すフローチャートを用いて説明する。図15に示す処理は、図8に示す処理に対応している。以下では、図8に示す処理と異なる処理について、主に説明する。
ステップS201において、コントローラ40は、二次電池10の電流値Ibに基づいて下限値hmin(t+Δt)を算出する。下限値hminおよび電流値Ibは、図9に示す関係(一例)と逆の関係となる。すなわち、電流値(絶対値)Ibが0[A]よりも大きいとき、下限値hminは液面高さhrefよりも低くなる。ここで、電流値(絶対値)Ibが0[A]よりも大きくなるほど、下限値hminおよび液面高さhrefの差が大きくなる。言い換えれば、電流値(絶対値)Ibが0[A]に近づくほど、下限値hminおよび液面高さhrefの差が小さくなる。
下限値hminおよび電流値Ibの対応関係を予め求めておけば、電流値Ibを検出することにより、この電流値Ibに対応した下限値hminを算出することができる。なお、電流値Ibに加えて、温度TbおよびSOCの少なくとも一方に基づいて、下限値hminを算出することもできる。この場合には、電流値Ibと、温度TbおよびSOCの少なくとも一方と、下限値hminとの対応関係を予め求めておけばよい。
ステップS202において、コントローラ40は、前回の液面高さh2(t)が、ステップS201の処理で算出された下限値hmin(t+Δt)よりも高いか否かを判別する。液面高さh2(t)が下限値hmin(t+Δt)よりも高いとき、コントローラ40は、ステップS203において、今回の液面高さh2(t+Δt)を算出する。ここで、液面高さh2(t+Δt)は、下記式(5)に基づいて算出される。
上記式(5)において、hmin(t+Δt)は、ステップS201の処理で算出された下限値hminである。Δtは、図15に示す処理を行う周期(所定時間)である。tmax2は、液面高さh2が液面高さhrefから下限値hmin(t+Δt)に到達するまでの時間である。時間tmax2は、下限値hminに応じて異なる。このため、ステップS203の処理では、ステップS201の処理で算出された下限値hmin(t+Δt)に対応する時間tmax2が用いられる。時間tmax2および下限値hminの対応関係を予め求めておけば、下限値hminを算出することにより、この下限値hminに対応した時間tmax2を算出することができる。
液面高さh2(t)が下限値hmin(t+Δt)よりも高ければ、所定時間Δtの間において、液面高さh2は下限値hmin(t+Δt)に向かって低下する。すなわち、今回の液面高さh2(t+Δt)は、前回の液面高さh2(t)よりも低くなる。上記式(5)の右辺第2項において、下限値hmin(t+Δt)は液面高さhrefよりも低いため、右辺第2項の値は負の値となる。したがって、上記式(5)によれば、今回の液面高さh2(t+Δt)を前回の液面高さh2(t)よりも低くしている。液面高さh2(t+Δt)が液面高さh2(t)よりも低くなるとき、液面高さh2を規定する点P2は、変動していない電解液(余剰液)130の液面から離れる方向に変化する。
ここで、所定時間Δtの間における液面高さh2の変動量(低下量)は、上記式(5)の右辺第2項で表される。ここでは、上記式(1)と同様に、液面高さh2が低下するときの速度が一定であると仮定している。
ステップS202の処理において、前回の液面高さh2(t)が下限値hmin(t+Δt)以下であるとき、コントローラ40は、ステップS204において、今回の液面高さh2(t+Δt)を算出する。ここで、液面高さh2(t+Δt)は、下記式(6)に基づいて算出される。
上記式(6)において、τ2は、電解液130の液面の変動が安定するまでの時定数である。すなわち、τ2は、液面高さh2が液面高さh2(t)から下限値hmin(t+Δt)となるまでの時定数である。時定数τ2は、液面高さh2(t)および下限値hmin(t+Δt)の間の差Δhmax2に依存する。このため、ステップS204の処理では、ステップS201の処理で算出された下限値hmin(t+Δt)および液面高さh2(t)の間の差Δhmax2に対応する時定数τ2が用いられる。差Δhmax2および時定数τ2の対応関係を予め求めておけば、差Δhmax2を算出することにより、この差Δhmax2に対応した時定数τ2を算出することができる。
液面高さh2(t)が下限値hmin(t+Δt)以下であれば、所定時間Δtの間において、液面高さh2は、下限値hmin(t+Δt)のままか、下限値hmin(t+Δt)に向かって上昇する。すなわち、今回の液面高さh2(t+Δt)は、前回の液面高さh2(t)以上となる。所定時間Δtの間における液面高さh2の変動量(上昇量)は、上記式(6)の右辺第2項で表される。上記式(6)の右辺第2項に関して、液面高さh2(t)は下限値hmin(t+Δt)以下であるため、右辺第2項の値は0又は負の値となる。上記式(6)によれば、今回の液面高さh2(t+Δt)を前回の液面高さh2(t)以上としている。液面高さh2(t+Δt)が液面高さh2(t)よりも高くなるとき、液面高さh2を規定する点P2は、変動していない電解液(余剰液)130の液面に近づく方向に変化する。
ステップS205において、コントローラ40は、変動量Δh2(t+Δt)を算出する。変動量Δh2(t+Δt)は、今回の液面高さh2(t+Δt)から前回の液面高さh2(t)を減算した値である。液面高さh2(t+Δt)としては、ステップS203又はステップS204の処理で算出された値が用いられる。
ステップS203の処理において、液面高さh2(t+Δt)を液面高さh2(t)よりも低くしたときには、変動量Δh2(t+Δt)は負の値となる。ステップS204の処理において、液面高さh2(t+Δt)を液面高さh2(t)以上としたときには、変動量Δh2(t+Δt)は0又は正の値となる。
なお、ステップS203又はステップS204の処理では、変動量Δh2(t+Δt)を既に算出している。このため、ステップS205の処理では、ステップS203又はステップS204の処理で算出された変動量Δh2(t+Δt)を用いることもできる。ここで、上記式(5)の右辺第2項の値や、上記式(6)の右辺第2項の値が変動量Δh2(t+Δt)となる。
ステップS206において、コントローラ40は、ステップS205の処理で算出された変動量Δh2(t+Δt)から流速Vfを算出する。流速Vfは、下記式(7)に基づいて算出することができる。下記式(7)に示すように、流速Vfは、X方向における領域A内の位置(距離d)毎に算出される。
上記式(7)によれば、距離dおよび流速Vfの関係は、図16に示す関係となる。図16に示す直線(実線)L5は、変動量Δh2(t+Δt)が負の値であるときにおいて、距離dおよび流速Vfの関係を示す。ここで、距離dが正の値であるとき、流速Vfが負の値になるが、実際の流速Vfは、流速(負の値)Vfの絶対値となる。このため、図16に示す直線L5は、中心部Cから各端部E1,E2に近づくほど、流速Vfが増加することを示している。電解液130が中心部Cから各端部E1,E2に向かって移動するとき、言い換えれば、電解液130が発電要素120の内部から発電要素120の外部に向かって移動するとき、液面高さh2が低下する。これに伴い、変動量Δh2(t+Δt)が負の値になる。このため、直線L5上の流速Vfは、電解液130が発電要素120の内部から外部に向かって移動するときの流速となる。ここで、電解液130の移動方向はX方向である。
図16に示す直線(一点鎖線)L6は、変動量Δh2(t+Δt)が正の値であるときにおいて、距離dおよび流速Vfの関係を示す。ここで、距離dが負の値であるとき、流速Vfが負の値になるが、実際の流速Vfは、流速(負の値)Vfの絶対値となる。このため、図16に示す直線L6は、中心部Cから各端部E1,E2に近づくほど、流速Vfが増加することを示している。電解液130が各端部E1,E2から中心部Cに向かって移動するとき、言い換えれば、電解液130が発電要素120の外部から発電要素120の内部に向かって移動するとき、液面高さh2が上昇する。これに伴い、変動量Δh2(t+Δt)が正の値になる。このため、直線L6上の流速Vfは、電解液130が発電要素120の外部から内部に向かって移動するときの流速となる。ここで、電解液130の移動方向はX方向である。
上述したように、各端部E1,E2における電解液130の変動量は、発電要素120の外部に存在する電解液130の変動量Δh2(t+Δt)と等しくなる。したがって、各端部E1,E2での流速(絶対値)Vfは「Δh2(t+Δt)×Vf_fac」となる。一方、各端部E1,E2から中心部Cに向かうほど、電解液130は移動しにくくなる。このため、図16の直線L5,L6に示すように、各端部E1,E2から中心部Cに向かうほど、流速(絶対値)Vfが低下する。そして、中心部Cの流速Vfを「0」とみなすことができる。
ステップS207の処理は、ステップS107の処理と同じである。すなわち、上記式(4)に基づいて塩濃度cが算出される。ここで、流速Vfとしては、距離dに応じた流速Vfが用いられるため、上記式(4)を解くことにより、距離dに応じた塩濃度cを算出することができる。これにより、X方向における領域A内の位置に応じた塩濃度cを算出することができる。言い換えれば、X方向における塩濃度cの分布を算出することができる。
ステップS208の処理は、ステップS108の処理と同じである。すなわち、塩濃度cの分布から差Δc_maxが算出され、この差Δc_maxに対応した抵抗上昇量Dhが算出される。
本実施例では、例えば、所定時間Δtの間に、液面高さh1(t+Δt)が上限値hmax(t+Δt)に到達していないことを考慮して、変動量Δh1(t+Δt)を算出しているが、これに限るものではない。例えば、電流値Ibを検出するたびに、図9に示す対応関係を用いて、検出した電流値Ibに対応する上限値hmax(t+Δt)を今回の液面高さh1(t+Δt)とみなすこともできる。この場合には、図8に示すステップS102〜ステップS104の処理が省略され、電流値Ibから液面高さh1(t+Δt)を算出できる。
また、図8に示すステップS105の処理では、今回の液面高さh1(t+Δt)が上限値hmax(t+Δt)となり、前回の液面高さh1(t)が上限値hmax(t)となる。このため、上限値hmax(t+Δt)から上限値hmax(t)を減算することにより、変動量Δh1(t+Δt)が算出される。このように、前回および今回における電流値Ibに基づいて、変動量Δh1(t+Δt)を算出することができる。なお、上限値hmax(t+Δt)を特定するときには、上述したように、電流値Ibだけでなく、二次電池10のSOCや温度Tbを考慮することができる。
また、同様の方法によって、変動量Δh2(t+Δt)を算出することができる。具体的には、電流値Ibを検出するたびに、検出した電流値Ibに対応する下限値hmin(t+Δt)を今回の液面高さh2(t+Δt)とみなすことができる。この場合には、図15に示すステップS202〜ステップS204の処理が省略され、電流値Ibから液面高さh2(t+Δt)を算出できる。
また、図15に示すステップS205の処理では、今回の液面高さh2(t+Δt)が下限値hmin(t+Δt)となり、前回の液面高さh2(t)が下限値hmin(t)となる。このため、下限値hmin(t+Δt)から下限値hmin(t)を減算することにより、変動量Δh2(t+Δt)が算出される。このように、前回および今回における電流値Ibに基づいて、変動量Δh2(t+Δt)を算出することができる。なお、下限値hmin(t+Δt)を特定するときには、上述したように、電流値Ibだけでなく、二次電池10のSOCや温度Tbを考慮することができる。
ここで、本実施例のように液面高さh1(t+Δt)を算出することにより、液面高さh1(t+Δt)の詳細な変動を把握しやすくなる。特に、二次電池10を充放電するときにおいて、電流値Ibが変化しやすい状況であれば、電流値Ibの変化に応じた液面高さh1(t+Δt)の変動を把握しやすくなる。これに伴い、液面高さh1(t),h1(t+Δt)から塩濃度cの分布を算出するときにおいて、塩濃度cの詳細な分布を把握することができる。そして、塩濃度cの詳細な分布を把握することにより、抵抗上昇量Dhの詳細な変化を把握することができる。
抵抗上昇量Dhを算出したときには、この抵抗上昇量Dhに基づいて、二次電池10の充放電を制御することができる。ここで、二次電池10の充放電を制御するときの処理(一例)について、図17に示すフローチャートを用いて説明する。図17に示す処理は、コントローラ40によって実行される。
ステップS301において、コントローラ40は、抵抗上昇量Dhが閾値Dh_thよりも大きいか否かを判別する。閾値Dh_thは、抵抗上昇量Dhの上限値であり、二次電池10の劣化を抑制する観点に基づいて適宜設定することができる。閾値Dh_thを特定する情報は、メモリ41に記憶しておくことができる。
抵抗上昇量Dhが閾値Dh_th以上であるとき、コントローラ40は、ステップS302において、充電電力許容値Winや放電電力許容値Woutを低下させる。充電電力許容値Winは、二次電池10の充電を許容する上限の電力値であり、放電電力許容値Woutは、二次電池10の放電を許容する上限の電力値である。
上述したように、二次電池10を充電したときの電流値Ibは負の値となるため、充電電力も負の値となる。二次電池10を充電するときには、充電電力(絶対値)が充電電力許容値(絶対値)Winよりも高くならないように充電が制御される。また、組電池10を放電するときには、放電電力が放電電力許容値Woutよりも高くならないように放電が制御される。
二次電池10の温度TbやSOCに基づいて、基準値としての充電電力許容値Win_refや放電電力許容値Wout_refが設定される。ステップS202の処理では、充電電力許容値(絶対値)Winを充電電力許容値(絶対値)Win_refよりも低下させたり、放電電力許容値Woutを放電電力許容値Wout_refよりも低下させたりする。充電電力許容値Winや放電電力許容値Woutを低下させることにより、抵抗上昇量Dhの増加を抑制することができる。
抵抗上昇量Dhが閾値Dh_thよりも小さいとき、コントローラ40は、図17に示す処理を終了する。このとき、充電電力許容値Winとしては、上述した充電電力許容値Win_refが設定され、放電電力許容値Woutとしては、上述した放電電力許容値Wout_refが設定される。
抵抗上昇量Dhの詳細な変化を把握できないと、ステップS302の処理によって、充電電力許容値Winや放電電力許容値Woutを低下させる前に、抵抗上昇量Dhが閾値Dh_thよりも大きくなりすぎてしまうおそれがある。上述したように、抵抗上昇量Dhの詳細な変化を把握できれば、抵抗上昇量Dhが閾値Dh_thよりも大きくなりすぎてしまう前に、充電電力許容値Winや放電電力許容値Woutを低下させることができる。
10:二次電池、20:負荷、31:電圧センサ、32:電流センサ、
33:温度センサ、40:コントローラ、41:メモリ、110:電池ケース、
111:負極端子、112:正極端子、120:発電要素、130:電解液

Claims (4)

  1. 充放電を行う発電要素および電解液が電池ケースに収容された二次電池と、
    前記二次電池の電流値を検出する電流センサと、
    前記電解液中の塩濃度の偏りに伴って前記二次電池の内部抵抗値が上昇するときの抵抗上昇量を算出するコントローラと、を有し、
    前記コントローラは、
    前記発電要素の外部に存在する前記電解液の液面に関して、基準面から前記液面上の基準点までの高さを示す液面高さを、前記電流センサによって検出された前記電流値に基づいて算出し、
    変動していない前記液面から前記基準点が離れる方向に前記液面高さが変動するとき、この液面高さの変動量に基づいて、前記発電要素の内部から前記発電要素の外部に向かって前記電解液が移動するときの流速を、前記電解液の移動方向における前記発電要素内の位置毎に算出し、
    変動していない前記液面に前記基準点が近づく方向に前記液面高さが変動するとき、この液面高さの変動量に基づいて、前記発電要素の外部から前記発電要素の内部に向かって前記電解液が移動するときの流速を、前記電解液の移動方向における前記発電要素内の位置毎に算出し、
    前記位置毎の前記流速と、前記電解液中の塩の拡散状態と、前記発電要素の充放電に伴う前記電解液中の塩の生成量とに基づいて、前記発電要素を構成する電極板のうち、充放電に関与する表面上における前記塩濃度の分布を算出し、
    前記塩濃度の最大差および前記抵抗上昇量の対応関係を用いて、算出した前記分布から特定される前記塩濃度の最大差に対応する前記抵抗上昇量を算出する、
    ことを特徴とする電池システム。
  2. 前記コントローラは、算出した前記二次電池のSOCおよび、温度センサを用いて検出した前記二次電池の温度の少なくとも一方と、前記電流値とに基づいて、前記液面高さを算出することを特徴とする請求項1に記載の電池システム。
  3. 前記コントローラは、
    所定時間を周期として、前記液面高さを算出し、今回算出した前記液面高さから前回算出した前記液面高さを減算して前記変動量を算出し、
    前記液面高さを算出するとき、
    前記液面高さの限界値および前記電流値の対応関係を用いて、前記電流センサによって検出された前記電流値に対応する前記限界値を算出し、
    算出した前記限界値に前記液面高さが到達するまでの間における前記所定時間内の前記液面高さの変動量を、前回の前記液面高さに加算することにより、今回の前記液面高さを算出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電池システム。
  4. 前記コントローラは、
    前記二次電池のSOCおよび温度の少なくとも一方の情報を取得し、
    前記電流値、前記情報および前記限界値の対応関係を用いて、前記電流センサによって検出された前記電流値と、取得した前記情報とに対応する前記限界値を算出する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の電池システム。
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