JP6102467B2 - 課電式電路事故探査レーダ - Google Patents

課電式電路事故探査レーダ Download PDF

Info

Publication number
JP6102467B2
JP6102467B2 JP2013092393A JP2013092393A JP6102467B2 JP 6102467 B2 JP6102467 B2 JP 6102467B2 JP 2013092393 A JP2013092393 A JP 2013092393A JP 2013092393 A JP2013092393 A JP 2013092393A JP 6102467 B2 JP6102467 B2 JP 6102467B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mhz
accident
accident point
antennas
pair
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013092393A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013253966A (ja
Inventor
祥明 斉藤
祥明 斉藤
田島 豊
豊 田島
将介 岩野
将介 岩野
鈴木 大介
大介 鈴木
昌史 手塚
昌史 手塚
仁志 大平
仁志 大平
佐藤 恵一
恵一 佐藤
晴生 田家
晴生 田家
拓也 星川
拓也 星川
雅博 矢村
雅博 矢村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electric Power Co Inc
Original Assignee
Tokyo Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electric Power Co Inc filed Critical Tokyo Electric Power Co Inc
Priority to JP2013092393A priority Critical patent/JP6102467B2/ja
Publication of JP2013253966A publication Critical patent/JP2013253966A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6102467B2 publication Critical patent/JP6102467B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、停電状態の配電線に高電圧パルスを印加して放電性地絡事故点を探査する課電式電路事故探査レーダに関する。
課電式電路事故探査レーダは、停電状態の配電線に課電装置から高電圧パルスを印加し、この高電圧パルスにより、配電線路から放射される電磁波を2個のアンテナで検出して放電性地絡事故点を探査するものである。
図13は、従来の課電式電路事故探査レーダの一例を示す構成図である。いま、配電線11の事故点Fで地絡事故が発生したとすると配電線11は停電状態となる。配電線11が停電状態となると、点検保守員は事故点Fの探査を行うにあたり、まず、停電状態の配電線11に課電装置12から周期的に高電圧パルスを印加する。この高電圧パルスは事故点Fで地絡放電して配電線11に電流Iが流れ、この電流Iにより発生する電磁波Sが配電線11から放射される。この電磁波Sを2個のアンテナ13a、13bで検出して、その検出時間の時間差により事故点Fの方向を決定する。
2個のアンテナ13a、13bは、例えば、ループアンテナであり自動車14に搭載される。図13に示すように、事故点Fが2個のアンテナ13a、13bを搭載した自動車14の前方にあるときは、アンテナ13aがアンテナ13bより先に電磁波Sを検出する。一方、事故点Fが自動車14の後方にあるときは、アンテナ13bがアンテナ13aより先に電磁波Sを検出する。そこで、2個のアンテナ13a、13bの電磁波の検出時間差により事故点Fの方向を決定する。
ここで、課電式電路事故探査レーダとして、事故点Fから配電線11を伝搬してくる電流Iにより発生する電磁波Sの外来ノイズを除去して、事故点の探査精度を高めたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開昭63−243771号公報
しかし、従来のものでは、1つの共振点(例えば、1.4MHzの固定周波数)を有するアンテナ13a、13bを用いて、高電圧パルスによる配電線11の電磁波を検出するようにしているので、必ずしも事故点を精度よく検出できるものではない。これは、事故点で発生する高圧パルスにより電磁波(発信電磁波)の周波数が事故状況に応じて変動するからである。
図14は、従来のアンテナでの電磁波の検出信号の一例のグラフである。図14では、アンテナの共振点(1.4MHzの固定周波数)を中心とした1〜2MHzの範囲の検出信号を示している。図14の曲線C1はアンテナの感度であり、共振周波数1.4MHzのときの感度が最大である。曲線C2は電磁波の磁界の大きさである。曲線C3はアンテナの検出信号(出力電圧)である。
また、図14では事故点Fの発信電磁波Sの周波数が1.8MHzであり、周波数1.3MHzや1.6MHzのノイズがある場合を示している。この場合、共振点が1.4MHzのアンテナであるので、周波数1.3MHzや1.6MHzのノイズが事故点Fの1.8MHzの発信電磁波の強度と同等以上に検出される。従って誤検出の原因となる。
このように、アンテナは1.4MHzの固定周波数で共振させているが、事故状況に応じて発信電磁波の周波数は変化するので、事故点Fの発信電磁波の周波数が1.4MHzからずれていると、その発信電磁波以外のノイズ電磁波も同帯域で発生していることから、発信電磁波を分別することが難しい。
本発明の目的は、事故点の発信電磁波の周波数帯域を精度よく特定し、事故点を精度よく探査できる課電式電路事故探査レーダを提供することである。
請求項1の発明に係る課電式電路事故探査レーダは、停電状態の配電線に課電装置から高電圧パルスを印加し、高電圧パルスによる事故点での地絡放電により発生する電磁波を一対のアンテナで検出し、この一対のアンテナの出力電圧の時間差に基づいて事故点の方向を判別する課電式電路事故探査レーダにおいて、前記高電圧パルスによる事故点での地絡放電により発生する電磁波を複数の共振周波数を用いて検出する一対のアンテナと、前記一対のアンテナの検出信号を高速フーリエ変換し一対のアンテナの出力電圧が最も大きい共振周波数を検出するFFT解析装置と、前記FFT解析装置で検出された最も出力電圧が大きい共振周波数を事故点共振周波数と判断しその事故点共振周波数での一対のアンテナの出力電圧の時間差に基づいて事故点の方向を判別する演算処理装置と、前記演算処理装置で判別された事故点の方向を表示出力する表示装置とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明に係る課電式電路事故探査レーダは、請求項1の発明において、前記演算処理装置は、前記FFT解析装置で検出された事故点共振周波数を前記表示装置に表示出力することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、一対のアンテナで複数の共振周波数を用いて事故点の発信電磁波を検出し、一対のアンテナの検出信号を高速フーリエ変換し一対のアンテナの出力電圧が最も大きい共振周波数を事故点共振周波数として検出するので、事故点の発信電磁波の周波数帯域を精度よく特定できる。そして、その事故点共振周波数の発信電磁波の事故点共振周波数での一対のアンテナの出力電圧の時間差に基づいて事故点の方向を判別するので、事故点を精度よく探査できる。
請求項2の発明によれば、事故点共振周波数を表示装置に表示出力するので、事故の様相の推定に役立たせることができる。
本発明の第1実施形態に係る課電式電路事故探査レーダの一例を示す構成図。 本発明の第1実施形態における複数の帯域を検出可能としたアンテナの感度の説明図。 本発明の第1実施形態のFFT解析装置18で分析した周波数帯域の電磁波強度の一例を示す波形図。 本発明の第1実施形態に係る課電式電路事故探査レーダを用いての事故探査の説明図。 本発明の第1実施形態に係る課電式電路事故探査レーダを用いた事故探査で事故点が点検保守員の前方にある場合の電磁波の検出信号の一例を示す波形図。 本発明の第1実施形態に係る課電式電路事故探査レーダを用いた事故探査で事故点が点検保守員の後方にある場合の電磁波の検出信号の一例を示す波形図。 本発明の第2実施形態において調査した各種の環境ごとの環境ノイズの一例を示す波形図。 本発明の第2実施形態において地絡事故の様相別の検証実験により得られた電磁波の一例の波形図。 本発明の第2実施形態において事故点からの距離が一定で配電線の亘長を変化させた場合の検証実験により得られた電磁波の一例の波形図。 本発明の第2実施形態において配電線の亘長が一定で事故点からの距離を変化させた場合の検証実験により得られた電磁波の一例の波形図。 本発明の第2実施形態における複数の帯域を検出可能としたアンテナの感度の一例の説明図。 本発明の第2実施形態における複数の帯域を検出可能としたアンテナの感度の他の一例の説明図。 従来の課電式電路事故探査レーダの一例を示す構成図。 従来のアンテナでの電磁波の検出信号の一例のグラフ。
以下、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る課電式電路事故探査レーダの一例を示す構成図である。課電式電路事故探査レーダは、一対のアンテナ13a、13bと探査レーダ本体15とから構成される。一対のアンテナ13a、13bは、課電装置からの高電圧パルスによる事故点での地絡放電により発生する電磁波(発信電磁波)を複数の共振周波数を用いて検出するものである。すなわち、アンテナにはチューニングダイヤル16a、16bが設けられ、複数の帯域の電磁波を検出できるようにしている。
図2は、本発明の第1実施形態における複数の帯域を検出可能としたアンテナの感度の説明図である。曲線C11はチューニングダイヤル16a、16bを1.0MHzとしたときの感度、曲線C12はチューニングダイヤル16a、16bを1.2MHzとしたときの感度、曲線C13はチューニングダイヤル16a、16bを1.4MHzとしたときの感度、曲線C14はチューニングダイヤル16a、16bを1.6MHzとしたときの感度、曲線C15はチューニングダイヤル16a、16bを1.8MHzとしたときの感度、曲線C16はチューニングダイヤル16a、16bを2.0MHzとしたときの感度である。
このように、1つの電磁波強度の断面に対して、複数の帯域を設けることで、図2に示すように、共振点が1.0MHz、1.2MHz、1.4MHz、1.6MHz、1.8MHz、2.0MHzの6つの複数断面で電磁波を捉えることができる。図2では6つの複数断面で電磁波を捉える場合について説明したが、6つ以上あるいは6つ以下の複数断面で電磁波を捉えるようにしてもよい。
アンテナ13a、13bで検出された電磁波強度は探査レーダ本体15の入力装置17に入力される。入力装置17は、アンテナ13a、13bで検出された電磁波強度(出力電圧)を所定周期でサンプリングして取り込み、FFT解析装置18に出力する。FFT解析装置18は、一対のアンテナ13a、13bの検出信号を高速フーリエ変換し一対のアンテナ13a、13bの出力電圧が最も大きい共振周波数を事故点共振周波数として検出する。
図3は、本発明の第1実施形態のFFT解析装置18で分析した周波数帯域の電磁波強度の一例を示す波形図である。図3では、図14の曲線C2で示す電磁波を分析した結果を示している。図14の曲線C2で示す電磁波では、周波数1.3MHzや1.6MHzのノイズが事故点Fの1.8MHzの発信電磁波とともに含まれているが、FFT解析装置18で分析すると、図3に示すように、最も電磁波強度が強い事故点Fの周波数が1.8MHzとして検波できる。
演算処理装置19は、FFT解析装置18で検出された最も出力電圧が大きい共振周波数を事故点共振周波数と判断する。そして、その事故点共振周波数での一対のアンテナ13a、13bの出力電圧の検出時点の時間差に基づいて事故点の方向を判別する。すなわち、取得した最も出力電圧が大きい電磁波波形から到達時間が早いアンテナ13側に事故点があると判定する。
そして、演算処理装置19は、判別した事故点の方向を表示装置20に表示出力する。また、必要に応じてFFT解析装置18で検出された事故点共振周波数を表示装置20に表示出力する。これにより、点検操作員は、事故点の位置の特定がし易くなり、また、事故点共振周波数から事故の様相の推定に役立つので、事故が発生している箇所の判別を速やかに行うことができる。
ここで、近年の技術進歩により、FFT解析装置18は[ns]レベルから[ps]レベルまで精度よく波形の取得が可能となった。これにより、一対のアンテナ13a、13bの出力電圧の検出時点の時間差での方向判別は[ps]レベルで行うことが可能となった。
従来の技術では、一対のアンテナ13a、13bの出力電圧の検出時点の時間差を10[ns]で方向判別を行っていたので、分解能の関係からアンテナ間隔が3mとなり、3mのアンテナ13a、13bを自動車に積載しなければならなかった。そのため、自動車の進入不可の場所では事故捜査はできなかったが、分解能が[ps]レベルのFFT解析装置18を採用することにより、一対のアンテナ13a、13bの間隔は短くてよくコンパクト化できる。これにより、コンパクトな可搬性に優れた課電式電路事故探査レーダとすることができる。
図4は、本発明の第1実施形態に係る課電式電路事故探査レーダを用いての事故探査の説明図である。本発明の第1実施形態に係る課電式電路事故探査レーダは、コンパクトな可搬型であるので、点検保守員は課電式電路事故探査レーダを携帯して事故探査を行うことができる。
図14と同様に、配電線11の事故点Fで地絡事故が発生したとすると配電線11は停電状態となるので、点検保守員は事故点Fの探査を行う。まず、停電状態の配電線11に課電装置12から周期的に高電圧パルスを印加する状態で、点検保守員は、課電式電路事故探査レーダを携帯して徒歩で事故探査を行う。従来のように、自動車にアンテナ13a、13bを搭載しての事故探査ではないので、自動車が進入不可の場所であっても事故捜査ができる。
図5は、地絡の事故点が点検保守員の前方にある場合の電磁波Sの検出信号(アンテナ13a、13bの出力電圧)の一例を示す波形図である。図5に示すように、アンテナ13aの電磁波の検出信号がアンテナ13bの電磁波の検出信号より先に検出されている。従って、事故点Fは点検保守員の前方にあると判別される。
図6は、地絡の事故点が点検保守員の後方にある場合の電磁波Sの検出信号(アンテナ13a、13bの出力電圧)の一例を示す波形図である。図6に示すように、アンテナ13bの電磁波の検出信号がアンテナ13aの電磁波の検出信号より先に検出されている。従って、事故点Fは点検保守員の後方にあると判別される。
ここで、アンテナ13aの電磁波の検出信号及びアンテナ13bの電磁波の検出信号は、FFT解析装置18で検出された最も出力電圧が大きい信号であるので、ノイズの影響を受けずに精度よく検出できる。また、分解能が[ps]レベルのFFT解析装置18を採用することにより、一対のアンテナ13a、13bの間隔は短くても精度よく事故点の方向性を検出でき、しかもコンパクト化できる。
このように、本発明の第1実施形態では、1つのアンテナ13a、13bに複数の帯域を設けるとともに、事故電流から発せられる発信電磁波のサンプリングデータをFFT解析装置18で分析することで感度調整を行い検出感度を高める。FFT解析装置18は周波数の分布を調べるために使用され、近年ではデジタルオシロスコープにFFTの機能を内蔵しているものもあることから、以前はハードウェアで信号処理していたが、近年はCPUの性能とデジタルサンプリング技術の発展及びFFT解析の情報処理技術が向上したためソフトウェアで処理可能である。
本発明の第1実施形態によれば、1つのアンテナ13a、13bに複数の帯域を設けるとともに、事故電流から発せられる発信電磁波のサンプリングデータをFFT解析装置18で分析して感度調整を行うのでノイズ除去が可能である。また、アンテナ13a、13bに複数の帯域が設けられるようにチューニングダイヤル16a、16bを設けたので、1.4MHz帯以外でも発信電磁波の検出レベルを向上できる。アンテナ13a、13bの複数の帯域のチューニングは自動で行うことも可能である。これにより、事故点周波数帯域が特定されるので信号レベルを向上させ、ノイズとの分別が顕著となりノイズの除去が可能となる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、アンテナ13a、13bで検出する電磁波の周波数の帯域を1MHz〜2MHzの範囲としたが、本発明の第2実施形態は、アンテナ13a、13bで検出する電磁波の周波数の帯域を2MHz〜3MHzの範囲、あるいは1MHz〜3MHzの範囲としたものである。第1実施形態と重複する説明は省略する。
このように、本発明の第2実施形態では、アンテナ13a、13bで検出する電磁波の周波数の帯域として、1MHz〜2MHzの範囲に代えて2MHz〜3MHzの範囲、または、1MHz〜2MHzの範囲に加えて1MHz〜3MHzの範囲とする。つまり、アンテナ13a、13bで検出する電磁波の周波数の帯域として、2MHz〜3MHzの範囲を採用する。2MHz〜3MHzの範囲に着目したのは以下の理由による。
従来の課電式電路事故探査レーダでは、前述したように、1つの共振点(例えば、1.4MHzの固定周波数)を有するアンテナ13a、13bを用いて、高電圧パルスによる配電線11の電磁波を検出するようにしているので、ノイズの影響を受け、事故点を誤判定してしまう可能性があった。そこで、第2実施形態ではノイズの影響を把握するために、ノイズについて検討した。
まず、課電装置自体によるノイズの影響を検討した。課電ノイズは30MHz〜100MHzの高い周波数帯に現れるが、課電装置より離れるにつれて減衰し、40m地点ではほとんど検出されないことを確認した。次に、環境によりノイズが異なるかどうかを各種の環境ごとに環境ノイズを調査した。
図7は各種の環境ごとの環境ノイズの一例を示す波形図であり、図7(a)は繁華街でのノイズの一例を示す波形図、図7(b)は電車線路沿いでのノイズの一例を示す波形図、図7(c)は工業団地でのノイズの一例を示す波形図、図7(d)は住宅地でのノイズの一例を示す波形図である。図7(a)〜図7(d)から分かるように、1.5MHz以下の範囲はAMラジオ放送の周波数帯域であり、4MHzの近傍の帯域は短波放送の周波数帯域であることから、これらがノイズとして検出される。そして、いずれの環境下においても、2MHz〜3MHzの範囲ではノイズが少ないことが分かる。
次に、地絡放電により発生する電磁波について、0MHz〜5MHzの範囲について調査した。図8は地絡事故の様相(事故点部材)別の検証実験により得られた電磁波の一例の波形図であり、図8では電磁波の測定点は事故点から0.14kmであり、亘長が0.15kmの配電線である場合を示している。図8(a)は地絡事故の様相を玉ギャップ(放電電圧3.8kv)で模擬した電磁波の一例を示す波形図、図8(b)は地絡事故の様相をモールド母線の絶縁劣化で模擬した電磁波の一例を示す波形図、図8(c)は地絡事故の様相を玉ギャップ(放電電圧5.0kv)で模擬した電磁波の一例を示す波形図、図8(d)は地絡事故の様相をCVTケーブルの絶縁劣化で模擬した電磁波の一例を示す波形図である。図8(a)〜図8(d)から分かるように、地絡事故の様相(事故点部材)が変わっても、地絡放電により発生する電磁波は、ノイズの少ない2MHz〜3MHzの範囲で高い信号レベルを有することが分かる。
図8では、事故点からの距離及び配電線の亘長が一定である場合(事故点からの距離:0.14km、亘長:0.15kmの場合)を示したが、さらに、事故点からの距離や配電線の亘長を変化させた場合の地絡放電により発生する電磁波について調査した。図9は事故点からの距離が一定で配電線の亘長を変化させた場合の検証実験により得られた電磁波の一例の波形図であり、図9では地絡事故の様相(事故点部材)は玉ギャップ(放電電圧3.8kv)である場合を示している。図9(a)は事故点からの距離が0.2kmで配電線の亘長が0.7kmの場合の検証実験により得られた電磁波の一例を示す波形図、図9(b)は事故点からの距離が0.2kmで配電線の亘長が1.2kmの場合の検証実験により得られた電磁波の一例を示す波形図、図9(c)は事故点からの距離が0.2kmで配電線の亘長が1.9kmの場合の検証実験により得られた電磁波の一例を示す波形図である。図9(a)〜図9(c)から分かるように、配電線の亘長が変わっても、地絡放電により発生する電磁波は、ノイズの少ない2MHz〜3MHzの範囲で高い信号レベルを有することが分かる。
図9では、事故点からの距離が一定で配電線の亘長を変化させた場合を示したが、さらに、配電線の亘長が一定で事故点からの距離を変化させた場合の地絡放電により発生する電磁波について調査した。図10は配電線の亘長が一定で事故点からの距離を変化させた場合の検証実験により得られた電磁波の一例の波形図であり、図10では地絡事故の様相(事故点部材)は玉ギャップ(放電電圧3.8kv)である場合を示している。図10(a)は事故点からの距離が0.6kmで配電線の亘長が1.9kmの場合の検証実験により得られた電磁波の一例を示す波形図、図10(b)は事故点からの距離が1.2kmで配電線の亘長が1.9kmの場合の検証実験により得られた電磁波の一例を示す波形図である。図10(a)、図10(b)から分かるように、事故点からの距離が変わっても、地絡放電により発生する電磁波は、ノイズの少ない2MHz〜3MHzの範囲で高い信号レベルを有することが分かる。
このように、地絡事故の様相(事故点部材)、配電線の亘長、事故点からの距離が変化しても、地絡放電により発生する電磁波は、ノイズの少ない2MHz〜3MHzの範囲で高い信号レベルを有する。そこで、本発明の第2実施形態では、アンテナ13a、13bで検出する電磁波の周波数の帯域として、ノイズが少ない周波数帯域である2MHz〜3MHzの範囲を採用することとした。
図11は、本発明の第2実施形態における複数の帯域を検出可能としたアンテナの感度の一例の説明図である。曲線C16、C17、C18、C19、C20、C21は、チューニングダイヤル16a、16bを2.0MHz、2.2MHz、2.4MHz、2.6MHz、2.8MHz、3.0MHzとしたときの感度である。このように、1つの電磁波強度の断面に対して、複数の帯域を設けることで、図11に示すように、共振点が2.0MHz、2.2MHz、2.4MHz、2.6MHz、2.8MHz、3.0MHzの6つの複数断面で電磁波を捉えることができる。図11では6つの複数断面で電磁波を捉える場合について説明したが、6つ以上あるいは6つ未満の複数断面で電磁波を捉えるようにしてもよい。
図12は、本発明の第2実施形態における複数の帯域を検出可能としたアンテナの感度の他の一例の説明図である。この他の一例は、図11に示した一例に対し、アンテナ13a、13bで検出する電磁波の周波数の帯域を1MHz〜3MHzの範囲としたものである。すなわち、図11に示した一例では、アンテナ13a、13bで検出する電磁波の周波数の帯域を2MHz〜3MHzの範囲としたが、この他の一例では、2MHz〜3MHzの範囲に1MHz〜2MHzの範囲も含め、1MHz〜3MHzの範囲とした。これにより、1MHz〜3MHzの範囲を11個の複数断面で電磁波を捉える。この場合、11個以上あるいは11個未満の複数断面で電磁波を捉えるようにしてもよい。
本発明の第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、ノイズが少ない周波数帯域である2MHz〜3MHzの範囲で地絡放電により発生する電磁波を捉えることができるので、誤検出することがなくなり事故点をより精度よく探査できる。
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…配電線、12…課電装置、13…アンテナ、14…自動車、15…探査レーダ本体、16…チューニングダイヤル、17…入力装置、18…FFT解析装置、19…演算処理装置、20…表示装置

Claims (2)

  1. 停電状態の配電線に課電装置から高電圧パルスを印加し、
    高電圧パルスによる事故点での地絡放電により発生する電磁波を一対のアンテナで検出し、
    この一対のアンテナの出力電圧の時間差に基づいて事故点の方向を判別する課電式電路事故探査レーダにおいて、
    前記高電圧パルスによる事故点での地絡放電により発生する電磁波を複数の共振周波数を用いて検出する一対のアンテナと、
    前記一対のアンテナの検出信号を高速フーリエ変換し一対のアンテナの出力電圧が最も大きい共振周波数を検出するFFT解析装置と、
    前記FFT解析装置で検出された最も出力電圧が大きい共振周波数を事故点共振周波数と判断しその事故点共振周波数での一対のアンテナの出力電圧の時間差に基づいて事故点の方向を判別する演算処理装置と、
    前記演算処理装置で判別された事故点の方向を表示出力する表示装置とを備えたことを特徴とする課電式電路事故探査レーダ。
  2. 前記演算処理装置は、前記FFT解析装置で検出された事故点共振周波数を前記表示装置に表示出力することを特徴とする請求項1記載の課電式電路事故探査レーダ。
JP2013092393A 2012-05-07 2013-04-25 課電式電路事故探査レーダ Active JP6102467B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013092393A JP6102467B2 (ja) 2012-05-07 2013-04-25 課電式電路事故探査レーダ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012105634 2012-05-07
JP2012105634 2012-05-07
JP2013092393A JP6102467B2 (ja) 2012-05-07 2013-04-25 課電式電路事故探査レーダ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013253966A JP2013253966A (ja) 2013-12-19
JP6102467B2 true JP6102467B2 (ja) 2017-03-29

Family

ID=49951554

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013092393A Active JP6102467B2 (ja) 2012-05-07 2013-04-25 課電式電路事故探査レーダ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6102467B2 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH068840B2 (ja) * 1987-03-31 1994-02-02 東京電力株式会社 事故点探査用受信装置
JPH0295274A (ja) * 1988-09-30 1990-04-06 Showa Electric Wire & Cable Co Ltd ケーブルの部分放電検出方法
JP3091833B2 (ja) * 1996-05-31 2000-09-25 北陸電力株式会社 部分放電検知方法及び部分放電検知装置
JPH11142466A (ja) * 1997-11-05 1999-05-28 Chugoku Electric Power Co Inc:The 配電線の事故原因推定方法及び装置
JP4258412B2 (ja) * 2004-03-25 2009-04-30 トヨタ自動車株式会社 回転電機の検査装置および検査方法
JP4812007B2 (ja) * 2006-03-02 2011-11-09 中部電力株式会社 電力ケーブルの故障点検出方法
US7580232B2 (en) * 2007-12-21 2009-08-25 General Electric Company Arc detection system and method
JP2009229374A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Fujitsu Ten Ltd レーダ装置、及び方位角検出方法
JP5163452B2 (ja) * 2008-11-28 2013-03-13 Jfeスチール株式会社 微地絡検出装置及び微地絡検出方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013253966A (ja) 2013-12-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9689909B2 (en) System for analyzing and locating partial discharges
CN106443353B (zh) 一种基于行波的gil放电故障定位方法和装置
US8474320B2 (en) Method and apparatus for locating cable faults
Hikita et al. Electromagnetic (EM) wave characteristics in GIS and measuring the EM wave leakage at the spacer aperture for partial discharge diagnosis
US10012688B2 (en) Discharge occurrence status evaluation device and evaluation method
KR101548288B1 (ko) 반사파 계측을 이용한 배선 진단 시스템
Tang et al. Partial discharge location based on time difference of energy accumulation curve of multiple signals
CN101655536A (zh) 气体绝缘组合电器局部放电检测方法
EP2063276A1 (en) Partial discharge detection method and partial discharge detection device
JP2009229347A (ja) 電磁波検知による部分放電検出装置及びその検出方法
EP3546960B1 (en) Apparatus and method for monitoring and controlling detection of stray voltage anomalies using a photonic sensor
US9841439B2 (en) Electromagnetic wave identification method and identification device
JP3294806B2 (ja) ガス絶縁電気機器の部分放電検出装置
JP6102467B2 (ja) 課電式電路事故探査レーダ
KR100632078B1 (ko) 초고압 케이블의 부분방전 측정 시 노이즈 제거장치 및방법
JP2003232829A (ja) 巻線機器の部分放電検出装置
US9116186B2 (en) Detection of signals
JP5950396B2 (ja) 部分放電発生位置の評定方法および評定システム
JP2006322873A (ja) 伝導性妨害波の伝搬方向の特定方法及び装置
KR100928534B1 (ko) 광섬유 센서를 이용한 변압기 열화진단 장치 및 방법
JP2003107122A (ja) 巻線機器の部分放電検出装置
RU2463706C2 (ru) Устройство обнаружения источников контактных помех
JP2654793B2 (ja) 部分放電検出装置
Miyazaki et al. Development of partial discharge automated locating system for power cable
Amirruddin et al. Wavelet-based Arcing Signal Source Localization Algorithm using a Compact Multi-square Microstrip Antenna

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160329

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170131

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6102467

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150