JP6101885B1 - 植物育成用バークマットの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】苗の植付け時に肥料の投与が不要となる植物育成用バークマット、その製造方法およびそれを使用した植物育成方法を提供する。【解決手段】バークを板状に加熱圧縮して得られる植物育成用バークマットにおいて、このバークマットの表層部に固形肥料を埋設するように構成した。よって、苗の植付け時に肥料の投与が不要となる。また、その製造に際して、予めバークを型枠に充填して予備圧縮を行うため、後工程の加熱圧縮時におけるマット原材の型崩れを防止できる。【選択図】図1

Description

この発明は、バークをマット化し、植物の培地としての有効利用を図った植物育成用バークマットの製造方法に関する。
広葉樹や針葉樹などの原木の処理屑であるバーク(樹皮片)は、従前より大半が焼却等の廃棄処分がなされていた。そこで、近年、資源の有効利用、環境保全の観点から、バークを有効利用する技術が開発されている。
その一策として、例えば非特許文献1に記載された植物育成用バークマット(以下、バークマット)が知られている。これは、多数のバークを型枠に投入して加熱圧縮(熱プレス)することでマット化し、植物の人工培地として活用したものである。これにより、バークの取り扱いが容易となり、使用時には水を散布して膨張させるだけで植物の苗の植え付けが可能となる。
[平成28年6月11日検索]、インターネット<URL:http://www.eco-1-gp.jp/activity_archives/2014/block_senmon/3rd_oita_kusunogyo.pdf
しかしながら、非特許文献1に記載のバークマットにあっては、単にバークを加熱圧縮して板状としただけのものであった。そのため、苗の植え付け時において、植物の成長を促す肥料を別途与える必要があった。
また、バークマット製造時、熱プレス装置を用いてバークマットを、例えば、20kgf/cm、170℃前後という高温高圧下で5分間程度加熱圧縮していた。そのため、バークに含まれる水分の影響により、加熱圧縮中のマット内部で水蒸気爆発が発生するおそれがあった。その結果、植物育成用バークマットの製造が危険を伴う作業となり、歩留まりも低下していた。
さらに、バークマットに植物の苗を植え付ける際には、育苗ポットから抜いた苗の根鉢をバークマットの表層部に植え付ける移植作業が必要で、その作業に手間がかかっていた。
そこで、発明者は鋭意研究の結果、バークマットを加熱圧縮する際、あらかじめバークマットの表層部のみに肥料を埋め込んでおけば、植物の苗の植え付け時に、苗に肥料を与える作業が不要になり、また、固形肥料をバークマット全体に埋め込んだ場合に比べて経済的となることを知見し、この発明を完成させた。
また、発明者は鋭意研究の結果、バークマットの加熱圧縮時、バークマットを長時間(例えば5分間)連続して加熱圧縮するのではなく、加熱圧縮する作業を例えば複数回に分けて(圧縮の中断を繰り返して)行えば、加熱圧縮中のマット内部での水蒸気爆発を防止可能なことを知見した
さらに、発明者は鋭意研究の結果、植物の根と水が通過する根張り開口が底部に形成された育苗ポットを、バークマットの表面に載置し、この状態を維持して、育苗ポットの上に散水しながら植物を育成するようにすれば、育苗ポットからの抜き出しを伴う苗の移植作業が不要になることを知見した
すなわち、この発明は、苗の植付け時に植物の成長を促す肥料の投与が不要となり、固形肥料の使用量も少なく経済的な植物育成用バークマットの製造方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、表層部のみに固形肥料が埋設された植物育成用バークマットを製造する植物育成用バークマットの製造方法であって、繊維状のバークを型枠に充填後、該バークを圧縮する1回目の予備圧縮を行ってベース原材を設け、次に、該型枠内のベース原材の上に、バークと固形肥料とを混合した肥料混合物を充填し、その後、該肥料混合物を載置した前記ベース原材の2回目の予備圧縮を行って脱型することにより、前記ベース原材の表面に肥料混合層が積層された板状のマット原材を作製し、次に、該マット原材を加熱圧縮することによって、前記表層部のみに固形肥料が埋設された植物育成用バークマットを製造する植物育成用バークマットの製造方法である。
バークは、広葉樹や針葉樹などの原木の処理屑としての樹皮片である。
繊維状(チップ状)のバークのサイズは任意である。例えば、長さが1cm以下、2cm以下、2.5〜5cmのものを採用することができる。バークはサイズが大きいものほど水捌けが良く、浸水時の植物育成用バークマットの膨張率も増大する(例えば、2.5〜5cmのバークを採用した場合、その膨張率は50%程度)。反対に、バークはサイズが小さいものほど、この膨張率が低くて固いバークマットとなる(例えば、1cm以下のバークを採用した場合、その膨張率は25〜30%程度)。よって、表層部のみに固形肥料を埋設した植物育成用バークマットの場合は、水捌けが良好なサイズが大きいバークを採用した方が好ましい。
植物育成用バークマットとは、バークを接着する結合剤(接着剤)を添加せず、主原料であるバークを型枠に入れて加熱圧縮した植物を育成するためのマット(板状体)である。仮に接着剤により固めれば、使用時に水に浸しても(散水しても)マットが膨張せず、植物を生育する人工の培地とならない。
各バークは、その繊維方向を揃えた方がマット内での水の流れが円滑となる。
植物育成用バークマットの平面形状は一般的に矩形状であるが、例えば円形、楕円形、多角形でも、他の任意の形状でもよい。
植物育成用バークマットのサイズは任意である。
植物育成用バークマットは水平配置して使用してもよいし、傾斜状態(例えば水平面に対して5°傾ける)で使用してもよい。ただし、表層部のみに埋設された固形肥料から溶け出す肥料を、マット全体に行き渡らせるには水平配置した方が好ましい。
ここでいう「植物育成用バークマットの表層部」とは、マット表面からマット厚さの半分程度の範囲をいう。好ましくは、マット表面からマット厚さの3分の1程度の範囲である。
固形肥料の種類としては、例えば、単肥、配合肥料、化成肥料、被覆複合肥料などを採用することができる。ただし、育成される植物に適したものを採用すべきである。
固形肥料の形状は、例えば、粉状、粒状などである。
固形肥料の植物育成用バークマットの表層部のみへの添加量も、育成される植物の種類、育成条件により異なる。
植物育成用バークマットの表層部における固形肥料の埋設範囲は、表層部の平面視して全体でも、その一部でもよい。表層部の一部としては、例えば、植物育成用バークマットの表面に育苗ポットを収納するポケットを形成するためのブロックの埋め込み領域およびその周辺などが挙げられる。
表層部のみに固形肥料が埋設された植物育成用バークマットの製造方法は限定されない。例えば、バークを型枠に充填する際、表層部を構成するバークのみに固形肥料を混入して予備圧縮を行い、脱型して板状のマット原材を設け、次にこのマット原材を加熱圧縮して植物育成用バークマットを製造してもよい。
型枠の素材としては、各種の金属、各種の合成樹脂、各種の木などを採用することができる。
型枠の形状は任意である。例えば、矩形状などである。
マット原材の厚さは、製造される植物育成用バークマットの厚さや密度などによって適宜変更される。
肥料混合物において、バークに対する固形肥料の混合割合は、育成する植物によって必要成分量が異なるので、その植物の適正な栄養分量の25%以上の増減により過剰症、欠乏症の発生が予測される。
1回目の予備圧縮の圧縮力は、3〜5kgf/cmである。3kgf/cm未満では、1回目の予備圧縮が不十分となり、加熱圧縮時にマット原材の形状が壊れ易い。また、5kgf/cmを超えれば圧縮によりマット自体が固くなるので表層部との結合が悪くなるという不都合が生じる。
1回目の予備圧縮の時間は1〜3分間である。1分間未満では1回目の予備圧縮が不十分となり、加熱圧縮時にマット原材の形状が壊れ易い。また、3分間を超えれば、圧縮によりマット自体が固くなるので表層部との結合が悪くなる。
また、2回目の予備圧縮の圧縮力は、3〜5kgf/cmである。3kgf/cm未満では2回目の予備圧縮が不十分となり、加熱圧縮時にマット原材の形状が壊れ易い。また、5kgf/cmを超えれば加熱圧縮時に水分の蒸発が少なくなり水蒸気爆発が発生しやすくなるという不都合が生じる。
2回目の予備圧縮の時間は1〜3分間である。1分間未満では2回目の予備圧縮が不十分となり、加熱圧縮時にマット原材の形状が壊れ易い。また、3分間を超えれば、加熱圧縮時に水分の蒸発が少なくなり水蒸気爆発が発生しやすくなる。
1回目および2回目の予備圧縮では、例えば、各種の金属、各種の合成樹脂、各種の木などのメッシュシートをマット原材の上下の圧縮作用面に介在させることができる。例えばマット原材の下面、上面に、ステンレス製メッシュシートを配置する。
加熱圧縮時のマット原材の加熱温度は、170℃〜180℃である。160℃未満では、接着剤等を使わないためにバークの繊維が結合しないという不都合が生じる。また、200℃を超えればバーク繊維自体が熱による分解を起こすという不都合が生じる。
加熱圧縮時のマット原材の圧縮力は、15〜25kgf/cmである。15kgf/cm未満では結合不良という不都合が生じる。また、30kgf/cmを超えればマット自体が固くなり過ぎ、水を含ませたときに膨張しないという不都合が生じる。
加熱圧縮の時間は、マットの形状(特に厚さ)によるが 5〜30分間である。5分間未満では繊維の結合不良という不都合が生じる。また、30分間を超えれば、マットが固くなり膨張しにくくなり、植物育成用としてはよくない。
なお、繊維状のバークを型枠に充填して予備圧縮を行い、その後、脱型して板状のマット原材を設け、該マット原材を加熱圧縮して植物育成用バークマットを製造する植物育成用バークマットの製造方法であって、前記加熱圧縮は、途中で圧縮を中断することにより該加熱圧縮を複数回に分けて実施する植物育成用バークマットの製造方法も考えられる。
ここでいう「加熱圧縮の途中で圧縮を中断する」とは、一般的に1回の圧縮作業でマット原材の加熱圧縮工程は終了するものの、この作業を複数回に分断(息抜き)して行うことを意味する。
圧縮の中断の仕方は任意である。例えば、圧縮を緩めた(中止した)直後に次の圧縮を開始してもよい。または、圧縮を緩めた後、所定時間が経過してから全圧縮時間の1/3以内であれば圧縮を再開してもよい。
圧縮の中断の回数は限定されない。例えば、1回でも2回以上でもよい。この中断回数は、バークの含水量を基準として適宜設定することができる。例えば、バークの含水量が少なければ圧縮中断回数を1回とし、バークの含水量が多ければ2回または3回とする。
マット原材の加熱圧縮時には、例えば、マット原材の表面側および裏面側に、それぞれメッシュシートを介して上下一対の金属からなる当て板を配置し、これらの当て板を介して、マット原材を圧縮した方が好ましい。マット原材の表裏面側にそれぞれメッシュシートを配置すれば、加熱圧縮時にマット原材から空気が抜け易く、水蒸気爆発の発生を抑制することができる。
なお、繊維状のバークを型枠に投入して板状に加熱圧縮した植物育成用バークマットを水平に配置し、その後、該植物育成用バークマットに水を含ませて膨張させ、この膨張した植物育成用バークマットの表面に、育苗中の植物の根と水が通過する根張り開口を底部に有した育苗ポットを載置し、この状態を維持したまま、前記育苗ポットに散水しながら前記植物を育成する植物育成方法が考えられる。
植物育成用バークマットは、表面を水平にして使用する。傾斜配置すれば、育苗ポットが不安定になる。斜めに設置する場合はピン等で固定する。
植物育成用バークマットとしては、表層部のみに固形肥料を埋設したものを採用してもよい。この場合、バークマットに染み込んだ水により固形肥料の一部がマット内部に溶出し、その後、育苗ポットから伸びた植物の根から吸収される肥料となる。
育苗ポットの素材としては、例えば、塩化ビニル(ポリポット)などの合成樹脂を採用することができる。
根張り開口のサイズは、育成中の植物の根が通過可能であれば任意である。それを実現するため、育苗ポットの底部全域をカットすることで、大口径の根張り開口としてもよい。
育苗ポットの底部に形成される根張り開口の数は任意である。1つでも2つ以上でもよい。
散水される水は限定されない。水道水でもよいし、植物の養液でもよい。
請求項1に記載の発明により製造された植物育成用バークマットでは、その表層部のみに固形肥料が埋設されているため、使用時に給水するだけでバークマットが膨張して植物の植え付けが可能となる。しかも、このときにマット表層部に埋め込まれた固形肥料が溶出するため、苗の植え付け時に植物の成長を促す肥料の投与が不要となる。また、固形肥料の埋設範囲をバークマットの全体ではなく、表層部のみに限定したため、固形肥料の使用量も少なく経済的である。
請求項1に記載の発明によれば、型枠にバークを充填し、1回目の予備圧縮を行うことでベース原材を設け、その後、型枠内のベース原材の上に肥料混合物を充填して2回目の予備圧縮を行い、脱型することで、ベース原材の表面に肥料混合層が積層された板状のマット原材を作製する。これにより、植物育成用バークマットを容易に製造することができる。
また、マット原材を予備圧縮するため、マット原材を加熱圧縮時に、マット原材の形状が壊れ難くなり、表層部に固形肥料が埋設された植物育成用バークマットを安定的に製造することができる。
また、マット原材を加熱圧縮する際、1回(長時間)のプレスで作業を完了するのではなく、その作業途中で圧縮を中断することにより、加熱圧縮を複数回に分けて行う。その結果、加熱圧縮の中断時において、それまで加熱圧縮されていたマット原材の内部の空気が大気解放(ガス抜き)される。これにより、加熱圧縮に伴うマット原材の内部での水蒸気爆発を防止することができる。また、マット原材の作製に際して、バークの予備圧縮を行うため、加熱圧縮時のマット原材の型崩れを防止することができる。
さらに、水平配置された植物育成用バークマットに水を加えてこれを膨張させて培地とし、その後、このバークマットの表面に、根張り開口を底部に有した育苗ポットを載置する。この状態で、育苗ポットに散水し植物を育成する。
これにより、育苗ポットにかけた水はポット内に吸水され、過剰水が根張り開口を通過して植物育成用バークマットのうち、育苗ポットの直下の領域に染み込む。
その後、育苗によって成長した植物の根は、根張り開口を通過して植物育成用バークマットの内部まで張っていく。これにより、育苗ポットからの抜き出しを伴う苗の移植作業を行わなくても、植物を定植して育成することができる。
この発明の実施例1に係る植物育成用バークマットの斜視図である。 (a)は、この発明の実施例1に係る植物育成用バークマットの製造方法におけるベース原材の成型工程を示す縦断面図である。(b)は、この植物育成用バークマットの製造方法におけるマット原材の成型工程を示す縦断面図である。 この発明の実施例1に係る植物育成用バークマットの製造方法における植物育成用バークマットの加熱圧縮工程を示す斜視図である。 (a)は、参考例に係る植物育成用バークマットを使用した植物育成方法における植物育成用バークマットへの育苗ポットの載置工程を示す要部拡大断面図である。(b)は、この植物育成方法における育苗ポットから植物育成用バークマットへの根張りの状態を示す要部拡大断面図である。
以下、この発明の実施例を、図面を参照して具体的に説明する。ここでは、トマト栽培用の植物育成用バークマットを例に説明する。
図1および図2において、10はこの発明の実施例1に係る植物育成用バークマット(以下、バークマット)で、このバークマット10は、繊維状のバーク11を板状に加熱圧縮したもので、その表層部12に固形肥料13が埋設されている。
以下、これらの構成体を具体的に説明する。
バークマット10とは、バーク11を接着する結合剤(接着剤)を添加せず、主原料であるバーク11を型枠14に投入して加熱圧縮した植物育成用のマット(板状体)である。バークマット10のサイズは、縦30cm、横30cm、厚さ8〜10cmである。
原料となる繊維状(チップ状)バーク11は1〜5cmの長さの杉およびまたは檜の樹皮片である。このサイズのバーク11を使用することで、バークマット内での水捌けが良好となり、浸水時のバークマット10の膨張率も約50%と大きくなる。
表層部12の厚さは、バークマット10の3分の1の厚さである。
固形肥料13は粒状であって、固形肥料13の表面から100日間にわたり少しずつ溶解するロングタイプのエコロングトータル313(商品名)である。そのため、栽培期間が100日程度のトマトに適している。
表層部12に入れる固形肥料13は、10.8gである。
次に、図2および図3を参照して、バークマットの製造方法を説明する。
まず、2667gの例えば杉バーク11を、矩形状の型枠(内部空間のサイズが縦30cm、横30cm、高さ30cm)14の内部空間に、20cmの均一厚さで充填する。
ベース原材15の上部表面が均一になるように、1回目の予備圧縮を行う。(2回目の予備圧縮も同じ。図2(a))。得られたベース原材15の圧縮密度は0.15g/cm、厚さは8〜10cmである。
一方、1333gの繊維状バーク11と10.8gの固形肥料13とを所定の容器に投入して均一に撹拌混合し、肥料混合物16を得る。その後、肥料混合物16を型枠14内のベース原材15の上に投入し、次いで肥料混合物16の表面に、育苗ポットP(図4)と同一サイズのブロックBを埋め込み、2回目の予備圧縮を行う(図2(b))。こうしてベース原材15の表面に肥料混合層17が形成される。得られた肥料混合層17の圧縮密度は0.15g/cm、厚さは10cmである。その後、これを脱型することにより、ベース原材15の表面に肥料混合層17が積層された板状のマット原材18が中間製造される。
次いで、図3に示すように、マット原材18を熱プレス装置19の下側加熱圧縮板20の上面に載置し、下側加熱圧縮板20と上側加熱圧縮板21との間でマット原材18を加熱圧縮する。このとき、マット原材18の下面と上面とには、ステンレスからなるメッシュシート22が配置される。メッシュシート22をマット原材18の上下の圧縮作用面に介在させることで、マット内で高温圧縮された内部空気がメッシュシート22の網目を通して抜け易くなる。このようにマット原材18を予備圧縮することで、加熱圧縮時のマット原材18の型崩れを抑制することができる。
その後、これらのメッシュシート22を上下一対のアルミニウム板23により挟持した状態で、下側加熱圧縮板20と上側加熱圧縮板21とによりマット原材18の加熱圧縮が行われる。加熱圧縮は、2分間の経過後に1回の中断(中断時間は3分間)を行い、2回に分けて行われる。1回目の加熱圧縮の条件は、加熱温度170〜180℃、圧力15kgf/cm、加圧時間2分間である。2回目の加熱圧縮の条件は、加熱温度170〜180℃、圧力20kgf/cm加圧時間は20分間である。
加熱圧縮後、バークマット10の表面からブロックBを抜き取り、バークマット10の表面に育苗ポットPの収納用のポケット(植え穴)24を現出させることで(図1)、バークマット10が製造される。
製造されたバークマット10は、トマト(植物)を育成する培地として利用される。
具体的には、図示しないプランタの底部に防根シートを敷設し、その上にバークマット10を水平に配置する。その後、バークマット10に給水する。これにより、厚さ8cmのバークマット10が厚さ16cmまで膨張する(膨張率50%)。次いで、バークマット10の表面のポケット24に、育苗ポットPから抜き出したトマトの根鉢P1を収納し、その上から散水する。
このように、バークマット10をトマト栽培の培地に利用すれば、水を供給したバークマット10のポケット24に根鉢P1を収納するだけで、苗の植え付けが可能となる。しかも、あらかじめバークマット10の表層部12に固形肥料13が埋め込まれているため、苗の植え付け時にトマトの成長を促す肥料の投与が不要となる。
また、上述したようにマット原材18を加熱圧縮する際、1回(長時間)のプレスでその作業を完了するのではなく、この作業途中で圧縮を中断して、加熱圧縮を2回に分けて行うようにしたため、加熱圧縮の中断時、それまで加熱圧縮されていたマット原材18の内部空気が大気解放(ガス抜き)される。その結果、加熱圧縮に伴うマット内部での水蒸気爆発を防止することができる。
次に、図3を参照して、参考例に係る植物育成用バークマットの製造方法を説明する。
の参考例の発明の特徴は、表層部12に固形肥料13を埋設していない植物育成用バークマット10Aを、2回に分けた加熱圧縮を伴って製造する点である(図3)。
すなわち、4000gのバーク11を均一な厚さ(30cm)で型枠14に充填し、予備圧縮を行う。得られたマット原材18の圧縮密度は0.15g/cm、厚さは30cmである。
その後、これを脱型することにより、バーク11のみからなる板状のマット原材18を中間製造することができる。
次いで、マット原材18の下面と上面とにメッシュシート22およびステンレス板23を順次配置し、マット原材18を熱プレス装置19の下側加熱圧縮板20の上面に載置する。その後、下側加熱圧縮板20と上側加熱圧縮板21との間で、マット原材18を2回に分けて加熱圧縮する。これにより、実施例1と同様に厚さが8cm、圧縮密度が0.5〜0.55g/cmのバーク11のみを原料としたバークマット10Aを製造することができる。
その他の構成、作用および効果は実施例1から推測可能であるため、説明を省略する。
次に、図4を参照して、参考例に係る植物育成用バークマットを使用した植物育成方法を説明する。
図4に示すように、この参考例の特徴は、表層部12に固形肥料13が埋設されていない厚さ2cmの薄肉な植物育成用バークマット10Bを製造し、このバークマット10Bの表面に、根張り開口25を底部に有する育苗ポットPを載置し、この状態を維持したまま、育苗ポットPに散水しながら、苗の根を根張り開口25を通ってバークマット10Bの内部に成長させ、トマトを育成する点である。
薄肉なバークマット10Bの製造にあっては、800gのバーク11を矩形状の型枠14に厚さ6cmとなるように充填後、予備圧縮を行う。得られた薄肉なマット原材18は、圧縮密度0.15g/cm、厚さ6cmである。その後、これを脱型する。
次いで、このマット原材18を、実施例1の場合と同様に熱プレス装置19に配置し、2回に分けて加熱圧縮する。その結果、厚さ2cm、圧縮密度0.5〜0.55g/cmの薄肉なバークマット10Bが製造される。
このように、バークマット10Bを厚さ2cmまで薄肉化することで、バークマット10Bの製造時間を大幅(例えば7分程度)に短縮できる。なお、このバークマット10Bは、表層部12に固形肥料13を埋設したものでもよい。
育苗ポットPの根張り開口25は、育苗ポットPの底部を、ハサミまたはカッタにより水平にカットして形成する。よって、根張り開口25は、育苗ポットPの下面全域の開口である。
次に、図4を参照して、この参考例に係る植物育成方法を説明する。
まず、図示しないプランタ内の防根シートの上にバークマット10Bを水平に配置し、バークマット10Bに給水する。これにより、厚さ2cmのバークマット10Bが厚さ3cmまで膨張(膨張率50%)し、トマトの培地となる。その後、バークマット10Bの表面に、根張り開口25を底部に有した育苗ポットPを載置する。
次いで、この状態を維持したまま、育苗ポットPに散水しながらトマトを育成する。
その際、育苗ポットPの上に撒いた水は、その一部がポット内に吸水される。また、過剰水は根張り開口25を通過してバークマット10Bのうち、育苗ポットPの直下の領域に染み込み、培地を潤す。
その後、3日間程度成長したトマトの根は、根張り開口25を通ってバークマット10Bの内部まで張り出す。その後も引き続き散水等を行ってトマトを育成する。これにより、育苗ポットPからの引き抜きを伴う苗の移植作業を行わなくても、トマトを定植して育成することができる。
また、上述した方法とは異なる育苗ポットPを利用したトマトの育成方法を採用してもよい。具体的には、乾燥状態のバークマット10Bに育苗ポットPを載置し、育苗ポットPの上からトマトの養液を点滴するようにしてもよい。このように構成すれば、点滴を開始した当初は、バークマット10Bのうち、育苗ポットPの直下領域のみが湿って、この直下領域のみに根張り開口25を通過した根が張り始める。その根は、バークマット10Bのうちでも水分が存在する領域だけしか張らないため、養液の滴下量を増減することで、育苗ポットPの直下領域を中心とした同心円状に植物の根が成長する面積を調整することができる。その結果、この水分制限(根にストレスを与えること)を利用することで、トマトの糖度を任意に高めることができる。
その他の構成、作用および効果は、上記参考例から推測可能な範囲であるため、説明を省略する。
この発明は、植物の培地としてバークの有効利用を図った植物育成用バークマットの技術として有用である。
10 植物育成用バークマット、
11 バーク、
12 表層部、
13 固形肥料、
14 型枠、
15 ベース原材、
16 肥料混合物、
17 肥料混合層、
18 マット原材、
25 根張り開口、
P 育苗ポット。

Claims (1)

  1. 表層部のみに固形肥料が埋設された植物育成用バークマットを製造する植物育成用バークマットの製造方法であって、
    繊維状のバークを型枠に充填後、該バークを圧縮する1回目の予備圧縮を行ってベース原材を設け、
    次に、該型枠内のベース原材の上に、バークと固形肥料とを混合した肥料混合物を充填し、その後、該肥料混合物を載置した前記ベース原材の2回目の予備圧縮を行って脱型することにより、前記ベース原材の表面に肥料混合層が積層された板状のマット原材を作製し、
    次に、該マット原材を加熱圧縮することによって、前記表層部のみに固形肥料が埋設された植物育成用バークマットを製造する植物育成用バークマットの製造方法
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