JP6100033B2 - 車両用ホイール及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ホイール及びその製造方法に関する。
車両用ホイールとして、車軸が挿通される挿通孔が形成されたハブと、タイヤが装着されるリムと、ハブとリムの間に介在するスポークとを有するものが知られている。この種の車両用ホイールの軽量化を図る場合、ハブ等を中空部として設けるようにしている。
この場合、車両用ホイールは、キャビティに溶湯を導入(注湯)する鋳造加工によって作製される。勿論、ハブを成形するための部位には、砂中子が配置される。該砂中子には、注湯中に浮上することを回避するべく、ケレンが設けられる。
溶湯が冷却固化した後、型開きが行われて車両用ホイールが取り出される。その後、前記挿通孔等からハブ内に挿入した工具により前記砂中子を崩壊させ、さらに、砂抜き孔から排砂を行う(例えば、特許文献1参照)。
ところで、ハブに形成された挿通孔には、上記したように車軸が挿通される前にベアリングが圧入される。ハブは、この圧入時に変形や割れ等が発生しないように十分な高強度・高剛性であることが必要であり、このため、肉厚が大きく設定される。
実開平2−43701号公報
肉厚が大きなハブを鋳造加工によって得る場合、ゲート部から注湯された溶湯が乱流となり易く、さらに、このことに起因して湯境欠陥が生じ易くなる。これを回避するためには、ハブの肉厚を小さくすればよい。しかしながら、この場合、ハブの強度や剛性が小さくなるので、ベアリングを挿通孔に圧入する際に変形や割れが発生する懸念がある。
このように、ハブの強度・剛性を確保することと、湯境欠陥の発生を回避することとは二律背反の関係にある。すなわち、強度・剛性が確保され且つ湯境欠陥が抑制されたハブを歩留まりよく得ることは容易ではない。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、肉厚が小さいながらも強度・剛性が確保され、しかも、湯境欠陥の発生が可及的に抑制されたハブを有する車両用ホイール及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、車両の車軸が挿通される挿通孔が形成されたハブと、タイヤが装着されるリムと、前記ハブと前記リムを連結する複数個のスポークとを有する車両用ホイールにおいて、
前記ハブが、底壁、側周壁及び天井壁が一体的に形成された中空部からなり、且つ該ハブの内部に、前記底壁の内面である底面、前記側周壁の内面である内側面及び前記天井壁の内面である天井面に連なるとともに、前記内側面から前記挿通孔に向かって延在する複数個のリブが設けられていることを特徴とする。
中空内部にリブが存在することにより、ハブが高強度・高剛性を示すものとなる。このため、ハブの肉厚を小さくすることができる。
そして、肉厚が小さなハブを鋳造加工によって成形するときには、湯境欠陥が生じ難い。すなわち、ハブの肉厚を小さくすることができるので、湯境欠陥が生じることを防止することができる。
以上のように、中空内部にリブを設けるようにしたことにより、肉厚が小さいながらも強度・剛性が確保され、しかも、湯境欠陥の発生が可及的に抑制されたハブを有する車両用ホイールを構成することができる。
また、本発明は、車両の車軸が挿通される挿通孔が形成されたハブと、タイヤが装着されるリムと、前記ハブと前記リムを連結する複数個のスポークとを有する車両用ホイールの製造方法において、
前記ハブを、底壁、側周壁及び天井壁が一体的に形成された中空部としてるための砂中子として、側壁から、前記挿通孔を形成するための軸部に向かって延在する複数個のスリットが形成されたものを用い、
且つ前記砂中子に接触した溶湯をキャビティに導入して鋳造加工を行い、前記スリットから成形された複数個のリブが、前記底壁の内面である底面、前記側周壁の内面である内側面及び前記天井壁の内面である天井面に連なるハブを得ることを特徴とする。
この場合、リブが存在する箇所では、リブの厚み分だけ厚肉となる。スポークやリムとなる溶湯は、他の部位に比して厚肉なリブによって容易に流動するようになる。すなわち、湯廻り性が向上する。
このことと、ハブとして肉厚が小さいものを成形することとが相俟って、湯境欠陥が生じることを防止することができる。
複数個のリブの、挿通孔に臨む先端は、該挿通孔から離間していることが好ましい。このことは、溶湯を、リブを形成するためのスリットの先端よりも内方に導入することを意味する。
このように、スリットが形成された部位に溶湯が接触することを避けることにより、溶湯に乱流が生じることや、溶湯がガスを巻き込むことを回避することができる。
また、リブ同士の間に介在し、且つハブの底面及び天井面を貫通する複数個の窓部を形成することが好ましい。これらの窓部から工具を挿入することにより、残留した砂中子を容易に崩壊することができるからである。
さらに、複数個のスポークの各々と、複数個のリブの各々との位相が一致していることが好ましい。この場合、溶湯がスポークを成形する部分に一層容易に流動するようになり、溶湯のキャビティへの未充填が発生することを防止することができるようになる。
そして、リブ同士の間に介在し、且つハブの内側面を貫通する複数個の窓部を形成することが一層好ましい。この窓部も、残留した砂中子を崩壊することに寄与する。
加えて、この窓部は、砂中子を係止するためのものとしても機能する。すなわち、鋳造加工の最中に砂中子が浮上することが防止される。このため、砂中子にケレンを設ける必要が特にないので、砂中子を簡便に且つ低コストで作製することができる。
その上、砂中子が回転することを回避することもできるので、寸法精度が良好なハブを成形することができる。
本発明によれば、ハブの中空内部にリブを設けるようにしているので、ハブの肉厚を小さくしても、高強度・高剛性を確保することができる。また、鋳造加工において、このように肉厚が小さなハブを成形するときには、湯境欠陥が生じ難くなる。すなわち、肉厚が小さいながらも優れた強度・剛性を示し、しかも、湯境欠陥の発生が可及的に抑制されたハブを有する車両用ホイールが得られる。
本発明の実施の形態に係る車両用ホイールの、鋳造加工直後の概略全体斜視図である。 前記車両用ホイールを構成するハブの径方向に沿った断面斜視図である。 前記車両用ホイールを成形するための鋳造加工装置の一部縦断面概略正面図である。 前記鋳造加工装置のキャビティに配置される砂中子の全体概略斜視図である。 図3の鋳造加工装置の要部拡大一部断面図である。 別の実施の形態に係る車両用ホイールの水平断面図である。
以下、本発明に係る車両用ホイールにつき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る車両用ホイール(以下、単に「ホイール」とも表記する)10の、鋳造加工直後の概略全体斜視図である。このホイール10は、平面視で略円形をなすハブ12と、該ハブ12を中心として放射状に広がる複数個のスポーク14と、該スポーク14の全てに連結されてハブ12と同心円をなすリム16とを有する。
ハブ12の図1における下端面中央部(後述する天井壁30)からは、長尺な第1円錐台形状部18が突出する。この第1円錐台形状部18の内部には有底穴20(図2参照)が形成されており、ホイール10が車体に装着されるときには、第1円錐台形状部18の基端部近傍、すなわち、前記有底穴20の底壁近傍が切断されることに伴って、該有底穴20から、貫通孔としての第1挿通孔が形成される。
一方、上端面(後述する底壁26)中央部には、短尺な第2円錐台形状部22が突出する。この第2円錐台形状部22には、第2挿通孔24が貫通形成される。第2挿通孔24は、前記有底穴20(第1挿通孔)と同軸上に配置されており、図示しない車軸は、第2挿通孔24から通されて第1挿通孔に嵌合される。
図2は、前記ハブ12の径方向に沿った断面斜視図である。この図2から諒解されるように、ハブ12は、略円柱形状をなす中空部であり、底壁26、周側壁28及び天井壁30(図1参照)を有する。以下、底壁26、周側壁28及び天井壁30の各々において、中空の内部を臨む端面を底面26a、内側面28a及び天井面30aと表記する。
なお、図2は、前記上端面の裏面を底面26aとし、該底面26aに前記第2挿通孔24が形成されているように示しているが、ホイール10は上下略対称である。このため、図2には、天地を逆にした際に示される構成要素の参照符号を併せて付している。詳細な説明は省略するが、前記下端面の裏面が天井面30aに対応し、該天井面30aに前記有底穴20(第1挿通孔)が開口する。
ハブ12の中空内部には、底面26aから天井面30aに延在し、且つ内側面28aに連なる複数個(本実施の形態では5個)のリブ32が設けられている。リブ32同士は互いに略等間隔で離間し、且つ、天井面30aにおいては、有底穴20(第1挿通孔)を中心として放射状に広がるように配置されている。
ここで、リブ32の第1挿通孔に臨む側の先端(終端部)は、有底穴20(第1挿通孔)から所定間隔で離間している。換言すれば、リブ32は、ハブ12の内側面28aから第1挿通孔に指向して突出し、且つ第1挿通孔に到達する前に終端部が設けられている。
勿論、天井面30aにおいても同様に、リブ32は第2挿通孔24を中心として放射状に広がる。結局、ハブ12は、第1挿通孔及び第2挿通孔24を中心として放射状に広がっている。また、リブ32は、ハブ12の内側面28aから第2挿通孔24に指向して突出し、且つその終端部は、第2挿通孔24から所定間隔で離間している。
以上の構成において、底面26a、内側面28a及び天井面30aには、それぞれ、複数個の窓部34a〜34cが貫通形成される。窓部34a〜34cの個々は、リブ32と、該リブ32に隣接する他のリブ32との間に介在する位置に配設される。底面26aの窓部34aと天井面30aの窓部34cは、互いに対向する。
そして、ハブ12の底壁26、側壁及び天井壁30の肉厚は、比較的小さく設定される。すなわち、割合で表すと、一般的なホイールにおけるハブの肉厚を10とするとき、本実施の形態に係るホイール10におけるハブ12の肉厚は7程度である。
このようにハブ12の肉厚が小さいため、該ハブ12に湯境欠陥が生じることが抑制される。この点については、後述する。
さらに、肉厚が小さいにも関わらず、ハブ12は高強度・高剛性を示す。中空内部に、底面26a、内側面28a及び天井面30aに連なるリブ32が形成されているからである。
スポーク14は、互いに略等間隔で離間し、第1挿通孔及び第2挿通孔24を中心として放射状に広がるように複数個(本実施の形態では、5個)設けられる(図1参照)。また、スポーク14は、ハブ12と位相が一致するように配置される(図2参照)。
各スポーク14には、軽量化のための長尺な2個の肉盗み36a、36bが該スポーク14の長手方向に沿って形成される。なお、図1中の参照符号38は、鋳造加工装置50(図3参照)のベント孔に導入された溶湯が固化した不要部位であり、ホイール10が車体に装着される前に切断除去され、これにより肉盗み36bが陥没形成される。
全スポーク14に連なるリム16は、周知の通りタイヤを装着するための部位であり、円環形状をなす。
次に、本実施の形態に係るホイール10の製造方法につき説明する。
図3は、ホイール10を成形するための鋳造加工装置50の一部縦断面概略正面図である。この鋳造加工装置50は、下ベース52に位置決め固定された下型54と、該下型54に対して接近又は離間する上型56とを有し、型締めがなされた際には、下型54と上型56でキャビティ58が形成される。下型54の略中央部には、有底の係合穴60が陥没形成されるとともに、上型56に指向して延在する複数個のピン(図示せず)が立設される。
キャビティ58には、ハブ12を中空部として成形するための砂中子62が配置される。図4に示すように、この砂中子62は、円柱形状部64と、該円柱形状部64の下端面中心及び上端面中心からそれぞれ突出した第1軸部66及び第2軸部68とを有する。第1軸部66と第2軸部68は、同一軸線上に位置する。
この中の第1軸部66は、下型54に形成された前記係合穴60に係合される。これにより、砂中子62は、キャビティ58内で第1軸部66が下方、第2軸部68が上方となった状態で安定する。
砂中子62の円柱形状部64には、外縁を起端とし、第1軸部66及び第2軸部68に指向し且つ下端面から上端面まで延在する複数個(本実施の形態では、5個)のスリット70が形成されている。これらスリット70は、リブ32(図2参照)を成形するためのものであり、第1軸部66及び第2軸部68を中心として放射状に広がるように位置している。
図4から諒解されるように、スリット70の第1軸部66及び第2軸部68に臨む端部(終端部)は、第1軸部66及び第2軸部68から所定間隔で離間している。後述するように、キャビティ58に導入される溶湯は、第2軸部68と、スリット70の終端部の間に接触する。
円柱形状部64の外縁には、スリット70同士の間に介在するようにして、円柱形状部64の径方向外方に突出する係止部72が設けられる。各係止部72により、窓部34bが形成される。
一方、上型56には、図3及び図5に示すように、砂中子62の第2軸部68が遊びを生じた状態で挿入されるとともに、湯口ホルダ74が進入する進入孔76がキャビティ58に向かって形成される。さらに、上型56の天井面において、進入孔76の近傍には、図示しない複数個のピンが下型54に指向して延在するように設けられている。
進入孔76の開口近傍には、段部78が形成される。この段部78には、湯口ホルダ74の外側壁に突出形成されたフランジ部80が着座する。
図3に示すように、湯口ホルダ74は、ホルダ固定部材82に貫通形成された支持孔84に嵌合されることでホルダ固定部材82に支持されている。そして、この湯口ホルダ74の内部には、湯口スリーブ86が挿入される。
すなわち、ホルダ固定部材82は、昇降板88から垂下するように設けられた複数本のジョイント棒90の先端に支持される。これらジョイント棒90において、ホルダ固定部材82の若干上方には、ジョイント板92が支持されている。このジョイント板92の略中央には嵌合孔94が貫通形成され、前記湯口スリーブ86は、この嵌合孔94に嵌合されることでジョイント板92に支持される。湯口スリーブ86の下端部は、湯口ホルダ74の内部に挿入されている。
さらに、湯口スリーブ86の上端部に設けられた幅広の挿入口95には、湯口カップ96が嵌合される。溶湯は、この湯口カップ96の開口から注湯され、湯口スリーブ86の内部から砂中子62に接触するようにして、キャビティ58に導入される。
ここで、図5に示すように、砂中子62の第2軸部68の起端部と、湯口スリーブ86の下先端の内壁との離間距離D1は、第2軸部68の起端部とスリット70の終端部の離間距離D2よりも小さく設定される。従って、溶湯が、スリット70が形成された部位に向かって導出されることはない。
前記昇降板88は、複数個の油圧シリンダ98を介して上ベース100に支持されている。各油圧シリンダ98のロッド102が下方に指向して前進すると、昇降板88が下降する。これとは逆に、各油圧シリンダ98のロッド102が上方に指向して後退したときには、昇降板88が上昇する。
上ベース100の下端面には、複数本の支持柱104が垂下するように設けられる。前記上型56は、これら支持柱104の下先端に取り付けられている。支持柱104は昇降板88に貫通形成された案内孔(図示せず)に通されており、従って、昇降板88は、上下に変位する際、支持柱104に案内される。
そして、上ベース100の上端面には、図示しない昇降機構が設けられる。上ベース100は、この昇降機構の作用下に上下方向に変位することが可能である。この変位に追従して、下型54に対して上型56が離間又は接近する。
ホイール10は、このように構成された鋳造加工装置50を用い、以下のようにして作製される。
はじめに、砂中子62を下型54にセットする。すなわち、第1軸部66を係合穴60に係合する。
この状態で、前記昇降機構の作用下に上ベース100を下降し、下型54に対して上型56を接近させ、最終的に上型56を下型54に当接させてキャビティ58を形成する。この際、砂中子62の第2軸部68が進入孔76の内壁に囲繞された状態となる。
その後、油圧シリンダ98を付勢し、各ロッド102を前進させることで昇降板88を下降する。これに伴い、ジョイント棒90、ホルダ固定部材82及びジョイント板92が下降し、結局、湯口ホルダ74、湯口スリーブ86及び湯口カップ96が下降する。
湯口ホルダ74は下降によって上型56の進入孔76に進入し、これに伴って、湯口ホルダ74の内部に挿入された湯口スリーブ86も、湯口ホルダ74に囲繞された状態で進入孔76に進入する。湯口ホルダ74及び湯口スリーブ86の下降は、湯口ホルダ74のフランジ部80が上型56の段部78に着座することで停止する。このとき、湯口スリーブ86の内部に第2軸部68が進入して図3及び図5に示す状態となる。
この状態で、湯口カップ96から注湯がなされる。溶湯(例えば、アルミニウムやマグネシウム、又は各々の合金等)は、湯口カップ96から湯口スリーブ86の内部に流動し、その下先端の開口から導出される。
上記したように、砂中子62の第2軸部68の起端部と、湯口スリーブ86の下先端の内壁との離間距離D1は、第2軸部68の起端部とスリット70の終端部の離間距離D2よりも小さく設定されている(図5参照)。従って、溶湯は、砂中子62の第2軸部68の頂面に接触するか、又は、円柱形状部64の上端面におけるスリット70の終端部よりも内周側に接触する。円柱形状部64の上端面が平坦であるため、溶湯に乱流が生じることや、大気(ガス)が巻き込まれることを回避することができる。
キャビティ58に導入された溶湯の一部は、砂中子62のスリット70に進入した後、砂中子62の外表面を被覆する。砂中子62が比較的低温であるため、砂中子62に接触した溶湯は、比較的早期に硬化して流動性が小さくなる。これにより、内部にリブ32を有する中空のハブ12が形成される。
この際、下型54及び上型56のそれぞれに設けられた前記ピンによって窓部34a、34cが形成される一方で、砂中子62の側壁に突出形成された係止部72によって窓部34bが形成される。窓部34a〜34cを形成するようにした分だけ、溶湯の使用量を低減することができる。
ハブ12が成形される最中、係止部72の先端は、窓部34bに終始係止される。このために砂中子62が浮上することが回避されるので、砂中子62にケレンを設ける必要は特にない。このため、砂中子62を低コストで効率よく作製することができる。
砂中子62の係止部72が窓部34bに係止されることにより、砂中子62が回転することも防止される。従って、寸法精度が良好なハブ12を得ることができる。加えて、砂中子62から発生したガスを、窓部34bから露呈した係止部72と、前記ピンに設けられたベント孔(図示せず)とを介して型外に排出することができる。
中空内部にリブ32を有するハブ12は、上記したように高強度・高剛性を示す。従って、肉厚を小さくすることが可能である。
さらに、この場合、リブ32が存在することで他の部位に比して厚肉となることに伴い、溶湯が流動し易くなる。換言すれば、いわゆる湯廻り性が向上する。しかも、ハブ12の位相とスポーク14の位相が一致し、且つ窓部34a〜34cがリブ32同士の間に介在しているので、溶湯がスポーク14に指向して流動することが容易である。以上のような理由から、溶湯は、キャビティ58中のスポーク14やリム16を形成する部分まで容易に流動する。このことと、ハブ12の肉厚を小さくしたこととが相俟って、ハブ12やスポーク14等に湯境欠陥(例えば、ヒケ巣等)が生じることを回避することができる。
すなわち、本実施の形態によれば、ハブ12の中空内部にリブ32を設けるようにしたことにより、肉厚が小さいながらも十分な強度・剛性を示し、且つ湯境欠陥が可及的に抑制されたハブ12を有するホイール10を得ることができる。
以上のようにしてホイール10を得た後、油圧シリンダ98を再付勢してロッド102を後退させ、昇降板88を上昇させる。これにより、ジョイント棒90、ホルダ固定部材82、ジョイント板92、湯口ホルダ74、湯口スリーブ86及び湯口カップ96が上昇する。
次に、前記昇降機構を再付勢し、上ベース100及び上型56を上昇させて型開きを行う。さらに、図示しないノックアウトピンによってホイール10を下型54から取り出す。
その後、ハブ12の内部に残留している砂中子62を崩壊させる。ハブ12には窓部34a〜34cが形成されているので、これら窓部34a〜34cから工具を挿入すれば、砂中子62を容易に崩壊することができる。さらに、窓部34a〜34cから排砂を行うこともできる。以上のように、窓部34a〜34cを形成するようにしたことにより、砂中子62の崩壊及び排砂を簡便に、しかも、効率よく行うことができるようになるという利点が得られる。
さらに、第1円錐台形状部18や不要部位38が切断除去され、ホイール10が最終製品に仕上げられる。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、スポーク14の延在方向は、ホイール10の直径方向に限定されるものではなく、図6に示すように、いわゆる渦巻き方向(スパイラルスポーク)であってもよい。この場合、ハブ12内のリブ32もスポーク14と同様に、渦巻き方向とすればよい。
10…車両用ホイール 12…ハブ
14…スポーク 16…リム
20…有底穴 24…第2挿通孔
26a…底面 28a…内側面
30a…天井面 32…リブ
34a〜34c…窓部 50…鋳造加工装置
54…下型 56…上型
58…キャビティ 60…係合穴
62…砂中子 64…円柱形状部
66…第1軸部 68…第2軸部
70…スリット 72…係止部
74…湯口ホルダ 76…進入孔
86…湯口スリーブ 88…昇降板
96…湯口カップ 98…油圧シリンダ
100…上ベース 102…ロッド

Claims (10)

  1. 車両の車軸が挿通される挿通孔が形成されたハブと、タイヤが装着されるリムと、前記ハブと前記リムを連結する複数個のスポークとを有する車両用ホイールにおいて、
    前記ハブが、底壁、側周壁及び天井壁が一体的に形成された中空部からなり、且つ該ハブの内部に、前記底壁の内面である底面、前記側周壁の内面である内側面及び前記天井壁の内面である天井面に連なるとともに、前記内側面から前記挿通孔に向かって延在する複数個のリブが設けられていることを特徴とする車両用ホイール。
  2. 請求項1記載のホイールにおいて、前記複数個のリブの前記挿通孔に臨む先端が、前記挿通孔から離間していることを特徴とする車両用ホイール。
  3. 請求項1又は2記載のホイールにおいて、前記複数個のリブの中の1個と、該リブに隣接するリブとの間に介在し、且つ前記ハブの前記底面及び前記天井面を貫通する複数個の窓部が形成されていることを特徴とする車両用ホイール。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のホイールにおいて、前記複数個のスポークの各々と、前記複数個のリブの各々との位相が一致していることを特徴とする車両用ホイール。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のホイールにおいて、前記複数個のリブの中の1個と、該リブに隣接するリブとの間に介在し、且つ前記ハブの前記内側面を貫通する複数個の窓部が形成されていることを特徴とする車両用ホイール。
  6. 車両の車軸が挿通される挿通孔が形成されたハブと、タイヤが装着されるリムと、前記ハブと前記リムを連結する複数個のスポークとを有する車両用ホイールの製造方法において、
    前記ハブを、底壁、側周壁及び天井壁が一体的に形成された中空部としてるための砂中子として、側壁から、前記挿通孔を形成するための軸部に向かって延在する複数個のスリットが形成されたものを用い、
    且つ前記砂中子に接触した溶湯をキャビティに導入して鋳造加工を行い、前記スリットから成形された複数個のリブが、前記底壁の内面である底面、前記側周壁の内面である内側面及び前記天井壁の内面である天井面に連なるハブを得ることを特徴とする車両用ホイールの製造方法。
  7. 請求項6記載の製造方法において、前記車両用ホイールを得るための溶湯をキャビティに導入する湯口を、前記スリットの前記軸部側の先端位置よりも前記軸部側に近接して配置することを特徴とする車両用ホイールの製造方法。
  8. 請求項6又は7記載の製造方法において、前記複数個のリブの中の1個と、該リブに隣接するリブとの間に介在し、且つ前記ハブの前記底面及び前記天井面を貫通する複数個の窓部を形成することを特徴とする車両用ホイールの製造方法。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載の製造方法において、前記複数個のスポークの各々と、前記複数個のリブの各々との位相を一致させることを特徴とする車両用ホイールの製造方法。
  10. 請求項6〜9のいずれか1項に記載の製造方法において、前記複数個のリブの中の1個と、該リブに隣接するリブとの間に介在し、且つ前記ハブの前記内側面を貫通する複数個の窓部を形成することを特徴とする車両用ホイールの製造方法。
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