JP6099090B2 - 運転支援制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の運転支援制御として、特に登り坂において運転者の意図に反し低下した車速を回復させるための速度回復支援制御を実行する運転支援制御装置に関する。
特開2008−257635号公報 特開2008−222123号公報
例えば上記特許文献1,2に記載されるように、車両の運転支援制御として、登り坂での速度低下に対して速度回復支援のための制御を行うものが知られている。登り坂では運転者の意図に反して車速の低下が生じる虞があり、そのような場合に車速が回復するように支援を行うものである。
具体的に、特許文献1に記載の発明では、サグ部分を通過した後(登り坂に差し掛かった後に相当)に速度低下が検出された場合に、速度回復支援のための制御(アクセル開度の自動調整)を実行している。
一方、特許文献2では、勾配変化点に到達したときに、前方車両(先行車両)との車間が所定以上開いており且つ現在の車速が平坦面を走行していたときの平均車速よりも低下している場合に、速度回復支援のための制御(例えばオートクルーズコントロール)を実行している。
しかしながら、上記特許文献1に記載の発明では、速度回復支援制御にあたり先行車両の存在を考慮しておらず、従って周囲の交通環境に適合できない。
また、特許文献2に記載の発明は、先行車両との車間距離が所定以上開いているときに速度回復支援のための制御を実行しているので、周囲の交通環境に適した速度回復支援制御であると言える。
しかしながら、特許文献2においては、先行車両との車間距離についてその大きさのみを考慮しているため、運転者に違和感を与える過剰な介入となる虞がある。
例えば、先行車両との車間距離が所定以上開いていても、先行車両が減速した場合には自車両も減速したいケース(或いは、減速までは望まないものの速度を上げたくないケース)が想定され得る。特許文献2に記載の発明では、このように運転者が加速を望んでいないケースにおいても速度回復支援のための制御が実行されるため、運転者に違和感を与える虞がある。従って、この点において過剰な介入であると言える。
そこで、本発明では上記した問題点を克服し、運転者の意図しない自車速の低下に対する速度回復支援を、周囲の交通環境に適合しつつ、過剰な介入とならないように実現することを目的とする。
第1に、本発明の運転支援制御装置は、自車両の走行速度としての自車速を検出する自車速検出部と、登り坂の開始地点としての勾配変化点を検出する勾配変化点検出部と、先行車両を検出する先行車両検出部と、アクセル開度と出力トルクとの関係を調整する出力トルク調整部と、自車両が前記勾配変化点を通過した後に自車速が低下している場合に、自車速を回復させるように促すための速度回復支援制御を実行する制御部とを備え、前記制御部は、前記速度回復支援制御として、前記出力トルク調整部によって前記出力トルクを増大側に調整させるための制御を実行し、前記先行車両検出部により先行車両が検出された場合は、先行車両が検出されない場合よりも前記速度回復支援制御の制御レベルを弱めるものである。
上記構成によれば、速度回復支援制御は、先行車両の存在を考慮して実行される。具体的に、速度回復支援制御は、先行車両が存在する場合すなわち運転者が自車速の低下に気づき易い場合は、先行車両が存在しない場合すなわち運転者が自車速の低下に気づき難い場合よりも、その制御レベルが弱められるようにして実行される。さらに、アクセル開度と出力トルクとの関係の調整で速度回復支援が行われるため、運転者の意思が介在し、運転者に違和感を与えない。
第2に、本発明の運転支援制御装置は、自車両の走行速度としての自車速を検出する自車速検出部と、登り坂の開始地点としての勾配変化点を検出する勾配変化点検出部と、先行車両を検出する先行車両検出部と、アクセル開度と出力トルクとの関係を調整する出力トルク調整部と、自車両が前記勾配変化点を通過した後に自車速が低下している場合に、自車速を回復させるように促すための速度回復支援制御を実行する制御部とを備え、前記制御部は、前記速度回復支援制御として、前記出力トルク調整部によって前記出力トルクを増大側に調整させるための制御を実行し、先行車両との車間距離が短い場合は、前記車間距離が長い場合よりも前記速度回復支援制御の制御レベルを弱めるものである。
上記構成によっても、速度回復支援制御は、先行車両の存在を考慮して実行される。具体的には、先行車両との車間距離が短い場合すなわち運転者が自車速の低下に気づき易い場合は、先行車両との車間距離が長い場合すなわち運転者が自車速の低下に気づき難い場合よりも、その制御レベルが弱められる。さらに、アクセル開度と出力トルクとの関係の調整で速度回復支援が行われるため、運転者の意思が介在し、運転者に違和感を与えない。

第3に、上記した本発明に係る運転支援制御装置においては、自車両の前方に存在するサグ部を検出するサグ部検出部を備え、前記制御部は、自車両が前記サグ部を構成する前記勾配変化点を通過した後に自車速が低下している場合に、前記速度回復支援制御を実行することが望ましい。
これにより、サグ部を構成する勾配変化点(登り坂開始地点としての勾配変化点)の通過後の走行状態、すなわち渋滞の誘発確率が高いとされるケースでの走行状態を対象として速度回復支援制御が実行される。
第4に、上記した本発明に係る運転支援制御装置においては、前記出力トルク調整部は、前記アクセル開度に対するエンジン出力特性または変速特性を調整するものであることを特徴とする。

第5に、上記した本発明に係る運転支援制御装置においては、運転者に対して情報提示を行う情報提示部を備え、前記制御部は、前記速度回復支援制御として、前記情報提示部により所定の情報提示を実行させる制御を行うことが望ましい。
これにより、運転者に速度低下を注意喚起するという形態での速度回復支援が実現される。
本発明によれば、先行車両が存在する又は先行車両との車間距離が短いことで運転者が自車速の低下に気づき易いとされる場合は、先行車両が存在しない又は先行車両との車間距離が長いため運転者が自車速の低下に気づき難い場合よりも、制御レベルを弱めた速度回復支援制御が実行される。このため、過剰な介入となることが防止される。
従って、運転者の意図しない自車速の低下に対する速度回復支援を、周囲の交通環境に適合しつつ、過剰な介入とならないように実現できる。
実施の形態の車両制御システムの構成を示した図である。 実施の形態で実行される画像処理について説明するための図である。 サグ部の説明図である。 速度回復支援に係るメイン処理の具体的な手順を示しフローチャートである。 速度回復支援関連処理として実行されるべき具体的な処理の手順を示したフローチャートである。 同じく、速度回復支援関連処理として実行されるべき具体的な処理の手順を示したフローチャートである。
<1.システム全体構成>
図1は、本発明に係る実施の形態としての運転支援制御装置を備えた車両制御システム1の構成を示している。なお、図1では、車両制御システム1の構成のうち主に本発明に係る要部の構成のみを抽出して示している。
車両制御システム1は、自車両に対して設けられた撮像部2、画像処理部3、メモリ4、運転支援制御部5、表示制御部6、エンジン制御部7、トランスミッション制御部8、ブレーキ制御部9、センサ・操作子類10、表示部11、エンジン関連アクチュエータ12、トランスミッション関連アクチュエータ13、ブレーキ関連アクチュエータ14、及びバス15を備えて構成される。
画像処理部3は、撮像部2が自車両の前方を撮像して得た撮像画像データに基づき、車外環境を認識するための所定の画像処理を実行する。画像処理部3による画像処理は、例えば不揮発性メモリとされたメモリ4を用いて行われる。なお、撮像部2の内部構成や画像処理部3が実行する具体的な処理の詳細については後述する。
運転支援制御部5は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータで構成され、画像処理部3による画像処理の結果やセンサ・操作子類10で得られる検出情報や操作入力情報等に基づき、運転支援のための各種の制御処理を実行する。
運転支援制御部5は、同じくマイクロコンピュータで構成された表示制御部6、エンジン制御部7、トランスミッション制御部8、ブレーキ制御部9の各制御部とバス15を介して接続されており、これら各制御部との間で相互にデータ通信を行うことが可能とされる。運転支援制御部5は、上記の各制御部のうち必要な制御部に対して指示を行って運転支援に係る動作を実行させる。
本実施の形態の場合、運転支援制御部5は、登り坂での自車速の低下に対する速度回復支援のための制御処理を実行する。図中では、運転支援制御部5が有するこのような速度回復支援のための処理機能を、「速度回復支援処理部5A」としての機能ブロックにより表している。後述するように、速度回復支援処理部5Aは、図4〜図6に示す処理を実行することで実施の形態としての速度回復支援動作を実現させる。
センサ・操作子類10は、自車両に設けられた各種のセンサや操作子を包括的に表している。センサ・操作子類10が有するセンサとしては、例えばエンジン回転数センサ、吸入空気量を検出する吸入空気量センサ、アクセルペダルの踏込み量からアクセル開度を検出するアクセル開度センサ、吸気通路に介装されてエンジンの各気筒に供給する吸入空気量を調整するスロットル弁の開度を検出するスロットル開度センサ、エンジン温度を示す冷却水温を検出する水温センサ、車外の気温を検出する外気温センサ等がある。
また、操作子としては、エンジンの始動/停止を指示するためのイグニッションスイッチや、AT(オートマティックトランスミッション)車における自動変速モード/手動変速モードの選択や手動変速モード時におけるシフトアップ/ダウンの指示を行うためのセレクトレバーや、後述する表示部11に設けられたMFD(Multi Function Display)における表示情報の切り換えを行うための表示切換スイッチなどがある。
特に本実施の形態の場合、センサ・操作子類10においては、車速センサ10A、ブレーキスイッチ10B、アクセル開度センサ10C、モード選択スイッチ10Dが設けられている。なお、ブレーキスイッチ10Bは、ブレーキペダルの操作に応じてON/OFFされるスイッチである。
ここで、モード選択スイッチ10Dは、複数の走行モードから任意の走行モードを選択するためのスイッチとされる。本例の場合、走行モードとしては「ノーマルモード」「セーブモード」「パワーモード」の3種が用意され、モード選択スイッチ10Dは、例えばリング状の操作子を有して、これら3種の走行モードから1つの走行モードを選択可能とされる。
走行モードの切り換えによっては、少なくともエンジン出力特性が切り換えられる。「ノーマルモード」は、アクセル開度に対して出力トルクがほぼリニアに変化するように設定されたモードである。「セーブモード」は、「ノーマルモード」よりも出力トルクをセーブしたモードとして設定され、イージードライブ性と低燃費性との両立を図ったモードとなる。「パワーモード」は、「ノーマルモード」との比較で、エンジンの低回転から高回転までレスポンスに優れた出力特性となるように設定されたモードであり、アクセル開度に対してより早いタイミングで最大トルクを発生させる。
このように、「ノーマルモード」は、「セーブモードに対して」よりトルク重視なモードとされ、「パワーモード」は「ノーマルモード」に対してよりトルク重視なモードとされている。よりトルク重視なモードへの変更により、同じアクセル開度に対する出力トルクが増大する傾向となる。
なお、本例の場合、走行モードの切り換えに伴っては、エンジン出力特性と共にシフトスケジュール(エンジン回転数とシフトタイミングとの関係)も切り換えられるが、この点については例えば「特開2008−2456号公報」にも記載されている。
表示部11は、運転者の前方に設置されたメータパネル内に設けられるスピードメータやタコメータ等の各種メータやMFD、及びその他運転者に情報提示を行うための表示デバイスを包括的に表す。MFDには、自車両の総走行距離や外気温、瞬間燃費等といった各種の情報を同時又は切り換えて表示可能とされる。
表示制御部6は、センサ・操作子類10における所定のセンサからの検出信号や操作子による操作入力情報等に基づき、表示部11による表示動作を制御する。特に、本実施の形態における表示制御部6は、上述したモード選択スイッチ10Dによって選択された走行モードの別を表す情報を上述のMFDにおける所定領域に表示させる。また、本実施の形態の表示制御部6は、運転支援制御部5からの指示に基づき、速度回復支援の一環として表示部11(例えばMFDの所定領域)に所定の注意喚起メッセージを表示させるがこれについては後述する。
エンジン制御部7は、センサ・操作子類10における所定のセンサからの検出信号や操作子による操作入力情報等に基づき、エンジン関連アクチュエータ12として設けられた各種アクチュエータを制御する。エンジン関連アクチュエータ12としては、例えばスロットル弁を駆動するスロットルアクチュエータや燃料噴射を行うインジェクタ等のエンジン駆動に係る各種のアクチュエータが設けられる。
例えばエンジン制御部7は、前述したイグニッションスイッチの操作に応じてエンジンの始動/停止制御を行う。また、エンジン制御部7は、エンジン回転数センサやアクセル開度センサ等の所定のセンサからの検出信号に基づき、燃料噴射タイミング、燃料噴射パルス幅、スロットル開度等の制御も行う。
ここで、エンジン制御部7は、前述した走行モードの別に応じたモードマップを備えており、それらモードマップに基づき、走行モードごとにエンジン回転数とアクセル開度との2つのパラメータに基づいて目標トルクを設定する。そして、設定した目標トルクに対応するスロットル開度信号をスロットルアクチュエータに出力して、スロットル弁を開閉させる。
なお、本実施の形態の場合、設定すべき走行モードの指示は、前述したモード選択スイッチ10Dの操作のみではなく、後述する実施の形態としての速度回復支援制御に伴い運転支援制御部5からも行われることがある。エンジン制御部7は、速度回復支援制御に伴い運転支援制御部5からの指示に応じた走行モードを設定中に、モード選択スイッチ10Dの操作により別の走行モードへの切り換えが指示された場合は、モード選択スイッチ10Dの操作に応じた指示の方を優先する。
トランスミッション制御部8は、センサ・操作子類10における所定のセンサからの検出信号や操作子による操作入力情報等に基づき、トランスミッション関連アクチュエータ13として設けられた各種のアクチュエータを制御する。トランスミッション関連アクチュエータ13としては、例えば自動変速機の変速制御を行うコントロールバルブや、ロックアップクラッチをロックアップ動作させるロックアップアクチュエータ等のトランスミッション関連の各種アクチュエータが設けられる。
例えばトランスミッション制御部8は、前述したセレクトレバーによって自動変速モードが選択されている際には、所定の変速パターンに従い変速信号をコントロールバルブに出力して変速制御を行う。なお本例の場合、この変速パターンはエンジン制御部7で設定されている走行モードの別に応じて可変設定される。
またトランスミッション制御部8は、手動変速モードの設定時には、セレクトレバーによるシフトアップ/ダウン指示に従った変速信号をコントロールバルブに出力して変速制御を行う。
ブレーキ制御部9は、センサ・操作子類10における所定のセンサからの検出信号や操作子による操作入力情報等に基づき、ブレーキ関連アクチュエータ14として設けられた各種のアクチュエータを制御する。ブレーキ関連アクチュエータ14としては、例えばブレーキブースターからマスターシリンダへの出力液圧やブレーキ液配管内の液圧をコントロールするための液圧制御アクチュエータ等、ブレーキ関連の各種のアクチュエータが設けられる。
例えばブレーキ制御部9は、運転支援制御部5よりブレーキをONする指示が為された場合に上記の液圧制御アクチュエータを制御して自車両を制動させる。またブレーキ制御部9は、所定のセンサ(例えば車軸の回転速度センサや車速センサ)の検出情報から車輪のスリップ率を計算し、スリップ率に応じて上記の液圧制御アクチュエータにより液圧を加減圧させることで、所謂ABS(Antilock Brake System)制御を実現する。
<2.本実施の形態で実行される画像処理>
図2により、本実施の形態で実行される画像処理について説明する。
なお、図2では画像処理について説明するため、画像処理部3の構成と共に図1に示した撮像部2の内部構成及びメモリ4も併せて示している。先ず、画像処理に用いる撮像画像データを得るための撮像部2について簡単に説明しておく。
撮像部2には、第1カメラ部20-1、第2カメラ部20-2、A/D変換器21-1、A/D変換器21-2、及び画像補正部22が設けられている。
第1カメラ部20-1、第2カメラ部20-2は、それぞれカメラ光学系と、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子とを備えて構成され、前記カメラ光学系により前記撮像素子の撮像面に被写体像が結像され、該撮像素子にて受光光量に応じた電気信号が画素単位で得られる。
第1カメラ部20-1、第2カメラ部20-2は、いわゆるステレオ法による測距が可能となるように設置される。本例における第1カメラ部20-1、第2カメラ部20-2は、自車両のフロントガラスの上部付近において車幅方向に所定間隔を空けて配置されている。第1カメラ部20-1、第2カメラ部20-2の光軸は平行とされ、焦点距離はそれぞれ同値とされる。また、フレーム周期は同期し、フレームレートも一致している。
第1カメラ部20-1の撮像素子で得られた電気信号はA/D変換器21-1に、第2カメラ部20-2の撮像素子で得られた電気信号はA/D変換器21-2に供給され、それぞれA/D変換が行われる。これにより、画素単位で所定階調による輝度値を表すデジタル画像信号(画像データ)が得られる。
画像補正部22には、A/D変換器21-1を介して得られる第1カメラ部20-1による撮像画像に基づく画像データ(以下「第1撮像画像データ」と表記)と、A/D変換器21-2を介して得られる第2カメラ部20-2による撮像画像に基づく画像データ(以下「第2撮像画像データ」と表記)とが入力される。画像補正部22は、第1撮像画像データ、第2撮像画像データのそれぞれに対し、第1カメラ部20-1、第2カメラ部20-2の取り付け位置の誤差に起因するずれの補正を例えばアフィン変換等を用いて行う。また画像補正部22は、第1撮像画像データ、第2撮像画像データのそれぞれに対しノイズの除去等を含む輝度値の補正も行う。
撮像部2で得られた第1撮像画像データ、第2撮像画像データは、画像処理部3によってメモリ4に記録・保持される。
画像処理部3は、例えばマイクロコンピュータで構成され、起動されたプログラムに従って第1撮像画像データ、第2撮像画像データに基づく各種の画像処理を実行する。
図2においては、画像処理部3が実行する各種の画像処理を機能ごとに分けてブロック化して示している。図のように画像処理部3は、機能ごとに大別すると、距離画像生成処理部3A、車線検出処理部3B、車線モデル形成処理部3C、先行車両検出処理部3D、サグ部検出処理部3E、及び勾配変化点到達検出処理部3Fを有している。
距離画像生成処理部3Aが実行する距離画像生成処理は、メモリ4に保持された第1撮像画像データ、第2撮像画像データに基づき距離画像を生成する処理となる。具体的に、距離画像生成処理は、第1撮像画像データと第2撮像画像データ(つまりステレオ撮像された一対の画像データ)の間の対応点をパターンマッチングにより検出し、検出された対応点間の座標のずれを視差として算出し、該視差を用いて三角測量の原理により実空間上における対応点までの距離を画像上に表した距離画像データを生成する処理である。
車線検出処理部3Bが実行する車線検出処理は、基準画像(つまり第1撮像画像データ又は第2撮像画像データのうち予め設定された方の画像データ)と、上記の距離画像生成処理で生成された距離画像データ(対応点としての画素ごとの距離情報)とに基づき、自車両が走行する路面上に形成された車線を検出する処理となる。具体的に、車線検出処理では、先ず基準画像の各画素の輝度値と各画素の実空間における距離とに基づいて基準画像上に車線候補点を検出し、検出した車線候補点に基づいて自車両の左右の車線位置を検出する。例えば、基準画像上の1画素幅の水平ライン上を左右方向に1画素ずつオフセットしながら探索し、基準画像の各画素の輝度値に基づいて各画素の輝度微分値(=エッジ強度)が閾値以上に大きく変化する条件を満たす画素を車線候補点として検出する。この処理を、上記探索の対象とする水平ラインを基準画像の例えば下側から上向きに1画素幅ずつオフセットさせながら順次行う。これにより、自車両の右側領域及び左側領域のそれぞれに車線候補点を検出する。
車線モデル形成処理部3Cが実行する車線モデル形成処理は、上記の車線検出で検出された左右の車線候補点の情報に基づき、X,Y,Zの各軸(X軸は左右方向、Y軸は高さ方向、Z軸は車両進行方向)で定義される三次元空間上における車線モデルを形成する処理である。具体的には、車線検出部で検出された車線候補点の実空間上の位置(X,Y,Z)を例えば最小二乗法等で直線近似して、三次元空間上における車線モデルを形成する。
このように形成された車線モデルにより、自車両が走行する路面の高さ情報も得られたことになる。
なお、上記の距離画像生成処理、車線検出処理、及び車線モデル形成処理の手法は、特開2008−33750号公報に開示された手法と同様であり、詳しくは該文献を参照されたい。
先行車両検出処理部3Dが実行する先行車両検出処理は、基準画像と距離画像とに基づき自車両の前方に存在する先行車両を検出する処理である。この先行車両検出処理では、先ず、距離画像に基づき物体検出処理を行い、画像内に存在する物体を該物体までの距離の情報も含めて検出する。例えばこの物体検出処理としては、距離画像を、該距離画像を縦方向に仕切る複数の縦領域に分割し、縦領域ごとに画像縦方向(Y方向)の距離分布を表す距離ヒストグラムを作成し、度数が最大となる位置(対応点)の距離をその縦領域内に存在する物体の代表距離とする。そして、代表距離が得られた度数最大となる各対応点について、近接する各対応点までの距離や方向などの関係性から、同一物体とみなされる画素範囲をグループ化し、画像内に存在する各物体の範囲を特定する。これにより、画像内に存在する物体が該物体までの距離の情報も含めて検出される。
ここで、距離画像はフレームごとに順次生成されるものである。先行車両検出処理では、複数フレームにわたって検出物体の距離の情報をモニタすることで、自車両の走行路上に存在する物体であって、自車両と略同じ方向に所定の速度で移動するものを先行車両として抽出する。このとき、車両以外の物体の誤検出を抑制するために、基準画像を用いたパターンマッチング(例えばブレーキランプ等の車両の特徴点に基づくパターンマッチング)も併せて行う。
先行車両を検出した場合は、先行車両検出情報として先行車距離(=自車両との車間距離)、先行車速度(=車間距離の変化割合+自車速)、先行車加速度(=先行車速の微分値)を算出する。
なお、上記の先行車両検出処理の手法は特開2012−66759号公報に開示された手法と同様であり、詳しくは該文献を参照されたい。
サグ部検出処理部3Eが実行するサグ部検出処理は、自車両の前方に存在するサグ部を検出する処理となる。
ここで、サグ部とは、下り坂から登り坂に差し掛かる凹部を意味するもので、特に、図3Aや図3Bに示されるような下り坂の後に比較的緩やかな登り坂が続く道路において、勾配が下り勾配から登り勾配へと変化する部分を指す。なお、これらの図において「H」と示す破線は平坦面(勾配=0%)を意味している。
図3Aでは、下り坂の終了地点と登り坂の開始地点とが一致しており、このケースでは図中の「Pc」と示す下り坂と登り坂との間の勾配変化点がサグ部となる。図3Bの例では下り坂と登り坂との間に平坦部が介在しており、このケースでは当該平坦部がサグ部となる。以下では、サグ部を構成する登り坂への勾配変化点のことを「勾配変化点Pc」と表記する。
本例の場合、サグ部検出処理では、上述した車線モデル形成処理で得られた車線モデルの情報に基づき、自車両の前方に存在するサグ部を検出する。具体的に、この場合のサグ部検出処理では、下り坂の後に登り坂が存在し且つそれらの勾配差が1.5%以上である場合に、自車両の前方にサグ部が存在するとの検出結果を得る。なお、勾配差は、下り坂の勾配をマイナス、登り坂の勾配をプラスとして計算する。
サグ部検出処理では、自車両の前方にサグ部を検出した場合は、サグ部検出フラグをONに設定する。ここで、サグ部検出フラグは、メモリ4の所定領域に記録する。
勾配変化点到達検出処理部3Fが実行する勾配変化点到達検出処理は、登り勾配への勾配変化点(つまり登り坂の開始地点)、登り坂からの勾配変化点(登り坂の終了地点)に自車両が到達したことを検出する処理である。
具体的に、勾配変化点到達検出処理では、車線モデル形成処理で得られる車線モデルの情報をモニタした結果に基づき、登り勾配への勾配変化点、登り坂からの勾配変化点に自車両が到達したことを検出する。
勾配変化点到達検出処理では、自車両が登り勾配への勾配変化点に到達したことを検出した場合は、勾配変化点到達フラグをONに設定する。また、自車両が登り坂からの勾配変化点に到達したことを検出した場合は、登坂終了点到達フラグをONに設定する。
これら勾配変化点到達フラグ、登坂終了点到達フラグとしても、メモリ4の所定領域に記録する。
<3.速度回復支援のための処理>
図4〜図6のフローチャートを参照して、図1に示した運転支援制御部5が速度回復支援処理部5Aとして実行する具体的な処理の手順を説明する。
図4は、速度回復支援処理部5Aが実行するメイン処理の具体的な手順を示している。
先ず、ステップS101で、メモリ4に記録されたサグ部検出フラグを確認し、続くステップS102でサグ部が検出されたか否か、すなわちサグ部検出フラグがONか否かを判別する。サグ部検出フラグがONではなくサグ部が未検出であった場合はステップS101に戻る。一方、サグ部検出フラグがONでありサグ部が検出されたと判明した場合は、ステップS103に処理を進める。
なお、ステップS102において、運転支援制御部5としてのマイクロコンピュータ(CPU)は、サグ部検出フラグがONであった場合には、サグ部検出フラグをOFFに設定する。サグ部検出後もサグ部の検出状態が維持されることを防止するためである。
ステップS103では、メモリ4における勾配変化点到達フラグ、登坂終了点到達フラグをOFFに設定する。
ステップS104では勾配変化点到達フラグを確認し、続くステップS105では勾配変化点に到達したか否かを判別する。ここで、サグ部が検出された後のステップS105の時点で勾配変化点到達検出フラグがONであるということは、検出された勾配変化点は、図3A,図3Bに示したようなサグ部を構成する勾配変化点Pcであることになる。すなわち、ステップS105の処理は、このような勾配変化点Pcに到達したか否かを判別する処理となる。
勾配変化点到達フラグがONではなく勾配変化点Pcに到達していないと判別された場合は、ステップS104に戻る。
一方、勾配変化点到達フラグがONであり勾配変化点Pcに到達したと判別された場合は、ステップS106で自車速、車間距離、現時刻、アクセル開度の各情報を例えばメモリ4に記録する。自車速の情報は、前述した車速センサから得、車間距離の情報は、前述した画像処理部3による先行車両検出処理の結果から得る。また現時刻の情報は例えば運転支援制御部5が有する計時機能を利用して得、アクセル開度の情報は前述したアクセル開度センサから得る。なお、このステップS106で記録される自車速、車間距離、現時刻、アクセル開度の各情報は、自車両がサグ部を構成する勾配変化点Pcに到達した時点での情報として機能する。
ステップS106の記録処理を実行すると、ステップS107で速度回復支援関連処理を実行する。
以上のようなメイン処理によって、自車両が勾配変化点Pcに到達したことに応じて、速度回復支援関連処理としての、図5及び図6に示す処理が開始される。
図5及び図6は、ステップS107の速度回復支援関連処理として実行されるべき具体的な処理の手順を示している。
図5において、先ず、ステップS201〜S203の処理は、勾配変化点Pcへの到達時点から所定時間が経過するまで待機するための処理となる。
先ずステップS201では、自車速、車間距離、現時刻、アクセル開度、ブレーキスイッチ状態を例えばメモリ4に記録する。そして、ステップS202では、勾配変化点Pcへの到達時点からの経過時間を算出する。この経過時間は、先の図4のステップS106で記録した現時刻とステップS201で記録した現時刻との差分を計算することで算出する。
さらに、ステップS203で所定時間が経過したか否かを判別する。すなわち、ステップS202で算出した経過時間が所定値以上となったか否かを判別することで、勾配変化点Pcへの到達時点から所定時間が経過したか否かを判別する。所定時間が経過していないと判別した場合は、ステップS201に戻り、自車速等の各情報の記録処理を経てステップS203の判別処理が再び実行される。これにより、勾配変化点Pcへの到達時点から所定時間が経過するまで待機するループが形成されている。
一方、ステップS203で所定時間が経過したと判別された場合は、先ずはステップS204〜S206の各判別処理により、自車速やアクセル開度、ブレーキ操作の有無に基づき速度回復支援制御を実行すべきか否かが判別される。
具体的に、ステップS204では、勾配変化点Pcへの到達時点から所定時間の間、継続して車速が低下していたか否かを判別する。このステップS204の判別処理は、勾配変化点Pcへの到達時点から所定時間の間にステップS106やS201の処理によってメモリ4に逐次記録された自車速の情報を参照して行う。
所定時間の間継続して車速が低下していなかったと判別した場合は、処理を終了する。
ステップS204で所定時間の間継続して車速が低下していたと判別した場合は、ステップS205でアクセル開度減少率が所定値以上となった履歴があるか否かを判別する。すなわち、勾配変化点Pcへの到達時点から所定時間の間にステップS106やS201の処理によってメモリ4に逐次記録されたアクセル開度の情報に基づき、所定時間の間にアクセル開度減少率が所定値以上となった履歴があるか否かを判別する。
アクセル減少率が所定値以上となった履歴があると判別した場合は処理を終了する。
ここで、アクセル開度減少率が所定値以上であれば、運転者が何らかの危険を察知するなどしてアクセルペダルを急開放したものと推定される。ステップS205の判別処理はそのような急開放の履歴の有無を確認する処理となる。
ステップS205でアクセル開度減少率が所定値以上となった履歴がなかったと判別した場合は、ステップS206でブレーキON履歴があるか否かを判別する。すなわち、勾配変化点Pcへの到達時点から所定時間の間にステップS201の処理によってメモリ4に逐次記録されたブレーキスイッチ状態の情報に基づき、所定時間の間にブレーキがONとされた履歴があるか否かを判別する。
ブレーキON履歴があると判別した場合は処理を終了する。
これらステップS204〜S206の処理からも理解されるように、本実施の形態では、勾配変化点Pcへの到達時点から所定時間の間において「継続して車速が低下していない」「アクセルペダルが急開放された履歴がある」「ブレーキ操作が行われた履歴がある」の何れかに該当する場合には、速度回復支援制御が実行されない。
ステップS206でブレーキON履歴があると判別した場合は、ステップS207に進む。ステップS207では、先行車両が存在するか否かを判別する。この処理は、前述した先行車両検出処理の結果に基づき行う。
先行車両が存在しないと判別した場合は、ステップS210において速度回復支援制御A(レベル強)を実行する。具体的には、走行モードを「パワーモード」に設定するようにエンジン制御部7に指示を行うと共に、表示部11(MFD)において「レベル強」としての警報表示が為されるように表示制御部6に指示を行う。ここで、「レベル強」としての警報表示は、例えば「速度低下」などの文字情報をMFDに「点滅」表示させることで行う。点滅表示により、注意喚起レベルを高めることができる。
一方、先行車両が存在すると判別した場合は、ステップS208で車間距離が所定車間よりも大きいか否かを判別する。すなわち、前述した先行車両検出処理で得られた先行車両との車間距離の情報を取得し、該車間距離の情報で示される車間距離の値が予め定められた所定の車間距離の値(例えば100m)よりも大きいか否かを判別する。
車間距離が所定車間よりも大きいと判別した場合は、ステップS210に進んで上述した速度回復支援制御Aを実行する。
車間距離が所定車間よりも大きくないと判別した場合は、ステップS209で所定時間の間継続して車間距離が増加していたか否かを判別する。すなわち、勾配変化点Pcへの到達時点から所定時間の間にステップS106やS201の処理によってメモリ4に逐次記録された車間距離の情報に基づき、所定時間の間に継続して車間距離が増加していたか否かを判別する。
所定時間の間継続して車間距離が増加していなかったと判別した場合は、速度回復支援制御は実行せず、処理を終了する。
一方、所定時間の間継続して車間距離が増加していると判別した場合は、ステップS211で速度回復支援制御B(弱レベル)を実行する。具体的には、走行モードを「ノーマルモード」に設定するようにエンジン制御部7に指示を行うと共に、表示部11(MFD)において「レベル弱」としての警報表示が為されるように表示制御部6に指示を行う。「レベル弱」としての警報表示は、例えば「速度低下」などの文字情報をMFDに「点灯」表示させることで行う。点灯表示とされることで、注意喚起レベルは点滅表示の場合よりも弱められる。
ステップS210又はステップS211で速度回復支援制御を実行した後は、図6に示すステップS212に処理を進める。
図6に示す処理は、速度回復支援制御に伴い実行された動作を解除するための処理となる。先ず、ステップS212でアクセル開度を例えばメモリ4に記録し、続くステップS213でアクセル開度減少率が所定値以上であるか否かを判別する。すなわち、現時点を基準に過去所定の単位時間内に記録された複数のアクセル開度の値を用いてアクセル開度減少率を算出し、算出したアクセル開度減少率が所定値以上であるか否かを判別する。
アクセル開度減少率が所定値以上であると判別した場合は、ステップS218で速度回復支援処制御に伴い実行された動作についての解除処理を実行する。具体的に、解除処理としては、走行モードをステップS210又はS211による速度回復支援制御実行前のモードに戻すようにエンジン制御部7に指示を行うと共に、警報表示を停止するように表示制御部6に対する指示を行う。
このステップS218の解除処理の実行後、処理を終了する。
また、アクセル開度減少率が所定値以上ではないと判別した場合は、ステップS214でブレーキスイッチ状態を確認した後、ステップS215でブレーキがONであるか否か、すなわちブレーキ操作が行われたか否かを判別し、ブレーキがONであると判別した場合はステップS218の解除処理を実行する。
一方、ブレーキがONではないと判別した場合は、ステップS216で登坂終了点到達フラグを確認した後、ステップS217で登坂終了か否かを判別する。すなわち、登坂終了点到達フラグがONであるか否かを判別する。
登坂終了であると判別した場合はステップS218の解除処理を実行し、登坂終了ではないと判別した場合はステップS212に戻る。
この図6の一連の処理により、速度回復支援制御に伴い実行された動作は、「自車両が登坂終了点に到達した」「アクセルペダルが急開放された」「ブレーキ操作が行われた」の何れかの条件が成立した場合に解除される。
ここで、上記の説明では、速度回復支援制御として、先行車両が存在する場合と先行車両が存在しない場合とで同レベルの制御が行われ得る場合を例示したが、先行車両を考慮した速度回復支援制御の制御レベル切り換えの観点で見れば、単純に、先行車両が存在する場合と存在しない場合とで制御レベルが切り換えられるようにしてもよい。具体的にその場合は、図5におけるステップS207とS208の判別処理を省略すればよい。
また、上記では勾配変化点Pcに到達してから所定時間の間における速度低下や車間距離が増加傾向にあるかを確認したが、このように勾配変化点Pc到達後の時間を基準とするのではなく、勾配変化点Pcに到達してから所定距離走行の間における速度低下や車間距離の増加を確認してもよい。
<4.まとめ>
上記で説明したように、本実施の形態では、自車両が登り坂開始地点としての勾配変化点を通過した後に自車速が低下している場合に実行される速度回復支援制御に関して、先行車両が検出された場合又は先行車両との車間距離が短い場合は、先行車両が検出されない場合又は先行車両との車間距離が長い場合よりも制御レベルを弱めるようにしている。
このような構成によれば、速度回復支援制御は、先行車両の存在を考慮して実行される。具体的に、先行車両が存在する又は先行車両との車間距離が短いことで運転者が自車速の低下に気づき易いとされる場合は、先行車両が存在しない又は先行車両との車間距離が長いため運転者が自車速の低下に気づき難い場合よりも、制御レベルを弱めた速度回復支援制御が実行される。このため、過剰な介入となることが防止される。
従って、運転者の意図しない自車速の低下に対する速度回復支援を、周囲の交通環境に適合しつつ、過剰な介入とならないように実現できる。
また、本実施の形態では、サグ部を構成する勾配変化点Pcを通過した後に自車速が低下している場合において、速度回復支援制御を実行するようにしている。
これにより、サグ部を構成する勾配変化点Pcの通過後の走行状態、すなわち渋滞の誘発確率が高いとされるケースでの走行状態を対象として速度回復支援制御が実行されるので、渋滞の防止に好適である。
さらに、本実施の形態では、例えばエンジン制御部7として例示したように、アクセル開度と出力トルクとの関係を調整する出力トルク調整部を備え、速度回復支援制御としては、このような出力トルク調整部によって出力トルクを増大側に調整させるための制御を実行するようにしている。
これによれば、アクセル開度と出力トルクとの関係の調整で速度回復支援が行われるため、運転者の意思が介在し、運転者に違和感を与えない。従って、この点においても過剰な介入となることが防止される。
さらにまた、本実施の形態では、速度回復支援を、例えばMFDなどの情報提示部により所定の情報提示を実行させることで行うものとしている。
これにより、運転者に速度低下を注意喚起するという形態での速度回復支援を実現することができる。
<5.変形例>
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記で例示した具体例に限定されるべきものではなく、多様な変形例が考えられる。
例えば、これまでの説明では、勾配変化点Pc(サグ部を構成する登り坂開始地点)への到達に応じて速度回復支援関連処理を実行する例を挙げたが、勾配変化点Pc以外の他の登り坂開始地点への到達に応じて速度回復支援関連処理を実行することもできる。
また、登り坂の開始地点としての勾配変化点への到達を、自車両前方を撮像した画像に基づく画像処理、具体的には車線モデルを形成した結果に基づき検出したが、登り坂開始地点への到達時点の検出は、勾配変化点における路面近傍に設けられたマーカを画像検出した結果に基づき行うこともできる。或いは、これら画像処理による手法に限らず、例えば登り坂開始地点を示す位置情報を予め用意しておき、該位置情報とGPS(Global Positioning System)センサによる現在位置検出情報とのマッチングを行った結果に基づき検出することもできる。このように本発明における登り坂開始地点の具体的な検出手法としては多様に考えられるものであり、特定の手法に限定されるべきではない。
また、サグ部の検出手法についても同様に車線モデルに基づく検出以外にも路面に形成したマーカを利用する手法や位置情報を用いた手法を採ることができ、特定の手法に限定されるべきものではない。
また、先行車両の検出手法についても先に例示した手法に限定されず、例えばミリ波レーダーを用いた手法など他の手法を採ることもできる。また、本発明で特定される「先行車両」は自車走行路上の前方車両に限らず、自車走行方向に複数の車線がある場合は自車線の隣車線を走行する前方車両も含まれる。
また、速度回復支援にあたりエンジン出力特性をトルク重視型に変更する場合を例示したが、これに代えてシフトダウンを実行させることで、出力トルクが増大側に調整されるようにしてもよい。シフトダウンによりエンジン回転数が上昇することに伴い、仮にアクセル開度が同じでも出力トルクは増大傾向となる(特に本発明で対象としている登坂による速度低下時)。この場合、本発明における出力トルク調整部はトランスミッション制御部8が該当する。本発明の出力トルク調整部は、アクセル開度と出力トルクとの関係を調整できるものであればその具体的な手段は問わない。
また、先行車両との車間距離が継続的に増加しているか否かの判別を、車間距離の履歴情報に基づき行うもとしたが、これに代えて、先行車両の減速度と自車両の減速度とを逐次算出・記録しておき、それにより得られる減速度の履歴情報に基づき、先行車両の減速度よりも自車両の減速度の方が継続して大きいか否かを判別するようにしてもよい。このような減速度に基づく処理を採用したとしても、先行車両との車間距離が継続的に増加しているか否かを判別していることに変わりはない。
また、図5の処理では、アクセル開度減少率が所定値以上となった履歴があった場合、ブレーキ操作が行われた履歴があった場合は速度回復支援制御を実行しないものとしたが、これらの履歴があったとしても、アクセルを戻す・ブレーキを踏むといった事象が瞬時的なものであった場合には、速度回復支援制御を行った方が好ましい場合もある。そこで、上記の履歴があった場合に対応して、アクセルが所定時間内に戻されたか否か、ブレーキが所定時間以内にOFFとされたか否かをそれぞれ判別し、アクセルが所定時間内に戻された、ブレーキが所定時間以内にOFFとされた場合は、ステップS207に進むようにしてもよい。
また、図5の処理では、登り坂開始地点への到達時点から所定時間の間でのみ、継続的な自車速の低下や車間距離の増大といった状況を確認し、その結果に基づき速度回復支援制御を実行するものとしたが、登り坂開始地点への到達時点から上記所定時間が経過した後も、引き続き現時刻から遡った「所定時間の間」の状況を確認し、その結果に基づき速度回復支援制御を実行するものとしてもよい。
このようにすれば、特に長い登り坂に対して有効となる。
また、速度回復支援制御に伴い実行された動作の解除処理は、登坂終了点への到達に応じて実行したが、当該解除処理は、先行車両との車間距離が登り坂開始地点への到達時点での車間距離に戻ったこと、或いは自車速が登り坂開始地点への到達時点での速度に戻ったことに応じて実行してもよい。
また、情報提示による速度回復支援の例として、文字としての視覚的な情報提示を行う場合を例示したが、例えばアナウンス音等による聴覚的な情報提示を行うこともできる。
また、AT車に対して本発明を適用する例を挙げたが、MT(マニュアルトラスミッション)車に対しても本発明は好適に適用できる。
1…車両制御システム、3…画像処理部、3D…先行車両検出処理部、3E…サグ部検出処理部、3F…勾配変化点到達検出処理部、5…運転支援制御部、5A…速度回復支援処理部、6…表示制御部、7…エンジン制御部、8…トランスミッション制御部、10…センサ・操作子類、10A…車速センサ、10B…ブレーキスイッチ、10C…アクセル開度センサ、10D…モード選択スイッチ

Claims (5)

  1. 自車両の走行速度としての自車速を検出する自車速検出部と、
    登り坂の開始地点としての勾配変化点を検出する勾配変化点検出部と、
    先行車両を検出する先行車両検出部と、
    アクセル開度と出力トルクとの関係を調整する出力トルク調整部と、
    自車両が前記勾配変化点を通過した後に自車速が低下している場合に、自車速を回復させるように促すための速度回復支援制御を実行する制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記速度回復支援制御として、前記出力トルク調整部によって前記出力トルクを増大側に調整させるための制御を実行し
    前記先行車両検出部により先行車両が検出された場合は、先行車両が検出されない場合よりも前記速度回復支援制御の制御レベルを弱める
    運転支援制御装置。
  2. 自車両の走行速度としての自車速を検出する自車速検出部と、
    登り坂の開始地点としての勾配変化点を検出する勾配変化点検出部と、
    先行車両を検出する先行車両検出部と、
    アクセル開度と出力トルクとの関係を調整する出力トルク調整部と
    自車両が前記勾配変化点を通過した後に自車速が低下している場合に、自車速を回復させるように促すための速度回復支援制御を実行する制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記速度回復支援制御として、前記出力トルク調整部によって前記出力トルクを増大側に調整させるための制御を実行し
    先行車両との車間距離が短い場合は、前記車間距離が長い場合よりも前記速度回復支援制御の制御レベルを弱める
    運転支援制御装置。
  3. 自車両の前方に存在するサグ部を検出するサグ部検出部を備え、
    前記制御部は、
    自車両が前記サグ部を構成する前記勾配変化点を通過した後に自車速が低下している場合に、前記速度回復支援制御を実行する
    請求項1又は請求項2に記載の運転支援制御装置。
  4. 前記出力トルク調整部は、前記アクセル開度に対するエンジン出力特性または変速特性を調整するものであることを特徴とする
    請求項1乃至請求項3の何れかに記載の運転支援制御装置。
  5. 運転者に対して情報提示を行う情報提示部を備え、
    前記制御部は、
    前記速度回復支援制御として、前記情報提示部により所定の情報提示を実行させる制御を行う
    請求項1乃至請求項4の何れかに記載の運転支援制御装置。
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