以下に、本発明の実施形態に係るメダル補給装置を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係るメダル補給装置1が備えられた遊技機島が示され、図2および図3は、メダル補給装置1の全体が示されている。なお、以下の説明では、図2に示されているとおり、設置面に対する高さ方向であってメダルが揚送される方向を上方とし、揚送される方向の反対側を下方とし、揚送される方向と交差する一方を右方とし、他方を左方とし、遊技機の正面側を前方とし、背面側を後方とする。また、メダルが流れる流路を「メダル流路」とし、メダルが流れる方向における上流側を「メダル上流側」とし、下流側を「メダル下流側」とする。メダル流路は、メダルの直径が25mm、30mmの何れにも対応することができる。
図1に示されているとおり、一般的に、遊技機島は、隣接して一列に並べられた複数の遊技設備から構成されている。場合によっては、遊技機島は、並列された遊技設備が背中合わせで配置されている。この遊技設備の後方側で、隣接する二台の遊技機2同士の間に、本実施形態に係るメダル補給装置1が取り付けられている。詳説すれば、遊技設備は、遊技機2およびメダル貸し機3と一対で構成されているため、メダル補給装置1は、隣接する遊技機2とメダル貸し機3との間に取り付けられている。なお、一台の遊技設備ごとにメダル補給装置1が取り付けられていてもよい。
図2および図3に示されているとおり、メダル補給装置1は、遊技機2を通ったメダル4を回収すると共に、遊技機2にメダル4を補給するものであり、次の各部から構成されている。すなわち、遊技機2から排出されたメダル4が回収されると共に送り出されるホッパー装置20と、このホッパー装置20と連結されてメダル4を清掃する清掃装置30と、この清掃装置30よりもメダル下流側で清掃装置30と連結されてメダル4が揚送されるための流路である揚送装置70と、この揚送装置70よりもメダル下流側で揚送装置70と連結されてメダルを遊技機2に振り分ける振分け装置90と、この振分け装置90からホッパー装置20を経て清掃装置30に直接通じる循環路17と、この循環路17に接続されると共に振分け装置90よりもメダル下流側に備えられて清掃装置30との間でメダル4を貯留する補助タンク17aと、各部が取り付けられるフレーム部5とから、メダル補給装置1が構成されている。なお、補助タンク17aが接続されず循環路17のみから構成されていてもよい。
フレーム部5は、ホッパー装置20が取り付けられた基台フレーム6と、この基台フレーム6に連結されて揚送装置70が取り付けられた長手の揚送フレーム7と、この揚送フレーム7の上端に連結されて前方に張り出した平板状の板フレーム8と、揚送フレーム7の下方側に連結されて前方に張り出した支持フレーム9とから構成されている(図14参照)。
揚送装置70(揚送フレーム7)は、右方に第一遊技機2aが備えられ、この第一遊技機2aの右方に第一メダル貸し機3aが隣接して備えられている。同様に、揚送装置70(揚送フレーム7)は、左方に第二メダル貸し機3bが備えられ、この第二メダル貸し機3bの左方に第二遊技機2bが隣接して備えられている。すなわち、揚送装置70(揚送フレーム7)は、第一遊技機2aと第二メダル貸し機3bとの間に配置されている。遊技設備は、内部に補給タンク10がそれぞれ備えられている。各補給タンク10は、メダル4が一定の量であることを感知するメダル要求センサ(図示省略)が備えられている。メダル要求センサは、例えば導通センサなどである。なお、各遊技機2と各メダル貸し機3との間は、遊技機島の設計上の都合などによって間(いわゆるダメ)が空けられている場合がある。
基台フレーム6の左右側は、遊技機2を通って排出されたメダル4が回収される一対の連結金具(図示省略)を介して、メダルタンク11が取り付けられている。このメダルタンク11は、ホッパー装置20の左右側と連結され、上面が開放され、メダル4を受け入れるための樋12が、ホッパー装置20に向かうに従って徐々に下方に向けて傾斜している。メダルタンク11は、ホッパー装置20に対する前後方向の角度が連結金具を介して自在に変化する。また、メダルタンク11は、いわゆるダメの間隔に応じて左右方向の長さが変化する構造である。
基台フレーム6に取り付けられたホッパー装置20は、遊技機2の下方で設置面から所定の間隔Yを空けて配置されている。所定の間隔Yは、例えば、遊技機2の利用者が椅子(図示省略)に着座した際、利用者の足が収まって利用の妨げにならない程度の空間である。
ここで、ホッパー装置20を図面に基づいて説明する。図4および図5は、本実施形態に係るメダル補給装置1のホッパー装置20が示されている。
図4および図5に示されているとおり、ホッパー装置20は、メダルタンク11の下端に連結される傾斜板21と、この傾斜板21の下方に配置された回転メダル保持部22と、この回転メダル保持部22の左方に形成された清掃装置着脱部26と、この清掃装置着脱部26に配置されて回転メダル保持部22に連結されたメダル送出し通路部24と、回転メダル保持部22を作動させるホッパー駆動部27と、傾斜板21の前方上方側に取り付けられた前蓋部28および後方上方側に取り付けられた後蓋部29とから構成されている。前蓋部28および後蓋部29は、開閉が可能であり、基台フレーム6に連結される(図2参照)。
傾斜板21は、周囲から下方に向けて漏斗状に傾斜して形成され、傾斜した先である下端に孔が形成されている。この孔は、回転メダル保持部22が配置されている。回転メダル保持部22は、円盤状に形成され、メダル4の面が上を向いた状態でメダル4が収まる大きさのメダル保持孔23が円周に沿って複数配置されている。回転メダル保持部22は、ホッパー駆動部27が稼働することで正回転し、メダル保持孔23に保持されたメダル4がメダル送出し通路部24に送り出される。メダル送出し通路部24は、後方に向かうに従って上方に向けて傾斜して形成され、メダル4の面が上向きの状態でメダル4が送り出される。メダル送出し通路部24の上面および下面は開口部25が形成され、送り出されるメダル4の面が開口部25において露出する。メダル送出し通路部24は、メダル4と接触する部分が樹脂製であり、その他の部分が適宜金属製の部材で補強されている。清掃装置着脱部26は、清掃装置30が着脱される。
ここで、本実施形態に係るメダル補給装置に備えられた清掃装置を図面に基づいて説明する。図6から図10は、本実施形態に係るメダル補給装置1の清掃装置30が示されている。
図6に示されているとおり、清掃装置30は、前後に分割される容器本体31と蓋部32とから構成されたカセット33に、メダル4を研磨するための長手の研摩布60がロール状に巻かれて収容されている。カセット33は、高さ方向の幅が左方から右方に渡って徐々に狭く形成され、右方の端に隙間が形成されている。隙間は、カセット33の右方端から左方に向けて形成されると共に、前後方向に開放されている。この隙間に、メダル4が前方から後方に通されるメダル流路が形成されている。メダル流路を形成する流路部34は、隙間において互いに対面して配置されている。流路部34は、下方側の下方流路部35と、上方側の上方流路部38とから構成されている。蓋部32は、上下各流路部35,38を上下に開閉させるための開閉機構42が備えられている。
開閉機構42は、図7に示されているとおり、上下各流路部35,38を閉塞させる閉塞状態と、図8に示されているとおり、上下各流路部35,38を開放させる開放状態とに変化させるものであり、一対の開閉部材43と、この開閉部材43を開閉させる開閉レバー44とが備えられている。開閉部材43は、左右方向に長手であり、左方端が蓋部32の中央近傍で支持され、右方側が上下各流路部35,38と連結されている。また、開閉部材43の中央は、開閉弾性部材45が取り付けられている。開閉弾性部材45は、例えば、コイルバネなどであるが、その他のバネや、弾性変形する樹脂などであってもよい。開閉レバー44は、カム軸部46に把持部47が連結され、カム軸部46が開閉部材43の間の左方寄りに配置されると共に蓋部32に支持されている。カム軸部46は、閉塞状態において左右に突出している。
図7(b)および図8(b)に示されているとおり、上方流路部38は、メダル流路において前後方向に平坦な上方平坦部39が形成され、この上方平坦部39の両端がメダル流路の上流側および下流側において上方に向けて傾斜して上方傾斜端部40が形成されている。同様に、下方流路部35は、メダル流路において前後方向に平坦な下方平坦部36が形成され、この下方平坦部36の両端がメダル流路の上流側および下流側において下方に向けて傾斜して下方傾斜端部37が形成されている。上下各平坦部36,39はメダル流路において対面している。上下各流路部35,38は樹脂製である。
図7(a)の閉塞状態において、カム軸部46を軸に把持部47が時計回りにほぼ90度回転すると(図7(a)において右回り)、図8(a)に示されているとおり、カム軸部46が回転して開閉部材43に当り、開閉部材43が押し広げられる。開閉部材43が作動すると、左方端を軸に右方端が上下に開放されると共に、上下各流路部35,38が開放されて開放状態となる。
図9および図10に示されているとおり、上下各流路部35,38は、隙間の間隔をメダル4の厚みよりも狭める方向に押し出すための流路弾性部材41が備えられている。すなわち、上下各流路部35,38の間隔がメダル4の厚みよりも狭くなるように上下各流路部35,38が配置され、下方流路部35の下方、および、上方流路部38の上方に流路弾性部材41がそれぞれ取り付けられている。流路弾性部材41は、例えば、コイルバネなどであるが、その他のバネや、弾性変形する樹脂などであってもよい。
カセット33の内側は、研磨布60を長手方向に移動させる研磨布駆動部としての研磨布駆動軸部48がほぼ中央に備えられ、研磨布駆動軸部48に従属する研磨布従動部としての研磨布従動軸部49が研磨布駆動軸部48よりも左方寄りに備えられている。また、カセット33は、側面の内側に沿って複数のローラ50が備えられている。なお、以下では、メダル流路と区別するために、研磨布60の流路を「布流路」とし、研磨布60が送り出される方向における上流側を「布上流側」とし、下流側を「布下流側」とする。
カセット33のうち、上下各流路部35,38の周囲において、左方に折返しローラ51が形成されている。また、下方流路部35の下方に下側ローラ52が形成され、上方流路部38の上方に上側ローラ53が形成されている。研磨布60は、折返しローラ51に引っ掛けられ、この折返しローラ51を境に布上流側と布下流側とが、上下各流路部35,38にそれぞれ引っ掛けられている。すなわち、研磨布60は、折返しローラ51よりも布上流側が、メダル流路に通されて上方流路部38に掛けられ、上側ローラ53およびローラ50に引っ掛けられている。布上流側における研磨布60の端部は研磨布従動軸部49に巻き付けられている。また、研磨布60は、折返しローラ51よりも布下流側が、メダル流路に通されて下方流路部35に掛けられ、下側ローラ52およびローラ50に引っ掛けられている。布下流側における研磨布60の端部は研磨布駆動軸部48に巻き付けられている。
研磨布駆動軸部48が駆動して回転すると、研磨布駆動軸部48に使用済みの研磨布60が巻き付けられると共に、研磨布従動軸部49に巻き付けられた未使用の研磨布60が送り出される。すなわち、メダル流路では、上下各流路部35,38に掛けられた研磨布60が送り出される。
図10に示されているとおり、清掃装置30がホッパー装置20の清掃装置着脱部26に取り付けられる際、清掃装置30の上下各流路部35,38の間に、ホッパー装置20のメダル送出し通路部24が挟まれ、上下各流路部35,38の上下各平坦部36,39が流路弾性部材41によってメダル流路に押し出され、メダル送出し通路部24の開口部25に配置される。メダル4がメダル送出し通路部24を通って上下各流路部35,38の間を通過する際、上下各流路部35,38を介して研磨布60が押し付けられて研磨される。研磨されて清掃されたメダル4はメダル下流側に送り出され、メダル送出し通路部24のメダル下流側に連結された揚送装置70を通って揚送される。
ここで、本実施形態に係るメダル補給装置に備えられた揚送装置を図面に基づいて説明する。図11から図16は、本実施形態に係るメダル補給装置1に備えられた揚送装置70が示されている。なお、図3に示されているとおり、揚送装置70は、隣接する二台の各遊技機2a,2b同士の間、より具体的には、第一遊技機2aと第二メダル貸し機3bとの間に配置され、フレーム部5の揚送フレーム7に取り付けられている。
図11および図12に示されているとおり、揚送装置70は、メダル4が揚送される際のメダル流路である揚送路71と、この揚送路71の前方に向けて備えられて隣接する第一遊技機2aと第二メダル貸し機3bとの間に配置される連接部72と、この連接部72に備えられた着脱構造75とから構成されている。この着脱構造75を介して、揚送装置70は、隣接する第一遊技機2aと第二メダル貸し機3bとの間を通って揚送路71が連接部72と共に揚送フレーム7から前方に向けて着脱される。
揚送路71は上下に長手に形成され、メダル4の面が前方を向いた状態でメダル4が揚送される。揚送路71の内側は樹脂製である。この揚送路71の前方に連結された連接部72は、上下方向に長手の長方形であり、平板状である。連接部72は、前方寄りの下方側にストッパー73が取り付けられ、後方寄りの上下方にそれぞれ窓部74が形成されている。この窓部74を介して着脱構造75が備えられている。着脱構造75は、連接部72に備えられた操作レバー76と、揚送路71の後方に配置される揚送フレーム7に形成された被係止部83とから構成されている(図14参照)。操作レバー76は、前後方向に長手の板状片であり、連接部72の前方寄り(遊技機2の正面側寄り)に配置された操作部77と、連接部72の後方寄り(遊技機2の背面側寄り)に配置された係止部79とが連接され、ほぼ中央の操作支持部78が連接部72に支持されて回転可能である。上下の各操作レバー76は、係止部79の近傍が互いにリンク部材84で連結されている。
図13に示されているとおり、係止部79は、揚送路71の前方から左方回りに迂回して後方に回り込む鉤状に形成されている。詳説すれば、係止部79は、上方から視して“コ”字状に屈曲して形成され、操作レバー76に対して左方に向けて直角に折り曲げられた第一片部80と、この第一片部80に対して直角に折り曲げられて後方に伸びた第二片部81と、この第二片部81に対して右方に向けて直角に折り曲げられた第三片部82とから構成されている。この係止部79は、窓部74を通って配置され、第二片部81が窓部74において連接部72と同一面上に配置され、第三片部82が揚送路71の後方に配置されている。この状態で、揚送路71が連接部72の窓部74を介して連接部72の板面に取り付けられている。
図11および図12に示されているとおり、操作レバー76は、操作支持部78を軸として操作部77が上下に作動することで、係止部79が連動する。すなわち、操作レバー76は、操作部77が下方に作動することで、操作支持部78を軸として係止部79が上方に作動し、操作部77が上方に作動することで操作支持部78を軸として係止部79が下方に作動する。その際、上下各操作レバー76はリンク部材84を介して連動する。
図14に示されているとおり、被係止部83は揚送フレーム7に形成された切欠きであり、上下各操作レバー76と対応する上方側および下方側に形成されている。図15に示されているとおり、揚送装置70は、板フレーム8と支持フレーム9との間に配置され、操作レバー76が上方に作動して係止部79が揚送フレーム7の被係止部83に係止されるとロック状態となる。ロック状態では、操作部77がストッパー73によって上方への移動が規制される。一方で、図16に示されているとおり、操作レバー76が下方に作動して係止部79が被係止部83から外れると解除状態となる。すなわち、操作レバー76によって、ロック状態と解除状態とが選択される。なお、操作レバー76が上方に作動することで係止部79が被係止部83に係止されてロック状態となり、操作レバー76が下方に作動することで係止部79が被係止部83から外れて解除状態となる構成であってもよい。
上記した揚送装置70の上端は、振分け装置90が連結されている。
ここで、本実施形態に係るメダル補給装置に備えられた振分け装置を図面に基づいて説明する。図17から図23は、本実施形態に係るメダル補給装置1の振分け装置90が示されている。なお、図3に示されているとおり、振分け装置90は、隣接する二台の各遊技機2a,2b同士の間、より具体的には、第一遊技機2aと第二メダル貸し機3bとの間に配置されている。
図3および図17に示されているとおり、振分け装置90は、“T”字状に形成され、メダル4が揚送される方向と交差する右方に向けられた一方側流路部としての右方側流路部91と、この右方側流路部91の反対側である左方に向けられた他方側流路部としての左方側流路部92とが備えられ、この左右各流路部91,92の間に分岐流路部93が形成されている。左右各流路部91,92および分岐流路部93は、樹脂製である。
左右各流路部91,92は、分岐流路部93から左右に伸びると共に下方に向けて傾斜し、いわゆるダメの間隔に応じて左右方向の長さが変化する構造である。右方側流路部91は、第一メダル貸し機への補給口13が右端から下方に向けて形成され、この第一メダル貸し機への補給口13と分岐流路部93との間に、第一遊技機への補給口15が下方に向けて形成されている。一方、左方側流路部92は、第二遊技機への補給口16が左端から下方に向けて形成され、この第二遊技機への補給口16と分岐流路部93との間に、第二メダル貸し機への補給口14が下方に向けて形成されている。さらに、第二遊技機への補給口16と第二メダル貸し機への補給口14との間に、循環路17が接続された循環用接続口18が形成されている。なお、循環用接続口18は、第一メダル貸し機への補給口13と第一遊技機への補給口15との間に形成されていてもよい。
左右各流路部91,92は、各補給口13,14,15,16,18の入口にメダル感知センサ19がそれぞれ取り付けられている。メダル感知センサ19は、例えば赤外線センサなどであり、メダル4が通過する度に感知される。メダル4がメダル感知センサ19を通過した回数は、計数機(図示省略)で計数される。
図17および図18に示されているとおり、分岐流路部93は、上方寄りおよび下方寄りに孔が形成されている。上方寄りの孔である流路制御用貫通孔94は、左右一対で構成され、それぞれが左右方向に長い長孔である。一方、下方寄りの孔である押出用貫通孔95は、左右一対で構成され、左右方向に向かうに従って下方に傾斜する方向に長い長孔である。流路制御用貫通孔94を介して、右方側流路部91または左方側流路部92の片方を塞ぐことで、もう片方を選択する流路制御装置96が備えられ、この流路制御装置96よりも上流側に、押出用貫通孔95を介して、揚送されるメダル4を押し出す押出機構108が備えられている。
図19および図20に示されているとおり、押出機構108は、分岐流路部93の後側に配置されたガイド支持部109と、このガイド支持部109に支持されて回転可能である一対のガイド本体部110と、このガイド本体部110に取り付けられたガイド部114と、ガイド本体部110同士に連結されたガイド弾性部材115とから構成されている。
ガイド本体部110は、ほぼ長方形の板状に形成され、下端側であるガイド本体下部112が、ガイド支持部109に支持されている。ガイド本体部110の上端側であるガイド本体上部111は、前方にガイド部114が取り付けられて後方に向けて貫通している。ガイド部114の前方側は、例えばベアリングであり、分岐流路部93の後方から前方に向けて、押出用貫通孔95を通ってメダル流路に向けて張り出している。ガイド部114は、押出用貫通孔95において、互いに近い側に配置されたことで、メダル4の直径よりも狭い間隔で配置されている。この状態において、分岐流路部93の後方側で、ガイド部114の後方側であるガイド軸部116に、ガイド弾性部材115が、自然長または圧縮した状態で取り付けられている。ガイド弾性部材115は、例えば、コイルバネなどであるが、その他のバネや、弾性変形する樹脂などであってもよい。
図18、図19および図20に示されているとおり、分岐流路部93において、揚送されるメダル4が通過する際にメダル4によってガイド部114が押し広げられると、ガイド本体部110は、ガイド本体下部111を軸として回転し、ガイド本体上部112がガイド弾性部材115の弾性力に反発して押出用貫通孔95を介して左右に移動する。ガイド部114同士の間隔が広げられてメダル4がガイド部114同士の間を通過すると、ガイド本体部110は、ガイド本体下部111を軸として回転し、ガイド本体上部112がガイド弾性部材115の復元力によって押出用貫通孔95を介して互いに近い側に移動して元の間隔に戻る。
図18、図19および図20に示されているとおり、流路制御装置96は、分岐流路部93の後方に備えられた支持受け部97と、この支持受け部97に支持され、転換部としての転換突部104を右方側流路部91側または左方側流路部92側に配置させる支持部としての支持板98と、この支持板98に取り付けられ、メダル4が接触することでメダル4の向きを転換する転換突部104と、支持板98を作動させる流路制御駆動部107とから構成されている。
支持板98は、ほぼ長方形の板状片の端が屈折して形成されたものである。詳説すれば、支持板98の中央である支持中央部99が平板状に形成され、この支持中央部99の左右端に、平板状に形成された一方流路片部としての右方流路片部100と、同様に、平板状に形成された他方流路片部としての左方流路片部101とがそれぞれ連接されている。左右各流路片部100,101は、支持中央部99に対して後方に向けて緩やかに傾斜している。
支持中央部99の後方側は、上下方向において互いに対面する一対の上側支持片102および下側支持片103が後方に向けて突出している。各支持片部102,103は、支持受け部97に取り付けられて連結軸117が上下方向に貫通し、この連結軸117に支持されて回転可能である。下側支持片103は、先端に流路制御駆動部107が連結されている。流路制御駆動部107は、例えばソレノイドなどである。
右方流路片部100の前方側は、一方転換突部としての右方転換突部105が取り付けられ、同様に、他方流路片部101の前方側は、他方転換突部としての左方転換突部106が取り付けられている。左右各転換突部105,106は例えばベアリングである。左右各転換突部105,106は、少なくとも片方が分岐流路部93の後方から前方に向けて、流路制御用貫通孔94を通ってメダル流路に向けて張り出している。
詳説すれば、左右各流路片部100,101は、支持中央部99に対して後方に向けて緩やかに傾斜しているため、流路制御駆動部107が稼働すると、連結軸117を軸に支持板98が作動し、前後方向(分岐流路部93の後方から前方までの厚み方向)における左右各流路片部100,101の位置が互いに異なる位置に配置される。すなわち、右方流路片部100が分岐流路部93の後方面に近接すると、左方流路片部101が分岐流路部93の後方面から後方に離れる。すなわち、右方流路片部100が分岐流路部93の後方面に近接した状態では、右方転換突部105は流路制御用貫通孔94を通ってメダル流路に向けて張り出し、一方、左方転換突部106はメダル流路に向けて張り出さず、分岐流路部93の後方に配置されている。同様に、左方流路片部101が分岐流路部93の後方面に近接した状態では、左方転換突部106は流路制御用貫通孔94を通ってメダル流路に向けて張り出し、一方、右方転換突部105はメダル流路に向けて張り出さず、分岐流路部93の後方に配置される。
上記のとおり構成された振分け装置90は、次のとおりメダル4が振り分けられる。
図21に示されているとおり、押出機構108は、ガイド部114が、押出用貫通孔95において、互いに近い側に配置されたことで、メダル4の直径よりも狭い間隔で配置されている。また、流路制御装置96は、右方流路片部100が分岐流路部93の後方面に近接すると共に、右方転換突部105が流路制御用貫通孔94を通ってメダル流路に向けて張り出し、右方側流路部91が塞がれている。一方、左方流路片部101が分岐流路部93の後方面から後方に離れると共に、分岐流路部93の後方に配置され、左方側流路部92が開放されている。
揚送されたメダル4が押出機構108を通過する際、メダル4によってガイド部114が押し広げられる。図22に示されているとおり、ガイド部114同士の間隔が広げられてメダル4がガイド部114同士の間を通過する際、ガイド弾性部材115の復元力によってガイド部114同士の間隔が元に戻る。同時に、元の間隔に戻ろうとするガイド部114の移動によってメダル4に勢いが付与され、メダル4が流路制御装置96に向けて勢いよく押し出される。
図23に示されているとおり、メダル4が流路制御装置96を通過する際、メダル4は、流路制御用貫通孔94を通ってメダル流路に向けて張り出した右方転換突部105に当り、左方側流路部92に案内される。左方側流路部92に案内されたメダル4は、第二遊技機2bまたは第二メダル貸し機3bに補給される。
次に、本発明の他の実施形態に係るメダル補給装置に備えられた振分け装置における流路制御装置を図面に基づいて説明する。図24から図26は、他の実施形態に係るメダル補給装置の振分け装置290が示されている。なお、以下では、上記した実施形態と異なる構成のみの説明がなされ、同一の構成の説明が省略されている。
図24および図25に示されているとおり、分岐流路部93の上方寄りに形成された流路制御用貫通孔294は、左右方向に長い長孔であると共に、下方に向けて弧状に湾曲している。この流路制御用貫通孔294を介して、流路制御装置296が備えられている。
流路制御装置296は、分岐流路部93における流路の上方において分岐流路部93を前後に貫通し、転換部を右方側流路部91側または左方側流路部92側に配置させる支持部としての支持軸298と、分岐流路部93の前方に備えられて支持軸298と連結し、メダル4が接触することでメダル4の向きを転換する転換部としての転換片部204と、分岐流路部93の後方に備えられて支持軸298と連結した転換支持部297と、この転換支持部297に連結された転換リンク片203と、この転換リンク片203に取り付けられ、転換支持部297(および転換片部204)を作動させる流路制御駆動部207とから構成されている。
転換片部204は、ほぼ長方形の板状に形成され、上端側である転換片上部205が、メダル流路において支持軸298に支持されると共に、転換片部204の下端側である転換片下部206が、メダル流路を狭める向きに伸びて張り出されている。転換片下部206は、流路制御用貫通孔294を介して、転換支持部297と連結されている。転換支持部297は、ほぼ長方形の板状であると共に、屈曲して上下が段違いに形成されている。転換支持部297の上端側である転換支持上部297aは支持軸298に支持され、転換支持部297の下端側である転換支持下部297bは、転換リンク片203と連結されている。転換リンク片203は、先端に流路制御駆動部207が連結されている。流路制御駆動部207は、例えばソレノイドなどである。
図26に示されているとおり、流路制御駆動部207が稼働すると、支持軸298を軸に転換片部204が作動して向きが変化する。詳説すれば、転換片部204が左方側流路部92に配置されると、左方側流路部92が塞がれると共に、右方側流路部91が開放される。一方、転換片部204が右方側流路部91に配置されると、右方側流路部91が塞がれると共に、左方側流路部92が開放される。したがって、メダル4が流路制御装置296を通過する際、メダル4は、メダル流路に張り出した転換片部204に当り、左右各流路部91,92のいずれかに案内される。
次に、本発明の実施形態に係るメダル補給装置における各装置の制御を図面に基づいて説明する。図27および図28は、本発明の実施形態に係るメダル補給装置1が備えられた遊技機2を制御する制御基板(図示省略)の通信系統が示されている。
図27に示されているとおり、メダル補給装置1が備えられた遊技機2の通信系統は、遊技機島を制御する複数の子機121がシリアル接続されて構成されている。複数の子機121のうち、任意の一台の子機121が親機120として設定されている。親機120は、例えばホールコントローラであり、ネットワーク123に接続され、ネットワーク123を介して外部の端末(図示省略)と接続されている。
図28に示されているとおり、遊技機島に接続された子機121(または親機120)は、複数の孫機122がシリアル接続されている。孫機122はメダル補給装置1に接続され、メダル補給装置1を介して、一台の孫機122によって四台の遊技機2と四台のメダル貸し機3とが制御される。遊技機2などの制御は、孫機122によって実行され、信号は、子機121を中継して孫機122と親機120との間で送受信される。
次に、本発明の実施形態に係るメダル補給装置のハードウェア構成を図面に基づいて説明する。図29は、本実施形態に係るメダル補給装置1のハードウェア構成が示されている。
図29に示されているとおり、メダル補給装置1は、少なくとも記憶部128、入力部129、出力部134および制御部(図示省略)などが備えられている。記憶部128は、ROM125、RAM126、HDD127などから構成される。入力部129は、例えば、テンキー、ディップスイッチ、タッチパネルなどから構成され、その他、キーボードやマウスなどであってもよい。また、出力部134は、例えば、パイロットランプ、液晶ディスプレイなどから構成され、その他、プリンターなどであってもよい。制御部は、CPU124などにより実現され、入力部129からの入力情報を検出すると共に、ROM125に格納されたプログラムに従って、CPU124に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの一部が格納されたRAM126を使用して、清掃制御部130、要求処理部131、補給保障処理部132および流通制御部133を制御し、入力情報の処理結果を出力部134に出力する。なお、これらの各部130,131,132,133に関し、ひとつの装置に実装されて構成されるか、通信ケーブルで接続された複数の装置から構成されるかは任意である。
メダル補給装置1は、ハードウェア構成、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、ソフトウェアによって実現することが可能である。例えば、ソフトウェアによって実現する場合、実際にはコンピュータのCPU124、あるいはMPU、ROM125、RAM126などを備えて構成し、ROM125やRAM126に記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。
したがって、コンピュータが各部の機能を、清掃制御部130、要求処理部131、補給保障処理部132および流通制御部133として果たすように動作させるメダル補給プログラムを、例えばCD−ROMなどの記録媒体に記録し、コンピュータに読み込ませることによって実現できる。メダル補給プログラムを記録する記録媒体としては、CD−ROM以外に、例えばフレキシブルディスク、光ディスクなどを用いることができる。
次に、清掃制御部について図面に基づいて説明する。図30は、清掃制御部130の構成の概略が示され、図31および図32は、清掃制御部130による処理の流れが示されている。
清掃制御部130は、研磨布60を送り出す量を送出し条件に基づいて制御する。図30に示されているとおり、清掃制御部130は、研磨布送出し調節部135および研磨布圧力調節部136が備えられている。研磨布送出し調節部135は、予め設定されて記憶部128に記憶された送出し条件に基づいて、研磨布駆動軸部48を駆動させて回転させ、清掃装置30におけるメダル流路において、上下各流路部35,38に掛けられた研磨布60を送り出す。ここで、送出し条件は、送出し間隔条件137およびメダル通過量条件138がある。
送出し間隔条件137は、予め設定された研磨布60の送出し間隔に基づいて研磨布60を送り出すものである。詳説すれば、送出し間隔が半日に一度であれば、12時間ごとに研磨布60が所定の送出し量だけ送り出される。なお、研磨布60における未使用の部分を送り出してメダル4を清掃することができる範囲であれば、送出し間隔および送出し量は任意である。
メダル通過量条件138は、予め設定されたメダル通過量ごとに研磨布60を送り出すものである。詳説すれば、メダル通過量が10であれば、10枚のメダル4がメダル流路を通過して研磨される度に、研磨布60が所定の送出し量だけ送り出される。なお、研磨布60における未使用の部分を送り出してメダル4を清掃することができる範囲であれば、メダル通過量および送出し量は任意である。
研磨布圧力調節部136は、研磨布60が掛けられたことで上下各流路部35,38に加えられた圧力を、流路弾性部材41の復元力よりも弱くするために、予め設定されて記憶部128に記憶された逆移動条件139に基づいて研磨布60を逆向きに移動させて停止させる。詳説すれば、上下各流路部35,38は、流路弾性部材41によってメダル流路に押し出されているところ、研磨布駆動軸部48が研磨布60を引っ張った状態で止まると、研磨布60が突っ張って上下各流路部35,38を押し付ける方向に力が生じる。このことによって上下各流路部35,38に加えられた圧力が、流路弾性部材41の復元力よりも強くなると、流路弾性部材41が圧縮され、上下各流路部35,38は、間隔がメダル4の厚みよりも広がる方向に押さえ付けられた状態となる。ここで、突っ張った研磨布60を逆移動条件139に基づいて逆向きに移動させることで、研磨布60が緩み、上下各流路部35,38に加えられた圧力が流路弾性部材41の復元力よりも弱まることで、上下各流路部35,38の間隔がメダル4の厚みよりも狭くなる方向に流路弾性部材41によって押しだされる。
逆移動条件139は、予め設定された回転角または時間に基づいて研磨布駆動軸部48を逆回転させて止めるものである。また、回転角または時間のいずれかが満たされることを条件としてもよい。なお、回転角や時間は任意であり、また、時間は所定の送出し量に基づいて変化するものであってもよい。
次に、清掃制御部130による処理の流れを説明する。
図31に示されているとおり、送出し条件が満たされたか否かが判定され(ステップS1−1)、送出し条件が満たされていれば、送出し条件に基づいて研磨布60が所定の送出し量だけ送り出される(ステップS1−2)。
図32に示されているとおり、所定の送出し量だけ研磨布60が送り出され(ステップS2−1)、逆移動条件139に基づいて研磨布駆動軸部48が逆回転することで研磨布60が逆向きに移動して止まる。
次に、要求処理部について図面に基づいて説明する。図33は、要求処理部131の構成の概略が示され、図34は、要求処理部131による処理の流れが示されている。
要求処理部131は、メダル4の補給を要求する信号であるメダル要求信号を処理するものであり、遊技設備からのメダル要求信号に基づいてメダル4を遊技設備に補給する際、メダル要求信号の順番を整理する。メダル要求信号は、遊技機2のメダル要求信号である遊技機メダル要求信号と、メダル貸し機3のメダル要求信号であるサンドメダル要求信号とが含まれている。
図33に示されているとおり、要求処理部131は、順番記憶部140、順番決定部141、補給条件判定部142および順番変更部143が備えられている。順番記憶部140は、遊技設備からのメダル要求信号に基づいてメダル4の補給を実行する順番を記憶部128に記憶し、この順番に基づいて、順番決定部141は、複数の遊技機2やメダル貸し機3からのメダル要求信号に基づいてメダル4の補給を実行する順番を決定する処理を実行する。詳説すれば、遊技設備の補給タンク10に備えられたメダル要求センサによって、メダル4が一定量を下回ったことが感知されると、メダル要求信号が発生する。複数の遊技機2やメダル貸し機3から遊技機メダル要求信号やサンドメダル要求信号が発生した場合、メダル要求信号が発生した順番が記憶部128で記憶され、順番に基づいて遊技機2やメダル貸し機3にメダル4が補給される順番が決定される。
補給条件判定部142は、順番が先である先行メダル要求信号に基づくメダルの補給が、予め設定された補給実行条件を満たしたことを判定する処理を実行する。詳説すれば、先行メダル要求信号に基づいてメダル4が補給されている間の時間または補給された枚数が、メダル補給時間またはメダル補給枚数として計測され、このメダル補給時間が、補給実行時間154を超えたか否か、または、メダル補給枚数が、補給実行枚数155を超えたか否かが判定される。補給実行時間154および補給実行枚数155は、予め任意に設定され、記憶部128に記憶されている。
ここで、遊技機メダル要求信号に対する補給実行条件と、サンドメダル要求信号に対する補給実行条件とは異なっている。すなわち、遊技機2へのメダル4の補給の必要性の度合いが、メダル貸し機3へのメダル4の補給の必要性の度合いよりも高いことから、補給実行時間154および補給実行枚数155は、遊技機メダル要求信号に対する補給実行時間154および補給実行枚数155よりも、サンドメダル要求信号に対する補給実行時間154の方が短く、または補給実行枚数155の方が少なく設定されている。なお、メダル4の補給の必要性が遊技機2よりもメダル貸し機3の方が高い場合は、補給実行時間154の長短または補給実行枚数155の多少を逆に設定してもよい。
順番変更部143は、補給条件判定部142の判定に基づいて、順番が後である後行メダル要求信号を先行メダル要求信号よりも優先させる処理を実行する。詳説すれば、先行メダル要求信号に基づくメダル補給時間が補給実行時間154を超えたことが、補給条件判定部142によって判定された場合、先行メダル要求信号に基づくメダル4の補給が中断され、後行メダル要求信号に基づくメダル4の補給が優先して実行される。さらに、この後行メダル要求信号に基づくメダル補給時間が補給実行時間154を超えたことが補給条件判定部142によって判定された場合、後行メダル要求信号に基づくメダル4の補給が中断され、順番が後行メダル要求信号の後である第二後行メダル要求信号に基づくメダル4の補給が優先して実行される。この処理は、順番が第二後行メダル要求信号の後である第三後行メダル要求信号、第四後行メダル要求信号においても同様である。
さらに、最後の後行メダル要求信号に基づくメダル補給時間が補給実行時間154を超えたことが補給条件判定部142によって判定された場合、仮に先行メダル要求信号に基づくメダルの補給が中断された状態であれば、最後の後行メダル要求信号に基づくメダル4の補給が中断され、再び先行メダル要求信号に基づくメダル4の補給が優先して実行される。
ここで、遊技機メダル要求信号に対する補給実行時間154よりも、サンドメダル要求信号に対する補給実行時間154の方が短いため、仮に、サンドメダル要求信号が先行メダル要求信号であっても、メダル貸し機3へのメダル4の補給が早々に中断され、遊技機3へのメダル4の補給が開始される。
次に、要求処理部131による処理の流れを説明する。
図34に示されているとおり、要求処理部131では、複数の遊技機2やメダル貸し機3からのメダル要求信号に基づいてメダル4の補給が実行される順番を記憶部128に記憶させる機能が、サブルーチンとして定義付けられている(ステップS3−0)。
メダル要求信号の有無が判定され(ステップS3−1)、メダル要求信号が発生していれば、メダル要求信号が複数であるか否かが判定される(ステップS3−2)。発生したメダル要求信号が一つであれば、そのメダル要求信号を発生させた遊技機2またはメダル貸し機3にメダル4が補給される(ステップS3−3)。所定分のメダル4が補給タンク10に補給されると、メダル要求信号に基づく要求が終了するため、メダル要求信号に基づく要求が終了したか否かが判定される(ステップS3−4)。メダル要求信号が発生し続けている間、メダル4が補給タンク10に補給され続け、メダル要求信号に基づく要求が終了すると、再びメダル要求信号の有無が判定される(ステップS3−1)。
複数のメダル要求信号が発生した場合(ステップS3−2)、ステップS3−0に基づいて、メダル4が補給される順番が決定される(ステップS3−5)。メダル4が補給される順番は、原則として、メダル要求信号が発生した順番に従って決定される(ステップS3−6)。
メダル4が補給されている間に、メダル要求信号に基づく要求が終了したか否かが判定される(ステップS3−7)。メダル要求信号が発生し続けている間、メダル4が補給タンク10に補給され続け、メダル要求信号に基づく要求が終了すると、再びメダル要求信号の有無が判定される(ステップS3−1)。メダル要求信号が発生し続けている場合(ステップS3−7)、メダル補給時間が補給実行時間154を超えたか否か、または、メダル補給枚数が補給実行枚数155を超えたか否かが判定され(ステップS3−8)、メダル補給時間が補給実行時間154を超えた場合、またはメダル補給枚数が補給実行枚数155を超えた場合、先行メダル要求信号に基づくメダル4の補給が中断され、後行メダル要求信号に基づくメダル4の補給が優先して実行される(ステップS3−9)。
次に、補給保障処理部について図面に基づいて説明する。図35は、補給保障処理部132の構成の概略が示され、図36は、補給保障処理部132による処理の流れが示されている。
補給保障処理部132は、メダル要求信号に基づく要求が終了した後であっても、所定量のメダル4を補給タンク10に補給することで、メダル要求センサの反応を安定させるものである。詳説すれば、メダル要求センサが感知しなくなる一定の量に限ってメダル4が補給タンク10に補給された場合、何らかの原因で、すぐにメダル要求センサが感知してメダル要求信号が発生する場合がある。そこで、メダル要求センサが感知しなくなる一定の量よりも余分にメダル4を補給タンク10に補給することで、メダル要求センサの反応を安定させる。なお、メダル4の補給は、上記したとおり、ホッパー装置20が作動することでメダル4が送り出され、メダル4が揚送装置70の揚送路71を揚送されることで実現される。
図35に示されているとおり、補給保障処理部132は、メダル要求判定部144、メダル要求終了判定部145および保障メダル補給部146が備えられている。メダル要求判定部144は、遊技設備からのメダル要求信号の発生を判定する。メダル要求終了判定部145は、メダル要求信号に基づく要求が終了したか否かを判定する。保障メダル補給部146は、メダル要求終了判定部145の判定に基づいて、メダル要求信号に基づく要求が終了していた場合、補給保障条件に基づいて、補給タンク10にメダル4を余分に補給する。補給タンク10にメダル4が余分に補給される際、予め設定されて記憶部128に記憶された補給保障条件に基づいて、余分に補給されるメダル4の量(以下、余分に補給されるメダル4の量を「保障メダル量」と記す。)が調節される。ここで、補給保障条件は、枚数保障条件147と、補給時間保障条件148と、メダルタンク保障条件149とがある。
枚数保障条件147は、予め設定された枚数に基づいて、補給タンク10に補給する保障メダル量を決定するものである。補給時間保障条件148は、予め設定された時間に基づいて、補給タンク10に補給する保障メダル量を決定するものである。メダルタンク保障条件149は、メダルタンク11に貯留されたメダル4の量に基づいて、補給タンク10に補給する保障メダル量を決定するものである。
メダルタンク保障条件149について詳説すれば、メダルタンク11におけるメダル4の量が少ない場合、この量に比例して保障メダル量が少なく調節され、一方、メダルタンク11におけるメダル4の量が多い場合、この量に比例して保障メダル量が多く調節される。
次に、補給保障処理部132による処理の流れを説明する。
図36に示されているとおり、メダル要求信号が発生したか否かが判定され(ステップS4−1)、メダル要求信号が発生していれば、ホッパー装置20の回転メダル保持部22が正回転することでメダル4が揚送されて補給タンク10に補給される(ステップS4−2)。メダル要求信号に基づく要求が終了しているか否かが判定され(ステップS4−3)、終了していない場合、メダル4が揚送されて補給タンク10に補給され続ける(ステップS4−2)。
メダル要求信号に基づく要求が終了した場合、補給保障条件に基づいて保障メダル量の分だけ余分にメダル4が補給タンク10に補給される(ステップS4−4)。ホッパー装置20が停止し、メダル4の補給が終了する(ステップS4−5)。
次に、流通制御部について図面に基づいて説明する。図37は、流通制御部133の構成の概略が示され、図38は、稼働条件が153示され、図39は、流通制御部133による処理の流れが示されている。
流通制御部133は、メダル4が不通となった場合にホッパー装置20を制御することでメダル4の流通を制御するものであり、メダル要求判定部144、メダル要求終了判定部145、流通判定部150、流通選択処理部151およびカウント部152が備えられている。メダル要求判定部144は、遊技設備からのメダル要求信号の発生を判定する。メダル要求終了判定部145は、メダル要求信号に基づく要求が終了したか否かを判定する。
流通判定部150は、遊技設備へのメダル4の流通を判定する。詳説すれば、メダル要求信号が発生している場合において、メダル要求信号に基づいてメダル4が補給される遊技設備への各補給口13〜16でメダル感知センサ19が感知し、かつ、メダル4が補給されていない遊技設備への各補給口13〜16でメダル感知センサ19が感知しないことで、メダル要求信号を発生させた遊技設備においてメダル4が流通していることが判断される。
流通選択処理部151は、流通判定部150におけるメダル4の不通の判定に応じて、予め設定されて記憶部128に記憶された稼働条件153に基づいてメダル4の変位を実行する。詳説すれば、メダル要求信号が発生しているにもかかわらず、メダル4が不通である場合、メダル4の詰りが生じていると想定される。そのため、ホッパー装置20の回転メダル保持部22を逆回転させることで、メダルタンク11に貯留されたメダル4がかき混ぜられ、メダル流路やメダルタンク11におけるメダル4の位置、メダル4同士の接触の状態が変化し、メダル4の詰りが解消する。ここで、流通選択処理部150における、メダル4の変位は、1回または複数回実行される。
カウント部152は、流通判定部150におけるメダル4の不通の判定の間にメダル4の変位を実行した数をカウントする。詳説すれば、メダル4が不通である場合において、回転メダル保持部22を逆回転させた後、再び正回転させたとしても、メダル4が不通のままで流通しない場合が想定される。その場合、回転メダル保持部22の逆回転と正回転とが複数回繰り返され、その回数がカウントされる。すなわち、逆回転の実行回数であるカウント数に応じて、流通選択処理部151において異なる稼働条件153が選択され、その稼働条件153に基づいてメダル4の変位が実行される。
稼働条件153について詳説すれば、稼働条件153は、回転メダル保持部22を逆回転させる際の条件であり、ホッパー装置20におけるメダル4の変位の実行時間(回転メダル保持部22の回転時間)、または、メダル4の変位の距離(回転メダル保持部22の回転回数)である。図38に示されているとおり、例えば、カウント数が1のときの実行時間が1秒であれば、回転メダル保持部22が1秒間逆回転する。または、カウント数が1のときの変位の距離が1/2回転であれば、回転メダル保持部22が1/2周逆回転する。同様に、カウント数が2のときの実行時間が3秒であれば、回転メダル保持部22が3秒間逆回転し、変位の距離が1回転であれば、回転メダル保持部22が1周逆回転する。すなわち、稼働条件153では、メダル4の変位を実行した数が多い程、回転メダル保持部22の実行時間が長く、または、回転メダル保持部22の回転回数が多い。なお、実行時間および変位の距離のうち何れが選択されるかは任意であり、また、メダル4の詰りが解消することができる範囲であれば、実行回数に対する実行時間および変位の距離も任意である。また、実行回数にかかわらず同一の稼働条件153でメダル4の変位が複数回実行されてもよい。
次に、流通制御部133による処理の流れを説明する。
図39に示されているとおり、メダル要求信号が発生したか否かが判定され(ステップS5−1)、メダル要求信号が発生していれば、ホッパー装置20の回転メダル保持部22が正回転することでメダル4が揚送される(ステップS5−2)。メダル要求信号に基づく要求が終了しているか否かが判定され(ステップS5−3)、終了した場合、ホッパー装置20が停止する(ステップS5−4)。
メダル要求信号が発生し続けている場合(ステップS5−3)、メダル感知センサ19が正常に反応しているか否かが判定される(ステップS5−5)。正常に反応していれば、回転メダル保持部22が正回転し続けける(ステップS5−2)。正常に反応していない場合、カウント部152が初期化されてカウント数が“0”となった後(ステップS5−6)、インクリメントされてカウント数が“1”となる(ステップS5−7)。稼働条件153に基づいて、回転メダル保持部22が逆回転する(ステップS5−8)。カウント数が“1”であるため、例えば、回転メダル保持部22が1秒間逆回転(または、1/2周逆回転)する。その後、回転メダル保持部22が正回転し(ステップS5−9)、再び、メダル感知センサ19が正常に反応しているか否かが判定される(ステップS5−10)。正常に反応していれば、回転メダル保持部22が正回転し続けけるが(ステップS5−2)、正常に反応していない場合、カウント部152のカウント数が、予め設定されて記憶部128に記憶されたリトライ数に達したか否かが判定される(ステップS5−11)。カウント数がリトライ数に達していなければ、再びカウント部152がインクリメントされてカウント数が“2”となる(ステップS5−7)。稼働条件153に基づいて、回転メダル保持部22が逆回転する(ステップS5−8)。カウント数が“2”であるため、例えば、回転メダル保持部22が3秒間逆回転(または、1周逆回転)する。カウント数がリトライ数に達すると、ホッパー装置20が停止する(ステップS5−12)。
次に、本実施形態の効果を説明する。
本実施形態によれば、遊技機2から排出されたメダル4が回収されると共に送り出されて揚送されるホッパー装置20と、このホッパー装置20と連結されてメダル4を清掃する清掃装置30と、この清掃装置30よりもメダル下流側で清掃装置30と連結されてメダル4が揚送されるための流路である揚送装置70と、この揚送装置70よりもメダル下流側で揚送装置70と連結されてメダルを遊技機2に振り分ける振分け装置90と、この振分け装置90からホッパー装置20を経て清掃装置30に直接通じる循環路17と、この循環路17に接続されると共に振分け装置90よりもメダル下流側に備えられて清掃装置30との間でメダル4を貯留する補助タンク17aと、からメダル補給装置1が構成され、メダル補給装置1は、一台または二台の遊技設備ごとに備えられている。すなわち、一台または二台の遊技設備ごとにメダル補給装置1が備えられていることから、各遊技設備を循環する距離が短いため、各遊技設備に対して早くメダル4が補給される。したがって、メダル4の補給遅れを防ぐことができる。また、遊技機2またメダル貸し機3一台当たりに補給されるメダル4の数を少なくすることができる。
また、完結したメダル補給装置1によってメダル4が循環する。すなわち、メダル4は、清掃装置30で清掃され、揚送装置70で揚送され、振分け装置90で振り分けられ、各遊技設備や補助タンク17aに補給される。したがって、メダル4を遊技設備に円滑に補給することができる。また、遊技設備ごとにメダル補給装置1が完結しているため、屈曲し、または湾曲した多様な形状の遊技機島に対応することができる。
本実施形態によれば、ホッパー装置20におけるメダル送出し通路部24のうち、メダルと4接触する部分、清掃装置30における上下各流路部35,38、揚送装置70における揚送路71の内側、振分け装置90における左右各流路部91,92および分岐流路部93は、樹脂製である。すなわち、樹脂製の各路24,35,38,71,91,92は、真鍮などのメダル4よりも硬度が低いため、メダル流路との接触によってメダル4が削れて削り粉が発生することを防ぐことができる。
特に、清掃措置30によれば次の効果を奏する。
上記したとおり、本実施形態によれば、カセット33のうち、上下各流路部35,38の周囲において、左方に折返しローラ51が形成され、この折返しローラ51に研磨布60が引っ掛けられている。研磨布60は、折返しローラ51を境に、折返しローラ51よりも布上流側が、メダル流路に通されて上方流路部38に掛けられ、折返しローラ51よりも布下流側が、メダル流路に通されて下方流路部35に掛けられている。この構成により、対面した上下各流路部35,38の間をメダル4が通過し、その際、メダル4に付着した汚れが、上下各流路部35,38に掛けられた研磨布60によって掻き取られ、メダル4の表裏が同時に清掃される。したがって、適切に異物を除去することができる。
また、長手の研磨布60が折返しローラ51に引っ掛けられることで二つに折り曲げられ、それぞれが上下各流路部35,38に引っ掛けられるため、上下各流路部35,38に引っ掛ける研磨布60を一枚で賄うことができる。さらに、研磨布駆動軸部48が駆動して回転すると、研磨布駆動軸部48に使用済みの研磨布60が巻き付けられると共に、研磨布従動軸部49に巻き付けられた未使用の研磨布60が送り出されて上下各流路部35,38に配置される。したがって、複数枚の研磨布を交換する場合と比較して、研磨布60の交換作業の回数を抑えることができる。
本実施形態によれば、布上流側における研磨布60の端部が研磨布従動軸部49に巻き付けられ、布下流側における研磨布60の端部が研磨布駆動軸部48に巻き付けられている。この構成により、研磨布60の上流側の端が研磨布駆動部49で巻き取られると共に、研磨布60が研磨布従動部49から送り出される。送り出された研磨布60は未使用であるため、適切に異物を除去することができる。また、研磨布駆動部48で巻き取られる都度、研磨布60における未使用の部分が送り出されるため、研磨布従動軸部49に巻き付けられた研磨布60がすべて送り出されると交換される。したがって、交換作業の回数を抑えることができる。
本実施形態によれば、上下各流路部35,38の間隔がメダル4の厚みよりも狭くなるように上下各流路部35,38が配置され、下方流路部35の下方、および、上方流路部38の上方に流路弾性部材41がそれぞれ取り付けられている。この構成により、清掃装置30がホッパー装置20の清掃装置着脱部26に取り付けられると、清掃装置30の上下各流路部35,38の間に、ホッパー装置20のメダル送出し通路部24が挟まれ、上下各流路部35,38の上下各平坦部36,39が流路弾性部材41によってメダル流路に押し出され、メダル送出し通路部24の開口部25に配置される。メダル4がメダル送出し通路部24を通って上下各流路部35,38の間を通過する際、上下各流路部35,38を介して研磨布60が押し付けられ、メダル4に付着した汚れが研磨布60によって掻き取られてメダル4が清掃される。したがって、適切に異物を除去することができる。
特に、清掃制御部130によれば次の効果を奏する。
上記したとおり、本実施形態によれば、清掃制御部130に備えられた、研磨布送出し調節部135は、予め設定されて記憶部128に記憶された送出し条件に基づいて、研磨布駆動軸部48を駆動させて回転させ、清掃装置30におけるメダル流路において、上下各流路部35,38に掛けられた研磨布60を送り出す。送出し条件のうち、送出し間隔条件137は、予め設定された研磨布60の送出し間隔に基づいて研磨布60を送り出すものである。すなわち、送出し間隔に従って研磨布60が移動することで、研磨布60における未使用の部分が送出し間隔で上下各流路部35,38に配置される。したがって、使い終わった研磨布60を交換する時期を予測することができる。
本実施形態によれば、送出し条件のうち、メダル通過量条件138は、予め設定されたメダル通過量ごとに研磨布60を送り出すものであり、メダル通過量に相当するメダル4がメダル流路を通過して研磨される度に、研磨布60が所定の送出し量だけ送り出される。すなわち、メダル通過量に従って研磨布60が移動することで、メダル通過量ごとに研磨布60における未使用の部分が上下各流路部35,38に配置される。したがって、送出し間隔に従って研磨布60を移動させた場合と比較して、研磨布60を交換する時期を長くすることができる。
本実施形態によれば、研磨布60が掛けられたことで上下各流路部35,38に加えられた圧力を、流路弾性部材41の復元力よりも弱くするために、予め設定されて記憶部128に記憶された逆移動条件139に基づいて研磨布60を逆向きに移動させて停止させる構成である。すなわち、突っ張った研磨布60を逆移動条件139に基づいて逆向きに移動させることで、研磨布60が緩み、上下各流路部35,38に加えられた圧力が流路弾性部材41の復元力よりも弱まることで、上下各流路部35,38の間隔がメダル4の厚みよりも狭くなる方向に流路弾性部材41によって押しだされる。研磨布60がメダル4に押し付けられ、メダル4に付着した汚れが研磨布60によって掻き取られてメダル4が清掃される。したがって、適切に異物を除去することができる。
特に、揚送装置70によれば次の効果を奏する。
上記したとおり、本実施形態によれば、揚送装置70は、上下に長手に形成されたメダル流路である揚送路71と、この揚送路71の前方に向けて備えられて隣接する第一遊技機2aと第二メダル貸し機3bとの間に配置された平板状の連接部72と、この連接部72に備えられた着脱構造75とから構成されている。この構成により、着脱構造75を介して、揚送装置70は、隣接する第一遊技機2aと第二メダル貸し機3bとの間を通って揚送路71が連接部72と共に揚送フレーム7から前方に向けて着脱される。したがって、揚送路71を遊技設備から外して遊技設備の外に出すことができるため、修理や点検を容易に実行することができる。
本実施形態によれば、着脱構造75は、連接部72に備えられた操作レバー76と、揚送路71の後方に配置された揚送フレーム7に形成された被係止部83とから構成されている。操作レバー76は、前後方向に長手の板状片であり、連接部72の前方寄りに配置された操作部77と、連接部72の後方寄りに配置された係止部79とが連接され、ほぼ中央の操作支持部78が連接部72に支持されて回転可能である。すなわち、操作レバー76の操作部77が遊技設備の正面側寄りに配置されているため、修理や点検において、操作部77が操作されて上下に移動すると、係止部79が操作部77と連動して被係止部83から外れて解除状態となり、また、係止部79が被係止部83に係止されてロック状態となる。したがって、遊技設備の正面側で操作部77を操作することができるため、遊技設備の正面側で修理や点検を容易に実行することができる。
本実施形態によれば、連接部73に窓部74が形成され、揚送路71の前方から左方回りに迂回して後方に回り込む鉤状に形成された係止部79が、窓部74に通されると共に、揚送路71が窓部74を介して連接部72の板面に取り付けられている。係止部79は、窓部74を通って揚送路71の正面側から揚送路71の背面側に回り込んで配置されている。揚送路71の後方に配置された揚送フレーム7に被係止部83が形成され、係止部79が被係止部83に係止する。すなわち、係止部79および被係止部83が揚送路71の正面側に形成されていないため、揚送路71の正面側に空間が形成され、この空間に操作部77を配置することができ、また、揚送装置70を揚送路71と共に着脱する際の通路を揚送路70の正面側に形成することができる。したがって、遊技設備の正面側で修理や点検を容易に実行することができる。
本実施形態によれば、着脱構造75は、連接部72における後方寄りの上下方のそれぞれに備えられている。すなわち、着脱構造75が2箇所に備えられているため、係止状態を堅固にすることができる。
特に、振分け装置90によれば次の効果を奏する。
本実施形態によれば、振分け装置90は、“T”字状に形成され、右方側流路部91と左方側流路部92とが備えられ、この左右各流路部91,92の間に分岐流路部93が形成されている。分岐流路部93における上方寄りの流路制御用貫通孔94を介して、右方側流路部91または左方側流路部92を選択する流路制御装置96が備えられている。すなわち、流路制御装置96によって左右各流路部91,92のいずれかが選択されることで、いずれかにメダル4が案内される。したがって、メダル4の補給を必要とする遊技設備に対してメダル4を円滑に補給することができる。
本実施形態によれば、流路制御装置96は、分岐流路部93の後方に備えられた支持板98と、この支持板98に取り付けられた左右各転換突部105,106とが備えられている。支持板98は、支持板98の中央である支持中央部99が平板状に形成され、この支持中央部99の左右端に、平板状に形成された右方流路片部100と、同様に、平板状に形成された左方流路片部101とがそれぞれ連接されている。左右各流路片部100,101は、支持中央部99に対して後方に向けて緩やかに傾斜している。右方流路片部100の前方側は、右方転換突部105が取り付けられ、同様に、他方流路片部101の前方側は、左方転換突部106が取り付けられている。左右各転換突部105,106は、少なくとも片方が分岐流路部93の後方から前方に向けて、流路制御用貫通孔94を通ってメダル流路に向けて張り出している。
すなわち、右方流路片部100が分岐流路部93の後方面に近接した状態では、右方転換突部105は流路制御用貫通孔94を通ってメダル流路に向けて張り出し、メダル流路が塞がれる。一方、左方転換突部106はメダル流路に向けて張り出さず、分岐流路部93の後方に配置され、メダル流路が開放される。同様に、左方流路片部101が分岐流路部93の後方面に近接した状態では、左方転換突部106は流路制御用貫通孔94を通ってメダル流路に向けて張り出し、メダル流路が塞がれる。一方、右方転換突部105はメダル流路に向けて張り出さず、分岐流路部93の後方に配置され、メダル流路が開放される。このことにより、左右各流路部91,92の片方が塞がれると共にもう片方が開放され、左右各流路部91,92のいずれかにメダル4が案内される。したがって、左右各流路部91,92のいずれかを選択することで、メダル4の補給を必要とする遊技設備に対してメダル4を適切に補給することができる。
また、他の実施形態によれば、流路制御装置296は、分岐流路部93における流路の上方において分岐流路部93を前後に貫通し、転換片部204を左右各流路部91,92側のいずれかに配置させる支持軸298と、分岐流路部93の前方に備えられて支持軸298と連結し、メダル4が接触することでメダル4の向きを転換する転換片部204が備えられている。
この構成により、転換片部204が左方側流路部92に配置されると、左方側流路部92が塞がれると共に、右方側流路部91が開放される。一方、転換片部204が右方側流路部91に配置されると、右方側流路部91が塞がれると共に、左方側流路部92が開放される。したがって、メダル4が流路制御装置296を通過する際、メダル4は、メダル流路に張り出した転換片部204に当り、左右各流路部91,92のいずれかに案内される。すなわち、分岐流路部93における左右各流路部91,92のうちのいずれかが常に空いた状態であるため、転換片部204にメダル4が当たってメダル4がメダル流路において挟まれることがない。したがって、メダル4を遊技設備に円滑に補給することができる。
本実施形態によれば、押出機構108は、分岐流路部93の後側に配置された一対のガイド本体部110と、このガイド本体部110に取り付けられたガイド部114と、ガイド本体部110同士に連結されたガイド弾性部材115とから構成され、ガイド部114の前方側が、分岐流路部93の後方から前方に向けて、押出用貫通孔95を通ってメダル流路に向けて張り出している。押出機構108は、流路制御装置96よりも分岐流路部93における上流側に備えられている。この構成により、揚送されたメダル4が押出機構108を通過する際、メダル4によってガイド部114が押し広げられる。ガイド部114同士の間隔が広げられてメダル4がガイド部114同士の間を通過する際、ガイド弾性部材115の復元力によってガイド部114同士の間隔が元に戻る。同時に、元の間隔に戻ろうとするガイド部114の移動によってメダル4に勢いが付与され、メダル4が流路制御装置96に向けて勢いよく押し出される。
すなわち、勢いが付与されたメダル4は、分岐流路部93に留まることなく分岐流路部93を通過し、分岐流路部93が常に空いた状態であるため、分岐流路部93において流路制御装置96が作動して左右各転換突部105,106が分岐流路部93の裏側から表側のメダル流路に向けて張り出された場合であっても、左右各転換突部105,106にメダル4が当たってメダル4がメダル流路において挟まれることがない。したがって、メダル4を遊技設備に円滑に補給することができる。また、メダル4がガイド部114によって支持されるため、メダル4が分岐流路部93においてメダル上流側に逆流することを防ぐことができる。
特に、循環路17によれば次の効果を奏する。
本実施形態によれば、第二遊技機への補給口16と第二メダル貸し機への補給口14との間に備えられた循環用接続口18に循環路17が接続され、この循環路17は、振分け装置90からホッパー装置20を経て清掃装置30に直接通じている。この構成により、例えば、いずれの遊技機2またはメダル貸し機3からも遊技機メダル要求信号やサンドメダル要求信号が発生していない場合、メダル4が振分け装置90の左方側流路部92を流通し、遊技設備を経ずに循環路17を通って直接清掃装置30に送られる。このことにより、メダル4が遊技設備を経ずにメダル補給装置1内で循環される。したがって、メダル4が遊技設備を経なくてもメダル4を清掃し続けて衛生を保つことができる。
特に、補助タンク17aによれば次の効果を奏する。
本実施形態によれば、振分け装置90において、循環用接続口18に接続された循環路17に、補助タンク17aが接続されている。補助タンク17aは、清掃装置30との間でメダル4を貯留するものである。この構成により、メダル4が左方側流路部92を流通し、遊技設備を経ずに補助タンク17aに適宜貯留され、清掃装置30に集められる。したがって、循環するメダル4の量を調節することができる。
特に、要求処理部131によれば次の効果を奏する。
本実施形態によれば、要求処理部131が、複数の遊技機2またはメダル貸し機3からのメダル要求信号に基づいてメダル4の補給を実行する順番を決定する順番決定部141と、先行メダル要求信号に基づくメダル補給時間が補給実行時間154を超えたか否か、または、メダル補給枚数が補給実行枚数155を超えたか否かを判定する補給条件判定部142と、補給条件判定部142の判定に基づいて、後行メダル要求信号を先行メダル要求信号よりも優先させる順番変更部143とから構成されている。この構成により、原則として、決定されたメダル要求信号の処理順序に基づいてメダル4の補給が実行されるが、先行メダル要求信号に基づくメダル補給時間またはメダル補給枚数が補給実行時間154または補給実行枚数155を超えたことが、補給条件判定部142によって判定された場合、先行メダル要求信号に基づくメダル4の補給が中断され、後行メダル要求信号に基づくメダル4の補給が優先して実行される。したがって、遊技設備に補給されるメダル4が不足することを防ぐことができる。
さらに、最後の後行メダル要求信号に基づくメダル補給時間またはメダル補給枚数が補給実行時間154または補給実行枚数155を超えたことが補給条件判定部142によって判定された場合、仮に先行メダル要求信号に基づくメダルの補給が中断された状態であれば、最後の後行メダル要求信号に基づくメダル4の補給が中断され、再び先行メダル要求信号に基づくメダル4の補給が優先して実行される。したがって、遊技設備に補給されるメダルが不足することを防ぐことができる。
また、遊技機2へのメダル4の補給の必要性の度合いが、メダル貸し機3へのメダル4の補給の必要性の度合いよりも高いことから、補給実行時間154は、遊技機メダル要求信号に対する補給実行時間154よりも、サンドメダル要求信号に対する補給実行時間154の方が短く、また、補給実行枚数155は、遊技機メダル要求信号に対する補給実行枚数155よりも、サンドメダル要求信号に対する補給実行枚数155の方が少なく設定されている。そのため、仮に、サンドメダル要求信号が先行メダル要求信号であっても、メダル貸し機3へのメダル4の補給が早々に中断され、遊技機3へのメダル4の補給が開始される。したがって、特に、遊技機3に補給されるメダル4が不足することを防ぐことができる。
特に、補給保障処理部132によれば次の効果を奏する。
本実施形態によれば、補給保障処理部132は、遊技設備からのメダル要求信号の発生を判定するメダル要求判定部144と、メダル要求信号に基づく要求が終了したか否かを判定するメダル要求終了判定部145と、メダル要求終了判定部145の判定に基づいて、メダル要求信号に基づく要求が終了していた場合、補給保障条件に基づいて、補給タンク10にメダル4を余分に補給する保障メダル補給部146とから構成されている。したがって、メダル要求信号に基づく要求が終了した後であっても、所定量のメダル4を補給タンク10に補給することで、メダル要求センサの反応を安定させることができる。
本実施形態によれば、補給保障条件は、メダルタンク11に貯留されたメダル4の量に基づいて、補給タンク10に補給する保障メダル量を決定するメダルタンク保障条件149が含まれている。すなわち、メダルタンク11におけるメダル4の量が少ない場合、この量に比例して保障メダル量が少なく調節され、一方、メダルタンク11におけるメダル4の量が多い場合、この量に比例して保障メダル量が多く調節される。したがって、保障メダル量が調節されることで、メダルタンク11に貯留されるメダル4の量を安定させることができる。すなわち、メダルタンク11におけるメダル4の量と保障メダル量との和を、メダルタンク11においてメダル4を貯留することができる最大の量とみなしてメダル補給装置1を稼働させることができる。
特に、流通制御部133によれば次の効果を奏する。
本実施形態によれば、流通制御部133は、遊技設備へのメダル4の流通を判定する流通判定部150と、この流通判定部150におけるメダル4の不通の判定に応じて、稼働条件153に基づいてメダル4の変位を実行する流通選択処理部151とから構成されている。すなわち、メダル4が不通であることが流通判定部150で判定されると、稼働条件153に基づいてホッパー装置20の回転メダル保持部22を逆回転させることで、メダルタンク11に貯留されたメダル4がかき混ぜられ、メダル流路やメダルタンク11におけるメダル4の位置、メダル4同士の接触の状態が変化し、メダル4の詰りが解消する。したがって、メダル4の詰りを容易に解消させることができる。
本実施形態によれば、流通判定部150におけるメダル4の不通の判定の間にメダル4の変位を実行した数をカウントするカウント部152が備えられ、流通選択処理部151では、メダル4の変位を実行した数に応じて異なる稼働条件153が選択される構成である。すなわち、メダル4が不通の状態において、回転メダル保持部22の逆回転と正回転とが複数回繰り返される際、一回目と二回目以降とで稼働条件153が異なる。したがって、様々な稼働条件153に基づいて段階的にメダル4の変位を実行し、メダル4の詰りを早期に解消させること、および、変位によるメダル4の補給遅れを最小限に留めることを実現するために適したメダル4の変位を実行することができる。したがって、メダル4の詰りを容易かつ適切に解消させることができる。
また、同一の稼働条件153でメダル4の変位が複数回実行される場合であっても、メダル流路におけるメダル4の位置やメダル4同士の接触の状態が、複数回変化する。したがって、メダル4の詰りを容易に解消させることができる。
本実施形態によれば、稼働条件153が、ホッパー装置20におけるメダル4の変位の実行時間(回転メダル保持部22の回転時間)、または、メダル4の変位の距離(回転メダル保持部22の回転回数)である。すなわち、ホッパー装置20における回転メダル保持部22の回転時間や、回転メダル保持部22の回転回数を予め設定することで、メダル4の詰りを解消させるために必要な範囲でメダル4の変位を実行することができる。したがって、メダル4の詰りを容易かつ適切に解消させることができる。
本実施形態によれば、稼働条件153では、メダル4の変位を実行した数が多い程、ホッパー装置20における回転メダル保持部22の実行時間が長く、または、回転メダル保持部22の回転回数が多い。すなわち、メダル4の変位が複数回実行される際、一回目の稼働条件153では回転メダル保持部22の実行時間(メダル4の変位の稼働時間)が短く、または回転メダル保持部22の回転回数が少ない(メダル4の変位の距離が短い)ため、変位によるメダル4の補給の遅れが最小限に留められる。メダル4の詰りが解消されず、再びメダル4の変位が実行される際、二回目以降の稼働条件153では回転メダル保持部22の実行時間(メダル4の変位の稼働時間)が一回目の稼働条件153と比較して徐々に長くなり、同様に、回転メダル保持部22の回転回数(メダル4の変位の距離)が徐々に増えるため、メダル4の詰りが確実に解消される。
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。