以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1の実施形態)
本発明を適用した第1の実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。本実施形態の配管洗浄装置は、気液混合流体によって各種の配管内部を洗浄する装置である。ここでは、図1に示すように、浴槽50と接続される配管を洗浄する装置の例を説明する。
図1に示すように、給湯装置100は、エジェクタ装置4を備える配管洗浄装置を備える。エジェクタ装置4は、気液混合装置の一例である。気液混合装置はエジェクタ装置に限定されるものではなく、例えば、旋回液流式、スタティックミキサー式、細孔式等の気液混合装置を用いることもできる。
給湯装置100は、配管洗浄装置の他に、高温水を沸かすヒートポンプユニット20と、タンク10と、浴槽50と、追焚き用熱交換器17と、各種の配管及び各種の弁とを備える。
タンク10は、給湯に用いる給湯用水を貯える容器であって、耐食性に優れた金属製、例えばステンレス製の容器であり、外周部に図示しない断熱材が配置されており、給湯用の湯を長時間に渡って保温することができる。
タンク10の底部には、タンク10内に水道水を供給する導入用流路としての導入管11が接続されている。この導入管11には、減圧弁22が設けられている。減圧弁22は、導入管11を流れてくる水道水の水圧を所定圧に減圧したり、断水等における湯の逆流を防止したりすることができる。導入管11には、タンク10における導入口の上流側の部位から分岐する給水管11Aが設けられている。給水管11Aの下流端は、給湯用混合弁24及び風呂用混合弁25に繋がれている。
タンク10の最上部にはタンク10内に貯えられた給湯用の湯のうち、高温の湯を導出するための給湯用流路としての高温取出管12が接続されている。高温取出管12の経路途中には、逃がし弁23が設けられた排出配管が接続されている。逃がし弁23は、タンク10内の圧力が所定圧以上に上昇した場合には、開放してタンク10内の湯を外部に排出し、タンク10等にダメージを与えないようになっている。
ヒートポンプ側回路21は、タンク10の下部と上部とを接続する。タンク10の上部には、ヒートポンプ側回路21を経てヒートポンプユニット20側から吐出された湯が流入する。ヒートポンプ側回路21の一部は、ヒートポンプユニット20における水・冷媒熱交換器の水側通路となっている。
ヒートポンプユニット20は、冷媒として臨界温度の低い二酸化炭素を使用するヒートポンプサイクルと、ヒートポンプ側回路21中に設置された給水ポンプとから構成されている。超臨界のヒートポンプサイクルによれば、一般的なヒートポンプサイクルよりも高温、例えば、85℃〜90℃程度の湯をタンク10内に貯えることができる。
ヒートポンプユニット20は、制御装置からの制御信号により作動するとともに、その作動状態を操作パネルに表示するように構成されている。ヒートポンプユニット20は、主に料金設定の安価な深夜時間帯の深夜電力を利用し、圧縮機の回転数制御により、タンク10内の給湯用水を加熱する沸き上げ運転を行う。また、ヒートポンプユニット20は、深夜時間帯以外の時間帯においても、タンク10内の貯湯熱量が不足してくると沸き上げ運転を行う。また、圧縮機の回転数は、種々の運転条件下において規定の能力が出るように制御装置により制御される。
高温取出管12には、浴槽50への湯張り配管としての風呂用配管14が分岐するように接続されている。高温取出管12は、その下流端の端末としての給湯端末(カラン、シャワー等)へ設定温度に温度調節された湯を導く給湯用配管である。高温取出管12の流路の中途には、給湯用混合弁24、給湯サーミスタ(図示せず)、流量カウンタ27、逆止弁60が設けられている。給湯サーミスタは、給湯用混合弁24によって混合された湯水の温度を検出するための電気信号を制御装置に出力する。流量カウンタ27は、湯の流れを検出し検出信号を制御装置に出力する。
風呂用配管14は、その下流端が、浴槽水回路を形成する追焚き用配管150のうち戻り配管16に接続されて、往き配管15および戻り配管16を介して浴槽50のアダプタ51に通じる。ここで、往き配管15は、追焚き用熱交換器17の浴槽水側通路17aの出口部と浴槽50とを繋ぐ配管である。戻り配管16は、浴槽50と追焚き用熱交換器17の浴槽水側通路17aの入口部とを繋ぐ配管である。
風呂用配管14は、浴槽50内に湯張り、差し湯、たし湯等を行う時に、設定温度に温度調節された湯を浴槽50内に導く配管である。風呂用配管14の流路の中途には、下流に向けて順に、風呂用混合弁25、風呂用サーミスタ(図示せず)、湯張り用電磁弁26、逆止弁30、湯張り用流量カウンタ28、逆止弁31、エジェクタ装置4が設けられている。
ここで、エジェクタ装置4の構成および作動について説明する。図3に示すように、エジェクタ装置4は、少なくとも、ノズル部40、吸引部41、混合部42、ディフューザ部43を備えている。ノズル部40は、流入した液体を減圧する。
ノズル部40は、流入部401、狭まり通路402、小径通路403、拡がり通路404及び噴出部405を備えた一連の通路を形成する。流入部401は、エジェクタ装置4に流入する液体の入口部に相当し、液体の流入口には外部の配管等が接続される。狭まり通路402は、流入部401の下流に延びる通路であり、通路断面積が流入部401から徐々に狭まるようになっている。狭まり通路402は、下流に向けて先細りである円錐台形状空間を形成する通路である。小径通路403は、狭まり通路412の下流端部に位置する通路であり、ノズル部40が形成する通路の中で、最も通路断面積が小さい通路である。
拡がり通路404は、小径通路403に接続される通路で、下流に向けて徐々に通路断面積が大きくなるように形成された通路である。拡がり通路404は、下流に向けて末広がりである逆円錐台形状の空間を形成する通路である。噴出部405は、ノズル部40の最下流端部であって拡がり通路404の出口である噴出口を構成する。したがって、噴出部405よりも下流には、混合部42、ディフューザ部43が存在する。外部の配管内を通って流入部401から流入した液体は、狭まり通路402、小径通路403、拡がり通路404の順にノズル部40が形成する通路を軸方向に流れ、減圧される。
混合部42は、エジェクタ装置4のボディにおいてノズル部40の下流側に設けられる部分である。混合部42は、拡がり通路404の噴出口から噴出される液体と吸引部41から吸引される外部の気体とを混合させる通路を構成する。混合部42は、吸引部41の吸入通路411の下流側に設けられて、ノズル部40からの高速度の液体流と吸入通路411から吸引された気体とを混合する通路でもある。混合部42は、さらに下流側のディフューザ部43に接続されている。エジェクタ装置4のボディは、両端が開口する筒状体を形成する。
ディフューザ部43は、エジェクタ装置4のボディにおいて混合部42の下流側に設けられる部分である。ディフューザ部43は、下流に行くほど通路断面積が徐々に大きくなる形状に形成されている。すなわち、ディフューザ部43は、上流端部431から下流端部432にかけて通路断面積が徐々に大きくなる拡大通路430を有する。ディフューザ部43は、混合部42で混合された混合流体の流れを減速して流体圧力を上昇させる作用、つまり、混合流体の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する機能を有する。
エジェクタ装置4は、さらにディフューザ部43の下流側に筒状体部44を備えるようにしてもよい。筒状体部44は、ディフューザ部43の流出口を構成する下流端部432からさらに下流に延びるストレート状の通路を形成する。筒状体部44は、一定の通路断面積を有する通路を形成する。筒状体部44の流出口441は、エジェクタ装置4の下流側に配置された外部の配管に接続される。
また、エジェクタ装置4が筒状体部44を備えない場合には、ディフューザ部43の下流端部432は、エジェクタ装置4の下流側に配置された外部の配管に接続されることになる。
吸引部41には、ノズル部40からの液体の噴出による吸引作用により、外部の気体が吸引される。吸引部41の入口である吸入通路411は、エジェクタ装置4のボディに設けられる。吸入通路411は、その軸心方向がエジェクタ装置4のボディの軸心方向に対して略直交する方向に気体が流入するようにボディを貫通する。吸入通路411を介して吸入された外部の気体は、混合部42の通路に導入される。混合部42の通路に導入された気体は噴出部405から噴出された液体と混じり合い、混合流体はディフューザ部43を流通する際に、微細な気泡を含む流体となる。
吸入通路411は、その軸心方向がエジェクタ装置4のボディの軸心に対してねじれの位置に配置され、混合部42の内周面の接線方向から混合部42内へ外部の気体を導入するものであってもよい。この場合には、導入された気体は、ノズル部40の噴出部405から噴出された液体によって吸入通路411に吸引されて混合部42の内周面に沿って円弧を描くように旋回しながら混合部42の通路を軸方向に流下していく。
ディフューザ部43の拡大通路430を形成する内周面には、拡大通路430の軸を中心として螺旋状に延びる形状である旋回流促進部が設けられている。旋回流促進部は、混合部42で混合された混合流体を昇圧しながら旋回させる旋回流を促進する機能を有する。旋回流促進部は、拡大通路430における流体の流れを案内するガイド部分である。旋回流促進部は、例えば、拡大通路430を形成する内周面から突出し、かつ螺旋状に延びる形状の凸条部45によって構成される。
凸条部45は、拡大通路430における上流端部431と下流端部432の間に設定される途中の位置から開始されて螺旋状に軸方向に延びる。すなわち、凸条部45は、拡大通路430の上流端部431から開始されて下流に向けて螺旋状に延びるのではなく、上流端部431から軸方向の下流に所定の長さ分進んだ位置から開始されるものである。凸条部45は、拡大通路430で発生する旋回流の回転方向と同じ向きの回転方向に回転しながら軸方向に螺旋状に前進するように設けられている。凸条部45は、例えば、その断面形状が軸方向について所定のピッチである複数の山部を形成する。
凸条部45は、ディフューザ部43において、連続して延びる一連の螺旋状凸部を構成する。これにより、凸条部45は、上流側の開始点から下流側の終点まで、拡大通路430の所定の範囲において連続する旋回流促進部を構成する。拡大通路430では、上流端部431と下流端部432の間の途中位置の凸条部45の開始点から、混合流体が凸条部45及び内周壁に沿って螺旋状に流れ、旋回流が発生するようになる。
さらに凸条部45は、拡大通路430における上流端部431と下流端部432の間の中央位置、または当該中央位置よりも軸方向の下流から開始されることが好ましい。この構成によれば、拡大通路430の上流端部431付近に旋回流促進部を設けないことによって、拡大通路430の上流域で、凸条部45による圧力損失の増加を抑制することができる。これにより、吸引部41からの気体吸入量を確保することができる。したがって、混合部42において十分な量の気体と液体とを混合させることができ、さらにこの良好な混合流体を凸条部45によって下流域で旋回させるため、気泡の細分化を促進することができる。
さらに、筒状体部44の通路を形成する内周面440には、通路の軸を中心として螺旋状に延びる形状である旋回流促進部が設けられている。旋回流促進部は、ディフューザ部43で発生した旋回流を引き続き旋回させる機能を有する。この旋回流促進部は、筒状体部44の通路における流体流れを案内するガイド部分である。この旋回流促進部は、例えば、ディフューザ部43に設けられる凸条部45と同様に、内周面440から突出し、かつ螺旋状に延びる形状の凸条部46によって構成される。
凸条部46は、筒状体部44の通路における上流端部から開始されて螺旋状に軸方向に延びる。凸条部46は、軸方向について所定のピッチをなすように形成され、拡大通路430で発生する旋回流の回転方向と同じ向きの回転方向に回転しながら軸方向に螺旋状に前進するように設けられている。凸条部45と凸条部46は、下流側に向かって螺旋状の回転方向が同じ方向となるように形成される。
凸条部46は、筒状体部44において、軸方向の上流端部から流出口441付近の下流端部まで連続して延びる一連の螺旋状凸部を構成する。これにより、凸条部46は、上流の開始点から下流の終点まで、通路全体において連続する旋回流促進部を構成する。したがって、筒状体部44の通路では、筒状体部44の入口部から出口部まで、混合流体が凸条部46及び内周面440に沿って螺旋状に流れ、旋回流が継続する。
例えば、凸条部45、凸条部46は、ディフューザ部43の内周壁、筒状体部44の内周壁に対して切削加工を施すことにより製作することができる。また、凸条部45、凸条部46は、ディフューザ部43、筒状体部44を金型を用いて射出成型等により製作する場合に、一体成型とすることで形成することができる。また、エジェクタ装置4の各部は、軸方向に分割した複数の部材をろう付け接合、溶接(TIG溶接、アーク溶接、スポット溶接等)、接着、溶着等で一体接合することでエジェクタ装置4に製作することができる。また、エジェクタ装置4の各部は、同一の材質で形成することができる。エジェクタ装置4の各部は、例えば、ステンレス鋼材等の金属、樹脂材料によって製作することができる。
ディフューザ部43の拡大通路430で発生する気泡について説明する。エジェクタ装置4は、ノズル部40において、液体の流れの速度差によって生じる圧力変動に起因して、ベンチュリ効果により通路に負圧部分を発生する。この負圧発生によって吸引力が生じ、吸引部41から外部の気体がエジェクタ装置4の内部に吸入される。このように、エジェクタ装置4は、ノズル部40によって流路を絞り、内部圧力を低下させることで外部からの気体を吸入する。このとき、ノズル部40で発生する負圧が大きいほど、気体の吸入量を大きくすることができる。
吸入された空気と液体は、混合部42で混合されて気液混合流体として、ディフューザ部43の通路断面積の拡大によって昇圧されて、その流速が低下する。拡大通路430を流れる気液混合流体は、ディフューザ部43の凸条部45に至るまで流速が低下し、凸条部45に至ると旋回流が促進する段階に入る。こうして流体の攪拌が促進される。つまり、凸条部45を、ディフューザ部43の上流端部431からではなく、途中位置から下流に向けて螺旋状に延ばすことにより、気体の吸入量の確保と、気体と液体の十分な混合とをもたらすことができる。そして、この効果が得られた良好な混合流体を旋回流の形成により、攪拌できるので、エジェクタ装置4によれば、十分に微細化された気泡を有する気液混合流体を生成することができる。
給湯装置100において、エジェクタ装置4は、ノズル部40の流入部401が湯張り用電磁弁26側の配管に接続され、筒状体部44の流出口441が浴槽50側の配管に接続されるように、設置されている。
湯張り用電磁弁26が開状態であるとき、風呂用配管14を流下してきた水は、流入部401からノズル部40内に流入し減圧されることで外部の空気が吸引され、混合部42で水と空気が混ざった気液混合流体が生じる。そして、エジェクタ装置4は、ディフューザ部43で昇圧されつつ旋回流の形成により、微細気泡を含む気液混合流体を浴槽50側の配管内や戻り配管16の内部に向けて噴出する。このエジェクタ装置4からの気液混合流体の噴出により、浴槽50へ延びる風呂用配管14、往き配管15、追焚き用熱交換器17の浴槽水側通路17a、戻り配管16等を洗浄することができる。このように、配管洗浄装置は、人の皮脂等で汚れた浴槽水が繰り返し流通することにより配管内に堆積した汚れを洗浄することができる。
さらに、風呂用混合弁25と湯張り用電磁弁26の間と、逆止弁30と湯張り用流量カウンタ28の間とを連結する配管には、排水弁68が設けられている。給湯用混合弁24、風呂用混合弁25は、それぞれ高温取出管12、風呂用配管14の末端で出湯される湯の温度を調節する温度調節弁である。
風呂用サーミスタは、風呂用混合弁25の下流側で風呂用配管14内の温度を検出するための電気信号を制御装置に出力する。湯張り用電磁弁26は、風呂用配管14の通路を開閉する弁であり、浴槽50内への湯張り、差し湯、たし湯等を行う時に制御装置により制御される。湯張り用流量カウンタ28は、風呂用混合弁25の出口の湯の流れを検出し検出信号を制御装置に出力する。湯張り用流量カウンタ28が風呂用混合弁25の出口の湯の流れを検出した時は、風呂用配管14の湯張り用電磁弁26が開弁されて出湯されていることを示す。
逆止弁30、31は、追焚き用配管150内の浴槽水回路を循環する浴槽水を風呂用混合弁25側に逆流させないための弁である。循環温サーミスタ(図示せず)は、戻り配管16に設けられ、浴槽水回路を循環する浴槽水の温度を検出するための電気信号を制御装置に出力する。風呂循環センサ(図示せず)は、浴槽水回路を浴槽水が循環しているか否かを検出可能な流水センサである。追焚きサーミスタ(図示せず)は、往き配管15に設けられ、追焚き用熱交換器17で加熱された後の浴槽水の温度を検出するための電気信号を制御装置に出力する。
水位センサ29は、浴槽50内に湯張りされた浴槽水の湯量、言い換えれば浴槽50内の水位レベルを求めるための水圧を検出するセンサであり、水圧信号を制御装置に出力する。風呂循環ポンプ19は、浴槽50内の浴槽水を追焚き用熱交換器17に圧送する電動ポンプであり、制御装置によってその作動が制御される。
給湯装置100は、タンク10の外部に配置された追焚き用熱交換器17と、追焚き用熱交換器17とタンク10の内部とを連絡する1次側回路13とを備える。追焚き用熱交換器17における給湯用水側通路17bの入口部は、タンク10の最上部に接続されている。
給湯用水側通路17bの出口部は、タンク10の中間部に配管によって接続されている。1次側循環ポンプ18は、制御装置によって制御されて、タンク10内の給湯用水やヒートポンプユニット20で沸き上げた高温水を1次側回路13に循環させることができる。
追焚き運転を行う時は、風呂循環ポンプ19及び1次側循環ポンプ18を駆動する。これにより、浴槽50内の浴槽水が浴槽水回路を循環し、タンク10の高温水が1次側回路13を循環する。浴槽水は、追焚き用熱交換器17の浴槽水側通路17aでタンク10の高温水と熱交換して加熱される。追焚き運転では、循環温サーミスタにより検出される浴槽水温度が設定温度になるまで制御が継続される。
図1からも明らかなように、浴槽水を循環する浴槽水回路は、往き配管15および戻り配管16と、追焚き用熱交換器17の浴槽水側通路17aを含む。浴槽水回路は追焚き用配管150内に形成され、風呂用配管14は接続点153で追焚き用配管150に接続している。
追焚き用配管150は、第1配管151および第2配管152を有する。第1配管151と第2配管152とは、接続点153において相互に接続している。本例では、第1配管151は、戻り配管16の接続点153よりも追焚き用熱交換器17側の部分および往き配管15からなり、第2配管152は、戻り配管16の接続点153よりも浴槽50側の部分からなる。追焚き用熱交換器17は第1配管151に設けられ、水位センサ29および風呂循環ポンプ19は第2配管152に設けられている。
図2に示すように、接続点153において、風呂用配管14、第1配管151および第2配管152は、ジョイント部材53を介して相互に接続している。ジョイント部材53は、例えば金属製または樹脂製のT型の配管接続部材である。ジョイント部材53は、風呂用配管接続部530、第1配管接続部531および第2配管接続部532が一体的に形成されている。
風呂用配管接続部530は、接続点153から図示上方に延びる段付き円筒形状をなしており、図示上方端部から内方に風呂用配管14の端部を装着可能な内装接続部530aを備えている。風呂用配管接続部530は、内装接続部530aよりも接続点153側に、流入通路530bを備えている。流入通路530bは、その径が内装接続部530aの内径よりも小さくなっており、風呂用配管14の内径とほぼ同一となっている。内装接続部530aには、必要に応じてシール部材を設け、内装接続部530aと風呂用配管14との間にシール構造を形成して液密および気密状態を得る。
第1配管接続部531は、接続点153から図示左方に延びる円筒形状をなしており、図示左方端部から外方に第1配管151の端部を装着可能な外装接続部531aを備えている。第1配管接続部531は、外装接続部531aの内方に、第1通路531bを備えている。第1通路531bは、その径が外装接続部531aの外径よりも小さくなっている。すなわち、第1通路531bの径は、第1配管151の内径よりも小さくなっている。外装接続部531aには、必要に応じてシール部材を設け、外装接続部531aと第1配管151との間にシール構造を形成して液密および気密状態を得る。
第2配管接続部532は、接続点153から図示右方に延びる段付き円筒形状をなしており、図示右方端部から内方に第2配管152の端部を装着可能な内装接続部532aを備えている。第2配管接続部532は、内装接続部532aよりも接続点153側に、第2通路532bを備えている。第2通路532bは、その径が内装接続部532aの内径よりも小さくなっており、第2配管152の内径とほぼ同一となっている。内装接続部532aには、必要に応じてシール部材を設け、内装接続部532aと第2配管152との間にシール構造を形成して液密および気密状態を得る。
風呂用配管14、第1配管151および第2配管152は、いずれも例えば金属製(本例では銅合金製)の配管であり、第1配管151および第2配管152には、同一内径の配管部材を採用している。風呂用配管14も、第1配管151および第2配管152と同一内径の配管部材とすることができる。
したがって、第1通路531bは、第2通路532bよりも、外装接続部531aの肉厚が占める分だけ通路断面積が小さくなっている。風呂用配管14、第1配管151および第2配管152に同一内径の配管部材を採用する場合には、流入通路530bの通路断面積は、第2通路532bの通路断面積とほぼ同一になる。
風呂用配管14、第1配管151および第2配管152は、いずれも、ジョイント部材53に対して、例えば圧入構造等による嵌合、螺子止め構造等による螺合、ワンタッチ接続構造等による係合、溶接、ろう付け、接着等による接合等により接続することができる。本実施形態では、図2に示す配管接続構成は、図示下方を重力方向とし、図示左右方向を水平方向として配置される。
追焚き用配管150内の浴槽水回路に浴槽水が循環する場合には、ジョイント部材53の内部では、第2配管152内から第1配管151内へ向かって、第2通路532b、接続点153、第1通路531bの順に浴槽水が流通する。
風呂用配管14から浴槽50内への湯張り、差し湯、たし湯等を行う場合には、ジョイント部材53の内部では、流入通路530b、接続点153、第1通路531bの順に湯水が流通する。これとともに、流入通路530b、接続点153、第2通路532bの順にも湯水が流通する。すなわち、風呂用配管14、流入通路530bの順に流れた湯水は、接続点153で分岐し、第1通路531bを介して第1配管151へ流入する湯水と、第2通路532bを介して第2配管152へ流入する湯水とに分流する。このように、風呂用配管14から湯水が流入する場合には、接続点153は、流体流れにおいて分岐点と呼ぶことができる。以下、接続点153を分岐点と呼ぶ場合がある。また、第1配管151および第2配管152を分岐配管と呼ぶ場合がある。
風呂用配管14にエジェクタ装置4が設けられているので、風呂用配管14から流入する湯水は空気が混合された気液混合流体である。したがって、風呂用配管14から浴槽50へ供給される気液混合流体は、分岐点で第1配管151および第2配管152のいずれにも流入可能である。そして、分岐点から第1配管151への流体入口は、分岐点から第2配管152への流体入口よりも通路断面積が絞られている。第2通路532bよりも通路断面積が小さい第1通路531bが、通路断面積を絞る絞り部5311として機能する。
上述の構成および作動によれば、追焚き用配管150は、風呂用配管14の接続点153において相互に接続する第1配管151および第2配管152を有している。風呂用配管14から浴槽50へ供給される気液混合流体は、接続点153で第1配管151および第2配管152のいずれにも流通可能である。そして、接続点153から第1配管151への流体入口に、接続点153から第2配管152への流体入口よりも流路断面積を絞る絞り部5311を設けている。絞り部5311は、風呂用配管14から浴槽50へ気液混合流体を供給する際の絞り部5311における気液混合流体の流速を、第2配管152への流体入口における気液混合流体の流速よりも高める。これにより、絞り部5311は、接続点153において第2配管152側よりも第1配管151側へ気体を誘引する。
これによると、風呂用配管14から浴槽50へ気液混合流体を供給する際に、絞り部5311により、接続点153において第1配管151へ流入する流体の流速を、第2配管152へ流入する流体の流速よりも高めることが可能である。これに伴い、第1配管151へ流入する気液混合流体に含まれる気体の流量を、第2配管152へ流入する気液混合流体に含まれる気体の流量よりも高めることができる。したがって、第1配管151を流れる気液混合流体には第2配管152を流れる気液混合流体よりも多くの気体が含まれる。これにより、気液混合流体による第1配管151側の洗浄性能を、第2配管152側の洗浄性能よりも高めることができる。このようにして、絞り部5311という比較的簡素な構成により、比較的高い洗浄性能を求められる第1配管151側の洗浄性能を高めて、優れた洗浄効果を奏することが可能である。
また、追焚き用熱交換器17は、第1配管151に設けられている。これによると、比較的汚れが付着し易く、比較的高い洗浄性能が求められる追焚き用熱交換器17が配置された側を、確実に洗浄することができる。
風呂用配管から追焚き用配管へ気液混合流体を流入させる際に、分岐点より各配管への流体入口の通路断面積を均等にすると、流体は両配管にほぼ均等に流入可能であり、分岐後の通路の圧損バランスにより各配管を流れる流体流量が決まる。そして、気液混合流体に含まれる気体量は、流体流量に比例して分配される。すなわち、いずれの配管を流れる気液混合流体も気体の混合比率はほぼ同等である。
これに対し、本実施形態では、接続点153から第1配管151への流体入口に、接続点153から第2配管152への流体入口よりも流路断面積を絞る絞り部5311を設けている。分岐点において一方の分岐配管である第1配管151の入口に絞り部5311を設けると、液体は絞り部がなく圧損が小さい第2配管152側へ多く流れる。一方、気体は、絞り部5311により流速が速くなる第1配管151側へ多く流れる。
図4および図5は、本発明者が行った本実施形態の配管洗浄装置の作用および効果の確認結果である。図4は、本実施形態の配管洗浄装置において、風呂用配管14から流入する流体流量を変化させたり、絞り部5311の通路断面積を変化させたりした場合の、流速比と空気吸入量比との関係を示している。
ここで、図4の横軸に示す流速比とは、第1通路531bを通過する気液混合流体の流速と、第2通路532bを通過する気液混合流体の流速とを、総和が1となるように比較する値である。図4の縦軸に示す空気吸入量比とは、第1通路531bを通過する気液混合流体が含む空気量と、第2通路532bを通過する気液混合流体が含む空気量とを、総和が1となるように比較する値である。
図4に示すように、絞り部5311の効果により、第1通路531bを通過する気液混合流体の流速は、第2通路532bを通過する気液混合流体の流速よりも速く、第1通路531bを通過する空気量が、第2通路532bを通過する空気量に対して大きくなっている。このように、本発明者は、液体に気体が混合した気液混合流体では、分岐点からの気液混合流体の流速に応じて、気体の分流量が変化することを見出した。
また、図5は、本実施形態の配管洗浄装置において、風呂用配管14から流入する流体流量を変化させたり、絞り部5311の通路断面積を変化させたりした場合の、空気吸入量比と洗浄効果との関係を示している。
ここで、図5の横軸に示す第1配管151側への空気吸入量比とは、第1通路531bを通過する気液混合流体が含む空気量の全体空気量に対する比率である。すなわち、図5では、右側ほど第1配管151側への空気流量が増加し第2配管152側への空気流量が減少することになる。また、図4の縦軸に示す洗浄効果とは、所定の汚れを各配管系の内面に付着させ、気液混合流体の流通による汚れ重量の減少の度合いを示している。
図5に示すように、第1配管151側へ流れる気液混合流体が含む気体量が増加すると、第1配管151側の洗浄効果が大きく上昇することが確認される。一方、第1配管151側へ流れる気液混合流体が含む気体量が増加すると、第2配管152側へ流れる気液混合流体が含む気体量は減少する。ところが、第2配管152の流体入口には絞り部を設けておらず、第2配管152側へ第1配管151側よりも多量の気液混合流体を流通することができる。これにより、第2配管152側の洗浄効果が著しく低下することを抑制することができる。
このように、本実施形態によれば、流路長さが比較的長く比較的汚れが付着し易い追焚き用熱交換器17が設けられた第1配管151側と、流路長さが比較的短い第2配管152側とにおいて、バランスのよい優れた洗浄性能を発揮することができる。
また、本実施形態の配管洗浄装置は、接続点153に設けられ、風呂用配管14と追焚き用配管150を接続するジョイント部材53を備えている。そして、絞り部5311は、ジョイント部材53に設けられている。これによると、ジョイント部材53に絞り部5311を設けることで、第1配管151への流体入口の流路断面積を、第2配管152への流体入口の流路断面積よりも、確実かつ容易に絞ることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図6に基づいて説明する。
第2の実施形態は、前述の第1の実施形態と比較して、風呂用配管が追焚き用配管に接続する接続点が異なる。なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。第1の実施形態に係る図面と同一符号を付した構成部品、第2の実施形態において説明しない他の構成は、第1の実施形態と同様であり、また同様の作用効果を奏するものである。
図6に示すように、本実施形態では、追焚き用配管150は、第1配管151Aおよび第2配管152Aを有する。第1配管151Aと第2配管152Aとは、接続点153において相互に接続している。本例では、第1配管151Aは、戻り配管16および往き配管15の接続点153よりも追焚き用熱交換器17側の部分からなり、第2配管152Aは、往き配管15の接続点153よりも浴槽50側の部分からなる。追焚き用熱交換器17、水位センサ29および風呂循環ポンプ19は、第1配管151Aに設けられている。
第1の実施形態と同様に、接続点153において、風呂用配管14、第1配管151Aおよび第2配管152Aは、例えば配管接続部材であるジョイント部材53を介して相互に接続している。そして、第1配管151A側の流体入口にジョイント部材53の絞り部5311が配置されている。
本実施形態によれば、追焚き用熱交換器17は、第1配管151Aに設けられている。これによると、比較的汚れが付着し易く、比較的高い洗浄性能が求められる追焚き用熱交換器17を配置した側を、確実に洗浄することができる。これに加え、浴槽50の水を追い焚きする際に浴槽50の水が追焚き用配管150へ流入する流入端部154は、第1配管151Aに設けられている。これによると、比較的汚れが付着し易く、比較的高い洗浄性能が求められる追焚き用配管150の流入端部154近傍も、確実に洗浄することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
上記実施形態では、追焚き用熱交換器17を配置した第1配管の流体入口に絞り部を設けていたが、これに限定されるものではない。比較的高い洗浄効果を得たい側、すなわち、比較的高い洗浄性能を発揮したい側を第1配管側とし、第1配管の流体入口に絞り部を設けるものであればよい。例えば、第1の実施形態の配管洗浄装置において、追焚き用熱交換器17よりも流入端部154近傍で優れた洗浄効果を得たい場合には、流入端部154を含む側を第1配管とし、追焚き用熱交換器17を含む側を第2配管としてもかまわない。
また、上記実施形態では、ジョイント部材53の第1通路531bを絞り部5311としていた。すなわち、第1通路531bの軸線方向の全域を絞り通路として絞り部5311を形成していた。しかしながら、これに限定されるものではない。流路を絞ることで気液混合流体の流速を上昇させるものであればよい。例えば、図7および図8に示すように、第1配管が内装もしくは外装されて接続する第1配管接続部531の内周面に全周に亘って設けた環状壁部531cで、絞り部5311を構成してもかまわない。また、図7に示した断面形状が矩形状の環状壁部531cに限らず、例えば、図9に示すように、断面形状が山型形状の環状壁部531dで絞り部5311を構成してもかまわない。
また、絞り部5311は、第1配管接続部531の内周面に全周に亘って設けた環状壁部等により形成されるものに限定されない。例えば、図10に示すように、第1通路の半分を塞ぐような堰状の壁部531eにより絞り部5311を構成してもかまわない。また、例えば、図11に示すように、第1配管接続部531の内周面に半周に亘って設けた周方向壁部531fで絞り部5311を構成してもかまわない。
また、絞り部5311の絞られた流体通路は1つの通路に限定されるものではない。例えば、図12に示すように、第1配管接続部531の内周面の周方向の異なる位置から複数立ち上がった壁部を連結した連結壁部531gにより、絞り部5311の絞り通路を複数の通路で構成してもかまわない。
絞り部5311は、ジョイント部材53に設けるものに限定されず、例えば第1配管151に設けるものであってもよい。図9に示した環状壁部531dのような形状の絞り部5311は、第1配管151の端部近傍を縮径加工することにより、容易に形成することができる。また、ジョイント部材や第1配管とは別体のオリフィスプレート等を、ジョイント部材内もしくはジョイント部材と第1配管との間に設けて、絞り部5311を形成してもかまわない。
また、上記実施形態では、接続点153における配管接続構成は、風呂用配管14が上方向に延び、第1配管151、151Aおよび第2配管152、152Aが水平方向に延びる構成であったが、これに限定されるものではない。すなわち、接続点153へ向かって流入する気液混合流体の流入方向や、接続点153で分流し分岐配管を流れる気液混合流体の流通方向は、上記実施形態で説明した方向に限定されない。分岐点で分流する気液混合流体の液体流量が重力方向に大きくなり易く、気体流量が反重力方向に大きくなり易いことを加味して、第1配管側に流れる気体流量が比較的大きくなるような配管接続構成とすることが好ましい。
また、上記実施形態では、絞り部5311は固定絞りであったが、これに限定されるものではない。絞り部は、絞りの度合いを変更可能な、例えば手動式の可変絞りであってもかまわない。
また、上記実施形態では、接続点153において接続する追焚き用配管150は、第1配管および第2配管の2つの配管であったが、これに限定されるものではない。接続点153において接続する追焚き用配管は、3つ以上の配管であってもかまわない。3つ以上の配管のうち少なくとも2つの配管に対して本発明を適用して有効である。3つ以上の分岐配管の全てに対する流入流速をコントロール可能な構成を、絞り部を用いて得ることで、追焚き用配管を構成する全ての分岐配管における気液混合流体による洗浄性能を調整するものであってもよい。