JP6098394B2 - マイクロカプセル - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] (a)カットオフ290nmのキセノン光を340nmにおける強度0.68W/m2で8時間照射した後の残存率が50%以上、且つ56時間照射した後の残存率が40%以上60%以下である農薬活性成分、
及び
(b)疎水性有機溶媒
を含有し、該農薬活性成分と該疎水性有機溶媒との重量比が5:95〜70:30であるマイクロカプセル。
[2] 平均粒径が5〜60μmである[1]に記載のマイクロカプセル。
[3] 農薬活性成分が、常温で固体の農薬活性成分である[1]または[2]に記載のマイクロカプセル。
[4] 疎水性有機溶媒が、エステル類、ケトン類、芳香族炭化水素類及びパラフィン類からなる群より選ばれる1種以上の疎水性有機溶媒である[1]〜[3]のいずれかに記載のマイクロカプセル。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載のマイクロカプセルが水連続相に懸濁されてなる水性懸濁状農薬組成物。
上記で規定する農薬活性成分の残存率の算出方法は、より具体的には、まず、農薬活性成分250mgを、アセトン等の該農薬活性成分を充分に溶解させることができ、且つ揮発性の高い溶媒50mLに溶解させ、該溶液1mLをホールピペットで直径6cmのガラス製シャーレに添加して全体に広げた後、室温で風乾させる。該シャーレを石英ガラス製のフタで覆い、ホウケイ酸塩フィルター(商品名:Daylight - BB Opticalフィルター、Q-Lab社製)が取り付けられた耐侯性試験機(商品名:Q−SUNキセノン促進耐侯性試験機 モデルXe−3、Q-Lab社製)内に設置し、340nmにおける強度0.68W/m2、温度35℃(断熱ブラックパネル温度計で35℃)の条件にて、キセノン光を所定時間照射した後、該シャーレに残存する該農薬活性成分を、例えば、高速液体クロマトグラフィー法等の公知の定量方法により定量し、上記で用いた農薬活性成分5mgに対する重量百分率として算出することにより、残存率を求めることができる。
本発明には芳香族炭化水素類として、市販されている芳香族炭化水素溶媒を用いることができる。かかる市販されている芳香族炭化水素溶媒としては、例えば、ハイゾールSAS−296(1−フェニル−1−キシリルエタンと1−フェニル−1−エチルフェニルエタンとの混合物、JX日鉱日石エネルギー株式会社商品名)、ハイゾールSAS−LH(JX日鉱日石エネルギー株式会社商品名)、カクタスソルベントHP−MN(メチルナフタレン 80%、JX日鉱日石エネルギー株式会社商品名)、カクタスソルベントHP−DMN(ジメチルナフタレン 80%、JX日鉱日石エネルギー株式会社商品名)、カクタスソルベントP−180(メチルナフタレンとジメチルナフタレンとの混合物、JX日鉱日石エネルギー株式会社商品名)、カクタスソルベントP−200(メチルナフタレンとジメチルナフタレンとの混合物、JX日鉱日石エネルギー株式会社商品名)、カクタスソルベントP−220(メチルナフタレンとジメチルナフタレンとの混合物、JX日鉱日石エネルギー株式会社商品名)、カクタスソルベントPAD−1(ジメチルモノイソプロピルナフタレン、JX日鉱日石エネルギー株式会社商品名)、ソルベッソ100(芳香族炭化水素、エクソンモービル化学株式会社商品名)、ソルベッソ150(芳香族炭化水素、エクソンモービル化学株式会社商品名)、ソルベッソ200(芳香族炭化水素、エクソンモービル化学株式会社商品名)、ソルベッソ150ND(芳香族炭化水素、エクソンモービル化学株式会社商品名)、ソルベッソ200ND(芳香族炭化水素、エクソンモービル化学株式会社商品名)、Ruetasolv BP 4302 (RKS GmbH 製)、ニカノール(フドー株式会社商品名)、スワゾール100(トルエン、丸善石油株式会社商品名)及びスワゾール200(キシレン、丸善石油株式会社商品名)が挙げられる。
本発明にはパラフィン類として、市販されているパラフィン溶媒を用いることができる。かかる市販されているパラフィン溶媒としては、例えば、ノルパー13(ノルマルパラフィン、エクソンモービル化学株式会社商品名)、ノルパー15(ノルマルパラフィン、エクソンモービル化学株式会社商品名)、アイソパーE(イソパラフィン、エクソンモービル化学株式会社商品名)、アイソパーG(イソパラフィン、エクソンモービル化学株式会社商品名)、アイソパーL(イソパラフィン、エクソンモービル化学株式会社商品名)、アイソパーH(イソパラフィン、エクソンモービル化学株式会社商品名)、アイソパーM(イソパラフィン、エクソンモービル化学株式会社商品名)、モレスコホワイトP−40(流動パラフィン、株式会社MORESCO商品名)、モレスコホワイトP−70(流動パラフィン、株式会社MORESCO商品名)、モレスコホワイトP−200(流動パラフィン、株式会社MORESCO商品名)、エクソールD110(パラフィンとシクロパラフィンとの混合物、エクソンモービル化学株式会社商品名)、エクソールD130(パラフィンとシクロパラフィンとの混合物、エクソンモービル化学株式会社商品名)、エクソールD160(パラフィンとシクロパラフィンとの混合物、エクソンモービル化学株式会社商品名)が挙げられる。
本発明マイクロカプセルに用いられる紫外線防護剤は、特に限定されないが、なかでも成分bに混和性の紫外線防護剤の使用が好ましい。
なかでもポリウレタン樹脂またはポリウレア樹脂の使用が好ましい。
本発明に用いられるポリイソシアネートの量は、通常、得られるマイクロカプセルの被膜の量に応じて決定される。得られるマイクロカプセルの被膜の量は、得られるマイクロカプセル全量に対して、通常0.1〜40重量%、好ましくは0.2〜30重量%である。本発明に用いられるポリイソシアネートの量は、このマイクロカプセルの被膜の量に対して、通常25〜95重量%、好ましくは50〜90重量%である。
かかるポリアミンとしては、例えばエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、及びトリエチレンテトラミンが挙げられる。
本発明に用いられるポリオールまたはポリアミンの量は、通常、得られるマイクロカプセルの被膜の量に応じて決定される。本発明に用いられるポリオールの量は、マイクロカプセルの被膜の量に対して、通常1〜80重量%、好ましくは3〜60重量%である。本発明に用いられるポリアミンの量は、マイクロカプセルの被膜の量に対して、通常1〜40重量%、好ましくは3〜20重量%である。
成分aは成分bに懸濁されているか、または、溶解されている。
成分aが常温(25℃)で固体の成分a(以下、固体成分aと記す。)である場合は、固体成分aの成分bへの溶解度及び固体成分aと成分bとの重量比により、懸濁液(以下、本懸濁液aと記す。)の形態をとり得る。本懸濁液aは、例えば、ビーズミル等の湿式粉砕機を使用し、固体成分aを成分b中で微粉砕することにより調製することができる。また、例えば、ジェットミル等の乾式粉砕機を使用し、固体成分aを、そのまま若しくはその他の成分を添加して微粉砕した後で、成分bに加えることにより調製することもできる。
成分aが成分bに溶解されてなる溶液は、成分aを成分bに溶解させることにより調製することができる。
前記成分a及び成分cの懸濁液または溶液において、成分a及び成分cは下記(1)〜(4)のいずれかの状態をとる。
(1)成分a及び成分cはいずれも成分bに懸濁されている。
(2)成分cは成分bに溶解されており、成分aは成分cが溶解された成分bに懸濁されている。
(3)成分aは成分bに溶解されており、成分cは成分aが溶解された成分bに懸濁されている。
(4)成分a及び成分cはいずれも成分bに溶解されている。
固体成分aの場合、固体成分aの成分bへの溶解度及び固体成分aと成分bとの重量比等により、上記(1)または(2)の状態をとることができる。成分cが常温(25℃)で固体の成分c(以下、固体成分cと記す。)である場合、固体成分cの成分bへの溶解度及び固体成分cと成分bとの重量比等により、上記(1)または(3)の状態をとることができる。
また、上記(4)の溶液は、成分a及び成分cを成分bに溶解させることにより調製することができる。
第1工程で得られた成分aと必要に応じて加えられた成分cとが成分bに懸濁されてなる懸濁液または溶解されてなる溶液は、速やかに次工程にて用いられることが好ましい。
かかる増粘剤としては、例えばアラビアガム、ザンサンガム、ラムザンガム、ローカストビーンガム、グァーガム、カラギーナン、ウェランガム、アルギン酸、アルギン酸塩、トラガントガム等の天然多糖類;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム等のビニル系高分子、ポリオキシアルキレン等の合成高分子;カルボキシメチルセルロース等の半合成高分子;アルミニウムシリケート、マグネシウムアルミニウムシリケート、スメクタイト、ベントナイト、ヘクライト、合成含水珪酸、乾式シリカ等の鉱物質粉末;およびアルミナゾルを挙げることができる。これらの増粘剤として市販品をそのまま使用することができる。かかる市販品としては、例えば、ザンサンガムであるケルザンS(CPケルコ社商品名)、アルミニウムシリケートであるビーガムグラニュール(バンダービルト社商品名)、及び乾式シリカであるアエロジル200(エボニックデグサ社商品名)が挙げられる。
本製造方法により得られた本発明マイクロカプセルは、水性懸濁状組成物から遠心分離、濾過、スプレードライ等によりマイクロカプセルの粉末状製剤として使用することができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアミン塩酸塩等のアルキルアミン塩酸塩;ドデシルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモルホリニウム塩等のアルキル四級アンモニウム塩;塩化ベンゼトニウム、及びポリアルキルビニルピリジニウム塩が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸ナトリウム;ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム等のエーテルカルボン酸ナトリウム;ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウム等の高級脂肪酸のアミノ酸縮合物;高級アルキルスルホン酸塩、ラウリン酸エステルスルホン酸塩等の高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;ジオクチルスルホサクシネート等のジアルキルスルホコハク酸塩;オレイン酸アミドスルホン酸等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸塩等のアルキルアリールスルホン酸塩;アルキルアリールスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ペンタデカン−2−サルフェート等の高級アルコール硫酸エステル塩;ジポリオキシエチレンドデシルエーテルリン酸エステル等のポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル;スチレン−マレイン酸共重合体;リグニンスルホン酸塩が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、N−ラウリルアラニン、N,N,N−トリメチルアミノプロピオン酸、N,N,N−トリヒドロキシエチルアミノプロピオン酸、N−ヘキシル−N,N−ジメチルアミノ酢酸、1−(2−カルボキシエチル)ピリミジニウムベタイン、及びレシチンが挙げられる。
本発明組成物が界面活性剤を含有する場合、その合計含有量は本発明組成物全量に対して、通常0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。
本発明組成物が増粘剤を含有する場合、その合計含有量は本発明組成物全量に対して、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
本発明組成物が消泡剤を含有する場合、その合計含有量は本発明組成物全量に対して、通常0.01〜3重量%、好ましくは0.05〜1重量%である。
本発明組成物が防腐剤を含有する場合、その合計含有量は本発明組成物全量に対して、通常0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜3重量%である。
本発明組成物が凍結防止剤を含有する場合、その合計含有量は本発明組成物全量に対して、通常0.5〜30重量%、好ましくは1〜20重量%である。
本発明組成物がpH調整剤を含有する場合、その合計含有量は本発明組成物全量に対して、通常0.01〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%である。
また、該水希釈液は、種子処理、育苗箱処理等に使用することもできる。
2−[(2,5−ジメチルフェノキシ)メチル]−α−メトキシ−N−メチル−ベンゼンアセトアミド(以下、化合物Aと記す。)を縦型ジェットミル(JOM−0101型ジェット粉砕装置、株式会社セイシン企業製)により乾式粉砕し、平均粒径10μm以下の化合物A微粉末を調製した。得られた化合物A微粉末10重量部、ポリイソシアネート(商品名:スミジュールL−75、住化バイエルウレタン株式会社製)0.2重量部及び芳香族炭化水素(商品名:ソルベッソ200ND、エクソンモービル化学株式会社製)19.8重量部を混合し、化合物A懸濁液を得た。該懸濁液30重量部を5重量%ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールGH−17、日本合成化学工業株式会社製)水溶液33重量部に加えた。この混合物をロータステータ型ホモジナイザー(商品名:ポリトロンホモジナイザー、KINEMATICA AG社製)により攪拌することで、化合物A懸濁液をポリビニルアルコール水溶液中に乳濁させ、化合物A乳濁液を得た。得られた乳濁液に1.2重量%ジエチレントリアミン(和光純薬工業株式会社製)水溶液を2重量部添加し60℃で3〜4時間攪拌し、化合物Aを含有するマイクロカプセルの水性懸濁組成物を得た。
脱イオン水14.2重量部にマグネシウムアルミニウムシリケート(商品名:ビーガムグラニュール、バンダービルト社製)0.4重量部を加え、室温で15分間攪拌した。ここにザンサンガム(商品名:ケルザンS、CPケルコ社製)0.2重量部とプロピレングリコール5重量部を加えた。この混合物を60℃で60分間攪拌した。得られた分散液を室温まで冷却してから、該分散液に防腐剤(商品名:プロキセルGXL、アーチケミカルズ社製)0.2重量部を加えて粘度調整液とした。該粘度調整液20重量部、水15重量部及び上記水性懸濁組成物65重量部を混合して化合物Aを10重量%含む本発明組成物(1)を得た。化合物Aを含有するマイクロカプセルの平均粒径は31.8μmであった。
製造例1で調製した化合物A微粉末10重量部を2.5重量部とし、芳香族炭化水素(前述に同じ)19.8重量部を27.3重量部とした以外は製造例1と同様の操作を行い、化合物Aを2.5重量%含む本発明組成物(2)を得た。化合物Aを含有するマイクロカプセルの平均粒径は39.9μmであった。
ロータステータ型ホモジナイザー(前述に同じ)による撹拌力の調節により、化合物Aを含有するマイクロカプセルの平均粒径31.8μmを9.9μmとした以外は製造例1と同様の操作を行い、化合物Aを10重量%含む本発明組成物(3)を得た。
ロータステータ型ホモジナイザー(前述に同じ)による撹拌力の調節により、化合物Aを含有するマイクロカプセルの平均粒径31.8μmを3.7μmとした以外は製造例1と同様の操作を行い、化合物Aを10重量%含む本発明組成物(4)を得た。
本発明組成物(1)〜(4)を、それぞれ有効成分濃度が1120ppmになるように水で希釈した。該希釈液それぞれ100μLを直径6cmのガラス製シャーレに添加して均一に広げた後、室温で風乾した。該シャーレを石英ガラス製のフタで覆い、ホウケイ酸塩フィルター(商品名:Daylight - BB Opticalフィルター、Q-Lab社製)が取り付けられた耐侯性試験機(商品名:Q−SUNキセノン促進耐侯性試験機 モデルXe−3、Q-Lab社製)内に設置し、340nmにおける強度0.68W/m2、温度34℃(断熱ブラックパネル温度計で34℃)の条件にて、キセノン光を168時間照射した。照射後アセトンで該シャーレに残存する化合物Aを抽出して高速液体クロマトグラフィーにて分析定量し、照射前の化合物A量に対する重量百分率として算出することにより、残存率を求めた。
結果を表1に示す。
Claims (3)
- (a)2−[(2,5−ジメチルフェノキシ)メチル]−α−メトキシ−N−メチル−ベンゼンアセトアミド、
及び
(b)疎水性有機溶媒
を含有し、2−[(2,5−ジメチルフェノキシ)メチル]−α−メトキシ−N−メチル−ベンゼンアセトアミドと該疎水性有機溶媒との重量比が30:70〜70:30であって、平均粒径が5〜60μmであるマイクロカプセル。 - 疎水性有機溶媒が、エステル類、ケトン類、芳香族炭化水素類及びパラフィン類からなる群より選ばれる1種以上の疎水性有機溶媒である請求項1に記載のマイクロカプセル。
- 請求項1または2に記載のマイクロカプセルが水連続相に懸濁されてなる水性懸濁状農薬組成物。
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