JP6096927B2 - 円形ステープラー及びそのステープルアセンブリ - Google Patents

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Description

本発明は円形ステープラーに関し、特に円形ステープラーのステープルアセンブリに関し、医療器械という技術分野に属する。
人類の痔に対する認識が4000年以上の歴史も持ち、今まで、内痔に対する治療の伝統的な方法は、硬化剤注射療法、ゴム輪結紮術及び各形式の手術切除術などを含む。これらの方法は、全て痔自体に対して痔核を縮小或いは消失するように治療を行うためのものである。痔を切除する外科手術において、PPH手術方法と称される、即ち、円形ステープラーを使用して痔の上方の粘膜を環状に切除するという切除術がある。
図1に示すように、特許文献1には、そのステープルアセンブリ40がアンビル60とステープルバレル41とを含み、ステープルバレル41にステープル室と、ステープル押圧器と、ステープルとが内設され、前記アンビル60とステープルバレル41とが対向に設けられ、手術において痔の上方の粘膜をステープルバレル41内に引き込み、アンビル60とステープルバレル41とを吻合させて、痔の上方の粘膜を環状に切除する円形ステープラーが開示された。該ステープルバレル41のケーシングにおける開口が非常に狭くて、持糸器140をステープルバレルに貫通させて巾着縫合された組織をステープルバレルに引き込むための通路42を形成することにのみ用いられる。
現在、通常に使用されている円形ステープラーのステープルバレルは、その構造自体に制限があるので、手術中で使用される過程において医者に提供する観察窓及び操作空間が全て限られて、組織を引き込む操作に不利である。且つ、ステープルバレルの収容空間も非常に有限であり、手術において複数の痔に対して同時に切除する必要がある時に(例えば、複数の痔に対するTST(Tissue−selectingTherapystapler)切除術をする時に)、切除されようとする組織をより多く収容することができ、限界がある。
また、医者の臨床経験によると、長すぎる組織が器械のステープルバレル内に引き込まれると、手術後の状況があまりよくない。例えば、医学知識によると、在肛門管の皮膚と直腸粘膜との境目に肛門弁の縁と肛門柱の下端とを連結して囲まれた歯状線と称されるのこぎりの歯のような形状の環状線が現れている。歯状線の上下の組織の構造が異なり、85%以上の肛門と直腸の病気が歯状線の付近で発生される可能性が大きい。歯状線が排便反射の誘発エリアであり、糞便が直腸から肛門管に到達した後、歯状線部分の神経終末の受容器が刺激を受容して、反射的に肛門管を広げさせて、糞便を排出する。引き込まれた組織が長すぎて、手術の時に歯状線を切除してしまった場合、手術後、患者の排便反射が弱くなるため、便秘或いは感覚性便失禁などの不良反応を生じるようになる。
ところが、伝統的な円形ステープラーにおいて、ステープルバレルの外部のみにステープラーが肛門に挿入する深度を表示する目盛り(例えば、図1の符号49)が設けられたが、医者がステープルバレル内に痔の上方の粘膜の組織がどのくらい引き込まれたかを予想できる判断基準がなく、粘膜の組織が既にステープルバレル内にどれほど引き込まれたか、引き込まれた深度がどのくらいあるかについて判断できないので、ステープルバレル内に引き込まれた組織が多すぎて、患者の手術後の状況がよくなくなることを招く可能性がある。
米国特許第6,083,241号明細書
本発明は、大きい観察窓及び大きい容量を実現でき、操作の便利性を向上した円形ステープラー及びそのステープルアセンブリを提供することを目的とする。
本発明は、引き込まれた組織が多すぎることを防止するために、切除されようとする組織の引き込み深度の指示機能を有する円形ステープラー及びそのステープルアセンブリを提供することを他の1つの目的とする。
本発明の目的が下記の技術方案により実現される。
円形ステープラーのステープルアセンブリにおいて、
ステープルバレルと、前記ステープルバレル内に装設されたステープル押圧器と、前記ステープルバレルの遠位端に固定されたステープル室とを含み、その遠位端がステープル室面であり、前記ステープルバレルが筒状ケーシングと、前記ケーシング内に設けられた膨張止め筒と、前記ケーシングと前記膨張止め筒との間を連結した補強リブとを含み、前記ケーシングが切除されようとする組織を収容するための第1チャンバーを備え、前記ケーシングの近位端が前記円形ステープラーの本体と連結するように用いられ、前記ケーシングの遠位端が前記ステープル室を取付けるように用いられ、前記ステープルバレルのケーシングの側面に少なくとも1つの開口が開設され、前記開口が第1チャンバー貫通され、前記膨張止め筒の遠位端から前記ステープル室面までの距離が前記開口の遠位端から前記ステープル室面までの距離より大きく、少なくとも一部の第1チャンバーが前記開口から露出されたステープルバレルアセンブリと、
互いに固定して連結されたアンビルリングとアンビルシャフトとを含み、前記アンビルシャフトが前記膨張止め筒内において縦方向に沿ってスライドするアンビルアセンブリと、を含む円形ステープラーのステープルアセンブリを提供する。
また、前記ケーシングがケーシングの遠位端を備える第1部分とケーシングの近位端を備える第2部分とを含み、前記第1部分の直径が前記第2部分の直径より大きく、且つ前記第1部分の近位端が縮径するように前記第2部分の遠位端に連結されたことが好ましい。
また、前記ステープルバレルのケーシングにケーシングの縦軸に対して対称である複数の前記開口が開設され、隣接する開口同士の間に全て1つの前記補強リブが相応的に設けられたことが好ましい。
また、前記ステープルバレルのケーシングの横断面において、前記開口の周方向円弧長さが隣接する開口同士の間の連結部の周方向円弧長さより大きいことが好ましい。
また、前記膨張止め筒の近位端が前記ケーシングの近位端に近い位置に延長され、前記膨張止め筒と組合せている前記アンビルシャフトの近位端も前記ケーシングの近位端に近い位置に延長されたことが好ましい。
また、前記膨張止め筒の遠位端から前記ステープル室面までの距離が前記開口の近位端から前記ステープル室面までの距離より小さく、前記膨張止め筒の近位端から前記ステープル室面までの距離が前記開口の近位端から前記ステープル室面までの距離より大きいことが好ましい。
また、前記膨張止め筒の通孔内に少なくとも1つのガイド溝が設けられ、前記アンビルシャフトに少なくとも1つのガイドリブが相応的に設けられ、前記ガイドリブが前記ガイド溝内スライド可能であることが好ましい。
また、前記補強リブが前記膨張止め筒の近位端から縦方向に沿って前記膨張止め筒の遠位端を超える位置に延長され、且つ前記ステープル室に近いことが好ましい。
また、前記ステープル押圧器の形状が前記ステープルバレルとマッチングし、前記ステープル押圧器の内部に第2チャンバーが開設され、前記第2チャンバーが前記ステープルバレルの第1チャンバーに合せられたことが好ましい。
また、前記ステープル押圧器が遠位端に位置するステープル押圧リングと、前記ステープル押圧リングから縦方向に沿って近位端へ縮径するように延長された複数の支持板と、隣接する支持板同士の間を連結するとともに、互いに離間された複数の短冊状挿入部とを含み、前記複数の支持板が相応的な前記補強リブに係合して設けられ、且つ、これらによって取り囲まれて前記第2チャンバーが形成され、前記複数の短冊状挿入部がそれぞれ前記膨張止め筒、前記ケーシング及び隣接する補強リブ同士の間に取り囲まれて形成された挿入空間に挿入されたことが好ましい。
また、ステープル押圧器の挿入部の遠位端が開口の遠位端よりもステープル室面に近く、少なくとも一部の第2チャンバーが前記開口から露出されたことが好ましい。
また、前記開口の遠位端から前記ステープル室面までの距離が32mm以下であることが好ましい。
また、前記開口の遠位端から前記ステープル室面までの距離が20mm以上且つ32mm以下であることが好ましい。
また、前記開口の遠位端から前記ステープル室面までの距離が30mmであることが好ましい。
また、前記開口の遠位端に指示ラインを有することが好ましい。
本体及び本体の遠位端に連結されたステープルアセンブリを含み、前記ステープルアセンブリが上記のステープルアセンブリである円形ステープラーを提供する。
従来の技術に比べて、本発明の実施例の有益な効果が主に下記のようなことを含む。
1)ステープルバレルにステープルバレル内の第1チャンバーに貫通された開口が開設され、膨張止め筒の遠位端から前記ステープル室面までの距離を前記開口の遠位端から前記ステープル室面までの距離より大きくさせ、少なくとも一部の第1チャンバーを前記開口から露出させることによって、手術中において使用される時に大きい観察窓を提供できるだけではなく、手術中において組織の引き込み及び切除される組織のより多い収容が便利になる。
2)ステープルバレルの開口の遠位端からステープル室面までの距離が32mm以下であり、医者が手術を実施する過程において開口の遠位端を組織の引き込まれた深度の判断基準とすることができ、引き込まれた組織が長すぎて手術後の効果に悪い影響を与えることを有効に防止できる。
従来の技術における円形ステープラー及び持糸器の斜視図である。 本発明の第1実施例における円形ステープラーのステープルアセンブリの分解斜視図である。 本発明の第1実施例における円形ステープラーのステープルアセンブリの組立斜視図である。 本発明の第1実施例における円形ステープラーのステープルアセンブリの立体的な組立断面図である。 本発明の第1実施例におけるステープルバレルの斜視図である。 本発明の第1実施例におけるステープルバレルの正面図である。 本発明の第1実施例におけるステープルバレルの平面図である。 本発明の第1実施例におけるステープルバレルの底面図である。 本発明の第1実施例におけるステープルバレルのA−A線断面図である。 本発明の第1実施例におけるステープルバレルのB−B線断面図である。 本発明の第1実施例におけるステープル押圧器の斜視図である。 本発明の第1実施例におけるステープル押圧器の正面図である。 本発明の第1実施例におけるステープル押圧器の平面図である。 本発明の第1実施例におけるステープルアセンブリの手術使用状態を示す概略図である。 本発明の第2実施例におけるステープルアセンブリの斜視図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を詳細に説明する。本発明に使用されている用語である「遠位端」及び「近位端」は、手術の時にステープラーに対する医者のいる位置によるもので、そのうち、「遠位端」が医者から遠い一端であり、「近位端」が遠位端に相応するもので、医者に近い一端である。
第1実施例
図2、図3A及び図3Bに示すように、本発明の実施例に本体1と、本体1に設けられた第1アクチュエータ(不図示)及び第2アクチュエータ(不図示)と、本体1の遠位端に連結されているステープルアセンブリ2とを含む円形ステープラーが提供された。
本発明の実施例におけるステープルアセンブリ2は、少なくとも、対向に設けられたステープルバレルアセンブリ3とアンビルアセンブリ5を含む。前記アンビルアセンブリ5が互いに固定して連結されたアンビルリング51とアンビルシャフト52とを含む。アンビルアセンブリ5が第1アクチュエータ(不図示)の駆動でステープルバレルアセンブリ3に対してステープラーの縦方向に沿って移動することにより、アンビルアセンブリ5がそれぞれステープルバレルアセンブリ3から離れる第1位置とステープルバレルアセンブリ3に近づく第2位置に位置することが可能であり、そのうち、アンビルアセンブリ5が第1位置に位置する時に、切除されようとする組織をステープルバレル31に引き込むには便利となり、アンビルアセンブリ5が第2位置に位置する時に、ステープルバレル31内に位置している組織を縫合して切除するようになる。
ステープルバレルアセンブリ3が少なくともステープルバレル31と、ステープルバレル31の遠位端に固定されたステープル室32と、ステープルバレル31内に装設されたステープル押圧器33とを含む。ステープル押圧器33が第2アクチュエータの駆動でステープラーの縦方向に沿って移動することにより、ステープル室32内のステープルをステープルバレル31内の切除されようとする組織に発射して、組織に対して綴じることによって縫合する。ステープル室32がステープルバレル31の遠位端に固定されているため、前記ステープルバレルアセンブリ3の遠位端面がステープル室面320となり、前記ステープル室面320と前記アンビルリング51とが対向して設けられている。
図4A〜図4Fに示すように、ステープルバレル31が筒状ケーシング311と、筒状ケーシング311内に設けられた膨張止め筒315と、筒状ケーシング311と膨張止め筒315とを連結するための補強リブ316とを含む。本好ましい実施例において、筒状ケーシング311、膨張止め筒315及び補強リブ316が一体に成形された。
ケーシング311が、切除されようとする組織を収容するための第1チャンバー310を有する。ケーシング311の遠位端311cがステープル室32を取付けるために用いられ、ケーシングの近位端311dが円形ステープラーの本体1と連結するために用いられる。本好ましい実施例において、ケーシング311がケーシングの遠位端311cを備える第1部分311a、及びケーシングの近位端311dを備える第2部分311bを含む。第1部分311aの直径が第2部分311bの直径より大きく、且つ第1部分311aの近位端が縮径するように第2部分311bの遠位端に連結された。
ケーシング311の側面に第1チャンバー310に貫通された少なくとも1つの開口313が開設され、医者が手術中において組織が引込まれる状況を観察するように用いられる。本好ましい実施例において、ステープルバレル31におけるケーシング311の側面にケーシング311の縦軸に対して対称である4個の開口313が開設され、このように四面に開口313が設けられることにより、手術中において医療従事者によりよい多方向の観察窓が提供されることが可能である。勿論、開口313の個数がこれに限ら、1個、2個、3個以上であってもよい。前記ステープルバレル31のケーシングの横断面において、開口313に対応する周方向円弧長さ313aが隣接する開口同士の間の連結部314に対応する周方向円弧長さ314aより大きく、このように設けられた大きい開口により、医者が手術の時に極めてよい観察視角を取得できる。本好ましい実施例において、図4B及び図4Dに示すように、各開口313に対応する周方向円弧長さがケーシング311の円周長さの1/4に近い。
膨張止め筒315がアンビルアセンブリ5のアンビルシャフト52をスライドして通過させるための通孔3151を含む。好ましい実施の形態において、膨張止め筒315の通孔3151内に2個のガイド溝3152が設けられ(図4D、図4Eを参照する。)、前記アンビルシャフト52に2個のガイドリブ521(図2を参照する。)が設けられて、前記ガイドリブ521が前記ガイド溝3152内でスライド可能である。ガイド溝及びガイドリブの数量が2個に限ら、1個或いは2個以上にしてもよい。ケーシング内に切除される組織をより多く収容でき、且つ組織の引込み便利するように持糸器などの器械により大きい操作空間が付与されるために、膨張止め筒315の遠位端315cからステープル室面320までの距離を開口313の遠位端313cからステープル室面320までの距離より大きくし、即ち、膨張止め筒315の遠位端315cからケーシング311の近位端311dまでの距離を開口313の最も遠位辺(即ち、遠位端)313cからケーシング311の近位端311dまでの距離より小さくして、少なくとも一部の第1チャンバー310が前記開口313から露出されたようになる。本好ましい実施例において、膨張止め筒315の遠位端315cからステープル室面320までの距離が開口313の近位端313dからステープル室面320までの距離より小さく、膨張止め筒315の近位端315dからステープル室面320までの距離が開口313の近位端313dからステープル室面320までの距離より大きくなるために、アンビルシャフト52が膨張止め筒315内において縦方向に沿ってスライドする安定性に有利であるが、本発明がこれに限ら、膨張止め筒全体がケーシングの第2部分に対応するようになり、即ち、膨張止め筒の遠位端からステープル室面までの距離が開口の近位端からステープル室面までの距離より大きくなるようにしてもよい。
従来の技術における膨張止め筒及び補強リブの遠位端が全てステープル室面に近い配置と比べて、本発明における膨張止め筒315及び補強リブ316の遠位端が若干低くなることに相当する。膨張止め筒13が低くなることによる軸方向と周方向の強度の不十分を補うために、本発明における膨張止め筒315の近位端315dが従来の技術と比べて延長するように設置されるとともに、アンビルシャフト52も長くし(近位端を延長することに相当する。)、アンビルシャフト52と膨張止め筒315との組合わせが増加された。具体的には、前記膨張止め筒315の近位端315dをケーシング311の近位端311dの近くまで延長し、前記膨張止め筒315と組み合わせている前記アンビルシャフト52の近位端もケーシング311の近位端311dの近くまで延長した。
補強リブ316の主な役割は、筒状ケーシング311と膨張止め筒315とを連結するためである。本好ましい実施例において、ケーシング311に複数の開口313が設けられたため、膨張止め筒315がケーシング311内に相応的に固定されるようにケーシング311の隣接する開口同士の間の連結部314の内壁に短冊板状の補強リブ316が相応的に設けられた。膨張止め筒315、ケーシング311及び隣接する補強リブ316同士の間によって、ステープル押圧器33の挿入部333(説明が後述する。)が挿入されるための挿入空間317(図4Cを参照する。)が囲まれて形成された。本好ましい実施例において、補強リブ316が膨張止め筒315の近位端315dから縦方向に沿って膨張止め筒315の遠位端315cを超える位置まで延長し、且つステープル室32に近い。即ち、補強リブ316の近位端が膨張止め筒315の近位端315dとほぼ同じ高さであるが、補強リブ316の遠位端が開口313の遠位端313cよりもステープル室面320に近い位置に延長され、このような設置は、ステープルバレル31のケーシング311の強度の向上により有利である。補強リブの個数、長さ及び配置方式を様々に変化してもよい。例えば、各補強リブが膨張止め筒の外壁に連続又は断続に配置してもよい。
図5A〜図5Cに示すように、ステープル押圧器33の形状がステープルバレル31とマッチングし、具体的には、ステープル押圧器33が遠位端に位置するステープル押圧リング331と、ステープル押圧リング331から縦方向に沿って近位端に向けて縮径するように延長された複数の支持板332と、隣接する支持板332同士の間を連結して且つ互いに離間した複数の短冊状挿入部333とを含む。ステープル押圧器33の内部に第2チャンバー330(即ち、複数の支持板332により囲まれて形成された内部空間)が開設され、前記第2チャンバー330をステープルバレル31の第1チャンバー310に合せるようになる。複数の短冊状挿入部333がステープルバレル31の挿入空間317に挿入されて、膨張止め筒315の外周を囲む筒状に類似するものになる。本好ましい実施例において、切除された組織をより多く収容できるとともに、組織の引き込み便利にするように持糸器などの器械により大きい操作空間を与えるために、膨張止め筒315と類似するように、挿入部333の遠位端からステープル室面320までの距離も開口313の遠位端からステープル室面320までの距離より大きくして、少なくとも一部の第2チャンバー330が前記開口313から露出された。
各支持板332がステープルバレル31の各補強リブ316と相応するとともに、各支持板332に補強リブ316の外側面に相応的に係合された係合溝3321が設けられている。補強リブと支持板との間の係合の方式は、ステープルバレルの補強リブに係合溝が設けられ、ステープル押圧器の支持板が補強リブの係合溝に係合されるようにしてもよい。補強リブと支持板との間でこのように互いに係合して固定する方式によって、ステープルバレル31内のステープル押圧器33の安定性を向上するにはより有利である。勿論、補強リブと支持板との間で他の固定方式を採用してもよい。又、本実施例において、ステープル押圧器33の支持板332とステープルバレル31の補強リブ316とを組み立てた後、支持板332の近位辺3322がステープルバレル31のケーシング311の内側に当接されたようになる。
以下、痔の組織を切除することを例として、図6を参照しながら本発明の実施例における円形ステープラーの操作方法を説明する。切除されようとする痔の組織7に対して巾着縫合を行った後、ステープラーをアンビルリング51とステープル室32とが離れている状態で肛門鏡8内に入れて、そして、持糸器を使用してステープルバレル31の開口313からアンビルリング51とステープル室32との間の空間に挿入して、その巾着縫合糸を引っ張って、切除されようとする痔の組織7をステープラーの収容空間(第1チャンバー及び第2チャンバー)内に引き込んで、その後、アンビルリング51とステープル室32が切除されようとする痔の組織7を緊密に挟持するまでステープル室32とアンビルリング51との間の距離を縮小していくようにステープラーの第1アクチュエータを調節する。その後、ステープル押圧器33によってステープル室32内のステープルを組織に発射して綴じることによって縫合するとともに、組織を切除するようにステープラーの第2アクチュエータを操作する。本発明の実施例における円形ステープラーの応用は、痔の組織の切除に限ら、直腸や肛門の手術における他の組織の切除に用いられることが可能である。
第2実施例
図7に示すように、第1実施例との相違点の1つとしては、在第2実施例のステープルバレル31’において、前記開口313のステープル室面320に近い一端(即ち、開口の遠位端或いは最も遠位辺)には、医者が異なるタイプのステープラーを取った時に開口の遠位端からステープル室面までの距離Lの数値を知らせるための指示ライン9が設けられている。前記指示ライン9からステープル室面320までの距離Lは、例えば、20mm以上且つ32mm以下であり、最もよい臨床効果を取得するために、30mmであることが好ましい。指示ライン9の実施方式はたくさんあるが、ステープルバレル31’の開口の位置に指示ラインが直接刻印されるとともに、相応的な距離の数値である20mm、30mm或いは32mmが直接標記されることを含む。このようにして、手術する前に、医者が指示ライン9のそばの数値によってこのステープラーの開口からステープル室面までの距離を分かるようになる。手術を実施する過程において、医者は、組織が引き込まれ過ぎて、手術の効果に影響を与えることを防止するように、ステープルバレルの開口の遠位端を、組織を引き込む深度の判断基準とすることが可能である。
第1実施例との他の相違点としては、ステープル押圧器33’の支持板332’の近位辺3322’がステープルバレル31’のケーシング311に当接されないことである。
以上は、本発明の好ましい実施例だけであり、本発明の特許の範囲を限定するためのものではないので、本発明に掲示された主旨から逸脱しない上で完成された、効果が同じである他の変化又は修飾は、全て本願の特許の範囲に含まれるべきである。
(本発明)
1 ・・・本体
2 ・・・ステープルアセンブリ
3 ・・・ステープルバレルアセンブリ
31、31’ ・・・ステープルバレル
311 ・・・筒状ケーシング
310 ・・・第1チャンバー、311a ・・・第1部分、311b ・・・第2部分
311c ・・・遠位端、311d ・・・近位端
313 ・・・開口:313c ・・・遠位端、313d ・・・近位端、313a ・・・円弧長さ
314 ・・・連結部:314a ・・・円弧長さ
315 ・・・膨張止め筒
315c ・・・遠位端、315d ・・・近位端
3151 ・・・通孔、3152 ・・・ガイド溝
316 ・・・補強リブ
317 ・・・挿入空間
32 ・・・ステープル室
320 ・・・ステープル室面
33、33’ ・・・ステープル押圧器
330 ・・・第2チャンバー
331 ・・・ステープル押圧リング
332、332’ ・・・支持板
3321 ・・・係合溝、3322、3322’ ・・・近位辺
333 ・・・挿入部
5 ・・・アンビルアセンブリ
51 ・・・アンビルリング
52 ・・・アンビルシャフト、521 ・・・ガイドリブ
7 ・・・切除されようとする痔の組織
8 ・・・肛門鏡
9 ・・・指示ライン
(従来の技術)
40 ・・・ステープルアセンブリ
60 ・・・アンビル
41 ・・・ステープルバレル
42 ・・・通路
140 ・・・持糸器

Claims (16)

  1. 円形ステープラーのステープルアセンブリにおいて、
    ステープルバレルと、前記ステープルバレル内に装設されたステープル押圧器と、前記ステープルバレルの遠位端に固定されたステープル室とを含み、その遠位端がステープル室面であり、前記ステープルバレルが筒状ケーシングと、前記ケーシング内に設けられた膨張止め筒と、前記ケーシングと前記膨張止め筒との間を連結した補強リブとを含み、前記ケーシングが切除されようとする組織を収容するための第1チャンバーを備え、前記ケーシングの近位端が前記円形ステープラーの本体と連結するように用いられ、前記ケーシングの遠位端が前記ステープル室を取付けるように用いられ、前記ステープルバレルのケーシングの側面に少なくとも1つの開口が開設され、前記開口が第1チャンバー貫通され、前記膨張止め筒の遠位端から前記ステープル室面までの距離が前記開口の遠位端から前記ステープル室面までの距離より大きく、少なくとも一部の第1チャンバーが前記開口から露出されたステープルバレルアセンブリと、
    互いに固定して連結されたアンビルリングとアンビルシャフトとを含み、前記アンビルシャフトが前記膨張止め筒内において縦方向に沿ってスライドするアンビルアセンブリと、
    を含むことを特徴とする円形ステープラーのステープルアセンブリ。
  2. 前記ケーシングがケーシングの遠位端を備える第1部分とケーシングの近位端を備える第2部分とを含み、前記第1部分の直径が前記第2部分の直径より大きく、且つ前記第1部分の近位端が縮径するように前記第2部分の遠位端に連結されたことを特徴とする請求項1に記載の円形ステープラーのステープルアセンブリ。
  3. 前記ステープルバレルのケーシングにケーシングの縦軸に対して対称である複数の前記開口が開設され、隣接する開口同士の間に全て1つの前記補強リブが相応的に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の円形ステープラーのステープルアセンブリ。
  4. 前記ステープルバレルのケーシングの横断面において、前記開口の周方向円弧長さが隣接する開口同士の間の連結部の周方向円弧長さより大きいことを特徴とする請求項3に記載の円形ステープラーのステープルアセンブリ。
  5. 前記膨張止め筒の近位端が前記ケーシングの近位端に近い位置に延長され、前記膨張止め筒と組合せている前記アンビルシャフトの近位端も前記ケーシングの近位端に近い位置に延長されたことを特徴とする請求項1に記載の円形ステープラーのステープルアセンブリ。
  6. 前記膨張止め筒の遠位端から前記ステープル室面までの距離が前記開口の近位端から前記ステープル室面までの距離より小さく、前記膨張止め筒の近位端から前記ステープル室面までの距離が前記開口の近位端から前記ステープル室面までの距離より大きいことを特徴とする請求項1に記載の円形ステープラーのステープルアセンブリ。
  7. 前記膨張止め筒の通孔内に少なくとも1つのガイド溝が設けられ、前記アンビルシャフトに少なくとも1つのガイドリブが相応的に設けられ、前記ガイドリブが前記ガイド溝内スライド可能であることを特徴とする請求項1に記載の円形ステープラーのステープルアセンブリ。
  8. 前記補強リブが前記膨張止め筒の近位端から縦方向に沿って前記膨張止め筒の遠位端を超える位置に延長され、且つ前記ステープル室に近いことを特徴とする請求項1に記載の円形ステープラーのステープルアセンブリ。
  9. 前記ステープル押圧器の形状が前記ステープルバレルとマッチングし、前記ステープル押圧器の内部に第2チャンバーが開設され、前記第2チャンバーが前記ステープルバレルの第1チャンバーに合せられたことを特徴とする請求項1に記載の円形ステープラーのステープルアセンブリ。
  10. 前記ステープル押圧器が遠位端に位置するステープル押圧リングと、前記ステープル押圧リングから縦方向に沿って近位端へ縮径するように延長された複数の支持板と、隣接する支持板同士の間を連結するとともに、互いに離間された複数の短冊状挿入部とを含み、前記複数の支持板が相応的な前記補強リブに係合して設けられ、且つ、これらによって取り囲まれて前記第2チャンバーが形成され、前記複数の短冊状挿入部がそれぞれ前記膨張止め筒、前記ケーシング及び隣接する補強リブ同士の間に取り囲まれて形成された挿入空間に挿入されたことを特徴とする請求項9に記載の円形ステープラーのステープルアセンブリ。
  11. 前記挿入部の遠位端から前記ステープル室面までの距離が前記開口の遠位端から前記ステープル室面までの距離より大きく、少なくとも一部の第2チャンバーが前記開口から露出されたことを特徴とする請求項10に記載の円形ステープラーのステープルアセンブリ。
  12. 前記開口の遠位端から前記ステープル室面までの距離が32mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の円形ステープラーのステープルアセンブリ。
  13. 前記開口の遠位端から前記ステープル室面までの距離が20mm以上且つ32mm以下であることを特徴とする請求項12に記載の円形ステープラーのステープルアセンブリ。
  14. 前記開口の遠位端から前記ステープル室面までの距離が30mmであることを特徴とする請求項13に記載の円形ステープラーのステープルアセンブリ。
  15. 前記開口の遠位端に前記開口の遠位端から前記ステープル室面までの距離数値を表した指示ラインが設けられたことを特徴とする請求項1に記載の円形ステープラーのステープルアセンブリ。
  16. 本体及び本体の遠位端に連結されたステープルアセンブリを含み、前記ステープルアセンブリが請求項1〜15の何れかに記載のステープルアセンブリであることを特徴とする円形ステープラー。
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