JP6096587B2 - フラットケーブルにおけるコネクタとの接続構造及びコネクタ - Google Patents

フラットケーブルにおけるコネクタとの接続構造及びコネクタ Download PDF

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Description

本発明は各種機器との電気的な接続を確実に行うと共に、コネクタとの接続部分における防水性を確保した上で簡易且つ確実に電気的な接続とタッチプルーフ構造を確保することのできる、フラットケーブルにおけるコネクタとの接続構造とコネクタに関し、特に、生体信号を計測するシステム等において、センサ側に使用されるフラットケーブルを本器(計測機器本体)側のコネクタに対して接続するために有効なフラットケーブルにおけるコネクタとの接続構造及びコネクタに関する。
従来、医療その他の電子機器、更にその他の製品において、電力を供給したり信号を送受信する為に、可撓性を有してなる平板状またはシート状のフラットケーブルが用いられる。そしてかかるフラットケーブルとコネクタとの接続部分については、その使用環境や用途により防水性やタッチプルーフ構造(導電のための端子などの接続部分が、意図せずに電位に触れることのない構造)が要求される事がある。またフラットケーブルに外力が作用しても抜け出たり、防水性能の低下を防いだりすることが要求される場合がある。そこで従前においては、かかるフラットケーブルを接続するための防水コネクタとして、種々の技術が提案されている。
例えば特許文献1(特開2013−69600号公報)では、フレキシブルフラットケーブルに引っ張り力(外力)が加わっても、フレキシブルフラットケーブルと一体成形部との保持力及びシール性を確保することのできるフラットケーブル防水コネクタ構造を提案している。この文献では、フラットケーブル防水コネクタ構造におけるフレキシブルフラットケーブルの導体間に穴を設けるとともに、フレキシブルフラットケーブルの幅方向端部にスリットを形成し、ケーブル保持部を、導体と端子との接合部を含み導体と端子の一部に密着性が高い樹脂又は熱可塑性エラストマによって一体成形してなるシール部と、シール部を覆いフレキシブルフラットケーブルの穴及びスリットに掛かるように高剛性樹脂よって一体成形してなる保持部とによって形成したフラットケーブル防水コネクタが提案されている。
また、生体信号を計測するシステム等において、センサ側のケーブルを本器(計測機器本体)側と着脱自在に接続するためのケーブル接続用コネクタ、及びそれに対して使用されるフラットケーブルにおいても、防水性が要求されている。
このため特許文献2(特開2005−135694号公報)では、センサ側ケーブルの着脱を強い操作力を要することなく軽快に行うことができるとともに、コネクタ内部への液体の浸入を防止でき、またコネクタを繰り返し長期間使用してもセンサ側ケーブルとの電気導通を安定して確実に行うことができ、更に高い加工精度を要することなく製造コストの低減も図れるケーブル接続用コネクタを提案している。この文献で提案されているコネクタは、フラットケーブルの先端部をケーブル受入ピースの鞘状部に差し込み、スライドカバーを摺動させてケーブル受入ピースをコネクタ本体に対して閉じることにより、フラットケーブルのコンタクトホールにコンタクトピンがそれぞれ嵌合し、フラットケーブルの先端部の抜出がコンタクトピンにて阻止されるとともに、フラットケーブルのフラット心線と本器側ケーブルの心線とがコンタクトピンを介して電気導通状態になる。同時にフラットケーブルは、コネクタ本体側の下部パッキンとケーブル受入ピース側の上部パッキンとに挟まれる。
更に、この特許文献2では、上記のコネクタに対して使用されるフラットケーブルであって、フィルム基板上に複数本のフラット心線を平行に形成すると共に、コネクタのコンタクトピンと嵌合するコンタクトホールを、前記フラット心線の先端であってしかも隣接するコンタクトホール同士においてフラット心線の長さ方向に食い違う配置にして設けているフラットケーブルも提案している。
特開2013−69600号公報 特開2005−135694号公報
上記の通りフラットケーブルを接続するためのコネクタであって、防水性を高める工夫を施すことは種々提案されており、またかかる防水コネクタに使用するフラットケーブルも特許文献2で提案されている。
しかしながら、フラットケーブルにおいて、コネクタの端子との電気的な接続部分の防水を果たす工夫を施す技術は、未だ十分な開発はなされていないのが実情である。またタッチプルーフ構造を採用したフラットケーブルは未だ提案されていないのも実情である。
そこで本発明は、フラットケーブルにおけるコネクタとの接続部分に対して、防水のための工夫を施すことができ、更にタッチプルー構造を実現したコネクタとの接続構造を提供することを第一の課題とする。
また、かかるフラットケーブルにおけるコネクタとの接続構造であっても、コネクタの端子との電気的な接続は確実に行う必要があり、またフラットケーブルに対して外力が作用した場合であっても、当該フラットケーブルがコネクタから抜け出ることの無いように保持する必要がある。
そこで本発明では、防水性及び電気的な接続の確実性を確保した上で、更に外力が作用しても、フラットケーブルがコネクタから抜け出ることの無いようにしたフラットケーブルにおけるコネクタとの接続構造を提供することを第二の課題とする。
更に、フラットケーブルにおけるコネクタとの接続構造において、防水性を確保するためには、より厳重な防水構造が必要になり、一方で電気的な接続の確実性を確保するためには、正確な位置合わせが必要になる。このため、両者を同時に満たすためには、製造上の正確性が要求され、大量生産する上では製造方法の工夫が必要となる。
そこで本発明では、防水性及び電気的な接続の確実性を確保したフラットケーブルにおけるコネクタとの接続構造であっても、製造時間を短縮することのできる製造方法を提供することを第三の課題とする。
上記課題の少なくとも何れかを解決するべく、本発明ではフラットケーブルにおけるコネクタとの接続部分にゴム又は発泡樹脂からなるクッションシートを設け、更にこのクッションシートに対し、機器側ケーブルの心線と接続された複数本のコンタクトピンとの接続のためのコンタクトホールを設けることで、防水性及び電気的な接続の確実性のみならず、外力によってフラットケーブルが抜け出るおそれをなくすことのできるフラットケーブルにおけるコネクタとの接続構造を提供する。特に防水性を確保する観点においては、前記発泡樹脂は、樹脂中に形成された空隙同士が繋がっていない独立発泡樹脂であることが望ましい。
即ち本発明では、機器側ケーブルの心線と接続された複数本のコンタクトピンが突設されているコネクタに挟持されるフラットケーブルの接続構造であって、当該接続構造は、フィルム基板上に複数本のフラット心線を形成したフラットケーブルに設けられ、前記コンタクトピンに対向する面にゴム又は発泡樹脂からなるクッションシートが設けられると共に、当該クッションシートが設けられた面には、前記コンタクトピンを、前記フラット心線の端部に設けられた端子に接続させる孔からなるコンタクトホールが設けられているフラットケーブルにおけるコネクタとの接続構造を提供する。
上記フィルム基板は、十分な柔軟性と一定の保形性を備え、且つ簡易に切断しない程度の引っ張り強度を有する絶縁材料で形成することができ、例えばポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドイミドフィルム等の樹脂材料で形成することができる。また、このフィルム基板はフラットケーブルの形状を特定するものであるから、多くの場合は長尺状に形成されるが、その他の形状に形成してもよい。そして本発明にかかる接続構造は、このフラットケーブルの接続部分に形成され、当該フラットケーブルが長尺であれば、その何れかの端部、又は両端部に形成する他、任意の場所(中間部分など)に形成することもできる。更に、当該フラットケーブルが長尺状でない場合であっても、コネクタ等との接続部分となる任意の場所に形成することができる。
また、当該フィルム基板に形成される複数本のフラット心線は、蒸着やスパッタリング、或いは金属メッキ等の金属材料の積層技術を利用して形成することもできるが、簡易な設備で製造する為には、印刷によって製造することが望ましい。即ち、導電性材料をスクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷などにより印刷することで形成することが望ましい。かかる導電性材料としては、銀、銀とカーボンとの混合物、金、銅、カーボン、アルミニウム、ニッケルなど、導電性のあらゆる金属を用いることができる。
前記クッションシートは、フィルム基板において、コネクタに接続したときに、当該コネクタのコンタクトピンに対向する面に設けられる。かかるクッションシートは、コンタクトピンの電気的な接続部分における防水性を確保する為に機能することができる。柔軟性又は弾性を有し、且つ防水性を具備するものを使用することができ、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、ユリア樹脂、シリコーン、ポリイミド、メラミン樹脂などを発泡化させた発泡樹脂、望ましくは独立気泡型の発泡樹脂や、アクリルゴム、ニトリルゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリイソブチレン(ブチルゴム)等の合成ゴムや天然ゴムを使用することができる。また、このクッションシートの厚さは、少なくともコネクタにより挟持される厚さで形成される必要があり、後述するように、コネクタがフラットケーブルの接続部分を抜き差し自在に受け入れる偏平な鞘状部を有する場合には、当該鞘状部における入口の高さと同じか、これよりも僅かに薄く形成される。
またフィルム基板上に設けられた複数本のフラット心線には、非導電材料からなる防水被覆が施される。かかる防水被覆は、レジスト材料を用いて形成することができ、特に限定されるものではないが、ノボラック型エポキシアクリレート化合物や、ビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレート化合物、あるいはこれらエポキシアクリレート化合物の酸変性物などの光硬化型樹脂組成物の他、熱硬化性樹脂組成物や熱可塑性樹脂組成物で形成することができる。また、この防水被覆は必ずしもフォトレジスト材料が使用される必要は無く、例えば塩化ビニールフィルム、PETフィルム等のように電気絶縁性を有し、且つ防水性を有する材料であれば使用することができる。
そして前記フラット心線の端部には端子が形成される。この端子はフラット心線と同じ材料で形成する他、他の導電性材料を用いて前記フラット心線と電気的に接続することもできる。更に、前記フラット心線と同じ材料で形成した上に、カーボンその他の導電性材料を積層させて形成することもできる。そして、この端子が形成された部分には、前記コネクタのコンタクトピンを接続させる為の孔として形成されたコンタクトホールが設けられる。このコンタクトホールは、前記防水被覆が設けられていない孔として形成する他、フィルム基板の一部を、フラット心線が形成されている表側に折り返し、この折り返した部分に形成した孔として形成することもできる。更に前記クッションシートが前記端子に重なるように設けられる場合には、当該クッションシートを貫通する孔として形成することもできる。
また、前記フラット心線の基端部に設けられる端子は、フラット心線と同じか異なる材料で形成することができ、少なくとも導電性を有する材料で形成され、且つフラット心線と電気的に接続されている。かかる端子は円形又は楕円形である他、四角形、その他の多角形形状に形成することができる。但し、当該端子を心線よりも幅広く、且つ所定の長さを有して形成することが望ましい。フィルム基板の折り返し可能な部分(端部又は突出部など)にコンタクトホールを形成して、これを折り返した場合であっても、コンタクトホールが、確実に端子内に存在するようにするためである。
以上のように構成されたフラットケーブルにおけるコネクタとの接続構造によれば、フラットケーブルの接続部分は、コネクタに挟持されるものであり、当該コネクタとの接続部分にはゴム又は発泡樹脂からなるクッションシートが設けられることになる。よって、当該接続部をコネクタに挟持した場合には、このクッションシートの弾性によりコネクタとフラットケーブルの接続部分との密着性は確保され、両者間の防水を果たすことができる。また、当該接続構造はコネクタに突設されているコンタクトピンをフラット心線の端部に設けられた端子に接続させる孔からなるコンタクトホールを備えている。このため、コンタクトピンは当該コンタクトホールを貫通することとなり、コネクタとフラットケーブルとの一体性を確実にすることができる。ここで、このコンタクトホールは、フィルム基板を折り返して、当該折り返した部分に形成する他、クッションシートを貫通するように形成することができる。特にクッションシートにコンタクトホールを形成した場合には、当該クッションシートの厚みにより、コネクタとフラットケーブルとの一体性をより確実にすることができる。
また、上記本発明においては、更に以下の形態とすることが望ましい。
即ち、上記本発明のフラットケーブルにおけるコネクタとの接続構造において、フラットケーブルは、前記フラット心線が存在する表面に向かってフィルム基板が折り返される折り返し部分を備えると共に、当該フィルム基板の折り返し部分の裏側には前記クッションシートが設けられており、前記コンタクトホールは、前記フラット心線に設けられた端子と正対する位置に、折り返したフィルム基板及びクッションシートを貫通する孔として形成することが望ましい。クッションシートにコンタクトホールを設けることにより、差し込まれたコンタクトピンとの間における十分な引っ掛かりを確保し、フラットケーブルとコネクタとの一体化を確実なものとすることができる。かかる折り返し部分はフィルム基板の端部である他、突出する部分として形成することができる。
また、クッションシートにもコンタクトホールを形成することにより、当該クッションシートの厚み分だけ、フラット心線に設けられた端子に到達する距離が長くなり、意図せず端子に接触する事態を阻止することができる。これにより、タッチプルーフ機構を実現し、医療用機械器具などにおける生体側のセンサー等の接続構造にも安心して使用することができる。
かかる接続構造を形成する際には、フラットケーブルに形成された折り返し部分の裏側にクッションシートを設け、フィルム基板及びクッションシートを貫通するコンタクトホールを形成してから折り返して、当該コンタクトホールが端子上に存在するようにする事ができる。
即ち、機器側ケーブルの心線と接続された複数本のコンタクトピンが突設されているコネクタに挟持されるフラットケーブルにおける接続構造の製造方法であって、表面に複数本のフラット心線を形成すると共に、フラット心線の基端側端部に端子が形成されたフィルム基板に設けられた折り返し部分の裏面にゴム又は発泡樹脂からなるクッションシートを設け、当該折り返し部分において、当該折り返し部分をフィルム基板の表面に折り返した時に前記端子が存在する部分に、フィルム基板及びクッションシートを貫通する孔からなるコンタクトホールを形成し、当該折り返し部分をフィルム基板の表面に折り返して接合するフラットケーブルにおけるコネクタとの接続構造の製造方法とすることができる。かかる方法によれば、あらかじめ定められている箇所にコンタクトホールを形成し、これを所定の場所で折り返すだけで、正確にコンタクトホールを端子に存在させることができる。この点、仮にクッションシートにコンタクトホールを形成し、これを端子上に張り合わせたとすれば、コンタクトホールと端子との位置合わせが難しくなり、作業性が低下する。
また本発明においては、前記クッションシートに設けられるコンタクトホールは、前記コンタクトピンと同じか又は当該コンタクトピンの外径よりも小さい内径で形成することができる。特にコンタクトホールがクッションシートに設けられる場合には、コンタクトピンでコンタクトホール周囲のクッションシートを押し潰し、クッションシートがコンタクトピンに密着することから、コンタクトピンと端子部の防水をより確実に行う事ができる。
よって、クッションシートを使用した簡易な構成により、防水性を確実なものとすることができ、その結果、製造コストや製品価格を抑え、ディスポーザブルな製品を実現することができる。特に医療用機械器具における生体電極の端子として使用する場合には、ディスポーザブルな製品を実現できる効果は大きい。何故ならば、従前においてはコネクタ側に防水用のクッション(Oリングなど)を取り付けて防水性を確保するのが一般的である所、これを繰り返し使用した場合には、クッションに使われる樹脂やゴムが経年劣化により硬くなって弾性が低下し、防水効果が得られないことも考えられる。この点、本発明ではケーブル側に安価な方法で防水対策を施し、ディスポーザブルな製品を実現していることから、常に初期の性能で防水性を確保することができ、信頼性を大幅に向上させることができる。
また本発明においては、前記フィルム基板には、幅方向で非対称の突起または凹みで形成された誤差込防止構造を形成することができる。端子はフラットケーブルにおけるフラット心線が存在する表側に存在し、この表側がコンタクトピンに対向するように接続しなければ、電気的な接続を行えないためである。即ちコネクタに対してフラットケーブルを差し込む向きを一義的に特定する為である。よって、かかる誤差込防止構造は、フラットケーブルに形成された接続部分に、幅方向に非対称な突起または凹みとして形成するか、或いは接続部分の厚さ方向に非対称な突起または凹みとして形成することができる。この場合コネクタ側には、非対称な突起または凹みを受容するための突起や凹みなどの構造が必要になる。
上記のように構成されたフラットケーブルにおけるコネクタとの接続構造は、電子機器その他の配線の接続構造として使用できる他、生体信号を取得する生体電極を計測機器本体のコネクタに接続するための接続構造として使用することができる。
また、前記コネクタとの接続構造は、フラットケーブルの長さ方向の何れかの端部、又は両端部に形成する他、フラットケーブルの長さ方向の任意の位置に形成することもできる。特にフラットケーブルの長さ方向の任意の位置に形成する際には、当該接続構造によって形成された接続部分を、フラットケーブルの幅方向に突出するようにして形成することができる。
よって本発明では、生体信号を計測するシステム等において、計測機器本体側のケーブル接続用コネクタに対して着脱自在に接続される接続構造を備えたフラットケーブルを用いて形成された生体電極であって、先端側には電極部が形成されると共に、電極部で取得した信号を伝えるフラット心線を備え、前記フラットケーブルが備える接続構造は、上記した本発明にかかるフラットケーブルにおけるコネクタとの接続構造である生体電極を提供する。
かかる生体電極は、人体に比較的長時間(1〜数日間)装着したままで使用することが多いため、汗や湿気等の影響を受けやすい。そして装着時には、汗や湿気等の液体がフラットケーブルを伝わってコネクタ側に移動することがあり、これがコネクタ内に侵入すると計測に支障を来たすおそれがある。そこで、本発明にかかる接続構造を使用した生体電極を使用することにより、確実に計測機器本体側のケーブル接続用コネクタとの接続部分を防水することができ、しかも簡易な構成であることから、製造コストを削減することができる。
そして本発明では、前記課題の少なくとも何れかを解決する為に、上記した本発明にかかるコネクタとの接続構造を具備するフラットケーブルを接続するためのコネクタを提供する。
即ち、上記した本発明の接続構造を備えたフラットケーブル、又は上記した生体電極を接続するコネクタであって、前記フラットケーブルの接続構造が形成された部分を抜き差し自在に受け入れる偏平な鞘状部を有するケーブル受入ピースと、機器側ケーブルの心線と接続された複数本のコンタクトピンが突設されているコネクタ本体とからなり、前記ケーブル受入ピースのコネクタ本体側の面には、コネクタ本体に突設されたコネクタピンを鞘状部内に退出自在とする開口部が形成されており、前記コネクタ本体の上に前記ケーブル受入ピースを重ねた状態において、前記コネクタピンの先端が前記鞘状部内に存在し、且つ前記フラットケーブルにおけるフラット心線の端部に設けられた端子に接続するように構成したコネクタを提供する。
かかるコネクタであれば、本発明にかかる接続構造を備えたフラットケーブルの接続構造が形成された接続部分を鞘状部内に差し込み、そしてコネクタ本体の上にケーブル受入ピースを重ねた状態を保つことにより、コネクタピンと端子を電気的に接続することができる。よって、簡易な操作によりフラットケーブルを接続でき、かつ確実に防水を保つことのできるコネクタが実現する。
また、本発明にかかるコネクタにおいて、前記鞘状部に挿入されるフラットケーブルに設けられたクッションシートには、前記コンタクトピンを、フラットケーブルにおけるフラット心線の端部に設けられた端子に接続させるコンタクトホールが設けられており、当該コンタクトピンの水平断面形状は、該クッションシートに設けられたコンタクトホールの開口形状よりも大きく形成することが望ましい。コネクタ本体の上にケーブル受入ピースを重ねて保持した状態において、コネクタピンがクッションシートに食い込み、両者間の防水性をより確実に保つことができるようにするためである。そして、このような防水性の確保の観点から、当該コネクタピンは、コンタクトホールの周囲に均等に食い込むことができるように、コネクタピンの水平断面形状と、コンタクトホールの開口形状とは相似形であることが望ましい。
また、本発明にかかるコネクタでは、前記ケーブル受入ピースにおける鞘状部内の上面には、前記コネクタ本体の上に前記ケーブル受入ピースを重ねた状態において、当該コネクタ本体に突設された複数本のコンタクトピンのそれぞれと正対する位置に凹部が形成されている事が望ましい。
前記ケーブル受入ピースの鞘状部に差し入れたフラットケーブルの端子に、前記コネクタピンが圧接し、フィルム基板が変形した場合であっても、当該変形を凹部で受容することで、他の部分におけるクッションシートとコネクタ本体との圧接状態を確保し、防水性を保つことができる。
そして本発明にかかるコネクタにおいては、前記ケーブル受入ピースは、前記コネクタ本体に向かって開閉自在にかつスプリングで開く方向に付勢されて枢着されており、当該ケーブル受入ピースを前記スプリングに抗して押さえて閉じた状態に保持するためのレバーが、当該コネクタ本体に枢着されているものとして形成することができる。
かかるレバーは倒すことによりケーブル受入ピースをコネクタ本体に向かって押し付ける突起を形成することができ、この場合、当該レバーを起こすことにより、突起によるケーブル受入ピースの押し付け状態は解放され、コネクタ本体から離れる(開く)ように構成することができる。よって、かかるレバーを形成することにより、レバー操作によりフラットケーブルを接続し、又は開放することのできるコネクタが実現する。
上記本発明によれば、フラットケーブルにおけるコネクタとの接続部分には、クッションシートを設けていることから、コネクタの端子との電気的な接続部分における防水を確実に行う事ができる。
また、このクッションシートにも、コネクタのコンタクトピンを、フラット心線の端部に設けられた端子に接続させるコンタクトホールを設けることにより、当該コンタクトピンはクッションシートにかみ合い、外力が作用しても、フラットケーブルがコネクタから抜け出ることの無いようにしたフラットケーブルにおけるコネクタとの接続構造を実現することができる。
そしてクッションシートにコンタクトホールを設けてからフィルム基板を折り返すように構成することにより、コンタクトホールと端子との間における位置合わせを容易に行う事ができ、防水性及び電気的な接続の確実性を確保したフラットケーブルにおけるコネクタとの接続構造であっても、製造時間を短縮することのできる製造方法を提供することができる。
本実施の形態にかかるフラットケーブルの接続部分の製造工程を示す略図である。 フィルム基板の基端部を折り返す前における構成を示す分解斜視図である。 本実施の形態にかかるコネクタの断面図であり、(A)はケーブル受入ピースが開いている状態、(B)はケーブル受入ピースが閉じた状態を示している。 図4に示した当該コネクタを構成するコネクタ本体を示す平面図である。 本実施の形態におけるコネクタにフラットケーブルの接続部分を接続した状態を示す断面図であり、(A)接続前、(B)接続時、(C)接続後を示している。 他の実施の形態の接続部分を示す(A)折り返し部を折り返す前の斜視図、(B)折り返し部を折り返して形成した斜視図である。 他の実施の形態におけるフラットケーブルの接続部分を示す、(A)折り返し部を折り返す前の平面図、(B)折り返し部を折り返した後の平面図、(C)コネクタと接続した状態の平面図であり、図6(C)は他の実施の形態にかかるコネクタの側面図である。
以下、本実施の形態に係るフラットケーブル10におけるコネクタ50との接続構造が形成されたフラットケーブル10の接続部分19と、この接続部分19を接続するコネクタ50を、図面を参照しながら説明する。
図1は本実施の形態にかかるフラットケーブル10の接続部分19の製造工程を示す略図であり、図2はフィルム基板14の基端部18を折り返す前における構成を示す分解斜視図である。
本実施の形態にかかるこのフラットケーブル10を構成するフィルム基板14は、柔軟な樹脂フィルム又はシートを用いて形成されており、特にポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリエチレンナフタレート(PEN)を使用して構成している。かかるフィルム基板14の表面上には、金属箔や導電塗料等による複数本のフラット心線13をプリント配線し、その端部にフラット心線13よりも幅広い径の円形で、各フラット心線13と電気的に接続している端子11を形成している(図1(A))。かかる端子11は、本実施の形態の場合、3本のフラット心線13を接続部近傍で各2本に枝分けしていることから、基端部18側では合計6本のフラット心線13が存在し、それぞれの端部に端子11が設けられることから、合計6個の端子11が存在する。この6個の端子11は、全てが同一線上に配列されているのではなく、左右に隣接するもの同士において、フラット心線13の長さ方向に交互に食い違った千鳥状配置になっている。かかる端子11はフラット心線13のプリント配線時に同時に形成することができる。なお、このフラット心線の数は、6本に限らず任意の本数で形成することができる。但し、コンタクトピンとの電気的な接続を確実にするためには、1つのフラット心線が2つ以上の端子に接続することが望ましい。よって、フラット心線の数をnとした場合に、前記端子11は、nの整数倍の個数に形成されることが望ましい。
そして端子11及びフラット心線13をプリント配線した上には、先端所要長さ部分、つまり少なくとも端子11部分が露出するようにして、それよりも先端側に薄い防水被覆12を施している(図1(A))。かかる防水被膜は、本実施の形態ではレジスト材料を用いて形成している。これによりフラット心線13は、少なくとも端子11は防水被覆12で覆われることなく露呈しており、それよりも先端側は防水被覆12に覆われ、当該フラット心線13の防水を果たしている。そして防水被覆12で覆われていない端子部分は、カーボンなどの導電性材料で覆っており、コンタクトピンとフラット心線との電気的な接続は、この導電性材料を介して行っている。
また、かかるフィルム基板14の基端部18側には、フラット心線13がプリント配線されている表面側に折り返される折り返し部20が形成されている。この折り返し部20の基端部18は、折り返した時に防水被覆12が施されている領域内に存在するように形成し、そして折り返し部20をフィルム基板14に接着することにより、当該フラット心線13の防水性を確保することができる。
また、この折り返し部20におけるフィルム基板14の裏面には、独立気泡型のポリオレフィン発泡体を用いて形成した、厚さ約0.1〜5mmのクッションシート15を貼付している。このクッションシート15は、当該折り返し部20を折り返し線から折り返した時に、フラット心線13がプリント配線されている側の面に存在することができる。
そして折り返し部20には、折り返した時にフィルム基板14にプリントされた各端子11と正対する位置に、それぞれ貫通孔からなるコンタクトホール16が形成される(図1(B))。このコンタクトホール16の形成に際しては、予めフィルム基板14及びクッションシート15にコンタクトホール16を形成してから貼り合わせることもできるが、その場合には、コンタクトホール16同士の位置合わせが困難になる。そこで本実施の形態では、フィルム基板14の裏面にクッションシート15を貼り合わせ、両者を貫通するように穿孔することにより形成している。特に本実施の形態では前記端子11の数に合わせて合計6個のコンタクトホール16が形成されている。このコンタクトホール16は、本実施の形態では円形に開口するものとして形成されており、その内径は後述するコネクタ50に突設されたコネクタ50ピンの外径よりも小さくなるように形成されている。
また、図1(B)に一点鎖線で示している折り返し線上にはフラットケーブル10の長さ方向に対称な2つの矩形の切り抜き部17が形成されている。この2つの切り抜き部17は当該フラットケーブル10の幅方向に非対称となる位置に形成されている。そして、この切り抜き部17は、前記折り返し部20を折り返した時に、その基端部18側に切り欠き状の凹みを出現させ(図1(C)参照)、この凹みが後述するコネクタ50に形成された突起70との組み合わせにおいて、誤差込防止構造17aとなる。なお、この誤差込防止構造17a(切り欠き部)は、コンタクトホール16の穿孔時に同時に穿孔することもできる。
図2は、以上のようにコンタクトホール16及び誤差込防止構造17a(切り欠き部)を形成した状態の分解図である。この図に示す様に、フィルム基板14の表面には、フラット心線13、及び防水被覆12が積層しており、当該フィルム基板14の裏面であって、折り返し部20には、クッションシート15が貼付されている。そしてこの折り返し部20の所定の位置には、当該フィルム基板14及びクッションシート15を貫通するコンタクトホール16が形成されている。
そしてコンタクトホール16を形成した後においては、当該折り返し部20をフィルム基板14の表側に折り返し、接着剤や粘着剤などにより貼り合わせる(図1(C))。この折り返し位置(図1(B)に示した一点鎖線)は、前記コンタクトホール16がフィルム基板14にプリント印刷した端子11と正対する位置であり、少なくとも折り返した先端部(基端部18)が、前記防水被覆12の上に存在するように調整する。このように、折り返すことにより、端子11とコンタクトホール16との位置合わせの手間を大幅に削減することができ、よって生産効率を向上させることができる。但し、端子11とコンタクトホール16との位置決めを確保し得る限りにおいて、当該折り返し部20や折り返しの行程を無くして、コンタクトホール16を形成したクッションシート15を、直接フィルム基板14の表面に貼り合わせることも可能である。
また、フィルム基板14の側縁には、図示しないがフィルム基板14の幅方向に突起する張出部分を形成することもできる。かかる張出部分は、フラットケーブル10の接続部分19をコネクタ50に挿入する際に、挿入範囲を規定して差し込みすぎを阻止するものとして形成することができる。
以上のように形成したフラットケーブル10において、図に示した側とは反対側に存在する先端部には、図示しない電極等のセンサを形成することができる。かかる電極センサは、当該フラットケーブル10が接続されるコネクタ50が心電図測定などの生体信号を取得する機器である場合には、当該生体信号を取得するための電極乃至はセンサを形成することができる。その他にも、このフラットケーブル10を電気導線や信号線として使用する場合には、図に示した側とは反対側にも、上記したような接続部分19を形成し、当該フラットケーブル10の両端がコネクタ50に接続するように形成することもできる。
次に、このようなフラットケーブル10の受け側となる本実施の形態にかかるコネクタ50について説明する。
図3は、本実施の形態にかかるコネクタ50の断面図であり、(A)はケーブル受入ピース52が開いている状態を、(B)はケーブル受入ピース52が閉じた状態を示しており、図4は当該コネクタ50を構成するコネクタ本体51を示す平面図であり、図5は本実施の形態におけるコネクタ50にフラットケーブル10の接続部分19を接続した状態を示す断面図であり、(A)接続前、(B)接続時、(C)接続後をそれぞれ示している。
先ず、この実施の形態に示すコネクタ50は、図3に示すように、樹脂成形されたコネクタ本体51の内部にプリント基板54を埋設し、このプリント基板54上で各種機器側ケーブル55の心線を接続して、コネクタ本体51の後端面中央からこの各種機器側ケーブル55を引き出すことにより、心電計等の生体計測機器その他の各種機器側ケーブル55の先端に固定した形態になっている。機器側ケーブル55の反対側の端部には、生体計測機器本体等の機器本体に着脱自在に接続するための図示しない本器接続用プラグを接続してもよい。
コネクタ本体51上には、フラットケーブル10の6個の端子11に対応して、断面円形の6個のコンタクトピン56が垂直に突設されている。各コンタクトピン56は、その径細な下端部56aをプリント基板54に植設してプリント基板54上で各種機器側ケーブル55の心線57とそれぞれ接続されているとともに、コネクタ本体51に設けられたピン貫通孔58をそれぞれ貫通してコネクタ本体51の上面59より突出している。
コンタクトピン56は、前記端子の数と同数形成されており、本実施の形態では6個のコンタクトピン56が突設されている。この6個のコンタクトピン56は、全てが同一線上に一列に配列しているのではなく、図4に示すように6個の端子11の配置に合わせて、左右に隣接するもの同士において交互に前後に食い違う配置になっている。なお、このコンタクトピンの数は、前記端子の数に対応して形成されていればよく、多ピン構造で形成されていることが望ましい。
また各コンタクトピン56の上端面は、図5に示す様に球面形状に形成されており、その上端側の径を狭めている。かかるコンタクトピン56の上端面の径は、前記コンタクトホール16の内径よりも小さくすることにより、当該上端面を確実に端子11に到達させることができる。
そして図5に示す様に、コネクタ本体51の上面であって、コンタクトピン56の近傍は、その他の上面よりも僅かに隆起させて隆起部60が形成されている。これはコネクタ50ピン近傍において前記クッションシート15をより強く押圧し、密着性を高める為であり、即ち防水性を高める為である。
かかるコネクタは、例えばフタミ・エム・イー工業株式会社が開発・生産するコネクタや、当該コネクタの構造を利用したものなどを使用することができる。
ふたたび図3を参照し、上記コネクタ本体51上には、ケーブル受入ピース52が、その基端(後端)の軸ピン53をコネクタ本体51の後端部に上下回動自在に枢支することにより、コネクタ本体51に向かって開閉するように枢着されている。
ケーブル受入ピース52は、その遊端面(前端面)に、前記フラットケーブル10の接続部分19を受け入れる鞘状部61の開口(ケーブル受け口62)が存在しており、フラットケーブル10の接続部分19は、このケーブル受け口62から差し入れることにより、鞘状部61の内部に到達する。この鞘状部61は、正面の入り口側は四方が囲まれているものの、その内側であって、前記コンタクトピン56が突設されている領域では、下面を解放することによって形成された開口部として形成されている。したがって、この鞘状部内には、当該下面の開口部を通って、コンタクトピン56が侵入することができる。そしてこの開口部が形成されている領域においては、ケーブル受入ピース52を閉じた状態において、コネクタ本体51の上面が当該鞘状部61の底面を規定することになる。
このケーブル受入ピース52におけるケーブル受け口62側の下面には、幅方向に長く上方に向かって突出するクッションシート15の圧接部63が設けられている。よって、ケーブル受け口62から挿入されたフラットケーブル10の接続部分19に設けられたクッションシート15は、この圧接部63により挟まれ、ケーブル受け口62からの防水を果たすことができる。
また、ケーブル受入ピース52における鞘状部61であって、コンタクトピン56と対向する位置には、当該コンタクトピン56に押圧されたフラットケーブル10の変形を受容する上端受入穴64が設けられている。かかる上端受入穴64が存在することにより、コネクタ50のコンタクトピン56でフラットケーブル10の接続部分19を抑えた際、当該接続部分19が上方に向かって変形した場合であっても、当該接続部分19の厚さ分は、当該上端受入穴64に入り込むことができる。よってクッションシート15とコネクタ本体51上面との圧接状態を確保し、防水性を保つことができる。
そしてケーブル受入ピース52の基端部18の下面とコネクタ本体51の上面とには、互いに対向する円形のバネ受け凹部65・66が形成され、これらに上下を収容されるコイル状スプリング71によって、ケーブル受入ピース52は上方、つまりコネクタ本体51に対して開く方向に付勢されている。
そしてコネクタ本体51の側方の前方寄りには、上方に立ち上がってレバー67の枢軸を軸支する支持部68が形成されている。この支持部68に軸支されるレバー67は、倒れた状態(ケーブル受入ピース52に沿った状態)において、ケーブル受入ピース52を下向きに付勢する突起69を備えており(図3(A))、当該レバー67を起こすことにより、この突起69が回転して、ケーブル受入ピース52に対する下向きの付勢を解除し、これによりケーブル受入ピース52はコイル状スプリングによって、開くことになる(図3(B))。
ケーブル受入ピース52が開いた状態(図3(A))においては、前記鞘状部61内に、コンタクトピン56は存在しないことから、前記差し入れたフラットケーブル10の接続部分19は、当該鞘状部61の終端まで到達することができる。一方、このケーブル受入ピース52を閉じた状態(図3(B))においては、図5に示す様に、前記クッションシート15に形成されたコンタクトホール16内にコンタクトピン56が入り込む。この時当該コンタクトピン56の上端部以外は、その外径がコンタクトホール16の開口径以上の大きさに形成されていることから、コンタクトピン56の侵入に伴い、コンタクトホール16の近傍のクッションシート15は押圧且つ変形され、クッションシート15とコンタクトピン56との密着性が確保される。よってコンタクトホール16とコンタクトピン56との間における防水効果を高めることができる。そして、上記の通りコンタクトピン56は、その侵入に伴いコンタクトホール16を変形させることから、当該コンタクトピン56を引き抜いた状態では、当該コンタクトホール16の近傍に存在するクッションシート15は図5(C)に示す様に変形されることになる。
よって、この実施の形態にかかるフラットケーブル10の接続部分19に形成された接続構造と、コネクタ50によれば、簡易な構成でありながらも、コンタクトピン56と端子11との接続部分19における防水を確実なものとし、更に簡易な操作でフラットケーブル10をコネクタ50に接続することができる。
図6は、上記図1及び2に示したフラットケーブル10に関して、他の実施の形態を示す(A)折り返し部を折り返す前の接続部分を示す斜視図、(B)折り返し部を折り返して形成した接続部分を示す斜視図である。
本実施の形態にかかるフラットケーブル10の接続部分は、図6(A)に示す様に、フィルム基板14の幅方向外側に向かって突出する折り返し部分80を形成し、これを図6(B)に示す様に、端子16に重なるようにして折り返すことで、接続部分19を形成している。この実施の形態に示す接続部分19も、折り返し部分80における裏面(フィルム基板14においてフラット心線13が存在する面の裏側)には、発泡体を用いて形成されたクッションシート15が貼付されており、フィルム基板14における折り返し部分と当該クッションシート15を貫通するように、コンタクトホール16が穿孔されている。またコンタクトホール16の形成箇所も、当該折り返し部分80を折り返した時に、基材に設けられた端子に重なる位置に調整されている。
以上の様にフラットケーブル10の接続部分を形成した場合であっても、クッションシートを用いていることにより、端子はコンタクトホールの奥に存在し、タッチプルーフ構造を実現できると共に、コンタクトピンと端子11との接続部分19における防水を確実なものとすることができる。
図7は更に他の実施の形態にかかるフラットケーブル10と、当該フラットケーブルに形成された接続部分19と、この接続部分に接続するコネクタとを示している。特にこの実施の形態では、図7(A)に示す様に、長尺状に形成されたフラットケーブル10の両端部に、生体信号を取得する電極75が設けられており、各電極75には、印刷によって形成されたフラット心線13が接続している。そしてこのフラット心線13は、フィルム基板14の略中央部分に形成された端子11につながっている。即ち、この実施の形態ではフィルム基板14の中間部分にフラット心線の基端(端子11)が存在しており、接続部分19は、当該フィルム基板14の端部以外に形成されている態様を示している。
この端子11が形成されている接続部分19には、フィルム基板14の幅方向に突出している折り返し部80を形成しており、当該折り返し部を、図面中に鎖線で示した線(フィルム基板14の縁に沿う線)で折り返すことにより、折り返し部に形成されたコンタクトホール16は、端子11に重なって、当該端子を露出させることができる(図7(B))。この接続部分は、前記の通りコネクタに挿入され、コネクタのコンタクトピン56がコンタクトホールを通って端子11と電気的に接続することになる(図7(C))。
特に、本実施の形態にかかる接続部分19は、フィルム基板の中間部分に形成されていることから、当該接続部分につながるコネクタは、当該フィルム基板を厚さ方向に挟み込むように形成されるべきである。この為、この実施の形態にかかるコネクタでは、図7(D)に示す様に、コンタクトピン56が突設されたコネクタ本体81と当該コネクタ本体81に軸支された蓋部材82とで接続部分19を挟むように構成することが望ましい。かかる蓋部材83の基端側はコネクタ本体81に軸支されており、それよりも先端側には、当該蓋部材82を開閉させるためのレバー83をコネクタ本体81に対して軸支する支持部68を形成している。かかるコネクタにおいて、蓋部材82はバネなどの弾性部材によって開く向きに付勢されており、レバー83を回動することにより、その下端に設けられた突起で、蓋部材を閉じる方向に押圧し、これにより接続部分19を挟むことができる。
なお、このように形成されたコネクタにおいても、当該フラットケーブルに形成された接続部分19にはクッションシートが設けられており、コネクタと接続部分との連結に際して、コンタクトピン56はクッションシートに設けられたコンタクトホールの周りを押圧且つ変形させて密着性を確保することから、当該コンタクトピンと端子とにおける電気的な接続部分の防水性を確保することができる。
この実施の形態が示す様に、本発明にかかる端子構造は、必ずしも長尺に形成されたフラットケーブルの端部に形成する必要はなく、長さ方向の任意の場所に形成することができる。

なお、上記の実施の形態では、特に医療用の生体電極に使用されたフラットケーブル10の接続構造について説明してきたが、その他の電子機器や、機械器具における配線の接続構造、及びコネクタ50としても使用可能である。
上記本発明は、電気信号等を送信するケーブルを使用するあらゆる分野において利用することができ、当該ケーブルとコネクタの接続構造として幅広く利用することができる。
10 フラットケーブル
11 端子
12 防水被覆
13 フラット心線
14 フィルム基板
15 クッションシート
16 コンタクトホール
17a 誤差込防止構造
18 基端部
19 接続部分
50 コネクタ
51 コネクタ本体
52 ケーブル受入ピース
54 プリント基板
55 各種機器側ケーブル
56 コンタクトピン
60 隆起部
61 鞘状部
63 圧接部
67 レバー
68 支持部

Claims (10)

  1. 機器側ケーブルの心線と接続された複数本のコンタクトピンが突設されているコネクタに挟持されるフラットケーブルの接続構造であって、
    当該接続構造は、フィルム基板上に複数本のフラット心線を形成したフラットケーブルに設けられ、
    前記フラットケーブルは、前記フラット心線が存在する表面に向かってフィルム基板が折り返される折り返し部分を備えており、
    前記コンタクトピンに対向する面にゴム又は発泡樹脂からなるクッションシートが設けられると共に、当該クッションシートが設けられた面には、前記コンタクトピンを、前記フラット心線の端部に設けられた端子に接続させる孔からなるコンタクトホールが設けられており、
    当該コンタクトホールは、前記フラット心線に設けられた端子と正対する位置に、折り返したフィルム基板及びクッションシートを貫通する孔として形成されていることを特徴とする、フラットケーブルにおけるコネクタとの接続構造。
  2. 前記クッションシートは、前記フィルム基板の折り返し部分の裏側に設けられており、
    前記折り返し部分は、フィルム基板の表面に折り返して接合されている、請求項1に記載のフラットケーブルにおけるコネクタとの接続構造。
  3. 前記クッションシートに設けられるコンタクトホールは、前記コンタクトピンと同じか又は当該コンタクトピンの外径よりも小さい内径で形成されている、請求項1又は2に記載のフラットケーブルにおけるコネクタとの接続構造。
  4. 前記フィルム基板には、幅方向で非対称の突起または凹みで形成された誤差込防止構造が形成されている、請求項1〜3の何れか一項に記載のフラットケーブルにおけるコネクタとの接続構造。
  5. 機器側ケーブルの心線と接続された複数本のコンタクトピンが突設されているコネクタに挟持されるフラットケーブルにおける接続構造の製造方法であって、
    表面に複数本のフラット心線を形成すると共に、フラット心線の基端側端部に端子が形成されたフィルム基板に設けられた折り返し部分の裏面にゴム又は発泡樹脂からなるクッションシートを設け、
    当該折り返し部分において、当該折り返し部分をフィルム基板の表面に折り返した時に前記端子が存在する部分に、フィルム基板及びクッションシートを貫通する孔からなるコンタクトホールを形成し、
    当該折り返し部分をフィルム基板の表面に折り返して接合することを特徴とするフラットケーブルにおけるコネクタとの接続構造の製造方法。
  6. 生体信号を計測するシステム等において、計測機器本体側のケーブル接続用コネクタに対して着脱自在に接続される接続構造を備えたフラットケーブルを用いて形成された生体電極であって、
    先端側には電極部が形成されると共に、電極部で取得した信号を伝えるフラット心線を備え、
    前記フラットケーブルが備える接続構造は、請求項1〜4の何れか一項に記載のフラットケーブルにおけるコネクタとの接続構造であることを特徴とする生体電極。
  7. 請求項1〜4の何れか一項に記載の接続構造を備えたフラットケーブル、又は請求項6に記載の生体電極を接続するコネクタであって、
    前記フラットケーブルの接続構造が形成された部分を抜き差し自在に受け入れる偏平な鞘状部を有するケーブル受入ピースと、機器側ケーブルの心線と接続された複数本のコンタクトピンが突設されているコネクタ本体とからなり、 前記ケーブル受入ピースのコネクタ本体側の面には、コネクタ本体に突設されたコネクタピンを鞘状部内に退出自在とする開口部が形成されており、
    前記コネクタ本体の上に前記ケーブル受入ピースを重ねた状態において、前記コネクタピンの先端が前記鞘状部内に存在し、且つ前記フラットケーブルにおけるフラット心線の端部に設けられた端子に接続し、
    前記鞘状部に挿入されるフラットケーブルに設けられたクッションシートには、前記コンタクトピンを、フラットケーブルにおけるフラット心線の端部に設けられた端子に接続させるコンタクトホールが設けられており、
    当該コンタクトピンの水平断面形状は、該クッションシートに設けられたコンタクトホールの開口形状よりも大きく形成されていることを特徴とする、コネクタ。
  8. 前記コネクタ本体の上面であって、前記コンタクトピンの近傍には、僅かに隆起させた隆起部を形成し、当該コネクタピン近傍において、前記クッションシートを、より強く押圧して密着性を高めており、
    前記コンタクトピンの上端面は、前記コンタクトホールの内径よりも小さく形成している、請求項7に記載のコネクタ。
  9. 前記ケーブル受入ピースにおける鞘状部内の上面には、前記コネクタ本体の上に前記ケーブル受入ピースを重ねた状態において、当該コネクタ本体に突設された複数本のコンタクトピンのそれぞれと正対する位置に凹部が形成されている、請求項7又は8に記載のコネクタ。
  10. 前記ケーブル受入ピースは、前記コネクタ本体に向かって開閉自在にかつスプリングで開く方向に付勢されて枢着されており、
    当該ケーブル受入ピースを前記スプリングに抗して押さえて閉じた状態に保持するためのレバーが、当該コネクタ本体に枢着されている、請求項7〜9の何れか一項に記載のコネクタ。
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