本明細書中で用いる用語“含む(comprise(s)およびcomprising)”は、特許請求の範囲の移行句(transitional phrase)または本文のいずれであっても、無制限(open-ended
)であるという意味をもつと解釈すべきである。すなわち、これらの用語は“少なくとも・・・をもつ(having at least)”または“少なくとも・・・を含む(including at least)”という句と同義に解釈すべきである。方法の文脈で用いる場合、用語“含む(comprising)”は、その方法が少なくとも列記した工程を含むけれども追加工程も含む可能性があることを意味する。化合物または組成物の文脈で用いる場合、用語“含む(comprising)”は、その化合物または組成物が少なくとも列記した特徴または成分を含むけれども追加の特徴または成分も含む可能性があることを意味する。
別に具体的に指示しない限り、本明細書中で用いる語“または(or)”は、“および/または(and/or)”という“包括(inclusive)”の意味で用いられ、“二者択一(either/or)”という“除外(exclusive)”の意味ではない。
用語“独立して”は、本明細書中で、ある可変基は、それと同じ定義または異なる定義をもつ可変基が同じ化合物内に存在するか存在しないかに関係なくいずれの場合も適用されることを示すために用いられる。したがって、R”が2回出現し、“独立して炭素または窒素である”と定義された化合物においては、両方のR”が炭素であってもよく、両方のR”が窒素であってもよく、あるいは一方のR”が炭素であり、他方が窒素であってもよい。
いずれかの可変基が本発明において用いる化合物または特許請求する化合物を描写および記載するいずれかの部分または式中に2回以上現われる場合、それぞれの場合のそれの定義は他のそれぞれの場合のそれの定義とは独立している。また、置換基および/または可変基の組合わせは、そのような化合物が安定な化合物になる場合にのみ許容される。
本明細書中で用いる用語“任意選択的な(optional)”または“任意選択的に(optionally)”は、その後に記載する事象または状況が起きてもよいがその必要はないこと、またその記載はその事象または状況が起きる場合と起きない場合を含むことを意味する。たとえば、“任意選択的に置換された”は、その任意選択的に置換された部分が水素原子または置換基を含む可能性があることを意味する。
用語“約(about)”は、本明細書中でおおよそ(approximately)、付近(in the region of)、おおまかに(roughly)、またはほぼ(around)を意味するために用いられる。用語“約(about)”を数値範囲と併せて用いる場合、それは境界をその明記した数値の上方および下方へ拡張することによりその範囲を改変する。一般に、用語“約(about)”は、本明細書中で、記載した数値の上方および下方へ20%の分散によって改変するために用いられる。
ある化合物は互変異性を示す可能性がある。互変異性化合物は2以上の相互転換可能な種として存在することができる。プロトトロピック互変異性体は、共有結合した水素原子が2原子間で移動することから生じる。互変異性体は一般に平衡状態で存在し、個々の互変異性体を単離する試みによって通常は混合物が生成され、それの化学的および物理的特性は化合物の混合物と一致する。平衡の位置はその分子内の化学的特徴に依存する。たとえば、多くの脂肪族アルデヒド類およびケトン類、たとえばアセトアルデヒドにおいてはケト形が優勢である;一方、フェノール類においてはエノール形が優勢である。一般的なプロトトロピック互変異性体には、ケト/エノール(−C(=O)−CH− ⇔ −C(−OH)=CH−)、アミド/イミド酸(−C(=O)−NH− ⇔ −C(−OH)=N−)、およびアミジン(−C(=NR)−NH− ⇔ −C(−NHR)=N−)互変異性体が含まれる。後の2つは特にヘテロアリールおよび複素環に一般的であり、本発明はそれらの化合物のすべての互変異性形態を包含する。
本明細書中で用いる技術用語および科学用語は、別に定義しない限り、本発明が属する技術分野の専門家が一般的に理解している意味をもつ。本明細書中では、当業者に知られている種々の方法および材料に言及する。薬理学の一般原理について述べた標準的な参考文献には、Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, 10th Ed., McGraw Hill Companies Inc., New York (2001)が含まれる。本発明を実施する際には、当業者に知られている適切な材料および/または方法をいずれも利用できる。しかし、好ましい材料および方法を記載する。以下の記載および実施例中で言及する材料、試薬などは、別に明記しない限り業者から入手できる。
本明細書中に記載する定義を付け加えて化学的に関連する組合わせ、たとえば“ヘテロアルキルアリール”、“ハロアルキルヘテロアリール”、“アリールアルキルヘテロサイクリル”、“アルキルカルボニル”、“アルコキシアルキル”などを形成することができる。“フェニルアルキル”または“ヒドロキシアルキル”のように用語“アルキル”を他の用語に続く接尾辞として用いる場合、これは前記に定義したアルキル基が他の具体的に名称を挙げた基から選択される1または2つの置換基で置換されていることを表わすものとする。したがって、たとえば“フェニルアルキル”は1または2つのフェニル置換基をもつアルキル基を表わし、したがってベンジル、フェニルエチルおよびビフェニルを含む。“アルキルアミノアルキル”は、1または2つのアルキルアミノ置換基をもつアルキル基を表わす。“ヒドロキシアルキル”には、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−(ヒドロキシメチル)、3−ヒドロキシプロピルなどが含まれる。したがって、本明細書中で用いる用語“ヒドロキシアルキル”は、後記に定義するヘテロアルキル基のサブセットを定義するために用いられる。用語(アル)アルキルは、非置換アルキル基またはアラルキル基のいずれかを表わす。用語(ヘテロ)アリールまたは(ヘト)アリール((het)aryl)は、アリール基またヘテロアリールのいずれかを表わす。
本明細書中で用いる用語“アルキル”は、1〜10個の炭素原子を含む非分枝鎖または分枝鎖の飽和一価炭化水素残基を表わす。用語“低級アルキル”は、1〜6個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖炭化水素残基を表わす。本明細書中で用いる“C1−10アルキル”は、1〜10個の炭素から構成されるアルキルを表わす。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチルまたはペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、およびオクチルを含む低級アルキル基が含まれるが、これらに限定されない。
フェニルアルキル”または“ヒドロキシアルキル”のように用語“アルキル”を他の用語に続く接尾辞として用いる場合、これは前記に定義したアルキル基が他の具体的に名称を挙げた基から選択される1または2つの置換基で置換されたものを表わすものとする。したがって、たとえば“フェニルアルキル”はR’R”−の基を表わし、ここでR’はフェニル基であり、R”は本明細書中で定義するアルキレン基であり、このフェニルアルキル部分の結合点はアルキレン基にあると解釈される。アリールアルキル基の例にはベンジル、フェニルエチル、3−フェニルプロピルが含まれるが、これらに限定されない。用語“アリールアルキル”または“アラルキル”は、R’がアリール基である以外は同様に解釈される。用語“(ヘト)アリールアルキル”または“(ヘト)アラルキル”は、R’が任意選択的にアリール基またはヘテロアリール基である以外は同様に解釈される。
用語“ハロアルキル”または“ハロ低級アルキル”または“低級ハロアルキル”は、1〜6個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖炭化水素残基において、1個以上の炭素原子が1個以上のハロゲン原子で置換されたものを表わす。
本明細書中で用いる用語“アルコキシ”は、−O−アルキル基(アルキルは前記に定義したものである)、たとえばメトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、n−ブチルオキシ、i−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシを意味し、それらの異性体を含む。本明細書中で用いる“低級アルコキシ”は、前記に定義した“低級アルキル”基を含むアルコキシ基を表わす。本明細書中で用いる“C1−10アルコキシ”は、アルキルがC1−10である−O−アルキルを表わす。
用語“ハロアルコキシ”または“ハロ低級アルコキシ”または“低級ハロアルコキシ”は、低級アルコキシ基において1個以上の炭素原子が1個以上のハロゲン原子で置換されたものを表わす。
本明細書中で用いる用語“ヒドロキシアルキル”は、本明細書中で定義するアルキル基において異なる炭素原子上の1〜3個の水素原子がヒドロキシル基で置換されたものを意味する。
用語“シクロアルキル”は、環炭素原子3〜10個の一価飽和単環式または二環式炭化水素基を意味する。特定の態様において、シクロアルキルは環炭素原子3〜8個の一価飽和単環式炭化水素基を意味する。二環式とは、1個以上の共通の炭素原子を有する2つの飽和炭素環からなることを意味する。特定のシクロアルキル基は単環式である。単環式シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブタニル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルである。二環式シクロアルキルの例は、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、またはビシクロ[2.2.2]オクタニルである。
本明細書中で用いる用語“アミノ”は、式−NR’R”の基を意味し、ここでR’およびR”は独立して水素、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールである。あるいは、R’とR”は、それらが結合している窒素原子と一緒にヘテロシクロアルキルを形成することができる。用語“第一級アミノ”は、R’およびR”の両方が水素である基を意味する。用語“第二級アミノ”は、R’が水素であり、R”が水素ではない基を意味する。用語“第三級アミノ”は、R’およびR”の両方が水素ではない基を意味する。特定の第二級および第三級アミンは、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、フェニルアミン、ベンジルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミンおよびジイソプロピルアミンである。
本明細書中で用いる用語“アミド”は、式−C(=O)NR’R”または−NR’C(=O)R”の基を意味し、ここでR’およびR”は独立して水素、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールである。
用語“ヘテロアリール”は、環原子5〜12個の一価芳香族複素環式単環系または二環系であって、N、OおよびSから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み、残りの環原子は炭素であるものを意味する。ヘテロアリール部分の例には、ピロリル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、トリアジニル、アゼピニル、ジアゼピニル、イソオキサゾリル、ベンゾフラニル、イソチアゾリル、ベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、イソベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、またはキノキサリニルが含まれる。
用語“ヘテロシクロアルキル”は、環原子3〜9個の一価飽和または部分不飽和単環系または二環系であって、N、OおよびSから選択される1、2または3個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子は炭素であるものを意味する。特定の態様において、ヘテロシクロアルキルは、環原子4〜7個の一価飽和単環系であって、N、OおよびSから選択される1、2または3個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子は炭素であるものである。単環式飽和ヘテロシクロアルキルの例は、アジリジニル、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロ−チエニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−イル、アゼパニル、ジアゼパニル、ホモピペラジニル、またはオキサゼパニルである。二環式飽和ヘテロシクロアルキルの例は、8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクチル、キヌクリジニル、8−オキサ−3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクチル、9−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノニル、3−オキサ−9−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノニル、または3−チア−9−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノニルである。部分不飽和ヘテロシクロアルキルの例は、ジヒドロフリル、イミダゾリニル、ジヒドロ−オキサゾリル、テトラヒドロ−ピリジニル、またはジヒドロピラニルである。
本出願は、さらに、免疫系調節薬もしくはHCVの複製を阻害する抗ウイルス薬またはその組合わせを投与することを含み、その際、抗ウイルス薬が、HCVプロテアーゼ阻害薬、HCVポリメラーゼ阻害薬、HCVヘリカーゼ阻害薬、HCV NS5A阻害薬、またはそのいずれかの組合わせからなる群から選択される、前記のいずれかの方法を提供する。
一般に本出願で用いた命名法はAUTONOMTM v.4.0、IUPAC系統的命名法の作製のためのBeilstein Instituteコンピューター化システムに基づく。描写した構造とその構造に与えられた名称との間に不一致があれば、描写した構造の方を重視すべきである。さらに、構造または構造の一部の立体化学性がたとえば太線または点線で指示されていない場合、その構造または構造の一部はそれのすべての立体異性体を包含すると解釈すべきである。
本発明の化合物(複数でもよい)および医薬として使用できるそれらの塩類は、1種類以上の一般的な賦形剤、キャリヤーまたは希釈剤と一緒に、医薬組成物および単位剤形の形態にすることができる。医薬組成物および単位剤形は、一般的な割合の一般的な成分から構成でき、追加の有効な化合物または成分を含んでも含まなくてもよく、単位剤形は使用する予定の日用量範囲と調和するいずれかの適切な有効量の有効成分を含有することができる。医薬組成物は、経口用の固体、たとえば錠剤もしくは充填カプセル剤、半固体、粉末、持続放出配合物、または液体、たとえば液剤、懸濁液剤、乳剤、エリキシル剤、もしくは充填カプセル剤として;あるいは直腸または膣投与用の坐剤の形態で;あるいは非経口用の無菌注射液の形態で使用できる。一般的な製剤は約5%から約95%(w/w)までの有効な化合物(複数でもよい)を含有するであろう。用語“製剤”または“剤形”には、有効な化合物の固体および液体の両方の配合物が含まれるものとし、標的とする臓器または組織に応じて、また希望する用量および薬物動態パラメーターに応じて、有効成分が種々の製剤中に存在できることを当業者は十分に理解するであろう。
本明細書中で用いる用語“賦形剤”は、医薬組成物の調製に有用な、一般に安全で無毒性でありかつ生物学的にも他の点でも不都合でない化合物を表わし、動物用およびヒトの医薬用として許容できる賦形剤を含む。本発明の化合物は単独で投与できるが、一般に意図する投与経路および標準的な医薬実務を考慮して選択される1種類以上の適切な医薬用の賦形剤、希釈剤またはキャリヤーと混合して投与されるであろう。
“医薬的に許容できる”は、それが一般に安全で無毒性でありかつ生物学的にも他の形でも不都合でない医薬組成物の調製に有用であることを意味し、それが動物およびヒトの医薬用として許容できることを含む。
“医薬的に許容できる塩”の形態の有効成分は、まず塩でない形態に無かった望ましい薬物動態特性をも有効成分に付与することができ、体内での有効成分の治療活性に関して有効成分の薬力学に良い影響を及ぼすことすらできる。化合物の“医薬的に許容できる塩”という句は、医薬的に許容できかつ目的とする親化合物の薬理活性を保有する塩を意味する。そのような塩類には下記のものが含まれる:(1)酸付加塩、たとえば下記の無機酸により形成されるもの:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など;または下記の有機酸により形成されるもの:酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファ―スルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert−ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸など;あるいは(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが金属イオン、たとえばアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、もしくはアルミニウムイオンにより置き換えられた場合に形成される塩類;または有機塩基、たとえばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどとの配位体。
固形製剤には、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、および分散性顆粒剤が含まれる。固体キャリヤーは、希釈剤、矯味矯臭剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤、または封入材料としても作用する1種類以上の物質であってもよい。散剤において、キャリヤーは一般に、微細な有効成分との混合物である微細な固体である。錠剤において、有効成分は一般に、必要な結合能をもつキャリヤーと適切な割合で混合され、希望する形状およびサイズに圧縮される。適切なキャリヤーには、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ショ糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ろう、カカオ脂などが含まれるが、これらに限定されない。固形製剤は、有効成分のほかに、着色剤、矯味矯臭剤、安定剤、緩衝剤、人工および天然の甘味剤、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含有することができる。
同様に経口投与に適した液体配合物には、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、水性液剤、水性懸濁液剤を含めた液体配合物が含まれる。これらには、使用直前に液状製剤に変換することを意図した固形製剤が含まれる。乳剤は、溶液中で、たとえばプロピレングリコール水溶液中で調製でき、あるいは乳化剤、たとえばレシチン、モノオレイン酸ソルビタンまたはアラビアゴムを含有することができる。水性液剤は、有効成分を水に溶解し、適切な着色剤、矯味矯臭剤、安定剤、および増粘剤を添加することにより調製できる。水性懸濁液剤は、微細な有効成分を、粘稠な材料、たとえば天然ゴムまたは合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および他の周知の懸濁化剤と共に、水に分散させることにより調製できる。
本発明の化合物は、非経口投与用(たとえば、注射、たとえばボーラス注射または連続注入による)に配合でき、単位剤形でアンプル、プレフィルドシリンジ、少量注入容器、または保存剤を添加して多数回量容器に入れて提供することができる。組成物は、油性または水性ビヒクル(vehicles)中の懸濁液剤、液剤、または乳剤、たとえばポリエチレングリコール水溶液中の液剤などの形態をとることができる。油性または非水性のキャリヤー、希釈剤、溶剤またはビヒクルの例には、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(たとえば、オリーブ油)、および注射用有機エステル(たとえば、オレイン酸エチル)が含まれ、配合用剤(formulatory agent)、たとえば保存剤、湿潤剤、乳化剤または懸濁化剤、安定剤および/または分散剤を含有することができる。あるいは、有効成分は、使用前に適切なビヒクル、たとえばパイロジェンを含まない無菌水で再構成するために、無菌固体の無菌的単離により、または溶液からの凍結乾燥により得られた粉末形態であってもよい。
本発明の化合物は、表皮に局所投与するために、軟膏剤、クリーム剤もしくはローション剤として、または経皮パッチとして配合できる。軟膏剤およびクリーム剤には、たとえば、適切な増粘剤および/またはゲル化剤を添加した水性または油性の基剤を配合できる。ローション剤には水性または油性の基剤を配合でき、一般に1種類以上の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、または着色剤をも含有するであろう。口内への局所投与に適した配合物には、着香した基剤、通常はショ糖およびアラビアゴムまたはトラガカント中に有効成分を含むトローチ剤;不活性基剤、たとえばゼラチンおよびグリセリンまたはショ糖およびアラビアゴム中に有効成分を含む香錠;ならびに適切な液体キャリヤー中に有効成分を含むマウスウォッシュが含まれる。
本発明の化合物は、坐剤として投与するために配合できる。低融点ろう、たとえば脂肪酸グリセリド混合物またはカカオ脂をまず融解し、有効成分をたとえば撹拌によって均一に分散させる。融解状態の均一な混合物を次いで好都合なサイズの型に注入し、放冷し、凝固させる。
本発明の化合物は、膣投与用に配合できる。有効成分のほかに当技術分野で適切であることが知られているキャリヤーなどの成分を含有するペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、パスタ剤、発泡製剤またはスプレー剤。
本発明の化合物は、経鼻投与用に配合できる。液剤または懸濁液剤を、一般的な手段により、たとえば滴びん、ピペットまたはスプレーで、鼻腔に直接投与する。配合物は単回用または多数回用の形態で提供できる。滴びんまたはピペットの後者の場合、これは適当な既定量の液剤または懸濁液剤を患者が投与することにより達成できる。スプレーの場合、これはたとえば計量噴霧スプレーポンプにより達成できる。
本発明の化合物は、特に呼吸器官へのエアゾール投与用に配合でき、鼻腔内投与を含む。化合物は一般に、たとえば5ミクロン以下のオーダーの小さな粒度をもつであろう。そのような粒度は当技術分野で既知の手段により、たとえば微粒子化により得ることができる。有効成分は、適切な噴射剤、たとえばクロロフルオロカーボン(CFC)、たとえばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、もしくはジクロロテトラフルオロエタン、または二酸化炭素、または他の適切なガスと共に、加圧パックに入れて提供される。エアゾール剤は、好都合には界面活性剤、たとえばレシチンをも含有することができる。薬物の用量は計量弁により制御できる。あるいは、有効成分を乾燥粉末の形態で、たとえば適切な粉末基剤、たとえば乳糖、デンプン、デンプン誘導体、たとえばヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリジン(PVP)中における化合物の粉末ミックスの形態で提供できる。粉末キャリヤーは鼻腔内でゲルを形成するであろう。粉末組成物を単位剤形で、たとえばゼラチンのカプセルもしくはカートリッジ、またはブリスターパックに入れて提供し、それから粉末を吸入器により投与することができる。
所望により、配合物は、有効成分の持続放出または制御放出投与に適合させた腸溶コーティング付きで調製できる。たとえば、本発明の化合物は、経皮または皮下薬物送達デバイス中に配合できる。これらの送達システムは、化合物の持続放出が必要な場合および患者の治療計画のコンプライアンスが重要な場合に有利である。経皮送達システムにおける化合物は、皮膚接着性固体支持体に付着させることが多い。目的化合物を透過促進剤、たとえばAzone(1−ドデシルアザ−シクロヘプタン−2−オン)と組み合わせることもできる。持続放出送達システムを、外科処置または注射により皮下に真皮下層内へ挿入する。これらの真皮下埋込み剤は、化合物を脂溶性膜、たとえばシリコーンゴム、または生分解性ポリマー、たとえばポリ乳酸内に封入している。
適切な配合物は、医薬用のキャリヤー、希釈剤および賦形剤と共に、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, edited by E. W. Martin, Mack Publishing Company, 19th edition, Easton, Pennsylvaniaに記載されている。熟練した配合科学者は、本明細書の教示範囲内で配合物を改変して、本発明の組成物を不安定にすることなく、またそれらの療法活性を損なうことなく、特定の投与経路のための多数の配合物を提供できる。
本発明の化合物を修飾して、たとえばそれらを水その他のビヒクルにさらに可溶性にすることは、当業者の十分なしうる範囲内のわずかな修飾(塩形成、エステル化など)によって容易に達成できる。患者において最大の有益な効果が得られるように本発明化合物の薬物動態を管理するために個々の化合物の投与経路および投与計画を改変することも、当業者が容易になしうる範囲内のものである。
本明細書中で用いる用語“療法有効量”は、個体において疾患の症状を軽減するのに必要な量を意味する。用量は、個々の症例それぞれにおいて個体の要件に合わせて調整されるであろう。その用量は、多数の要因、たとえば処置すべき疾患の重症度、患者の年齢および全般的な健康状態、その患者が処置されている他の医薬、投与の経路および形態、ならびに担当医の好みおよび経験に応じて、広い限界内で変更できる。経口投与については、1日当たり約0.01〜約1000mg/kg体重の日用量が単剤療法および/または併用療法に適切である。好ましい日用量は1日当たり約0.1〜約500mg/kg体重、より好ましいのは0.1〜約100mg/kg体重、最も好ましいのは1.0〜約10mg/kg体重である。したがって、70kgの者に投与するためには、用量範囲は1日当たり約7mg〜0.7gであろう。日用量を単回量として、または一般に1日1〜5回の分割量で投与できる。一般に、化合物の最適量より少ない少量で処置を開始する。その後、個々の患者に最適な効果に達するまで用量を少しずつ増加させる。本明細書に記載する疾患の処置における専門家は、多大な実験を行なうことなく、個人の知識、経験および本出願の開示内容を拠りどころとして、その疾患および患者のための本発明化合物の療法有効量を確認できるであろう。
医薬製剤は、好ましくは単位剤形である。そのような形態では、製剤は適量の有効化合物を含有する単位量に小分割される。単位剤形はパッケージされた製剤、個別量の製剤を収容したパッケージ、たとえばバイアルまたはアンプル内にパケットされた錠剤、カプセル剤および散剤であってもよい。単位剤形はカプセル剤、錠剤、カシェ剤またはトローチ剤そのものであってもよく、あるいはそれは適宜な数のこれらのいずれかがパッケージされたものであってもよい。
本出願は、さらに、免疫系調節薬もしくはHCVの複製を阻害する抗ウイルス薬またはその組合わせを投与することを含み、その際、抗ウイルス薬が、HCVプロテアーゼ阻害薬、HCVポリメラーゼ阻害薬、HCVヘリカーゼ阻害薬、HCV NS5A阻害薬、またはそのいずれかの組合わせからなる群から選択される、前記のいずれかの方法を提供する。
併用療法について、本発明化合物のと組み合わせた場合に有用な可能性がある薬剤のメカニズムのクラスには、たとえば下記のものが含まれる:ヌクレオシド系および非ヌクレオシド系のHCVポリメラーゼ阻害薬、プロテアーゼ阻害薬、ヘリカーゼ阻害薬、NS4B阻害薬、NS5A阻害薬、および内部リボソーム侵入部位(internal ribosomal entry site)(IRES)を機能的に阻害する医薬、ならびにHCVの細胞付着またはウイルス侵入、HCV RNA翻訳、HCV RNA転写、複製、またはHCV成熟、アセンブリー、もしくはウイルス放出を阻害する他の医薬。これらのクラスに含まれる、本発明に有用な具体的化合物には下記のものが含まれるが、それらに限定されない:大環式、複素環式および直鎖のHCVプロテアーゼ阻害薬、たとえばテラプレビル(telaprevir)(VX−950)、ボセプレビル(boceprevir)(SCH−503034)、ナルラプレビル(narlaprevir)(SCH−9005 18)、ITMN−191(R−7227)、TMC−435350(別名TMC−435)、MK−7009、BI−201335、BI−2061(シルプレビル(ciluprevir))、BMS−650032、ACH−1625、ACH−1095(HCV NS4A プロテアーゼ補因子阻害薬)、VX−500、VX−813、PHX−1766、PHX2054、IDX−136、IDX−316、ABT−450、EP−013420(および同族体)およびVBY−376;本発明に有用なヌクレオシド系HCVポリメラーゼ(レプリカーゼ)阻害薬には下記のものが含まれるが、それらに限定されない:R7128、PSI−785 1、IDX−184、IDX−102、R1479、UNX−08 189、PSI−6130、PSI−938およびPSI−879、ならびに種々の他のヌクレオシドおよびヌクレオチドアナログ、ならびに2’−C−メチル修飾ヌクレオシ(チ)ド、4’−アザ修飾ヌクレオシ(チ)ド、および7’−デアザ修飾ヌクレオシ(チ)ドとして誘導体化されたものを含む(それらに限定されない)HCV阻害薬。本発明に有用な非ヌクレオシド系HCVポリメラーゼ(レプリカーゼ)阻害薬には下記のものが含まれるが、それらに限定されない:HCV−796、HCV−371、VCH−759、VCH−916、VCH−222、ANA−598、MK−3281、ABT−333、ABT−072、PF−00868554、BI−207127、GS−9190、A−837093、JKT−109、GL−59728およびGL−60667。
さらに、本発明化合物は下記のものと併用できる:サイクロフィリン(cyclophyllin)およびイムノフィリン(immunophyllin)アンタゴニスト(たとえば、限定ではなく、DEBIO化合物、NM−811、ならびにサイクロスポリンおよびそれの誘導体)、キナーゼ阻害薬、熱ショックタンパク質阻害薬(たとえば、HSP90およびHSP70)、他の免疫調節薬:限定ではなく下記のものを含めることができる:インターフェロン類(−アルファ、−ベータ、−オメガ、−ガンマ、−ラムダ、または合成品)、たとえばIntron A、Roferon−A、Canferon−A300、Advaferon、Infergen、Humoferon、Sumiferon MP、Alfaferone、IFN−β、Feronなど;ポリエチレングリコール誘導体化(ペグ化(pegylated))インターフェロン化合物、たとえばPEGインターフェロン−α−2a(Pegasys)、PEGインターフェロン−α−2b(PEGIntron)、ペグ化IFN−α−con1など;長時間作用型のインターフェロン化合物の配合物および誘導体、たとえばアルブミン縮合インターフェロン、Albuferon、Locteronなど;種々のタイプの制御送達システムを備えたインターフェロン(たとえば、ITCA−638、DUROS皮下送達システムにより送達されるオメガ−インターフェロン);細胞におけるインターフェロンの合成を刺激する化合物、たとえばレシキモド(resiquimod)など;インターロイキン類;1型ヘルパーT細胞応答の発生を増強する化合物、たとえばSCV−07など;TOLL様受容体アゴニスト、たとえばCpG−10101(アクチロン(actilon))、イソトラビン(isotorabine)、ANA773など;チモシンα−1;ANA−245およびANA−246;ヒスタミン二塩酸塩;プロパゲルマニウム(propagermanium); テトラクロロデカオキシド;アンプリゲン(ampligen);IMP−321;KRN−7000;抗体、たとえばシバシル(civacir)、XTL−6865など、ならびに予防用および治療用ワクチン、たとえばInnoVac C、HCV E1E2/MF59など。さらに、NS5A阻害薬、I型インターフェロン受容体アゴニスト(たとえば、IFN−α)およびII型インターフェロン受容体アゴニスト(たとえば、IFN−γ)の投与を伴なう前記方法はいずれも、有効量のTNF−αアンタゴニストの投与により補強することができる。そのような併用療法に使用するのに適した、限定ではないTNF−αアンタゴニストの例には、ENBREL、REMICADEおよびHUMIRAが含まれる。
さらに、本発明の化合物は、HCV感染症の処置に有効であると考えられる抗原虫薬および他の抗ウイルス薬、たとえば、限定ではなく、ニタゾキサニド(nitazoxanide)のプロドラッグと併用できる。ニタゾキサニドは、本発明に開示する化合物と組み合わせる薬剤として、またHCV感染症の処置に有用な他の薬剤、たとえばPEGインターフェロンα−2aおよびリバビリン(ribavirin)と組み合わせる薬剤としても使用できる。
本発明の化合物は、別形態のインターフェロンおよびペグ化インターフェロン、リバビリンまたはそのアナログ(たとえば、タラババリン(tarabavarin)、レボビロン(levoviron))、マイクロRNA、低分子干渉RNA化合物(たとえば、SIRPLEX−140−Nなど)、ヌクレオチドまたはヌクレオシドアナログ、免疫グロブリン、肝保護薬(hepatoprotectant)、抗炎症薬、および他のNS5A阻害薬とも併用できる。HCVライフサイクルにおける他の標的の阻害薬には、下記のものが含まれる:NS3ヘリカーゼ阻害薬;NS4A補因子阻害薬;アンチセンスオリゴヌクレオチド阻害薬、たとえばISIS−14803、AVI−4065など;ベクターにコードされたショートヘアピンRNA(short hairpin RNA)(shRNA);HCV特異的リボザイム、たとえばヘプタザイム(heptazyme)、RPI、13919など;侵入阻害薬、たとえばHepeX−C、HuMax−HepCなど;アルファグルコシダーゼ阻害薬、たとえばセルゴシビル(celgosivir)、UT−231Bなど;KPE−02003002およびBIVN 401、ならびにIMPDH阻害薬。他のHCV阻害化合物の例には、下記の刊行物に開示されるものが含まれる:U.S. Pat. No. 5,807,876; 6,498,178; 6,344,465; および6,054,472; PCT Patent Application Publication No. WO97/40028; WO98/40381; WO00/56331, WO02/04425; WO03/007945; WO03/010141; WO03/000254; WO01/32153; WO00/06529; WO00/18231; WO00/10573; WO00/13708; WO01/85172; WO03/037893; WO03/037894; WO03/037895; WO02/100851; WO02/100846; WO99/01582; WO00/09543; WO02/18369; WO98/17679, WO00/056331; WO98/22496; WO99/07734; WO05/073216, WO05/073195およびWO08/021927。
さらに、たとえばリバビリンとインターフェロンの組合わせを、本発明化合物のうち少なくとも1種類との多剤併用療法として投与することができる。本発明は前記のクラスまたは化合物に限定されず、既知化合物および新規化合物、ならびに生物活性薬剤の組合わせを考慮に入れる。本発明の併用療法は、本発明グループのある化合物と本発明グループの他の化合物または本発明グループ以外の化合物との化学的に適合する組合わせのいずれも、その組合わせが本発明グループの化合物の抗ウイルス活性または医薬組成物自体の抗ウイルス活性を排除しない限り、含むものとする。
併用療法は、逐次、すなわちまず1種類の薬剤、次いで第2薬剤による処置であってもよく(たとえば、各処置が異なる本発明化合物を含む場合、または1つの処置が本発明化合物を含み、他の処置が1種類以上の生物活性薬剤を含む場合)、あるいは両薬剤による同時処置であってもよい(同時)。逐次療法は、第1療法の完了後、第2療法の開始前に妥当な時間を含むことができる。両薬剤による同時処置は、同じ日用量または個別の用量で行なうことができる。併用療法は2種類の薬剤に限定する必要はなく、3種類以上の薬剤を含むことができる。同時および逐次併用療法の用量は共に、併用療法の成分の吸収、分布、代謝および排出の速度、ならびに当業者に知られている他の要因に依存するであろう。用量は、軽減すべき状態の重症度によっても変動するであろう。さらに、個々のいずれの対象についても、個体の要件に従って、また併用療法の投与または投与管理を行なう当業者の判断に従って、具体的な投与計画およびスケジュールを経時的に調整できることを理解すべきである。
本出願は、さらに、免疫系調節薬もしくはHCVの複製を阻害する抗ウイルス薬またはその組合わせを投与することを含み、その際、抗ウイルス薬が、HCVプロテアーゼ阻害薬、HCVポリメラーゼ阻害薬、HCVヘリカーゼ阻害薬、HCV NS5A阻害薬、またはそのいずれかの組合わせからなる群から選択される、前記のいずれかの方法を提供する。
略号
一般に用いられる略号には下記のものが含まれる:アセチル(Ac)、アゾ−ビス−イソブチリルニトリル(AIBN)、大気(Atm)、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBNまたはBBN)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ピロ炭酸ジ−tert−ブチルまたはboc無水物(BOC2O)、ベンジル(Bn)、ブチル(Bu)、ケミカルアブストラクツ登録番号(Chemical Abstracts Registration Number)(CASRN)、ベンジルオキシカルボニル(CBZまたはZ)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)、ジベンジリデンアセトン(dba)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,2−ジクロロエタン(DCE)、ジクロロメタン(DCM)、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジ−イソ−プロピル(DIAD)、水素化ジ−イソ−ブチルアルミニウム(DIBALまたはDIBAL−H)、ジ−イソ−プロピルエチルアミン(DIPEA)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)、エチル(Et)、酢酸エチル(EtOAc)、エタノール(EtOH)、2−エトキシ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(EEDQ)、ジエチルエーテル(Et2O)、エチルイソプロピルエーテル(EtOiPr)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート酢酸(HATU)、酢酸(HOAc)、1−N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、イソ−プロパノール(IPA)、イソプロピルマグネシウムクロリド(iPrMgCl)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、液体クロマトグラフィー−質量分析(LCMS)、リチウムヘキサメチルジシラザン(LiHMDS)、メタ−クロロペルオキシ安息香酸(m−CPBA)、メタノール(MeOH)、融点(mp)、MeSO2−(メシルまたはMs)、メチル(Me)、アセトニトリル(MeCN)、m−クロロ過安息香酸(MCPBA)、質量スペクトル(ms)、メチル t−ブチルエーテル(MTBE)、メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、n−ブチルリチウム(nBuLi)、N−カルボキシ無水物(NCA)、N−クロロスクシンイミド(NCS)、N−メチルモルホリン(NMM)、N−メチルピロリドン(NMP)、クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)、ジクロロ−((ビス−ジフェニルホスフィノ)フェロセニル)パラジウム(II)(Pd(dppf)Cl2)、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)2)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd2(dba)3)、二クロム酸ピリジニウム(PDC)、フェニル(Ph)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)、ポンド/平方インチ(psi)、ピリジン(pyr)、1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1’−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン(Q−Phos)、室温(周囲温度、rtまたはRT)、sec−ブチルリチウム(sBuLi)、tert−ブチルジメチルシリルまたはt−BuMe2Si(TBDMS)、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(TBAF)、トリエチルアミン(TEAまたはEt3N)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(TEMPO)、トリフレートまたはCF3SO2−(Tf)、トリフルオロ酢酸(TFA)、1,1’−ビス−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−2,6−ジオン(TMHD)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、テトラヒドロフラン(THF)、トリメチルシリルまたはMe3Si(TMS)、p−トルエンスルホン酸一水和物(TsOHまたはpTsOH)、4−Me−C6H4SO2−またはトシル(Ts)、およびN−ウレタン−N−カルボキシ無水物(UNCA)。接頭辞ノルマル(n)、イソ(i−)、第二級(sec−)、第三級(tert−)およびneoを含む一般的名称は、アルキル部分と共に用いられる場合、それらの一般的な意味をもつ(J. Rigaudy and D. P. Klesney, Nomenclature in Organic Chemistry, IUPAC 1979 Pergamon Press, Oxford.)。
一般的条件
本発明の化合物は、以下に実施例のセクションに記載する合成反応例に示す多様な方法により製造できる。
これらの化合物を製造する際に用いる出発物質および試薬は、Aldrich Chemical Co.などの業者から入手できるか、あるいは当業者に知られている方法により、たとえばFieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis; Wiley & Sons: New York, 1991, Volumes 1-15; Rodd's Chemistry of Carbon Compounds, Elsevier Science Publishers, 1989, Volumes 1-5 and Supplementals;およびOrganic Reactions, Wiley & Sons: New York, 1991, Volumes 1-40などの参考文献に述べられた方法に従って製造される。実施例のセクションに示す合成反応スキームは本発明化合物を合成できる若干の方法の例示にすぎないことを認識すべきであり、これらの合成反応スキームに対する多様な改変が可能であり、本出願に含まれる開示内容を参照した当業者に示唆されるであろう。
所望により、一般的手法を用いて合成反応スキームの出発物質および中間体を単離および精製することができ、それには濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなどが含まれるが、これらに限定されない。そのような物質は、一般的手段を用いて、物理定数およびスペクトルデータを含めた特性を明らかにすることができる。
そうではないと明記しない限り、本明細書に記載する反応は一般に不活性雰囲気下に大気圧で、約−78℃から約150℃まで、多くの場合約0℃から約125℃までの反応温度範囲、より多くの場合、好都合にはほぼ室温(または周囲温度)、たとえば約20℃で実施される。
本発明化合物における種々の置換基は、出発化合物に存在するか、既知の置換反応または変換反応の方法によりいずれかの中間体に付加するかまたは最終生成物の形成後に付加することができる。置換基自体が反応性であれば、当技術分野で既知の手法に従ってそれらの置換基自体を保護することができる。多様な保護基が当技術分野で知られており、それらを使用できる。多数の可能な基の例が、“Protective Groups in Organic Synthesis” by Green et al., John Wiley and Sons, 1999にある。たとえばニトロ基をニトロ化により付加し、そのニトロ基を他の基に変換できる;たとえば、還元によりアミノ基に、そしてこのアミノ基をジアゾ化し、このジアゾ基をハロゲンで置き換えることによりハロゲンに。アシル基はフリーデル−クラフツアシル化により付加できる。このアシル基を次いで、ウォルフ−キシュナー(Wolff-Kishner)還元およびクレメンソン(Clemmenson)還元を含めた種々の方法により、対応するアルキル基に変換できる。アミノ基をアルキル化してモノ−およびジ−アルキルアミノ基を形成できる;メルカプト基およびヒドロキシ基をアルキル化して対応するエーテル類を形成できる。第一級アルコールを当技術分野で既知の酸化剤により酸化してカルボン酸またはアルデヒド類を形成し、第二級アルコールを酸化してケトン類を形成することができる。このように、置換または変換反応を用いて出発物質、中間体または最終生成物(単離された生成物を含めて)の分子全体に多様な置換基を付与することができる。
製造例
中間体1
方法1
N5−(4−ブロモ−3−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル)−1H−[1,2,4]−トリアゾール−3,5−ジアミン(中間体3)
2−ブロモ−1−フルオロ−5−イソチオシアナト−3−トリフルオロメチルベンゼン
4−ブロモ−3−フルオロ−5−トリフルオロメチルアニリン(4.22g,16.4mmol,Eq:1.00)および炭酸カルシウム(3.44g,1.17ml,34.3mmol,Eq:2.1)を50%ジクロロメタン水溶液(20ml)混合物に懸濁した。濃厚な懸濁液を0℃で激しく撹拌した。チオホスゲン(2.07g,1.38ml,18.0mmol,Eq:1.1)を混合物に徐々に滴加した。添加後、混合物を0℃で1.5時間撹拌し、次いで室温で一夜撹拌した。固体を濾過し、濾液をジクロロメタンで抽出した。有機相を合わせて、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮して、4.71g(96%)の目的物質を淡褐色固体として得た;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.84 (s, 1 H) 7.96 (dd, J=9.06, 2.27 Hz, 1 H)。
(4−ブロモ−3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−(メチル−λ4スルファニリデン)−メチル−シアナミド
2−ブロモ−1−フルオロ−5−イソチオシアナト−3−トリフルオロメチルベンゼン(4.71g,15.7mmol,Eq:1.00)を無水メタノール(30ml)に溶解した。N−ソジオシアナミド(Sodium hydrogencyanamide)(1.00g,15.7mmol,Eq:1)を添加し、反応物を周囲温度で1時間撹拌した。ヨウ化メチル(4.46g,1.96ml,31.4mmol,Eq:2)を滴加し、反応物を周囲温度で一夜撹拌した。淡褐色懸濁液を濾過して、1.91g(34%)の目的生成物を桃色固体として得た;
MS +m/z: 357.7. (M+1)
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.78 (s, 3 H) 7.87 (s, 1 H) 7.97 (dd, J=1.00 Hz, 1 H) 10.38 (br. s, 1 H)。
N5−(4−ブロモ−3−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル)−1H−[1,2,4]−トリアゾール−3,5−ジアミン(中間体1)の製造
ヒドラジン(1.71g,53.4mmol,Eq:10)を、(4−ブロモ−3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−(メチル−λ4スルファニリデン)−メチル−シアナミド(1.9g,5.34mmol,Eq:1.00)のエタノール(30ml)中における撹拌懸濁液に添加した。混合物を70℃に1時間加熱した。反応混合物を濃縮して体積を減らし(約5ml)、撹拌しながら水(約10ml)を滴加した。懸濁液を30分間撹拌した。沈殿を濾過し、水(約50ml)で洗浄し、次いで高真空下に70℃で2時間乾燥させ、濾過して、1.73g(95%)の目的生成物を桃色固体として得た;
MS +m/z: 339.9. (M+1)
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 6.03 (s, 2 H) 7.81 (s, 1 H) 7.86 (d, J=12.13 Hz, 1 H) 9.52 (s, 1 H) 11.40 (s, 1 H)。
実施例1
N5−(3−フルオロ−4−フェニルスルファニル−5−トリフルオロメチルフェニル)−1H−[1,2,4]−トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物1)
N5−(4−ブロモ−3−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル)−1H−[1,2,4]−トリアゾール−3,5−ジアミン(中間体1)(66mg,194μmol,Eq:1.00)、1,1’−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)フェロセン(12.2mg,29.1μmol,Eq:0.15)およびナトリウムtert−ブトキシド(24.2mg,252μmol,Eq:1.3)を、ジオキサン(1.25ml)に懸濁した。Pd(OAc)2(6.54mg,29.1μmol,Eq:0.15)およびベンゼンチオール(22.5mg,20.8μl,204μmol,Eq:1.05)をアルゴン雰囲気下で添加した。反応混合物を130℃に2時間、マイクロ波装置中で加熱した。1,1’−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)フェロセン(24.4mg,58.2μmol,Eq:0.30)およびPd(OAc)2(13mg,58.2μmol,Eq:0.30)を添加し、反応混合物を130℃に1時間加熱した。反応混合物を水およびジクロロメタンで希釈した。水相をジクロロメタンで抽出し、有機相を合わせてブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空で揮散させた(stripped)。粗製物質をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の0−10%メタノール)により精製すると褐色固体が得られた。生成物を分取HPLC(20%ACN:0.3%TFA,水中〜100%ACN)により再精製して、4mg(4%)の目的生成物を白色固体として得た;
MS +m/z: 369.9. (M+1)
1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 7.09 - 7.30 (m, 5 H) 7.70 - 7.79 (m, 2 H)。
N3−(3−クロロ−4−フェニルアミノ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物2)
2−クロロ−4−ニトロ−N−フェニルアニリン
水素化ナトリウム(688.6mg,17.2mmol,Eq:1.48)を250−mL丸底フラスコに、アルゴンでパージしながら入れた。N,N’−ジメチルホルムアミド(60mL)を添加し、混合物を氷浴中で冷却した。アニリン(1.02g,1.00mL,11.0mmol,Eq:0.944)を添加し、氷浴中で〜10分間撹拌した;次いで2−クロロ−1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(2.04g,11.6mmol,Eq:1.00)を低温の反応混合物中へ一度に入れた。反応をHPLCによりモニターした:0℃で1時間撹拌し、室温で17時間撹拌し、次いで反応物を65℃で一夜加熱した。反応混合物を氷浴中で冷却した。1N塩酸溶液を用いて、反応を徐々に停止した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチル(3×)で抽出した。有機層を合わせて水および飽和塩化ナトリウムで洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。2.94gの粗製物質が得られた。ジクロロメタンに再溶解し、シリカ上へ濃縮した。220gのシリカゲルカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;28mLの画分を88mL/分で採集した;ヘキサン(hexanes)で平衡化し;乾式で負荷し(loaded);ヘキサンで3分間溶離し;45分間かけて0%から50%のジクロロメタン/ヘキサンまで高め;50%ジクロロメタン/ヘキサンで9分間保持した。700mg(20.3%)の不純な2−クロロ−4−ニトロ−N−フェニルアニリン(84%の純度)を黄色固体として得た。
2−クロロ−N1−フェニルベンゼン−1,4−ジアミン
2−クロロ−4−ニトロ−N−フェニルアニリン(700mg,2.82mmol,Eq:1.00)を入れた250−mL丸底フラスコに、メタノール(10mL)および水(5mL)、続いて鉄(786mg,14.1mmol,Eq:5.0)および塩化アンモニウム(1.51g,28.2mmol,Eq:10.0)を、すべてアルゴンでパージしながら添加した。混合物を8時間、加熱還流した。反応混合物をメタノールですすぎながらセライト(Celite)により濾過した。濾液を濃縮し、次いで残留物を酢酸エチルに溶解し、水を添加した。固体の炭酸水素ナトリウムを、中性になるまで添加した。層を分離し、有機層を水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。630mg(80%の純度で82%の収率)の粗製2−クロロ−N1−フェニルベンゼン−1,4−ジアミンを褐色の油として得た。そのまま使用した。
2−クロロ−4−イソチオシアナト−N−フェニルアニリン
2−クロロ−N1−フェニルベンゼン−1,4−ジアミン(630mg,2.88mmol,Eq:1.00)を入れた50−mL丸底フラスコを、アルゴンでパージした。ジクロロメタン(30mL)を添加し、混合物を氷浴中で0℃に冷却した。1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(770mg,4.32mmol,Eq:1.5)を一度に添加し、次いで氷浴を取り除き、反応混合物を室温に温めた。1時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、シリカ上へ濃縮した。120gシリカゲルカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;53mL/分での28mLの画分中からピークのみを採集した;ヘキサンで平衡化し;乾式で負荷し;ヘキサンで3分間溶離し;15分間かけて0%から25%のジクロロメタン/ヘキサンまで高め;25%ジクロロメタン/ヘキサンで2分間保持した。528.6mg(84%の純度で59%の収率)の2−クロロ−4−イソチオシアナト−N−フェニルアニリンを黄色固体として得た。
(Z)−メチル N−3−クロロ−4−(フェニルアミノ)フェニル−N’−シアノカルバムイミドチオエート
シアナミド(101mg,2.4mmol,Eq:1.51)を50−mL丸底フラスコにアルゴンでパージしながら入れた。メタノール中の0.5Mナトリウムメトキシド(5.0mL,2.5mmol,Eq:1.57)を室温で添加し、次いで15分間撹拌した。その間に、2−クロロ−4−イソチオシアナト−N−フェニルアニリン(520mg,1.6mmol,Eq:1.00)を入れた100−mL丸底フラスコをアルゴンでパージし、メタノール(10mL)を添加し、撹拌を開始した。シアナミド混合物をこの出発物質混合物へシリンジにより室温で移した。固体は短期間の撹拌後に溶解した。合計1時間撹拌し、次いでヨードメタン(431mg,0.19mL,3.04mmol,Eq:1.9)を添加し、室温で一夜撹拌した。反応をHPLCによりモニターした。反応混合物をジクロロメタンおよびメタノールで希釈し、次いでシリカゲル上へ濃縮した。80gシリカゲルカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;55mL/分で28mLの画分中からピークのみを採集した;ヘキサンで平衡化し;乾式で負荷し;ヘキサンで2分間溶離し;22分間かけて0%から50%の酢酸エチル/ヘキサンまで高め;50%酢酸エチル/ヘキサンで15分間保持した。302mg(95%の純度で57%の収率)の(Z)−メチル N−3−クロロ−4−(フェニルアミノ)フェニル−N’−シアノカルバムイミドチオエートを淡褐色固体として得た;
N3−(3−クロロ−4−フェニルアミノ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物2)
出発物質(Z)−メチル N−3−クロロ−4−(フェニルアミノ)フェニル−N’−シアノカルバムイミドチオエート(302mg,953μmol,Eq:1.00)を入れた、ビグリューカラム(vigroux column)を備えた2口、100−mL丸底フラスコを、アルゴンでパージした。エタノール(15mL)およびヒドラジン(306mg,0.30mL,9.56mmol,Eq:10.0)を添加した。65℃で〜30分間加熱し、次いでアリコートを取り出し、HPLCを行なった:出発物質は残存しなかった。反応物を冷却し、溶媒を真空で除去した。油が得られ、それをその後、ジクロロメタン/メタノール(1:1)に再溶解し、シリカゲル上へ濃縮した。40gシリカゲルカラムを用いて予備精製した(0−10%メタノール/ジクロロメタン,1%の水酸化アンモニウムを含有)。分取HPLCにより精製した。205mg(71.5%)のN3−(3−クロロ−4−フェニルアミノ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミンを淡桃色固体として得た。MS:C14H13ClN6[(M+H)+]について計算値 301.1, 実測値 300.8。
N3−(3−クロロ−4−フェノキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物3)
2−クロロ−4−ニトロ−1−フェノキシベンゼン
250−mL丸底フラスコ内で、2−クロロ−1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(2.0g,11.4mmol,Eq:1.00)、フェノール(1.07g,11.4mmol,Eq:1.00)および炭酸カリウム(3.15g,22.8mmol,Eq:2.0)をN,N−ジメチルホルムアミド(22.8mL)と混和した。反応混合物を100℃で一夜加熱した。翌朝、反応混合物を氷水に注入し、次いで混合物を酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで濃縮すると、3.07g(108%)の2−クロロ−4−ニトロ−1−フェノキシベンゼンが黄褐色の油として得られた。1H NMRは若干過剰のN,N−ジメチルホルムアミドの存在を示す。
3−クロロ−4−フェノキシアニリン
250−mL丸底フラスコ内で、2−クロロ−4−ニトロ−1−フェノキシベンゼン(3.07g,12.3mmol,Eq:1.00)、鉄(3.43g,61.5mmol,Eq:5.0)および塩化アンモニウム(6.58g,123mmol,Eq:10)をメタノール(32.8ml)と混和すると、淡褐色懸濁液が得られた。鉄は磁気撹拌バーに付着していた。水(16.4mL)を添加すると、反応混合物は乳白色懸濁液になった。反応混合物を6時間還流した。わずか20分間後に、反応混合物は錆色になった。6時間の環流後に、逆相HPLCは出発物質からより極性の高い生成物への完全な変換を示す。反応混合物を濾過し、次いで濃縮してメタノールの大部分を除去した。得られた粗製懸濁液を酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、濾過し、次いで濃縮して、2.5g(92.5%)の3−クロロ−4−フェノキシアニリンをわずかに黄褐色の油として得た。
2−クロロ−4−イソチオシアナト−1−フェノキシベンゼン
3−クロロ−4−フェノキシアニリン(2.5g,11.4mmol,Eq:1.00)を入れた1−L丸底フラスコを、アルゴンでパージした。ジクロロメタン(120mL)を添加し、混合物を氷浴内で0℃に冷却した。1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(2.43g,13.7mmol,Eq:1.2)を一度に添加し、次いで氷浴を取り除き、反応混合物を室温に温めた。1時間後、HPLCによれば反応は完了した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、シリカ上へ濃縮した。330gシリカゲルカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;86mL/分での28mLの画分中からピークのみを採集した;ヘキサンで平衡化し;乾式で負荷し;ヘキサンで5分間溶離し;30分間かけて0%から25%のジクロロメタン/ヘキサンまで高めた。1.69g(56.7%)の2−クロロ−4−イソチオシアナト−1−フェノキシベンゼンを透明、無色の油として得た。
(Z)−メチル N−3−クロロ−4−フェノキシフェニル−N’−シアノカルバムイミドチオエート
シアナミド(350.6mg,8.34mmol,Eq:1.29)を、50−mL丸底フラスコにアルゴンでパージしながら入れた。メタノール中の0.5Mナトリウムメトキシド(15.5mL,7.75mmol,Eq:1.2)を室温で添加し、次いで15分間撹拌した。その間に、2−クロロ−4−イソチオシアナト−1−フェノキシベンゼン(1.69g,6.46mmol,Eq:1.00)を入れた100−mL丸底フラスコをアルゴンでパージし、メタノール(25mL)を添加し、撹拌を開始した。シアナミド混合物をこの出発物質混合物へシリンジにより室温で移した。混合物は短時間の撹拌後に均一になった。合計1時間撹拌し、次いでヨードメタン(1.38g,0.606mL,9.69mmol,Eq:1.5)を添加し、室温で一夜撹拌した。21時間後、HPLCによれば反応は完了した。ジクロロメタンおよびメタノールで希釈し、シリカゲル上へ濃縮した。120gシリカゲルカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;80mL/分での28mLの画分中からピークのみを採集した;ヘキサンで平衡化し;乾式で負荷し;ヘキサンで2.5分間溶離し;27.5分間かけて0%から50%の酢酸エチル/ヘキサンまで高め;50%で10分間保持した。1.34g(65%の収率)の(Z)−メチル N−3−クロロ−4−フェノキシフェニル−N’−シアノカルバムイミドチオエートを淡黄色固体として得た。
N3−(3−クロロ−4−フェノキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物3)
(Z)−メチル N−3−クロロ−4−フェノキシフェニル−N’−シアノカルバムイミドチオエート(1.33g,4.19mmol,Eq:1.00)を入れた、ビグリューカラムを備えた3口、250−mL丸底フラスコを、アルゴンでパージした。エタノール(50mL)およびヒドラジン(1.34g,1.31mL,41.9mmol,Eq:10.0)を添加した。65℃で〜30分間加熱し、次いでアリコートを取り出し、HPLCを行なった:出発物質は残存しなかった。反応物を冷却し、溶媒を真空で除去した。泡状物が得られ、それをその後、ジクロロメタン/メタノール(1:1)混合物に再溶解し、シリカゲル上へ濃縮した。80gシリカゲルカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;53mL/分での28mLの画分中からピークのみを採集した;ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で平衡化し;乾式で負荷し;ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で2分間溶離し;0%から10%のメタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)まで高め;10%で2分間保持した。1.1165g(88.4%)のN3−(3−クロロ−4−フェノキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミンを白色固体として得た。MS:C14H12ClN5O [(M+H)+]について計算値 302.1, 実測値 302.3。
N3−(3,5−ジクロロ−4−フェニルスルファニル−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物4)
(2,6−ジクロロ−4−ニトロフェニル)(フェニル)スルファン
500−mL丸底フラスコ内で、1,3−ジクロロ−2−フルオロ−5−ニトロベンゼン(4.0g,19.0mmol,Eq:1.00)、炭酸カリウム(6.6g,47.8mmol,Eq:2.51)およびベンゼンチオール(2.9g,2.7ml,26.3mmol,Eq:1.38)をN,N−ジメチルホルムアミド(40ml)と混和すると、白色懸濁液が得られた。この混合物を100℃で8時間撹拌した。この後、逆相HPLCは出発物質が単一の新たな生成物に完全に変換されたことを示した。反応混合物を氷水と混和すると、黄色懸濁液が得られた。この懸濁液を酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮すると、褐色の油が得られた。粗生成物の1H NMRは新たな生成物と一致したが、過剰のN,N−ジメチルホルムアミドおよびチオフェノールも存在するようにみえた。粗生成物をそのまま210gのAnalogixカラムに負荷した。フラッシュクロマトグラフィー(100%ヘキサンを使用)によって、精製された生成物が得られた。5.53g(96.7%)の(2,6−ジクロロ−4−ニトロフェニル)(フェニル)スルファンを油性の黄色固体として得た。
3,5−ジクロロ−4−(フェニルチオ)アニリン
(2,6−ジクロロ−4−ニトロフェニル)(フェニル)スルファン(2.09g,6.96mmol,Eq:1.00)を入れた250−mL丸底フラスコに、鉄(1.94g,34.8mmol,Eq:5.0)、塩化アンモニウム(3.72g,69.6mmol,Eq:10.0)、メタノール(42mL)、および水(21mL)を入れた。加熱環流した。1.5時間後、アリコートを取り出し、HPLCを行なった:出発物質は消費されていた。反応混合物を冷却し、それを多量のメタノールですすぎながらセライト床により濾過した。濾液を濃縮し、次いで酢酸エチルを添加し、1時間撹拌した。固体を濾別し、濾液を濃縮した。1.846g(84%の純度で82%の収率)の3,5−ジクロロ−4−(フェニルチオ)アニリンを淡褐色固体として得た。
1,3−ジクロロ−5−イソチオシアナト−2−フェニルスルファニルベンゼン
3,5−ジクロロ−4−(フェニルチオ)アニリン(1.846g,6.83mmol,Eq:1.00)を入れた250−mL丸底フラスコに、1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(1.58g,8.88mmol,Eq:1.3)およびジクロロメタン(40mL)を入れた。室温で一夜撹拌した。ジクロロメタンで希釈し、セライト上へ濃縮した。80gシリカゲルカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;36mL/分での28mLの画分中からピークのみを採集した;ヘキサンで平衡化し;セライトに乾式で負荷し;ヘキサンで3分間溶離し;30分間かけて0%から10%のジクロロメタン/ヘキサンまで高めた。1.64g(77%)の1,3−ジクロロ−5−イソチオシアナト−2−フェニルスルファニルベンゼンを橙色固体として得た。
(Z)−メチル N’−シアノ−N−(3,5−ジクロロ−4−(フェニルチオ)フェニル)カルバムイミドチオエート
シアナミド(676mg,16.1mmol,Eq:3.08)を、50−mL丸底フラスコ内へアルゴンでパージしながら入れた。メタノール中の0.5Mナトリウムメトキシド(16mL,8.00mmol,Eq:1.53)を室温で添加した。その間に、メタノール(30mL)およびトルエン(10mL)を、1,3−ジクロロ−5−イソチオシアナト−2−フェニルスルファニルベンゼン(1.63g,5.22mmol,Eq:1.00)を入れた250−mL丸底フラスコに添加した。シアナミド混合物を25分間撹拌した後、シアナミド混合物をイソチオシアネート混合物にシリンジを用いて添加した。室温で1時間撹拌し、次いでアリコートを取り出した:HPLCは出発物質が残存しないことを示した。ヨードメタン(1.14g,0.5mL,8.00mmol,Eq:1.53)を反応混合物に添加し、室温で一夜撹拌した。16時間後のLC/MSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を希釈し、セライト上へ濃縮した。150gシリカゲルカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;76mL/分での28mLの画分中からピークのみを採集した;10%酢酸エチル/ヘキサンで平衡化し;乾式で負荷し;10%酢酸エチル/ヘキサンで3分間溶離し;36分間かけて10%から50%の酢酸エチル/ヘキサンまで高め;50%で10分間保持した。1.646g(88%の純度で75%の収率)の(Z)−メチル N’−シアノ−N−(3,5−ジクロロ−4−(フェニルチオ)フェニル)カルバムイミドチオエートを白色固体として得た。
N3−(3,5−ジクロロ−4−フェニルスルファニル−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物4)
エタノール(40mL)およびヒドラジン(1.43g,1.4mL,44.6mmol,Eq:10.0)を、(Z)−メチル N’−シアノ−N−(3,5−ジクロロ−4−(フェニルチオ)フェニル)カルバムイミドチオエート(1.64g,4.45mmol,Eq:1.00)を入れた100−mL丸底フラスコに添加した。4時間、加熱環流した;HPLCは出発物質が残存しないことを示した。室温に冷却した。セライト上へ濃縮した。120gシリカゲルカラムを用いてIntelliflash 280で部分精製した;76mL/分での28mLの画分中からピークのみを採集した;5%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)を用いて平衡化し;乾式で負荷し;5%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で4分間溶離し;24分間かけて5%から10%のメタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)まで高めた。1.33g(90%の純度で76.3%の収率)の不純な生成物が黄色泡状物として得られた。94mgの物質を取り出し、分取HPLCにより精製した。35.8mg(38%の回収率)のN3−(3,5−ジクロロ−4−フェニルスルファニル−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミンを灰白色固体として得た。1H NMR (DMSO-d6) シフト: 11.41 (br. s., 1H), 9.53 (br. s., 1H), 7.81 (s, 2H), 6.91 - 7.38 (m, 5H), 6.07 (br. s., 2H). MS:C14H11C12N5S [(M+H)+]について計算値 352.0, 実測値 351.8。
N3−(4−ベンゼンスルフィニル−3,5−ジクロロ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物5)
N3−(3,5−ジクロロ−4−(フェニルチオ)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物4)(500mg,1.42mmol,Eq:1.00)を100−mL丸底フラスコに入れ、メタノール(32mL)を添加した。この混合物に、オキソン(2.62g,4.26mmol,Eq:3.0)の水(16mL)中における溶液を添加した。室温で20時間撹拌した。HPLCはスルホキシドとスルホンの混合物を示した;すべての出発物質が消費されていた。さらに24時間撹拌した。スルホキシドとスルホンの比は、HPLCによれば約1:1であった。2回目の50mg規模の反応物をこの反応混合物に添加した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水を添加した。層を分離したが、粘着性の橙色固体はいずれの層にも溶解しないと思われた。有機層を飽和塩化ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。橙色残留物が得られた。残留物を酢酸エチルおよびアセトンに溶解することを試みたが、すべてを十分に溶解するにはメタノールが必要であった。混合物をセライト上へ濃縮した。23gの球状シリカゲルのカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;32mL/分(〜1分/CV)での9mLの画分中からピークのみを採集した;2%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で平衡化し;乾式で負荷し;2%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で2分間溶離し;16分間かけて2%から8%のメタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)まで高め;8%で7分間保持した。31.4mg(5.7%)のN3−(4−ベンゼンスルフィニル−3,5−ジクロロ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミンを橙色固体として得た。MS:C14H11C12N5OS [(M+H)+]について計算値 368.0, 実測値 367.8。
N3−(4−ベンゼンスルホニル−3,5−ジクロロ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物6)
N3−(3,5−ジクロロ−4−(フェニルチオ)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物4)(300mg,852μmol,Eq:1.00)を2口、100−mL丸底フラスコに入れた。メタノール(24mL)を添加し、撹拌を開始した。その間に、オキソン(2.62g,4.26mmol,Eq:5.0)を水(12mL)に溶解した。このオキソン溶液を出発物質溶液にシリンジで添加した。直ちに白色固体が急激に析出した。45℃で一夜撹拌した。21時間後にHPLCを行なうと、出発物質は残存せず、スルホンのピークが主なピークであった。室温に冷却した。反応混合物を多量の酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。層を分離し、飽和塩化ナトリウムで洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。少量のメタノールに再溶解し、アセトンで希釈し、次いでセライト上へ濃縮した。50gの球状シリカゲルのカラムを用いてIntellilflash 280で精製した;40mL/分(〜2分/CV)での9mLの画分中からピークのみを採集した;1%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で平衡化し;乾式で負荷し;1%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で4分間溶離し;38分間かけて1%から5%のメタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)まで高めた;5%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で8分間保持し、次いで10分間かけて6%のメタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)に高め;6%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で6分間保持した。66mg(20%)のN3−(4−ベンゼンスルホニル−3,5−ジクロロ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミンを橙色固体として得た。MS:C14H11C12N5O2S [(M+H)+]について計算値 384.0, 実測値 384.0。
N3−(3,5−ジクロロ−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物7)
(2,6−ジクロロ−4−ニトロフェニル)(4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルファン
250−mL丸底フラスコ内で、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール(1g,5.61mmol,Eq:1.00)、1,3−ジクロロ−2−フルオロ−5−ニトロベンゼン(1.18g,5.61mmol,Eq:1.00)および炭酸カリウム(900mg,6.51mmol,Eq:1.16)をN,N−ジメチルホルムアミド(22mL)と混和すると、黄色懸濁液が得られた。この混合物を100℃で一夜加熱した。翌朝、TLCは新たな主生成物の存在を示した。TLCは、チオフェノールが完全に消費され、痕跡量のフルオロベンゼンが残存するにすぎないことも示した。反応混合物を氷に注いだ。生成物のみが油状に分離して(oiled out)、黄色がかった懸濁液になった。この懸濁液を酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、次いで濃縮すると褐色の油になった。この生成物をそのまま120gのSiliCycleカラムに負荷した。フラッシュクロマトグラフィー(5%酢酸エチル−ヘキサンから10酢酸エチル−ヘキサンへの勾配)により、1.13g(47.7%)の(2,6−ジクロロ−4−ニトロフェニル)(4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルファンを高純度で黄色の油として得た。
3,5−ジクロロ−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)アニリン
250−mL丸底フラスコ内で、(2,6−ジクロロ−4−ニトロフェニル)(4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルファン(1.13g,3.07mmol,Eq:1.00)、鉄(857mg,15.3mmol,Eq:5)および塩化アンモニウム(1.64g,30.7mmol,Eq:10をメタノール(8mL)と混和すると、黄色懸濁液が得られた。水(4.0mL)を添加した。反応混合物を85℃で2時間環流した。この後、TLCは出発物質が完全に変換されて優勢な新たな生成物スポットになったことを示した。反応混合物を室温に冷却し、次いでそれを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルの間で分配した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、次いで濃縮した。1.04g(定量的)の3,5−ジクロロ−4−(4−(トリフルオロメチル)−フェニルチオ)アニリンを黄色結晶として得た。
1,3−ジクロロ−5−イソチオシアナト−2−(4−トリフルオロメチルフェニルスルファニル)ベンゼン
1L丸底フラスコ内で、3,5−ジクロロ−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)アニリン(1.04g,3.08mmol,Eq:1.00)および1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(600mg,3.37mmol,Eq:1.09)を塩化メチレン(22mL)と混和すると、淡褐色溶液が得られた。反応混合物を室温で一夜撹拌した。この後、TLCは新たな生成物の形成と一致した(100%ヘキサン)。反応混合物をシリカゲル上に濃縮した。80g SiliCycleカラムによるフラッシュクロマトグラフィー(100%ヘキサン)を用いて生成物を精製した。462mg(39.5%)の1,3−ジクロロ−5−イソチオシアナト−2−(4−トリフルオロメチルフェニルスルファニル)ベンゼンを黄色の油として得た。
メチル N’−シアノ−N−(3,5−ジクロロ−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)フェニル)−カルバムイミドチオエート
シアナミド(112mg,2.67mmol,Eq:2.2)を5−mL丸底フラスコにアルゴンでパージしながら入れた。メタノール中の0.5Mナトリウムメトキシド(2.8mL,1.4mmol,Eq:1.15)を添加し、室温で20分間撹拌した。その間に、1,3−ジクロロ−5−イソチオシアナト−2−(4−トリフルオロメチルフェニルスルファニル)ベンゼン(462mg,1.22mmol,Eq:1.00)を入れた100−mL丸底フラスコをアルゴンでパージし、次いでトルエン(5mL)およびメタノール(10mL)を添加した。シアナミド混合物をイソチオシアネート混合物へシリンジにより移した。室温で75分間撹拌し、次いでヨードメタン(345mg,152μL,2.43mmol,Eq:2.0)を添加した。室温で一夜撹拌した。翌朝、固体は沈殿していなかった。TLCは多重スポットを示した。セライト上へ濃縮し、40gシリカゲルカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;53mL/分での9mL画分中からピークのみを採集した;ヘキサンで平衡化し;乾式で負荷し;ヘキサンで2分間溶離し;28分間かけて0%から50%の酢酸エチル/ヘキサンまで高めた;50%で5分間保持した。509.5mg(93%)のメチル N’−シアノ−N−(3,5−ジクロロ−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)フェニル)カルバムイミドチオエートを白色固体として得た。
N3−(3,5−ジクロロ−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物7)
エタノール(25mL)およびヒドラジン(204mg,200μL,6.37mmol,Eq:5.46)を、メチル N’−シアノ−N−(3,5−ジクロロ−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)フェニル)カルバムイミドチオエート(509.5mg,1.17mmol,Eq:1.00)を入れた250−mL丸底フラスコに添加した。フラスコに冷却器を取り付け、2時間、加熱還流した。室温に冷却した;HPLCは出発物質が残存しないことを示した。溶媒を真空で除去した。白色固体が得られ、それは空気に曝露されると赤色調になった。その物質をHPLCで分析した:10%の不純物が存在した。粗生成物をメタノールに溶解し、セライト上へ濃縮した。24gシリカゲルカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;32mL/分での28mLの画分中からピークのみを採集した;2%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で平衡化し;セライトに乾式で負荷し;2%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で2分間溶離し;13分間かけて2%から10%のメタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)まで高めた;10%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で6.25分間保持した。353mg(72%)のN3−(3,5−ジクロロ−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミンを白色固体として得た。MS:C15H10C12F3N5S [(M+H)+]について計算値 420.0, 実測値 419.8。
N3−(3,5−ジクロロ−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニルスルフィニル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物8)
N3−(3,5−ジクロロ−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物7)(127mg,302μmol,Eq:1.00)を25−mL丸底フラスコに入れ、メタノール(5mL)およびオキソン(187.2mg,305μmol,Eq:1.01)を添加した。反応をHPLCによりモニターした:24時間後、反応はほぼ完了した。反応混合物を水で希釈し、固体を濾別した。〜1時間、風乾し、次いで固体を酢酸エチルに溶解することを試みたが、すべてが溶解したわけではなかった。残りの固体をメタノール/ジクロロメタン混合物に溶解した。酢酸エチルおよびメタノール/ジクロロメタン混合物を合わせてセライト上へ濃縮した。23gの球状シリカゲルのカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;32mL/分での9mLの画分中からピークのみを採集した;4%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で平衡化し;乾式で負荷し;4%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で2分間溶離し;15分間かけて4%から10%のメタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)まで高め;10%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で10分間保持した。76.8mg(58%)のN3−(3,5−ジクロロ−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニルスルフィニル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミンを黄色固体として得た。MS:C15H10C12F3N5OS [(M+H)+]について計算値 436.0, 実測値 435.8。
N3−[3,5−ジクロロ−4−(4−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル)−フェニル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物9)
(2,6−ジクロロ−4−ニトロフェニル)(3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルファン
250−mL丸底フラスコ内で、1,3−ジクロロ−2−フルオロ−5−ニトロベンゼン(1.0g,4.76mmol,Eq:1.00)、3−トリフルオロメチル チオフェノール(848mg,4.76mmol,Eq:1.00)および炭酸カリウム(658mg,4.76mmol,Eq:1.00)をN,N−ジメチルホルムアミドと混和すると、淡褐色懸濁液が得られた。反応混合物を100℃で3時間加熱した。この後、反応混合物を氷に注ぐと黄色懸濁液が得られた。この懸濁液を酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、次いで濃縮すると褐色の油が得られた。粗製物質をそのまま120gのSiliCylcleカラムに最小量の塩化メチレンで負荷することにより精製した。100%ヘキサンからヘキサン中10%酢酸エチルまでの勾配を用いて溶離した。1.62g(92.4%)の不純な生成物が得られた。この物質を、80gカラムを用いてIntelliflash 280で再度精製した;53mL/分での28mLの画分中からピークのみを採集した;ヘキサンで平衡化し;乾式で負荷し;ヘキサンで4分間溶離し;20分間かけて0%から50%のジクロロメタン/ヘキサンまで高めた。730mg(41.6%)の純粋な(2,6−ジクロロ−4−ニトロフェニル)(3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルファンを黄色の油として得た。
3,5−ジクロロ−4−(3−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)アニリン
メタノール(15mL)を、(2,6−ジクロロ−4−ニトロフェニル)(3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルファン(730mg,1.98mmol,Eq:1.00)を入れた250−mL丸底フラスコに入れた。水(5mL)中の鉄(565.6mg,10.1mmol,Eq:5.11)および塩化アンモニウム(1.06g,19.8mmol,Eq:10.0)を添加した。〜1.5時間、加熱還流し、次いでHPLCを行ない、反応が完了したことが示された。反応混合物を室温に冷却し、次いでメタノールですすぎながらセライト床により濾過した。濾液を濃縮し、酢酸エチルを添加した。固体を濾別し、濾液を濃縮した。578.8mg(84%)の3,5−ジクロロ−4−(3−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)アニリンを黄色固体として得た。
1,3−ジクロロ−5−イソチオシアナト−2−(3−トリフルオロメチルフェニルスルファニル)ベンゼン
1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(397mg,2.22mmol,Eq:1.3)およびジクロロメタン(20mL)を、3,5−ジクロロ−4−(3−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)アニリン(578.8mg,1.71mmol,Eq:1.00)を入れた丸底フラスコにアルゴンでパージしながら添加した。週末にわたって撹拌した。HPLCは2つの主なピークを示したが、出発物質を示さなかった。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、セライト上へ濃縮した。40gシリカゲルカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;53mL/分での28mLの画分中からピークのみを採集した;ヘキサンで平衡化し;乾式で負荷し;ヘキサンで2分間溶離し;13分間かけて0%から25%のジクロロメタン/ヘキサンまで高め;25%で3分間保持した。267.5mg(41%)の1,3−ジクロロ−5−イソチオシアナト−2−(3−トリフルオロメチルフェニルスルファニル)−ベンゼンを橙色固体として得た。
(Z)−メチル N’−シアノ−N−(3,5−ジクロロ−4−(3−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)フェニル)−カルバムイミドチオエート
シアナミド(67.2mg,1.6mmol,Eq:2.34)を、10−mL丸底フラスコ内へアルゴンでパージしながら入れた。メタノール中の0.5Mナトリウムメトキシド(1.8mL,900μmol,Eq:1.32)を添加し、室温で20分間撹拌した。その間に、1,3−ジクロロ−5−イソチオシアナト−2−(3−トリフルオロメチルフェニルスルファニル)ベンゼン(260mg,684μmol,Eq:1.00)をトルエン(2.5mL)に溶解し、次いでメタノール(5mL)を添加した(すべてをアルゴンでパージしながら)。20分後、シアナミド混合物をイソチオシアネート混合物にシリンジにより添加した。室温で1.5時間撹拌し、次いでヨードメタン(194mg,85.5μL,1.37mmol,Eq:2.0)を添加し、室温で一夜撹拌した。20時間後のHPLCは反応が完了したことを示した。混合物をメタノールおよび酢酸エチルで希釈した。ヒートガン(heat gun)で加熱沸騰させた。すべての固体が溶解した時点で加熱を止め、セライトを添加した。混合物を濃縮した。25g SiliCycle HPシリカゲルカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;32mL/分での28mLの画分中からピークのみを採集した;25%酢酸エチル/ヘキサンで平衡化し;乾式で負荷し;25%酢酸エチル/ヘキサンで2分間溶離し;15分間かけて25%から60%の酢酸エチル/ヘキサンまで高めた。194mg(64%)の(Z)−メチル N’−シアノ−N−(3,5−ジクロロ−4−(3−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)フェニル)−カルバムイミドチオエートを白色固体として得た。
N3−[3,5−ジクロロ−4−(4−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル)−フェニル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物9)
エタノール(20mL)およびヒドラジン(71.2mg,69.8μL,2.22mmol,Eq:5.00)を、出発物質(Z)−メチル N’−シアノ−N−(3,5−ジクロロ−4−(3−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)フェニル)−カルバムイミドチオエート(194mg,445μmol,Eq:1.00)を入れた250−mL丸底フラスコに添加した。1.25時間、加熱還流すると、HPLCによれば反応は完了した。反応混合物を冷却し、次いで溶媒を真空で除去した。50℃の真空オーブンに3日間入れた。175mg(92%)のN3−[3,5−ジクロロ−4−(4−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル)−フェニル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミンを灰白色固体として得た。1H NMR (DMSO-d6) シフト:11.44 (br. s., 1H), 9.60 (br. s., 1H), 7.84 (s, 2H), 7.42 - 7.61 (m, 2H), 7.12 - 7.40 (m, 2H), 6.08 (s, 2H). MS:C15H10C12F3N5S [(M+H)+]について計算値 420.0, 実測値 419.8。
N3−[3,5−ジクロロ−4−(2−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル)−フェニル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物10)
(2,6−ジクロロ−4−ニトロフェニル)(2−(トリフルオロメチル)フェニル)スルファン
250−mL丸底フラスコ内で、1,3−ジクロロ−2−フルオロ−5−ニトロベンゼン(1.22g,5.81mmol,Eq:1.00)、2−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール(1.01g,5.67mmol,Eq:0.976)および炭酸カリウム(0.98g,7.09mmol,Eq:1.22)をN,N−ジメチルホルムアミド(22mL)と混和すると、淡褐色懸濁液が得られた。反応混合物を100℃で3.5時間加熱した。この後、反応混合物を酢酸エチルと水の間で分配した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮すると褐色の油になった。この粗生成物を塩化メチレンに溶解し、次いで混合物をシリカゲル上に濃縮した。シリカゲルに担持された粗生成物を120gシリカゲルカラムに負荷した。フラッシュクロマトグラフィー(100%ヘキサンからヘキサン中の5%酢酸エチルまでの勾配)により1.76g(82.3%)の(2,6−ジクロロ−4−ニトロフェニル)(2−(トリフルオロメチル)フェニル)スルファンを淡黄色固体として得た。
3,5−ジクロロ−4−(2−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)アニリン
メタノール(40mL)、鉄(1.33g,23.8mmol,Eq:5.0)、塩化アンモニウム(2.55g,47.7mmol,Eq:10)および水(20mL)を、(2,6−ジクロロ−4−ニトロフェニル)(2−(トリフルオロメチル)フェニル)スルファン(1.756g,4.77mmol,Eq:1.00)を入れた250−mL丸底フラスコに入れた。1.5時間、撹拌還流した:HPLCは反応が完了したことを示した。反応混合物を冷却し、次いでメタノールですすぎながらセライト床により濾過した。濃縮し、酢酸エチルを添加した。酢酸エチルですすぎながら固体を濾別し、濾液を濃縮した。1.425g(86%)の3,5−ジクロロ−4−(2−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)アニリンを灰色固体として得た。
1,3−ジクロロ−5−イソチオシアナト−2−(2−トリフルオロメチルフェニルスルファニル)ベンゼン
1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(1.0g,5.61mmol,Eq:1.33)およびジクロロメタン(30mL)を、3,5−ジクロロ−4−(2−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)アニリン(1.425g,4.21mmol,Eq:1.00)を入れた250−mL丸底フラスコに、アルゴンでパージしながら入れた。室温で一夜撹拌した。翌朝、HPLCは出発物質を示さなかった。混合物をジクロロメタンで希釈し、セライト上へ濃縮した。40gシリカゲルカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;53mL/分での28mLの画分中からピークのみを採集した;ヘキサンで平衡化し;乾式で負荷し;ヘキサンで2分間溶離した。次いで15分間かけて0%から25%のジクロロメタン/ヘキサンまで高めた;25%で3分間保持した。980mg(60%)の1,3−ジクロロ−5−イソチオシアナト−2−(2−トリフルオロメチルフェニルスルファニル)ベンゼンを黄色固体として得た。
(Z)−メチル N’−シアノ−N−(3,5−ジクロロ−4−(2−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)フェニル)カルバムイミドチオエート
シアナミド(220.4mg,5.24mmol,Eq:2.04)を25−mL丸底フラスコ内へアルゴンでパージしながら入れた。メタノール中の0.5Mナトリウムメトキシド(6.7mL,3.35mmol,Eq:1.31)を添加し、撹拌を開始した。その間に、イソチオシアネート(975mg,2.56mmol,Eq:1.00)をトルエン(5mL)に溶解し、メタノール(10mL)を添加した(すべてをアルゴンでパージしながら)。10分後、シアナミド混合物をこの出発物質混合物にシリンジにより添加した。室温で2時間撹拌し、次いでヨードメタン(729mg,0.321mL,5.13mmol,Eq:2.00)を添加し、4日間撹拌した。反応混合物をフリーザーに2時間入れ、次いで固体を濾別した。固体を風乾し、濾液をセライト上へ濃縮した。固体は660mgの生成物であった。濾液を24gシリカゲルカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;53mL/分での28mLの画分中からピークのみを採集した;25%酢酸エチル/ヘキサンで平衡化し;乾式で負荷し;25%酢酸エチル/ヘキサンで2分間溶離し;15分間かけて25%から60%の酢酸エチル/ヘキサンまで高め;60%で5分間保持した。202mgの生成物が得られた。合計860mg(76%)の(Z)−メチル N’−シアノ−N−(3,5−ジクロロ−4−(2−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)フェニル)カルバムイミドチオエートを白色固体として得た。
N3−[3,5−ジクロロ−4−(2−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル)−フェニル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物10)
エタノール(30mL)およびヒドラジン(306mg,300μL,9.56mmol,Eq:4.91)を、(Z)−メチル N’−シアノ−N−(3,5−ジクロロ−4−(2−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)フェニル)カルバムイミドチオエート(850mg,1.95mmol,Eq:1.00)を入れた250−mL丸底フラスコに添加した。加熱還流した。1.5時間後、HPLCによれば反応は完了した。反応物を冷却し、真空で濃縮した。50℃の真空オーブンに3日間入れた。860mgの粗生成物が得られた。固体をメタノールに溶解し、セライト上へ濃縮した。40gシリカゲルカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;53mL/分(1分/CV)での28mLの画分中からピークのみを採集した;5%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で平衡化し;乾式で負荷し;5%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で2分間溶離し;12分間かけて5%から10%のメタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)まで高めた。647mg(79%)のN3−[3,5−ジクロロ−4−(2−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル)−フェニル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミンを灰白色固体として得た。MS:C15H10C12F3N5S [(M+H)+]について計算値 420.0, 実測値 419.8。
N3−[3,5−ジクロロ−4−(4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルフィニル)−フェニル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物11)
メタノール(10mL)およびオキソン(843mg,1.37mmol,Eq:4.0)を、N3−(3,5−ジクロロ−4−(3−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物9)(144mg,343μmol,Eq:1.00)を入れた250−mL丸底フラスコに添加した。反応物を60℃で一夜加熱した。HPLCおよびLC/MSはスルホキシドのみが存在することを示した。混合物を室温に冷却した。水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。層を分離し、有機層を飽和塩化ナトリウムで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、セライト上へ濃縮した。24gシリカゲルカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;32mL/分(1分/CV)での9mLの画分中からピークのみを採集した;5%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で平衡化し;乾式で負荷し;5%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で2分間溶離し;12分間かけて5%から10%のメタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)まで高め;10%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で2分間保持した。42mg(26%)のN3−[3,5−ジクロロ−4−(4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルフィニル)−フェニル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミンを黄色固体として得た。MS:C15H10C12F3N5OS [(M+H)+]について計算値 436.0, 実測値 435.8。
4−[4−(5−アミノ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルアミノ)−2,6−ジクロロ−フェニルスルファニル]−ベンゾニトリル(化合物12)
4−(2,6−ジクロロ−4−ニトロフェニルチオ)ベンゾニトリル
250−mL丸底フラスコ内で、1,3−ジクロロ−2−フルオロ−5−ニトロベンゼン(1.5g,7.14mmol,Eq:1.00)、4−メルカプトベンゾニトリル(966mg,7.14mmol,Eq:1.00)および炭酸カリウム(1.09g,7.86mmol,Eq:1.1)をN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)と混和すると、淡褐色懸濁液が得られた。反応混合物を100℃で3.5時間加熱した。この後、混合物を水に注入すると黄色懸濁液が得られた。この懸濁液を酢酸エチルで抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮すると、粗生成物が黄色の油として得られた。この生成物を塩化メチレンに溶解し、得られた溶液をシリカゲル上に濃縮した。シリカゲルに担持された粗生成物を120gシリカゲルカラムに負荷した。フラッシュクロマトグラフィー(100%ヘキサンからヘキサン中の5%酢酸エチルまでの勾配)により、1.31g(56.4%)の4−(2,6−ジクロロ−4−ニトロフェニルチオ)ベンゾニトリルを黄色固体として得た。
4−(4−アミノ−2,6−ジクロロフェニルチオ)ベンゾニトリル
塩化アンモニウム(2.37g,44.3mmol,Eq:10.0)、鉄(1.24g,22.1mmol,Eq:5.0),メタノール(30mL)および水(10mL)を、4−(2,6−ジクロロ−4−ニトロフェニルチオ)ベンゾニトリル(1.44g,4.43mmol,Eq:1.00)を入れた250−mL丸底フラスコに添加した。加熱還流した。1.25時間後、HPLCによれば反応は完了した。反応混合物を室温に冷却し、次いで大量のメタノールですすぎながら混合物をセライト床により濾過した。濾液を濃縮し、次いで酢酸エチルを添加し、固体を濾別した。濾液を濃縮し、週末にわたって50℃の真空オーブン内で乾燥させた。567mg(40%)の4−(4−アミノ−2,6−ジクロロフェニルチオ)ベンゾニトリルを黄色固体として得た。
4−(2,6−ジクロロ−4−イソチオシアナトフェニルスルファニル)ベンゾニトリル
ジクロロメタン(10mL)および1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(440mg,2.47mmol,Eq:1.3)を、4−(4−アミノ−2,6−ジクロロフェニルチオ)ベンゾニトリル(560mg,1.9mmol,Eq:1.00)を入れた250−mL丸底フラスコに添加した。室温で一夜撹拌した。TLC(1:3 酢酸エチル/ヘキサン)は、出発物質が残存することを示した。さらに1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(440mg,2.47mmol,Eq:1.3)を添加し、一夜撹拌した。TLCは再び大きな出発物質スポットを示したが、HPLCおよびLC/MSはそれが出発物質ではないことを示した。反応混合物をセライト上へ濃縮した。24gシリカゲルカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;32mL/分での28mLの画分中からピークのみを採集した;ヘキサンで平衡化し;乾式で負荷し;ヘキサンで2分間溶離し;10分間かけて0%から15%のジクロロメタン/ヘキサンまで高めたが、溶離したピークはなかった。20分間かけて15%から50%のジクロロメタン/ヘキサンまで高めた。351mg(52%)の4−(2,6−ジクロロ−4−イソチオシアナトフェニルスルファニル)ベンゾニトリルを白色固体として得た。
(Z)−メチル N’−シアノ−N−(3,5−ジクロロ−4−(4−シアノフェニルチオ)フェニル)−カルバムイミドチオエート
アルゴンでパージしながら、シアナミド(147mg,3.5mmol,Eq:3.42)を10mL丸底フラスコに入れ、次いでメタノール中の0.5Mナトリウムメトキシド(2.66mL,1.33mmol,Eq:1.3)を添加した。室温で〜15分間撹拌した。その間に、4−(2,6−ジクロロ−4−イソチオシアナトフェニルスルファニル)ベンゾニトリル(345mg,1.02mmol,Eq:1.00)をトルエン(3mL)に溶解し、次いでメタノール(7mL)を添加した。シアナミド混合物をイソチオシアネート混合物にシリンジにより添加した。室温で1時間撹拌し、次いでアリコートをHPLC用に取り出した:ごく少量の出発物質が残存していた。ヨードメタン(295mg,0.130mL,2.08mmol,Eq:2.03)をこの時点で添加した。週末にわたって撹拌した。白色沈殿が生成した。反応混合物をフリーザーに4時間入れた。冷メタノールですすぎながら固体を濾別した。風乾すると204mgの白色固体が得られ、それは1H NMR、LC/MSおよびHPLCによれば純粋な生成物であった。濃縮した濾液もセライト上へ濃縮し、40gシリカゲルカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;53mL/分での9mLの画分中からピークのみを採集した;20%酢酸エチル/ヘキサンで平衡化し;乾式で負荷し;20%酢酸エチル/ヘキサンで2分間溶離し;15分間かけて20%から50%の酢酸エチル/ヘキサンまで高めた;50%酢酸エチル/ヘキサンで3分間保持した。40mgの生成物が得られた。合計240mg(59%の収率)の(Z)−メチル N’−シアノ−N−(3,5−ジクロロ−4−(4−シアノフェニルチオ)フェニル)カルバムイミドチオエートを白色固体として得た。
4−[4−(5−アミノ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルアミノ)−2,6−ジクロロ−フェニルスルファニル]−ベンゾニトリル(化合物12)
エタノール(10mL)およびヒドラジン(117mg,115μL,3.66mmol,Eq:6.0)を、(Z)−メチル N’−シアノ−N−(3,5−ジクロロ−4−(4−シアノフェニルチオ)フェニル)カルバムイミドチオエート(240mg,610μmol,Eq:1.00)を入れた丸底フラスコに添加した。1時間、加熱還流した。比較的多量の固体が反応混合物中に存在することが認められた。アリコートを取り出し、固体をアセトニトリル/メタノール混合物に加熱溶解することを試みたが、すべてが溶解することはないと思われた。混合物を室温に冷却した。反応混合物をフリーザーに2時間入れた。冷エタノールですすぎながら固体を濾別した。一夜風乾した。196mg(85%)の4−[4−(5−アミノ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルアミノ)−2,6−ジクロロ−フェニルスルファニル]−ベンゾニトリルを白色固体として得た。MS:C15H10C12N6S [(M+H)+]について計算値 377.0, 実測値 376.8。
4−[4−(5−アミノ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルアミノ)−2,6−ジクロロ−ベンゼンスルフィニル]−ベンゾニトリル(化合物13)
4−(4−(5−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イルアミノ)−2,6−ジクロロフェニルチオ)ベンゾニトリル(化合物12)(160mg,424μmol,Eq:1.00;Joe 中間体G)を5−mL丸底フラスコに入れ、次いでメタノール(10mL)およびオキソン(1.3g,2.12mmol,Eq:5.0)を添加した。3日間にわたって加熱還流した。室温に冷却し、HPLCを行なったところ、出発物質は残存しなかった。メタノールですすぎながら濾過し、濾液をセライト上へ濃縮した。25gの小粒度シリカゲルのカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;33mL/分(〜1分/CV)での9mLの画分中からピークのみを採集した;5%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で平衡化し;乾式で負荷し;5%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で2分間溶離し;18分間かけて5%から10%のメタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)まで高めた;10%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で4分間保持した。5.5mg(3%)の4−[4−(5−アミノ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルアミノ)−2,6−ジクロロ−ベンゼンスルフィニル]−ベンゾニトリルを褐色固体として得た。MS:C15H10C12N6OS [(M+H)+]について計算値 393.0, 実測値 392.8。
4−[4−(5−アミノ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルアミノ)−2,6−ジクロロ−ベンゼンスルフィニル]−ベンゾニトリル(化合物14)
4−(4−(5−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イルアミノ)−2,6−ジクロロフェニルチオ)ベンゾニトリル(化合物12)(160mg,424μmol,Eq:1.00)を5−mL丸底フラスコに入れ、次いでメタノール(10mL)およびオキソン(1.3g,2.12mmol,Eq:5.0)を添加した。3日間にわたって加熱還流した。室温に冷却し、HPLCを行なって、出発物質は残存しなかった。メタノールですすぎながら濾過し、濾液をセライト上へ濃縮した。25gの小粒度シリカゲルのカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;33mL/分(〜1分/CV)での9mLの画分中からピークのみを採集した;5%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で平衡化し;乾式で負荷し;5%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で2分間溶離し;18分間かけて5%から10%のメタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)まで高め;10%メタノール/ジクロロメタン(1%の水酸化アンモニウムを含有)で4分間保持した。17.2mg(9.6%)の4−[4−(5−アミノ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルアミノ)−2,6−ジクロロ−ベンゼンスルホニル]−ベンゾニトリルを褐色固体として得た。MS:C15H10C12N6O2S [(M+H)+]について計算値 409.0, 実測値 408.8。
4−[4−(5−アミノ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルアミノ)−2−クロロ−6−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル]−安息香酸 メチルエステル(化合物15)
4−(2−クロロ−4−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)ベンゾエート
250−mL丸底フラスコ内で、1−クロロ−2−フルオロ−5−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゼン(1.5g,6.16mmol,Eq:1.00)、4−メルカプト安息香酸メチル(1.1g,6.54mmol,Eq:1.06)および炭酸カリウム(851mg,6.16mmol,Eq:1.00)をN,N−ジメチルホルムアミド(25mL)と混和すると、淡褐色懸濁液が得られた。反応混合物を100℃で7時間加熱した。この後、反応混合物を室温に冷却した。反応混合物を水と酢酸エチルの間で分配した。有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、濾過し、次いで濃縮した。粗生成物(褐色の油)をそのまま120g ISCOカラムに負荷した。フラッシュクロマトグラフィーにより5つの生成物バンドが得られた。1H NMRによれば、第2溶出バンドが目的生成物であった。1.0g(41.4%)の4−(2−クロロ−4−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)ベンゾエートを黄色固体として得た。
メチル 4−(4−アミノ−2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)ベンゾエート
500−mL丸底フラスコ内で、メチル 4−(2−クロロ−4−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)ベンゾエート(1.0g,2.55mmol,Eq:1.00)、鉄(713mg,12.8mmol,Eq:5)および塩化アンモニウム(1.37g,25.5mmol,Eq:10)をメタノール(8.5mL)と混和すると、黄色懸濁液が得られた。水を添加した。反応混合物を100℃で2時間加熱した。この後、反応混合物は赤れんが色の懸濁液であった。反応混合物を室温に冷却し、次いで濾過した。メタノールのほぼ半分を蒸発除去した。得られた溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルの間で分配した。有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して、0.790g(85.5%)のメチル 4−(4−アミノ−2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)ベンゾエートを黄色の油性固体として得た。この生成物をそれ以上精製せずに使用した。
4−(2−クロロ−4−イソチオシアナト−6−トリフルオロメチルフェニルスルファニル)安息香酸メチルエステル
ジクロロメタン(30mL)および1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(0.57g,3.2mmol,Eq:1.45)を、メチル 4−(4−アミノ−2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)ベンゾエート(800mg,2.21mmol,Eq:1.00)を入れた100−mL丸底フラスコに添加した。室温で1時間撹拌し;TLC(1:3 酢酸エチル/ヘキサン)を行なった:出発物質のみが存在するように見えた。さらに2時間撹拌し、TLCを行なったが、なお出発物質であった。一夜(18時間)撹拌した。出発物質の回収を試みた。ジクロロメタンで希釈し、セライト上へ濃縮した。40gシリカゲルカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;53mL/分での28mLの画分中からピークのみを採集した;10%酢酸エチル/ヘキサンで平衡化し;乾式で負荷し;10%酢酸エチル/ヘキサンで2分間溶離し;8分間かけて10%から30%のジクロロメタン/ヘキサンまで高め;30%で2分間保持し;8分間かけて30%から50%まで高めた。379.7mg(42%)の4−(2−クロロ−4−イソチオシアナト−6−トリフルオロメチルフェニルスルファニル)安息香酸メチルエステルが黄色の粘稠な油として得られ、それは一夜で部分的に凝固した;出発物質は回収されず、生成物のみであった。
メチル 4−(2−クロロ−4−((シアノイミノ)(メチルチオ)メチルアミノ)−6−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)−ベンゾエート
シアナミド(1.6g,38.1mmol)を100−mL丸底フラスコに入れた;0.5Mナトリウムメトキシド(37.5mL,17.75mmol)を添加し、室温で30分間撹拌した。その間に、トルエン(3.8mL)およびメタノール(4mL)を、4−(2−クロロ−4−イソチオシアナト−6−トリフルオロメチルフェニルスルファニル)安息香酸メチルエステル(380mg,941μmol,Eq:1.00)を入れた100−mL丸底フラスコに添加した。シアナミド混合物(2.45mL,1.22mmol,Eq:1.3)を、この出発物質にシリンジにより添加した。室温で撹拌し、TLC(1:3 酢酸エチル/ヘキサン)によりモニターした;2.5時間後、出発物質は消費されていた。ヨードメタン(272mg,120μL,1.92mmol,Eq:2.04)を添加し、室温で撹拌した。1.5時間後、TLC(100%酢酸エチル)を行なった:反応は完了していた。反応混合物を250−mL丸底フラスコへ移し、セライト上へ濃縮した。40gシリカゲルカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;35mL/分での28mLの画分中からピークのみを採集した;50%酢酸エチル/ヘキサンで平衡化し;乾式で負荷し;50%酢酸エチル/ヘキサンで2分間溶離し;20分間かけて50%から100%の酢酸エチル/ヘキサンまで高めた。197mg(45.5%)のメチル 4−(2−クロロ−4−((シアノイミノ)(メチルチオ)メチルアミノ)−6−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)ベンゾエートを白色固体として得た。
4−[4−(5−アミノ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルアミノ)−2−クロロ−6−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル]−安息香酸 メチルエステル(化合物15)
エタノール(10mL)およびヒドラジン(102mg,100μL,3.19mmol,Eq:7.44)を、メチル 4−(2−クロロ−4−((シアノイミノ)(メチルチオ)メチルアミノ)−6−(トリフルオロメチル)フェニルチオ)ベンゾエート(197mg,428μmol,Eq:1.00)を入れた100−mL丸底フラスコに添加した。1時間環流した;TLC(100%酢酸エチル)およびLC/MSにより反応の完了を確認した。反応混合物を真空で濃縮した。70oCの真空オーブン内で高真空下に乾燥させた。184.5mg(97%)の4−[4−(5−アミノ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルアミノ)−2−クロロ−6−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル]−安息香酸メチルエステルを灰白色固体として得た。MS:C17H13ClF3NO2S [(M+H)+]について計算値 444.0, 実測値 408.8。
N3−[3,5−ジクロロ−4−(4−メトキシ−フェニルスルファニル)−フェニル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物16)
(2,6−ジクロロ−4−ニトロフェニル)(4−メトキシフェニル)スルファン
250−mL丸底フラスコ内で、4−メトキシベンゼンチオール(1.00g,633μl,7.14mmol,Eq:1.00)、1,3−ジクロロ−2−フルオロ−5−ニトロベンゼン(1.5g,7.14mmol,Eq:1.00)および炭酸カリウム(990mg,7.16mmol,Eq:1.00)をN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)と混和すると、黄色懸濁液が得られた。反応混合物を室温で一夜撹拌した。翌朝、TLCは完了に達した反応と一致した。反応混合物を水に注入すると、黄色の混濁した懸濁液が得られた。この懸濁液を酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで濃縮すると褐色の油が得られ、それをそのまま120gシリカゲルカラムに負荷した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の5−15%EtOAC)を用いて生成物を精製したが、この精製はそれほど有効ではなかった。生成物を含有する画分を濃縮した。1H NMRは、生成物がごく少量の不純物を含む生成物と一致することを示した。2.2g(93.3%)の(2,6−ジクロロ−4−ニトロフェニル)(4−メトキシフェニル)スルファンを黄色の油として得た。
3,5−ジクロロ−4−(4−メトキシフェニルチオ)アニリン
鉄(1.78g,31.8mmol,Eq:5.0)、塩化アンモニウム(3.4g,63.6mmol,Eq:10.0)およびメタノール(80mL)を、(2,6−ジクロロ−4−ニトロフェニル)(4−メトキシフェニル)スルファン(2.1g,6.36mmol,Eq:1.00)を入れた500−mL丸底フラスコに入れた。加熱還流した;2時間後、TLC(1:3 酢酸エチル/ヘキサン)およびLC/MSによれば反応は完了した。混合物を室温に冷却し、次いで多量のメタノールですすぎながらセライト床により濾過した。濾液を真空で濃縮した。酢酸エチルを残留物に添加し、固体を濾別した。濾液を濃縮すると1.87g(98%)の3,5−ジクロロ−4−(4−メトキシフェニルチオ)アニリンが暗褐色の油として得られ、それは経時的に凝固した。
1,3−ジクロロ−5−イソチオシアナト−2−(4−メトキシフェニルスルファニル)ベンゼン
ジクロロメタン(50mL)および1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(1.44g,8.1mmol,Eq:1.3)を、3,5−ジクロロ−4−(4−メトキシフェニルチオ)アニリン(1.87g,6.23mmol,Eq:1.00)を入れた250−mL丸底フラスコに入れた。室温で撹拌した。反応をTLC(1:3 酢酸エチル/ヘキサン)によりモニターした。週末にわたって撹拌した。反応物をジクロロメタンで希釈し、セライトを添加し、濃縮した。40gシリカゲルカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;53mL/分での28mLの画分中からピークのみを採集した;ヘキサンで平衡化し;乾式で負荷し;ヘキサンで2分間溶離し;10分間かけて0%から25%のジクロロメタン/ヘキサンまで高め;25%で5.5分間保持し;40%のジクロロメタン/ヘキサンへ上げて5分間保持した。861mg(40%)の1,3−ジクロロ−5−イソチオシアナト−2−(4−メトキシフェニルスルファニル)ベンゼンを橙色の油として得た。
(Z)−メチル N’−シアノ−N−(3,5−ジクロロ−4−(4−メトキシフェニルチオ)フェニル)カルバムイミドチオエート
シアナミド(440mg,10.5mmol)および0.5Mナトリウムメトキシド(10.0mL,5.0mmol)を混和した。次いで若干のシアナミド混合物(6.04mL,3.02mmol,Eq:1.2)を、メタノール(15mL)およびトルエン(3mL)中の1,3−ジクロロ−5−イソチオシアナト−2−(4−メトキシフェニルスルファニル)ベンゼン(861mg,2.52mmol,Eq:1.00)の混合物に添加した。室温で撹拌した。1時間後、TLC(1:3 酢酸エチル/ヘキサン)は出発物質が消費されたことを示した。ヨードメタン(714mg,315μL,5.03mmol,Eq:2.0)を添加し、一夜撹拌した。夜のうちに固体が析出した。反応混合物をフリーザーに3時間入れた。冷メタノールですすぎながら固体を濾別し、2時間、風乾した。729mg(73%)の(Z)−メチル N’−シアノ−N−(3,5−ジクロロ−4−(4−メトキシフェニルチオ)フェニル)カルバムイミドチオエートを黄色固体として得た。
N3−[3,5−ジクロロ−4−(4−メトキシ−フェニルスルファニル)−フェニル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物16)
エタノール(15mL)およびヒドラジン(292mg,0.286mL,9.11mmol,Eq:5.01)を、(Z)−メチル N’−シアノ−N−(3,5−ジクロロ−4−(4−メトキシフェニルチオ)フェニル)カルバムイミドチオエート(725mg,1.82mmol,Eq:1.00)を入れた50−mL丸底フラスコに添加した。30分間、加熱還流した(その間に、黄色固体が溶解し、次いで白色固体が急激に析出した):TLC(10%メタノール/ジクロロメタン,1%の水酸化アンモニウムを含有)は、すべての出発物質が消費されたことを示した。室温に冷却した。反応混合物をフリーザーに〜2時間入れた。冷エタノールですすぎながら固体を濾別した。フリット上で1時間、風乾した。596mg(86%)のN3−[3,5−ジクロロ−4−(4−メトキシ−フェニルスルファニル)−フェニル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミンを白色の綿毛状固体として得た。MS:C15H13C12N5OS [(M+H)+]について計算値 382.0, 実測値 381.9。
N3−[3−クロロ−4−(4−メトキシ−フェニルスルファニル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物17)
2−クロロ−4−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−メトキシフェニル)スルファン
250−mL丸底フラスコ内で、4−メトキシベンゼンチオール(1.00g,633μl,7.14mmol,Eq:1.00)、1,3−ジクロロ−2−フルオロ−5−ニトロベンゼン(1.5g,7.14mmol,Eq:1.00)および炭酸カリウム(990mg,7.16mmol,Eq:1.00)をN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)と混和すると、黄色懸濁液が得られた。反応混合物を室温で一夜撹拌した。翌朝、TLCは完了に達した反応と一致した。反応混合物を水に注入すると、黄色の混濁した懸濁液が得られた。この懸濁液を酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで濃縮すると褐色の油が得られ、それをそのまま120gシリカゲルカラムに負荷した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の5−15%酢酸エチル)を用いて生成物を精製したが、この精製はそれほど有効ではなかった。生成物を含有する画分を濃縮した。1H NMRは、生成物がごく少量の不純物を含む生成物と一致することを示した。生成物は次の工程に使用するのに十分なほど純粋であった。1.87g(83.5%)の2−クロロ−4−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−メトキシフェニル)スルファンを得た。
3−クロロ−4−(4−メトキシフェニルチオ)−5−(トリフルオロメチル)アニリン
鉄(1.44g,25.7mmol,Eq:5.0)、塩化アンモニウム(2.75g,51.4mmol,Eq:10.0)およびメタノール(80mL)を、(2−クロロ−4−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−メトキシフェニル)スルファン(1.87g,5.14mmol,Eq:1.00)を入れた500−mL丸底フラスコに入れた。加熱還流した;2時間後、TLC(1:3 酢酸エチル/ヘキサン)およびLC/MSによれば反応は完了した。混合物を室温に冷却し、次いで多量のメタノールですすぎながらセライト床により濾過した。濾液を真空で濃縮した。酢酸エチルを残留物に添加し、固体を濾別した。濾液を濃縮して、3−クロロ−4−(4−メトキシフェニルチオ)−5−(トリフルオロメチル)アニリン(1.32g,3.95mmol,76.9%の収率)を赤橙色固体として得た。
クロロ−5−イソチオシアナト−2−(4−メトキシフェニルスルファニル)−3−トリフルオロメチルベンゼン
ジクロロメタン(50mL)および1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(916mg,5.14mmol,Eq:1.3)を、3−クロロ−4−(4−メトキシフェニルチオ)−5−(トリフルオロメチル)アニリン(1.32g,3.95mmol,Eq:1.00)を入れた250−mL丸底フラスコに入れた。室温で撹拌した。反応をTLC(1:3 酢酸エチル/ヘキサン)によりモニターし、週末にわたって室温で撹拌し、TLCにより反応が完了したことを確認した。反応物をジクロロメタンで希釈し、セライトを添加し、濃縮した。40gシリカゲルカラムを用いてIntelliflash 280で精製した;53mL/分での28mLの画分中からピークのみを採集した;ヘキサンで平衡化した;乾式で負荷し;ヘキサンで2分間溶離し;18分間かけて0%から40%のジクロロメタン/ヘキサンまで高めた。612mg(41%)の1−クロロ−5−イソチオシアナト−2−(4−メトキシフェニルスルファニル)−3−トリフルオロメチルベンゼンを橙色の油として得た。
(Z)−メチル N−3−クロロ−4−(4−メトキシフェニルチオ)−5−(トリフルオロメチル)フェニル−N’−シアノカルバムイミドチオエート
シアナミド(440mg,10.5mmol)および0.5Mナトリウムメトキシド(10.0mL,5.0mmol)を混和した。このシアナミド混合物(3.91mL,1.95mmol,Eq:1.2)を、1−クロロ−5−イソチオシアナト−2−(4−メトキシフェニルスルファニル)−3−トリフルオロメチルベンゼン(612mg,1.63mmol,Eq:1.00)のメタノール(10mL)およびトルエン(2mL)中における混合物に添加した。室温で撹拌した。1時間後、TLC(1:3 酢酸エチル/ヘキサン)は出発物質が消費されたことを示した。ヨードメタン(462mg,204μL,3.26mmol,Eq:2.0)を添加し、一夜撹拌した。夜のうちに固体が析出した。反応混合物をフリーザーに3時間入れた。冷メタノールですすぎながら固体を濾別し、2時間、風乾した。412mg(59%)の(Z)−メチル N−3−クロロ−4−(4−メトキシフェニルチオ)−5−(トリフルオロメチル)フェニル−N’−シアノカルバムイミドチオエートを淡黄色固体として得た。
N3−[3−クロロ−4−(4−メトキシ−フェニルスルファニル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物17)
エタノール(15mL)およびヒドラジン(151mg,0.148mL,4.72mmol,Eq:5.00)を、(Z)−メチル N−3−クロロ−4−(4−メトキシフェニルチオ)−5−(トリフルオロメチル)フェニル−N’−シアノカルバムイミドチオエート(407mg,942μmol,Eq:1.00)を入れた50−mL丸底フラスコに添加した。室温で40分間撹拌し、次いで20分間、加熱還流した:TLC(10%メタノール/ジクロロメタン,1%の水酸化アンモニウムを含有)は、すべての出発物質が消費されたことを示した。室温に冷却した。溶媒を真空で除去した。367mg(94%)のN3−[3−クロロ−4−(4−メトキシ−フェニルスルファニル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミンを白色固体として得た。MS:C16H13ClF3N5OS [(M+H)+]について計算値 416.0, 実測値 415.9。
N3−[3,5−ジクロロ−4−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−フェニル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物18)
N3−(3,5−ジクロロ−4−(4−メトキシフェニルチオ)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物16)(150mg,392μmol,Eq:1.00)、オキソン(1.21g,1.96mmol,Eq:5.00)およびメタノール(5mL)を一緒に、25−mL丸底フラスコ内で混和した。室温で一夜、開放状態で(open to the air)撹拌した。TLC(10%メタノール/ジクロロメタン,1%の水酸化アンモニウムを含有)は、新たな、より極性の高いスポットを示した;LC/MSはスルホキシドおよび出発物質のみを示した。反応混合物を密閉チューブへ移し、70℃で4時間加熱した。LC/MSは、スルホキシドおよびごく小さなスルホンのピークを示した。70℃で一夜加熱した。LC/MSはわずかに大きなスルホンのピークを示したが、大部分はまだスルホキシドであった。90℃で3日間加熱した:LC/MSは、比例してより多量のスルホンを示した。さらにオキソン(605mg,98mmol,Eq:2.5)を追加し、105℃に加熱したが、スルホンはなおごく少量であった。仕上げ処理することを決定した:メタノールですすぎながら固体を濾別した。濾液を濃縮し、分取HPLCにより精製した。9.5mg(6%)のN3−[3,5−ジクロロ−4−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−フェニル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミンをろう状の黄色固体として得た。MS:C15H13C12N5O3S [(M+MeCN+H)+]について計算値 455.0, 実測値 454.8。
N3−[3,5−ジクロロ−4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−フェニル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物19)
1,3−ジクロロ−2−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−5−ニトロ−ベンゼン
1,3−ジクロロ−2−フルオロ−5−ニトロベンゼン(2.09g,10mmol)のDMF(20mL)中における撹拌溶液に、K2CO3(2.06g,15mmol)および4−(メチルスルホニル)フェノール(1.72g,10mmol)を添加した。反応混合物を110℃で3時間撹拌した。反応物を水(100mL)に注入し、ジエチルエーテル(3×25mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を蒸発させて、3.48g(96%)の目的生成物を灰白色固体として得た。
1,3−ジクロロ−2−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−5−アミノ−ベンゼン
1,3−ジクロロ−2−(4−(メチルスルホニル)フェノキシ)−5−ニトロベンゼン(3.4g,9.39mmol)および10% Pd/C(0.5g,0.47mmol)のEtOAc(100mL)中における懸濁液を、50PSIで3時間、室温で水素化した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して、3.02g(97%)の目的生成物を白色固体として得た。MS +m/z: 331.9 (M+H)+
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 3.19 (s, 3 H) 5.74 (s, 2 H) 6.56 - 7.22 (m, 4 H) 7.89 (d, J=8.67 Hz, 2 H)。
(E)−メチル N’−シアノ−N−(3,5−ジクロロ−4−(4−(メチルスルホニル)フェノキシ)フェニル)カルバムイミドチオエート
1,3−ジクロロ−2−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−5−アミノ−ベンゼン(332mg,1mmol)のピリジン(5mL)中における溶液に、ジメチル シアノカルボンイミドジチオエート(146mg,1mmol)を添加した。反応混合物を3時間、加熱還流した。溶媒を蒸発により除去し、残留物をクロマトグラフィー処理して(塩化メチレン)、242mg(56%)の目的生成物を褐色固体として得た。MS +m/z: 429.8 (M+H)+。
N3−[3,5−ジクロロ−4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−フェニル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物19)
(E)−メチル N’−シアノ−N−(3,5−ジクロロ−4−(4−メチルスルホニル)フェノキシ)フェニル)カルバムイミドチオエート(240mg,0.558mmol)のTHF(4mL)およびメタノール(2mL)中における溶液に、ヒドラジン(35.7mg,0.035μL,1.12mmol)を添加した。反応混合物を室温で一夜撹拌した。溶媒を除去し、残留物をコンビフラッシュ (combiflash)の装置でクロマトグラフィー処理して(5%メタノール/塩化メチレン,次いで5%メタノール/EtOAc)、178mg(77%)の目的生成物を白色固体として得た。MS +m/z: 413.8 (M+H)+。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 3.20 (s, 3 H) 6.02 (br. s., 2 H) 7.07 (d, J=8.85 Hz, 2 H) 7.67 - 8.00 (m, 4 H) 9.29 (s, 1 H) 11.32 (s, 1 H)。
N3−[3−クロロ−4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物20)
クロロ−2−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−5−ニトロ−3−トリフルオロメチル−ベンゼン
1−クロロ−2−フルオロ−3−トリフルオロメチル−5−ニトロベンゼン(1.42g,5.81mmol)のDMF(20mL)中における撹拌溶液に、K2CO3(2.06g,15mmol)および4−(メチルスルホニル)フェノール(1.0g,5.81mmol)を添加した。反応混合物を110℃で3時間撹拌した。反応物を水(100mL)に注入し、混合物をトルエン(3×25mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を蒸発させて、1.82g(79%)の目的生成物を灰白色固体として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 3.24 (s, 3 H) 7.23 (d, J=8.85 Hz, 2H) 7.94 (d, J=8.85 Hz, 2 H) 8.60 (d, J=2.45 Hz, 1 H) 8.93 (d, J=2.45 Hz, 1 H)。
クロロ−2−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−5−アミノ−3−トリフルオロメチル−ベンゼン
1−クロロ−2−(4−(メチルスルホニル)フェノキシ)−5−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゼン(1.8g,4.55mmol)およびPd/C(10%,120mg,0.115mmol)の酢酸エチル(50mL)中における懸濁液を、50PSIで3時間、水素化した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して、1.59g(96%)の目的生成物を白色固体として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 3.20 (s, 3 H) 5.94 (s, 2 H) 6.91 - 7.10 (m, 4 H) 7.87 (d, J=8.85 Hz, 2 H)。
(E)−メチル N−3−クロロ−4−(4−(メチルスルホニル)フェノキシ)−5−(トリフルオロメチル)フェニル−N’−シアノカルバムイミドチオエート
3−クロロ−4−(4−(メチルスルホニル)フェノキシ)−5−(トリフルオロメチル)アニリン(182mg,0.50mmol)のTHF(4mL)中における撹拌溶液に、THF中の1Mカリウムtert−ブトキシド(0.50mL,0.50mmol)を滴加した。反応混合物を室温で15分間撹拌し、その後、ジメチルシアノカルボンイミドジチオエート(73mg,0.50mmol)を添加し、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を除去し、残留物をクロマトグラフィー処理して(100%塩化メチレンから5%メタノール/塩化メチレンまでの勾配)、60mg(26%)の目的生成物を橙色固体として得た。MS +m/z: 463.63 (M+H)+。
N3−[3−クロロ−4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物20)
(Z)−メチル N−3−クロロ−4−(4−(メチルスルホニル)フェノキシ)−5−(トリフルオロメチル)フェニル−N’−シアノカルバムイミドチオエート(60mg,0.129mmol)のメタノール(3mL)中における室温での撹拌溶液に、ヒドラジン 1水和物(5mg,0.155mmol)を添加した。反応混合物を3時間撹拌し、その後、溶媒を1.5mLに減らし、メンブレンフィルターにより濾過し、次いでHPLCに負荷した。目的ピークを採集して、11mg(19%)の目的生成物を白色固体として得た。MS +m/z: 447.9 (M+H)+。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 3.20 (s, 12 H) 6.05 (br. s., 2 H) 7.07 (d, J=8.67 Hz, 2 H) 7.88 (d, J=8.67 Hz, 2 H) 7.95 - 7.98 (m, 1 H) 8.10 (s, 1 H) 9.47 (s, 1 H) 11.38 (br. s., 1 H)。
N5−(3−ベンジルオキシ−5−クロロ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物21)
1−(ベンジルオキシ)−3−クロロ−5−イソチオシアナトベンゼン
3−(ベンジルオキシ)−5−クロロアニリン(775mg,3.32mmol)およびチオカルボニルジイミダゾール(887mg,4.97mmol)を、CH2Cl2(12mL)溶液中で一夜撹拌した。1−(ベンジルオキシ)−3−クロロ−5−イソチオシアナトベンゼン(870mg,95%)を反応混合物から直接にカラムクロマトグラフィー(8:1,ヘキサン:EtOAc)により褐色の油として精製した。
(Z)−メチル 3−(ベンジルオキシ)−5−クロロ−N−シアノベンゾイミデート
N−ソジオシアナミド(222mg,3.47mmol)を、1−(ベンジルオキシ)−3−クロロ−5−イソチオシアナトベンゼン(896mg,6.3mmol)のCH3OH(20mL)中における溶液に添加した。1.5時間撹拌した後、ヨードメタン(395μL,6.31mmol))を添加し、反応混合物を60時間撹拌した。次いですべての揮発性成分を減圧下で除去し、(Z)−メチル 3−(ベンジルオキシ)−5−クロロ−N−シアノベンゾイミデート(240mg,24%)をカラムクロマトグラフィー(4:1から1:1までのヘキサン:EtOAc)により単離した。
N5−(3−ベンジルオキシ−5−クロロ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物21)
(Z)−メチル 3−(ベンジルオキシ)−5−クロロ−N−シアノベンゾイミデート(85mg,0.28mmol)およびヒドラジン(200μL,6.37mmol)をエタノール(2mL)中で85℃に16時間加熱した。冷却後、すべての揮発性成分を減圧下で除去すると固体が得られ、それからN5−(3−ベンジルオキシ−5−クロロ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(33mg,37%)を白色固体としてカラムクロマトグラフィー(10%CH3OH/CH2Cl2)により単離した。MH+ = 316.0。
N3−(3−クロロ−4−(フェニルチオ)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物22)
2−クロロ−4−ニトロ−1−フェニルスルファニル−ベンゼン
250mL丸底フラスコ内で、2−クロロ−1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(4.0g,22.8mmol,Eq:1.00)、チオフェノール(2.34mL,22.8mmol,Eq:1.00)および炭酸カリウム(6.3g,45.6mmol,Eq:2.0)をDMF(45.6mL)と混和すると、淡褐色懸濁液が得られた。反応混合物を100℃で一夜加熱した。翌朝、反応混合物を室温に冷却し、水と酢酸エチルの間で分配した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濃縮すると褐色の油が得られた。この粗生成物を塩化メチレンに溶解し、この溶液をシリカゲル上に濃縮した。シリカゲルに担持された粗生成物を220g SiliCycleカラムに負荷した。フラッシュクロマトグラフィー(5−10%酢酸エチル−ヘキサン)により2−クロロ−4−ニトロ−1−フェニルスルファニル−ベンゼン(7.5g,100%)を得た。
3−クロロ−4−(フェニルチオ)アニリン
250mL丸底フラスコ内で、2−クロロ−4−ニトロ−1−フェニルスルファニル−ベンゼン(3.31g,12.5mmol,Eq:1.00)、鉄(3.48g,55.85mmol,Eq:5.0)および塩化アンモニウム(6.66g,53.49mmol,Eq:10)をメタノール(33mL)と混和すると、淡褐色懸濁液が得られた。水(16.6mL)を添加すると、反応混合物は乳白色懸濁液になった。反応混合物を6時間還流した。反応混合物を濾過し、濃縮して、メタノールの大部分を除去した。得られた粗製懸濁液を酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濃縮して、3−クロロ−4−(フェニルチオ)アニリン(2.47g,44%)をわずかに黄褐色の油として得た。
(2−クロロ−4−イソチオシアナトフェニル)(フェニル)スルファン
250mL丸底フラスコ内で、チオホスゲン(884μL,11.5mmol,Eq:1.1)および炭酸カルシウム(1.05g,10.5mmol,Eq:1.00)をジクロロメタン(37.4mL)および水と0℃で混和すると、黄色懸濁液が得られた。反応混合物を0℃でアルゴン下に10分間撹拌した。3−クロロ−4−(フェニルチオ)アニリン(2.47g,10.5mmol,Eq:1.00)の塩化メチレン(5mL)中における混合物を、低温の懸濁液にシリンジにより滴加した。反応混合物を4時間にわたって撹拌して、徐々に室温に温めた。反応混合物を1.0N HCl水溶液で中和し、得られた混合物を塩化メチレンで抽出した。有機相をMgSO4で乾燥させ、シリカゲル上へ濃縮した。シリカゲルに担持された粗生成物を200g SiliCycleカラムに負荷した。フラッシュクロマトグラフィー(0%から5%までの酢酸エチル−ヘキサン)により、(2−クロロ−4−イソチオシアナトフェニル)(フェニル)スルファン(1.9g,65%)を透明な油として得た。
(Z)−メチル N−3−クロロ−4−(フェニルチオ)フェニル−N’−シアノカルバムイミドチオエート
シアナミド(150mg,3.56mmol,Eq:1.1)を50mL丸底フラスコにアルゴンでパージしながら添加した。メタノール中の0.5Mナトリウムメトキシド溶液(1.22mL,3.95mmol,Eq:1.2)を室温で添加した。反応混合物を次いで15分間撹拌した。別に、(2−クロロ−4−イソチオシアナトフェニル)(フェニル)スルファン(0.9g,3.24mmol,Eq:1.00)とメタノール(13mL)を撹拌しながら混和した。シアナミド混合物をこの出発物質混合物へシリンジにより移した。得られた混合物を合計1時間撹拌し、次いでヨードメタン(0.304mL,4.86mmol,Eq:1.5)を添加した。反応混合物を室温で一夜撹拌した。混合物を次いで塩化メチレンおよびメタノールで希釈した。得られた溶液をシリカゲル上へ濃縮した。シリカゲルに担持された粗生成物を200gシリカゲルカラムに負荷した。フラッシュクロマトグラフィー(100%ヘキサン)により(Z)−メチル N−3−クロロ−4−(フェニルチオ)フェニル−N’−シアノカルバムイミドチオエート(240mg,22%)を白色固体として得た。
N3−(3−クロロ−4−(フェニルチオ)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物22)
250mL丸底フラスコ内で、(Z)−メチル N−3−クロロ−4−(フェニルチオ)フェニル−N’−シアノカルバムイミドチオエート(240mg,719μmol,Eq:1.00)をエタノール(10mL)と混和すると、白色懸濁液が得られた。ヒドラジン(226μL,7.19mmol,Eq:10)を添加した。反応混合物を1時間、加熱還流した。反応混合物を濃縮すると、油性の泡様物質が得られた。この生成物を15%メタノール−クロロホルムに溶解し、溶液を小型のフィルタープラグにより濾過した。濾液を十分に濃縮して、N3−(3−クロロ−4−(フェニルチオ)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミンを脆い固体として得た。MS:C14H12ClN5S [(M+H)+]について計算値 318,実測値 318.0。
N3−(3−クロロ−4−(フェニルスルホニル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物23)
(2−クロロ−4−ニトロフェニル)(フェニル)スルホン
250mL丸底フラスコ内で、2−クロロ−4−ニトロ−1−フェニルスルファニル−ベンゼン(4.126g,15.5mmol,Eq:1.00)を塩化メチレン(100mL)と混和すると、黄色溶液が得られた。この混合物を氷水浴中で0℃に冷却した。m−クロロ過安息香酸(10.7g,62.1mmol,Eq:4.0)をひと匙ずつ添加した。反応混合物を一夜撹拌して、徐々に室温に温めた。翌朝、反応混合物を飽和亜硫酸ナトリウム水溶液、次いで炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、白色固体が得られた。粗生成物をシリカゲルに負荷した。シリカゲルに担持された粗生成物を200g silacycleカラムに負荷した。フラッシュクロマトグラフィー(40%−60%酢酸エチル−ヘキサン)により(2−クロロ−4−ニトロフェニル)(フェニル)スルホン(2.03g,44%)を白色結晶質固体として得た。
3−クロロ−4−(フェニルスルホニル)アニリン
250mL丸底フラスコ内で、(2−クロロ−4−ニトロフェニル)(フェニル)スルホン(2.03g,6.82mmol,Eq:1.00)、鉄(1.9g,34.1mmol,Eq:5.0)および塩化アンモニウム(3.65g,98.2mmol,Eq:10)をメタノール(22.7mL)と混和すると、淡褐色懸濁液が得られた。水(11.4mL)を添加すると、反応混合物は乳白色懸濁液になった。反応混合物を6時間還流した。わずか20分後に反応混合物は錆色になった。6時間の加熱還流後、反応混合物を室温に冷却した。混合物を濾過し、濃縮してメタノールの大部分を除去した。得られた粗製懸濁液を酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濃縮して、3−クロロ−4−(フェニルスルホニル)アニリン(1.8g,99%)を白色結晶質固体として得た。
2−クロロ−4−イソチオシアナト−1−)フェニルスルホニル)ベンゼン
250mL丸底フラスコ内で、チオホスゲン(567μL,7.4mmol,Eq:1.1)および炭酸カルシウム(0.673g,6.72mmol,Eq:1.00)をジクロロメタン(34mL)および水(24mL)と0℃で混和すると、黄色懸濁液が得られた。反応混合物を0℃でアルゴン下に10分間撹拌した。3−クロロ−4−(フェニルスルホニル)アニリン(1.8g,6.72mmol,Eq:1.00)の塩化メチレン(5mL)中における混合物を低温の懸濁液にシリンジにより滴加した。反応混合物を4時間にわたって撹拌し、徐々に室温に温めた。反応混合物を1.0N HCl水溶液で中和し、次いで塩化メチレンで抽出した。有機相をMgSO4で乾燥させ、シリカゲル上へ濃縮した。シリカゲルに担持された粗生成物を200g silicylceカラムに負荷した。フラッシュクロマトグラフィー(15%−40%酢酸エチル−ヘキサン)により2−クロロ−4−イソチオシアナト−1−)フェニルスルホニル)ベンゼン(1.14g,55%)を白色結晶質固体として得た。
(Z)−メチル N−3−クロロ−4−(フェニルスルホニル)フェニル−N’−シアノカルバムイミドチオエート
50mL丸底フラスコにシアナミド(170mg,4.03mmol,Eq:1.1)およびメタノール中の0.5Mナトリウムメトキシド溶液(8.1mL,4.05mmol,Eq:1.2)を入れ、この溶液を15分間撹拌した。別に、2−クロロ−4−イソチオシアナト−1−)フェニルスルホニル)ベンゼン(1.136g,3.67mmol,Eq:1.00)およびメタノール(14.7mL)を混和した。シアナミド混合物をこの出発物質混合物へシリンジにより室温で移した。混合物は短時間の撹拌後に均一になった。室温で1時間撹拌した後、ヨードメタン(0.794g,0.350mL,5.6mmol,Eq:1.5)を添加し、反応混合物を室温で一夜撹拌した。反応混合物を塩化メチレンとメタノールの9:1混合物で希釈し、この溶液をシリカゲル上へ濃縮した。シリカゲルに担持された粗生成物を120gシリカゲルカラムに負荷した。フラッシュクロマトグラフィー(25%−40%酢酸エチル−ヘキサン)を用いて(Z)−メチル N−3−クロロ−4−(フェニルスルホニル)フェニル−N’−シアノカルバムイミドチオエート(84mg,6.3%)を白色固体として単離した。
N3−(3−クロロ−4−(フェニルスルホニル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物23)
200mL丸底フラスコ内で、(Z)−メチル N−3−クロロ−4−(フェニルスルホニル)フェニル−N’−シアノカルバムイミドチオエート(84mg,230μmol,Eq:1.00)およびヒドラジン(79μL,2.51mmol,Eq:11.0)をエタノール(3.5mL)と混和すると、無色溶液が得られた。反応混合物を1時間還流した。反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮した。粗生成物はわずかに黄色の油であり、これを4:1 塩化メチレン−メタノールに溶解した。この溶液を慎重に濾過した。濾液を十分に乾燥させて、N3−(3−クロロ−4−(フェニルスルホニル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミンを脆い灰白色粉末として得た。MS:C14H12ClN5O2S [(M+H)+]について計算値 350, 実測値 349.9。
N3−(3−クロロ−4−(フェニルチオ)フェニル)−N3−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物24)
(Z)−メチル N−3−クロロ−4−(フェニルチオ)フェニル−N’−シアノ−N−メチルカルバムイミドチオエート
50mL丸底フラスコ内で、(Z)−メチル N−3−クロロ−4−(フェニルチオ)フェニル−N’−シアノカルバムイミドチオエート(53mg,159μmol,Eq:1.00)をDMF(1.59mL)と混和すると、無色溶液が得られた。この混合物を0℃に冷却し、次いで水素化ナトリウム(油中の60%懸濁液,6.98mg,175μmol,Eq:1.1)を添加した。反応混合物を0℃で15分間撹拌し、次いでヨウ化メチル(9.9μL,0.159μmol)を添加した。反応混合物を徐々に室温に温め、次いで室温で48時間にわたって撹拌した。反応混合物を水で停止し、酢酸エチルで抽出した。有機相をMgSO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物を塩化メチレンに溶解し、次いでシリカゲル上に濃縮した。シリカゲルに担持された粗生成物を35g SiliCycleカラムに負荷した。フラッシュクロマトグラフィー(0%−15%酢酸エチル/ヘキサン)により生成物(27mg,50%)を透明な油として得た。
N3−(3−クロロ−4−(フェニルチオ)フェニル)−N3−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物24)
50mL丸底フラスコ内で、(Z)−メチル N−3−クロロ−4−(フェニルチオ)フェニル−N’−シアノ−N−メチルカルバムイミドチオエート(27.6mg,79.3μmol,Eq:1.00)およびヒドラジン(50μL,1.59mmol,Eq:20.1)をエタノール(2.5mL)と混和すると、白色懸濁液が得られた。反応混合物を2時間、加熱還流した。反応混合物を濃縮した。分取逆相LC精製により、N3−(3−クロロ−4−(フェニルチオ)フェニル)−N3−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン(9mg,98%)を得た。MS:C15H14ClN5S [(M+H)+]について計算値 332, 実測値 331.9。
実施例2,方法E
N3−(3−クロロ−5−フェノキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物25)
1−ブロモ−3−クロロ−5−フェノキシベンゼン
250mL丸底フラスコ内で、3−ブロモ−5−クロロフェノール(2g,9.64mmol,Eq:1.00)、フェニルボロン酸(2.35g,19.3mmol,Eq:2.00)およびトリエチルアミン(9.76g,96.4mmol,Eq:10.00)をCH2Cl2(100ml)と混和すると、無色溶液が得られた。粉末状4Aモレキュラーシーブ(200mg)および酢酸銅(II)(2.63g,14.5mmol,Eq:1.50)を添加した。反応物を室温で3時間撹拌した。固体を濾別し、濾液を真空で蒸発させた。化合物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=70/30)により単離して、生成物550mg(20%)を得た。
5−ブロモ−1−(4−メトキシ−ベンジル)−3−ニトロ−1H−[1,2,4]トリアゾール
250mL丸底フラスコ内で、5−ブロモ−3−ニトロ−1H−1,2,4−トリアゾール(12g,62.2mmol,Eq:1.00)、1−(クロロメチル)−4−メトキシベンゼン(9.74g,62.2mmol,Eq:1)およびN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(16.1g,124mmol,Eq:2)をアセトニトリル(100ml)と混和すると、淡黄色溶液が得られた。ヨウ化カリウム(5.16g,31.1mmol,Eq:0.5)を添加した。反応混合物を2時間、加熱還流した。反応混合物を冷却し、EtOAc(100mL)で希釈し、H2O(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機層を無水MgSO4で乾燥させ、濾過し、揮発性成分を減圧下で除去すると油が得られ、これから化合物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=70/30)により単離して、生成物7.8g(40%)を得た。
ビス−(4−メトキシ−ベンジル)−[2−(4−メトキシ−ベンジル)−5−ニトロ−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル]−アミン
10mL密閉チューブ内で、5−ブロモ−1−(4−メトキシベンジル)−3−ニトロ−1H−1,2,4−トリアゾール(5.48g,17.5mmol,Eq:1.00)およびビス(4−メトキシベンジル)アミン(4.5g,17.5mmol,Eq:1.00)を混和し、混合物を150℃に一夜加熱した。反応物を十分に冷却させ、CH2Cl2(50mL)を添加し、H2O(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、有機層を無水MgSO4で乾燥させ、濾過し、揮発性成分を減圧下で除去して、粗生成物8.3g(97%粗製)を得た。MH+ 490.3。
1,N5,N5−トリス−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン
100mL丸型ボトル内で、ビス−(4−メトキシ−ベンジル)−[2−(4−メトキシ−ベンジル)−5−ニトロ−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル]−アミン(530mg,1.08mmol,Eq:1.00)および亜鉛(354mg,5.41mmol,Eq:5.00)を飽和NH4Cl水溶液/THF(1:1)(60.0ml)の溶液と混和し、混合物を室温で1時間撹拌した。固体を濾別し、混合物をCH2Cl2(50mL×2)で抽出し、有機層を無水MgSO4で乾燥させ、濾過し、揮発性成分を減圧下で除去した。化合物をカラムクロマトグラフィーにより単離して、淡黄色固体420mg(84%)を得た。MH+ 460.3。
N3−(3−クロロ−5−フェノキシ−フェニル)−1,N5,N5−トリス−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン
25mL密閉チューブ内で、ナトリウム 2−メチルプロパン−2−オレート(125mg,1.31mmol,Eq:1.20)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(62.6mg,109μmol,Eq:0.1)および2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(46.2mg,109μmol,Eq:0.1)をトルエン(4.00mL)と混和すると、暗褐色懸濁液が得られた。N5,N5,1−トリス(4−メトキシベンジル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン(500mg,1.09mmol,Eq:1.00)および1−ブロモ−3−クロロ−5−フェノキシベンゼン(309mg,1.09mmol,Eq:1)を添加した。反応混合物をアルゴンで15分間、脱ガスし、次いで110℃に3時間加熱した。反応混合物を冷却し、EtOAc(50mL)で希釈し、H2O(25mL)およびブライン(25mL)で洗浄した。有機層を無水MgSO4で乾燥させ、濾過し、揮発性成分を減圧下で除去すると油が得られ、それから化合物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=70/30)により単離して、灰白色固体150mg(21%)を得た。MH+ 662.4。
N3−(3−クロロ−5−フェノキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物25)
10mL丸型ボトル内で、N3−(3−クロロ−5−フェノキシフェニル)−N5,N5,1−トリス(4−メトキシベンジル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン(150mg,227μmol,Eq:1.00)をTFA(5.00mL)と混和すると、無色溶液が得られた。得られた溶液を65℃に一夜加熱し、反応混合物を濃縮し、次いでEtOAc(30mL)で希釈した。この溶液を飽和NaHCO3で洗浄し、有機層を無水MgSO4で乾燥させ、濾過し、揮発性成分を減圧下で除去した。化合物を分取TLCにより単離して、灰白色固体32mg(47%)を得た。MH+ 302.0。
実施例3,方法A
N3−[3,5−ジクロロ−4−(ピリジン−2−イルオキシ)−フェニル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物26)
2−(2,6−ジクロロ−4−ニトロ−フェノキシ)−ピリジン
50mL丸底フラスコ内で、カリウム tert−ブトキシド(3.53g,31.5mmol,Eq:1.50)およびピリジン−2(1H)−オン(2g,21.0mmol,Eq:1.00)をDMF(25.0ml)と0℃で窒素下に混和すると、淡褐色懸濁液が得られた。1,3−ジクロロ−2−フルオロ−5−ニトロベンゼン(4.42g,21.0mmol,Eq:1.00)を添加した。反応物を室温で一夜撹拌した。反応混合物をCH2Cl2(50mL)で希釈し、H2O(25mL)およびブライン(25mL)で洗浄した。有機層を無水MgSO4で乾燥させ、濾過し、揮発性成分を減圧下で除去すると油が得られ、それから化合物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=70/30)により単離して、灰白色固体2.4g(40%)を得た。MH+ 284.9。
3,5−ジクロロ−4−(ピリジン−2−イルオキシ)−フェニルアミン
100mL丸型ボトル内で、2−(2,6−ジクロロ−4−ニトロフェノキシ)ピリジン(2.4g,8.42mmol,Eq:1.00)および亜鉛(2.75g,42.1mmol,Eq:5.00)を飽和NH4Cl水溶液/THF(1:1)(50ml)の溶液と混和し、混合物を一夜撹拌した。固体を濾別し、CH2Cl2(50mL×2)で抽出し、有機層を無水Na2SO4で乾燥させた;溶液を真空下で濃縮して、粗生成物 2.0g(93%)を得た。MH+ 254.9。
2−(2,6−ジクロロ−4−イソチオシアナト−フェノキシ)−ピリジン
100mL丸底フラスコ内で、ジ(1H−イミダゾール−1−イル)メタンチオン(2.1g,11.8mmol,Eq:1.5)をCH2Cl2(30mL)と混和すると、無色溶液が得られた。CH2Cl2(20mL)中のジ(1H−イミダゾール−1−イル)メタンチオン(2.1g,11.8mmol,Eq:1.5)を0℃で滴加した。反応物を室温に温め、一夜撹拌した。溶液を濃縮し、化合物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=80/20)により単離して、生成物2.1g(90%)を得た。MH+ 298.0。
[3,5−ジクロロ−4−(ピリジン−2−イルオキシ)−フェニルアミノ]−メチルスルファニル−メチル−シアナミド
100mL丸底フラスコに、2−(2,6−ジクロロ−4−イソチオシアナトフェノキシ)ピリジン(1.2g,4.04mmol,Eq:1.00)(MeOH(20mL)中)、N−ソジオシアナミド(292mg,4.56mmol,Eq:1.13)を添加した。懸濁液は数分後に透明になり、反応物を室温で1時間撹拌し、ヨードメタン(1.15g,8.08mmol,Eq:2)を添加し、反応混合物を室温で一夜撹拌した。溶液を濃縮し、化合物をカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH=95/5)により単離して、灰白色固体1.2g(84%)を得た。MH+ 352.9。
N3−[3,5−ジクロロ−4−(ピリジン−2−イルオキシ)−フェニル]−1H−[1,2,4]トリアゾール−3,5−ジアミン(化合物26)
100mL丸底フラスコに、[3,5−ジクロロ−4−(ピリジン−2−イルオキシ)−フェニルアミノ]−メチルスルファニル−メチル−シアナミド(600mg,1.69mmol,Eq:1.00)(EtOH(30mL)中)、ヒドラジン(541mg,16.9mmol,Eq:10.00)を添加した。反応物を65℃に3時間加熱した。反応混合物を濃縮し、H2O(20mL)を残留物に添加し、固体を濾別し、固体をH2O(30mL)およびCH2Cl2(10mL)で洗浄し、固体を一夜風乾して、灰白色固体382mg(67%)を得た。MH+ 336.9。
生物学的実施例
偽型(pseudotyped)HCV粒子(HCVpp)レポーターアッセイを用いる、化合物のHCV GT1bおよびGT1a侵入阻害活性の測定
偽型ウイルス粒子の作製のための哺乳動物発現プラスミド:
GT1a H77株(Proc Natl Acad Sci USA 1997 94:8738-43)またはGT1b Con1株(Science 1999 285:110-3)のHCV E1およびE2エンベロープタンパク質を発現するプラスミドを、HCVコアタンパク質の最後の60個のアミノ酸ならびにHCV E1およびE2タンパク質全部をコードする核酸をpcDNA3.1(+)ベクターにクローニングすることにより構築した。水疱性口内炎ウイルスのG糖タンパク質(VSV G)を発現するプラスミドpVSV−Gは、Clontech(カタログ#631530)からのものである。ホタルルシフェラーゼレポーター遺伝子を発現するHIVパッケージング構築体を、エンベロープ欠損pNL.4.3.Luc−R−.E−ベクター(Virology 1995 206:935-44)に基づいてHIVエンベロープタンパク質の一部をさらに欠如させることにより改変した。
一過性トランスフェクションしたHEK−293T細胞における偽型ウイルス粒子の作製:
偽型HCV GT1aおよびGT1b粒子(HCVpp)ならびに偽型VSV G粒子(VSVpp)を、一過性トランスフェクションしたHEK−293T細胞(ATCC カタログ#CRL−573)から作製した。HCVppを作製するために、トランスフェクション試薬としてポリエチレンイミン(Polysciences カタログ#23966)を用いることにより、HEK−293T細胞に等量のHCVエンベロープタンパク質発現プラスミドおよびHIVパッケージングゲノム発現プラスミドをトランスフェクションした。VSVppを作製するために、ポリエチレンイミンを用いることにより、HEK−293T細胞に等量のVSV G発現プラスミドおよびHIVパッケージングゲノム発現プラスミドをトランスフェクションした。トランスフェクションの24時間後、トランスフェクション混合物を含有する細胞培養培地を、10%のウシ胎仔血清(Invitrogen カタログ#10082−147)および2mMのL−グルタミン(Invitrogen カタログ#25030−081)が補充された新鮮なダルベッコ改変イーグル培地(DMEM−Glutamax(商標)−I;Invitrogen カタログ#10569−010)で交換した。トランスフェクションの48時間後に上清を採集し、滅菌0.45μmフィルターにより濾過した。上清のアリコートを凍結し、使用するまで−80℃で保存した。
高いCD81発現レベルをもつHuh7−high CD81細胞を、より効果的なHCV侵入が可能になるようにフローサイトメトリーソーティングによりFITC−標識CD81抗体JS−81(BD Biosciences カタログ#561956)を用いて富化した。Huh7−high CD81細胞を、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM−Glutamax(商標)−I;Invitrogen カタログ#10569−010)で培養した。この培地は10%のウシ胎仔血清(Invitrogen カタログ#10082−147)および1%のペニシリン/ストレプトマイシン(Invitrogen カタログ#15070−063)が補充されていた。細胞を37℃で加湿5%CO2雰囲気に維持した。
Huh7−high CD81細胞における、化合物のHCVpp侵入阻害活性の測定
Huh7−high CD81細胞をウェル当たり8000個の細胞密度で96ウェルプレート(Perkin Elmer,カタログ#6005660)にプレーティングした。10%のウシ胎仔血清(Invitrogen カタログ#10082−147)および1%のペニシリン/ストレプトマイシン(Invitrogen カタログ# 15070−063)を補充した100μlのダルベッコ改変イーグル培地(DMEM−Glutamax(商標)−I,Invitrogen カタログ#10569−010)に細胞をプレーティングした。細胞を37℃および5%CO2で24時間平衡化させ、この時点で化合物および偽型ウイルスを添加した。アッセイ当日に、HCVppアリコートを37℃の水浴で融解し、使用するまで4℃に保持した。化合物(または対照としての培地)を3倍希釈系列で、2%のDMSOおよび2%のペニシリン/ストレプトマイシンを含むDMEM−Glutamax(商標)−I中に希釈した。各培養ウェル内の100μlのプレーティング培地を取り出し、続いて50μlの化合物希釈液および50μlの融解HCVppを添加した。化合物およびHCVppを添加した72時間後に、Steady−Gloルシフェラーゼアッセイシステム(Promega,カタログ#E2520)を用いて製造業者の指示に従ってホタルルシフェラーゼレポーター信号を読み取った。化合物の非存在下での対照試料と比較してホタルルシフェラーゼレポーターのレベルの50%低下がみられた化合物濃度としてEC50値を定義し、化合物用量応答データの非線形フィッティングにより判定した。
Huh7−high CD81細胞における化合物の選択性の測定
Huh7 hCD81細胞アッセイプレートおよび化合物希釈度を、HCVppアッセイと同じフォーマットに設定した。細胞プレーティングの24時間後に、融解VSVppを、10%ウシ胎仔血清を補充したDMEM−Glutamax(商標)−I中に800倍希釈した。培養ウェルから細胞プレーティング培地を取り出した後、50μlの化合物希釈液および50μlの希釈VSVppをウェルに添加した。化合物およびVSVppを添加した72時間後に、Steady−Gloルシフェラーゼアッセイシステム(Promega,カタログ#E2520)を用いて製造業者の指示に従ってホタルルシフェラーゼレポーター信号を読み取った。化合物の非存在下での対照試料と比較してホタルルシフェラーゼレポーターのレベルの50%低下がみられた化合物濃度としてEC50値を定義し、化合物用量応答データの非線形フィッティングにより判定した。最大阻害率パーセントが90%未満、70%より大であれば、EC50値を概算した。
代表的なアッセイデータを下記の表IIに示す:
明確性および理解を目的として以上の本発明を説明および例によってある程度詳細に記載した。特許請求の範囲の範囲内で変更および改変をなしうることは当業者に明らかであろう。
したがって、前記の記載は説明のためのものであって限定のためのものではないことを理解すべきである。したがって、本発明の範囲は前記の記載を参照して判断すべきではなく、特許請求の範囲をそのような特許請求の範囲が権利をもつ均等物の全範囲と共に参照して判断すべきである。
本明細書に引用したすべての特許、特許出願および刊行物を、それぞれ個々の特許、特許出願および刊行物が個別に表示されたと同程度に、全体としてあらゆる目的で本明細書に援用する。