JP6094623B2 - 照明器具用フレネルレンズおよびそれを有する照明器具 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載のフレネルレンズは、板状のレンズ部材の上面の中心部に集光性の屈折型フレネルレンズ部を設け、下面の外周部に集光性の反射型フレネルレンズ部を設けた構成を有する。
フレネルレンズは、レンズの表面上に凹凸形状を設け、通常のレンズと同じ機能を持ちながら薄くて軽いというメリットを有している。このため、特許文献1や特許文献2に記載されているような照明器具用のフレネルレンズが各種提案されている。
この発明は、かかる背景のもとになされたもので、光源からの光の利用効率を高めるように改良された照明器具用フレネルレンズを提供することを主たる目的とする。
請求項3記載の発明は、前記中央位置の凸レンズ面の外側に位置する凸レンズ面は、その高さが、外方に向かって低くされていることを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の照明器具用フレネルレンズである。
請求項5記載の発明は、前記中央位置の凸レンズ面およびその内側に位置する凸レンズ面から出射する光は、中心光軸へ向かって30°以下の傾斜を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の照明器具用フレネルレンズである。
請求項7記載の発明は、前記反射型レンズ面は、TIR(全反射)レンズ面を含み、3段以上8段以下の段構成を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の照明器具用フレネルレンズである。
請求項9記載の発明は、前記板状レンズ部材は、光源の光が前記入射面から入射して前記出射面の中心部に形成された複数段の凸レンズ面から出射される凸レンズの利用角度Φ1が、33°以上47°以下であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の照明器具用フレネルレンズである。
また、複数段の凸レンズから出射される光は、中心部の中央領域においては中心光軸へ向かって傾斜した方向に光軸が延び、中心部の外縁領域においては中心光軸と平行に光軸が延びているから、出射面中心部の凸レンズから出射される光は、外方へ拡散せずに中心方向へ向かって、あるいは中心方向と平行に効率良く出射される。
それにより、光の利用効率を高めて、高光量の照明器具を実現可能なフレネルレンズとすることができる。
図1は、この発明の一実施形態に係る照明器具用のフレネルレンズ10の平面図であり、図2は、フレネルレンズ10の底面図であり、図3は、図1に示すフレネルレンズ10のA−Aに沿う縦断面図である。
図1〜図3を参照して、フレネルレンズ10は、平面視が円形をした円板状のレンズ部材11を有している。レンズ部材11の材質は、硝子や透明アクリル樹脂、ポリカーボネート等であり、その一方面(上面)が出射面12とされ、その他方面(下面)が入射面13とされている。
また、レンズ部材11の入射面13には、その外側部15に、内方から外方へ向かって複数段(この実施形態では5段)の反射型レンズ150が形成されている。反射型レンズ150は、レンズ部材11の中心に対して同心円状に形成されている。
図4を参照して、レンズ部材11の出射面12の中心部14に形成された凸レンズ140は、同心円状に形成された5段の円(環)状凸レンズ14e,14d,14c,14a,14bを含んでいる。
この実施形態における特徴は、凸レンズ14e,14d,14cの各弧状の出射面141,142,143から出射される光は、中心光軸(中心光軸とは、フレネルレンズ10の中心を入射面13から入射し、真っ直ぐ垂直上方に透過して出射面12の中心から真っ直ぐ前方へ出射される光の進路(光軸)をいう。)L0へ向かって傾斜した方向に光軸が延びている。この場合の傾斜角度Φ10は、Φ10=15°になるように設計されている。
(1)凸レンズ140の半径を2分する位置、または
(2)凸レンズ140の半径上で、利用角度Φ1の半分の角度に相当する位置、
をいう。
さらに、凸レンズ14cの出射面143の起立角度αを大きくしたことにより、5段の中央に位置する凸レンズ14cの高さ(レンズ部材11の出射面12における突出高さ)が、他の凸レンズ14e,14d,14a,14bに比べて最も高くなるように設計されている。
また、出射面12の中心部に形成された5段の凸レンズ140のうち、外側の凸レンズ14a,14bの出射面144,145から出射される光は、その光軸が中心光軸L0と平行に延びる光となるように設計されている。すなわち、凸レンズ14a,14bから出射される光の出射角Φ11は、Φ11=0°に設計されている。
反射型レンズ150は、レンズ部材11の入射面13の外側部15に、内方から外方へ向かって複数段、具体的には5段に形成されている。5段の反射型レンズ150(151,152,153,154,155)は平面視で同心円状に配列形成されており、利用角は単レンズみなしで等間隔に形成されている。反射型レンズ150は、全て、TIR(全反射)レンズとされている。従って、光源LSからレンズ部材11の入射面13へ照射される光のうち、外側部15に形成された反射型レンズ150へ到達する光は、反射型レンズ150(151,152,153,154,155)で全反射され、レンズ部材11内を透過して、出射面12の外側部15から前方へ出射される。
出射面120に、下がり傾斜角度5°を付与することにより、出射面120を所望の屈折型凸レンズとして機能させることができ、所望の出射角で光を出射させることができる。なお、出射面120に付与する傾斜角度は、下がり傾斜で5°(−5°)に限定されるものではなく、±20°程度以内の傾斜角としてもよい。
さらに、図3に示すように、このフレネルレンズ10は、全体の形状を見ると、その下面である入射面13が、入射方向後方(光源)から見て、その中心部を中心に凹湾曲した全体形状を有している。このように、入射面13全体が中心部を中心に凹湾曲した形状とすることにより、光源の熱が入射面中央部に集中するのを防ぐことができる。すなわち、光源から入射面中央部までの距離を、入射面を凹湾曲させることによって遠ざけることができるからである。
さらに、この実施形態では、出射面12の中心部14に形成した凸レンズ140のうちの最外方の凸レンズ14bと、外側部15との境界部の段差にΦ40=3°の抜き勾配を形成している。このように抜き勾配を入れることにより、フレネルレンズ10を成型時に、金型から抜く際の逆テーパーに起因する破壊を防ぐことができる。なお、抜き勾配を入れても、光が効率よく出射されるよう光学設計(各パラメータの調整)がされている。
この発明のフレネルレンズは、上記の実施例に限定されるものではなく、円板状のフレネルレンズ以外に、長方形板状のフレネルレンズにも適用することができる。
このようなフレネルレンズ100を用いると、直線状に等間隔で配列された複数個の光源としてのLEDが発する光を、フレネルレンズ100を通して一定幅で横に長い光として高効率に照射することができる。
11,110 レンズ部材
12 出射面
13 入射面
14 中心部
15 外側部
30 照明器具
120 出射面
140,14a,14b,14c,14d,14e 凸レンズ
150,151,152,153,154,155 反射型レンズ(TIRレンズ)
141,142,143,144,145 弧状の出射面
L0 中心光軸
LS 光源
Claims (11)
- 一方面が出射面とされ、他方面が入射面とされており、前記出射面の中心部に、中心から外方へ向かって複数段に形成された屈折型の凸レンズ面と、前記入射面の中心部の外側に、内方から外方へ向かって複数段に形成された反射型レンズ面とを有する板状レンズ部材を備え、
前記複数段に形成された凸レンズ面のうち中央位置の凸レンズ面は、他のすべての凸レンズ面に比べて、光の出射方向と直交する水平面に対する起立角度が大きくされていることを特徴とする、照明器具用フレネルレンズ。 - 前記反射型レンズ面で反射されてレンズ部材内を透過し前記出射面の中心部の外側から出射される光は、中心光軸へ向かって傾斜する方向に出射され、
前記凸レンズ面は、前記出射面の中心部の中央領域においては、中心光軸へ向かって傾斜した方向に光を出射し、前記中心部の外縁領域においては、前記中央領域が出射する方向よりも、中心光軸から離れる方向に光を出射することを特徴とする、請求項1に記載の照明器具用フレネルレンズ。 - 前記中央位置の凸レンズ面の外側に位置する凸レンズ面は、その高さが、外方に向かって低くされていることを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の照明器具用フレネルレンズ。
- 前記中央位置の凸レンズ面およびその内側に位置する凸レンズ面は、中心光軸へ向かって傾斜した方向に光軸が延びる光を出射し、
前記中央位置の凸レンズ面の外側に位置する凸レンズ面は、中心光軸に沿って光軸が延びる光を出射することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の照明器具用フレネルレンズ。 - 前記中央位置の凸レンズ面およびその内側に位置する凸レンズ面から出射する光は、中心光軸へ向かって30°以下の傾斜を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の照明器具用フレネルレンズ。
- 前記出射面の中心部に形成された複数段の前記凸レンズ面は、それぞれ、弧状の出射面を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の照明器具用フレネルレンズ。
- 前記反射型レンズ面は、TIR(全反射)レンズ面を含み、3段以上8段以下の段構成を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の照明器具用フレネルレンズ。
- 前記複数段構成の反射型レンズ面のうち、内側に位置する反射型レンズ面による出射光は、中心光軸へ向かって傾斜した傾斜角が相対的に小さくされており、外側に位置する反射型レンズ面による出射光は、前記中心光軸へ向かって傾斜した傾斜角が相対的に大きくされていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の照明器具用フレネルレンズ。
- 前記板状レンズ部材は、光源の光が前記入射面から入射して前記出射面の中心部に形成された複数段の凸レンズ面から出射される凸レンズの利用角度Φ1が、33°以上47°以下であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の照明器具用フレネルレンズ。
- 前記板状レンズ部材は、最外方の反射型レンズで反射されて出射される反射型レンズの利用角度Φ2が、60°以上に設計されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の照明器具用フレネルレンズ。
- 光源としてのLEDと、
前記LEDの前方に前記板状レンズ部材の入射面の中央部が所定の間隔を隔てて対向するように配置された請求項1〜10のいずれか一項に記載の照明器具用フレネルレンズと、
を含むことを特徴とする照明器具。
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