まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、縦長の方形枠状に形成された外枠(図示略)と、外枠(図示略)の左側辺に開閉可能に取り付けられた遊技枠(図示略)と、該遊技枠の左側辺上部に開閉可能に取り付けられたガラス扉枠102と、遊技枠の左側辺下部に開閉可能に取り付けられた下扉枠103と、から主に構成されている。
下扉枠103の上部前面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下方位置には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4(下皿)や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。
また、ガラス扉枠102の背面側には、遊技盤6が遊技枠101に対して着脱可能に取り付けられている。遊技盤6は、遊技領域7が前面に形成された所定板厚を有するベニヤ板からなり、該遊技盤6の背面側には、演出表示装置9や演出制御基板80等を含む変動表示制御ユニット(図示略)が一体的に組み付けられている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の演出図柄(飾り図柄)を変動表示する複数の変動表示部を含む演出表示装置(演出図柄表示装置)9が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行う。演出図柄の変動表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
また、遊技盤6における演出表示装置9の前面9cに対応する開口周囲には、遊技球が転動可能なステージが設けられた環状のステージ飾り枠11が設けられている。遊技盤6は、前面9cに対し所定の隙間を隔てて前方に配設されており、遊技盤6と前面9cとの間における前面9cの周縁には演出ユニット(図示略)が設けられ、遊技状態や演出の実行に応じて可動するようになっている。
遊技盤6における右側下部位置には、第1識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの上方位置には、第2識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13aに入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口13bまたは第3始動入賞口13cに入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。尚、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(演出図柄ともいう)の変動表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合せが停止表示される。
遊技領域7における演出表示装置9の中央下方位置には、第1始動入賞口13a及び第2始動入賞口13bを有し、遊技領域7を流下する遊技球を第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとの何れかに向けて振り分けるための振分装置300が設けられている。第1始動入賞口13aに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、遊技盤6の背面に設けられた第1始動口スイッチ14aによって検出される。同様に、第2始動入賞口13bに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、遊技盤6の背面に設けられた第2始動口スイッチ14bによって検出される。これら第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bは、所定の大きさとされた流入口を有することによって常に一定の開放状態に保たれている。
また、振分装置300の右側には、遊技球が入賞可能な第3始動入賞口13c(第3始動口)を有する可変入賞球装置15が設けられている。第3始動入賞口13cに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第3始動口スイッチ14cによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第3始動入賞口13cに入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bよりも、第3始動入賞口13cに遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第3始動入賞口13cに入賞しない。尚、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13b及び第3始動入賞口13cを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第3始動入賞口13cに極めて入賞しやすい。そして、振分装置300の周辺で釘を密に配置したり、振分装置300の周辺での釘配列を、遊技球を振分装置300の流入口330に導きづらくして、第3始動入賞口13cの入賞率の方を第1始動入賞口13a及び第2始動入賞口13bの入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口13aに入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口13b及び第3始動入賞口13cに入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部と、が設けられた例えば7セグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。尚、この例では、第1始動入賞口13aへの入賞による始動記憶数及び第2始動入賞口13b及び第3始動入賞口13cへの入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部9aと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部9bとが設けられている。尚、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
尚、この実施例では、図1に示すように、第3始動入賞口13cに対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13aおよび第2始動入賞口13bのいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方位置には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口扉を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって大入賞口扉が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置20において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13b、第3始動入賞口13cといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置20において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第1特別図柄表示器8aの右側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば2つのランプからなる。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行われ、例えば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10の下側のランプが点灯して当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、下側のランプが点灯して当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第3始動入賞口13cに遊技球が入賞可能な状態)に変化する。特別図柄保留記憶表示器18の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、7セグメントLEDのうち4つのセグメント)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。
尚、7セグメントLEDからなる普通図柄保留記憶表示器41には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(セグメント)とともに、例えば大当り時における特別可変入賞球装置20の開放回数(大当りラウンド数)を示す2つの表示部(セグメント)、及び遊技状態を示す2つの表示部(セグメント)が設けられているが、これら表示部を普通図柄保留記憶表示部とは別個の表示器にて構成してもよい。また、普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を変動表示可能なセグメントLED等にて構成してもよい。
遊技領域7の下部には普通入賞装置の入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a〜29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30a、30bによって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。尚、第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13b、第3始動入賞口13cや大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
遊技領域7の左側には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aを有する装飾部材25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上下部には、効果音を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25aは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
また、特に図示はしないが、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
遊技者の操作により、打球発射装置から発射された遊技球は、発射球案内通路(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(演出図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13aへの入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口13bに入り第2始動口スイッチ14bで検出された場合または遊技球が第3始動入賞口13cに入り第3始動口スイッチ14cで検出された場合は、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(演出図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口13bへの入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
この実施例では、特図ゲームにおける確定特別図柄が「確変大当り」または「非確変大当り」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、特定遊技状態としての大当り状態(例えば、15ラウンド大当り状態など)に移行する。大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20の大入賞口扉が所定期間(例えば29.5秒間)あるいは所定個数(例えば8個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤6の遊技盤面6aを落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような15ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出球(賞球)が得られる。
「非確変大当り」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば、100回等)の特図ゲーム(変動表示)が実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。このような「非確変大当り」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに対応する大当り図柄特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り状態が終了した後に時短状態に制御される大当り図柄は、非確変大当り図柄(「通常大当り図柄」ともいう)と称される。また、大当り図柄のうち非確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「非確変大当り」(「通常大当り」ともいう)と称される。
「確変大当り」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時短制御とともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続する。こうした「確変大当り」に対応する大当り図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく第1大当り状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変入賞球装置15における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第3始動入賞口13cを通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合せられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第3始動入賞口13cに遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第3始動入賞口13cは、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。また、高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。この実施例における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態であり、高開放制御期間ではない確変状態である潜伏確変状態は高確低ベース状態とも称される遊技状態である。
演出表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアでは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示(変動表示)が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて仮停止表示された演出図柄が大当り組み合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組み合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリアなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
パチンコ遊技機1の背面には、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声制御基板70、ランプドライバ基板35、および球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている(図2参照)。
さらに、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板(図示略)やタッチセンサ基板(図示略)が設けられている。電源基板(図示略)には、パチンコ遊技機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ156のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
尚、この実施例では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
尚、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。尚、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。尚、この実施例では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチによって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチは、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
パチンコ遊技機1の背面には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板91が設置されている。ターミナル基板91には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(始動口信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、時短信号、セキュリティ信号、賞球信号1、遊技機エラー状態信号)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。尚、遊技機エラー状態信号に関しては必ずしもパチンコ遊技機1の外部に出力しなくてもよく、該情報出力端子から、この遊技機エラー状態信号の替わりに遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号等を出力するようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)156が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ156には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路60が内蔵されている。
尚、遊技制御用マイクロコンピュータ156においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ156(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156には、乱数回路60が内蔵されている。乱数回路60は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路60は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路60は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数回路60が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ156の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路60が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路60が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路60から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ)や演出制御基板80(の演出制御用マイクロコンピュータ)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路61が内蔵されている。尚、払出制御用マイクロコンピュータや演出制御用マイクロコンピュータにも、遊技制御用マイクロコンピュータ156とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(図示略)。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。尚、この実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ156のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ156等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。尚、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。尚、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。尚、電源監視回路を電源基板に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、第3始動口スイッチ14c、カウントスイッチ23および各入賞口スイッチ30a,30bからの検出信号を基本回路に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21と、基本回路からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ156をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板91を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
演出制御基板80は、演出制御用CPU120およびRAM(図示略)を含む演出制御用マイクロコンピュータ(図示略)を搭載している。尚、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU120は、内蔵または外付けのROM(図示略)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU120は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU120は、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは、演出制御用CPU120から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバに入力する。入力ドライバは、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ156側)に入り込まない。
さらに、演出制御用CPU120は、出力ポート(図示略)を介してランプドライバ基板35に対して各種LEDを駆動する信号を出力する。また、出力ポートを介して音声制御基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ(図示略)を介してLEDドライバに入力される。LEDドライバは、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25aに駆動信号を供給する。尚、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声制御基板70において、音番号データは、入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM(図示略)には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
尚、本実施例では、特別図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに例えば1つの変動パターン指定コマンドを送信しているが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU56は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組み合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU56の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
次に、図4〜図12に基づいて、振分装置300の詳細な構造に関して説明する。図3は、(A)は振分装置を斜め前から見た状態、(B)は斜め後ろから見た状態を示す斜視図である。図4は、振分装置を示す六面図である。図5は、振分装置を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図6は、振分装置を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図7は、(A)は図4のA−A断面図、(B)はB−B断面図、(C)はC−C断面図である。図8は、(A)は図4のE−E断面図、(B)は図4のF−F断面図、(C)は(B)の要部拡大図である。図9は、(A)は遊技球が第1始動入賞口に誘導されるときの流下態様の一例を示す図、(B)は(A)のG−G断面図、(C)は(B)のH−H断面図である。図10は、(A)は遊技球が第1始動入賞口に誘導されるときの流下態様の一例を示す図、(B)は(A)のI−I断面図、(C)は(B)のD−D断面図である。図11は、(A)〜(C)は遊技球が第1経路に誘導されるときの球受部及び連動機構の動作態様を示す図である。図12は、(A)(B)は遊技球が第1経路に誘導されるときの球受部及び連動機構の動作態様を示す図である。尚、以下の説明においては、振分装置300について、パチンコ遊技機1を正面から見た場合を基準として、上下、左右、前後方向を示すものとする。
図3〜図6に示すように、振分装置300は、遊技領域7におけるステージ飾り枠11の下方位置に、遊技盤6の前面である遊技盤面6aにネジ(図示略)により取り付けられる板状のベース部材301と、該ベース部材301の前面側に対向して配設されネジ(図示略)によりベース部材301に取り付けられるカバー部材302と、ベース部材301に対し回動可能に取り付けられる振分部材304と、ベース部材301の背面側に下端を中心として揺動可能に取り付けられ、振分部材304の回動に連動して揺動する連動部材305と、連動部材305の背面側に取り付けられ連動部材305を軸支する裏カバー306と、から主に構成される。
ベース部材301を遊技盤面6aに取り付けた状態において、該ベース部材301の前面及びカバー部材302が遊技盤面6aの前面とガラス扉枠102の透視窓102a(図9参照)に形成される遊技領域7に配置され、該遊技領域7を流下する遊技球が、ベース部材301及びカバー部材302の上部に形成される流入口330から流入可能となる。
振分装置300におけるカバー部材302の左側面下部位置には、遊技球が流出可能な流出口332Lが形成され、右側面下部位置には、遊技球が流出可能な流出口332Rが形成されているとともに、下面中央位置には、遊技球が流出可能な下流出口333が形成されている。
ベース部材301は、合成樹脂材により左右対称に形成され、板状部の前面左右上部に突設される左右の側壁321L,321Rと、これら左右の側壁321L,321Rの中間であり振分部材304の下方位置に突設される分岐壁322と、分岐壁322の左右下方位置に突設され、流下される遊技球を受ける球受底部323L,323Rと、から主に構成されている。また、球受底部323L,323Rは、接続部316L,316Rと連続するように半割の略筒状に形成されており、球受底部323L,323Rに流下した遊技球は、第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bに導かれる。
これら側壁321L,321R、分岐壁322、球受底部323L,323Rの前後幅は遊技球の直径よりも若干大寸に形成され、カバー部材302の背面とベース部材301の前面との間に遊技球が流下(通過)可能な隙間が形成されるようになっているとともに、これら側壁321L,321R、分岐壁322、球受底部323L,323R及びカバー部材302は透光性を有する合成樹脂材にて形成され、ベース部材301との間を流下する遊技球を外部から透視可能に形成されている。
ベース部材301の前面中央上部位置には、正面視略円形状の凹部310が形成されており、この凹部310内には振分部材304の後部が収容されるようになっている。凹部310の背面板310aの前面には、軸受部311が形成されているとともに、その上方位置には前後方向に貫通する連通口312が形成されている。
図5〜図8に示すように、側壁321L,321Rの上端辺間は遊技球が通過可能な隙間を隔てて配置されており、透視板320、ベース部材301、側壁321L,321Rの上端辺により平面視四角形状の流入口330が形成される。また、図8に示すように、側壁321L,321Rの内面である通路壁面321aは、正面視略ハの字形に形成されている。
分岐壁322は、左右両端が左右の球受底部323L,323Rの内側端部の直上に位置するように左右の球受底部323L,323Rの間の上方位置に配置され、上面は、左右方向の中央位置から左右側にかけて下方に傾斜する傾斜面340L,340Rが形成されている。傾斜面340L,340Rは、前部が流入口330から流入した遊技球を左右に振り分ける誘導面として機能するとともに、後部が後述する振分部材304の回動範囲を規制する回動規制部としても機能する。
ベース部材301における凹部310の下方左右側には、遊技球が通過可能な大きさを有する第1始動入賞口13a並びに第2始動入賞口13bが形成されている。
球受底部323L,323Rは、第1始動入賞口13a,第2始動入賞口13bの開口下辺に沿うように配置され上向きに開放する略半円筒状に形成される底板323aと前板323bとにより、上方に開放する樋状に形成され、ベース部材301の前側に突出するように前後方向に向けて水平に設けられている。また、接続部316L,316Rは、ベース部材301の背面における第1始動入賞口13a,第2始動入賞口13bから背面側に突出するように前後方向に向けて水平に設けられている。
底板323aの上面における左右方向の中央位置には、上方から流下してきた遊技球を背面側にあるベース部材301に形成された第1始動入賞口13a及び第2始動入賞口13bを通過させてベース部材301の背面側まで案内する案内レール336が立設されている。案内レール336は板状部材からなり、ベース部材301に対して直交する方向に向けて延設されている。また、案内レール336の上端面が遊技球を転動案内する案内部とされており、その前部には、上方から落下してきた遊技球の流下方向を背面側に向けて変更する傾斜案内部336aが形成されている。傾斜案内部336aは、その後部から延設される案内レール336に比べて傾斜角度が大きく形成される直線状のレールであって、遊技球の流下方向を背面側に約90度方向変換させる。
球受底部323L,323Rの外側端部と左右の側壁321L,321Rとの間及び球受底部323L,323Rの内側端部と分岐壁322の左右端部との間に、それぞれ遊技球の直径よりもやや大寸の隙間が形成されている。また、球受底部323L,323Rの間にも遊技球の直径よりもやや大寸の隙間が形成されている。
このように、第1始動入賞口13aと側壁321Lとの間の隙間により流出口332Lが形成され、第2始動入賞口13bと側壁321Rとの間の隙間により流出口332Rが形成される。また、球受底部323L,323Rの間に形成される隙間により下流出口333が形成される。尚、球受底部323Lの内側端部と分岐壁322の左端部との間の隙間により、下流出口333に連通する連通口335Aが形成され、球受底部323Rの内側端部と分岐壁322の右端部との間の隙間により、下流出口333に連通する連通口335Bが形成される。
カバー部材302は、正面視略凸形状に形成される透視板320と、透視板320の背面略中央位置に形成される軸受部313と、軸受部313の下方位置から突出され分岐壁322の下面側に配置される突出壁314と、を備える。
振分部材304は、正面視略半円形状をなす回動板部370と、遊技球を受ける球受部371と、から構成されている。回動板部370及び球受部371には回動軸372が挿通される挿通孔373が前後方向に向けて形成されている。回動軸372は、挿通孔373に挿通されたときに前後端部が外部に突出され、前端は透視板320の背面に形成された軸受部313に軸支され、後端はベース部材301の軸受部311に軸支される。これにより振分部材304は、ベース部材301とカバー部材302とに前後端が軸支された回動軸372を中心に回動可能に設けられている。
球受部371は、回動軸372から上方に延びる球受片371aと、回動軸372の下部位置から左右方向に延びる球受片371b,371cと、から正面視略逆T字形をなすように左右対称に形成されており、球受片371a,371bの間と球受片371a,371cの間とにそれぞれ遊技球を受ける球受部が形成されている。また、球受片371bは傾斜面340Lに、球受片371cは傾斜面340Rに当接可能とされている。すなわち、球受部371は、球受片371cが傾斜面340Rに当接して球受片371aが右側に傾き、球受片371aと球受片371bとが正面視略V字形に配置される第1態様(図9(A)参照)と、球受片371bが傾斜面340Lに当接して球受片371aが左側に傾き、球受片371aと球受片371cとが正面視略V字形に配置される第2態様(図8(A)参照)と、の間で往復回動可能に設けられている。
また、回動板部370の背面上部における球受片371aに対応する位置には、連動部材305に連結される円柱状の連結軸307が突設されている。連結軸307は、連通口312を通過してベース部材301の背面側に突出され、連動部材305に連結されている。尚、本実施例では、振分部材304が第1態様にあるときには連結軸307が連通口312の左端縁に当接または近接し、振分部材304が第2態様にあるときには連結軸307が連通口312の右端縁に当接または近接するようになっている。
尚、振分部材304は、連結軸307と連通口312の開口縁とで回動規制されてもよいし、球受片371b,371cと傾斜面340L,340Rとの当接により回動規制されてもよい。
連動部材305は、上端部に二股状の連動側連結部380が形成されるとともに、下端部に軸受孔381が形成された正面視縦長帯状の板部材にて構成されている。連動側連結部380は、柱状の左連結部380aと、該左連結部380aに対し離間配置される右連結部380bと、左連結部380aと右連結部380bとの間に形成される連結軸307の挿入部380cと、により構成されている。左連結部380aと右連結部380bとは、連結軸307の外径よりも幅広の隙間を隔てて互いに平行に離間されている。
つまり、連結軸307は、左連結部380aと右連結部380bとの間に形成された挿入部380cに左右側に遊びをもって挿入され、左連結部380aまたは右連結部380bのいずれかに選択的に連結されるようになっている。
連動部材305の下端部に形成された軸受孔381は、特に図8(B)(C)に示すように、正円よりも若干上下方向に長い長孔にて形成されており、その内周面上部には、正面視逆山型の連動側突部382が中心位置に向けて突設されている。詳しくは、図11に示すように、連動側突部382は、正面視で左側から右側にかけて下方に傾斜する左傾斜面382aと、左傾斜面382aの右端部に連接され正面視で左側から右側にかけて上方に傾斜する右傾斜面382bと、により正面視逆山型に形成されている。そして、この連動側突部382は、軸受孔381の内周面の一部がなだらかに内側に膨出し、段差や鋭角な角部等は存在しない連続する湾曲面及び平坦面にて形成される。
この軸受孔381には、裏カバー306の前面に突設された円筒状の揺動軸391(図5参照)が背面側から挿入される。また、揺動軸391の外周面上部(軸心直上位置)には、正面視山型の軸側突部392が上方に向けて突設されている。詳しくは、図11に示すように、軸側突部392は、正面視で左側から右側にかけて上方に傾斜する左傾斜面392aと、左傾斜面392aの右端部に連接され正面視で左側から右側にかけて下方に傾斜する右傾斜面392bと、により正面視山型に形成されている。そして、この軸側突部392は、揺動軸391の外周面の一部がなだらかに外側に膨出し、段差や鋭角な角部等は存在しない連続する湾曲面及び平坦面にて形成される。
図8(C)に示すように、軸受孔381は、左右幅L3が揺動軸391の外径L4とほぼ同寸をなし(L3≒L4)、長手幅L1は左右幅L3よりも長寸とされている(L1>L3)。また、長手幅L1は、揺動軸391の外径L4に、軸側突部392の突出高さL5と、連動側突部382の突出高さL2とを加算した長さとほぼ同寸に形成されている(L1≒L4+L5+L2)。
このように構成された連動部材305は、揺動軸391を中心として上側の連動側連結部380が左右方向に揺動可能とされている。詳しくは、連動部材305は、振分部材304の回動に連動して、該振分部材304の第1態様に対応する第1位置(図11(A)参照)と第2態様に対応する第2位置(図12(B)参照)との間で左右往復回動可能に設けられている。
そして、連結軸307は、連動側連結部380を構成する左連結部380aと右連結部380bとの間の挿入部380cに遊びをもって挿入されていることで、第1位置においては左連結部380aが連結軸307の左側に当接して連結され(図11(A)参照)、第2位置においては右連結部380bが連結軸307の右側に当接して連結される(図12(B)参照)。
また、連結軸307が連通口312内の任意の位置にあるとき(例えば、連結軸307が回動軸372の直上位置にあるときなど)でも、連動側連結部380が左右いずれかに傾倒し、連結軸307が左連結部380aまたは右連結部380bのいずれか一方にのみに当接して連結するようになっている。
また、連動側連結部380が左右いずれかに傾倒するときには、軸側突部392に対し連動側突部382が左右いずれかにずれて、連動側突部382は揺動軸391の外周面における軸側突部392の左右側に当接する。また、連動側連結部380が左右いずれにも傾倒しない起立姿勢になるときには、軸側突部392に対し連動側突部382が直上位置にて当接する。この場合、連動部材305は、連動側連結部380が左右いずれかに傾倒するときに比べて、揺動軸391に対し若干上方に上昇した位置にて軸支される。
つまり、振分部材304の往復回動に連動して連動部材305が揺動することにより、連動側突部382は、揺動軸391の外周面に接触した状態で軸側突部392に向けて摺動する。そして、軸側突部392に差し掛かると、軸側突部392を乗り越えるようにして摺動していく。ここで、軸側突部392を乗り上がるときに連動部材305が揺動軸391に対し上昇し、軸側突部392を乗り越えると揺動軸391に対し下降していく。
尚、本実施例では、連動側突部382は、突出長さが軸側突部392よりも若干大きく形成されているが(L2>L5)、軸側突部392は、突出長さが連動側突部382よりも若干大きくなるようにしてもよい(L5>L2)。
このように構成されたベース部材301、カバー部材302、振分部材304を組み付けた状態において、振分部材304の左側から下方にかけて、遊技球を第1始動入賞口13aに誘導する第1誘導経路331Lが形成されるとともに、振分部材304の右側から下方にかけて、遊技球を第2始動入賞口13bに誘導する第2誘導経路331Rが形成される。
また、球受片371aと球受片371b、球受片371aと球受片371cとの間に形成される凹状の球受部は遊技球を1球ずつ受け入れて左右に振り分けるため、後続球を含め2球以上の遊技球を一緒に第1誘導経路331Lまたは第2誘導経路331Rに誘導することはない。つまり、第1誘導経路331Lまたは第2誘導経路331Rに連続して遊技球を誘導することはない。
尚、図9(A)に示すように、第1態様において、球受片371aの先端は流入口330の右辺の直下に配置されるとともに、球受片371aの先端と右側の側壁321Rの通路壁面321aとの間は遊技球の直径よりも小寸となっていることで、流入口330から流入した遊技球は球受片371aの先端と右側の側壁321Rの通路壁面321aとの間を通過することなく、左側の球受片371b側に誘導される。また、図10(A)に示すように、第2態様において、球受片371aの先端は流入口330の左辺の直下に配置されるとともに、球受片371aの先端と左側の側壁321Lの通路壁面321aとの間は遊技球の直径よりも小寸となっていることで、流入口330から流入した遊技球は球受片371aの先端と左側の側壁321Lの通路壁面321aとの間を通過することなく、右側の球受片371c側に誘導される。
よって、図9(A)に示すように、第1態様において遊技球が流入すると、球受片371aにより左側の球受片371bに向けて誘導される。そして、球受片371bに遊技球が到達すると、球受片371bが遊技球により下方に押圧されて振分部材304が正面視反時計回りに回転する。つまり、遊技球の重量及び落下による運動エネルギーが球受片371bに加わることによって振分部材304が回動する。
また、振分部材304の回動に伴い連結軸307が連通口312の右端から左端に向けて移動することにより、この連結軸307に当接している左連結部380aが左側に向けて移動される。つまり、振分部材304の回動に伴い、連結軸307及び左連結部380aを介して連動部材305が下端を中心として左側に向けて揺動(連動)する。
また、連結軸307が連通口312の左右方向略中央位置に到達したとき、連動側突部382が軸側突部392に乗り上がり始め、連動側突部382が軸側突部392を乗り上がるときに所定の抵抗が生じるようになっている。本実施例では、遊技球が球受片371bを押圧する力により連動側突部382が軸側突部392を乗り越えることができるようになっている。言い換えると、遊技球が球受片371bを押圧する押圧力よりも小さい力では連動側突部382が軸側突部392を乗り越えることができず揺動が阻止されるようになっている。そして、振分部材304が第1態様から第2態様に切り替わることで、連結軸307が連通口312の左端まで移動する。
また、特に図示しないが、第2態様において遊技球が流入すると、球受片371aにより右側の球受片371cに向けて誘導される。そして、球受片371cに遊技球が到達すると、球受片371cが遊技球の自重により下方に押されて振分部材304が正面視時計回りに回転する。
このとき、連結軸307が連通口312の左端から右端に向けて移動することにより、この連結軸307に当接している右連結部380bが右側に向けて移動される。つまり、振分部材304の回動に伴い、連結軸307及び左連結部380aを介して連動部材305が下端を中心として右側に向けて揺動(連動)する。
また、連結軸307が連通口312の左右方向略中央位置に到達したとき、連動側突部382が軸側突部392を乗り上がり始め、連動側突部382が軸側突部392を乗り上がるときに所定の抵抗が生じるようになっている。本実施例では、遊技球が球受片371bを押圧する力により連動側突部382が軸側突部392を乗り越えることができるようになっている。言い換えると、遊技球が球受片371bを押圧する押圧力よりも小さい力では連動側突部382が軸側突部392を乗り越えることができず揺動が阻止されるようになっている。そして、振分部材304が第2態様から第1態様に切り替わることで、連結軸307が連通口312の右端まで移動する。
尚、接続部316L,316Rの後端には、遊技盤6の背面に設けられる誘導経路Y(図10(B)参照)等が接続されるようになっている。誘導経路Yには第1始動口スイッチ14aや第2始動口スイッチ14bが設けられている。
このように、連結軸307が連通口312の左右方向の中央位置を右側から左側または左側から右側に通過する際に所定の抵抗を付与する連動側突部382と軸側突部392及び連動部材305、連結軸307は、振分部材304が第1位置または第2位置にあるときに、該振分部材304が遊技球の押圧力よりも小さい力によって振分部材304が第1誘導経路331L及び第2誘導経路331Rのいずれにも遊技球を誘導することができない第3態様に対応する第3位置(図12(C)参照)まで回動することを阻止する回動阻止手段を構成している。
このように構成された振分装置300は、ベース部材301を遊技盤面6aに取り付けた状態において、該ベース部材301及びカバー部材302が遊技盤面6aの前面側に形成される遊技領域7に配置され、該遊技領域7を流下する遊技球が振分装置300の上部に形成され上向きに開口する流入口330から流入可能となる。そして、図8に示すように、流入口330から振分装置300の内部に流入した遊技球は、振分部材304により、第1始動入賞口13aに誘導する第1誘導経路331Lまたは第2始動入賞口13bに誘導する第2誘導経路331Rのいずれかに振り分けられるようになっている。
すなわち、遊技球の誘導経路は、流入口330から下方に向けて形成され、振分部材304において左右の第1誘導経路331L及び第2誘導経路331Rに分岐されることで、正面視略逆Y字形に形成されている(図8中矢印参照)。このように、第1誘導経路331Lは流入口330から流入した遊技球を第1始動入賞口13aに誘導する経路であり、第2誘導経路331Rは流入口330から流入した遊技球を第2始動入賞口13bに誘導する経路であって、それぞれベース部材301、カバー部材302、左右の側壁321L,321R、球受底部323L,323Rにより囲まれており、例えば、図8において、分岐部に設けられた振分部材304の左右側から下方の第1始動入賞口13a及び第2始動入賞口13bまでそれぞれ延設され、第1始動入賞口13a及び第2始動入賞口13bの前方位置において背面側に屈曲されている。
尚、第1誘導経路331L及び第2誘導経路331Rは、流出口332L,332Rや連通口335A,335B以外の領域が全て壁面により囲まれた筒状の経路に限定されるものでなく、遊技球を誘導可能に形成されていれば壁面により囲まれた筒状の経路でなくてもよい。
次に、振分装置300における遊技球の流下態様及び連動部材の動作態様の一例を、図9〜図12に基づいて説明する。
まず、遊技球が第1誘導経路331Lに誘導されるときの流下態様及び連動部材の動作態様について、図9〜図12に基づいて説明する。
図9に示すように、振分部材304が第1態様であるときに流入口330から遊技球が流入し、振分部材304に到達すると、球受片371aにより左側の球受片371bに向けて誘導される。そして、球受片371bに遊技球が到達すると、球受片371bが遊技球の重量及び落下による運動エネルギーにより下方に押されて振分部材304が正面視反時計回りに回転する。
また、図9(C)に示すように、振分部材304が第1態様であるとき、連結軸307は、正面視で連通口312の右端に位置している。また、連動部材305は右側に傾倒し、左連結部380aが連結軸307の左側に当接して支持された状態で維持されている。そして、連結軸307が連通口312の右端から左端に向けて移動することにより、この連結軸307に当接している左連結部380aが左側に向けて移動される。つまり、振分部材304の回動に伴い、連結軸307及び左連結部380aを介して連動部材305が下端を中心として左側に向けて揺動(連動)する。
また、図11(A)に示すように、振分部材304が第1態様であるとき、連動部材305は、連動側突部382が軸側突部392の外周面右側方位置に当接した状態にある。つまり、連動部材305は連動側突部382を介して揺動軸391にて支持されているため、揺動軸391の外周面下部と軸受孔381の内周面下部との間には隙間が生じている。そして、連動部材305が下端を中心として左側に向けて揺動すると、連動側突部382は軸側突部392の外周面に当接した状態で左側に向けて移動(摺動)していく。
次いで、図11(B)に示すように、連結軸307が連通口312の左右方向の中央位置に到達する手前で、連動側突部382が軸側突部392の右傾斜面392bの傾斜下位部に差し掛かると、連動側突部382の左傾斜面382aと軸側突部392の右傾斜面392bとの一部が当接する。そして、連結軸307がさらに左側に移動することに伴い、連動側突部382が右傾斜面392bに沿って摺動する。ここで、左傾斜面382aと右傾斜面392bとの一部が当接することで、連動部材305の揺動に所定の抵抗が生じるとともに、連動側突部382が右傾斜面392bに沿って摺動することで、該連動側突部382が軸側突部392に乗り上がって連動部材305を僅かに上昇させる負荷により抵抗が生じる。
しかし、遊技球が球受片371aを押圧して振分部材304を回動させる押圧力の方が、連動側突部382が軸側突部392に乗り上がる際に生じる抵抗よりも大きいため、連動側突部382は軸側突部392に乗り上がっていく。
そして、図11(C)に示すように、連結軸307が連通口312の左右方向の略中央位置、つまり、回動軸372の直上位置に到達したとき、振分部材304は、第1誘導経路331L及び第2誘導経路331Rのいずれにも遊技球を振り分ける(誘導する)ことができない第3態様になる。ここで、連動部材305は、左連結部380aが連結軸307により押圧されているとともに、連結軸307と右連結部380bとの間に所定の隙間が生じていることから、右連結部380bは揺動軸391の直上から僅かに右側にずれた第3位置にある。
このように、連動部材305は重心が僅かに右側にずれて傾倒することで、軸側突部392の頂部に対し連動側突部382の頂部が右側に僅かにずれて右傾斜面392b上に位置するため、連動側突部382の頂部が右傾斜面392b上を逆戻りして下降しようとするとともに、連動部材305の重心が右側にかかることで、振分部材304が第3態様になったときでも、振分部材304が第3態様に維持されにくくなる。よって、流入した遊技球が第1誘導経路331L及び第2誘導経路331Rのいずれにも振り分けられずに球詰まりが発生してしまうことが防止される。尚、ここでは遊技球の押圧力の方が連動部材305が連結軸307を右側に向けて押圧する力よりも大きいので、連動部材305は左側に移動していく。振分部材304が遊技球の押圧力によりさらに回動していくと、振分部材304は第1態様から第3態様を経て第2態様に切り替わる(図10(A)参照)。
また、図12(A)に示すように、連動側突部382は、連結軸307の移動に応じて軸側突部392の頂部を乗り越えた後、左傾斜面392a上を下降していくことで、連動部材305は揺動しながら下降していく。そして、振分部材304が第2態様に切り替わったときに、連動側突部382は左傾斜面392aの傾斜下位部に位置する。
図12(B)に示すように、振分部材304が第2態様に切り替わり連結軸307が連通口312の左端に位置したとき、連結軸307と右連結部380bとの間に隙間があることで、連動部材305は自重によりさらに左側に傾倒する。これにより、連結軸307は右連結部380bと当接して連結される。また、この隙間分の移動により、連動側突部382が揺動軸391の外周面を摺動して軸側突部392の左側方位置に当接した状態になる。
また、図10(A)に示すように、振分部材304により第1誘導経路331Lに振り分けられて(誘導されて)下方に流下する遊技球は、案内レール336の傾斜上位部にある傾斜案内部336aに落下し、傾斜案内部336aを含む案内レール336により転動案内されることにより、流下しながら背面側に向けてスムーズに方向変更される。そして、案内レール336上を転動したまま第1始動入賞口13aを通過し、球受底部323L内を通過して遊技盤6の背面側に誘導された後、遊技盤6の背面に設けられる誘導経路Yに流入し、第1始動口スイッチ14aにより検出される。
このように第1誘導経路331Lに振り分けられた遊技球は、下方に流下した後、傾斜案内部336aにおいて背面側に向けて約90度方向変換され、案内レール336上を転動して遊技盤面6aに取り付けられるベース部材301に形成された第1始動入賞口13aに誘導されるようになっている。
また、第1誘導経路331Lにおける方向変更部を構成する傾斜案内部336aの左右側面には、流出口332L及び連通口335Aが形成されているため、第1誘導経路331Lに振り分けられて下方に流下してきた遊技球は、案内レール336に到達して傾斜案内部336aにより背面側に向けて方向変更される際に、案内レール336に対して遊技球の中心が左右いずれかにずれている場合に、流出口332Lまたは連通口335Aから第1誘導経路331Lの外部に流出することがある(図10(A)中点線矢印参照)。尚、連通口335Aから流出した遊技球は、下流出口333から落下する。
このように、第1誘導経路331Lに振り分けられた遊技球は、必ず第1始動入賞口13aに誘導されるわけではなく、遊技球の流下態様によっては、流出口332Lまたは連通口335Aから下流出口333を介して外部に流出することがある。
つまり、流出口332Lや下流出口333に連通する連通口335Aは、下方に向けて流下してきた遊技球の流下方向を、第1始動入賞口13aが形成されている背面側に向けて方向変換する傾斜案内部336aの近傍位置に形成されているため、例えば、上記したように、下方に流下しているときや、案内レール336上に落下したときの衝撃などにより、遊技球の中心位置が方向変換の際に案内レール336の中心位置に対して左右側にずれた場合に、流出口332Lや下流出口333に連通する連通口335Aから外部に流出しやすくなる。
次に、遊技球が第2誘導経路331Rに誘導されるときの流下態様及び連動部材の動作態様について説明するが、遊技球が第1誘導経路331Lに誘導されるときの流下態様及び連動部材の動作態様と逆の態様となるため、図示は省略する。
振分部材304が第2態様(図10(A)参照)であるときに流入口330から遊技球が流入し、振分部材304に到達すると、球受片371aにより右側の球受片371cに向けて誘導される。そして、球受片371cに遊技球が到達すると、球受片371cが遊技球の重量及び落下による運動エネルギーにより下方に押されて振分部材304が正面視時計回りに回転する。
また、振分部材304が第2態様であるとき、連結軸307は、正面視で連通口312の左端に位置している。また、連動部材305は左側に傾倒し、右連結部380bが連結軸307の右側に当接して支持された状態で維持されている。そして、連結軸307が連通口312の左端から右端に向けて移動することにより、この連結軸307に当接している右連結部380bが右側に向けて移動される。つまり、振分部材304の回動に伴い、連結軸307及び右連結部380bを介して連動部材305が下端を中心として右側に向けて揺動(連動)する。
また、振分部材304が第2態様であるとき、連動部材305は、連動側突部382が軸側突部392の外周面左側方位置に当接した状態にある(図12(B)参照)。つまり、連動部材305は連動側突部382を介して軸側突部392にて支持されているため、揺動軸391の外周面下部と軸受孔381の内周面下部との間には隙間が生じている。そして、連動部材305が下端を中心として右側に向けて揺動すると、連動側突部382は軸側突部392の外周面に当接した状態で右側に向けて移動(摺動)していく。
次いで、連結軸307が連通口312の左右方向の中央位置に到達する手前で、連動側突部382が軸側突部392の左傾斜面392aの傾斜下位部に差し掛かると、連動側突部382の右傾斜面382bと軸側突部392の左傾斜面392aとの一部が当接する(図12(A)参照)。そして、連結軸307がさらに右側に移動することに伴い、連動側突部382が左傾斜面392aに沿って摺動する。ここで、右傾斜面382bと左傾斜面392aとの一部が当接することで、連動部材305の揺動に所定の抵抗が生じるとともに、連動側突部382が左傾斜面392aに沿って摺動することで、該連動側突部382が軸側突部392に乗り上がって連動部材305を僅かに上昇させる負荷により抵抗が生じる。
しかし、遊技球が球受片371aを押圧して振分部材304を回動させる押圧力の方が、連動側突部382が軸側突部392を乗り上がる際に生じる抵抗よりも大きいため、連動側突部382は軸側突部392を乗り上がっていく。
そして、連結軸307が連通口312の左右方向の略中央位置、つまり、回動軸372の直上位置に到達したとき、振分部材304は、第1誘導経路331L及び第2誘導経路331Rのいずれにも遊技球を振り分ける(誘導する)ことができない第3態様になる。ここで、連動部材305は、右連結部380bが連結軸307により押圧されているとともに、連結軸307と左連結部380aとの間に所定の隙間が生じていることから、左連結部380aは揺動軸391の直上から僅かに左側にずれた第3位置にある(図11(C)を左右反転させた状態)。
このように、連動部材305は重心が僅かに左側にずれて傾倒することで、軸側突部392の頂部に対し連動側突部382の頂部が左側に僅かにずれて左傾斜面392a上に位置するため、連動側突部382の頂部が左傾斜面392a上を逆戻りして下降しようとするとともに、連動部材305の重心が左側にかかることで、振分部材304が第3態様になったときでも、振分部材304が第3態様に維持されにくくなる。よって、流入した遊技球が第1誘導経路331L及び第2誘導経路331Rのいずれにも振り分けられずに球詰まりが発生してしまうことが防止される。尚、ここでは遊技球の押圧力の方が連動部材305が連結軸307を左側に向けて押圧する力よりも大きいので、連動部材305は右側に移動していく。振分部材304が遊技球の押圧力によりさらに回動していくと、振分部材304は第2態様から第3態様を経て第1態様に切り替わる(図9(A)参照)。
また、連動側突部382は、連結軸307の移動に応じて軸側突部392の頂部を乗り越えた後、左傾斜面392a上を下降していくことで、連動部材305は揺動しながら下降していく(図11(B)参照)。最後に、連結軸307が連通口312の右端に位置したとき、連動部材305は、連動側突部382が軸側突部392の外周面右側方位置に当接した状態にある(図11(A)参照)。
振分部材304により第2誘導経路331Rに振り分けられて(誘導されて)下方に流下する遊技球は、案内レール336の傾斜上位部にある傾斜案内部336aに落下し、傾斜案内部336aを含む案内レール336により転動案内されることにより、流下しながら背面側に向けてスムーズに方向変更される。そして、案内レール336上を転動したまま第2始動入賞口13bを通過し、球受底部323R内を通過して遊技盤6の背面側に誘導された後、遊技盤6の背面に設けられる誘導経路Yに流入し、第2始動口スイッチ14bにより検出される。
このように第2誘導経路331Rに振り分けられた遊技球は、下方に流下した後、傾斜案内部336aにおいて背面側に向けて約90度方向変換され、案内レール336上を転動して遊技盤面6aに取り付けられるベース部材301に形成された第2始動入賞口13bに誘導されるようになっている。
また、第2誘導経路331Rにおける方向変更部を構成する傾斜案内部336aの左右側面には、流出口332R及び連通口335Bが形成されているため、第2誘導経路331Rに振り分けられて下方に流下してきた遊技球は、案内レール336に到達して傾斜案内部336aにより背面側に向けて方向変更される際に、案内レール336に対して遊技球の中心が左右いずれかにずれている場合に、流出口332Rまたは連通口335Bから第2誘導経路331Rの外部に流出することがある。尚、連通口335Bから流出した遊技球は、下流出口333から落下する。
このように、第2誘導経路331Rに振り分けられた遊技球は、必ず第2始動入賞口13bに誘導されるわけではなく、遊技球の流下態様によっては、流出口332Rまたは連通口335Bから下流出口333を介して外部に流出することがある。
つまり、流出口332Rや下流出口333に連通する連通口335Bは、下方に向けて流下してきた遊技球の流下方向を、第2始動入賞口13bが形成されている背面側に向けて方向変換する傾斜案内部336aの近傍位置に形成されているため、例えば、上記したように、下方に流下しているときや、案内レール336上に落下したときの衝撃などにより、遊技球の中心位置が方向変換の際に案内レール336の中心位置に対して左右側にずれた場合に、流出口332Rや下流出口333に連通する連通口335Bから外部に流出しやすくなる。
以上説明してきたように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、振分装置300は、振分部材304の回動に連動して、第1態様に対応する第1位置と第2態様に対応する第2位置との間で左右往復揺動可能に設けられた連動部材305が、第1位置または第2位置にあるときに、該連動部材305が遊技球の押圧力よりも小さい力によって振分部材304が第1誘導経路331L及び第2誘導経路331Rのいずれにも遊技球を誘導することができない第3態様に対応する第3位置まで回動することを阻止する回動阻止手段としての連動側突部382と軸側突部392及び連動部材305、連結軸307を備えている。
このように構成された振分装置300は、振分部材304が第1態様または第2態様にあるときには、流入口330から流入した遊技球が振分部材304を押圧することにより該振分部材304が回動するため、遊技球は第1誘導経路331Lまたは第2誘導経路331Rに誘導される。また、振分部材304に連動して揺動する連動部材305は、前記回動阻止手段により、第1位置または第2位置にあるときに遊技球が振分部材304を押圧する押圧力(遊技球の重量及び落下による運動エネルギー)よりも小さい力によって第3位置まで回動すること(連動側突部382が軸側突部392に乗り上がること)が阻止されることで、例えば、振分部材304が第1態様や第2態様において回動規制されたとき、詳しくは球受片371b,371cが傾斜面340L,340Rに当接したときの衝撃や、パチンコ遊技機1に外力が加えられたり、遊技領域7を流下する遊技球が振分装置300の側壁321L,321R等に衝突することにより生じる振動といった遊技球の押圧力よりも小さい力により、連動部材305が第3位置まで揺動すること、つまり、振分部材304が第3態様まで回動することが防止されるため、振分部材304が第3態様に維持されて遊技媒体を第1誘導経路331Lにも第2誘導経路331Rにも誘導できずに流入口330付近に遊技球が詰まることを防止できる。
また、回動阻止手段の一部を構成する連動側突部382及び軸側突部392は、振分部材304ではなく連動部材305及び揺動軸391に形成されている。つまり、遊技球が流下する誘導経路の外側であるベース部材301の背面側に形成されているため、このような回動阻止手段を構成する各部材等が遊技球の流下の邪魔になることがない。
尚、本実施例では、回動阻止手段の一部を構成する連動側突部382及び軸側突部392は、振分部材304ではなく、振分部材304に連結する連動部材305及び揺動軸391に形成されていたが、例えば、振分部材304とベース部材301とに形成してもよい。
また、連動部材305を回動可能に軸支する揺動軸391と、連動部材305に形成され揺動軸391が挿入される軸受孔381と、を備え、前記回動阻止手段は、揺動軸391に形成される第1接触部としての軸側突部392の左傾斜面392a及び第2接触部としての軸側突部392の右傾斜面392bと、軸受孔381に形成され連動部材305が第1位置(図11(A)参照)から回動し第3位置(図12(C)参照)に到達するまでに左傾斜面392aに接触する第1被接触部としての連動側突部382の左傾斜面382a及び連動部材305が第2位置(図12(B)参照)から回動し第3位置に到達するまでに右傾斜面392bに接触する第2被接触部としての連動側突部382の右傾斜面382bと、から構成されることで、連動部材305が第1位置または第2位置から第3位置に到達するまでに左傾斜面392aまたは右傾斜面392bを左傾斜面382aまたは右傾斜面382bに接触させることにより、遊技球の押圧力よりも小さい力により連動部材305が揺動することを阻止できるので、簡単な構成で振分部材304が第3態様に維持されることを防止できる。
また、連動側突部382と軸側突部392とは、それぞれ傾斜面により形成されていることで、連動部材305の揺動に所定の抵抗を付与するだけでなく、連動側突部382が軸側突部392の頂部まで乗り上がらなければ逆側に戻す力が働くため、連動部材305が第3位置に到達したときでも第3位置に維持されにくくすることができる。
尚、本実施例では、回動阻止手段の一例として、連動側突部382と軸側突部392が適用されていたが、遊技球の押圧力よりも小さい力で連動部材305が第3位置まで揺動することを阻止することが可能であれば、例えば凹部と凸部とにより構成されていてもよいし、連動側突部382や軸側突部392の周面が傾斜面でなく、周面に対し起立する起立面等により形成されていてもよい。
また、このような突部や凹凸部等を設けることなく、例えば、所定の摩擦抵抗力を付与することにより遊技球の押圧力よりも小さい力で揺動することを阻止できるものであれば、軸受孔381の内周面と揺動軸391の外周面との一部に摩擦面を形成して抵抗を付与できるようにしてもよい。
また、軸受孔381の内周面及び揺動軸391の外周面のうち一方に被係止部を形成し、他方に被係止部に対し弾性的に係脱可能な弾性係止部等を形成するようにしてもよく、このようにした場合、遊技球の押圧力よりも小さい力では弾性係止部は被係止部に係止されて該被係止部を越えることができず、遊技球の押圧力により弾性係止部が弾性変形して被係止部を越えることができるようにすればよい。
また、連動部材305は、揺動軸391を中心として回動可能に設けられるとともに振分部材304が第3態様であるときに揺動軸391の略直上に位置し、第1態様または第2態様であるときに揺動軸391の側方に位置する連動側連結部380を有し、振分部材304は、連動側連結部380に対し連動可能に連結される誘導側連結部である連結軸307を有し、連動側連結部380は、連動側連結部380の回動方向の一方側で連結される第1連動側連結部である左連結部380a及び他方側で連結される第2連動側連結部である右連結部380bを含み、左連結部380a及び右連結部380bのうち一方が連結軸307に連結されているときに、他方と連結軸307との間に所定の隙間が形成されるようになっていることで、連結軸307と連動側連結部380とは所定の隙間(遊び)を持って連結されるので、連動側連結部380が揺動軸391の略直上に位置するとき、つまり、振分部材304が第3態様であるときでも、連動部材305は所定の隙間分だけ左右いずれかに傾倒することで、振分部材304が第1態様または第2態様になるように付勢されるため、第3態様に維持されにくくなる。
尚、本実施例では、連動側連結部380は互いに離間する柱状の左連結部380a及び右連結部380bにより構成されていたが、連結軸307に対し選択的に当接可能に構成されていれば、例えば、連結軸307の外径よりも大きな連結孔等によって構成されていてもよい。この場合、連結孔の内周面左右側が第1連結部及び第2連結部を構成する。
次に、図13を参照して、変形例としての振分装置300について説明する。図13は、(A)は変形例としての振分装置を示す断面図、(B)は(A)のJ−J断面図、(C)は(B)のK−K断面図である。
この変形例の振分装置300では、ベース部としてのベース部材301は、第1誘導経路331L,第2誘導経路331Rにおける方向変更部である球受底部323L,323Rの傾斜案内部336aよりも上方位置に遊技球をカバー部としてのカバー部材302側に誘導する突出部としての突出板315を有し、カバー部材302は、突出板315に対応する位置に該突出板315により誘導された遊技球を受け入れて流下案内する凹部としての案内溝337を有することで、第1誘導経路331Lまたは第2誘導経路331Rに誘導された遊技球は、傾斜案内部336aよりも上方位置において突出部としての突出板315によりカバー部材302側に誘導されることで流下速度が減速されるとともに、案内溝337により流下案内される(整流効果を有する)ことで、第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bに誘導されやすくすることができる。
さらに、前側に誘導された遊技球は、案内溝337内に入り込むとともに、突出板315を通過するときに、左右方向に湾曲する案内溝337と前端面315aとにより前後側が案内されることにより左右方向の振れが規制され、案内レール336の中間位置に落下しやすくなることで(図13(C)参照)、方向変更部である傾斜案内部336aで遊技球が左右いずれかの流出口332L,332Rや下流出口333から流出しにくくなるため、第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bに誘導されやすくすることができる。
本実施例では、このような突出板315と案内溝337とにより遊技球が流下案内されることで、遊技球の中心が案内レール336に落下しやすくなるので、振分部材304により第1誘導経路331Lまたは第2誘導経路331Rに振り分けられた遊技球は、ほぼ第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bに誘導されるようになっている(例えば、約90%以上の確率で第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bに誘導される)。
また、方向変更部としての傾斜案内部336aは、案内溝337の下部に連設され、受け入れて流下案内した遊技球を第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bに向けて方向変換する傾斜案内部336aを含むので、案内溝337により流下案内された遊技球をそのまま第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bに向けてスムーズに誘導できるため、第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bに誘導されやすくすることができる。
特に、傾斜案内部336aがあることで、第1誘導経路331Lまたは第2誘導経路331Rに振り分けられた遊技球が案内レール336に落下したときの衝撃が小さくなることで遊技球が飛び跳ねにくくなるので、飛び跳ねることにより左右の流出口332L,332Rや下流出口333から流出しにくくなる。
また、傾斜案内部336aは、案内溝337から連続して形成されていることで、案内溝337に沿って流下してきた遊技球を案内溝337からスムーズに離脱させて背面側に方向変更させることができる。
また、本実施例では、これら突出板315、案内溝337、案内レール336、傾斜案内部336aは、第1誘導経路331L及び第2誘導経路331R双方に設けられていたが、第1誘導経路331L及び第2誘導経路331Rのうち少なくとも一方に設けられていればよい。
また、本実施例では、振分部材304によって流入口330から流入した遊技球を、第1始動入賞口13aに誘導する第1誘導経路331L及び第2始動入賞口13bに誘導する第2誘導経路331Rのいずれかに振り分け可能に構成されていたが、3以上の複数の領域(入賞口など)及びこれら領域それぞれに遊技球を誘導する複数の誘導経路を設け、これら複数の誘導経路のいずれかに誘導可能に構成されていてもよい。
また、本実施例では、遊技球が通過可能な第1領域及び第2領域の一例として、第1始動入賞口13a及び第2始動入賞口13bを記載したが、これら始動入賞口以外の入賞口(例えば、大入賞口や一般入賞口など)やゲート等を適用してもよい。
また、振分装置300は、遊技領域7を流下する遊技球が流入口330に流入し、該流入口330から流入した遊技球が振分部材304により第1誘導経路331Lまたは第2誘導経路331Rに誘導されたときに、必ず第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bに導かれるわけでなく、流下方向が方向変更部にて変更される際に流出口332L,332Rや下流出口333に連通する連通口335A,335Bから流出することもあるので、遊技の興趣が向上する。
また、本実施例では、第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bは、第1誘導経路331L,第2誘導経路331Rの背面側にある遊技盤面6a側であるベース部材301に形成されている。つまり、第1誘導経路331L,第2誘導経路331Rに対し直交する方向に形成されていることで、例えば、遊技領域7における左右の流出口332L,332Rや下流出口333の下方位置に、遊技球が入賞可能な上向きに開口する入賞口を形成しなくて済む。
よって、振分装置300(カバー部材302)の上下幅寸法を極力短くできるため、例えば、演出表示装置9を大型化することに伴ってステージ飾り枠11の下部を下方に広げることによりステージ飾り枠11の下方に広がる遊技領域7の上下幅が狭くなることがあっても、振分装置300を配設することができるので、遊技領域7の設計自由度が向上する。
尚、本実施例では、第1始動入賞口13a及び第2始動入賞口13bを遊技盤面6a側であるベース部材301に形成し、前方に開口する領域としていたが、左右外側の流出口332L,332Rを第1始動入賞口13a,第2始動入賞口13bとし、左右内側の連通口335A,335Bを流出口としてもよいし、左右内側の連通口335A,335Bを第1始動入賞口13a,第2始動入賞口13bとし、左右外側の流出口332L,332Rを流出口としてもよい。これらの場合、第1誘導経路331L,第2誘導経路331Rは、振り分けられた遊技球を左右側の第1始動入賞口13a,第2始動入賞口13bに誘導するための方向変更部を有していればよく、流出口332L,332Rや下流出口333の下方位置に入賞口を形成しなくて済むため、上記と同様の作用・効果を奏する。尚、これらのように流出口を左右外側の流出口332L,332Rまたは左右内側の連通口335A,335Bとする場合、方向変更部よりもやや上方位置に設けることが好ましい。
また、上記のように第1始動入賞口13a,第2始動入賞口13bを第1誘導経路331L,第2誘導経路331Rの左右側面に形成する場合において、流出口を左右側面における第1始動入賞口13a,第2始動入賞口13bの対向面に形成するものに限定されるものではなく、第1誘導経路331L,第2誘導経路331Rの前面(例えば、カバー部材302)及び/または後面(例えば、ベース部材301)に形成してもよい。
さらに、第1始動入賞口13a,第2始動入賞口13bを第1誘導経路331L,第2誘導経路331Rの左右側面に形成する場合、前述した突出部としての突出板や凹部としての案内溝を左右側面における方向変更部の上方位置に形成すれば、上記と同様の作用・効果を奏する。
また、本実施例のように、左右内側の連通口335A,335Bを流出口とする場合、流入口330から連続して流入して第1誘導経路331L,第2誘導経路331Rに振り分けられ、左右内側の連通口335A,335Bそれぞれから流出する遊技球同士が衝突して流出が妨げられないように、本実施例のように連通口335A,335Bの間に少なくとも遊技球の直径の2倍以上の隙間を設けたり、あるいは連通口335A,335Bの間に遊技球同士の衝突を防止する衝突防止壁等を設けることが好ましい。
また、本実施例では、第1始動入賞口13a及び第2始動入賞口13bのうちいずれか一方に連続して所定数の遊技球が通過したことに基づいて異常判定を行うCPU56(入賞順異常判定手段)を備えることで、振分部材304(誘導部材)による誘導異常が判定されるので、正常な遊技を行うことができなくなることが防止される。
本実施例では、遊技球を振り分けるための振分装置300が遊技領域7に設けられている。振分装置300は、流入口330から遊技球が流入したことに基づいて、振分部材304は第1態様と第2態様とに所定の順序に従って切り替わる(本例では、遊技球の重量及び落下の運動エネルギーによって交互に切り替わる)。また、第1始動入賞口13aは、第1誘導経路331Lに振り分けられた遊技球が通過しやすい態様で設けられているとともに、第2始動入賞口13bは、第2誘導経路331Rに振り分けられた遊技球が通過しやすい態様で設けられている。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ14aおよび第2始動口スイッチ14bによって遊技球が検出された順序が所定の順序と異なる場合(例えば、一方の始動口スイッチで所定球数(例えば、4球)以上連続して遊技球が検出された場合)に異常(本例では、入賞順異常)と判定するようにすることで、振分装置300の異常判定を行うことができるので、振分装置300の異常により遊技を正常に行えなくなることを防止することができる。
具体的には、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとのうちのいずれか一方に遊技球が連続して4以上入賞したときに入賞順異常と判定するように構成することが考えられるが、そのように構成しただけでは、例えば、第2始動入賞口13bに遊技球を3つ入賞させた後に第1始動入賞口13aに遊技球を1つ入賞させる作業を繰り返すような不正行為が可能となってしまう。そこで、例えば、始動入賞が10個発生するごとに、その10個の始動入賞のうちの第1始動入賞口13aへの始動入賞の数と第2始動入賞口13bへの入賞の数とを判定するようにし、一方の始動入賞口への入賞が所定割合(例えば、70%)以上偏っている場合に入賞順異常と判定するようにしてもよい。具体的には、10個の始動入賞が発生したときに、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとのうちいずれか一方に7個以上入賞していれば、入賞順異常と判定するようにしてもよい。
また、振分部材304により振分けられたものの、流出口332L,332Rや下流出口333から流出して、第1始動口スイッチ14aや第2始動口スイッチ14bにより検出されないことがあり、このような場合、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bが2球連続して遊技球を検出することは考えられるが、4以上連続して遊技球を検出する、つまり、4以上連続して流出する確率は極めて低いので、遊技球が連続して4以上検出されたときに異常と判定するようにしている。
また、上記のような一方の始動入賞口への入賞割合の偏りを検出して入賞順異常と判定する判定方法は、一方の始動入賞口に所定数(本例では4)以上の連続入賞を検出したことに基づいて入賞順異常と判定する処理に代えて実行するようにしてもよいし、一方の始動入賞口への入賞割合の偏りを検出して入賞順異常と判定する処理と、一方の始動入賞口に所定数以上の連続入賞を検出して入賞順異常と判定する処理とを両方あわせて実行するように構成してもよい。
また、振分部材304は、第1態様と第2態様とに略交互に切り替わるように構成され、また、第2始動入賞口13bを遊技球が通過した場合に、第1始動入賞口13aを遊技球が通過した場合と比較して有利な遊技状態(例えば、ラウンド数が多い15R確変大当りなど)に制御される割合が高い場合、第1始動入賞口13aを遊技球が通過することなく、第2始動入賞口13bを遊技球が連続して通過(本例では、第2始動入賞口13bに4以上連続して入賞)したことに基づいて異常と判定することで、有利な方の第2始動入賞口13bに故意に遊技球を通過させる不正行為が行われることを防止することができる。
例えば、第2始動入賞口13bへの入賞が有利に構成された遊技機では、第2始動入賞口13bに連続して遊技球を入賞させるような不正行為が行われる虞があるが、第2始動入賞口13bに4以上連続して入賞したことに基づいて入賞順異常と判定して入賞順異常報知を行うようにすれば、そのような不正行為が行われることを防止することができる。
また、振分装置300の振分部材304が第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとに交互に入賞可能に遊技球を振り分けるのであるが、例えば、振分部材304が左右いずれかに張り付いてしまうなど振分装置300に何らかの故障が発生した場合には、第1始動入賞口13aに遊技球が連続して入賞したり第2始動入賞口13bに遊技球が連続して入賞したりする状態が発生する可能性がある。特に第2始動入賞口13bに遊技球が連続して入賞する状態となってしまった場合には有利な状態が必要以上に継続するのであるから、遊技店にとって必要以上に不利益な状態が生じてしまう虞がある。そこで、第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bに4以上連続して入賞したことに基づいて入賞順異常と判定して入賞順異常報知を行うので、振分装置300の故障を早期に発見できるとともに、遊技店にとって必要以上に不利益な事態が生じることを防止することができる。
また、この実施例では、振分装置300の状態が交互に切り替わる場合を示したが、所定の順序に従って切り替わるものであればよく必ずしも交互に切り替わるものでなくてもよい。例えば、第1始動入賞口13a→第1始動入賞口13a→第2始動入賞口13b→第1始動入賞口13a→第1始動入賞口13a→第2始動入賞口13b・・・のサイクルで順に切り替わるものでもよく、振分装置300は何らかの決められた順序に従って切り替わるものであればよい。このような場合であっても、決められた順序に従った始動入賞を検出できなかった場合には入賞順異常が発生したと判定して入賞順異常報知を実行するようにすればよい。また、このような場合であっても、決められた順序に従った始動入賞を検出できなかった場合に直ちに入賞順異常と判定するのではなく、決められた順序に従った始動入賞を所定回数の始動入賞にわたって連続して検出できなかったことを条件に入賞順異常と判定して入賞順異常報知を実行するようにしてもよい(すなわち、入賞順異常となるまでに多少のマージンをもたせてもよい)。
また、1段階の処理で入賞順異常の判定および入賞順異常報知を行う場合を示したが、複数段階の処理で行うように構成してもよい。例えば、1段階目の処理として第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとのいずれか一方に4個連続して入賞したことに基づいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御コマンドとして、遊技球の入賞順異常を検出したことを示す入賞順異常報知指定コマンドを演出制御用CPU120に送信し、演出制御用CPU120は、入賞順異常報知指定コマンドを受信したことに基づいて、入賞順異常報知としてランプ・LEDの点灯制御を行い、2段階目の処理として同じ始動入賞口にさらに入賞が連続し8個連続して入賞したことに基づいてランプ・LEDの点灯制御と異常報知音の出力制御とを行い、3段階目の処理として同じ始動入賞口にさらに入賞が連続し16個連続して入賞したことに基づいてランプ・LEDの点灯制御と異常報知音の出力制御とに加えて賞球払出を停止するようにしてもよい。
また、賞順異常報知指定コマンドを受信したことに基づいて、遊技場のホールコンピュータ等(図示略)に入賞順異常信号を出力するようにしてもよい。このように、第2始動入賞口13bや第1始動入賞口13aにおいて入賞順異常が発生した場合、入賞順異常が発生したことを報知するようにすることで、上記のような不正行為が行われたことを遊技場の店員等が早期に発見して対処することが可能となる。
また、このような入賞順異常が発生したときに、入賞順異常報知を行うだけでなく、遊技の進行を不能化、例えば、打球操作ハンドル5の操作による遊技球の発射ができなくなるようにしたり、始動入賞に基づく変動表示が開始されないようにしてもよい。
また、本実施例では、第2特別図柄の変動表示は、遊技球が第2始動入賞口13bまたは第3始動入賞口13cに入賞した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始されるようになっているとともに、第3始動入賞口13cを遊技球が通過しやすい状態(本例では、開放状態)に変化可能な可変入賞装置(本例では、可変入賞球装置15)を備えている。
そして、入賞順異常報知の対象は、第1始動入賞口13a及び第2始動入賞口13bへの連続入賞としており、第3始動入賞口13cへの連続入賞は対象としていないため、高ベース状態に制御されているときでも、第2始動入賞口13bにて連続入賞が発生することはないが、例えば、第2誘導経路331Rを流下する遊技球を振分装置300の下面から流出するようにし、第2始動入賞口13bを振分装置300の下方位置等に設けるとともに、第2始動入賞口13bに可変入賞装置を設けた場合においては、可変入賞装置の動作期間中(本例では、確変状態(すなわち、高ベース状態)中、可変入賞球装置15の開放動作中)は異常と判定しないようにすればよい。このようにすることで、不要な異常判定が行われてしまう無駄を防止することができる。具体的には、確変状態(すなわち、高ベース状態)中や可変入賞球装置15の開放動作中である場合には、第2始動入賞口13bに連続して遊技球が入賞することがあり得るのであるから、第2始動入賞口13bへの入賞順異常の判定は行わないようにして、不要な入賞順異常の判定を行う無駄を防止している。
このように第3始動口スイッチ14cの検出結果にかかわらず、第1始動口スイッチ14aおよび第2始動口スイッチ14bによって遊技球が検出された順序が所定の順序と異なる場合に異常と判定する。そのため、遊技球の入賞順に制約がない第3始動口スイッチ14cに関係なく異常判定を行うので、必要な異常判定が行われるようにすることができる。
尚、本実施例では、大当り種別として、大当り遊技終了後に確変状態に制御される確変大当り以外に、高ベース状態(時短状態)のみに制御される通常大当りが設けられていたが、大当り遊技が終了した後に必ず確変状態(高確率状態)に制御され、大当り遊技終了後に所定回数(本例では、70回)の変動表示を終了したことに基づいて、確変状態(高確率状態)を終了する遊技機に、上記入賞順異常の検出および報知を実行する構成を適用してもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状のパチンコ球(遊技球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えばメダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。