JP6093161B2 - 被洗浄物の洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被洗浄物の洗浄方法及びそれに用いる無リン粉末洗浄剤組成物に関する。
ホテルやレストラン等で用いられる業務用の自動食器洗浄機では、食器を収容した洗浄室内において、洗浄水貯槽に貯留した洗浄水を噴射した後、外部から導入したすすぎ水を噴射することにより食器の洗浄を行う。このとき、洗浄後の洗浄水は洗浄水貯槽に戻って再使用されるが、洗浄水貯槽にはすすぎ水も流入し、それによって洗浄水が希釈されるため、洗浄水に新たに洗浄剤を供給する必要がある。
特許文献1には、自動食器洗浄機において、タブレット洗浄剤組成物を入れた洗浄剤ホルダーを洗浄室内に設置し、そして、洗浄室内で噴射される洗浄水及びすすぎ水によってタブレット洗浄剤組成物を漸次溶解させ、その洗浄剤水溶液を洗浄水貯槽に貯留した洗浄水に流入させることにより洗浄水の洗浄剤濃度の調整を行うことが開示されている。
特許文献2には、自動食器洗浄機において、ストレーナの下側に洗浄剤を入れた洗浄剤ホルダーを取り付け、そして、洗浄剤ホルダーに流入する洗浄水に洗浄剤を溶解させ、洗浄剤ホルダーから溢れ出た洗浄剤水溶液を洗浄液タンクに貯留した洗浄水に流入させることにより洗浄水の洗浄剤濃度の調整を行うことが開示されている。
また、特許文献3には、(a)ポリアクリル酸又はその塩、及び、アクリル酸とマレイン酸のコポリマー又はその塩から選ばれるポリマー8質量%以上、(b)メタ珪酸塩及びオルソ珪酸塩から選ばれる珪酸塩10〜90質量%、並びに(c)炭酸塩を含有し、(b)珪酸塩と(c)炭酸塩の合計が35〜92質量%である硬質物品の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物が開示されている。
特開2008−44972号公報 特開2002−10963号公報 特開2012−126857号公報
自動洗浄機内に設ける洗浄剤ホルダーへの1回の洗浄剤の供給で複数回の洗浄を行う場合、洗浄回数に関わらず洗浄水の洗浄剤濃度が安定であることが望まれる。また、洗浄剤ホルダーへの洗浄剤の供給頻度は少ない、つまり、洗浄剤ホルダーへの1回の洗浄剤の供給により実施可能な洗浄回数が多いことも望まれる。
本発明の課題は、洗浄剤ホルダーへの1回の洗浄剤の供給で複数回の洗浄を行う場合に、洗浄回数に関わらず洗浄水の洗浄剤濃度が安定であり、且つ洗浄剤ホルダーへの1回の洗浄剤の供給により実施可能な洗浄回数が多い被洗浄物の洗浄方法を提供することである。
本発明は、無リン粉末洗浄剤組成物を入れた洗浄剤ホルダーを設けた自動洗浄機内に被洗浄物を収容し、前記自動洗浄機内において、洗浄水を噴射した後にすすぎ水を噴射して被洗浄物を洗浄する方法であって、前記無リン粉末洗浄剤組成物は、下記(A)成分及び下記(B)成分を含有し且つカリウム塩を含有しない、又は、下記(A)成分及び下記(B)成分を含有すると共にカリウム塩をも含有し且つ前記無リン粉末洗浄剤組成物中におけるカリウム塩のナトリウム塩に対するモル比が0.1以下であるものである。
(A)成分:炭酸ナトリウム及び珪酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上のアルカリ剤
(B)成分:クエン酸、アクリル酸ポリマー、アクリル酸マレイン酸コポリマー、及びそれらのナトリウム塩から選ばれる1種又は2種以上のキレート剤
本発明は、本発明の洗浄方法に用いる無リン粉末洗浄剤組成物である。
本発明によれば、洗浄剤ホルダーに入れる無リン粉末洗浄剤組成物が、上記(A)成分及び上記(B)成分を含有し且つカリウム塩を含有しない、又は、上記(A)成分及び上記(B)成分を含有すると共にカリウム塩をも含有し且つ無リン粉末洗浄剤組成物中におけるカリウム塩のナトリウム塩に対するモル比が0.1以下であるので、洗浄剤ホルダーへの1回の洗浄剤の供給で複数回の洗浄を行う場合に、洗浄回数に関わらず洗浄水の洗浄剤濃度を安定化させることができ、且つ洗浄剤ホルダーへの1回の洗浄剤の供給により実施可能な洗浄回数を多くすることができる。
(a)は洗浄剤ホルダーの一例の蓋部材を閉じた状態を示す斜視図であり、(b)は蓋部材を開いた状態を示す斜視図である。 自動洗浄機の一例の概略構成を示す図である。 (a)〜(c)は、実施形態に係る被洗浄物の洗浄方法の説明図である。
以下、実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る被洗浄物の洗浄方法は、無リン粉末洗浄剤組成物を入れた洗浄剤ホルダーを設けた自動洗浄機内に被洗浄物を収容し、自動洗浄機内において、再使用される洗浄水を噴射した後にすすぎ水を噴射して被洗浄物を洗浄するものである。そして、無リン粉末洗浄剤組成物は、下記(A)成分及び下記(B)成分を含有し且つカリウム塩を含有しない、又は、下記(A)成分及び下記(B)成分を含有すると共にカリウム塩をも含有し且つ無リン粉末洗浄剤組成物中におけるカリウム塩のナトリウム塩に対するモル比(カリウム塩のモル数/ナトリウム塩のモル数)が0.1以下である。
(A)成分:炭酸ナトリウム及び珪酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上のアルカリ剤
(B)成分:クエン酸、アクリル酸ポリマー、アクリル酸マレイン酸コポリマー、及びそれらのナトリウム塩から選ばれる1種又は2種以上のキレート剤
本実施形態に係る被洗浄物の洗浄方法によれば、自動洗浄機で用いられる洗浄水及びすすぎ水が洗浄剤ホルダーに流入して無リン粉末洗浄剤組成物を溶かした後に流出し、それにより洗浄水の洗浄剤濃度の調整を図るが、洗浄剤ホルダーに入れる無リン粉末洗浄剤組成物が、上記(A)成分及び上記(B)成分を含有し且つカリウム塩を含有しない、又は、上記(A)成分及び上記(B)成分を含有すると共にカリウム塩をも含有し且つ無リン粉末洗浄剤組成物中におけるカリウム塩のナトリウム塩に対するモル比が0.1以下であるので、洗浄剤ホルダーへの1回の洗浄剤の供給で複数回の洗浄を行う場合に、洗浄回数に関わらず洗浄水の洗浄剤濃度を安定化させることができ、且つ洗浄剤ホルダーへの1回の洗浄剤の供給により実施可能な洗浄回数を多くすることができる。
この本実施形態に係る被洗浄物の洗浄方法は、ホテルやレストラン等での食器洗浄、或いは、医療機関等での医療器具の洗浄において業として実施されるものであり、特に喫茶店等の小規模店舗での被洗浄物の洗浄に好適である。
<無リン粉末洗浄剤組成物>
無リン粉末洗浄剤組成物は、上記の通り、下記(A)成分及び下記(B)成分を含有し且つカリウム塩を含有しない、又は、下記(A)成分及び下記(B)成分を含有すると共にカリウム塩をも含有し且つ無リン粉末洗浄剤組成物中におけるカリウム塩のナトリウム塩に対するモル比が0.1以下である。
(A)成分:炭酸ナトリウム及び珪酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上のアルカリ剤
(B)成分:クエン酸、アクリル酸ポリマー、アクリル酸マレイン酸コポリマー、及びそれらのナトリウム塩から選ばれる1種又は2種以上のキレート剤
無リン粉末洗浄剤組成物は、(A)成分として、炭酸ナトリウムのみを含有してもよく、また、珪酸ナトリウムのみを含有してもよく、更に、炭酸ナトリウム及び珪酸ナトリウムの両方を含有してもよい。
(A)成分の珪酸ナトリウムは、オルト珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、及びメタ二珪酸ナトリウムのいずれであってもよく、また、これらの混合物であってもよい。
(A)成分は無水物であることが好ましい。無リン粉末洗浄剤組成物が炭酸ナトリウム及び珪酸ナトリウムの両方を含有する場合、炭酸ナトリウム及び珪酸ナトリウムの両方が無水物であってもよく、また、炭酸ナトリウム及び珪酸ナトリウムの一方が無水物及び他方が水和物であってもよい。
無リン粉末洗浄剤組成物における(A)成分の含有量は、洗浄回数に関わらず洗浄水の洗浄剤濃度を安定化させ且つ洗浄剤ホルダーへの1回の洗浄剤の供給による洗浄回数を多くする観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上であり、また、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。無リン粉末洗浄剤組成物が炭酸ナトリウム及び珪酸ナトリウムの両方を含有する場合、炭酸ナトリウムの含有量の珪酸ナトリウムの含有量に対する質量比(炭酸ナトリウムの含有量/珪酸ナトリウムの含有量)は、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上であり、また、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下である。
無リン粉末洗浄剤組成物は、(B)成分として、クエン酸、アクリル酸ポリマー、及びアクリル酸マレイン酸コポリマー、並びにクエン酸ナトリウム、アクリル酸ポリマーのナトリウム塩、及びアクリル酸マレイン酸コポリマーのナトリウム塩の6種のうちいずれか1種のみを含有してもよく、また、2〜6種を含有してもよい。
無リン粉末洗浄剤組成物は、コストの観点から、(B)成分として、クエン酸ナトリウム、アクリル酸ポリマーのナトリウム塩、及びアクリル酸マレイン酸コポリマーのナトリウム塩から選ばれる1種又は2種以上を含有することが好ましく、クエン酸ナトリウムを含有することがより好ましい。また、クエン酸ナトリウムはクエン酸3Na塩であることが好ましい。
無リン粉末洗浄剤組成物における(B)成分の含有量は、スケール付着抑制効果の観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上であり、また、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下である。
無リン粉末洗浄剤組成物がクエン酸ナトリウム及びアクリル酸ポリマーのナトリウム塩を含有する場合、クエン酸ナトリウムの含有量のアクリル酸ポリマーのナトリウム塩の含有量に対する質量比(クエン酸ナトリウムの含有量/アクリル酸ポリマーのナトリウム塩の含有量)は、スケール付着抑制効果と経済性の観点から、好ましくは1以上、より好ましくは2以上であり、また、好ましくは6以下、より好ましくは3以下である。
無リン粉末洗浄剤組成物がクエン酸ナトリウム及びアクリル酸マレイン酸コポリマーのナトリウム塩を含有する場合、クエン酸ナトリウムのナトリウム塩の含有量のアクリル酸マレイン酸コポリマーのナトリウム塩の含有量に対する質量比(クエン酸ナトリウムの含有量/アクリル酸マレイン酸コポリマーのナトリウム塩の含有量)は、好ましくは1以上、より好ましくは2以上であり、また、好ましくは6以下、より好ましくは3以下である。
無リン粉末洗浄剤組成物における(A)成分及び(B)成分の総含有量は、洗浄性とスケール付着抑制効果のバランスや洗浄剤ホルダーへの1回の洗浄剤の供給による洗浄回数を多くする観点から、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上であり、また、好ましくは100質量%以下、より好ましくは95質量%以下である。
無リン粉末洗浄剤組成物における(A)成分の含有量の(B)成分の含有量に対する質量比((A)成分の含有量/(B)成分の含有量)は、好ましくは1以上、より好ましくは2以上であり、また、好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。
無リン粉末洗浄剤組成物は、カリウム塩を含有しないことが望ましいが、カリウム塩を含有する場合でも、無リン粉末洗浄剤組成物中におけるカリウム塩のナトリウム塩に対するモル比が0.1以下であり、洗浄回数に関わらず洗浄水の洗浄剤濃度を安定化させ且つ洗浄剤ホルダーへの1回の洗浄剤の供給による洗浄回数を多くする観点から、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下である。
無リン粉末洗浄剤組成物が含有してもよいカリウム塩としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、珪酸カリウム、ポリアクリル酸カリウム、アクリル酸とマレイン酸とのコポリマーのカリウム塩等が挙げられる。無リン粉末洗浄剤組成物は、これらのうち1種又は2種以上を含有してもよい。
無リン粉末洗浄剤組成物は硫酸ナトリウムを更に含有してもよい。無リン粉末洗浄剤組成物における硫酸ナトリウムの含有量は、洗浄性とスケール付着抑制効果のバランスの観点から、好ましくは0質量%以上であり、また、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは0質量%である。
無リン粉末洗浄剤組成物は非イオン界面活性剤を更に含有してもよい。非イオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンジアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリプロピレンオキシド・ポリエチレンオキシド・ポリプロピレンオキシドブロックポリマー、プルロニック型ブロックポリマー、テトロニック型ブロックポリマー、リバースプルロニック型ブロックポリマー、リバーステトロニック型ブロックポリマー、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ミスチリン酸ジエタノールアミド、ミスチリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、パーム核脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルグルコシド類、アミンオキサイド類等が挙げられる。洗浄性の観点からは、これらのうちポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、プルロニック型ブロックポリマー、テトロニック型ブロックポリマー、リバースプルロニック型ブロックポリマー、リバーステトロニック型ブロックポリマーが好ましい。無リン粉末洗浄剤組成物は、これらのうち1種又は2種以上を含有してもよい。
無リン粉末洗浄剤組成物における非イオン界面活性剤の含有量は、洗浄性と経済性と粉末物性の観点から、好ましくは0質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。2%以下 非イオン界面活性剤の含有量の(A)成分の含有量に対する質量比(非イオン界面活性剤の含有量/(A)成分の含有量)は、好ましくは0以上、より好ましくは0.5以上であり、また、好ましくは20以下、より好ましくは10以下である。非イオン界面活性剤の含有量の(B)成分の含有量に対する質量比(非イオン界面活性剤の含有量/(B)成分の含有量)は、好ましくは0以上、より好ましくは1以上であり、また、好ましくは40以下、より好ましくは20以下である。
無リン粉末洗浄剤組成物はジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを更に含有してもよい。無リン粉末洗浄剤組成物におけるジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの含有量は、茶渋等の漂白効果と経済性の観点から、好ましくは0質量%以上、より好ましくは1質量%以上であり、また、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの含有量の(A)成分の含有量に対する質量比(ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの含有量/(A)成分の含有量)は、好ましくは0以上、より好ましくは1以上であり、また、好ましくは5以下、より好ましくは3以下である。ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの含有量の(B)成分の含有量に対する質量比(ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの含有量/(B)成分の含有量)は、好ましくは0以上、より好ましくは0.5以上であり、また、好ましくは20以下、より好ましくは15以下である。)
無リン粉末洗浄剤組成物は、その他に漂白剤、酵素、消泡剤、防腐剤、防錆剤、殺菌剤、抗菌剤、色素、香料等を含有していてもよい。但し、無リン粉末洗浄剤組成物は、無リンであるので、リン酸塩は含有しない。
以上の構成の無リン粉末洗浄剤組成物は、公知の粉末洗浄剤の製造方法により製造することができる。
<洗浄剤ホルダー>
図1(a)及び(b)は、本実施形態に係る被洗浄物の洗浄方法で用いる洗浄剤ホルダー10の一例を示す。
この洗浄剤ホルダー10は、洗浄剤収容部材11と蓋部材12とを備える。これらの洗浄剤収容部材11及び蓋部材12は、防錆性の高い例えばステンレス等の金属で形成されていることが好ましい。
洗浄剤収容部材11は、平面視が略直角二等辺三角形の底面部11aの外周に連続して側面部11bが起立した浅底の皿状に形成されている。従って、洗浄剤収容部材11の上面は開口しているが、それ以外の底面部11a及び側面部11bは密閉されている。洗浄剤収容部材11の内法の平面視の斜辺長さは例えば50〜200mmであり、また、その深さは例えば10〜60mmである。喫茶店等の小規模店舗で用いられる小型の自動洗浄機の場合、洗浄水貯槽の容量は例えば10〜30Lであり、そのときに使用される洗浄剤収容部材11の容量は例えば100〜200mLである。
蓋部材12は、洗浄剤収容部材11の底面部11aよりもやや大きい直角二等辺三角形の板状に形成されている。蓋部材12は、斜辺中央部が洗浄剤収容部材11の対応する側面部11bの上縁に蝶番13により取り付けられており、これにより洗浄剤収容部材11の開口に対して開閉可能に設けられている。
蓋部材12には、複数の孔14が形成されている。従って、洗浄剤ホルダー10は、底面及び側面が密閉されている一方、上面に複数の孔14からなる開口部を有する構成となっている。各孔14の開口面積は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、また、好ましくは10.0mm以下、より好ましくは5.0mm以下である。蓋部材12の孔14の総面積は、適量の洗浄水或いはすすぎ水を流入させる観点から、洗浄剤収容部材11の開口面積に対し、好ましくは5%以上、より好ましくは20%以上であり、また、好ましくは80%以下、より好ましくは50%以下である。また、蓋部材12の孔14の総面積は、洗浄剤収容部材11の深さの2乗よりも大きいことが好ましい。
<自動洗浄機>
図2は、本実施形態に係る被洗浄物Dの洗浄方法で用いる業務用の自動洗浄機20の一例を示す。
この自動洗浄機20は、内部に被洗浄物Dを収容するための洗浄室21が設けられていると共に、不図示の開閉扉を開くことにより洗浄室21に被洗浄物Dを載せたラック22の出し入れが可能となるように構成されている。洗浄室21の容量は例えば50〜200Lであり、特に喫茶店等の小規模店舗で用いられる小型のものの場合、例えば50〜100Lである。洗浄室21の下方には洗浄水を貯留するための洗浄水貯槽23が設けられており、それらの間はストレーナ24により仕切られている。洗浄水貯槽23の容量は例えば10〜60Lであり、特に喫茶店等の小規模店舗で用いられる小型のものの場合、例えば10〜30Lである。
洗浄室21の上部及び下部には、洗浄室21に収容された被洗浄物Dを載せたラック22を上下に挟むように、ロッド状の上側及び下側の洗浄ノズル25が水平回転可能に設けられている。これらの上側及び下側の洗浄ノズル25には、洗浄水貯槽23の底から延びた洗浄水供給管26が分岐して接続されている。洗浄水供給管26の分岐部の上流には洗浄水供給Pが介設されている。
洗浄室21の上部及び下部には、洗浄室21に収容された被洗浄物Dを載せたラック22を上下に挟むように、ロッド状の上側及び下側のすすぎノズル27が水平回転可能に設けられている。これらの上側及び下側のすすぎノズル27には、自動洗浄機20外の湯沸かし器30から延びて自動洗浄機20内に導入されたすすぎ水供給管28が分岐して接続されている。すすぎ水供給管28の分岐部の上流には、自動洗浄機20外においてブースタ40が介設されていると共に、自動洗浄機20内においてすすぎ水供給ポンプPが介設されている。
洗浄水貯槽23には、不図示の排水機構が設けられており、洗浄水貯槽23に貯留される洗浄水の水位が一定以上になったときに洗浄水を外部に排出するように構成されている。
また、自動洗浄機20は、制御部を備えており、この制御部の運転制御により被洗浄物Dの洗浄を行うように構成されている。
<被洗浄物>
本実施形態に係る被洗浄物Dの洗浄方法で洗浄する被洗浄物Dとしては、特に限定されるものではなく、例えば、食器、調理器具、医療器具等が挙げられる。
<洗浄方法>
本実施形態に係る被洗浄物Dの洗浄方法では、まず、洗浄水貯槽23に水を貯留する。
また、図3(a)に示すように、洗浄剤ホルダー10の蓋部材12を開いて洗浄剤収容部材11に無リン粉末洗浄剤組成物Sを入れた後、図3(b)に示すように、蓋部材12を閉じる。洗浄剤ホルダー10の洗浄剤収容部材11に入れる無リン粉末洗浄剤組成物Sの量、つまり、深さは、洗浄剤ホルダー10への1回の洗浄剤の供給による洗浄回数を多くする観点から、好ましくは10mm以上、より好ましくは30mm以上である。
次いで、図3(c)に示すように、無リン粉末洗浄剤組成物Sを入れた洗浄剤ホルダー10を自動洗浄機20内の洗浄室21に設ける。洗浄剤ホルダー10の設置位置は、洗浄ノズル25及びすすぎノズル27と干渉せず且つ洗浄水やすすぎ水が流入する位置であれば特に限定されるものではないが、直角部分を隅部に配して設けることが好ましい。
続いて、被洗浄物Dを載せたラック22を洗浄室21に収納して開閉扉を閉めた後、自動洗浄機20を稼働させる。これにより自動洗浄機20は、制御部の運転制御に従って洗浄運転及びすすぎ運転を行う。
洗浄運転では、洗浄水供給ポンプPが駆動する。このとき、洗浄水貯槽23に貯留された洗浄水が洗浄水供給管26を介して上側及び下側の洗浄ノズル25から洗浄室21内に噴射される。洗浄室21内に噴射された洗浄水は、ラック22に載せられた被洗浄物Dを洗浄して流れ落ち、ストレーナ24を介して洗浄水貯槽23に戻る。従って、洗浄水は循環して再使用される。また、洗浄水の一部は、洗浄剤ホルダー10内に、蓋部材12の孔14から流入し、洗浄剤収容部材11に入れた無リン粉末洗浄剤組成物を溶かし、洗浄剤収容部材11から溢れ、再び蓋部材12の孔14から流出して洗浄水貯槽23に戻る。このため、洗浄運転中に洗浄水の洗浄剤濃度は徐々に上昇する。1回の洗浄時間は例えば1ラック当たり40〜60秒である。なお、上記の通り、洗浄水貯槽23の容量は例えば10〜60Lであり、特に喫茶店等の小規模店舗で用いられる小型のものの場合、洗浄水貯槽23の容量が10〜30Lである。
洗浄水供給ポンプPが停止して洗浄運転が終了した後、すすぎ運転では、すすぎ水供給ポンプPが駆動する。このとき、自動洗浄機20の外部の湯沸かし器30からの温水がブースタ40を経由してすすぎ水供給管28を介してすすぎノズル27からすすぎ水として洗浄室21内に噴射される。ここで、湯沸かし器30から供給される温水の温度は例えば40〜60℃である。ブースタ40では、温水(すすぎ水)が例えば70〜90℃に昇温される。洗浄室21内に噴射されたすすぎ水は、ラック22に載せられた被洗浄物Dをすすぎ洗浄して流れ落ち、ストレーナ24を介して洗浄水貯槽23に流入する。また、すすぎ水の一部は、洗浄剤ホルダー10内に、蓋部材12の孔14から流入し、洗浄剤収容部材11に入れた無リン粉末洗浄剤組成物を溶かし、洗浄剤収容部材11から溢れ、再び蓋部材12の孔14から流出して洗浄水貯槽23に戻る。このため、洗浄水貯槽23にすすぎ水が流入することにより、その一部は洗浄剤を含んで流入するものの、全体としては、洗浄水貯槽23に貯留された洗浄水の洗浄剤濃度は徐々に低下する。しかしながら、上記の通り、洗浄運転中に洗浄水の洗浄剤濃度は徐々に上昇し、また、すすぎ洗浄中にもすすぎ水の一部は洗浄剤を含んで洗浄水貯槽23に流入することにより、この洗浄水の洗浄剤濃度の低下は補償される。その結果、すすぎ運転終了時における洗浄水貯槽23に貯留された洗浄水の洗浄剤濃度は、洗浄運転開始時における洗浄剤濃度にほぼ等しいものに保持される。なお、洗浄水貯槽23に新たに導入されたすすぎ水が流入すると、洗浄水貯槽23の水位が上がり、その水位が一定以上になると洗浄水が排水機構により外部に排出される。1回のすすぎ時間は例えば1ラック当たり5〜20秒である。1回の洗浄で用いるすすぎ水量は例えば2〜5Lである。
そして、すすぎ水供給ポンプPが停止してすすぎ洗浄が終了した後、自動洗浄機20の開閉扉を開き、洗浄室21から被洗浄物Dを載せたラック22を取り出す。
また、しかる後、次の被洗浄物Dを載せたラック22を洗浄室21に収納し、自動洗浄機20を再び稼働させて被洗浄物Dの洗浄を行う。このとき、本実施形態に係る被洗浄物Dの洗浄方法で用いる無リン粉末洗浄剤組成物は、(A)成分の特定のアルカリ剤及び(B)成分の特定のキレート剤を含有し且つカリウム塩を含有しない、又は、(A)成分の特定のアルカリ剤及び(B)成分の特定のキレート剤を含有すると共にカリウム塩をも含有し且つ無リン粉末洗浄剤組成物中におけるカリウム塩のナトリウム塩に対するモル比が0.1以下であるので、洗浄剤ホルダー10への1回の洗浄剤の供給により多数回の洗浄が可能であり、従って、各回での洗浄剤ホルダー10への洗浄剤の供給は不要である。しかも、洗浄水及びすすぎ水の一部に無リン粉末洗浄剤組成物が溶けることによる洗浄水の洗浄剤濃度の調整が適正に行われるので、洗浄回数に関わらず洗浄水の洗浄剤濃度が安定である。
洗浄剤ホルダー10への1回の洗浄剤の供給により実施可能な洗浄回数は、好ましくは30回以上、より好ましくは50回以上である。
洗浄水の洗浄剤濃度の安定性については、10回洗浄後における洗浄水貯槽23に貯留された洗浄水の洗浄剤濃度に対する40回洗浄後における洗浄水の洗浄剤濃度の比(%)が、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上であり、また、好ましくは120%以下、より好ましくは100%以下である。
(その他の実施形態)
なお、洗浄剤ホルダー10や自動洗浄機20は、特に上記構成に限定されるものではなく、例えば、洗浄剤ホルダー10の場合、平面視の形状が円形や矩形等であってもよく、また、洗浄剤収容部材11に開口部が形成されていてもよく、更に、蓋部材12にスリットからなる開口部が形成されていてもよい。
(無リン粉末洗浄剤組成物)
以下の実施例1〜6及び比較例1〜6の無リン粉末洗浄剤組成物を調製した。それぞれの構成について表1及び2にも示す。
<実施例1>
(A)成分としての炭酸ナトリウム(A1)30質量%及び無水メタ珪酸ナトリウム(A2)30質量%、(B)成分としてのクエン酸ナトリウム(クエン酸3Na塩)(B1)20質量%及びアクリル酸マレイン酸コポリマーのナトリウム塩(BASF社製 商品名:ソカランCP5)(B2)9質量%、並びに硫酸ナトリウム(D)9質量%、非イオン界面活性剤としてのポリプロピレンオキシド・ポリエチレンオキシド・ポリプロピレンオキシドブロックポリマー(BASF社製 商品名:Pluronic RPE2520)(E)1質量%、及びジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(F)1質量%を含む実施例1の無リン粉末洗浄剤組成物を調製した。
<実施例2>
(A)成分としての炭酸ナトリウム(A1)30質量%及び無水メタ珪酸ナトリウム(A2)30質量%、(B)成分としてのクエン酸ナトリウム(B1)20質量%及びアクリル酸マレイン酸コポリマーのナトリウム塩(B2)9質量%、並びに硫酸ナトリウム(D)11質量%を含む実施例2の無リン粉末洗浄剤組成物を調製した。
<実施例3>
(A)成分としての炭酸ナトリウム(A1)40質量%及び無水メタ珪酸ナトリウム(A2)30質量%、並びに(B)成分としてのクエン酸ナトリウム(B1)20質量%及びアクリル酸マレイン酸コポリマーのナトリウム塩(B2)9質量%、並びに非イオン界面活性剤(E)1質量%を含む実施例3の無リン粉末洗浄剤組成物を調製した。
<実施例4>
(A)成分としての炭酸ナトリウム(A1)38質量%及び無水メタ珪酸ナトリウム(A2)30質量%、(B)成分としてのクエン酸ナトリウム(B1)20質量%及びアクリル酸マレイン酸コポリマーのナトリウム塩(B2)9質量%、並びに炭酸カリウム(C)2質量%、及び非イオン界面活性剤(E)1質量%を含む実施例4の無リン粉末洗浄剤組成物を調製した。
実施例4では、カリウム塩のナトリウム塩に対するモル比が0.03である。
<実施例5>
(A)成分としての炭酸ナトリウム(A1)35質量%及び無水メタ珪酸ナトリウム(A2)30質量%、(B)成分としてのクエン酸ナトリウム(B1)10質量%及びアクリル酸マレイン酸コポリマーのナトリウム塩(B2)9質量%、並びに炭酸カリウム(C)5質量%、硫酸ナトリウム(D)10質量%、及び非イオン界面活性剤(E)1質量%を含む実施例5の無リン粉末洗浄剤組成物を調製した。
実施例5では、カリウム塩のナトリウム塩に対するモル比が0.09である。
<実施例6>
(A)成分としての炭酸ナトリウム(A1)35質量%及び無水メタ珪酸ナトリウム(A2)30質量%、(B)成分としてのクエン酸ナトリウム(B1)20質量%及びアクリル酸マレイン酸コポリマーのナトリウム塩(B2)9質量%、並びに炭酸カリウム(C)5質量%、及び硫酸ナトリウム(D)1質量%を含む実施例6の無リン粉末洗浄剤組成物を調製した。
実施例6では、カリウム塩のナトリウム塩に対するモル比が0.09である。
<比較例1>
(A)成分としての炭酸ナトリウム(A1)30質量%及び無水メタ珪酸ナトリウム(A2)20質量%、(B)成分としてのクエン酸ナトリウム(B1)20質量%及びアクリル酸マレイン酸コポリマーのナトリウム塩(B2)9質量%、並びに炭酸カリウム(C)10質量%、硫酸ナトリウム(D)9質量%、非イオン界面活性剤(E)1質量%、及びジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(F)1質量%を含む比較例1の無リン粉末洗浄剤組成物を調製した。
比較例1では、カリウム塩のナトリウム塩に対するモル比が0.20である。
<比較例2>
(A)成分としての炭酸ナトリウム(A1)30質量%及び無水メタ珪酸ナトリウム(A2)20質量%、(B)成分としてのクエン酸ナトリウム(B1)20質量%及びアクリル酸マレイン酸コポリマーのナトリウム塩(B2)9質量%、並びに炭酸カリウム(C)10質量%、及び硫酸ナトリウム(D)11質量%を含む比較例2の無リン粉末洗浄剤組成物を調製した。
比較例2では、カリウム塩のナトリウム塩に対するモル比が0.20である。
<比較例3>
(A)成分としての炭酸ナトリウム(A1)30質量%及び無水メタ珪酸ナトリウム(A2)30質量%、(B)成分としてのクエン酸ナトリウム(B1)10質量%及びアクリル酸マレイン酸コポリマーのナトリウム塩(B2)9質量%、並びに炭酸カリウム(C)10質量%、硫酸ナトリウム(D)10質量%、及び非イオン界面活性剤(E)1質量%を含む比較例3の無リン粉末洗浄剤組成物を調製した。
比較例3では、カリウム塩のナトリウム塩に対するモル比が0.19である。
<比較例4>
(A)成分としての炭酸ナトリウム(A1)30質量%及び無水メタ珪酸ナトリウム(A2)30質量%、(B)成分としてのクエン酸ナトリウム(B1)20質量%及びアクリル酸マレイン酸コポリマーのナトリウム塩(B2)9質量%、並びに炭酸カリウム(C)10質量%、及び非イオン界面活性剤(E)1質量%を含む比較例4の無リン粉末洗浄剤組成物を調製した。
比較例4では、カリウム塩のナトリウム塩に対するモル比が0.19である。
<比較例5>
(A)成分としての炭酸ナトリウム(A1)20質量%及び無水メタ珪酸ナトリウム(A2)30質量%、(B)成分としてのクエン酸ナトリウム(B1)20質量%及びアクリル酸マレイン酸コポリマーのナトリウム塩(B2)9質量%、並びに炭酸カリウム(C)20質量%、及び非イオン界面活性剤(E)1質量%を含む比較例5の無リン粉末洗浄剤組成物を調製した。
比較例5では、カリウム塩のナトリウム塩に対するモル比が0.45である。
<比較例6>
(A)成分としての無水メタ珪酸ナトリウム(A2)30質量%、(B)成分としてのクエン酸ナトリウム(B1)20質量%及びアクリル酸マレイン酸コポリマーのナトリウム塩(B2)9質量%、並びに炭酸カリウム(C)40質量%、及び硫酸ナトリウム(D)1質量%を含む比較例6の無リン粉末洗浄剤組成物を調製した。
比較例6では、カリウム塩のナトリウム塩に対するモル比が1.36である。
Figure 0006093161
Figure 0006093161
(試験評価方法)
<濃度安定性>
実施例1〜6及び比較例1〜6のそれぞれの無リン粉末洗浄剤組成物について、自動食器洗浄機(ホシザキ電機社製 JW−400TUC、洗浄水貯槽の容量:16L)で洗浄を繰り返したときの洗浄水の洗浄剤濃度の安定性を試験した。
また、図1に示すのと同様の構成の洗浄剤ホルダーを準備した。この洗浄剤ホルダーは、洗浄剤収容部材の内法の平面視の斜辺長さが140mm及び深さが30mmで、また、蓋部材に形成された孔による開口率が22.6%であった。従って、洗浄剤収容部材の開口面積は4900mmで、また、孔による総開口面積が1107mmであり、これは洗浄剤収容部材の深さの2乗の900mmよりも大きい。
次いで、洗浄剤ホルダーに無リン粉末洗浄剤組成物100gを入れ、それを洗浄室に設置して自動食器洗浄機を稼働させた。自動食器洗浄機による洗浄は、1回の洗浄を90秒(洗浄水による洗浄を40秒、インターバルを3秒、すすぎ水による洗浄を7秒、及びインターバル40秒)として繰り返し行った。洗浄水の温度は60℃とし、すすぎ水の温度は80℃とした。
そして、10回洗浄後及び40回洗浄後のそれぞれにおける洗浄水貯槽に貯留された洗浄水の洗浄剤濃度を測定し、前者に対する後者の比(%)を算出した。また、評価は以下の通り行った。
評価A:80%以上
評価B:70%以上80%未満
評価C:70%未満
<洗浄回数>
実施例1〜6及び比較例1〜6のそれぞれについて、濃度安定性試験と同様の操作で自動食器洗浄機による洗浄を繰り返し、洗浄剤濃度が0.02質量%以下となったときの洗浄回数を記録した。また、評価は以下の通り行った。
評価A:70回以上
評価B:70回未満
(試験評価結果)
表3及び4は試験結果を示す。
Figure 0006093161
Figure 0006093161
<濃度安定性>
実施例1では、10回洗浄後の洗浄剤濃度が0.040質量%及び40回洗浄後の洗浄剤濃度が0.038質量%であり、前者に対する後者の比(%)が95.0%であった。従って、評価Aであった。
実施例2では、10回洗浄後の洗浄剤濃度が0.039質量%及び40回洗浄後の洗浄剤濃度が0.038質量%であり、前者に対する後者の比(%)が97.4%であった。従って、評価Aであった。
実施例3では、10回洗浄後の洗浄剤濃度が0.049質量%及び40回洗浄後の洗浄剤濃度が0.040質量%であり、前者に対する後者の比(%)が81.6%であった。従って、評価Aであった。
実施例4では、10回洗浄後の洗浄剤濃度が0.050質量%及び40回洗浄後の洗浄剤濃度が0.040質量%であり、前者に対する後者の比(%)が80.0%であった。従って、評価Aであった。
実施例5では、10回洗浄後の洗浄剤濃度が0.048質量%及び40回洗浄後の洗浄剤濃度が0.039質量%であり、前者に対する後者の比(%)が81.3%であった。従って、評価Aであった。
実施例6では、10回洗浄後の洗浄剤濃度が0.053質量%及び40回洗浄後の洗浄剤濃度が0.040質量%であり、前者に対する後者の比(%)が75.5%であった。従って、評価Bであった。
比較例1では、10回洗浄後の洗浄剤濃度が0.058質量%及び40回洗浄後の洗浄剤濃度が0.039質量%であり、前者に対する後者の比(%)が67.2%であった。従って、評価Cであった。
比較例2では、10回洗浄後の洗浄剤濃度が0.058質量%及び40回洗浄後の洗浄剤濃度が0.039質量%であり、前者に対する後者の比(%)が67.2%であった。従って、評価Cであった。
比較例3では、10回洗浄後の洗浄剤濃度が0.060質量%及び40回洗浄後の洗浄剤濃度が0.041質量%であり、前者に対する後者の比(%)が68.3%であった。従って、評価Cであった。
比較例4では、10回洗浄後の洗浄剤濃度が0.059質量%及び40回洗浄後の洗浄剤濃度が0.040質量%であり、前者に対する後者の比(%)が67.8%であった。従って、評価Cであった。
比較例5では、10回洗浄後の洗浄剤濃度が0.052質量%及び40回洗浄後の洗浄剤濃度が0.038質量%であり、前者に対する後者の比(%)が73.1%であった。従って、評価Bであった。
比較例6では、10回洗浄後の洗浄剤濃度が0.062質量%及び40回洗浄後の洗浄剤濃度が0.050質量%であり、前者に対する後者の比(%)が80.6%であった。従って、評価Aであった。
<洗浄回数>
実施例1では75回、実施例2では75回、実施例3では72回、実施例4では70回、実施例5では72回、及び実施例6では70回であった。従って、実施例1〜6のいずれも評価Aであった。
比較例1では65回、比較例2では65回、比較例3では63回、比較例4では63回、比較例5では60回、及び比較例6では52回であった。従って、比較例1〜6のいずれも評価Bであった。
本発明は、被洗浄物の洗浄方法及びそれに用いる無リン粉末洗浄剤組成物について有用である。
10 洗浄剤ホルダー
11 洗浄剤収容部材
11a 底面部
11b 側面部
12 蓋部材
13 蝶番
14 孔
20 自動洗浄機
21 洗浄室
22 ラック
23 洗浄水貯槽
24 ストレーナ
25 洗浄ノズル
26 洗浄水供給管
27 すすぎノズル
28 すすぎ水供給管
30 湯沸かし器
40 ブースタ
D 被洗浄物
洗浄水供給ポンプ
すすぎ水供給ポンプ
S 無リン粉末洗浄剤組成物

Claims (10)

  1. 無リン粉末洗浄剤組成物を入れた洗浄剤ホルダーを設けた自動洗浄機内に被洗浄物をラックに載せて収容し、前記自動洗浄機内において、洗浄水を噴射した後にすすぎ水を噴射して被洗浄物を洗浄する方法であって、
    前記洗浄剤ホルダーへの1回の前記無リン粉末洗浄剤組成物の供給で複数回の洗浄を行い、且つ1回の洗浄時間が1ラック当たり40〜60秒であり、
    前記無リン粉末洗浄剤組成物は、下記(A)成分及び(B)成分を含有し且つカリウム塩を含有しない、又は、下記(A)成分及び(B)成分を含有すると共にカリウム塩をも含有し且つ前記無リン粉末洗浄剤組成物中におけるカリウム塩のナトリウム塩に対するモル比が0.1以下である、被洗浄物の洗浄方法。
    (A)成分:炭酸ナトリウム及び珪酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上のアルカリ剤
    (B)成分:クエン酸、アクリル酸ポリマー、アクリル酸マレイン酸コポリマー、及びそれらのナトリウム塩から選ばれる1種又は2種以上のキレート剤
  2. 前記(A)成分が無水物である、請求項1に記載された被洗浄物の洗浄方法。
  3. 前記洗浄剤ホルダーは上面に開口部を有する、請求項1又は2に記載された被洗浄物の洗浄方法。
  4. 前記無リン粉末洗浄剤組成物は、前記(A)成分の含有量が50〜80質量%で、且つ前記(B)成分の含有量が10〜40質量%である、請求項1乃至3のいずれかに記載された被洗浄物の洗浄方法。
  5. 前記無リン粉末洗浄剤組成物が硫酸ナトリウムを更に含有する、請求項1乃至4のいずれかに記載された被洗浄物の洗浄方法。
  6. 前記無リン粉末洗浄剤組成物が非イオン界面活性剤を更に含有する、請求項1乃至5のいずれかに記載された被洗浄物の洗浄方法。
  7. 前記無リン粉末洗浄剤組成物がジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを更に含有する、請求項1乃至6のいずれかに記載された被洗浄物の洗浄方法。
  8. 前記無リン粉末洗浄剤組成物が、前記(A)成分として、炭酸ナトリウム及び無水メタ珪酸ナトリウムの両方を含有する、請求項1乃至7のいずれかに記載された被洗浄物の洗浄方法。
  9. 前記無リン粉末洗浄剤組成物における前記(A)成分及び前記(B)成分の総含有量が80質量%以上である、請求項1乃至8のいずれかに記載された被洗浄物の洗浄方法。
  10. 請求項1乃至のいずれかに記載された被洗浄物の洗浄方法に用いる無リン粉末洗浄剤組成物であって、
    下記(A)成分及び(B)成分を含有し且つカリウム塩を含有しない、又は、下記(A)成分及び(B)成分を含有すると共にカリウム塩をも含有し且つ前記無リン粉末洗浄剤組成物中におけるカリウム塩のナトリウム塩に対するモル比が0.1以下である、無リン粉末洗浄剤組成物。
    (A)成分:炭酸ナトリウム及び珪酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上のアルカリ剤
    (B)成分:クエン酸、アクリル酸ポリマー、アクリル酸マレイン酸コポリマー、及びそれらのナトリウム塩から選ばれる1種又は2種以上のキレート剤
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