以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の積立システム10の全体構成が示されている。図2〜図7には、各データベース51〜54,56,57の構成(金融商品データベース51についてはレコード構成)が示されている。また、図8には、積立のポートフォリオの組換や臨時銘柄買付の流れがフローチャートで示されている。さらに、図9〜図11には、顧客端末60に表示される画面例が示されている。
図1において、積立システム10は、投資対象の金融商品の買付を繰り返す積立に関する各種処理を実行するとともにそれらの処理に必要な各種データを記憶する積立サーバ20と、この積立サーバ20にネットワーク1で接続された顧客端末60と、通信回線2を介して接続された担当者端末70とを備えて構成されている。さらに、積立サーバ20には、通信回線3を介して金融商品情報提供システム80が接続されるとともに、通信回線4を介して指標値提供システム90が接続されている。
ここで、ネットワーク1は、本実施形態では、主としてインターネットを中心に構成され、有線であるか、無線であるか、有線・無線の混在型であるかは問わない。通信回線2は、LANやイントラネット等の社内ネットワークであるが、ネットワーク1としてもよい。通信回線3,4は、専用線であるが、ネットワーク1や社内ネットワークにより構成してもよい。
積立サーバ20は、1台または複数台のコンピュータにより構成され、金融商品情報取得手段31と、金融商品情報設定手段32と、ポートフォリオ作成手段33と、指標値取得手段34と、条件入力設定手段35と、条件成否判断手段36と、組換手段37と、買付手段38と、金融商品データベース51と、ポートフォリオデータベース52と、予備ポートフォリオデータベース53と、買付リストデータベース54と、指標値データベース55と、条件データベース56と、保有データベース57とを含んで構成されている。
金融商品情報取得手段31は、1つまたは複数の金融商品情報提供システム80から通信回線3を介して投資信託等の各種の金融商品についての情報(例えば、投信信託の場合には、銘柄名、銘柄コード、購入手数料、信託報酬(年)、信託財産留保額等)を取得し、取得した情報を、各金融商品の属性データとして、銘柄識別情報(銘柄コード)と関連付けて金融商品データベース51(図2参照)に記憶させる処理を実行するものである。
金融商品情報設定手段32は、図示されない金融商品情報設定画面で担当者(証券会社等のシステム担当者)により入力されて担当者端末70から通信回線2を介して送信されてくる投資信託等の各種の金融商品についての情報(例えば、投信信託の場合には、リスクレベル、運用コスト、商品種類等)を銘柄識別情報(銘柄コード)とともに受信し、受信した情報を、各金融商品の属性データとして、銘柄識別情報(銘柄コード)と関連付けて金融商品データベース51(図2参照)に記憶させる処理を実行するものである。この金融商品情報設定手段32は、投資信託等の各種の金融商品についての情報(属性データ)のうち、金融商品情報提供システム80から取得して直接に金融商品データベース51(図2参照)に自動格納することができる情報以外の情報を、金融商品データベース51に手動(担当者の入力作業)で設定登録する処理を実行する。
ここで、リスクレベルは、本実施形態では、証券会社等の金融機関(投資信託等の金融商品の販売会社)が定めたルールによるリスクの段階を示す数値であり、例えば、本実施形態では、図2に示すように、5(高)、4(やや高)、3(中)、2(やや低)、1(低)と5段階の設定としている。なお、段階の数は、5段階に限らず、任意である。また、数値の設定も任意であり、例えば、最も低いリスクレベルの数値を1ではなく、0としてもよく、さらに、連続する数値とする必要もなく、例えば、1,3,5…等のようにしてもよい。
なお、各金融商品の属性データのうち、金融商品情報取得手段31により金融商品データベース51(図2参照)へ自動格納される情報と、金融商品情報設定手段32により金融商品データベース51へ手動設定される情報とについての上記の区別は、一例に過ぎず、例えば、全ての属性データが金融商品情報取得手段31により自動格納されてもよく、あるいは全ての属性データが金融商品情報設定手段32により手動設定されてもよく、要するに、金融商品情報取得手段31または金融商品情報設定手段32のいずれかにより、必要な属性データを金融商品データベース51に記憶させることができるようになっていればよい。
ポートフォリオ作成手段33は、顧客端末60からの要求に応じ、ネットワーク1を介してポートフォリオ作成画面200(図9参照)の表示用データを顧客端末60へ送信し、顧客端末60からネットワーク1を介して送信されてくる顧客による入力データ(最初または予備のポートフォリオを構成する各金融商品についての銘柄名、銘柄コード(銘柄識別情報)、タイプおよび日にちデータからなる積立日、積立額、並びに、ポートフォリオの番号や名前等のポートフォリオ識別情報)を受信し、受信した入力データを、顧客識別情報(例えば、証券口座の口座番号等)と関連付けてポートフォリオデータベース52(図3参照)または予備ポートフォリオデータベース53(図4参照)に記憶させる処理を実行するものである。
なお、本実施形態では、ポートフォリオ識別情報は、顧客が一意になるように自由に決めて入力するものとされているが、システムで自動的に付与するものとしてもよい。また、ポートフォリオ作成手段33は、図示は省略されているが、ポートフォリオデータベース52(図3参照)または予備ポートフォリオデータベース53(図4参照)に記憶されている一旦入力設定したポートフォリオを修正・取消する機能も有している。
この際、ポートフォリオ作成手段33は、顧客による入力データを受信したときに、ポートフォリオデータベース52(図3参照)に当該顧客のポートフォリオが未だ記憶されていなければ、受信した入力データを、最初のポートフォリオのデータと判断してポートフォリオデータベース52に格納し、一方、ポートフォリオデータベース52に当該顧客のポートフォリオが既に記憶されていれば、受信した入力データを、予備ポートフォリオのデータと判断して予備ポートフォリオデータベース53(図4参照)に格納する。
また、ポートフォリオ作成手段33は、ポートフォリオ作成画面200(図9参照)で顧客により入力されて顧客端末60からネットワーク1を介して送信されてくる、作成する最初または予備のポートフォリオを構成する金融商品を抽出するための抽出条件の入力データ(投資信託の場合には、例えば、リスクレベル、運用コスト、購入手数料、信託報酬(年)、信託財産留保額、商品種類等)を受信し、受信した抽出条件に合致する属性データを有する金融商品を、金融商品データベース51(図2参照)に記憶された金融商品の中から抽出し、抽出した金融商品の一覧(図9参照)の画面表示用データ(抽出した各金融商品についての銘柄名および銘柄コードを含む。)を、顧客端末60へネットワーク1を介して送信する処理も実行する。
さらに、ポートフォリオ作成手段33は、顧客端末60からの要求に応じ、ネットワーク1を介して臨時銘柄買付リスト作成画面300(図10参照)の表示用データを顧客端末60へ送信し、顧客端末60からネットワーク1を介して送信されてくる顧客による入力データ(臨時銘柄買付リスト(以下、単に「買付リスト」ということがある。)を構成する買付対象の各金融商品についての銘柄名、銘柄コード(銘柄識別情報)、買付金額、および、買付リストの番号や名前等の買付リスト識別情報)を受信し、受信した入力データを、顧客識別情報(例えば、証券口座の口座番号等)と関連付けて買付リストデータベース54(図5参照)に記憶させる処理も実行する。なお、本実施形態では、買付リスト識別情報は、ポートフォリオ識別情報と同様に、顧客が一意になるように自由に決めて入力するものとされているが、システムで自動的に付与するものとしてもよい。また、本実施形態では、買付リスト識別情報とポートフォリオ識別情報とは、それぞれ独立して一意になるように指定することになっているので、ポートフォリオ識別情報と買付リスト識別情報とに重複する番号や名前等があってもよいが、ポートフォリオ識別情報および買付リスト識別情報をまとめた状態で一意になるように指定することにしてもよい。
また、ポートフォリオ作成手段33は、臨時銘柄買付リスト作成画面300(図10参照)で顧客により入力されて顧客端末60からネットワーク1を介して送信されてくる、臨時銘柄買付リストを構成する金融商品を抽出するための抽出条件の入力データ(投資信託の場合には、例えば、リスクレベル、運用コスト、購入手数料、信託報酬(年)、信託財産留保額、商品種類等)を受信し、受信した抽出条件に合致する属性データを有する金融商品を、金融商品データベース51(図2参照)に記憶された金融商品の中から抽出し、抽出した金融商品の一覧(図9参照)の画面表示用データ(抽出した各金融商品についての銘柄名および銘柄コードを含む。)を、顧客端末60へネットワーク1を介して送信する処理も実行する。
そして、ポートフォリオ作成手段33は、顧客端末60からネットワーク1を介して送信されてくる顧客による入力データ(最初または予備のポートフォリオを構成する各金融商品についての銘柄名、銘柄コード(銘柄識別情報)、タイプおよび日にちデータからなる積立日、積立額、並びに、ポートフォリオの番号や名前等のポートフォリオ識別情報)を受信した後に、金融商品データベース51(図2参照)から、最初または予備のポートフォリオを構成する各金融商品のリスクレベルを取得し、取得した各金融商品のリスクレベルおよび受信した各金融商品の積立額を用いて、最初または予備のポートフォリオについての総合リスクレベルを算出し、算出した総合リスクレベルも、顧客識別情報(例えば、証券口座の口座番号等)と関連付けてポートフォリオデータベース52(図3参照)または予備ポートフォリオデータベース53(図4参照)に記憶させる処理も実行する。
この際、ポートフォリオ作成手段33は、各金融商品のリスクレベルを、各金融商品の積立額(1か月換算の積立額)を用いて加重平均することにより、総合リスクレベルを算出することができる。例えば、最初または予備のポートフォリオを構成する各金融商品を投資信託であるものとし、αファンド(リスクレベル1、毎月1回、積立額10万円)、βファンド(リスクレベル4、毎月2回、積立額7万円)、γファンド(リスクレベル3、毎週1回、積立額4万円)であるとすると、βファンドの毎月2回、積立額7万円というのは、1か月換算で7万円×2=14万円の積立額となり、γファンドの毎週1回、積立額4万円というのは、1か月換算で4万円×(30日/7日)=4万円×4.3=17.2万円となる。このような1か月換算に用いる係数の値は、積立日のタイプ(図3参照)毎に予め定められ、プログラム内に記述されるか、外部メモリに記録されている。従って、換算後には、αファンド(リスクレベル1、毎月の積立額10万円)、βファンド(リスクレベル4、毎月の積立額14万円)、γファンド(リスクレベル3、毎月の積立額17.2万円)となるので、総合リスクレベルは、(1×10+4×14+3×17.2)÷(10+14+17.2)=2.9となる。
また、ポートフォリオ作成手段33による総合リスクレベルの算出方法は、上記のような各金融商品の積立額(1か月換算の積立額)を用いた単純な加重平均に限定されるものではなく、他の算出方法でもよく、要するに、算出する総合リスクレベルの数値範囲(本実施形態では、1〜5の範囲)が、条件入力設定手段35により入力設定される顧客の投資意図を示す設定リスクレベルの数値範囲(本実施形態では、1〜5の範囲)と対応するようになっていればよい。従って、例えば、積立額の大小に重きを置く場合には、積立額(1か月換算の積立額)の2乗を用いて加重平均してもよく、その場合には、総合リスクレベルは、(1×102+4×142+3×17.22)÷(102+142+17.22)=3.0となる。同様に、積立額(1か月換算の積立額)の3乗、4乗、ルート(2分の1乗)等を用いた加重平均としてもよい。
さらに、ポートフォリオ作成手段33は、顧客端末60からネットワーク1を介して送信されてくる顧客による入力データ(最初または予備のポートフォリオを構成する各金融商品についての銘柄名、銘柄コード(銘柄識別情報)、タイプおよび日にちデータからなる積立日、積立額、並びに、ポートフォリオの番号や名前等のポートフォリオ識別情報)を受信した後に、受信した積立日(タイプおよび日にちデータ)を用いて、最初または予備のポートフォリオについての積立日間隔を算出し、算出した積立日間隔も、顧客識別情報(例えば、証券口座の口座番号等)と関連付けてポートフォリオデータベース52(図3参照)または予備ポートフォリオデータベース53(図4参照)に記憶させる処理も実行する。
この際、ポートフォリオ作成手段33は、本実施形態では、一例として、金融商品毎の積立日の平均間隔を算出し、さらに、算出した各金融商品の積立日の平均間隔について、平均をとることにより、最初または予備のポートフォリオの積立日間隔を算出する。例えば、図3、図10に示された大和太郎(口座番号=C1)のポートフォリオ識別情報=1を付されている現在設定中のポートフォリオについては、全世界株式インデックスは、積立日が毎月1日および毎月17日であるから、1日から同月17日までの間隔は16日となり、17日から翌月1日までの間隔は14日となるので(365日÷12ケ月=30日より、1ケ月の日数を平均的な30日としている。)、全世界株式インデックスの積立日の平均間隔は、(16日+14日)÷2=15日となる。また、先進国債券インデックスは、積立日が毎月9日および毎月25日であるから、9日から同月25日までの間隔は16日となり、25日から翌月9日までの間隔は14日となるので、先進国債券インデックスの積立日の平均間隔は、(16日+14日)÷2=15日となる。さらに、先進国リートインデックスは、積立日が毎月15日だけであるから、先進国リートインデックスの積立日の平均間隔は、30日となる。従って、これらの3つの銘柄の積立日の平均間隔について平均をとると、ポートフォリオ識別情報=1のポートフォリオの積立日間隔は、(15日+15日+30日)÷3=20日となる。
また、図4に示された大和太郎(口座番号=C1)のポートフォリオ識別情報=2を付されている予備のポートフォリオについては、全世界株式インデックスは、積立日が毎月1日および毎月17日であるから、1日から同月17日までの間隔は16日となり、17日から翌月1日までの間隔は14日となるので、全世界株式インデックスの積立日の平均間隔は、(16日+14日)÷2=15日となる。また、先進国リートインデックスは、積立日が毎月25日だけであるから、先進国リートインデックスの積立日の平均間隔は、30日となる。従って、これらの2つの銘柄の積立日の平均間隔について平均をとると、ポートフォリオ識別情報=2のポートフォリオの積立日間隔は、(15日+30日)÷2=22.5日となる。
なお、最初または予備のポートフォリオの積立日間隔の算出方法は、上記の方法(金融商品毎の積立日の平均間隔を算出し、さらに、算出した各金融商品の積立日の平均間隔について、平均をとる方法)に限定されるものではなく、他の算出方法としてもよい。例えば、金融商品毎の積立日の平均間隔を算出し、そのうち最短または最長の間隔を、積立日間隔として採用してもよい。また、金融商品毎に分けて考えるのではなく、全ての金融商品をまとめた状態で積立日の平均間隔を算出し、それを積立日間隔として採用してもよい。
指標値取得手段34は、1つまたは複数の指標値提供システム90から通信回線4を介して各種の金融指標についての指標値(現在値および過去値を含む。)を取得し、取得した指標値を、金融指標識別情報(金融指標の名称、金融指標コード等)と関連付けて指標値データベース55に蓄積記憶させる処理を実行するものである。
ここで、金融指標とは、例えば、日経平均、TOPIX、NYダウ等の株式関連指標、原油価格やCRB指数等の国際商品市況、円ドル相場や円ユーロ相場等の為替相場、短期プライムレートや長期プライムレート等の金利、米国の失業率、ディフュージョン・インデックス(DI)、コンポジット・インデックス(CI)等の景気指数などである。
条件入力設定手段35は、顧客端末60からの要求に応じ、ネットワーク1を介して条件設定画面400(図11参照)の表示用データを顧客端末60へ送信し、顧客端末60からネットワーク1を介して送信されてくる顧客による組換条件や買付条件(金融指標についての指標値を用いて指定された個別条件、または、この個別条件をAND若しくはORで複数組み合わせて構成された複合条件)およびこれらの条件(組換条件や買付条件)の番号や名前等の条件識別情報の入力データを受信し、受信した組換条件や買付条件およびこれらの条件識別情報の入力データを、顧客識別情報(例えば、証券口座の口座番号等)と関連付けて条件データベース56(図6参照)に記憶させる処理を実行するものである。
この際、条件入力設定手段35は、条件設定画面400(図11参照)または他の補助画面において、顧客の要求に応じ、指標値データベース55に記憶されている各種の金融指標についての指標値(現在値および過去値を含む。)を数値表示またはグラフ表示してもよい。
なお、本実施形態では、条件識別情報は、顧客が一意になるように自由に決めて入力するものとされているが、システムで自動的に付与するものとしてもよい。また、本実施形態では、条件識別情報は、組換条件および買付条件をまとめた状態で一意になるように指定することになっているので、組換条件の条件識別情報と買付条件の条件識別情報とで重複する番号や名前等は存在しないが、組換条件の条件識別情報と買付条件の条件識別情報とを、それぞれ独立して一意になるように指定することにしてもよい。さらに、条件入力設定手段35は、図示は省略されているが、条件データベース56(図6参照)に記憶されている一旦入力設定した組換条件や買付条件を修正・取消する機能も有している。
ここで、組換条件とは、ポートフォリオの組換(ポートフォリオデータベース52(図3参照)に記憶されている現在設定中のポートフォリオから、予備ポートフォリオデータベース53(図4参照)に記憶されているいずれかの予備のポートフォリオへの切替)を実行するための条件である。また、買付条件とは、買付リストデータベース54(図5参照)に記憶されているいずれかの買付リストの各銘柄の買付を実行するための条件である。
また、条件入力設定手段35は、顧客端末60からネットワーク1を介して送信されてくる組換条件や買付条件を受信することに加え、組換条件が成立した場合の実行内容(いずれの予備のポートフォリオへの組換を実行するのかの選択情報)およびポートフォリオの組換実行時期や、買付条件が成立した場合の実行内容(いずれの臨時銘柄買付リストの各銘柄の買付を実行するのかの選択情報)および買付実行時期、並びに、組換条件や買付条件についての優先順位も受信し、受信した実行内容、組換実行時期や買付実行時期、および優先順位を、顧客識別情報(例えば、証券口座の口座番号等)と関連付けて条件データベース56(図6参照)に記憶させる処理も実行する。
ここで、組換条件が成立した場合の実行内容の指定は、その組換条件が成立した場合に実行される組換処理で組み換え後のポートフォリオとなる予備のポートフォリオのポートフォリオ識別情報(番号や名前等)を指定するか、または顧客の投資意図を示す設定リスクレベルを選択することにより行われる。前者の場合は、顧客が自己の作成した予備のポートフォリオの中から選択して指定する。後者の場合は、例えば、アグレッシブ(設定リスクレベル=5)、ややアグレッシブ(設定リスクレベル=4)、ニュートラル(設定リスクレベル=3)、ややパッシブ(設定リスクレベル=2)、パッシブ(設定リスクレベル=1)という予め用意された5段階の設定リスクレベルから顧客が選択する。同じ組換条件であっても、顧客(投資家)によって設定の意図が異なるため、その意図を反映させたポートフォリオの組換を実現するものである。なお、用意する段階の数は、5段階に限らず、任意である。そして、複数の予備のポートフォリオが作成されている場合には、顧客が選択した設定リスクレベルに最も近い総合リスクレベルを有する予備のポートフォリオが自動選択される。予備のポートフォリオの総合リスクレベルは、前述したように、予備のポートフォリオを構成する各金融商品のリスクレベルを用いて、ポートフォリオ作成手段33により自動計算された数値である。
買付条件が成立した場合の実行内容の指定は、その買付条件が成立した場合に実行される買付処理の対象となる臨時銘柄買付リストの買付リスト識別情報(番号や名前等)を指定することにより行われる。この際、顧客は、自己の作成した臨時銘柄買付リストの中から選択して指定する。
組換実行時期や買付実行時期は、例えば、1か月を区分1(1日)、区分2(9日)、区分3(17日)、区分4(25日)等のように幾つかの区分に分割し、条件成立後に到来する区分で指定するか、あるいは条件成立後、何営業日目のように指定することができる。
優先順位は、組換条件または買付条件が同時に複数成立した場合(複数の組換条件の同時成立、複数の買付条件の同時成立、組換条件と買付条件との同時成立のいずれの場合も含む。)に、優先順位の最も高い条件に対応する処理(ポートフォリオの組換、または臨時銘柄買付の処理)だけを実行することを定めるためのものである。この優先順位は、原則的には、一意になるように顧客が指定する。但し、優先順位を0(同時成立時の重複実行可能)にしておくと、他の条件と同時に成立した場合でも実行される。また、優先順位を指定していない条件については、最も低い優先順位の条件として取り扱われる。
例えば、優先順位2,4の条件が同時に成立した場合には、優先順位2の条件に対応する処理だけが実行され、優先順位3,4,5の条件が同時に成立した場合には、優先順位3の条件に対応する処理だけが実行される。これらは原則的な取り扱いである。
優先順位0の例外的な取り扱いについては、例えば、優先順位0,2の条件が同時に成立した場合には、優先順位0,2の条件の双方に対応する処理が実行され、優先順位0,2,4の条件が同時に成立した場合には、優先順位0,2の条件に対応する処理が実行され、優先順位4の条件に対応する処理は実行されない。優先順位0の条件だけが成立した場合には、その優先順位0の条件に対応する処理だけが実行される。また、優先順位0は複数の条件に設定することができ、優先順位0の2つの条件と優先順位1,2の条件が同時に成立した場合には、優先順位0の2つの条件および優先順位1の条件に対応する処理が実行され、優先順位2の条件に対応する処理は実行されない。優先順位0の2つの条件だけが成立した場合には、それらの優先順位0の2つの条件に対応する処理だけが実行される。
優先順位の指定なしの場合の取り扱いについては、例えば、優先順位3と優先順位の指定なしの条件が同時に成立した場合には、優先順位3の条件に対応する処理だけが実行され、優先順位0と優先順位の指定なしの条件が同時に成立した場合には、優先順位0と優先順位の指定なしの条件の双方に対応する処理が実行され、優先順位の指定なしの複数の条件が同時に成立した場合には、いずれか1つの条件、例えばレコード番号が最も小さい条件に対応する処理だけが実行される。
なお、この優先順位の設定方法は、一例に過ぎず、例えば、同時成立時の重複実行を認めない取り扱いとしてもよく、優先順位の指定のない条件については、実行しない取り扱いとしてもよい。また、本実施形態では、組換条件と買付条件とをまとめた状態で一意になるように優先順位を指定することになっているが、組換条件の優先順位と買付条件の優先順位とを、それぞれ独立して一意になるように指定することにしてもよく、その場合には、組換条件と買付条件との同時成立時の調整は行われないことになり、組換条件と買付条件との同時成立時の重複実行が認められることになる。
さらに、条件入力設定手段35は、顧客が組換条件を入力設定する際に、組換条件として指定されている指標値の実質参照期間と、ポートフォリオデータベース52(図3参照)に記憶された現在設定中のポートフォリオを構成する各金融商品の積立日の時間間隔から定まる積立日間隔および/または予備ポートフォリオデータベース53(図4参照)に記憶された予備のポートフォリオを構成する各金融商品の積立日の時間間隔から定まる積立日間隔とを用いて、これらの比較等を行うことにより、顧客により入力設定された組換条件(入力設定されようとしている組換条件でもよい。)が適正であるか否かを判断し、適正でないと判断した場合には、組換条件が適正でない旨を報知するための画面表示用データを、顧客端末60へネットワーク1を介して送信する処理も実行する。
この際、条件入力設定手段35は、(1)組換条件の実質参照期間と、現在設定中のポートフォリオの積立日間隔とを用いて、現在設定中のポートフォリオに対し、入力設定した組換条件が適正でない旨の報知を行ってもよく、(2)組換条件の実質参照期間と、予備のポートフォリオの積立日間隔とを用いて、いずれかの予備のポートフォリオに対し、入力設定した組換条件が適正でない旨の報知を行ってもよく(複数の予備のポートフォリオに対し、入力設定した組換条件が適正でない場合には、それらの全ての予備のポートフォリオに対し、入力設定した組換条件が適正でない旨の報知を行う。)、(1)および(2)の双方の報知を行ってもよい。
この組換条件が適正であるか否かの判断を行うのは、本発明に係る積立処理が、一回限りの売買処理(ある1時点の処理)ではなく、時間間隔を置いて繰り返し行われる買付処理であるという理由からである。すなわち、積立処理は、例えば毎月1回等のように繰り返し行う買付処理であるが、その積立のポートフォリオの組換をするのに、ある1時点のみの指標値や極めて短期間の指標値を用いた条件成否判断をしても殆ど意味がなく、そのような条件設定は実効性に乏しい。より端的な例を挙げると、毎月25日に買付を行う積立の場合に、ある金融指標についての指標値の現在値のみを監視する組換条件を設定し、10日に条件が満たされたとしても、積立日の25日までに、条件を満たさなくなっている可能性も多分にある。これは、積立という時間間隔を置いて繰り返し行われる処理(あるいは、長期間に渡る処理)についての処理方法の切替(ポートフォリオの組換)のタイミングを、ある1時点の指標値(現在値)のみを用いて判断しているからである。つまり、積立の性質と、設定した組換条件との間に、不調和が生じている。従って、ポートフォリオ組換のタイミングについて、このような適正でない組換条件が設定されてしまわないようにする必要があるので、そのための顧客への支援処理である。なお、買付条件については、臨時銘柄買付リストの各銘柄の買付処理が、繰り返し実行される処理ではなく、一回限りの処理なので、入力設定された買付条件が適正であるか否かの判断は行わない。
また、条件入力設定手段35は、組換条件が適正であるか否かを判断する際には、(A)実質参照期間が、積立日間隔以上若しくはそれを超える長さの期間であるか否かを判断するか、(B)実質参照期間が、積立日間隔に予め定められた比率(1を超える数値でも、1未満の数値でもよい。)を乗じた期間以上若しくはそれを超える長さの期間であるか否かを判断するか、(C)実質参照期間が、積立日間隔に予め定められた時間間隔を加えた期間以上若しくはそれを超える長さの期間であるか否かを判断するか、または、(D)実質参照期間が、積立日間隔から予め定められた時間間隔を減じた期間以上若しくはそれを超える長さの期間であるか否かを判断する処理を実行する。
ここで、指標値の実質参照期間は、組換条件として指標値が参照(加味)される実質的な期間である。この実質参照期間は、条件のタイプおよびそのデータX,Y(図11参照)により定まる。例えば、タイプ1(X以上)やタイプ2(X以下)の場合には、1時点の値(現在値)だけしか参照しないので、実質参照期間=1日(0日としてもよい。)である。また、タイプ3(Xケ月間でY以上上昇)やタイプ4(Xケ月間でY以上下落)の場合には、実質参照期間=Xケ月(X×30日)であり、タイプ5(Xケ月連続で前月比から上昇)やタイプ6(Xケ月連続で前月比から下落)の場合には、実質参照期間=Xケ月(X×30日)または(X+1)ケ月((X+1)×30日)であり、タイプ7(X週間でY以上上昇)やタイプ8(X週間でY以上下落)の場合には、実質参照期間=X週間(X×7日)である。
また、組換条件が複数の条件をANDで組み合わせて構成された複合条件である場合には、ANDで組み合わされた個々の条件の実質参照期間のうちの最長の実質参照期間を選択する。一方、組換条件が複数の条件をORで組み合わせて構成された複合条件である場合には、ORで組み合わされた条件の実質参照期間のうちの最短の実質参照期間を選択する。
例えば、組換条件が(条件A)AND(条件B)AND(条件C)である場合において、条件Aの実質参照期間が1ケ月(30日)、条件Bの実質参照期間が1日、条件Cの実質参照期間が2週間(14日)であったとすれば、条件Aの実質参照期間である1ケ月(30日)が最長であるので、組換条件の実質参照期間は、1ケ月(30日)となる。一方、組換条件が(条件A)OR(条件B)OR(条件C)である場合において、条件Aの実質参照期間が1ケ月(30日)、条件Bの実質参照期間が1日、条件Cの実質参照期間が2週間(14日)であったとすれば、条件Bの実質参照期間である1日が最短であるので、組換条件の実質参照期間は、1日となる。
また、ANDおよびORが混在していても、上記の定めを個々に適用すればよく、例えば、組換条件が{(条件A)AND(条件B)}OR{(条件C)AND(条件D)}である場合において、条件Aの実質参照期間が1ケ月(30日)、条件Bの実質参照期間が1日、条件Cの実質参照期間が2週間(14日)、条件Dの実質参照期間が2ケ月(60日)であったとすれば、先ず、{(条件A)AND(条件B)}については、実質参照期間が1ケ月(30日)となり、次に、{(条件C)AND(条件D)}については、実質参照期間が2ケ月(60日)となるので、これらをORで繋ぐと、組換条件の実質参照期間は1ケ月(30日)となる。
積立日間隔は、最初または予備のポートフォリオを構成する各金融商品の積立日の時間間隔から定まる数値(日数)であり、前述したように、ポートフォリオ作成手段33により算出されてポートフォリオデータベース52(図3参照)や予備ポートフォリオデータベース53(図4参照)に記憶されている。
条件成否判断手段36は、指標値データベース55に記憶された指標値を用いて、条件データベース56(図6参照)に記憶された各顧客の組換条件や買付条件の成否を繰り返し判断する処理を実行するものである。
そして、条件成否判断手段36は、組換条件や買付条件が成立したと判断した場合に、条件データベース56(図6参照)に記憶されたステータスを、「未成立(組換条件や買付条件が未だ成立していないことを示す状態)」から「成立(組換条件や買付条件が成立したことを示す状態)」に変更するとともに、その条件の成立年月日を条件データベース56に記憶させる処理を実行する。この際、同じ顧客が入力設定している組換条件および買付条件のうち、成立した条件以外の条件、および、同時に成立したが優先順位が低かったために実行対象とされなかった条件については、その後の監視対象から除外するために、ステータスを「終了」に変更する処理を実行する。
なお、条件成否判断手段36は、本実施形態では、ある組換条件が成立し、かつ、実行対象とされた場合には、他の組換条件および全ての買付条件についてステータスを「終了」に変更し、ある買付条件が成立し、かつ、実行対象とされた場合には、他の買付条件および全ての組換条件についてステータスを「終了」に変更する処理を実行するが、これに限定されるものではなく、例えば、組換条件の成否判断と買付条件の成否判断とを独立させ、ある組換条件が成立し、かつ、実行対象とされた場合には、他の組換条件についてはステータスを「終了」に変更するが、買付条件については「未成立」のままとして監視(成否判断)を続行し、ある買付条件が成立し、かつ、実行対象とされた場合には、他の買付条件についてはステータスを「終了」に変更するが、組換条件については「未成立」のままとして監視(成否判断)を続行してもよい。
また、条件成否判断手段36は、条件データベース56(図6参照)に記憶されたステータスが「成立」になっている組換条件や買付条件について、ポートフォリオ組換や臨時銘柄買付の実行時期が到来したか否かを繰り返し判断する処理も実行する。この判断は、本実施形態では、条件データベース56(図6参照)に記憶された条件の成立年月日および条件成立後の実行時期を用いて行われる。なお、条件データベース56(図6参照)に、条件の成立年月日ではなく、実行年月日(条件の成立年月日および条件成立後の実行時期を用いて計算される。)が記憶されている場合には、ポートフォリオ組換や臨時銘柄買付の実行時期が到来したか否かの判断は、この実行年月日を用いて行われる。
そして、条件成否判断手段36は、ポートフォリオ組換や臨時銘柄買付の実行時期が到来したと判断した場合には、条件成立後に実行時期が到来した条件についての条件データベース56(図6参照)に記憶された情報を、組換手段37や買付手段38に伝達するとともに、条件成立後に実行時期が到来した条件について、その後の監視対象から除外するために、ステータスを「終了」に変更する処理を実行する。
組換手段37は、条件成否判断手段36により組換条件が成立し、かつ、組換実行時期が到来したと判断した場合に、条件データベース56(図6参照)に記憶された、条件が成立した場合の実行内容に従って、予備ポートフォリオデータベース53(図4参照)に記憶された予備のポートフォリオを、組み換え後のポートフォリオとして、ポートフォリオデータベース52(図3参照)に記憶させる処理を実行するものである。
この際、組換手段37は、条件データベース56(図6参照)に、条件が成立した場合の実行内容として、顧客の投資意図を示す設定リスクレベルが記憶されている場合には、予備ポートフォリオデータベース53(図4参照)に記憶されている当該顧客の複数の予備のポートフォリオの各々についての総合リスクレベルを取得し、条件データベース56(図6参照)に記憶された設定リスクレベルに最も近い総合リスクレベルを有する予備のポートフォリオを、組み換え後のポートフォリオとして、ポートフォリオデータベース52(図3参照)に記憶させる処理を実行する。
また、組換手段37は、条件データベース56(図6参照)に、条件が成立した場合の実行内容として、実行対象を特定するための顧客の予備のポートフォリオについてのポートフォリオ識別情報が記憶されている場合には、予備ポートフォリオデータベース53(図4参照)に記憶されている当該顧客の当該ポートフォリオ識別情報の予備のポートフォリオを、組み換え後のポートフォリオとして、ポートフォリオデータベース52(図3参照)に記憶させる処理を実行する。
買付手段38は、ポートフォリオデータベース52(図3参照)に記憶されたポートフォリオ(銘柄、積立日、積立額)に従って、ポートフォリオを構成する各金融商品の銘柄の買付処理を繰り返すとともに、買付を行った銘柄について保有データベース57(図7参照)に記憶された顧客の保有数量を更新する処理を実行するものである。
また、買付手段38は、条件成否判断手段36により買付条件が成立し、かつ、買付実行時期が到来したと判断した場合に、条件データベース56(図6参照)に記憶された、条件が成立した場合の実行内容(すなわち、実行対象を特定するための顧客の臨時銘柄買付リストについての買付リスト識別情報)に従って、買付リストデータベース54(図5参照)に記憶された当該顧客の当該買付リスト識別情報の臨時銘柄買付リストを構成する各金融商品の銘柄(銘柄名、銘柄コード)および買付金額に基づく買付処理を行い、買付を行った銘柄について保有データベース57(図7参照)に記憶された当該顧客の保有数量を更新する処理を実行する。
金融商品データベース51は、各金融商品の属性データを、銘柄名や銘柄コード(銘柄識別情報)と関連付けて記憶するものであり、本実施形態では、一例として、図2に示すように、投資信託(ファンド)の銘柄名、銘柄コード(銘柄識別情報)、リスクレベル、運用コスト、購入手数料、信託報酬(年)、信託財産留保額、商品種別(株式、債券等の別)等を対応付けて記憶している。
ポートフォリオデータベース52は、図3に示すように、個別テーブルおよび総合テーブルを備えている。個別テーブルは、各ポートフォリオの各構成銘柄の情報を記憶するものであり、顧客識別情報(例えば、証券口座の口座番号等)、ポートフォリオ識別情報(番号や名前等)、銘柄名、銘柄コード(銘柄識別情報)、積立日(タイプおよび日にちデータ)、積立額等を対応付けて記憶している。総合テーブルは、各ポートフォリオの全体的な情報を記憶するものであり、顧客識別情報(例えば、証券口座の口座番号等)、ポートフォリオ識別情報、総合リスクレベル、積立日間隔等を対応付けて記憶している。
予備ポートフォリオデータベース53は、図4に示すように、個別テーブルおよび総合テーブルを備えており、ポートフォリオデータベース52(図3参照)と同じ構成を有している。予備ポートフォリオデータベース53(図4参照)は、予備のポートフォリオを記憶するものであるため、1人の顧客につき、複数の予備のポートフォリオを記憶している場合があるのに対し、ポートフォリオデータベース52(図3参照)は、現在設定中のポートフォリオを記憶するものであるため、1人の顧客につき、1つのポートフォリオしか記憶していない点が異なるだけである。従って、予備ポートフォリオデータベース53(図4参照)は、ポートフォリオデータベース52(図3参照)と一体化させてもよい。
買付リストデータベース54は、図5に示すように、顧客識別情報(例えば、証券口座の口座番号等)、買付リスト識別情報(番号や名前等)、銘柄名、銘柄コード(銘柄識別情報)、買付金額等を対応付けて記憶するものである。
指標値データベース55は、各金融指標についての指標値(現在値および過去値)を、その指標値の発生日時または取得日時とともに、金融指標識別情報(金融指標の名称、金融指標コード等)と関連付けて記憶するものである。
条件データベース56は、図6に示すように、個別条件テーブルおよび組換条件・買付条件テーブルを備えている。個別条件テーブルは、複合条件として指定可能な組換条件や買付条件を構成する各個別条件の情報を記憶するものであり、顧客識別情報(例えば、証券口座の口座番号等)、個別条件識別情報(条件A、条件B等)、金融指標識別情報(金融指標の名称、金融指標コード等)、条件のタイプ、条件のタイプに付随するデータX,Y等を対応付けて記憶している。組換条件・買付条件テーブルは、各組換条件や各買付条件の全体的な情報を記憶するものであり、顧客識別情報(例えば、証券口座の口座番号等)、組換条件・買付条件の別、条件識別情報(番号や名前等)、条件の内容(ANDやORを用いた個別条件の組合せの形態)、ステータス(「未成立」、「成立」、「終了」等の別)、条件の成立年月日(または実行年月日)、条件が成立した場合の実行内容、条件成立後の実行時期(組換実行時期や買付実行時期)、優先順位等を対応付けて記憶している。
保有データベース57は、図7に示すように、顧客識別情報(例えば、証券口座の口座番号等)、顧客が保有する金融商品の銘柄名、銘柄コード(銘柄識別情報)、保有数量等を対応付けて記憶するものである。
以上において、積立サーバ20は、1台のコンピュータあるいは1つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータあるいは複数のCPUで分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
各手段31〜38は、積立サーバ20を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。
各データベース51〜57は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、フラッシュ・メモリ等の他の記録媒体を採用してもよい。
顧客端末60および担当者端末70は、証券会社等の金融機関(投資信託等の販売会社)の顧客やシステム担当者が操作する端末装置であり、コンピュータにより構成され、例えばマウスやキーボード等の入力手段と、例えば液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示手段とを備えている。また、顧客端末60および担当者端末70は、例えば携帯電話機(PHSも含む。)、携帯情報端末(PDA)、タブレット機器等の携帯機器であってもよい。
金融商品情報提供システム80は、積立のための買付の対象となる投資信託や株式るいとう等の金融商品の情報を提供するシステムであり、1台または複数台のコンピュータにより構成され、例えば、投資信託の運用会社のシステム、あるいは積立サーバ20を管理する会社(証券会社等の金融機関)内の他のシステム等である。
指標値提供システム90は、例えば日経平均、NYダウ、原油価格等の各種の金融指標についての指標値を提供するシステムであり、1台または複数台のコンピュータにより構成され、例えば、情報ベンダーのシステム、あるいは積立サーバ20を管理する会社(証券会社等の金融機関)内の他のシステム等である。
このような本実施形態においては、以下のようにして積立システム10により、積立のポートフォリオの組換や臨時銘柄買付が行われる。
先ず、投資家である証券会社等の顧客が積立サーバ20にログインしてアクセスする前の段階では、積立サーバ20では、積立に関するサービス提供のための事前準備として、次のような処理が行われる。すなわち、金融商品情報取得手段31により、金融商品情報提供システム80から通信回線3を介して投資信託等の各種の金融商品についての情報(例えば、投信信託の場合には、銘柄名、銘柄コード、購入手数料、信託報酬(年)、信託財産留保額等)を取得し、取得した情報を、各金融商品の属性データとして、銘柄識別情報(銘柄コード)と関連付けて金融商品データベース51(図2参照)に記憶させる。
また、上記の金融商品情報取得手段31による自動処理で登録されない属性データがあるので、その登録を補うために、担当者(証券会社等のシステム担当者)は、担当者端末70を操作し、図示されない金融商品情報設定画面で、欠けている属性データ(例えば、投信信託の場合には、リスクレベル、運用コスト、商品種類等)を入力し、通信回線2を介して積立サーバ20へ送信する。積立サーバ20では、金融商品情報設定手段32により、担当者端末70から通信回線2を介して送信されてくる各金融商品の属性データを銘柄識別情報(銘柄コード)とともに受信し、受信した属性データを、銘柄識別情報(銘柄コード)と関連付けて金融商品データベース51(図2参照)に記憶させる。
以上のようにして事前準備された金融商品データベース51(図2参照)の各金融商品の属性データは、これ以降も、適宜、メンテナンスされる。
それから、顧客は、顧客端末60を操作し、顧客識別情報(証券口座の口座番号等)およびパスワードを入力し、ネットワーク1を介して積立サーバ20にログインしてアクセスする。そして、例えば、投資信託による積立を行う場合には、図9に示すような投資信託の積立設定画面100の表示要求を行う。積立サーバ20では、要求された投資信託の積立設定画面100(図9参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して顧客端末60に送信する。すると、顧客端末60の画面上には、投資信託の積立設定画面100(図9参照)が表示される。この投資信託の積立設定画面100には、未だ最初のポートフォリオの入力設定を行っていない場合には、現在設定中のポートフォリオの情報は表示されない。
図9の投資信託の積立設定画面100において、顧客は、「ポートフォリオ作成」ボタン111をクリックし、図9に示すようなポートフォリオ作成画面200を表示させ、このポートフォリオ作成画面200で最初のポートフォリオの入力設定を行うが、この作業は、予備のポートフォリオの入力設定を行う場合と同様であるため、詳細は後述する。そして、顧客が最初のポートフォリオの入力設定を行うと、そのポートフォリオは、顧客識別情報(例えば、証券口座の口座番号等)と関連付けられてポートフォリオデータベース52(図3参照)に記憶される。なお、最初のポートフォリオの設定は、証券会社等の店頭での手続により行ってもよい。
例えば、図3のポートフォリオデータベース52の例示では、大和太郎(証券口座の口座番号=C1)が設定しているポートフォリオ識別情報=1の最初のポートフォリオは、全世界株式インデックスを毎月1日に2万円分購入および毎月17日に2万円分購入、先進国債券インデックスを毎月9日に1万円分購入および毎月25日に1万円分購入、先進国リートインデックスを毎月15日に5万円分購入とされている。
その後、買付手段38により、ポートフォリオデータベース52(図3参照)に記憶されたポートフォリオ(銘柄、積立日、積立額)に従って、このポートフォリオを構成する各金融商品の買付が繰り返し実行される。
次に、図8において、顧客が、自己の投資戦略として、現在設定中のポートフォリオ(最初のポートフォリオ)から別のポートフォリオへのポートフォリオ組換を行うことを計画する場合には、最初のポートフォリオの入力設定時と同様に、顧客端末60を操作し、顧客識別情報(証券口座の口座番号等)およびパスワードを入力し、ネットワーク1を介して積立サーバ20にログインしてから、投資信託の積立設定画面100(図9参照)を表示させる(ステップS1,S2の初期段階)。
図9において、投資信託の積立設定画面100には、現在設定中のポートフォリオの内容を示す現在設定表示部101と、最初または予備のポートフォリオ(ここでは、予備のポートフォリオとなる。)を作成するための「ポートフォリオの作成」ボタン111と、臨時銘柄買付リストを作成するための「臨時銘柄買付リストの作成」ボタン112と、ポートフォリオの組換条件や臨時銘柄買付リストの買付条件の入力設定を行うための「ポートフォリオの組換条件・臨時銘柄買付リストの買付条件の設定」ボタン113とが設けられている。
図9の投資信託の積立設定画面100において、顧客が「ポートフォリオの作成」ボタン111をクリックすると、ポートフォリオ作成画面200(図9参照)の表示要求信号がネットワーク1を介して積立サーバ20へ送信される。積立サーバ20では、この表示要求信号を受信すると、ポートフォリオ作成手段33により、ポートフォリオ作成画面200(図9参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して顧客端末60へ送信する。すると、顧客端末60には、図9に示すようなポートフォリオ作成画面200が表示される。
図9において、ポートフォリオ作成画面200の上部には、ポートフォリオ入力部210が設けられ、このポートフォリオ入力部210には、銘柄名または銘柄コードの入力部211と、積立日のタイプ(このタイプの例示は、図3参照)の入力部212と、積立日のタイプに付随する日にちデータの入力部213と、積立額の入力部214と、ポートフォリオの番号や名前等のポートフォリオ識別情報(顧客が自由に決めることができる。)の入力部215と、各入力部211〜215に入力した情報をネットワーク1を介して積立サーバ20へ送信して登録するための「登録」ボタン216と、各入力部211〜215に入力した情報をクリアする「クリア」ボタン217とが設けられている。また、各入力部211〜214は、「+追加」ボタンや「−削除」ボタンをクリックすることにより、自在に増減できるようになっている。
図9において、ポートフォリオ作成画面200の下部には、ポートフォリオ作成支援ツール部220が設けられている。このポートフォリオ作成支援ツール部220は、金融商品データベース51(図2参照)に属性データが記憶されている多くの金融商品の中から、顧客の投資戦略に沿った銘柄を抽出し、抽出した銘柄の一覧を表示し、一覧の中から必要な銘柄を選択することができる機能を有し、左側には、抽出条件入力部230が設けられ、右側には、一覧表示・選択部240が設けられている。
抽出条件入力部230には、銘柄スクリーニングを行うための各種の抽出条件の入力部が設けられ、例えば、投資信託の場合には、リスクレベル(このリスクレベルの例示は、図2参照)の入力部231と、運用コスト(高・中・低などの別)の入力部232と、購入手数料の入力部233と、信託報酬(年)の入力部234と、信託財産留保額の入力部235と、商品種類(株式・債券等の別)の入力部236と、銘柄スクリーニングを実行するための「実行」ボタン237とが設けられている。
一覧表示・選択部240には、銘柄スクリーニングにより抽出された銘柄の一覧表示部241と、一覧表示された銘柄を選択する銘柄選択部242と、選択した銘柄をポートフォリオ入力部210の銘柄名または銘柄コードの入力部211に入力するための「入力」ボタン243とが設けられている。銘柄選択部242は、1つの銘柄につき、複数設けられ、1つの銘柄について複数の積立日を設定する場合には、その積立日の数と同数の銘柄選択部242にチェックを入れる。
図9のポートフォリオ作成画面200の下部のポートフォリオ作成支援ツール部220において、顧客が、抽出条件入力部230の各入力部231〜236に抽出条件を入力し、「実行」ボタン237をクリックすると、各入力部231〜236に入力した抽出条件が、ネットワーク1を介して積立サーバ20へ送信される。積立サーバ20では、ポートフォリオ作成手段33により、顧客が入力した抽出条件を受信し、受信した抽出条件に合致する属性データを有する金融商品を、金融商品データベース51(図2参照)に記憶された金融商品の中から抽出し、抽出した金融商品の一覧の画面表示用データ(抽出した各金融商品についての銘柄名および銘柄コードを含む。)を、顧客端末60へネットワーク1を介して送信する(図8のステップS2)。すると、ポートフォリオ作成支援ツール部220の一覧表示・選択部240では、抽出された銘柄が一覧表示部241に表示される。
続いて、顧客は、一覧表示部241を参照して採用銘柄を選択し、選択した銘柄に対応する銘柄選択部242に、1つまたは複数のチェックを入れた後、「入力」ボタン243をクリックする。すると、ポートフォリオ作成画面200の上部のポートフォリオ入力部210では、銘柄名または銘柄コードの入力部211に、選択した銘柄についての銘柄名または銘柄コードが入力される。この銘柄選択部242から銘柄名または銘柄コードの入力部211への反映処理は、顧客端末60だけで行ってもよく、積立サーバ20を経由させて行ってもよい。なお、顧客は、ポートフォリオ作成支援ツール部220を利用せずに、銘柄名または銘柄コードの入力部211に、直接に銘柄名または銘柄コードを入力してもよい。
それから、顧客は、選択した銘柄の各々について、積立日のタイプ、これに付随する日にちデータ、積立額を、それぞれ各入力部212〜214に入力し、組み換え後のポートフォリオの候補となる予備のポートフォリオを作成し、作成した予備のポートフォリオに、番号や名前等のポートフォリオ識別情報を付し、それを入力部215に入力する。そして、「登録」ボタン216をクリックすると、各入力部211〜215に入力した情報がネットワーク1を介して積立サーバ20へ送信される(図8のステップS1)。
なお、複数の予備のポートフォリオを作成する場合には、顧客は、銘柄選択部242にチェックを入れる銘柄を変えたり、1つの銘柄についてチェックを入れる銘柄選択部242の個数(積立日の数)を変えたり、抽出条件入力部230の各入力部231〜236への抽出条件の入力から改めて始めたり、ポートフォリオ入力部210における各入力部211〜214への入力データを変えたりすることにより、別の予備のポートフォリオを作成し、作成した別の予備のポートフォリオに、番号や名前等のポートフォリオ識別情報を重複しないように付し、それを入力部215に入力し、「登録」ボタン216をクリックするという作業・操作を繰り返せばよい。
積立サーバ20では、ポートフォリオ作成手段33により、顧客端末60からネットワーク1を介して送信されてくる顧客による入力データ(ここでは、予備のポートフォリオを構成する各金融商品についての銘柄名、銘柄コード(銘柄識別情報)、タイプおよび日にちデータからなる積立日、積立額、並びに、予備のポートフォリオの番号や名前等のポートフォリオ識別情報)を受信し、受信した入力データを、顧客識別情報(例えば、証券口座の口座番号等)と関連付けて予備ポートフォリオデータベース53(図4参照)の個別テーブルに記憶させる(図8のステップS2)。
例えば、図4の予備ポートフォリオデータベース53の例示では、大和太郎(証券口座の口座番号=C1)が設定しているポートフォリオ識別情報=2の予備のポートフォリオは、全世界株式インデックスを毎月1日に5万円分購入および毎月17日に5万円分購入、先進国リートインデックスを毎月25日に10万円分購入とされている。
続いて、積立サーバ20では、ポートフォリオ作成手段33により、顧客端末60から受信して登録した予備のポートフォリオを構成する各金融商品のリスクレベルを金融商品データベース51(図2参照)から取得し、取得した各金融商品のリスクレベルおよび顧客端末60から受信した各金融商品の積立額を用いて、予備のポートフォリオ(同じ顧客について複数の予備のポートフォリオがある場合には、それらの全て)についての総合リスクレベルを算出し、算出した総合リスクレベルを、顧客識別情報(例えば、証券口座の口座番号等)と関連付けて予備ポートフォリオデータベース53(図4参照)の総合テーブルに記憶させる。なお、総合リスクレベルの算出方法については、既に詳述しているため、ここでは説明を省略する。図4の例では、大和太郎(証券口座の口座番号=C1)がポートフォリオ識別情報=2,3の2つの予備のポートフォリオを登録しているので、それらの予備のポートフォリオについて、それぞれ4.1、3.8という総合リスクレベルを算出して記憶している。
さらに、積立サーバ20では、ポートフォリオ作成手段33により、顧客端末60から受信した積立日(タイプおよび日にちデータ)を用いて、予備のポートフォリオについての積立日間隔を算出し、算出した積立日間隔を、顧客識別情報(例えば、証券口座の口座番号等)と関連付けて予備ポートフォリオデータベース53(図4参照)の総合テーブルに記憶させる。なお、積立日間隔の算出方法については、既に詳述しているため、ここでは説明を省略する。
また、図10の投資信託の積立設定画面100(図9と同じ画面である。)において、顧客が「臨時銘柄買付リストの作成」ボタン112をクリックすると、臨時銘柄買付リスト作成画面300(図10参照)の表示要求信号がネットワーク1を介して積立サーバ20へ送信される。積立サーバ20では、この表示要求信号を受信すると、ポートフォリオ作成手段33により、臨時銘柄買付リスト作成画面300(図10参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して顧客端末60へ送信する。すると、顧客端末60には、図10に示すような臨時銘柄買付リスト作成画面300が表示される。
図10において、臨時銘柄買付リスト作成画面300の上部には、臨時銘柄買付リスト入力部310が設けられ、この臨時銘柄買付リスト入力部310には、銘柄名または銘柄コードの入力部311と、買付金額の入力部312と、臨時銘柄買付リストの番号や名前等の買付リスト識別情報(顧客が自由に決めることができる。)の入力部313と、各入力部311〜313に入力した情報をネットワーク1を介して積立サーバ20へ送信して登録するための「登録」ボタン314と、各入力部311〜313に入力した情報をクリアする「クリア」ボタン315とが設けられている。また、各入力部311,312は、「+追加」ボタンや「−削除」ボタンをクリックすることにより、自在に増減できるようになっている。
図10において、臨時銘柄買付リスト作成画面300の下部には、買付リスト作成支援ツール部320が設けられている。この買付リスト作成支援ツール部320は、金融商品データベース51(図2参照)に属性データが記憶されている多くの金融商品の中から、顧客の投資戦略に沿った銘柄を抽出し、抽出した銘柄の一覧を表示し、一覧の中から必要な銘柄を選択することができる機能を有し、左側には、抽出条件入力部330が設けられ、右側には、一覧表示・選択部340が設けられている。
抽出条件入力部330には、図9の抽出条件入力部230と同様に、銘柄スクリーニングを行うための各種の抽出条件の入力部が設けられ、例えば、投資信託の場合には、リスクレベル(このリスクレベルの例示は、図2参照)の入力部331と、運用コスト(高・中・低などの別)の入力部332と、購入手数料の入力部333と、信託報酬(年)の入力部334と、信託財産留保額の入力部335と、商品種類(株式・債券等の別)の入力部336と、銘柄スクリーニングを実行するための「実行」ボタン337とが設けられている。
一覧表示・選択部340には、銘柄スクリーニングにより抽出された銘柄の一覧表示部341と、一覧表示された銘柄を選択する銘柄選択部342と、選択した銘柄を臨時銘柄買付リスト入力部310の銘柄名または銘柄コードの入力部311に入力するための「入力」ボタン343とが設けられている。図9の銘柄選択部242は、1つの銘柄につき、複数設けられていたが、図10の銘柄選択部342は、積立ではないので、1つの銘柄につき、1つしか設けられていない。
図10の臨時銘柄買付リスト作成画面300の下部の買付リスト作成支援ツール部320において、顧客が、抽出条件入力部330の各入力部331〜336に抽出条件を入力し、「実行」ボタン337をクリックすると、各入力部331〜336に入力した抽出条件が、ネットワーク1を介して積立サーバ20へ送信される。積立サーバ20では、ポートフォリオ作成手段33により、顧客が入力した抽出条件を受信し、受信した抽出条件に合致する属性データを有する金融商品を、金融商品データベース51(図2参照)に記憶された金融商品の中から抽出し、抽出した金融商品の一覧の画面表示用データ(抽出した各金融商品についての銘柄名および銘柄コードを含む。)を、顧客端末60へネットワーク1を介して送信する(図8のステップS2)。すると、買付リスト作成支援ツール部320の一覧表示・選択部340では、抽出された銘柄が一覧表示部341に表示される。
続いて、顧客は、一覧表示部341を参照して採用銘柄を選択し、選択した銘柄に対応する銘柄選択部342にチェックを入れた後、「入力」ボタン343をクリックする。すると、臨時銘柄買付リスト作成画面300の上部の臨時銘柄買付リスト入力部310では、銘柄名または銘柄コードの入力部311に、選択した銘柄についての銘柄名または銘柄コードが入力される。この銘柄選択部342から銘柄名または銘柄コードの入力部311への反映処理は、顧客端末60だけで行ってもよく、積立サーバ20を経由させて行ってもよい。なお、顧客は、買付リスト作成支援ツール部320を利用せずに、銘柄名または銘柄コードの入力部311に、直接に銘柄名または銘柄コードを入力してもよい。
それから、顧客は、選択した銘柄の各々について、買付金額を入力部312に入力して
臨時銘柄買付リストを作成し、作成した臨時銘柄買付リストに、番号や名前等の買付リスト識別情報を付し、それを入力部313に入力する。そして、「登録」ボタン314をクリックすると、各入力部311〜313に入力した情報がネットワーク1を介して積立サーバ20へ送信される(図8のステップS1)。
なお、複数の臨時銘柄買付リストを作成する場合には、顧客は、銘柄選択部342にチェックを入れる銘柄を変えたり、抽出条件入力部330の各入力部331〜336への抽出条件の入力から改めて始めたり、臨時銘柄買付リスト入力部310における各入力部311,312への入力データを変えたりすることにより、別の臨時銘柄買付リストを作成し、作成した別の臨時銘柄買付リストに、番号や名前等の買付リスト識別情報を重複しないように付し、それを入力部313に入力し、「登録」ボタン314をクリックするという作業・操作を繰り返せばよい。
積立サーバ20では、ポートフォリオ作成手段33により、顧客端末60からネットワーク1を介して送信されてくる顧客による入力データ(ここでは、臨時銘柄買付リストを構成する各金融商品についての銘柄名、銘柄コード(銘柄識別情報)、買付金額、並びに、臨時銘柄買付リストの番号や名前等の買付リスト識別情報)を受信し、受信した入力データを、顧客識別情報(例えば、証券口座の口座番号等)と関連付けて買付リストデータベース54(図5参照)に記憶させる(図8のステップS2)。
例えば、図5の買付リストデータベース54の例示では、大和太郎(証券口座の口座番号=C1)が設定している買付リスト識別情報=1の臨時銘柄買付リストは、先進国株式インデックスを20万円分購入、新興国株式インデックスを10万円分購入とされている。また、大和太郎(証券口座の口座番号=C1)が設定している買付リスト識別情報=2の臨時銘柄買付リストは、先進国債券インデックスを10万円分購入、新興国債券インデックスを5万円分購入とされている。
その後、図9、図10の投資信託の積立設定画面100において、顧客が「ポートフォリオの組換条件・臨時銘柄買付リストの買付条件の設定」ボタン113をクリックすると、条件設定画面400(図11参照)の表示要求信号がネットワーク1を介して積立サーバ20へ送信される。積立サーバ20では、この表示要求信号を受信すると、条件入力設定手段35により、条件設定画面400(図11参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して顧客端末60へ送信する。すると、顧客端末60には、図11に示すような条件設定画面400が表示される。
図11において、条件設定画面400には、上から順に、個別条件の設定部410と、組換条件・買付条件の設定部420と、実行内容・実行時期の設定部430とが設けられている。なお、条件入力設定手段35により、条件設定画面400(図11参照)または他の補助画面において、顧客の要求に応じ、指標値データベース55に記憶されている各種の金融指標についての指標値(現在値および過去値を含む。)を数値表示またはグラフ表示してもよい。
個別条件の設定部410には、個別条件識別情報である条件名(本実施形態では、システムで自動的に付されて表示されるが、顧客が自由に決めて入力するものとしてもよい。)の表示部411と、金融指標(日経平均、NYダウ等の予め用意された選択肢がある。)の入力部412と、条件のタイプ(予め用意された選択肢がある。)の入力部413と、条件のタイプに付随するデータXおよびデータYの各入力部414,415と、各入力部411〜415に入力した情報をネットワーク1を介して積立サーバ20へ送信して登録するための「登録」ボタン416と、各入力部411〜415に入力した情報をクリアする「クリア」ボタン417とが設けられている。また、各入力部411〜415は、「+追加」ボタンや「−削除」ボタンをクリックすることにより、自在に増減できるようになっている。
組換条件・買付条件の設定部420には、組換条件や買付条件に付する番号や名前等の条件識別情報(顧客が自由に決めて入力することができる。)の入力部421と、個別条件識別情報である条件名(条件A、条件B等)をANDまたはORで組み合わせて構成した複合条件としての組換条件や買付条件の内容を示す記述データの入力部422と、各入力部421,422に入力した情報をネットワーク1を介して積立サーバ20へ送信して登録するための「登録」ボタン423と、各入力部421,422に入力した情報をクリアする「クリア」ボタン424とが設けられている。また、各入力部421,422は、「+組換条件追加」ボタンや「+買付条件追加」ボタンや「−削除」ボタンをクリックすることにより、自在に増減できるようになっている。
実行内容・実行時期の設定部430には、組換条件が成立した場合の実行内容および実行時期を入力設定する組換条件実行設定部440と、買付条件が成立した場合の実行内容および実行時期を入力設定する買付条件実行設定部450と、組換条件実行設定部440や買付条件実行設定部450に入力した情報をネットワーク1を介して積立サーバ20へ送信して登録するための「登録」ボタン460と、組換条件実行設定部440や買付条件実行設定部450に入力した情報をクリアする「クリア」ボタン461とが設けられている。また、組換条件実行設定部440や買付条件実行設定部450は、「+組換条件追加」ボタンや「+買付条件追加」ボタンや「−削除」ボタンをクリックすることにより、自在に増減できるようになっている。
組換条件実行設定部440には、組換条件に付した番号や名前等の条件識別情報の入力部441と、組換条件が成立した場合の実行内容としてのポートフォリオ識別情報(予備のポートフォリオの番号や名前等)の入力部442と、組換条件が成立した場合の実行内容としての設定リスクレベル(本実施形態では、5段階の選択肢が予め用意されている。)の入力部443と、条件成立後の実行時期についての2種類の指定方法による各入力部444,445と、優先順位の入力部446とが設けられている。
買付条件実行設定部450には、買付条件に付した番号や名前等の条件識別情報の入力部451と、買付条件が成立した場合の実行内容としての買付リスト識別情報(臨時銘柄買付リストの番号や名前等)の入力部452と、条件成立後の実行時期の入力部453と、優先順位の入力部454とが設けられている。
図11の条件設定画面400の個別条件の設定部410において、顧客が、金融指標(日経平均、NYダウ、原油価格等)、条件のタイプ並びにそれに付随するデータXおよびデータYを各入力部412〜415に入力し、「登録」ボタン416をクリックすると、入力された個別条件のデータ(個別条件識別情報である条件名、金融指標識別情報、条件のタイプ並びにそれに付随するデータXおよびデータY)が、ネットワーク1を介して積立サーバ20へ送信される(図8のステップS3)。
積立サーバ20では、条件入力設定手段35により、顧客端末60からネットワーク1を介して送信されてくる個別条件のデータ(個別条件識別情報である条件名、金融指標識別情報、条件のタイプ並びにそれに付随するデータXおよびデータY)を受信し、受信した個別条件のデータを、顧客識別情報(例えば、証券口座の口座番号等)と関連付けて条件データベース56(図6参照)の個別条件テーブルに記憶させる(図8のステップS4)。
続いて、図11の条件設定画面400の組換条件・買付条件の設定部420において、顧客が、組換条件や買付条件に付する番号や名前等の条件識別情報、個別条件識別情報である条件名(条件A、条件B等)をANDまたはORで組み合わせて構成した複合条件としての組換条件や買付条件の内容を示す記述データを、各入力部421,422に入力し、「登録」ボタン423をクリックすると、入力された組換条件や買付条件のデータ(組換条件・買付条件の別、組換条件や買付条件の条件識別情報、組換条件や買付条件の内容を示す記述データ)が、ネットワーク1を介して積立サーバ20へ送信される(図8のステップS3)。
積立サーバ20では、条件入力設定手段35により、顧客端末60からネットワーク1を介して送信されてくる組換条件や買付条件のデータ(組換条件・買付条件の別、組換条件や買付条件の条件識別情報、組換条件や買付条件の内容を示す記述データ)を受信し、受信した組換条件や買付条件のデータを、顧客識別情報(例えば、証券口座の口座番号等)と関連付けて条件データベース56(図6参照)の組換条件・買付条件テーブルに記憶させる(図8のステップS4)。また、登録した全ての組換条件や買付条件について、条件データベース56(図6参照)の組換条件・買付条件テーブルのステータスを「未成立」にする。
さらに、図11の条件設定画面400の実行内容・実行時期の設定部430において、顧客が、組換条件実行設定部440で、組換条件に付した番号や名前等の条件識別情報、組換条件が成立した場合の実行内容としてのポートフォリオ識別情報(予備のポートフォリオの番号や名前等)または設定リスクレベル、条件成立後の実行時期、優先順位を、各入力部441〜446に入力するとともに、必要に応じ、買付条件実行設定部450で、買付条件に付した番号や名前等の条件識別情報、買付条件が成立した場合の実行内容としての買付リスト識別情報(臨時銘柄買付リストの番号や名前等)、条件成立後の実行時期、優先順位を、各入力部451〜454に入力し、「登録」ボタン460をクリックすると、入力された組換条件や買付条件のデータ(組換条件・買付条件の別、組換条件や買付条件の条件識別情報、組換条件や買付条件が成立した場合の実行内容を指定するデータ(組換条件の場合には、ポートフォリオ識別情報または設定リスクレベルであり、買付条件の場合には、買付リスト識別情報である。)、条件成立後の実行時期、優先順位)が、ネットワーク1を介して積立サーバ20へ送信される(図8のステップS3)。
積立サーバ20では、条件入力設定手段35により、顧客端末60からネットワーク1を介して送信されてくる組換条件や買付条件のデータ(組換条件・買付条件の別、組換条件や買付条件の条件識別情報、組換条件や買付条件が成立した場合の実行内容を指定するデータ(組換条件の場合には、ポートフォリオ識別情報または設定リスクレベルであり、買付条件の場合には、買付リスト識別情報である。)、条件成立後の実行時期、優先順位)を受信し、受信した組換条件や買付条件のデータを、顧客識別情報(例えば、証券口座の口座番号等)と関連付けて条件データベース56(図6参照)の組換条件・買付条件テーブルに記憶させる(図8のステップS4)。
例えば、図6の条件データベース56の例示では、大和太郎(証券口座の口座番号=C1)が設定している条件識別情報=1の組換条件は、(条件A)AND(条件B)とされているので、条件A(日経平均が1ケ月間(月初から月末)で1,000円以上下落)が成立し、かつ、条件B(原油価格が1バレル40ドル以下)が成立したときに、大和太郎(証券口座の口座番号=C1)が設定している条件識別情報=1の組換条件が成立する。そして、この組換条件が成立し、かつ、その組換実行時期が到来したと判断された場合に、図6の条件データベース56に記憶されている、条件が成立した場合の実行内容に従って、ポートフォリオ識別情報=2の予備のポートフォリオを、組み換え後のポートフォリオとするポートフォリオの組換が自動実行されるという設定を行うことができる。
また、例えば、図6の条件データベース56の例示では、大和太郎(証券口座の口座番号=C1)が設定している条件識別情報=2の買付条件は、(条件C)OR(条件D)とされているので、条件C(NYダウが3ケ月連続で前月比から下落)が成立するか、または、条件D(日経平均が4ケ月連続で前月比から下落)が成立したときに、大和太郎(証券口座の口座番号=C1)が設定している条件識別情報=2の買付条件が成立する。そして、この買付条件が成立し、かつ、その買付実行時期が到来したと判断された場合に、図6の条件データベース56に記憶されている、条件が成立した場合の実行内容に従って、買付リスト識別情報=1の臨時銘柄買付リストの各銘柄の買付が自動実行されるという設定を行うことができる。
また、積立サーバ20では、条件入力設定手段35により、顧客が組換条件を入力設定する際に、組換条件として指定されている指標値の実質参照期間と、ポートフォリオデータベース52(図3参照)に記憶された現在設定中のポートフォリオを構成する各金融商品の積立日の時間間隔から定まる積立日間隔および/または予備ポートフォリオデータベース53(図4参照)に記憶された予備のポートフォリオを構成する各金融商品の積立日の時間間隔から定まる積立日間隔とを用いて、これらの比較等を行うことにより、顧客により入力設定された組換条件(入力設定されようとしている組換条件でもよい。)が適正であるか否かを判断し、適正でないと判断した場合には、組換条件が適正でない旨を報知するための画面表示用データを、顧客端末60へネットワーク1を介して送信する。なお、指標値の実質参照期間の算出方法や、適正であるか否かの判断方法は、既に詳述しているため、ここでは説明を省略する。
その後、指標値取得手段34により、各種の金融指標(日経平均、NYダウ、原油価格等)について最新のデータを取得し、指標値データベース55に記憶された指標値の最新値を更新する(図8のステップS5)。具体的には、指標値取得手段34により、指標値提供システム90から通信回線4を介して各種の金融指標についての指標値(現在値および過去値を含む。)を取得し、取得した指標値を、金融指標識別情報(金融指標の名称、金融指標コード等)と関連付けて指標値データベース55に記憶させる。なお、指標値データベース55に記憶された指標値のデータ更新処理は、定期的に繰り返し行われるが、説明の便宜上、ここでは条件成否判断手段36による条件成否判断の前に行う処理として記載している。すなわち、組換条件や買付条件は、指標値を用いて指定されているので、指標値の変化が無ければ、条件成否の判断結果は変わらないからである。
さらに、条件成否判断手段36により、指標値データベース55に記憶された指標値を用いて、条件データベース56(図6参照)に記憶された各顧客の組換条件や買付条件が成立したか否かの判断処理を実行する(図8のステップS5)。この条件成否の判断処理は、定期的に繰り返し行われる。
そして、条件成否判断手段36により、組換条件や買付条件が成立したと判断した場合に、条件データベース56(図6参照)に記憶されたステータスを、「未成立」から「成立」に変更するとともに、その条件の成立年月日を条件データベース56に記憶させる。なお、複数の組換条件や買付条件が同時に成立した場合には、条件データベース56(図6参照)に記憶されている優先順位に従って決定された組換条件や買付条件に対応する実行内容を、実行対象とする。この際、同じ顧客が入力設定している組換条件および買付条件のうち、成立した条件以外の条件、および、同時に成立したが優先順位が低かったために実行対象とされなかった条件については、その後の監視対象から除外するために、ステータスを「終了」に変更する。
また、条件成否判断手段36により、条件データベース56(図6参照)に記憶されたステータスが「成立」になっている組換条件や買付条件について、条件データベース56に記憶された条件の成立年月日および条件成立後の実行時期を用いて、ポートフォリオ組換や臨時銘柄買付の実行時期が到来したか否かの判断処理を実行する(図8のステップS5)。この実行時期到来の判断処理は、上記の条件成否の判断処理と併せて、定期的に繰り返し行われる。
そして、条件成否判断手段36により以上のような条件成否の判断処理および実行時期到来の判断処理を繰り返す中、ポートフォリオの組換条件が成立しない間、あるいは、ポートフォリオの組換条件は成立しているが、組換実行時期が到来していない間は、買付手段38により、ポートフォリオデータベース52(図3参照)に記憶された現在設定中のポートフォリオ(銘柄、積立日、積立額)に従って、現在設定中のポートフォリオを構成する各金融商品の買付を行い、買付を行った銘柄について保有データベース57(図7参照)に記憶された顧客の保有数量を更新する積立処理の実行を継続する(図8のステップS5)。
一方、条件成否判断手段36により、ポートフォリオ組換や臨時銘柄買付の実行時期が到来したと判断した場合(すなわち、組換条件が成立し、かつ、組換実行時期が到来したと判断した場合、あるいは、買付条件が成立し、かつ、買付実行時期が到来したと判断した場合)には、条件成立後に実行時期が到来した条件(組換条件や買付条件)についての条件データベース56(図6参照)に記憶された情報を、組換手段37や買付手段38に伝達するとともに、条件成立後に実行時期が到来した条件(組換条件や買付条件)について、その後の監視対象から除外するために、ステータスを「終了」に変更する。
そして、条件成否判断手段36により組換条件が成立し、かつ、組換実行時期が到来したと判断した場合には、組換手段37により、条件データベース56(図6参照)に記憶された、条件が成立した場合の実行内容に従って、予備ポートフォリオデータベース53(図4参照)に記憶された予備のポートフォリオを、組み換え後のポートフォリオとして、ポートフォリオデータベース52(図3参照)に記憶させる(図8のステップS6)。
例えば、図6の条件データベース56の組換条件・買付条件テーブルに例示された大和太郎(証券口座の口座番号=C1)が設定している条件識別情報=1の組換条件が成立し、その組換実行時期が到来したと判断された場合には、条件データベース56の組換条件・買付条件テーブルに、条件が成立した場合の実行内容として、ポートフォリオ識別情報=2が記憶されているので、ポートフォリオ識別情報=2の予備のポートフォリオを、組み換え後のポートフォリオとして、ポートフォリオデータベース52(図3参照)に記憶させる処理を実行する。この際、大和太郎(証券口座の口座番号=C1)が設定しているポートフォリオ識別情報=2の予備のポートフォリオは、図4の予備ポートフォリオデータベース53の例示では、全世界株式インデックスを毎月1日に5万円分購入および毎月17日に5万円分購入、先進国リートインデックスを毎月25日に10万円分購入とされているので、後述する図8のステップS7では、これらの買付による積立処理の実行を継続する。
また、例えば、図6の条件データベース56の組換条件・買付条件テーブルに例示された大和太郎(証券口座の口座番号=C1)が設定している条件識別情報=3の組換条件が成立し、その組換実行時期が到来したと判断された場合には、条件データベース56の組換条件・買付条件テーブルに、条件が成立した場合の実行内容として、設定リスクレベル=5(アグレッシブな意図でのポートフォリオ組換)が記憶されているので、大和太郎(証券口座の口座番号=C1)が設定しているポートフォリオ識別情報=2,3の2つの予備のポートフォリオのうち、設定リスクレベル=5に近い方の総合リスクレベルを有する予備のポートフォリオを、組み換え後のポートフォリオとして、ポートフォリオデータベース52(図3参照)に記憶させる処理を実行する。図4の予備ポートフォリオデータベース53の総合テーブルの例示では、大和太郎(証券口座の口座番号=C1)が設定しているポートフォリオ識別情報=2の予備のポートフォリオの総合リスクレベル=4.1であり、ポートフォリオ識別情報=3の予備のポートフォリオの総合リスクレベル=3.8であるから、ポートフォリオ識別情報=2の予備のポートフォリオの総合リスクレベルの方が、設定リスクレベル=5に近いので、ポートフォリオ識別情報=2の予備のポートフォリオを、組み換え後のポートフォリオとして、ポートフォリオデータベース52(図3参照)に記憶させる処理を実行する。
また、条件成否判断手段36により買付条件が成立し、かつ、買付実行時期が到来したと判断した場合には、買付手段38により、条件データベース56(図6参照)に記憶された、条件が成立した場合の実行内容に従って、買付リストデータベース54(図5参照)に記憶された顧客の臨時銘柄買付リストを構成する各金融商品の銘柄(銘柄名、銘柄コード)および買付金額に基づく買付処理を行い、買付を行った銘柄について保有データベース57(図7参照)に記憶された当該顧客の保有数量を更新する(図8のステップS6)。
例えば、図6の条件データベース56の組換条件・買付条件テーブルに例示された大和太郎(証券口座の口座番号=C1)が設定している条件識別情報=2の買付条件が成立し、その買付実行時期が到来したと判断された場合には、条件データベース56の組換条件・買付条件テーブルに、条件が成立した場合の実行内容として、買付リスト識別情報=1が記憶されているので、買付リスト識別情報=1の臨時銘柄買付リストを構成する各金融商品の買付を実行する。大和太郎(証券口座の口座番号=C1)が設定している買付リスト識別情報=1の臨時銘柄買付リストは、図5の買付リストデータベース54の例示では、先進国株式インデックスを20万円分購入、新興国株式インデックスを10万円分購入とされているので、これらの買付を実行する。
以降、ポートフォリオの組換を実行した後においては、買付手段38により、ポートフォリオデータベース52(図3参照)に記憶された組み換え後のポートフォリオ(銘柄、積立日、積立額)に従って、組み換え後のポートフォリオを構成する各金融商品の買付を行い、買付を行った銘柄について保有データベース57(図7参照)に記憶された顧客の保有数量を更新する積立処理の実行を継続する(図8のステップS7)。
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、積立システム10では、条件入力設定手段35により、顧客(投資家)が入力した組換条件を条件データベース56(図6参照)に記憶させておき、条件成否判断手段36により、指標値データベース55に記憶された指標値を用いて、条件データベース56に記憶された組換条件の成否判断を繰り返し、組換条件が成立した場合に、組換手段37により、積立のポートフォリオの組換を実行するので、顧客が事前に組換条件を入力設定しておけば、ポートフォリオの組換を、システム処理で自動的に実現することができる。
このため、顧客は、従来のように、銘柄・積立日・積立額の変更の必要性が生じた際、すなわち自己の投資戦略に基づき銘柄・積立日・積立額の変更のタイミングが到来したと判断した際に、その都度、インターネットからのログインで入力作業を行ったり、証券会社等の金融機関の店頭に出向いて手続を行ったりする必要がなくなるので、顧客の手間を軽減し、ポートフォリオの組換を容易に実現することができるとともに、銘柄・積立日・積立額の変更のタイミングが到来したと判断した際に、仕事等の何らかの事情で、変更のための入力作業や手続を行うことができない事態に陥るという従来発生する可能性のあった不都合を回避することができる。
特に、複数の銘柄について積立日および積立額を組み合わせたポートフォリオを構築している場合には、従来は、銘柄毎に、変更のための入力作業や手続を行わなければならなかったので、多くの手間や時間がかかったが、積立システム10では、このようなポートフォリオの組換を、システム処理で自動的に実現することができるため、顧客の手間の軽減効果は大きくなり、多くの銘柄からなるポートフォリオの組換も、容易に実現することができる。
また、組換条件の成否判断は、条件成否判断手段36によるシステム処理で自動的に行われるので、顧客は、金融指標についての指標値の変動状況を自ら監視する必要はなく、また、銘柄・積立日・積立額の変更のタイミングが到来したか否かの判断を自ら行う必要もないため、顧客の監視負担を軽減することができる。従って、顧客が想定している変更のタイミングを逃してしまうという機会損失の問題も解消することができ、顧客(投資家)の意図したタイミングでポートフォリオの組換を行うことができる。
さらに、ポートフォリオ作成手段33は、顧客が入力した抽出条件を用いた銘柄スクリーニングを実行する構成とされているので(図9のポートフォリオ作成支援ツール部220、図10のポートフォリオ作成支援ツール部320参照)、顧客は、最初または予備のポートフォリオや、臨時銘柄買付リストを容易に作成することができるため、顧客の手間を、より一層軽減することができる。
また、条件入力設定手段35は、ポートフォリオの組換実行時期や臨時銘柄買付リストの買付実行時期を条件データベース56(図6参照)に記憶させ、条件成否判断手段36は、組換条件や買付条件の成否判断だけではなく、組換実行時期や買付実行時期の到来判断も実行する構成とされているので、組換条件や買付条件の成立後、すぐにポートフォリオの組換や臨時銘柄買付リストの各銘柄の買付を実行するのではなく、例えば、条件成立後、7営業日目に実行すること、あるいは、条件成立後、最初の区分3(17日)の到来時に実行すること等のような実行時期の調整を行うことができる。このため、例えば、資金管理上、都合のよい調整を行うことや、他のシステムにより提供されるサービスとの連携を図るための調整を行うこと等が可能となる。
さらに、組換手段37は、組換条件が成立したと判断した場合に、予備ポートフォリオデータベース53(図4参照)に複数の予備のポートフォリオが記憶されているときには、複数の予備のポートフォリオの各々についての総合リスクレベルを取得し、条件データベース56(図6参照)に記憶された設定リスクレベル(顧客の投資意図に基づき、顧客により設定される段階を示す数値)に最も近い総合リスクレベルを有する予備のポートフォリオを、組み換え後のポートフォリオとすることができる構成とされているので、リスクレベルを利用して、採用する予備のポートフォリオを自動選択し、顧客の投資意図に沿ったポートフォリオの組換を実現することができる。
そして、条件入力設定手段35は、入力設定された組換条件が適正であるか否かを判断し、適正でないときには、顧客に報知する構成とされているので、顧客により入力設定される組換条件を、積立のポートフォリオの組換のタイミングを定めるための条件として相応しい内容のものにすることができる。すなわち、積立システム10で取り扱う積立処理は、一回限りの買付処理(ある1時点の処理)ではなく、例えば毎月1回等のように繰り返し行う買付処理であり、長期に渡る処理であるが、その積立のポートフォリオの組換をするのに、ある1時点のみの指標値や極めて短期間の指標値を用いた条件成否判断をしても殆ど意味がなく、そのような条件設定は実効性に乏しい。従って、入力設定された組換条件が適正であるか否かを判断することにより、そのような実効性に乏しい条件設定が行われることを防ぐことができる。
また、条件入力設定手段35は、優先順位を設定することができる構成とされているので、複数の組換条件が同時に成立した際に、いずれの組換条件に対応するポートフォリオの組換を実行するのかを事前に詳細に設定しておくことができる。このため、ある組換条件に対応するポートフォリオの組換が実行された直後に、別の組換条件に対応するポートフォリオの組換が実行されてしまうといった不都合を未然に防止することができる。
また、ポートフォリオ作成手段33は、臨時銘柄買付リストも作成することができる構成とされ、条件入力設定手段35は、臨時銘柄買付リストの買付条件も入力設定することができ、かつ、組換条件および買付条件をまとめた状態で優先順位を設定することができる構成とされているので、ポートフォリオの組換と、臨時銘柄買付リストの各銘柄の買付との間の調整も行うことができる。従って、例えば、あの組換条件に対応するポートフォリオの組換が実行されるときは、この買付条件に対応する臨時銘柄買付リストの各銘柄の買付は実行しなくてよいという場合、あの買付条件に対応する臨時銘柄買付リストの各銘柄の買付が実行されるときは、この組換条件に対応するポートフォリオの組換は実行しなくてよいという場合、ある買付条件に対応する臨時銘柄買付リストの各銘柄の買付が実行されるときは、別の買付条件に対応する臨時銘柄買付リストの各銘柄の買付は実行しなくてよいという場合等には、優先順位の設定により、実行の事前調整を行うことができる。
さらに、条件入力設定手段35は、組換条件をANDやORを用いた複合条件として構成する場合の構成要素となる個別条件(条件A、条件B等)を、買付条件を複合条件として構成する場合の構成要素としても使用することができるように構成されているので、すなわち、個別条件である条件A、条件B等は、組換条件を作成する場合にも、買付条件を作成する場合にも、使用することができるようになっているので、顧客は、買付条件の設定も、組換条件の設定の場合と同様に、容易に行うことができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、積立システム10は、臨時銘柄買付リストを作成し、臨時銘柄買付リストを構成する各金融商品の買付を実行する構成とされていたが、ポートフォリオ作成手段33を臨時銘柄売付リストも作成することができる構成とし、条件入力設定手段35を売付条件も入力設定することができる構成とし、条件データベース56(図6参照)を売付条件も記憶することができる構成とし、さらに、売付リストデータベース(買付リストデータベースと一体化した売買リストデータベースでもよい。)や売付手段(買付手段と併せた売買手段でもよい。)等を設けることにより、売付条件が成立し、かつ、売付実行時期が到来した場合に、臨時銘柄売付リストを構成する各金融商品の売付を実行することができる構成としてもよい。
例えば、全世界株式インデックスを保有口数の30%売却、先進国リートインデックスを10万円分売却などを実行するための臨時銘柄売付リストを作成することができる。売付リスト識別情報は、買付リスト識別情報とまとめた状態で一意になるようにしてもよく、買付リスト識別情報とは独立して一意になるようにしてもよい。売付条件の設定方法は、組換条件や買付条件の設定方法と同じであり、ANDやORを用いた複合条件とすることができる。