JP6092138B2 - 柱体昇降機及び枝打ちロボット - Google Patents

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Description

本発明は、柱体昇降機及び枝打ちロボットに関する。
本出願人は、特許文献1の柱体昇降作業装置を提案している。特許文献1の柱体昇降作業装置は、柱体を挟む反対側において上下方向に異なる位置で柱体の外周面に当接する上部主車輪及び下部主車輪を備えている。そして、その下部主車輪側における当該下部主車輪よりも径方向外側に重心を設定することにより、自重を利用して柱体に対する上下方向の相対位置を保持することが可能となっている。機体の小型化及び軽量化を図るとともに、併せて、その柱体への取り付け性を向上させることができる。
また、特許文献1には、その各主車輪及び下部主車輪の位置と、機体の傾きと、柱体の直径との関係に基づいて、上部主車輪及び下部主車輪の位置を制御する構成が開示されている。そして、このような構成を適用することにより、その制御も含め、構成の複雑化を招くことなく、柱体の直径が変化する状況においても、機体の姿勢を維持することができるようになる。
ところで、特許文献1では、上部主車輪及び下部主車輪を支持する各アームは、その支持する上部主車輪及び下部主車輪の間に柱体を挟み込むように、それぞれが独立して動作する。このため、上下方向における柱体の直径変化に応じて各主車輪が移動する際、各主車輪を構成するタイヤの弾性等によって、その各主車輪が相互に開いて柱体の外周面に対して接触する状態となる可能性がある。その結果、各主車輪の転動方向と柱体の軸心方向との間にずれが生じ、機体(機枠)の姿勢が乱れることによって、柱体の軸心を外した状態で各主車輪間に柱体を挟み込んでしまうおそれがある。そして、これが円滑な機体の動作を妨げる要因になるという問題がある。
この問題を解消するものとして、本出願人は、特許文献2の柱体昇降機を提案している。この特許文献2の柱体昇降機は、樹幹の周囲に配置される機枠に上下一対の車輪支持装置を備えている。前記各車輪支持装置は車輪をそれぞれ備えた左右一対の支持アームを有する。そして、前記各車輪は樹幹の外周面に透設する際、樹幹の径が変化した場合の車輪の軌跡が該樹幹の軸心で交差するように左右対称に同期して動作するようにしている。この柱体昇降機によれば、車輪間を樹径の変化に対応できるため、柱体昇降機の姿勢を水平に保ち円滑な動作を維持できるようしている。
特許文献2では、駆動車輪となる車輪を駆動する自走装置が組み込まれて柱体昇降作業装置及び柱体昇降機は樹幹に対して上昇下降が可能となっている。
特許文献2のように樹径が変化した場合に、それに対応できる装置は、他に特許文献3、特許文献4が公知である。
特許文献3の枝打機は、フレームに設けられた主輪と、高応答性弾性材の弾性力に基づいて樹幹を抱き締めるように動作する左右のアームと、各フレームの先端に設けられた副輪とを備えている。そして、その各アームの抱き締め動作によって各主輪及び副輪間に樹幹を挟み込むことにより、その樹幹に対する上下方向の相対位置を保持するとともに、樹径が変化しても、常に一定の抱きしめ力が発揮できる構成となっている。そして、前記アームに受けられた車輪を駆動する自走装置が組み込まれて上昇下降が可能となっている。
また、特許文献4の枝払昇降機は、樹幹を締め付ける締め付け機構と、モータ駆動により締め付け圧力を調整する圧力調整機構とを備えている。この結果、その上下方向において直径が大きく変化する樹幹にも対応することが可能となっている。特許文献2において、前記アームに受けられた車輪を駆動する自走装置が組み込まれて上昇下降が可能となっている。
なお、特許文献5及び特許文献6は柱体昇降機に搭載される枝打ち用のチェーンソーの本願出願時の技術水準を示す文献である。
特開2008−253116号公報 特開2013−169189号公報 特開2000−295931号公報 特開2006−87326号公報 特開2011−167127号公報 特開2009−261356号公報
ところで、前記のような特許文献2の柱体昇降機おいて、樹幹を上昇中に何らかの原因でスタックして、自走装置によっては下降走行できない場合、スタックした柱体昇降機を早急にメンテナンスする必要がある。
なお、特許文献1、特許文献3〜特許文献6では、昇降機(または枝打機、昇降作業装置)がスタックして、自走装置によっては下降走行できない場合において、その事態に対応するための手段は開示されていない。
本発明の目的は、柱体に装着した柱体昇降機がスタックした場合、メンテナンスを早期に行うことができる柱体昇降機を提供することにある。
本発明の他の目的は、柱体に装着されて枝打ち作業を行う枝打ちロボットがスタックした場合、メンテナンスを早期に行うことができる枝打ちロボットを提供することにある。
前記問題点を解決するために、本発明の柱体昇降機は、柱体の周囲に配置される機枠と、前記柱体を間にするよう配置されるとともに前記機枠の上下にそれぞれ設けられた一対の車輪支持装置と、を備え、前記各車輪支持装置は、前記柱体の周方向において離間する左右一対の支持アームと、前記各支持アームに先端に設けられて、前記柱体の外周面に当接する車輪と、前記各支持アームを左右対称に同期移動させて前記外周面に前記車輪を当接させる同期作動部と、前記同期作動部を駆動する駆動源を含み、自重により前記柱体に対する上下方向の相対位置を保持可能な柱体昇降機において、前記駆動源による前記同期作動部の作動が不能の際、前記同期作動部を解除方向へ移動させて前記駆動源との連係を解除するとともに前記同期作動部を介して前記支持アームを作動させて、前記車輪を前記外周面から離間させる解除アクチュエータを有するものである。
また、前記各支持アームは、基端側に回動中心を有する第1リンク及び第2リンクと、該第1リンク及び第2リンクの先端に対して回動可能に連結された第3リンクと、該第3リンクの一端に設けられた車輪支持部と、を備えていることが好ましい。
また、前記第1リンクの基端には、前記回動中心に対応するピッチ円中心を有したギヤ部が形成され、前記同期作動部は、前記ギヤ部に対して同時に噛合することが好ましい。
また、前記同期作動部は、前記ギヤ部側からの逆入力回転を伝達しないウォームギヤであることが好ましい。
また、前記各車輪が操舵輪又は駆動輪の少なくとも何れかの機能を有することが好ましい。
また、前記駆動源を駆動制御する制御部と、作動指令に基づいて前記解除アクチュエータを駆動制御する緊急用制御部を有することが好ましい。
また、前記制御部には無線通信で受信した指令を付与する第1無線通信部を備え、前記緊急用制御部には、無線通信で受信した指令を付与する第2無線通信部を備え、前記緊急用制御部は、第2無線通信部で受信した指令に基づいて前記解除アクチュエータを駆動することが好ましい。
また、前記駆動源及び前記駆動源の前記制御部に電力を供給する第1電源部と、前記解除アクチュエータ及び前記緊急用制御部に電力を供給する第2電源部を前記第1電源部とは独立して備えることが好ましい。
また、垂れ下がり可能に連結されたロープを有することが好ましい。
また、前記ロープを収納する収納部と、前記解除アクチュエータと連携動作して、前記収納部から前記ロープの放出並びに前記ロープの垂れ下がりを許容する許容部材を備えるが好ましい。
また、本発明の枝打ちロボットは、前記いずれかの柱体昇降機を有して樹幹を昇降動作するとともに、前記樹幹から延びる枝を切断可能な切断装置を備えたものである。
本発明の柱体昇降機によれば、スタックした柱体昇降機のメンテナンスを早期に行うことができる効果を奏する。
また、本発明の枝打ちロボットによれば、スタックした枝打ちロボットのメンテナンスを早期に行うことができる効果を奏する。
本発明の一実施形態にかかる枝打ちロボットの斜視図。 (a)は樹幹(柱体)に取り付けられた柱体昇降機を模式的に示す平面図、(b)は同じく模式的に示す側面図。 車輪支持装置の斜視図。 車輪支持装置の斜視図。 各支持アームの動作及び各車輪の軌跡を示す説明図。 解除アクチュエータのモータ71、ネジ棒74、ナット75の関係を示す要部断面図。 解除アクチュエータ70のネジ棒74、ナット75、可動支持部31の横断面図。 (a)は解除アクチュエータ70の作動前の模式図、(b)は解除アクチュエータ70の作動中の模式図。 柱体昇降機の上昇時の位置と、下降時の位置関係を示す模式図。 チェーンソーの正面図。 (a)、(b)はチェーンソーの斜視図。 (a)は枝噛み防止部材とコイルバネとの関連を示す説明図、(b)は待機位置における枝噛み防止部材の要部断面図、(c)は枝噛み防止部材が移動する状態の要部断面図。 他の実施形態の枝噛み防止部材と付勢部材との関連を示す説明図。 (a)は枝噛み防止部材が作動前の斜視図、(b)は枝噛み防止部材が作動中の斜視図。 各車輪に設定された補正角を示す説明図。 柱体昇降機の電気的構成を示すブロック図。 (a)は枝打ちの態様を示す処理のフローチャート、(b)はサブルーチンのフローチャート。 (a)は他の実施形態の解除アクチュエータ70の作動前の模式図、(b)は他の実施形態の解除アクチュエータ70の作動中の模式図。
(実施形態)
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図17を参照して説明する。
図1に示すように、枝打ちロボット1は、樹幹10を柱体として昇降動作する柱体昇降機2と、モータ駆動により樹幹から延びる枝を切断可能な切断装置としての電動チェーンソー3を備えている。
柱体昇降機2は、略円環状の機枠4と、この機枠4の上部の部位及び前記上部の部位とは略180度反対側の部位の下部にそれぞれ固定された一対の車輪支持装置5を備えている。
図2(a)、図2(b)に示すように、機枠4は、その柱体となる樹幹10を取り囲むように同樹幹10の径方向外側に配置される。機枠4には、ジョイント部13及び関節部14が設けられている。そして、柱体昇降機2の機体(装置全体)を樹幹10に取り付ける際には、このジョイント部13を開放操作することにより、その機枠4の円環形状を開くことが可能となっている。
なお、説明の便宜上、図1に示す上下一対の車輪支持装置5のうち、機枠4よりも上側に位置する車輪支持装置5には符号「5A」を付すことがある。また、機枠4よりも下側に位置する車輪支持装置5には符号「5B」を付すことがある。また、図1、図2(a)、図2(b)に示すように、説明の便宜上、車輪に付する符号には「7」を使用するが、上下位置関係を明示するために機枠4よりも上方に位置する車輪には7aを付し、機枠4よりも下方に位置する車輪には7bを付すものとする。
前記車輪支持装置5Aは、その支持する車輪7aを樹幹10の上下方向において機枠4よりも上側(図2(b)中、上側)に当接させるように構成されている。また、車輪支持装置5Bは、その支持する車輪7bを機枠4よりも下側(図2(b)中、下側)に当接させるように構成されている。そして、これらの車輪支持装置5A,5Bが支持する車輪7(7a,7b)を柱体の外周面に当接させることにより、その柱体に対する上下方向の相対位置を保持し、及び柱体を昇降することが可能となっている。
また、柱体昇降機2は、その重心Gが、車輪支持装置5B側における下側の車輪7bよりも径方向外側となるように設計されている。
前記の構成により、その樹幹10を挟む反対側において上下方向に異なる位置で樹幹10の外周面10aに当接する上下の車輪7a,7bには、機体(装置全体)の自重に基づいて、各車輪7a,7bによる樹幹10への押付力に抗する反力F1,F2が発生する。そして、柱体昇降機2は、この互いに相反する方向の押付力F1,F2を利用して、上下の各車輪7a,7b間に樹幹10を挟み込むことにより、その自重により、樹幹10に対する上下方向の相対位置を保持することが可能となっている。
さらに詳述すると、図3〜図5に示すように、各車輪支持装置5は、機枠4に固定された基部15と、この基部15から延びる左右一対の支持アーム16(16L,16R)とを備えている。各支持アーム16の先端には、それぞれ、独立して車輪7を支持可能な車輪支持部17が設けられている。各車輪支持装置5は、各支持アーム16が支持する二つの車輪7(7L,7R)を、周方向に離間した位置において樹幹10の外周面10aに当接させる構成になっている。
なお、図3〜図5では説明の便宜上、車輪7において、左右の位置関係を明示するために機枠4外方から見た場合に左位置する車輪には「7L」を付し、右に位置する車輪には「7R」を付すものとする。
具体的には、図3、図4に示すように各支持アーム16は、基端側に回動中心となる関節J1,J2を有して基部15に連結された第1リンク21及び第2リンク22と、各関節J1,J2と同様に二部材間を回動可能に連結する関節J3,J4を有して第1リンク21及び第2リンク22の先端に連結された第3リンク23とを備えている。車輪支持部17は、図5に示されるような樹幹10に対して柱体昇降機2が取り付けられた状態において、第3リンク23における樹幹10側の一端に設けられている。
このような四節リンクを用いて各支持アーム16が形成されている。そして、その四節リンクを構成する各要素(各関節J1〜J4の位置や相互距離等)を調整することにより、図5に示すように、各支持アーム16の先端に支持された各車輪7が、その各支持アーム16の動作に基づいて、それぞれ樹幹10の軸心P0または軸心P0近傍に向かって移動するように構成されている。
なお、各支持アーム16を構成する四節リンクを最適化した場合であっても、その樹幹10の外周面10aに対する各車輪7の接地角は、各車輪7が樹幹10の軸心P0に向かって移動することにより僅かながら変化する。この点を踏まえ、図15に示すように、各車輪7には、予め、その接地角の変化による影響を抑えるための補正角βが設定されている。具体的には、各支持アーム16の場合、各車輪7が樹幹10の外周面10aに対して直角に接する状態を基準として、左右の車輪7L,7Rが「逆ハの字型」となるような補正角βが設定されている。
図3〜図5に示すように、各車輪支持装置5は、これらの各支持アーム16(16L,16R)を左右対称に同期して動作させるアームアクチュエータ35を備えている。このため、各車輪支持装置5は、図5に示すように、その樹幹10の外周面10aに当接する左右の車輪7L,7Rの軌跡(同図中、二点差線に示す軌跡)が樹幹10の軸心P0またはその付近で交差するように各支持アーム16L,16Rを動作させることが可能となっている。
すなわち、このような構成とすることにより樹径変化により生ずる機体の傾きは周方向に離間した位置で樹幹10の外周面10aに当接する二つの車輪7(7L,7R)の各当接点P1,P2の中間点P3と樹幹の軸心P0とを結ぶ直線Nに沿ったものとなる。そして、その軌跡が樹幹10の軸心P0またはその付近で交差するように各車輪7(7L,7R)が左右対称に同期して移動することで、樹幹10の外周面10aに対する各車輪7(7L,7R)の接触状態が安定する。
このように各車輪7(の接地面)が樹径変化に依らず樹幹10の軸心P0に向かうようにすることで、各車輪7の転動方向と樹幹10の軸線方向(上下方向)との間にずれが生ずることによる姿勢の乱れを抑制する。また、その軸心P0を外した状態で各車輪7間に樹幹10を挟み込むような状態となること回避して、その円滑な動作を担保する構成となっている。
詳述すると、図4に示すように、各支持アーム16R,16Lを構成する第1リンク21の基端には、その回動中心となる関節J1に対応したピッチ円中心を有するギヤ部としての平歯車からなるギヤ36が形成されている。
図6に示すようにアームアクチュエータ35は、各ギヤ36に対して同時に歯合するウォームギヤ37と、各車輪支持装置5の基部15に固定されたモータ38と、その出力軸38a及びウォームギヤ37の回転軸40にそれぞれ固定されて互いに噛合する平歯車39a,39bを備える。ウォームギヤ37は、同期作動部の一例であるとともにモータ38は駆動源の一例である。なお、平歯車39bは、回転軸40の軸心方向に沿って移動する際に平歯車39aとの噛合が解除されて開放がしやすいように、また再び噛合しやすいように刃先すきま、及びバックラッシ等を大きくとることが好ましい。
前記回転軸40は、基部15の上面に固定された固定支持部30の軸受30aと、基部15とモータ38の間に配置された可動支持部31の軸受31aに支持されている。また、前記回転軸40は、固定支持部30の軸受30aのインナーレースに対しては、スプライン嵌合されていて軸心方向に移動自在である。また、前記回転軸40は、可動支持部31の軸受31aのインナーレースに対しては固定されている。図1、図3、図4に示すように前記固定支持部30の上端部には前記平歯車39a,39bの上方を覆うように略L字状に形成されたカバー部6が設けられている。また、カバー部6上部と基部15間には、前記モータ38の上方及び樹幹側を覆う金属等の剛性を有する保護板8が固定されている。前記保護板8は、機枠4が傾いたときに、モータ38が樹幹に接触しないように保護するためのものである。
図7に示すように可動支持部31の上下方向の中間部は、基部15において、回転軸40と軸心方向に平行に延びて形成されたスライド孔15aに、前記軸心方向においてスライド自在に嵌合して支持されている。この可動支持部31のスライドにより、平歯車39bは、図6に示す平歯車39aと噛合する状態と、平歯車39aとの噛合状態を解除した開放状態の遷移が可能である。
前記のように構成されていることにより、モータ38の回転トルクは、左右の支持アーム16L,16Rに対して同時に伝達される。そして、そのモータ回転に基づいて、各支持アーム16L,16Rの第1リンク21が回動することにより、図5に示すように、その先端に設けられた各車輪7(7L,7R)が同期して樹幹10の軸心P0または軸心P0近傍に向かうように、左右対称に各支持アーム16L,16Rを動作させることが可能となっている。
また、ウォームギヤ37は、その歯合するギヤ36側からの逆入力回転を伝達しないように設計されているため、そのモータの回転トルクを要することなく、各支持アーム16の動作位置を保持することが可能となっている。
次に、解除アクチュエータ70を図6、図7を参照して説明する。
解除アクチュエータ70は、基部15下面に固定されたモータ71と、カップリング73を介してモータ71の出力軸71aに連結され、回転軸40と平行に配置されたネジ棒74と、ネジ棒74に噛合するナット75を下部に有する可動支持部31を含む。前記ネジ棒74は、基部15の下面に設けられた一対の軸受72にて回動自在に支持されている。
図1、図5に示すように、各支持アーム16の先端に設けられた車輪支持部17には、モータ41により各車輪7を回転駆動する駆動アクチュエータ42、及びモータ43により樹幹10の外周面10aに当接する各車輪7の操舵角を変更する操舵アクチュエータ44が設けられている。前記構成により、各車輪7は駆動輪及び操舵輪としての機能を備えた能動車輪を構成する。
機枠4には、各車輪支持装置5に設けられたアームアクチュエータ35、駆動アクチュエータ42及び操舵アクチュエータ44の制御回路60(図16参照)、並びに駆動電源(主バッテリ及び副バッテリ)等が収容された制御ボックス45が固定されている。この制御ボックス45は、下側の車輪支持装置5Bの径方向外側において、その下側の車輪支持装置5Bよりも下方に配置されている。そして、前記制御ボックス45の配置により、その機体の重心G(図2(a)(b)参照)が規定されるようになっている。
図1に示すように機枠4において、車輪支持装置5Bが配置された部位には、機枠4の上方に位置するように電動チェーンソー3が固定されている。電動チェーンソー3は、モータMと、平板状に形成されたガイドバー52と、モータMによりガイドバー52の外周を回転動作するチェーン歯53を備えている。なお、前記モータMは電動モータであって、例えばDCモータからなる。電動チェーンソー3は、そのガイドバー52が樹幹10の外周面10aに対向するように、すなわち、樹幹10の円周に対する接線方向に並行するように配置されている。前記ガイドバー52は支持部材の一例である。
図10、図11(a)、図11(b)に示すようにガイドバー52には、四角形状の貫通孔54が形成されている。本実施形態では貫通孔54はガイドバー52の長手方向(すなわち、上下方向)に沿って長孔状に形成されている。
ガイドバー52の樹幹側側面であって、貫通孔54の前縁部の上下両端には、一対のガイド部材55,56が、樹幹側に向かって揺動自在に支持されている。なお、前縁部は、電動チェーンソー3の枝打ち方向の側の縁部である。枝打ち方向はガイドバー52が枝打ちのために移動する方向である。本実施形態では、図12に示すようにガイド部材55,56は、蝶番57を介してガイドバー52に支持されている。ガイドバー52は、図示しないストッパを設けて樹幹側のみ揺動自在してもよく、或いは、樹幹側及び反樹幹側のいずれの方向にも揺動自在にしてもよい。図10に示すようにガイド部材55,56は、前記枝打ち方向とは逆方向に延出されるとともに、図11(b)に示すようにガイド部材55,56は、揺動していない場合は、貫通孔54内に収納される大きさに設定されている。ガイド部材55,56は、図10、図11(b)に示すように棒材であってもよく、或いは図14(a)、図14(b)に示すように下向き開口を備えるガイド溝55aを有したガイド部材55と、上向き開口を有する図示しないガイド溝を有したガイド部材56にしてもよい。
図10、図11(b)に示す例では、ガイド部材55,56には枝噛み防止部材63がその上下両端のスライド溝64,65にて嵌入されるとともに、その長手方向においてスライド自在にされている。一方、図14(a)、図14(b)に示す例では、枝噛み防止部材63は、その上下両端に設けられた摺動部材66が前記ガイド溝55a等に嵌入されることにより、ガイド部材55,56の長手方向においてスライド自在にされている。
前記枝噛み防止部材63は、図10、図11、図12(b)に示すようにガイド部材55,56が揺動していない状態でかつ枝打ち方向側に最も位置した待機位置に位置した際、貫通孔54の枝打ち方向側側面に当接可能である。また、図12(b)に示すように枝噛み防止部材63は、待機位置に位置している状態では、ガイドバー52の前縁部における樹幹側側面、及び反樹幹側側面を覆う突出壁63aを有する。また、突出壁63aの枝打ち方向側の端部の位置は、枝噛み防止部材63が待機位置に位置している状態でチェーン歯53が枝に切り込みしたときに、チェーン歯53が形成した直後の枝の切り口に挿入される位置が好ましい。また、枝噛み防止部材63の厚みは、図12(b)に示すように、刃体(チェーン歯53)の幅よりも若干短くなるように設定されるとともに、枝打ち方向側の端部から反枝打ち方向の端部まで、一定、又は略一定の厚みを備える。
図10〜図12(a)に示すようにガイドバー52において、貫通孔54の上方及び下方には一対の収容孔67が形成されている。図12(a)に示すように各収容孔67内には、引っ張りコイルバネ68(以下、単にコイルバネという)がそれぞれ収納されている。なお、図10、図11(a)、図11(b)ではコイルバネ68は省略されて図示されていない。コイルバネ68は付勢部材の一例である。コイルバネ68はコイルバネに限定されるものではない。前記コイルバネ68の一端部は、前記収容孔67の反枝打ち方向側の端部に止着されている。図12(a)に示すようにコイルバネ68の枝打ち方向側の端部と枝噛み防止部材63は、ガイドバー52内及び枝噛み防止部材63内のワイヤ挿通路52a,63b内に挿通されたワイヤ69に連結されている。
前記枝噛み防止部材63は、前記コイルバネ68により付勢されて図10に示す待機位置に位置する。なお、図12(a)では、枝噛み防止部材63は、説明の便宜上、待機位置よりも離間した位置で図示されている。
図11(a)、(b)に示すようにガイドバー52の上部からは、枝選別部材80が枝打ち方向に向かって突出されている。枝選別部材80の先端には、ローラ80aが取り付けられている。図10に示すように、枝選別部材80は、枝打ち方向側に位置するとともに貫通孔54よりも上方に属するチェーン歯53の外縁よりも外方へ突出するように形成されており、当該部位のチェーン歯53により枝が切断されないようにしている。すなわち、枝打ち作業時において、枝選別部材80により貫通孔54よりも略上方に位置する枝を切断しないように排除するようにしている。
(制御回路)
次に前記各アクチュエータの制御回路60を、図16を参照して説明する。
制御ボックス45には制御回路60、及び無線通信部47が収納されている。無線通信部47は第1無線通信部に相当する。制御回路60はアームアクチュエータ(アームACT)35、駆動アクチュエータ(駆動ACT)42、操舵アクチュエータ(操舵ACT)44、及び電動チェーンソー3を図示しないトライバを介して制御する。また、制御ボックス45には、緊急用の制御回路46、無線通信部48が収容されている。前記制御回路46は緊急用制御部に相当する。また、無線通信部48は第2無線通信部に相当する。柱体昇降機2の昇降モードの切り替えや電動チェーンソー3の作動等といった枝打ちロボット1の動作は、その無線通信機能を利用することにより、図16に示すリモートコントローラ90からの無線通信により操作することが可能となっている。
図16に示すように、リモートコントローラ90は、制御部92、操作部93、報知部94及び無線通信部95を有する。制御部92は操作部93の操作に基づいて前記無線通信部95を介して各種制御指令の無線通信を行うとともに、無線通信部95で受信した信号に基づいて報知部94を作動する。
また、前記制御ボックス45内には、解除アクチュエータ(解除ACT)70を除く前記各アクチュエータ、制御回路60、及び無線通信部47の電源となる主バッテリ49が収納されている。すなわち、主バッテリ49は、アームアクチュエータ(アームACT)35、駆動アクチュエータ(駆動ACT)42、操舵アクチュエータ(操舵ACT)44、及び電動チェーンソー3用である。また、制御ボックス45内には、前記制御回路46、無線通信部48、及び解除アクチュエータ(解除ACT)70の電源となる副バッテリ50が収納されている。主バッテリ49は第1電源部に相当するとともに、副バッテリ50は第2電源部に相当する。
柱体昇降機2は、前記駆動アクチュエータ42及び操舵アクチュエータ44を作動させることにより、各車輪支持装置5が支持する各車輪7を能動車輪として樹幹10の外周面10aを走行する態様で同樹幹10を昇降動作することが可能な自走機能を有する。具体的には、柱体昇降機2は、その走行モードとして、樹幹10に対して機体が螺旋旋回することなく昇降する直動昇降モードと、樹幹を中心に螺旋旋回しつつ昇降する螺旋上昇モードとを備えている。そして、枝打ちロボット1は、その柱体昇降機2の走行モードを螺旋上昇モードに切り替えることにより、機体と一体に螺旋旋回する電動チェーンソー3によって、そのチェーン歯53に接触する枝を切断する構成となっている。
次に、前記のように構成された枝打ちロボットの制御態様について説明する。
(実施形態の作用)
<姿勢制御の自動制御>
まず、柱体昇降機の姿勢制御は、特許文献2で公知であるため、簡略して説明する。
図16に示すように各車輪支持装置5(5A,5B)に設けられたアームアクチュエータ(アームACT)35のモータ38は、制御ボックス45内に収容された制御回路60に接続されている。そして、各アームアクチュエータ35は、制御回路60がモータ38に供給する駆動電力に基づいて作動する。制御回路60は制御部に相当する。
詳述すると、制御回路60は、各モータ38に設けられた回転センサ61の出力信号に基づいて、下側の車輪支持装置5Bにおけるモータ角q1、及び上側の車輪支持装置5Aにおけるモータ角q2を検出する。また、制御回路60には、傾斜角度(姿勢角度)センサ62が接続されており、角度検出部としての制御回路60は、この傾斜角度センサ62の出力信号に基づいて、機体の傾きを示す姿勢角度(傾斜角度)θを検出する。
図1、図2(a)、図2(b)に示すX軸、Y軸及びZ軸において、前記姿勢角度θは、図2(b)に示すようにY軸周りの角度である。
ここで、Z軸は反重力方向に向かう軸であり、Y軸は機体が回転する際の回転軸(例えば、軸心P0)を重力方向と一致させた際、前記機体が描く円軌跡の接線方向に向かう軸であり、X軸は前記Z軸とY軸と直交する軸である。なお、傾斜角度センサ62としては、例えば、周知の3軸ジャイロセンサ等を利用することができるが、3軸ジャイロセンサに限定されるものではなく他の角度センサを使用してもよい。
そして、制御回路60は、機体の姿勢を維持すべく、その検出される姿勢角度θに基づいて、各車輪支持装置5(5A,5B)に設けられた各アームアクチュエータ35の作動、すなわち当該各アームアクチュエータ35により駆動される各支持アーム16の動作位置(ε2,ε1)を制御する。
図5に示すように樹幹10の直径(樹径)が変化する場合、その樹径の変化に合わせて、上側及び下側の車輪支持装置5A,5Bの各支持アーム16の動作位置を変化させることにより、機体の姿勢を維持することができる。そして、制御回路60は、その検出される姿勢角度θを目標姿勢角度に追従させるべく、その各支持アーム16の動作位置を制御する。本実施形態では、機枠4の水平を基準とする「姿勢角度θ=0」が目標姿勢角度となっているが、目標姿勢角度は限定するものではない。
この姿勢制御は、後述する枝打ち制御の有無に拘わらず前記螺旋上昇モードのときに定時割り込みで行われる。
<枝打ち制御の自動制御>
次に、枝打ち制御を図17(a)及び図17(b)のフローチャートに従って説明する。
作業者は柱体昇降機2を樹幹10に対して装着して、リモートコントローラ90により直動昇降モードの「上昇」に設定して上昇させた後、リモートコントローラ90から螺旋上昇モードの制御指令を付与する。図17(a)は、そのフローチャートである。S100では、前記制御指令に基づいて柱体昇降機2は、直動上昇を行い、前記螺旋上昇モードの制御指令に基づいてS200で螺旋上昇及び枝打ち作業を行う。S200での処理が全て完了すると、作業者は、リモートコントローラ90にて直動昇降モードの「下降」に設定して下降の制御指令を付与する。このことにより柱体昇降機2は下降する。柱体昇降機2が所定の高さまで下降した後、作業者は、リモートコントローラ90の操作部93を操作して停止指令を付与する。
なお、図17(a)の各処理及び各処理の連係を含めて全て自動制御で行うようにすることも可能である。
図17(b)は、S200において、制御回路60が実行するプログラムのサブルーチンのフローチャートの一部である。
(S02)
制御回路60は、操舵角変更履歴有りか否かを履歴フラグに基づいて判定する。履歴フラグの初期値は、操舵角変更履歴無しを意味する「0」にリセットされている。なお、履歴フラグが「1」の場合は、操舵角変更履歴があったことを示している。操舵角変更履歴が「1」の場合はS04に移行し、操舵角変更履歴が「0」の場合はS10にジャンプする。
(S04)
S04では、制御回路60は、螺旋上昇モードのための初期値の操舵角に戻し、履歴フラグを「0」にリセットする。この処理は、既にS80での操舵角調整が行われて枝打ちが成功している場合、その後に行われる螺旋上昇を、調整後の操舵角ではなく、初期値の操舵角で行うようにするためのものである。
(S10)
制御回路60は螺旋上昇モードとなっているため、S10において螺旋上昇する。このときの螺旋上昇時のモータ41の回転速度をVu0とする。また、最初にS10を実行する際、或いはS04で操舵角が元に戻された場合に、各車輪7の操舵角は初期値で操舵される。モータ41の回転速度は、能動車輪の回転速度に相当する。
(S20)
また、制御回路60は電動チェーンソー3に対する駆動電力の供給を開始し、チェーン歯53の駆動(回転)を開始する。
(S30)
制御回路60は、モータMのモータ電流の増加の有無判定をし、モータ電流(すなわち、モータ駆動電流)が増加している場合には、S40に移行し、モータ電流が増加していない場合にはS50に移行する。これは、モータ電流の増加の有無に基づいて枝打ち状態を推定しているのである。
具体的には前記モータ電流の増加の有無判定は、モータMのモータ電流は図示しない電流センサによる検出に基づいて行われる。すなわち、所定の検出周期で行っている前記電流センサから取得した今回値Ikと予め設定されている判定閾値の比較により、モータ電流の増加の有無の判定が行われる。
判定閾値Is>モータ電流の今回値Ikの場合には、モータ電流が増加しておらず枝打ち状態ではないものとして、制御回路60は枝打ち状態フラグをリセットするとともに、図示しないタイマーをリセットする。
また、今回値Ik≧判定閾値Isの場合には、モータ電流が増加しているとして制御回路60は、枝打ち状態フラグをセットするとともに、図示しない前記タイマーのカウントアップを行う。なお、今回値Ik≧判定閾値Isの場合において、既に枝打ち状態フラグがセットされている場合には、制御回路60は、前記タイマーのカウントアップを行うとともに枝打ち状態フラグのセットを保持する。
なお、モータMに対する駆動電力の供給は、制御回路60に設けられた図示しないドライバ(駆動回路)のオンDutyを制御することにより行われる。そして、前記モータMのモータ出力の増減は、そのDuty制御に基づいてモータ入力電圧を変化させることにより行われる。
ここで、チェーン歯53に枝が接触すると、その外力よりモータ負荷が増大する。前記Duty制御を含むモータ制御は、オープンループ制御が行われていることから、モータ負荷が増大するとモータMは低速となり、モータ逆起電力が減少してモータ電流が増加する。このため、制御回路60は、モータMに設けられるロータリエンコーダ等からモータ速度を検出、または電流センサにてモータ電流を検出、またはモータ速度とモータ電流を検出して外力を推定する。すなわち推定される外力の大きさが、枝打ち状態に対応するものであるか否かを判定する。
なお、S40に移行する場合は、前記モータ電流の増加の代わりに下記の判定があった場合にS40に移行してもよい。
すなわち、モータ41の回転速度(言い換えれば、能動車輪の回転速度)が枝打ち状態のときに低下するため、制御回路60は、前記回転速度が予め設定された枝打ち判定閾値以下となった場合に、S40に移行するようにしてもよい。或いは、前記モータ電流の増加と前記回転速度の枝打ち判定閾値以下となった場合に、S30からS40に移行してもよい。また、前記モータ電流と前記回転速度の両方をそれぞれ検出して、いずれか一方、または両方が前述のそれぞれの条件を満足する場合に枝打ち状態であると推定するようにしてもよい。
(S40)
S40では、制御回路60は、駆動アクチュエータ42のモータ41の所定の速度Vg(<Vu0)となるように減速制御を行う。前記減速制御は、具体的には、駆動アクチュエータ42による機体の旋回移動速度が遅くなるようにする制御である。この旋回移動速度の減速は、能動車輪である各車輪7の駆動力(モータ41の出力)を減少することにより行われる。また、制御回路60は、モータM(DCモータ)の図示しないドライバに対して、電圧を上昇させるように制御して電圧調整を行う。この電圧調整によりモータMのトルクを上昇させるのである。
(S50)
S50では、制御回路60は、枝打ち状態及び機体の状態判定処理(以下、単に状態判定処理という)を行う。
(1)判定1について
制御回路60は、S30において、判定閾値Is>モータ電流の今回値Ikと判定されていた場合、枝打ちが行われていない非枝打ち状態であり「判定1」として、S02に戻る。この非枝打ち状態は、枝打ちが完了した後の状態の場合、枝打ちが行われずに螺旋上昇が継続している状態を含む。
制御回路60は、この判定1を行った場合、S40で減速制御及びモータMの電圧調整が行った履歴がある場合には、モータ41の速度を元の初期値に戻すとともに、モータMの電圧を電圧調整前の初期値に戻す。
(2)判定2について
S30において、今回値Ik≧判定閾値Isと判定されていた場合は、枝打ち状態フラグがセットされている。この場合は枝打ち状態であるため、制御回路60は、前記タイマーのカウント値tが、t<継続時間限界値Tsであるか否かを判定する。継続時間限界値Tsは電動チェーンソー3が無理なく切断できる最大時間であって、予め設定されている値である。
制御回路60は、タイマーのカウント値tが、t≦継続時間限界値Tsの場合には、「判定2」として、S30に戻る。
(3)判定3について
判定3とする場合は、下記の3つがある。すなわち、下記の3つの少なくともいずれか1つに相当する場合は、判定3とする。
1つ目は、前記カウント値t>継続時間限界値Tsの場合である。この場合は、継続時間限界値Tsを超えて電動チェーンソー3を駆動しているため、制御回路60は「判定3」とする。この場合は、制御回路60は、前記タイマーのリセット及び前記枝打ち状態フラグのリセットを行った後、S60に移行する。このようにすることにより、電動チェーンソー3が過負荷にならないようにすることができる。
2つ目は、機体の状態判定処理としてY軸周りの姿勢角度θが異常の値であると判定された場合である。例えば、枝選別部材80が枝に引っかかった場合等において、Y軸周りの機体の姿勢が異常に傾くことが多い。2つ目はこのような事象に対応させるためのものである。
この枝打ち制御中において、制御回路60は、図1、図2(a)、図2(b)に示すY軸周りの方向の姿勢角度θの他にX軸周りの機体の姿勢についても所定の検出周期で姿勢異常の有無について判定している。前記Y軸周り及びX軸周りの姿勢角度の検出周期は、前記サブルーチンの制御周期よりも短い周期で行われている。このY軸周りの機体の姿勢は、螺旋旋回方向の姿勢に相当する。
具体的には、制御回路60は、前記周知の3軸ジャイロセンサ等からなる傾斜角度センサ62が検出したY軸及びX軸に関する信号に基づいて当該Y軸周りの姿勢角度(傾斜角度)θ及びX軸周りの姿勢角度を検出する。制御回路60は、検出した姿勢角度θ等が角度閾値α0及びX軸周りの角度閾値をそれぞれ超えていない場合は、傾き異常フラグをリセットにする。また、制御回路60は、検出した前記姿勢角度θ等が角度閾値α0及びX軸周りの角度閾値の少なくともいずれか一方を超えている場合は、傾き異常フラグをセットする。なお、この検出周期は、本フローチャートの制御周期よりも短いものとしている。このS50において、傾き異常フラグがセットされている場合は、制御回路60は「判定3」とする。
3つ目は、機体の状態判定処理として、少なくとも1つの能動車輪が第1閾値未満の低速、或いは滑ることにより第2閾値(>第1閾値)を越えて高速になっているというように能動車輪が異常速度となっていると判定された場合である。例えば、垂れ下がった枝に機体または電動チェーンソー3が接触して、機体の姿勢は傾かずに、それ以上進むことができなくなり、デッドロックとなった場合を想定して、このような事象に対応させるためのものである。
具体的にはこの枝打ち制御中において、制御回路60は能動車輪である各車輪7(すなわち、モータ41)の回転速度を各回転センサ61の出力信号に基づいて検出する。
制御回路60は、検出した各モータ41の回転速度Vのすくなとも1つが、速度下限値V1未満の場合、または、速度上限値V2(>V1)を越えている場合は、速度異常フラグをセットする。また、制御回路60は、速度下限値V1と速度上限値の範囲内にある場合は、速度異常フラグをリセットにする。
ここで、前記回転速度Vは、モータ41から車輪7までの伝達系のギヤ比、車輪7の径等の既知の値に基づいて回転速度を算出できるため、能動車輪の回転速度に相当する。また、速度下限値V1及び速度上限値V2は、前記第1閾値及び第2閾値にそれぞれ相当する。
前記速度異常フラグは、少なくとも1つのモータ41が前記のように速度異常であると判定された場合、セットされる。
なお、この検出周期は、前記サブルーチンの制御周期よりも短いものとしている。このS50において、速度異常フラグがセットされている場合は、制御回路60は「判定3」とする。
(S60)
S60では、制御回路60は、逆方向の螺旋降下を予め設定された時間、或いは所定の走行量だけ行い、図示しないリトライカウンタをインクリメントし、S70に移行する。なお、前記所定の走行量は、駆動アクチュエータ42のモータ41の速度と降下に要する時間で算出する。また、制御回路60は、チェーン歯53の駆動を停止制御する。このチェーン歯53の駆動停止により、主バッテリの消耗を抑制できる。
(S70)
S70では、制御回路60は、前記リトライカウンタのカウント値(リトライ回数)が、予め設定されたnを超えているか否かを判定する。なお、nは任意値であり、作業者が任意に設定できる。
前記カウント値がnを超えていない場合には、S80に移行し、前記カウント値がnを超えている場合には、制御回路60は、この制御フローチャートを一旦終了し、作業者から制御指令を待つ。
(S80)
S80では、制御回路60は、操舵アクチュエータ44の上昇時の操舵角を所定量増分して調整し、S10に戻る。この上昇時の操舵角の調整は、機体の滑りを考慮し、さらにガイドバーの中央部で切断を狙うためのものである。
また、履歴フラグが「0」の場合は、制御回路60は、履歴フラグを「1」にセットするとともに、既に履歴フラグが「1」にセットされている場合には、履歴フラグを「1」に保持する。
<枝打ちロボット1がスタックした場合>
前記自動制御中に、枝打ちロボット1が樹幹10上で身動きができずにスタックする場合がある。このスタックしている状態では、ウォームギヤ37の作動が不能となっている。例えば、螺旋上昇モードで上昇中(切断作業中を含む)に枝打ちロボット1がスタックする場合、或いは、図17(b)のS60の降下中に枝打ちロボット1がスタックする場合がある。スタックする原因は、種々あるが、枝等により引っかかった場合、大きく傾き過ぎた場合、或いは主バッテリ49の放電等が考えられる。
このような場合、制御回路60は、いずれかのモータ41の回転が停止、或いはいずれかのモータ41の速度異常を検出し、スタック時の異常信号を制御ボックス45の無線通信部47を介して操作者のリモートコントローラ90の無線通信部95に送信する。
リモートコントローラ90は、前記無線通信部95の前記異常信号の受信に基づいて、報知部94を介して操作者に警告を発する。前記報知部94は、例えばアラーム、ディスプレイ、警告ランプ等である。この警告があると、操作者は、前記リモートコントローラ90の操作部93を操作して、前記無線通信部95を介して停止信号を送信する。
この停止信号を、無線通信部47が受信すると制御回路60は各駆動アクチュエータ42のモータ41の駆動を停止する。各モータ41の停止により、モータの焼き付きを防止できるともに主バッテリが生きている場合は主バッテリ49の消耗を抑制できる。
また、操作者はリモートコントローラ90の操作部93を操作して、作動指令としての解除信号を無線通信部95にて送信する。前記解除信号を無線通信部48が受信すると、制御回路46は、図6、図7に示す解除アクチュエータ70のモータ71を解除方向に回転させる。なお、解除信号を前記停止信号と兼用するようにしてもよい。この場合は、停止信号(解除信号)を無線通信部48が受信すると、制御回路46は、作動指令としての前記停止信号(解除信号)に基づいて図6、図7に示す解除アクチュエータ70のモータ71を解除方向に回転させる。
図8(a)、(b)に示すように前記モータ71が解除回転方向に回転すると、ネジ棒74の同方向への回転により、ナット75を介して可動支持部31が図6、図8(b)の左方へ移動する。この可動支持部31の移動により、ウォームギヤ37が解除方向に移動し、ウォームギヤ37に噛合している各支持アーム16R,16Lのギヤ36が同期回転する。なお、図8(a)、(b)は模式図であり、説明の便宜上、各支持アーム16は、図3に示す状態から90度回転して下方へ延びるように図示されているものと理解されたい。
この結果、各支持アーム16R,16Lが、車輪7(7L,7R)を樹幹10の外周面から離間する方向に同期作動する。なお、前記モータ71の解除方向の回転量は、予め定められている。前記解除回転方向の回転量によって、前記各支持アーム16R,16Lのなす角度が所定の角度に開く。このため、図9に示すように、各支持アーム16R,16Lがスタックしている状態のときよりも広く開いた角度が許容する範囲で、枝打ちロボット1は、樹幹10を自重により下降可能となる。
この状態で、自重により枝打ちロボット1がスタック状態から開放される場合は、枝打ちロボット1は降下する。
なお、柱体昇降機2の機枠4または制御ボックス45等には、図示しないロープが連結されてその下端は垂れ下がりしていることが好ましい。前記ロープは、枝打ちロボット1が枝打ちを行う最高の高さまで樹幹を上昇した際に下方に位置する作業者まで届く長さを有する。このようにすると、上記のようにして各支持アーム16R,16Lがスタックしている状態のときよりも広く開いた角度となってもスタックが開放されない場合があり得る。この場合に前記ローブが役立つ。すなわち、前記ロープを作業者が下方へ引っ張って、スタック状態を解除すればよい。
図9において、樹幹10の上部に位置する枝打ちロボット1はスタックした状態の位置を示し、樹幹10の下部に位置する枝打ちロボット1は、自重により下降して留まった位置を示している。
図9のようにして、枝打ちロボット1が下降した後に、主バッテリが生きている場合には、作業者は、リモートコントローラ90の操作部93を操作して直動上昇の制御指令を付与して柱体昇降機2を上昇させた後、螺旋上昇モードの制御指令を付与する。螺旋上昇モードの制御指令により、モータ71は、反解除回転方向に回転する。図8(a)、(b)に示すように前記モータ71が反解除回転方向に回転すると、ネジ棒74の同方向への回転により、ナット75を介して可動支持部31が図8(b)の状態から右方へ移動し、図8(a)に示す状態となる。すなわち、この可動支持部31の右方への移動により、ウォームギヤ37が反解除方向に移動し、ウォームギヤ37に噛合している各支持アーム16R,16Lのギヤ36が同期回転する。また、平歯車39bは再び平歯車39aと噛合する。なお、平歯車39bは、回転軸40の軸心方向に沿って移動する際に平歯車39aとの噛合が再びしやすいように刃先すきま、及びバックラッシ等が大きくとられているため、支障なく噛合できる。
この結果、各支持アーム16R,16Lが、車輪7(7L,7R)を樹幹10から接近する方向に同期作動する。なお、前記モータ71の解除方向の回転量は、予め定められている。前記反解除回転方向の回転量によって、前記各支持アーム16R,16Lのなす角度が所定の角度に閉じる。そして、作業者はリモートコントローラ90の操作部93を操作して枝打ちロボット1の螺旋上昇モードに設定して、枝打ち作業を行わせる。
また、主バッテリが生きていない場合には、枝打ちロボット1を回収してバッテリ交換を行った後、上記のように作業者は、再度枝打ちロボット1に直動上昇させた後、螺旋上昇モードに設定するとともに、以下同様にして、枝打ち作業を行わせる。また、スタックにより、枝打ちロボット1の各部材のいずれかに不具合が見つかった場合にも、作業者は、樹幹10において、スタックした部位よりも下方の部位に枝打ちロボット1を位置させることができるため、枝打ちロボット1を早期に回収して、メンテナンスを行う。
<枝噛み防止部材63及びガイド部材55の作用>
図11(a)、(b)に示すように本実施形態では、ガイド部材55,56がガイドバー52の貫通孔54の前縁部に対して揺動自在、特に、樹幹10側に向かって揺動自在にされている。一般に樹幹10の直径は、上に行くほど直径が短くなる。しかし、ガイド部材55,56は、樹幹10の直径が短くなるように変化してもその径の変化に応じて揺動可能となっている。
電動チェーンソー3が枝の切断動作中に、枝噛み防止部材63が前記枝の切り口に挟まれると、枝噛み防止部材63はこの挟まれた状態の下でガイド部材55,56にガイドされて反枝打ち方向側へ移動する。
なお、本実施形態では、図12(a)に示すように、待機位置に枝噛み防止部材63が位置している状態では、突出壁63aがガイドバー52の前縁部の両側面を覆うように配置されているため、ガイド部材55,56は揺動が不能に拘束された状態にある。このため、枝の切り口に挟まれた初期は、揺動が不能に拘束されたガイド部材55,56に沿って枝噛み防止部材63は反枝打ち方向側へ移動する。その後、図12(c)に示すように突出壁63aがガイドバー52の前縁部の両側面から離間すると、機体の旋回に伴いガイド部材55,56が樹幹10側に揺動するとともに、枝噛み防止部材63は、反枝打ち方向へ移動する。
この枝噛み防止部材63の移動により、チェーン歯53(刃体)はその切断動作及び枝打ち方向へのガイドバー52による移動が可能にされる。また、ガイド部材55,56は樹幹10の変化に応じて樹幹10側へ揺動する。
このようにして、枝噛み防止部材63に切断動作中の枝の切り口が挟まれることにより、前記枝の切り口によるガイドバー52自体への挟み込み、すなわち、枝噛みが防止される。
なお、本実施形態では、突出壁63aにて、ガイドバー52の前縁部の両側面を覆っているため、覆っていない場合に比して、ガイドバー52の前縁部の両側面の枝の切り口による挟み込みを防止することができる。
特許文献5では樹幹側に沿うようにR形状に湾曲する上下一対のガイドレール部材がガイドバーの樹幹側側面に対して固定されて、該ガイドレール部材により枝噛み防止部材を円弧状の軌跡を描くように移動自在に支持する構成が提案されている。この構成においては、前記ガイドレール部材は固定されているため、枝噛み防止部材が描く円弧状の軌跡は、樹幹の直径が変化しても、常に一定である。このため、樹幹10の直径が大きい場合と小さい場合とでは、その直径の変化に応じた枝噛みの防止機能が十分に果たせない場合が生ずる。本実施形態では、樹幹10の直径の変化に応じて、ガイド部材55,56が樹幹10側に揺動することにより、枝噛み防止部材63を直径が変化する樹幹10に沿わせることができ、枝噛み防止機能を十分に果たせることができる。
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の柱体昇降機2は、樹幹10(柱体)の周囲に配置される機枠4と、樹幹10(柱体)を間にするよう配置されるとともに機枠4の上下にそれぞれ設けられた一対の車輪支持装置5(5A,5B)とを備える。また、各車輪支持装置5(5A,5B)は、樹幹10(柱体)の周方向において離間する左右一対の支持アーム16(16L,16R)と、各支持アーム16に先端に設けられて、樹幹10(柱体)の外周面に当接する車輪7を備える。また、各車輪支持装置5(5A,5B)は、各支持アーム16(16L,16R)を左右対称に同期移動させて前記外周面に前記車輪7を当接させるウォームギヤ37(同期作動部)と、ウォームギヤ37を駆動するモータ38(駆動源)を含む。そして、柱体昇降機2は、自重により樹幹10(柱体)に対する上下方向の相対位置を保持可能となっている。また、柱体昇降機2は、モータ38(駆動源)によるウォームギヤ37(同期作動部)の作動が不能の際、ウォームギヤ37を解除方向へ移動させてモータ38との連係を解除する。合わせてウォームギヤ37を介して支持アーム16(16L,16R)を作動させて、車輪7を前記外周面から離間させる解除アクチュエータ70を有する。
この結果、本実施形態によれば、スタックした柱体昇降機のメンテナンスを早期に行うことができる効果を奏する。
(2)本実施形態では、各支持アーム16(16L,16R)は、基端側に回動中心を有する第1リンク21及び第2リンク22と、該第1リンク21及び第2リンク22の先端に対して回動可能に連結された第3リンク23と、該第3リンク23の一端に設けられた車輪支持部17を備える。この結果、本実施形態によれば、四節リンクを用いて各支持アーム16が形成されることで、簡素な構成で高い剛性を確保することができる。この結果、その先端に支持する各車輪7を精度よく移動させることができる。そして、その四節リンクを構成する各要素(各関節J1〜J4の位置や相互距離等)を調整することで、その各支持アーム16の動作に基づいて、それぞれ樹幹10の軸心P0またはその近傍に向かって直線的に移動するようにすることができる。
(3)本実施形態では、各第1リンク21の基端には、前記回動中心に対応するピッチ円中心を有したギヤ36(ギヤ部)が形成されている。また、ウォームギヤ37(同期作動部)は、各ギヤ36に対して同時に噛合するようにしている。この結果、一のアームアクチュエータ35の駆動力(1自由度)が左右の支持アーム16L,16R(2リンクアーム)に対して同時に伝達される。その結果、簡素な構成にて、容易且つ確実に各支持アーム16L,16Rを左右対称に同期して動作させることができる。
(4)本実施形態では、同期作動部は、ギヤ36(ギヤ部)側からの逆入力回転を伝達しないウォームギヤとしている。この結果、のモータトルクを要することなく、各支持アーム16の動作位置を保持することができる。即ち、現状の姿勢を維持するためのエネルギーを必要としない。その結果、消費エネルギーの低減を図ることができる。
(5)本実施形態では、各車輪7が操舵輪及び駆動輪の機能を有する。このように各車輪7が駆動輪及び操舵輪としての機能を有する能動車輪である構成では、軸心P0を外した状態で各車輪7間に樹幹10を挟み込むような状態となることによって、その機体を動作させるために各車輪7に要求される駆動力が顕著に大きく増大する。特に、各車輪7が操舵輪である場合には、各車輪7を操舵する際(転動方向を変える際)、その挟み込んだ樹幹10が各車輪7に引っ掛かる。この結果、消費エネルギーが大きく増大する。従って、このような構成に上記(1)〜(4)の構成を適用することで、より顕著な効果を得ることができる。
さらに、旋回昇降時において、各車輪7(の接地面)が樹幹10の軸心P0またはその近傍に向かうことで、その姿勢を良好に維持することができる。そして、その電動チェーンソー3が機体と一体に旋回する枝打ちロボット1の場合、旋回昇降時においても機体を略水平に維持することが可能となることで、その接触する枝を、より円滑に切断することができる。
(6)本実施形態の枝打ちロボットは、上記(1)〜(5)の構成を備えるとともに、樹幹10から延びる枝を切断可能な電動チェーンソー3(切断装置)を備える。この結果、本実施形態のロボットによれば、上記(1)〜(5)の作用効果を容易に実現できる。
(7)本実施形態の切断装置は、ガイドバー52(支持部材)と、ガイドバー52により切断動作可能に支持されたチェーン歯53(刃体)と、ガイドバー52に対し、樹幹側に向かって基端が揺動自在に連結されるとともに、先端が反枝打ち方向に向かって延びる上下一対のガイド部材55,56を備える。また、切断装置は、上下一対のガイド部材55,56によりガイドされる枝噛み防止部材63と、枝噛み防止部材63をガイド部材55,56の基端側へ常時付勢するコイルバネ68(付勢部材)を備える。そして、枝噛み時に、コイルバネ68(付勢部材)の付勢力に抗して枝噛み防止部材63をガイド部材55,56の先端へ向けて移動させるとともに、ガイド部材55,56を樹幹側に揺動させる。
特許文献5では切削軌道に近似したR形状のガイドレールが固定されているのに対して、本実施形態によれば、柱体の直径が変化しても、柱体の直径に応じてガイドレール及び枝噛み防止部材を柱体の周面に沿わせることができる。この結果、例えば、柱体を旋回しながら枝打ち作業を行う場合、柱体の直径の大きさにかかわらず柱体の旋回に要する推力の軽減を行うことができ、枝噛みによる停止の発生を抑制して円滑に枝打ちを行うことができる。
(8)本実施形態の枝打ちロボットは、柱体昇降機2の姿勢角度(傾斜角度)を検出する制御回路60(角度検出部)を備える。また、螺旋旋回で上昇中に前記姿勢角度が角度閾値α0を超えた場合、柱体昇降機2を螺旋降下させた後、上昇角度、すなわち操舵角を増分して螺旋上昇させて電動チェーンソー3(切断装置)による枝打ちを続行させる制御回路60(制御部)を備える。この結果、枝打ちロボット1の姿勢が変化することにより枝打ちができない場合に、上昇角度、すなわち操舵角を変えることにより、枝打ちを行うことができる。
(9)本実施形態の枝打ちロボットでは、柱体昇降機2は、樹幹10(柱体)の外周面上を走行する能動車輪(車輪7)を含む。そして、能動車輪の回転速度が、第1閾値未満または第2閾値(>第1閾値未満)を越えた場合、制御回路60(制御部)は、柱体昇降機2を螺旋降下させた後、上昇角度を増分して螺旋上昇させて電動チェーンソー3(切断装置)による枝打ちを続行させる。この結果、本実施形態によれば、能動車輪の回転速度が第1閾値未満または第2閾値(>第1閾値未満)を越えた場合、柱体昇降装置が何らかの原因で上昇することができない場合であるとして、上昇角度を変えることにより、枝打ちを行うことができる。
(10)本実施形態の枝打ちロボットは、螺旋降下後の再上昇を行う場合のリトライ回数が予め設定された回数に達したときは、リトライを停止する。この結果、本実施形態によれば、設定された回数のリトライで枝打ちができない場合には、枝打ちロボットによる枝打ちを自動的に停止させることができる。
(11)本実施形態の柱体昇降機は、モータ38(駆動源)を駆動制御する制御回路60(制御部)と、停止信号(作動指令)に基づいて解除アクチュエータ70を駆動制御する緊急用の制御回路46(緊急用制御部)を有する。この結果、本実施形態によれば、緊急時に、モータ38(駆動源)を駆動制御する制御回路60とは独立した制御回路46により、解除アクチュエータ70を駆動することができる。例えば、主バッテリの電力不足等により制御回路60が作動できない状態のときに、緊急用制御部が解除アクチュエータ70を制御することができるため、柱体昇降機の回収を行うことが可能となる。
(12)本実施形態の柱体昇降機では、緊急用の制御回路46(緊急用制御部)は、無線で受信した指令に基づいて解除アクチュエータ70を駆動する。この結果、本実施形態によれば、緊急時にモータ38(駆動源)を駆動制御する制御回路60とは独立した制御回路46を無線により、解除アクチュエータ70を駆動することができる。このことは、通信線を介して制御回路46に指令を出す場合は、通信線が柱体昇降機2の作業を行う際に、樹幹10(柱体)に巻き付く虞があるが、無線で行う場合はこのようなことはない。
(13)本実施形態の柱体昇降機2は、モータ38(駆動源)及びモータ38(駆動源)の制御回路60(制御部)に電力を供給する主バッテリ49(第1電源部)を備える。また、柱体昇降機2は、解除アクチュエータ70及び緊急用の制御回路46(緊急用制御部)に電力を供給する副バッテリ50(第2電源部)を主バッテリ49とは独立して備える。この結果、本実施形態によれば、緊急時に、モータ38(駆動源)を駆動制御する制御回路60とは独立した制御回路46により、解除アクチュエータ70を駆動することができる。例えば、主バッテリの電力不足等により制御回路60が作動できない状態のときに、緊急用制御部が解除アクチュエータ70を制御することができるため、柱体昇降機の回収を行うことが可能となる。
(14)本実施形態の柱体昇降機は、垂れ下がり可能に連結されたロープ(84)を有する。この結果、スタックが開放されない場合に前記ロープを作業者が下方へ引っ張ることにより、スタック状態を解除することができる。
(15)本実施形態の枝打ちロボットは、螺旋降下する際、電動チェーンソー3(切断装置)を停止させる。この結果、本実施形態によれば、電動チェーンソー3(切断装置)を停止させることにより、電動チェーンソー3(切断装置)に消費される駆動エネルギーを節約できる。
なお、前記一実施形態は一例であって、下記のように変更してもよい。
・前記実施形態では、枝打ちロボット1及びその柱体昇降機2に具体化した。しかし、これに限らず、枝打ち以外の用途に用いられる柱体昇降機に適用してもよい。すなわち、その昇降する柱体は、例えば、電柱等、必ずしも樹幹10でなくともよい。
・前記各実施形態では、四節リンクを用いて各支持アーム16を形成することとしたが、必ずしもこれに限らず、任意に変更してもよい。また、駆動手段となるアームアクチュエータ35の構成及びその各支持アーム16の駆動形態についても任意に変更してもよい。例えば、ギヤ36はセクターギヤであってもよい。
・二つの車輪7を独立に支持して当該各車輪7を周方向に離間した位置において樹幹10の外周面10aに当接させることが可能な左右一対の支持アームがあり、且つその各車輪7の軌跡が樹幹10の軸心P0またはその付近で交差するように各支持アームが左右対称に同期して動作する構成であればよい。従って、左右の支持アーム16L,16Rが独立したアクチュエータによって駆動される構成についても、これを排除しない。
・前記各実施形態では、各支持アーム16に支持された各車輪7が、それぞれ、駆動輪及び操舵輪としての機能を有する能動車輪であることした。しかし、これに限らず、別途駆動輪や操舵輪を備える構成であってもよく、また、その何れか一方の機能を有するものであってもよい。
・前記実施形態では、上側の車輪支持装置5Aに設けられた各支持アーム16については、従アームとして、下側の車輪支持装置5Bにおけるモータ角q1と上側の車輪支持装置5Aにおけるモータ角q2との偏差に基づくフィードバック制御演算を実行することとした。しかし、これに限らず、上側の車輪支持装置5Aに設けられた各支持アーム16を主アームとし、下側の車輪支持装置5Bに設けられた各支持アーム16を従アームとしてもよい。また、主アーム及び従アームの区別なく、下側の車輪支持装置5Bに設けられた各支持アーム16と同様に、その検出される姿勢角度θと目標姿勢角度との偏差に基づくフィードバック制御演算を実行する構成であってもよい。
・前記実施形態では、各車輪支持装置5(5A,5B)に設けられた各支持アーム16は、制御ボックス45内に収容された一の制御回路60によって、その動作位置が制御されることとした。しかし、このように、各車輪支持装置5(5A,5B)が、各支持アーム16の位置制御装置を共有する構成でなく、それぞれが個別に位置制御装置を備え、各位置制御装置が相互通信により、相手に動作位置に必要な制御パラメータを送信するようにしてもよい。
・前記各実施形態では、機体を水平(θ=0)にするように姿勢制御の目標値を設定することとしたが、任意の値を目標値として設定可能な構成であってもよい。
・前記各実施形態では、切断装置としての電動チェーンソー3に柱体昇降機2の機枠4に固定される。そして、機体と一体に旋回することにより、そのチェーン歯53に接触する枝を切断することとした。しかし、これに限らず、切断装置自体が樹幹10の周囲を移動する機能を備えた構成であってもよい。また、切断機は、エンジン付きチェーンソーでもよい。そして、例えば、回転刃を有するもの等、刃形状や駆動方法等は、どのようなものであってもよい。
・前記各実施形態では、枝打ちロボット1に設けられた切断装置としての電動チェーンソー3について、そのモータ負荷としてモータ電流に基づいて、枝打ち状態にあるか否かを判定し、図17(b)のS30において、「YES」として枝打ち状態にあるとした。モータ負荷を能動車輪の回転速度にして、枝打ち状態にあるか否かを判定するようにしてもよい。
・前記実施形態では、突出壁63aを設けたが、突出壁63aを省略してもよい。
・前記実施形態では、図17(b)に示すS50において、判定3を3つの場合とした。これに代えて、判定3を1つ目の場合のみとしてもよい。
この場合、前記判定3の2つ目の判定のように、機体の状態判定処理としてY軸に関する姿勢角度θが異常の値であると判定した場合、図17(b)の制御プログラムを一旦終了して、新たに、図17(b)と同様のS10〜S80からなるプログラムを起動して、S60からスタートするようにしてもよい。
また、同様に、前記判定3の3つ目の判定のように、機体の状態判定処理として、能動車輪が所定の閾値未満に低速、或いは滑って高速になっていると判定された場合、図17(b)の制御プログラムを一旦終了して、新たに、図17(b)と同様のS10〜S80からなるプログラムを起動して、S60からスタートするようにしてもよい。
・前記実施形態では、前記枝噛み防止部材63を待機位置に付勢するために引っ張りコイルバネ68を収容孔67内に設けたが、例えば図13に示すように圧縮コイルバネに変更してもよい。
この場合、図13の態様では、ガイド部材55,56を、先端に係止フランジ55b,56bを有するガイドバーにて構成する。また、前記ガイド部材55,56は共通の軸76にて揺動自在に貫通孔54の上下両端に対して揺動自在に取り付けられている。また、枝噛み防止部材63は、前記ガイド部材55,56に対してスライド自在に貫通されている。ガイド部材55,56において、枝噛み防止部材63とガイド部材55,56の係止フランジ55b,56bとの間には、圧縮コイルバネ77が配置されている。枝噛み防止部材63は、係止フランジ55b,56bに係止した圧縮コイルバネ77により、待機位置に位置させることが可能である。
・前記実施形態ではロープを吊下げた状態で枝打ちを行うようにした。
これに代えて図18(a)、(b)に示すように、基部15に固定された有蓋筒状の収納ケース82と、収納ケース82内に収納されたロープ84と、収納ケース82の下部開口82aを覆う蓋88を設けてもよい。収納ケース82は収納部に相当する。また、蓋88は、許容部材に相当する。前記ロープ84の上端は収納ケース82の上部に連結されている。前記蓋88は可動支持部31に連結された支持部材86に固定されている。なお、図18(a)、(b)は模式図である。これらの図では支持部材86において、収納ケース82と交差する部位は収納ケース82に対して干渉しないように手前側に位置しているように図示されたものである。また、図18(a)において、支持部材86に支持された蓋88は前記下部開口82aの略全体を覆うように配置されている。
前記蓋88は、図18(b)に示すようにモータ71が解除方向に回転した際、ネジ棒74の同方向への回転並びにナット75の作用による可動支持部31の移動により、下部開口82aを開放可能である。
本実施形態では、枝打ちロボット1が直動上昇する場合や、旋回上昇及び枝打ちをする場合、ロープ84は収納ケース82に収納されてロープの垂れ下がりがないため、枝打ちロボット1の動作に支障を与えることがない。
また、本実施形態では枝打ちロボット1がスタックした場合、前記実施形態と同様にリモートコントローラ90の操作部93を操作してモータ71を解除方向に回転させる。すると、ネジ棒74の同方向への回転並びにナット75の作用による可動支持部31の移動により、蓋88を移動させて下部開口82aを開ける。この蓋88の開放移動により、図18(b)に示すようにロープ84は、収納ケースの下部開口82aから放出されて垂れ下げされることにより樹幹の下方にいる作業者が操作可能となる。この状態で、作業者が前記ロープ84を下方へ引っ張ることにより、枝打ちロボット1のスタック状態を解除することが可能となる。
なお、前記実施形態では、解除アクチュエータ70の作動により蓋88を下部開口82aから移動させて、下部開口82aを開放するようにしたが、この構成に限定されない。例えば、収納ケース82を180度反転可能に基部15に対して回転自在に支持する構成とし、解除アクチュエータ70と図示しない連携機構(例えば、歯車機構、リンク機構等)を介して収納ケース82を反転するように連携させてもよい。この場合、解除アクチュエータ70が非作動時の場合は、前記下部開口82aを上部に位置するように反転させた状態に保持する。そして、解除アクチュエータ70が作動することにより、図示しない連携機構を介して収納ケース82を180度反転させて、下部開口82aを下方へ向ける。このように下部開口82aを下方に向けることにより、収納ケース82に収納されたロープ84は下方へ放出されて垂れ下がりする。
次に、以上の各実施形態から把握することのできる特許請求の範囲以外の技術的思想を記載する。
[1]技術的思想1は、支持部材(ガイドバー)と、前記支持部材により切断動作可能に支持された刃体(チェーン歯53)と、前記支持部材に対し、樹幹側に向かって基端が揺動自在に連結されるとともに、先端が反枝打ち方向に向かって延びる上下一対のガイド部材(55,56)と、前記上下一対のガイド部材(55,56)によりガイドされる枝噛み防止部材(63)と、前記枝噛み防止部材(63)を前記ガイド部材(55,56)の基端側へ常時付勢するコイルバネ68(付勢部材)を備え、枝打ちの枝噛み時に、前記コイルバネ68(付勢部材)の付勢力に抗して前記枝噛み防止部材(63)を前記ガイド部材(55,56)の先端へ向けて移動させるとともに、前記ガイド部材(55,56)を前記樹幹側に揺動させる切断装置。
従来技術(特許文献5)が切削起動に近似したR形状の案内が、固定寸法であったが、上記[1]の技術的思想1によれば、柱体の直径が変化しても、柱体の直径に応じてガイドレール及び枝噛み防止部材を柱体の周面に沿わせることができる。この結果、例えば、柱体を周回しながら枝打ち作業を行う場合、柱体の直径の大きさにかかわらず柱体の周回に要する推力の軽減を行うことができ、枝噛みによる停止の発生を抑制して円滑に枝打ちを行うことができる。
[2]請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の柱体昇降機に技術的思想的[1]を備えた枝打ちロボット。この技術的思想によれば、駆動機構の推力の軽減ができる。
[3−1]柱体に対して螺旋旋回することにより昇降する柱体昇降機(2)と、柱体昇降機(2)に設けられた枝を切断する切断装置(3)を有する枝打ちロボットにおいて、柱体昇降機(2)の姿勢角度(傾斜角度)を検出する角度検出部(制御回路60)と、螺旋旋回で上昇中に前記姿勢角度が角度閾値を超えた場合、前記柱体昇降機(2)を螺旋降下させる制御部(60)を備える枝打ちロボット。
[3−2]柱体に対して螺旋旋回することにより昇降する柱体昇降機(2)と、柱体昇降機(2)に設けられた枝を切断する切断装置(3)を有する枝打ちロボットにおいて、柱体昇降機(2)の駆動輪の速度を検出する速度検出部(制御回路60)と、螺旋旋回で上昇中に前記駆動輪の速度が異常速度と判定した場合、前記柱体昇降機(2)を螺旋降下させる制御部(60)とを備える枝打ちロボット。
この技術思想[3−1]、[3−2]によれば、螺旋旋回をしている際に枝打ちロボットがデッドロック等の異常状態となった場合、枝打ちロボットを螺旋降下させて、異常状態を解消することができる。なお、技術思想[3−1]、[3−2]の両方の思想を組み合わせてもよい。
[3−3]
技術思想[3−1]または[3−2]において、前記制御部(60)は、前記螺旋降下後、上昇角度を増分して螺旋上昇させて前記切断装置(3)による枝打ちを続行させる枝打ちロボット。
この技術的思想[3−3]によれば、ロボットの姿勢が変化することにより枝打ちができない場合に、上昇角度を変えることにより、枝打ちを行うことができる。
[3−4]
前記螺旋降下後の再上昇を行う場合のリトライ回数が予め設定された回数に達したときは、リトライを停止する技術的思想[3−1]、[3−2]、[3−3]のうちいずれか1つに記載の枝打ちロボット。この技術的思想によれば、設定された回数のリトライで枝打ちができない場合には、枝打ちロボットによる枝打ちを自動的に停止させることができる。
[3−5]
前記螺旋降下する際、前記切断装置を停止させる技術的思想[3−1]、[3−2]、[3−3]、[3−4]のうち、いずれか1つに記載の枝打ちロボット。この技術的思想によれば、切断装置を停止させることにより、切断装置に消費される駆動エネルギーを節約できる。
[4−1]柱体に対して能動車輪(7)を駆動して螺旋旋回することにより昇降する柱体昇降機(2)と、柱体昇降機(2)に設けられた枝を、電動モータ(M)を駆動して切断する切断装置(3)を有する枝打ちロボットにおいて、
前記能動車輪の回転速度、及び前記電動モータ(M)のモータ駆動電流の少なくともいずれか一方に基づいて枝打ち状態を推定し、推定した結果に応じて前記電動モータ(M)の電圧を上昇させてトルクを上昇させる枝打ちロボット。
この技術的思想[4−1]によれば、枝打ちロボットの切断装置が切断動作している際に、枝打ち状態を推定し、推定結果に基づいてトルクを上昇させることにより、枝打ちを良好に行うことができる。
[4−2]柱体に対して能動車輪(7)を駆動して螺旋旋回することにより昇降する柱体昇降機(2)と、柱体昇降機(2)に設けられた枝を、電動モータ(M)を駆動して切断する切断装置(3)を有する枝打ちロボットにおいて、前記能動車輪の回転速度、及び前記電動モータ(M)のモータ駆動電流の少なくともいずれか一方に基づいて枝打ち時の負荷状態を推定し、推定した結果に応じて前記能動車輪の回転速度を減速させる制御部(60)を備える枝打ちロボット。
この技術的思想[4−2]によれば、枝打ちロボットの切断装置が切断動作している際に、枝打ちの負荷状態を推定し、推定結果に基づいて能動車輪の回転速度を減速させることにより、枝打ちの負荷状態を軽減することができる。
1…枝打ちロボット、2…柱体昇降機、3…電動チェーンソー(切断装置)、
4…機枠、5(5A,5B)…車輪支持装置、
7(7a,7b,7R,7L)…車輪、10…樹幹、10a…外周面、
16(16L,16R)…支持アーム、17…車輪支持部、21…第1リンク、
22…第2リンク、23…第3リンク、35…アームアクチュエータ、
36…ギヤ、37…ウォームギヤ、38…モータ(駆動源)、41…モータ、
42…駆動アクチュエータ、43…モータ、44…操舵アクチュエータ、
45…制御ボックス、46…緊急用の制御回路(緊急用制御部)、
47…無線通信部(第1無線通信部)、
48…無線通信部(第2無線通信部)、49…主バッテリ(第1電源部)、
50…副バッテリ(第2電源部)、
52…ガイドバー、53…チェーン歯(刃体)、
60…制御回路(制御部、角度検出部)、61…回転センサ、62…傾斜角度センサ、82…収納ケース(収納部)、84…ロープ、88…蓋(許容部材)、
G…重心、F1,F2…押付力、J1〜J4…関節、P0…軸心、
P1,P2…当接点、P3…中間点、N…直線、β…補正角、θ…姿勢角度、
q,q1,q2…モータ角。

Claims (11)

  1. 柱体の周囲に配置される機枠と、前記柱体を間にするよう配置されるとともに前記機枠の上下にそれぞれ設けられた一対の車輪支持装置と、を備え、
    前記各車輪支持装置は、
    前記柱体の周方向において離間する左右一対の支持アームと、前記各支持アームに先端に設けられて、前記柱体の外周面に当接する車輪と、前記各支持アームを左右対称に同期移動させて前記外周面に前記車輪を当接させる同期作動部と、前記同期作動部を駆動する駆動源を含み、自重により前記柱体に対する上下方向の相対位置を保持可能な柱体昇降機において、
    前記駆動源による前記同期作動部の作動が不能の際、前記同期作動部を解除方向へ移動させて前記駆動源との連係を解除するとともに前記同期作動部を介して前記支持アームを作動させて、前記車輪を前記外周面から離間させる解除アクチュエータを有する柱体昇降機。
  2. 前記各支持アームは、基端側に回動中心を有する第1リンク及び第2リンクと、該第1リンク及び第2リンクの先端に対して回動可能に連結された第3リンクと、該第3リンクの一端に設けられた車輪支持部と、を備えてなる請求項1に記載の柱体昇降機。
  3. 前記第1リンクの基端には、前記回動中心に対応するピッチ円中心を有したギヤ部が形成され、
    前記同期作動部は、前記ギヤ部に対して同時に噛合する請求項2に記載の柱体昇降機。
  4. 前記同期作動部は、前記ギヤ部側からの逆入力回転を伝達しないウォームギヤである請求項3に記載の柱体昇降機。
  5. 前記各車輪が操舵輪又は駆動輪の少なくとも何れかの機能を有する請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の柱体昇降機。
  6. 前記駆動源を駆動制御する制御部と、作動指令に基づいて前記解除アクチュエータを駆動制御する緊急用制御部を有する請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載の柱体昇降機。
  7. 前記制御部には無線通信で受信した指令を付与する第1無線通信部を備え、
    前記緊急用制御部には、無線通信で受信した指令を付与する第2無線通信部を備え、前記緊急用制御部は、第2無線通信部で受信した指令に基づいて前記解除アクチュエータを駆動する請求項6に記載の柱体昇降機。
  8. 前記駆動源及び前記駆動源の前記制御部に電力を供給する第1電源部と、前記解除アクチュエータ及び前記緊急用制御部に電力を供給する第2電源部を前記第1電源部とは独立して備える請求項7に記載の柱体昇降機。
  9. 垂れ下がり可能に連結されたロープを有する請求項8に記載の柱体昇降機。
  10. 前記ロープを収納する収納部と、前記解除アクチュエータと連携動作して、前記収納部から前記ロープの放出並びに前記ロープの垂れ下がりを許容する許容部材を備える請求項9に記載の柱体昇降機。
  11. 請求項1乃至請求項10のうちいずれか1項に記載の柱体昇降機を有して樹幹を昇降動作するとともに、前記樹幹から延びる枝を切断可能な切断装置を備えた枝打ちロボット。
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