JP5750383B2 - 柱体昇降機及び枝打ちロボット - Google Patents

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Description

本発明は、柱体昇降機及び枝打ちロボットに関するものである。
従来、樹幹等の柱体に沿って昇降動作する柱体昇降機がある。例えば、特許文献1に記載の枝打機は、フレームに設けられた主輪と、高応答性弾性材の弾性力に基づいて樹幹を抱き締めるように動作する左右のアームと、各フレームの先端に設けられた副輪とを備えている。そして、その各アームの抱き締め動作によって各主輪及び副輪間に樹幹を挟み込むことにより、その柱体に対する上下方向の相対位置を保持する構成となっている。
また、特許文献2に記載の枝払昇降機は、樹幹を締め付ける締め付け機構と、モータ駆動により締め付け圧力を調整する圧力調整機構とを備えている。そして、これにより、その上下方向において直径が大きく変化する樹幹にも対応することが可能となっている。
しかしながら、機体の自重を支えるためには大きな締め付け力が必要である。このため、上記のような圧力調整機構を設けることで、機体の大型化及び重量化を招くとともに、その機体の姿勢を維持するために複雑な制御が必要になる。また、アームによる抱き締め方式では、装置を樹幹に取り付ける際、高応答性弾性材の弾性力に抗してアームを押し広げる動作が必要となる。このため、例えば、所謂「樹幹の細り」等、樹径の変化に対応すべく、その弾性力を強化することで、樹幹への取付作業が困難になるという問題がある。
この点を踏まえ、特許文献3に記載の柱体昇降作業装置は、柱体を挟む反対側において上下方向に異なる位置で柱体の外周面に当接する上部主車輪及び下部主車輪を備えている。そして、その下部主車輪側における当該下部主車輪よりも径方向外側に重心を設定することにより、自重を利用して柱体に対する上下方向の相対位置を保持することが可能となっている。
即ち、このような構成とすることで、上記高応答性弾性材や圧力調整機構等のような能動的に締め付け力を発生させる構成を廃することができる。その結果、機体の小型化及び軽量化を図るともに、併せて、その柱体への取付性を向上させることができる。
また、特許文献3には、その各主車輪及び下部主車輪の位置と、機体の傾きと、柱体の直径との関係に基づいて、上部主車輪及び下部主車輪の位置を制御する構成が開示されている。そして、このような構成を適用することにより、その制御も含め、構成の複雑化を招くことなく、柱体の直径が変化する状況においても、機体の姿勢を維持することができるようになる。
特開2000−295931号公報 特開2006−87326号公報 特開2008−253116号公報
しかしながら、上記従来技術では、上部主車輪及び下部主車輪を支持する各アームは、その支持する上部主車輪及び下部主車輪の間に柱体を挟み込むように、それぞれが独立して動作する。このため、図14(a)(b)に示すように、上下方向における柱体70の直径変化に応じて各主車輪71が移動する際、これら各主車輪71を構成するタイヤの弾性等によって、その各主車輪71が柱体70の外周面70aに対してハの字状に開いて接触する状態となる可能性がある。その結果、各主車輪の転動方向と柱体の軸線方向との間にずれが生じ、機体(機枠)72の姿勢が乱れることによって、柱体70の軸中心P0を外した状態で各主車輪71間に柱体70を挟み込んでしまうおそれがある。そして、これが円滑な機体の動作を妨げる要因になるという問題がある。
特に、これらの各主車輪が、駆動輪として柱体の外周面を転動する機能や操舵輪としての機能を有する場合には、要求される駆動トルク(操舵トルク)が上昇することで、その消費エネルギー(電力消費量等)が増大することになる。そして、その外周面に多くの凹凸が存在する等、外乱の影響を受けやすい樹幹等のような柱体を対象とする場合には、このような現象が起こりやすいことから、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、直径が変化する柱体を対象とする場合においても、より好適に機体の姿勢を維持して円滑な動作を担保することができる柱体昇降機及び枝打ちロボットを提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、柱体を挟む反対側において上下方向に異なる位置で前記柱体の外周面に当接する上下の車輪を有して自重により前記柱体に対する上下方向の相対位置を保持可能な柱体昇降機において、前記柱体の径方向外側に配置される機枠と、前記機枠に固定される上下一対の車輪支持装置と、を備え、前記各車輪支持装置は、左右一対の支持アームを有して二つの車輪を独立に支持することにより該各車輪を周方向に離間した位置において前記柱体の外周面に当接させるとともに、前記各支持アームを左右対称に同期して動作させることにより前記各車輪が同期して前記柱体の軸中心に向かうように前記外周面に当接させること、を要旨とする。
請求項2に記載の発明は、前記各支持アームは、基端側に回動中心を有する第1リンク及び第2リンクと、該第1リンク及び第2リンクの先端に対して回動可能に連結された第3リンクと、該第3リンクの一端に設けられた車輪支持部と、を備えてなること、を要旨とする。
請求項3に記載の発明は、前記第1リンクの基端には、前記回動中心に対応するピッチ円中心を有したギヤ部が形成されるとともに、前記各車輪支持装置は、前記各支持アームの前記ギヤ部に対して同時に噛合する駆動ギヤを備えた駆動装置を有すること、を要旨とする。
請求項4に記載の発明は、前記駆動ギヤは、前記ギヤ部側からの逆入力回転を伝達しないウォームギヤであること、を要旨とする。
請求項5に記載の発明は、前記各車輪が操舵輪又は駆動輪の少なくとも何れかの機能を有すること、を要旨とする。
請求項6に記載の発明は、機体の傾きを示す姿勢角度を検出する姿勢角度検出手段と、検出される前記姿勢角度に基づいて、前記各支持アームの動作位置を制御する位置制御装置と、を備えること、を要旨とする。
請求項7に記載の発明は、前記位置制御装置は、検出される前記姿勢角度を目標姿勢角度に追従させるべく、該目標姿勢角度と前記姿勢角度との偏差に基づいて、前記各支持アームの動作位置を制御する姿勢角制御手段を備えること、を要旨とする。
請求項8に記載の発明は、前記位置制御装置は、検出される前記姿勢角度、前記柱体の直径、及び前記動作位置の関係に基づいて、前記動作位置に対応する制御要素の目標値を演算し、該目標値に前記制御要素の実際値を追従させるべく制御する幾何的制御手段を備えること、を要旨とする。
請求項9に記載の発明は、前記幾何的制御手段は、前記姿勢角度と前記動作位置とに基づいて前記柱体の直径を演算する直径演算手段と、前記柱体を上昇する際に演算される前記直径に関する情報を前記上下方向の相対位置毎に記憶する記憶手段と、を備え、前記柱体を下降する際には、その記憶された情報に示される前記直径に基づいて前記目標値を演算すること、を要旨とする。
請求項10に記載の発明は、前記位置制御装置は、前記姿勢角度が許容範囲を超える場合に前記各支持アームの動作位置制御を実行すること、を備えること、を要旨とする。
請求項11に記載の発明は、前記各車輪支持装置は、前記位置制御装置を共有すること、を要旨とする。
請求項12に記載の発明は、前記位置制御装置は、前記各車輪支持装置のうち、一方の車輪支持装置における前記各支持アームを主アームとして、前記姿勢角度に基づき前記主アームの動作位置を制御する主アーム制御手段と、他方の前記車輪支持装置の前記各支持アームを従アームとして、該従アームの動作位置を前記主アームの動作位置に一致させるべく制御する従アーム制御手段と、を備えること、を要旨とする。
請求項13に記載の発明は、請求項5〜請求項12の何れか一項に記載の柱体昇降機を有して樹幹を昇降動作するとともに、前記樹幹から延びる枝を切断可能な切断装置を備えた枝打ちロボットであること、を要旨とする。
請求項14に記載の発明は、前記切断装置は、モータ駆動により前記枝を切断するものであって、モータ負荷に基づいて前記切断装置が前記枝を切断する枝打ち状態にあるか否かを判定する枝打ち判定手段と、前記枝打ち状態にあると判定された場合に前記切断装置のモータ出力を増大させる出力可変手段を備えること、を要旨とする。
請求項15に記載の発明は、前記柱体昇降機は、樹幹を中心に旋回しつつ昇降する旋回昇降機能を有するとともに、前記切断装置は、前記柱体昇降機と一体に旋回しつつ前記切断装置に接触する前記枝をモータ駆動により切断するものであって、モータ負荷に基づいて前記切断装置が前記枝を切断する枝打ち状態にあるか否かを判定する枝打ち判定手段と、前記枝打ち状態にあると判定された場合に前記柱体昇降機の旋回移動速度を減速させる旋回移動速度可変手段とを備えること、を要旨とする。
本発明によれば、直径が変化する柱体を対象とする場合においても、より好適に機体の姿勢を維持して円滑な動作を担保することが可能な柱体昇降機及び枝打ちロボットを提供することができる。
本発明にかかる枝打ちロボットの斜視図。 (a)樹幹(柱体)に取り付けられた柱体昇降機を模式的に示す上面図、(b)同じく模式的に示す側面図。 車輪支持装置の斜視図。 車輪支持装置の平面図。 各支持アームの動作及び各車輪の軌跡を示す説明図。 各車輪に設定された補正角を示す説明図。 柱体昇降機の制御ブロック図。 枝打ち制御の態様を示すフローチャート。 枝打ち制御の作用説明図。 機体の姿勢角度、樹幹の直径、及び各アームの動作位置とその補正量の関係を示す説明図。 樹幹の外周面に当接する二つ車輪の挟み角(車輪取付角度)、各車輪の接点位置ベクトル、及び各アームの動作位置に対応するモータ角の関係を示す説明図。 第2の実施形態における柱体昇降機の姿勢制御の態様を示すフローチャート。 電動チェーンソーの概略構成図。 (a)(b)従来技術の課題を模式的に示す説明図。
[第1の実施形態]
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、枝打ちロボット1は、樹幹を柱体として昇降動作する柱体昇降機2と、モータ駆動により樹幹から延びる枝を切断可能な切断装置としての電動チェーンソー3を備えている。
詳述すると、本実施形態の柱体昇降機2は、略円環状の機枠4と、この機枠4に固定された一対の車輪支持装置5とを備えている。そして、これらの車輪支持装置5が支持する車輪7を柱体の外周面に当接させることにより、その柱体に対する上下方向の相対位置を保持し、及び柱体を昇降することが可能となっている。
図2(a)(b)に示すように、機枠4は、その柱体となる樹幹10を取り囲むように同樹幹10の径方向外側に配置される。尚、本実施形態の機枠4には、ジョイント部13及び関節部14が設けられている。そして、柱体昇降機2の機体(装置全体)を樹幹10に取り付ける際には、このジョイント部13を操作することにより、その機枠4の円環形状を開くことが可能となっている。
一方、各車輪支持装置5は、機枠4の周方向において互いに略180°離間した位置に固定されている。また、本実施形態では、一方の車輪支持装置5Aは、その支持する車輪7aを樹幹10の上下方向において機枠4よりも上側(図2(b)中、上側)に当接させるように構成され、他方の車輪支持装置5Bは、その支持する車輪7bを機枠4よりも下側(図2(b)中、下側)に当接させるように構成されている。そして、本実施形態の柱体昇降機2は、その重心Gが、車輪支持装置5B側における下側の車輪7bよりも径方向外側となるように設計されている。
即ち、このような構成とすることで、その樹幹10を挟む反対側において上下方向に異なる位置で樹幹10の外周面10aに当接する上下の車輪7a,7bには、機体の自重に基づいて、これら各車輪7a,7bを樹幹10に押し付けるような押付力F1,F2が発生する。そして、本実施形態の柱体昇降機2は、この互いに相反する方向の押付力F1,F2を利用して、上下の各車輪7a,7b間に樹幹10を挟み込むことにより、その自重により、当該樹幹10に対する上下方向の相対位置を保持することが可能となっている。
さらに詳述すると、図3及び図4に示すように、各車輪支持装置5は、機枠4に固定される基部15と、この基部15から延びる左右一対の支持アーム16(16L,16R)とを備えている。また、各支持アーム16の先端には、それぞれ、独立して車輪7を支持可能な車輪支持部17が設けられている。そして、本実施形態の各車輪支持装置5は、これら各支持アーム16が支持する二つの車輪7(7L,7R)を、周方向に離間した位置において樹幹10の外周面10aに当接させる構成になっている。
具体的には、各支持アーム16は、基端側に回動中心となる関節J1,J2を有して基部15に連結された第1リンク21及び第2リンク22と、各関節J1,J2と同様に二部材間を回動可能に連結する関節J3,J4を有して第1リンク21及び第2リンク22の先端に連結された第3リンク23とを備えている。そして、車輪支持部17は、図4に示されるような樹幹10に対して柱体昇降機2が取り付けられた状態において、第3リンク23における樹幹10側の一端に設けられている。
本実施形態では、このような四節リンクを用いて各支持アーム16が形成されている。そして、その四節リンクを構成する各要素(各関節J1〜J4の位置や相互距離等)を調整することにより、図5に示すように、各支持アーム16の先端に支持された各車輪7が、その各支持アーム16の動作に基づいて、それぞれ樹幹10の軸中心P0に向かって移動するように構成されている。
尚、各支持アーム16を構成する四節リンクを最適化した場合であっても、その樹幹10の外周面10aに対する各車輪7の接地角は、各車輪7が樹幹10の軸中心P0に向かって移動することにより僅かながら変化する。この点を踏まえ、本実施形態では、図6に示すように、各車輪7には、予め、その接地角の変化による影響を抑えるための補正角βが設定されている。具体的には、本実施形態の各支持アーム16の場合、各車輪7が樹幹10の外周面10aに対して直角に接する状態を基準として、左右の車輪7L,7Rが「逆ハの字型」となるような補正角βが設定されている。
また、図3及び図4に示すように、各車輪支持装置5は、これらの各支持アーム16(16L,16R)を左右対称に同期して動作させる駆動装置としてのアームアクチュエータ35を備えている。そして、本実施形態の各車輪支持装置5は、これにより、図5に示すように、その樹幹10の外周面10aに当接する左右の車輪7L,7Rの軌跡(同図中、二点差線に示す軌跡)が樹幹10の軸中心P0で交差するように各支持アーム16L,16Rを動作させることが可能となっている。
即ち、このような構成とすることにより、樹径変化により生ずる機体の傾きは、周方向に離間した位置で樹幹10の外周面10aに当接する二つの車輪7(7L,7R)の各当接点P1,P2の中間点P3と樹幹の軸中心P0とを結ぶ直線Nに沿ったものとなる。そして、その軌跡が樹幹10の軸中心P0で交差するように各車輪7(7L,7R)が左右対称に同期して移動することで、樹幹10の外周面10aに対する各車輪7(7L,7R)の接触状態が安定する。
本実施形態では、このように各車輪7(の接地面)が樹径変化に依らず樹幹10の軸中心P0に向かうようにすることで、各車輪7の転動方向と樹幹10の軸線方向(上下方向)との間にずれが生ずることによる姿勢の乱れを抑制する(図14(a)(b)参照)。そして、その軸中心P0を外した状態で各車輪7間に樹幹10を挟み込むような状態となること回避して、その円滑な動作を担保する構成となっている。
詳述すると、図3及び図4に示すように、各支持アーム16を構成する第1リンク21の基端には、その回動中心となる関節J1に対応したピッチ円中心を有するギヤ部としてのセクターギヤ36が形成されている。また、アームアクチュエータ35は、各支持アーム16R,16Lの基端にそれぞれ形成された二つのセクターギヤ36に対して同時に歯合する駆動ギヤとしてのウォームギヤ37を備えている。具体的には、各車輪支持装置5の基部15には、駆動源としてのモータ38が固定されている。そして、アームアクチュエータ35は、そのモータ38(の出力軸)を平歯車39a,39bを介してウォームギヤ37(の回転軸)に接続することにより形成されている。
即ち、このように構成することで、モータ38の回転は、左右の支持アーム16L,16Rに対して同時に伝達される。そして、そのモータ回転に基づいて、各支持アーム16L,16Rの第1リンク21を回動させることにより、図5に示すように、その先端に設けられた各車輪7(7L,7R)が同期して樹幹10の軸中心P0に向かうように、左右対称に各支持アーム16L,16Rを動作させることが可能となっている。
また、本実施形態のウォームギヤ37は、その歯合するセクターギヤ36側からの逆入力回転を伝達しないように設計されている。そして、本実施形態では、これにより、そのモータトルクを要することなく、各支持アーム16の動作位置を保持することが可能となっている。
さらに、本実施形態の柱体昇降機2では、図3及び図4に示すように、各支持アーム16の先端に設けられた車輪支持部17には、モータ41を駆動源として各車輪7を回転駆動する駆動アクチュエータ42、及びモータ43を駆動源として樹幹10の外周面10aに当接する各車輪7の舵角を変更可能な操舵アクチュエータ44が設けられている。そして、本実施形態では、これにより、各車輪支持装置5に支持された各車輪7が、駆動輪及び操舵輪としての機能を備えた能動車輪を構成するようになっている。
図1に示すように、本実施形態の柱体昇降機2では、このように構成された車輪支持装置5が上下一対で機枠4に固定されている。尚、上側の車輪支持装置5Aは、その各支持アーム16が機枠4の上側(同図中、上側)に配置されるように上側から機枠4に固定されている。そして、下側の車輪支持装置5Bは、その各支持アーム16が機枠4の下側(同図中、下側)に配置されるように下側から機枠4に固定されている。
また、機枠4には、各車輪支持装置5に設けられたアームアクチュエータ35、駆動アクチュエータ42及び操舵アクチュエータ44(図3参照)の図示しない制御回路や、駆動電源(バッテリー)等が収容された制御ボックス45が固定されている。具体的には、この制御ボックス45は、下側の車輪支持装置5Bの径方向外側において、その下側の車輪支持装置5Bよりも下型に配置されている。そして、本実施形態では、この制御ボックス45の配置によって、その機体の重心G(図2(a)(b)参照)が規定されるようになっている。
本実施形態の枝打ちロボット1は、このような構成を有する柱体昇降機2の機枠4に、切断装置としての電動チェーンソー3を固定することにより形成されている。具体的には、電動チェーンソー3は、駆動源となるモータ(図示略)を収容するモータボックス51と、平板状に形成されたガイドバー52と、モータ駆動によりガイドバー52の外周を回転動作するチェーン刃53とを備えている。尚、本実施形態では、モータ回転は、図示しないベルト等を介してモータボックス51からチェーン刃53へと伝達される。そして、本実施形態の電動チェーンソー3は、そのガイドバー52が樹幹10の外周面10aに対向するように、換言すると、樹幹10の円周に対する接線方向に並行するように配置されている。
ここで、本実施形態の柱体昇降機2は、上記駆動アクチュエータ42及び操舵アクチュエータ44を作動させることにより、各車輪支持装置5が支持する各車輪7を能動車輪として樹幹10の外周面10aを走行する態様で同樹幹10を昇降動作することが可能な自走機能を有している。具体的には、柱体昇降機2は、その走行モードとして、樹幹10に対して機体を回転させることなく昇降する直動昇降モードと、樹幹を中心に旋回しつつ昇降する旋回昇降モードとを備えている。そして、本実施形態の枝打ちロボット1は、枝打ち作業を行う際、その柱体昇降機2の走行モードを旋回昇降モードに切り替えることにより、機体と一体に旋回する電動チェーンソー3によって、そのチェーン刃53に接触する枝を切断する構成となっている。
尚、本実施形態では、電動チェーンソー3の制御回路は、各車輪支持装置5に設けられた各アクチュエータの制御回路とともに、上記制御ボックス45内に収容されている。また、制御ボックス45内には、無線通信装置が収容されている。そして、柱体昇降機2の昇降モードの切り替えや電動チェーンソー3の作動等といった枝打ちロボット1の動作は、その無線通信機能を利用することにより、図示しないコントローラ(リモコン)を介して操作することが可能となっている。
次に、上記のように構成された本実施形態の枝打ちロボットの制御態様について説明する。
(姿勢制御)
まず、柱体昇降機の姿勢制御について説明する。
図7に示すように、本実施形態では、各車輪支持装置5(5A,5B)に設けられたアームアクチュエータ(アームACT)35のモータ38は、制御ボックス45内に収容された制御回路60に接続されている。そして、各アームアクチュエータ35は、制御回路60がモータ38に供給する駆動電力に基づいて作動する。
詳述すると、制御回路60は、各モータ38に設けられた回転センサ61の出力信号に基づいて、下側の車輪支持装置5Bにおけるモータ角q1、及び上側の車輪支持装置5Aにおけるモータ角q2を検出する。また、制御回路60には、傾斜角度(姿勢角度)センサ62が接続されており、姿勢角度検出手段としての制御回路60は、この傾斜角度センサ62の出力信号に基づいて、機体の傾きを示す姿勢角度(傾斜角度)θを検出する。尚、傾斜角度センサ62としては、例えば、周知のジャイロセンサ等を利用することができる。そして、制御回路60は、機体の姿勢を維持すべく、その検出される姿勢角度θに基づいて、各車輪支持装置5(5A,5B)に設けられた各アームアクチュエータ35の作動、即ち当該各アームアクチュエータ35により駆動される各支持アーム16の動作位置(ε2,ε1)を制御する。
図5に示すように樹幹10の直径(樹径)が変化する場合、その樹径の変化に合わせて、上側(の車輪支持装置5A)の各支持アーム16及び下側(の車輪支持装置5B)の各支持アーム16の動作位置を変化させることにより、機体の姿勢を維持することができる。そして、本実施形態の制御回路60は、その検出される姿勢角度θを目標姿勢角度に追従させるべく、その各支持アーム16の動作位置を制御する。尚、本実施形態では、機枠4の水平を基準とする「姿勢角度θ=0」が目標角度となっている。
つまり、樹径の変化に上側(の車輪支持装置5A)の各支持アーム16及び下側(の車輪支持装置5B)の各支持アーム16の動作位置が対応してない場合には、機体の傾きを示す姿勢角度θが検出される。そして、その姿勢角度θが目標姿勢角度(θ=0)になるように各支持アーム16の動作位置を制御することで、その機体の傾きを修正することができる。
さらに詳述すると、本実施形態の制御回路60は、下側の車輪支持装置5Bに設けられた各支持アーム16を主アームMAとして、当該主アームMAについては、その検出される姿勢角度θと目標姿勢角度との偏差に基づくフィードバック制御演算を実行する。そして、その目標姿勢角度に検出される姿勢角度θが追従するように、その主アームMAの動作位置(ε1)を制御する。尚、このフィードバック制御演算は、以下の(1)式に示されるPID(比例・積分・微分)制御の式に基づいて行われる。
但し、「u(t)」は制御入力、「kP」「kD」「KI」は、それぞれ比例,微分,積分のフィードバックゲイン、「θd」「θ(t)」は、目標姿勢角度と実姿勢角度である。「ts」は、積分開始時刻である。そして、添字の「m」は主アーム系を示し、「s」は従アーム系を示すものとする。
また、制御回路60は、上側の車輪支持装置5Aに設けられた各支持アーム16を従アームSAとして、当該従アームSAについては、下側の車輪支持装置5Bにおけるモータ角q1と上側の車輪支持装置5Aにおけるモータ角q2との偏差に基づくフィードバック制御演算を実行する。そして、下側の車輪支持装置5Bにおけるモータ角q1に上側の車輪支持装置5Aにおけるモータ角q2が一致するように、その従アームSAの動作位置(ε2)を制御する。尚、このフィードバック制御演算は、以下の(2)式に示されるPID(比例・積分・微分)制御の式に基づいて行われる。
但し、「q(t)」は、制御要素としてのモータ角を表す。
即ち、下側の車輪支持装置5Bにおけるモータ角q1は、主アームMAの動作位置(ε1)に対応する制御要素であり、上側の車輪支持装置5Aにおけるモータ角q2は、従アームSAの動作位置(ε2)に対応する制御要素である。本実施形態では、その上側の車輪支持装置5Aにおけるモータ角q2が、下側の車輪支持装置5Bにおけるモータ角q1に一致するように制御することにより、その主アームMAと従アームSAとの間に応答遅れが生じない構成となっている。そして、これにより、樹幹10の軸中心P0と機体の軸中心とが常に略一致するようになっている。
さらに、制御回路60は、検出される姿勢角度θが許容範囲を超える場合に、上記のような各支持アーム16の動作位置制御を実行する。即ち、その検出される姿勢角度θが許容範囲内である場合には、各支持アーム16の動作位置(ε2,ε1)を変更しない。そして、本実施形態では、これにより、その消費エネルギー(消費電力)の低減を図る構成となっている。尚、この省電力化制御は、主アーム系は以下の(3)〜(5)式、主アーム系は以下の(6)〜(8)式、にそれぞれ示される「場合分け」に基づいて実行される。
但し、「eθ1」「eq1」は許容姿勢誤差、「eθ2(>eθ1)」「eq2(>eq1)」は姿勢制御適用誤差である。
(枝打ち制御)
次に、枝打ち制御の態様について説明する。
本実施形態の枝打ちロボット1では、柱体昇降機2の走行モードを直動昇降モードから旋回昇降モードに切り替えることにより、電動チェーンソー3に対する駆動電力の供給が開始されるようになっている。
ここで、本実施形態では、上記制御ボックス45内に収容された図示しない電動チェーンソー3の制御回路は、その電動チェーンソー3に作用する外力に応じて変化するモータ負荷に基づいて、当該電動チェーンソー3が樹幹10から延びる枝を切断する枝打ち状態にあるか否かを判定する。
具体的には、電動チェーンソー3(のチェーン刃53)に枝が接触し、その外力よりモータ負荷が増大することで、モータ電流が上昇し、及びモータ速度が低下する。本実施形態では、枝打ち判定手段としての電動チェーンソー3の制御回路は、これらのモータ電流及びモータ速度を、それぞれ閾値と比較することにより、そのモータ負荷の大きさ、即ち推定される外力の大きさが、枝打ち状態に対応するものであるか否かを判定する。そして、枝打ち状態にあると判定した場合には、電動チェーンソー3のモータ出力を増大させる構成となっている。
尚、本実施形態では、電動チェーンソー3に対する駆動電力の供給は、制御回路に設けられたドライバ(駆動回路)のオンDutyを制御することにより行われる。そして、モータ出力の増減は、そのDuty制御に基づいてモータ入力電圧を変化させることにより行われる。
さらに、本実施形態では、この枝打ち状態判定の結果に基づいて、機体の旋回移動速度が切り替えられる。具体的には、枝打ち状態にあると判定された場合、上記駆動アクチュエータ42は、その機体の旋回移動速度が遅くなるように制御される。尚、この旋回移動速度の増減は、能動車輪である各車輪7の駆動力(モータ41の出力)を増減することにより行われる。
そして、本実施形態では、これら電動チェーンソー3の出力可変制御及び機体の旋回移動速度可変制御の実行によって、その切断する枝の大小にかかわらず、円滑な切断を可能とするとともに、併せて、その消費エネルギー(消費電力)の低減を図る構成となっている。
詳述すると、本実施形態では、柱体昇降機2の昇降モードが旋回昇降モードである場合、図8のフローチャートに示すように、先ず、モータ電流及びモータ速度が示すモータ負荷、即ち推定される外力の大きさが枝打ち状態を示すものであるか否かが判定される(ステップ101)。そして、そのモータ負荷が枝打ち状態に対応する場合(モータ負荷大(推定外力大)、ステップ101:YES)には、そのモータ出力が増大され(モータ入力電圧大、ステップ102)、及びその機体の旋回移動速度が減速される(旋回移動速度低、ステップ103)。
そして、上記ステップ101において、そのモータ負荷が枝打ち状態に対応するものではない場合(モータ負荷小(推定外力小)、ステップ101:NO)には、そのモータ出力が低減され(モータ入力電圧小、ステップ104)、及びその機体の旋回移動速度が増速される(旋回移動速度高、ステップ105)。
次に、上記枝打ち制御の作用について説明する。
図9に示すように、柱体昇降機2の走行モードが旋回昇降モードに切り替えられた時点、即ち電動チェーンソー3に対する駆動電力の供給が開始された時点(時間t0)では、まだ、当該電動チェーンソー3が枝に接触していないことから、そのモータ負荷を示すモータ電流は小さい値となっている。
本実施形態では、このような場合、電動チェーンソー3に対するモータ入力電圧を低く抑えることで、そのモータ出力が小さくなっている。その結果、電動チェーンソー3は、そのチェーン刃53が比較遅い速度で回転する状態となる。そして、柱体昇降機2もまた、その旋回移動速度が速い状態に制御されている。
その後、電動チェーンソー3が枝に接触することで(時間t1)、その外力によりモータ負荷が増大し、モータ電流が上昇(及びモータ速度が低下)する。そして、そのモータ負荷の増大、即ち推定される外力の増大に基づいて、枝打ち状態にあることが検知される(t2)。
本実施形態では、この枝打ち状態の検知によって、電動チェーンソー3に対するモータ入力電圧が増大され、これにより、モータ出力が大きくなる。また、併せて、その旋回移動速度が遅くなるように柱体昇降機2が制御される。そして、これにより、その接触する枝を円滑に切断することが可能になっている。
さらに、その後、その枝の切断が完了することで、モータ負荷が減少し、そのモータ電流が低下(及びモータ速度が上昇)する。そして、これにより、枝打ち状態ではないことが検知されることで(時間t3)、その旋回移動速度が速い状態となるように柱体昇降機2が制御され、及び電動チェーンソー3に対するモータ入力電圧を低く抑えることにより、そのモータ出力が低減される(時間t4)。
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)柱体昇降機2は、柱体となる樹幹10の径方向外側に配置される機枠4と、この機枠4に固定される上下一対の車輪支持装置5(5A,5B)とを備え、樹幹10を挟む反対側において上下方向に異なる位置で樹幹10の外周面10aに当接する上下の車輪7を有して自重により樹幹10に対する上下方向の相対位置を保持する。また、各車輪支持装置5は、左右一対の支持アーム16(16L,16R)を有して二つの車輪7(7L,7R)を独立に支持することにより当該各車輪7(7L,7R)を周方向に離間した位置において樹幹10の外周面10aに当接させる。そして、各車輪支持装置5は、その外周面10aに当接する各車輪7(7L,7R)の軌跡が樹幹10の軸中心P0で交差するように各支持アーム16(16L,16R)を左右対称に同期して動作させる。
上記構成によれば、樹径変化により生ずる機体の傾きは、周方向に離間した位置で樹幹10の外周面10aに当接する二つの車輪7(7L,7R)の各当接点P1,P2の中間点P3と樹幹の軸中心P0とを結ぶ直線Nに沿ったものとなる。そして、その軌跡が樹幹10の軸中心P0で交差するように各車輪7(7L,7R)が左右対称に同期して移動することで、樹幹10の外周面10aに対する各車輪7(7L,7R)の接触状態が安定する。即ち、樹径変化に依らず各車輪7(の接地面)が樹幹10の軸中心P0に向かうようにすることで、各車輪7の転動方向と樹幹10の軸線方向(上下方向)との間にずれが生ずることを抑制することができる。その結果、例えば、所謂「樹幹の細り」が存在する場合であっても、姿勢の乱れを抑え、その軸中心P0を外した状態で各車輪7間に樹幹10を挟み込むような状態となること回避することができる。そして、これにより、機体の円滑な動作を担保することができる。
また、動作が円滑になることで、その動作に要する消費エネルギーを低減することができる。更に、その移動に際して各車輪支持装置5や機枠4等、機体にかかる負荷が軽減される。そして,これにより機体に要求される剛性が低くなることで、その軽量化及び小型化を図ることができる。
(2)各支持アーム16は、基端側に回動中心となる関節J1,J2を有して基部15に連結された第1リンク21及び第2リンク22と、各関節J1,J2と同様に二部材間を回動可能に連結する関節J3,J4を有して第1リンク21及び第2リンク22の先端に連結された第3リンク23とを備える。そして、車輪支持部17は、樹幹10に対して柱体昇降機2が取り付けられた状態において、第3リンク23における樹幹10側の一端に設けられる。
このように四節リンクを用いて各支持アーム16を形成することで、簡素な構成で高い剛性を確保することができ、これによりその先端に支持する各車輪7を精度よく移動させることができる。そして、その四節リンクを構成する各要素(各関節J1〜J4の位置や相互距離等)を調整することで、その各支持アーム16の動作に基づいて、それぞれ樹幹10の軸中心P0に向かって直線的に移動するようにすることができる。
(3)各支持アーム16を構成する第1リンク21の基端には、その回動中心と関節J1に対応したピッチ円中心を有するギヤ部としてのセクターギヤ36が形成される。そして、アームアクチュエータ35は、各支持アーム16R,16Lの基端にそれぞれ形成された二つのセクターギヤ36に対して同時に歯合する駆動ギヤとしてのウォームギヤ37を備える。
上記構成によれば、一のアームアクチュエータ35の駆動力(1自由度)が、左右の支持アーム16L,16R(2リンクアーム)に対して同時に伝達される。その結果、簡素な構成にて、容易且つ確実に各支持アーム16L,16Rを左右対称に同期して動作させることができる。
(4)ウォームギヤ37は、その歯合するセクターギヤ36側からの逆入力回転を伝達しないように設計される。これにより、そのモータトルクを要することなく、各支持アーム16の動作位置を保持することができる。即ち、現状の姿勢を維持するためのエネルギーを必要としない。その結果、消費エネルギーの低減を図ることができる。
(5)各支持アーム16の先端に設けられた車輪支持部17には、モータ41を駆動源として各車輪7を回転駆動する駆動アクチュエータ42、及びモータ43を駆動源として樹幹10の外周面10aに当接する各車輪7の舵角を変更可能な操舵アクチュエータ44が設けられる。
即ち、このような各車輪7が駆動輪及び操舵輪としての機能を有する能動車輪である構成では、軸中心P0を外した状態で各車輪7間に樹幹10を挟み込むような状態となることによって、その機体を動作させるために各車輪7に要求される駆動力が顕著に大きく増大する。特に、各車輪7が操舵輪である場合には、各車輪7を操舵する際(転動方向を変える際)、その挟み込んだ樹幹10が各車輪7に引っ掛かる。そして、これにより、消費エネルギーが大きく増大する。従って、このような構成に上記(1)〜(4)の構成を適用することで、より顕著な効果を得ることができる。
さらに、各車輪7に舵角が発生する旋回昇降時においても、当該車輪7が各車輪7(の接地面)が樹幹10の軸中心P0に向かうことで、その姿勢を良好に維持することができる。そして、その電動チェーンソー3が機体と一体に旋回する枝打ちロボット1の場合、旋回昇降時においても機体を略水平に維持することが可能となることで、その接触する枝を、より円滑に切断することができる。
(6)各アームアクチュエータ35は、制御回路60によって、その作動が制御される。制御回路60は、傾斜角度センサ62の出力信号に基づいて、機体の傾きを示す姿勢角度(傾斜角度)θを検出する。そして、その検出される姿勢角度θに基づいて、各アームアクチュエータ35が駆動する各支持アーム16の動作位置を制御する。
即ち、機体の傾きは、各支持アーム16が支持する各車輪7と樹幹10の外周面10aとの間の隙間、即ち各支持アーム16の動作位置により決定される。従って、上記構成のように、その検出される姿勢角度θに基づいて各支持アーム16の動作位置を制御することで、その機体の傾きを制御することができる。そして、このような位置制御により各支持アーム16を動作させる構成とすることで、樹幹10に対する各車輪7の押し付け圧力を制御する構成と比較して、より高い信頼性を確保することができる。加えて、その制御内容を含め、構成を簡素化することができる。
(7)各車輪支持装置5(5A,5B)に設けられた各支持アーム16は、制御ボックス45内に収容された一の制御回路60によって、その動作位置が制御される。即ち、各車輪支持装置5(5A,5B)は、各支持アーム16の位置制御装置としての制御回路60を共有する。このような構成とすれば、その上側の車輪支持装置5Aに設けられた各支持アーム16及び下側の車輪支持装置5Bに設けられた各支持アーム16を同期して動作させることが容易になる。その結果、より好適に機体の姿勢を維持することができる。
(8)主アーム制御手段としての制御回路60は、下側の車輪支持装置5Bに設けられた各支持アーム16を主アームMAとして、当該主アームMAについては、その検出される姿勢角度θと目標姿勢角度との偏差に基づくフィードバック制御演算を実行する。そして、従アーム制御手段としての制御回路60は、上側の車輪支持装置5Aに設けられた各支持アーム16については、従アームSAとして、下側の車輪支持装置5Bにおけるモータ角q1と上側の車輪支持装置5Aにおけるモータ角q2との偏差に基づくフィードバック制御演算を実行する。
即ち、下側の車輪支持装置5Bにおけるモータ角q1は、主アームMAの動作位置(ε1)に対応する制御要素であり、上側の車輪支持装置5Aにおけるモータ角q2は、従アームSAの動作位置(ε2)に対応する制御要素である。従って、上記構成により、上側の車輪支持装置5Aにおけるモータ角q2が、下側の車輪支持装置5Bにおけるモータ角q1に一致するように制御することによって、その主アームMAと従アームSAとの間の応答遅れを抑制することができる。その結果、より好適に機体の姿勢を維持することができる。
(9)制御回路60は、検出される姿勢角度θが許容範囲を超える場合に、上記のような各支持アーム16の動作位置制御を実行する。これにより、その検出される姿勢角度θが許容範囲内である場合には、各支持アーム16の動作位置を変更しないことで、その消費エネルギー(消費電力)の低減を図ることができる。
(10)電動チェーンソー3の制御回路は、電動チェーンソー3が樹幹10から延びる枝に接触して同枝を切断する枝打ち状態にあるか否かを判定する。この枝打ち状態判定は、モータ電流及びモータ速度が示すモータ負荷の大きさ、即ち推定される外力の大きさが、枝打ち状態に対応するものであるか否かに基づいて行われる。そして、枝打ち状態にあると判定した場合には、電動チェーンソー3のモータ出力を増大させる。
即ち、モータ出力を増大することで、より円滑に枝を切断することができる。その結果、作業効率を向上させることができる。そして、枝打ち状態ではない場合のモータ出力を予め低く抑えておくことで、その消費エネルギー(消費電力)の低減を図ることができる。
(11)枝打ち状態にあると判定された場合、駆動アクチュエータ42は、機体の旋回移動速度が遅くなるように制御される。
即ち、機体の旋回移動速度を遅くすることで、切断する枝が太い場合であっても、その機体の旋回に枝の切断が追いつかずチェーン刃53に枝が噛み込むような事態を回避することができる。その結果、枝の大小にかかわらず円滑に切断することができる。また、枝打ち状態ではない場合における旋回移動速度を速く設定することで、全体としては、素早い枝打ち作業が可能になる。そして、これにより、作業効率を向上させることができる。
[第2の実施形態]
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態は、上記第1の実施形態との比較において、柱体昇降機2の姿勢制御態様が相違する。
詳述すると、本実施形態では、上側の車輪支持装置5Aに設けられた各支持アーム16及び下側の車輪支持装置5Bに設けられた各支持アーム16は、同一の制御内容で制御回路60により制御される(図7参照)。
具体的には、本実施形態の制御回路60は、各支持アーム16を駆動するアームアクチュエータ35のモータ角(q)を、その各支持アーム16の動作位置に対応する制御要素とする。そして、検出される姿勢角度θに基づいてモータ角(q)の目標値を演算し、その目標値と実際値との偏差に基づくフィードバック制御演算を実行することにより、各支持アーム16の動作位置を制御する。尚、このフィードバック制御演算は、以下の(9)式に示されるPID(比例・積分・微分)制御の式に基づいて行われる。
さらに詳述すると、図10及び図11に示すように、柱体昇降機2においては、その検出される機体の姿勢角度θ、樹幹10の直径D、及び各支持アーム16の動作位置を示すモータ角qには、互いに相関関係がある。
即ち、図10に示すように、機体に傾きが生じている場合、その機体を水平とするために必要な各支持アーム16の動作位置の補正量δは、以下に示す(10)式に基づいて、樹幹10を挟む反対側において当該樹幹10の外周面に当接する上下の車輪7(の当接点)間の距離Lと姿勢角度θとから求めることができる。
また、図11に示すように、各車輪7の接点位置ベクトルを「p」とすると、樹幹10の直径Dは、次の(11)式に表される。
そして、樹幹10の軸中心P0を交点とした場合において、その外周面10aに当接する左右の車輪7L,7Rの挟み角(車輪取付角度、図5参照、∠「P1」「P0」「P2」)を「α」とすれば、更に以下の(12)〜(14)式が成り立つ。
但し、「pd」は目標接点位置である。また、「f」は運動学の関係式、「f-1」は逆運動学の関係式の関係を表す関係式である。
本実施形態の制御回路60は、上記(10)〜(14)式に基づいて、各支持アーム16の動作位置に対応するモータ角qの目標値を演算する。尚、樹幹10の直径Dについては、樹幹10に対し機体を水平に取り付けることにより、その初期値が演算される。そして、制御回路60は、上記(9)式に基づいて、上下一対の車輪支持装置5(5A,5B)に設けられた各支持アーム16を同時に制御する。
ここで、図12のフローチャートに示すように、本実施形態の制御回路60は、樹幹10を上昇する場合(ステップ201:YES)には、上記(10)〜(14)式を用いることにより、その姿勢角度θ及びモータ角q(各支持アームの動作位置)から、樹幹10の直径Dを演算する(ステップ202)。そして、その直前に演算された直径Dを用いてモータ角qの目標値を演算する(ステップ203)。
また、制御回路60は、その上昇の際に演算した直径Dに関する情報(直径情報)を樹幹10に対する上下方向の相対位置毎に記憶する(ステップ204)。即ち、本実施形態では、制御回路60が直径演算手段及び記憶手段を構成する。そして、樹幹10を降下する際(ステップ201:NO)には、その上昇の際に記憶された直径情報を読み出すことにより(ステップ205)、モータ角qの目標値を演算する。
具体的には、本実施形態の制御回路60は、その記憶された直径情報に示される値を僅かに大きく補正して(ステップ206)、モータ角qの目標値を演算する(ステップ207)。そして、これにより、樹幹10の外周面10aに当接する各車輪7の押し付け力を低減することで、速やかに樹幹10を降下することが可能となっている。
さらに、制御回路60は、検出される姿勢角度θが許容範囲を超える場合に、上記のような各支持アーム16の動作位置制御を実行する。即ち、その検出される姿勢角度θが許容範囲内である場合には、各支持アーム16の動作位置を変更しない。そして、本実施形態では、これにより、その消費エネルギー(消費電力)の低減を図る構成となっている。尚、この省電力化制御は、以下の(15)〜(17)式に示される「場合分け」に基づいて実行される。
以上、本実施形態によれば、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、より速やかに各支持アーム16の動作位置を収束させることができる。その結果、より好適に機体の姿勢を維持することができる。そして、より速やかに樹幹10から降下することが可能となることで、その作業効率を向上させることができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、本発明を枝打ちロボット1及びその柱体昇降機2に具体化した。しかし、これに限らず、枝打ち以外の用途に用いられる柱体昇降機に適用してもよい。即ち、その昇降する柱体は、例えば、電柱等、必ずしも樹幹10でなくともよい。
・上記各実施形態では、四節リンクを用いて各支持アーム16を形成することとしたが、必ずしもこれに限らず、任意に変更してもよい。また、駆動手段となるアームアクチュエータ35の構成及びその各支持アーム16の駆動形態についても任意に変更してもよい。例えば、セクターギヤ36はサンギヤであってもよい。
・二つの車輪7を独立に支持して当該各車輪7を周方向に離間した位置において樹幹10の外周面10aに当接させることが可能な左右一対の支持アームがあり、且つその各車輪7の軌跡が樹幹10の軸中心P0で交差するように各支持アームが左右対称に同期して動作する構成であればよい。従って、左右の支持アーム16L,16Rが独立したアクチュエータによって駆動される構成についても、これを排除しない。
・上記各実施形態では、各支持アーム16に支持された各車輪7が、それぞれ、駆動輪及び操舵輪としての機能を有する能動車輪であることした。しかし、これに限らず、別途駆動輪や操舵輪を備える構成であってもよく、また、その何れか一方の機能を有するものであってもよい。
・上記第1の実施形態では、上側の車輪支持装置5Aに設けられた各支持アーム16については、従アームSAとして、下側の車輪支持装置5Bにおけるモータ角q1と上側の車輪支持装置5Aにおけるモータ角q2との偏差に基づくフィードバック制御演算を実行することとした。しかし、これに限らず、上側の車輪支持装置5Aに設けられた各支持アーム16を主アームMAとし、下側の車輪支持装置5Bに設けられた各支持アーム16を従アームSAとしてもよい。また、主アームMA及び従アームSAの区別なく、下側の車輪支持装置5Bに設けられた各支持アーム16と同様に、その検出される姿勢角度θと目標姿勢角度との偏差に基づくフィードバック制御演算を実行する構成であってもよい。
・また、上記各実施形態では、各車輪支持装置5(5A,5B)に設けられた各支持アーム16は、制御ボックス45内に収容された一の制御回路60によって、その動作位置が制御されることとした。しかし、このように、各車輪支持装置5(5A,5B)が、各支持アーム16の位置制御装置を共有する構成でなく、それぞれが個別に位置制御装置を備える構成であってもよい。
・上記第2の実施形態では、検出される機体の姿勢角度θ、樹幹10の直径D、及び各支持アーム16の動作位置を示すモータ角qの相関関係を利用する幾何的制御手段により制御目標値を演算することとした。しかし、これに限らず、第1の実施形態に示されるような一般的なフィードバック制御による姿勢角制御手段を組み合わせる構成としてもよい。例えば、主アームMA又は従アームSAの一方を姿勢角制御手段が制御し、他方を幾何的制御手段が制御する等としてもよい。
・さらに、上記第2の実施形態では、上昇の際に演算した直径Dに関する情報(直径情報)を樹幹10に対する上下方向の相対位置毎に記憶する(ステップ204)。そして、樹幹10を降下する際(ステップ201:NO)には、その上昇の際に記憶された直径情報を読み出すことにより(ステップ205)、モータ角qの目標値を演算することとした。しかし、これに限らず、降下する際についても上昇する際と同様の降下を行う構成であってもよい。そして、記憶された直径情報を読み出して目標値を演算する場合であっても、その直径情報に示される値の補正は行わなくともよい。
・また、上記実施形態では、各支持アーム16を駆動するアームアクチュエータ35のモータ角(q)を各支持アーム16の動作位置に対応する制御要素としたが、必ずしもこれに限らず、例えば、各支持アーム16の関節角等、その他のものを制御要素として用いる構成であってもよい。
・上記各実施形態では、機体を水平(θ=0)にするように姿勢制御の目標値を設定することとしたが、任意の値を目標値として設定可能な構成であってもよい。
・上記各実施形態では、検出される姿勢角度θが許容範囲を超える場合に、上記のような各支持アーム16の動作位置制御を実行し、その検出される姿勢角度θが許容範囲内である場合には、各支持アーム16の動作位置を変更しないこととしたが、このような許容範囲を設定しない構成であってもよい。
・上記各実施形態では、切断装置としての電動チェーンソー3に柱体昇降機2の機枠4に固定される。そして、機体と一体に旋回することにより、そのチェーン刃53に接触する枝を切断することとした。しかし、これに限らず、切断装置自体が樹幹10の周囲を移動する機能を備えた構成であってもよい。また、切断機は、エンジン付きチェーンソーでもよい。そして、例えば、回転刃を有するもの等、刃形状や駆動方法等は、どのようなものであってもよい。
・上記各実施形態では、その枝打ち制御として、モータ負荷に基づいて、枝打ち状態にあるか否かを判定し、枝打ち状態にある場合には、そのモータ出力を増大させ、及び機体の旋回移動速度を遅くすることとした。しかし、これに限らず、このようなモータ出力を変化させる出力可変手段及び機体の旋回移動速度を変化させる旋回移動速度可変手段を有しない構成としてもよい。そして、これらの何れかを備える構成であってもよい。
・上記各実施形態では、モータ負荷を示す状態量としてモータ電流及びモータ速度を用いることとした。しかし、これに限らず、例えば、モータ電流又はモータ速度の何れか一方、或いはモータ負荷を示すその他の状態量を用いて枝打ち状態判定を行う構成としてもよく、任意に選択し組み合わせて用いてもよい。尚、これらの各状態量は、電流センサや回転センサ等、周知のセンサを用いて検出すればよい。そして、モータ出力の変更についてもまた、電圧又は電流の何れを変化させてもよい。
・上記各実施形態では、枝打ちロボット1に設けられた切断装置としての電動チェーンソー3について、そのモータ負荷に基づいて、枝打ち状態にあるか否かを判定し、枝打ち状態にある場合には、そのモータ出力を増大させることとした。しかし、これに限らず、
図13に示されるような単体で使用される電動チェーンソー80について、このようなモータ出力の可変制御を適用してもよい。
この電動チェーンソー80においては、筐体81に内蔵された制御回路82によって、その駆動源であるモータ83が制御される。そして、制御回路82は、その筐体81に設けられたスイッチ84が操作されることにより、モータ83に対して駆動電力を供給し、及びその供給を停止する。
また、制御回路82は、上記各実施形態と同様に、モータ電流及びモータ速度が示すモータ負荷の大きさ、即ち推定される外力の大きさが、被切断体を切断する切断状態に対応するものであるか否かを判定する。そして、切断状態にあると判定した場合には、そのモータ出力を増大させるように制御する。
尚、具体的な制御内容は、図8に示す上記各実施形態と同様である。即ち、この電動チェーンソー80においては、その制御回路82が切断状態判定手段及び出力可変手段を構成する。このような構成とすることで、作業効率が高く、且つ省エネルギー性に優れた電動チェーンソーを提供することができる。
・上記各実施形態では、フィードバック制御演算としてPID(比例・積分・微分)制御を行うこととしたが、P制御(比例制御)でも、PI制御(比例・積分制御)でも、PD制御(比例・微分制御)でもよい。
次に、以上の実施形態から把握することのできる技術的思想を記載する。
(イ)モータ駆動により被切断体を切断する電動チェーンソーにおいて、モータ負荷に基づいて前記被切断体を切断する切断状態にあるか否かを判定する切断状態判定手段と、前記切断状態にあると判定された場合にモータ出力を増大させる出力可変手段と、を備えること、を特徴とする電動チェーンソー。
即ち、モータ出力を増大することで、より円滑に被切断体を切断することができる。その結果、作業効率を向上させることができる。そして、切断状態ではない場合のモータ出力を予め低く抑えておくことで、その消費エネルギー(消費電力)の低減を図ることができる。
1…枝打ちロボット、2…柱体昇降機、3…電動チェーンソー、4…機枠、5(5A,5B)…車輪支持装置、7(7a,7b,7R,7L)…車輪、10…樹幹、10a…外周面、16(16L,16R)…支持アーム、17…車輪支持部、21…第1リンク、22…第2リンク、23…第3リンク、35…アームアクチュエータ、36…セクターギヤ、37…ウォームギヤ、38…モータ、41…モータ、42…駆動アクチュエータ、43…モータ、44…操舵アクチュエータ、45…制御ボックス、51…モータボックス、52…ガイドバー、53…チェーン刃、60…制御回路、61…回転センサ、62…傾斜角度センサ、70…柱体、70a…外周面、71…主車輪、72…機体、G…重心、F1,F2…押付力、J1〜J4…関節、P0…軸中心、P1,P2…当接点、P3…中間点、N…直線、β…補正角、θ…姿勢角度、MA…主アーム、SA…従アーム、q,q1,q2…モータ角、D…直径、L…距離、δ…補正量。

Claims (15)

  1. 柱体を挟む反対側において上下方向に異なる位置で前記柱体の外周面に当接する上下の車輪を有して自重により前記柱体に対する上下方向の相対位置を保持可能な柱体昇降機において、
    前記柱体の径方向外側に配置される機枠と、
    前記機枠に固定される上下一対の車輪支持装置と、を備え、
    前記各車輪支持装置は、
    左右一対の支持アームを有して二つの車輪を独立に支持することにより該各車輪を周方向に離間した位置において前記柱体の外周面に当接させるとともに、
    前記各支持アームを左右対称に同期して動作させることにより前記各車輪が同期して前記柱体の軸中心に向かうように前記外周面に当接させること、を特徴とする柱体昇降機。
  2. 請求項1に記載の柱体昇降機において、
    前記各支持アームは、基端側に回動中心を有する第1リンク及び第2リンクと、該第1リンク及び第2リンクの先端に対して回動可能に連結された第3リンクと、該第3リンクの一端に設けられた車輪支持部と、を備えてなること、を特徴とする柱体昇降機。
  3. 請求項2に記載の柱体昇降機において、
    前記第1リンクの基端には、前記回動中心に対応するピッチ円中心を有したギヤ部が形成されるとともに、
    前記各車輪支持装置は、前記各支持アームの前記ギヤ部に対して同時に噛合する駆動ギヤを備えた駆動装置を有すること、を特徴とする柱体昇降機。
  4. 請求項3に記載の柱体昇降機において、
    前記駆動ギヤは、前記ギヤ部側からの逆入力回転を伝達しないウォームギヤであること、を特徴とする柱体昇降機。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の柱体昇降機において、
    前記各車輪が操舵輪又は駆動輪の少なくとも何れかの機能を有すること、
    を特徴とする柱体昇降機。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の柱体昇降機において、
    機体の傾きを示す姿勢角度を検出する姿勢角度検出手段と、
    検出される前記姿勢角度に基づいて、前記各支持アームの動作位置を制御する位置制御装置と、を備えること、を特徴とする柱体昇降機。
  7. 請求項6に記載の柱体昇降機において、
    前記位置制御装置は、検出される前記姿勢角度を目標姿勢角度に追従させるべく、該目標姿勢角度と前記姿勢角度との偏差に基づいて、前記各支持アームの動作位置を制御する姿勢角制御手段を備えること、を特徴とする柱体昇降機。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の柱体昇降機において、
    前記位置制御装置は、検出される前記姿勢角度、前記柱体の直径、及び前記動作位置の関係に基づいて、前記動作位置に対応する制御要素の目標値を演算し、該目標値に前記制御要素の実際値を追従させるべく制御する幾何的制御手段を備えること、
    を特徴とする柱体昇降機。
  9. 請求項8に記載の柱体昇降機において、
    前記幾何的制御手段は、
    前記姿勢角度と前記動作位置とに基づいて前記柱体の直径を演算する直径演算手段と、
    前記柱体を上昇する際に演算される前記直径に関する情報を前記上下方向の相対位置毎に記憶する記憶手段と、を備え、
    前記柱体を下降する際には、その記憶された情報に示される前記直径に基づいて前記目標値を演算すること、を特徴とする柱体昇降機。
  10. 請求項6〜請求項9の何れか一項に記載の柱体昇降機において、
    前記位置制御装置は、前記姿勢角度が許容範囲を超える場合に前記各支持アームの動作位置制御を実行すること、を備えること、を特徴とする柱体昇降機。
  11. 請求項6〜請求項10の何れか一項に記載の柱体昇降機において、
    前記各車輪支持装置は、前記位置制御装置を共有すること、
    を特徴とする柱体昇降機。
  12. 請求項11に記載の柱体昇降機において、
    前記位置制御装置は、
    前記各車輪支持装置のうち、一方の車輪支持装置における前記各支持アームを主アームとして、前記姿勢角度に基づき前記主アームの動作位置を制御する主アーム制御手段と、
    他方の前記車輪支持装置の前記各支持アームを従アームとして、該従アームの動作位置を前記主アームの動作位置に一致させるべく制御する従アーム制御手段と、
    を備えること、を特徴とする柱体昇降機。
  13. 請求項1〜請求項12の何れか一項に記載の柱体昇降機を有して樹幹を昇降動作するとともに、前記樹幹から延びる枝を切断可能な切断装置を備えた枝打ちロボット。
  14. 請求項13に記載の枝打ちロボットにおいて、
    前記切断装置は、モータ駆動により前記枝を切断するものであって、
    モータ負荷に基づいて前記切断装置が前記枝を切断する枝打ち状態にあるか否かを判定する枝打ち判定手段と、
    前記枝打ち状態にあると判定された場合に前記切断装置のモータ出力を増大させる出力可変手段を備えること、を特徴とする枝打ちロボット。
  15. 請求項13又は請求項14に記載の枝打ちロボットにおいて、
    前記柱体昇降機は、樹幹を中心に旋回しつつ昇降する旋回昇降機能を有するとともに、前記切断装置は、前記柱体昇降機と一体に旋回しつつ前記切断装置に接触する前記枝をモータ駆動により切断するものであって、
    モータ負荷に基づいて前記切断装置が前記枝を切断する枝打ち状態にあるか否かを判定する枝打ち判定手段と、
    前記枝打ち状態にあると判定された場合に前記柱体昇降機の旋回移動速度を減速させる旋回移動速度可変手段とを備えること、を特徴とする枝打ちロボット。
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