JP6089826B2 - 工具ソケット - Google Patents

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Description

本発明は、多角形ボルト又は多角形ナットに係合する工具ソケットに関する。
工具ソケットは、六角ボルト等の多角形ボルトの頭部又は六角ナット等の多角形ナットに嵌り、電動又は手動によって回転させることによって、多角形ボルト又は多角形ナットの締付け又は緩めを行うために用いられる。また、工具ソケットにおいては、多角形ボルトの頭部が挿入される挿入穴の内壁面の形状を、径方向内側に膨らむ曲面形状にすることが行われている。これによって、多角形ボルト又は多角形ナットと工具ソケットとが面接触するようにし、工具ソケットの寿命を延ばしている。
例えば、特許文献1の工具においては、多角形横断面を有する被駆動輪郭(挿入穴)に生ずるトルクが、工具を他方向へ回す場合に比べて工具を一方向へ回す場合が大きくなるようにしている。これを実現するために、被駆動輪郭の角部分の近傍に位置する部分を、凸円弧の形状に形成し、ねじ部材を締め付けるときに接触する側に位置する凸円弧の曲率半径を、ねじ部材を緩めるときに接触する側に位置する凸円弧の曲率半径よりも大きくしている。
特開平7−52054号公報
ところで、工場等において製品を量産する際には、工具ソケットを締付け専用、又は緩め専用として使用することが多い。そして、締付け専用として工具ソケットを用いる場合には、締付けトルクを低下させることなく、工具ソケットに生ずる応力を低減したい。一方、緩め専用として工具ソケットを用いる場合には、緩めトルクを低下させることなく、工具ソケットに生ずる集中応力を低減したい。このような特性を有する工具ソケットの開発が望まれる。なお、特許文献1の工具においては、締付けトルク又は緩めトルクを維持したまま、工具に生ずる集中応力を低減する工夫はなされていない。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、締付けトルク又は緩めトルクを確保して、角凹部に生ずる集中応力を低減することができ、寿命を延ばすことができる工具ソケットを提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、多角形ボルトにおける多角形の頭部又は多角形ナットを挿入するための挿入穴を有する工具ソケットであって、
上記挿入穴は、上記多角形の頭部又は上記多角形ナットにおける角部の数と同じ数の内壁面を有しており、
上記各内壁面において、隣り合う該内壁面間に形成され、径方向外側に膨らむ円弧形状の角凹部に対して周方向一方側に隣接する一方面部分は、上記角凹部に対して周方向他方側に隣接する他方面部分よりも、径方向外側に位置し、
上記一方面部分と上記他方面部分とが上記角凹部を挟んで対称形状に形成された場合の上記角凹部間を結び、上記工具ソケットの中心から上記角凹部間の周方向中心を通る仮想線上の点を中心とする円に沿って、上記角凹部よりも大きな曲率半径で径方向内側に膨らむ円弧形状の仮想曲面形状を想定したとき、
上記他方面部分は、上記仮想曲面形状の一部に倣った上記第1曲面形状によって形成されており、
上記一方面部分は、上記第1曲面形状に繋がるとともに該第1曲面形状よりも小さな曲率半径で径方向外側に膨らむ円弧形状の第2曲面形状と、上記第1曲面形状と上記第2曲面形状とを結び、上記第1曲面形状よりも小さな曲率半径で径方向内側に膨らむ円弧形状の第3曲面形状とによって形成されており、
上記多角形ボルト又は上記多角形ナットを締め付ける際に、上記工具ソケットの中心と上記他方面部分における締付け力の作用線とを結ぶ垂線の長さである締付けモーメントアームは、上記多角形ボルト又は上記多角形ナットを緩める際に、上記工具ソケットの中心と上記一方面部分における緩め力の作用線とを結ぶ垂線の長さである緩めモーメントアームよりも長く、
上記他方面部分における締付け力の作用線上の作用点は、上記第1曲面形状の上に位置し、上記一方面部分における緩め力の作用線上の作用点は、上記第3曲面形状の上に位置することを特徴とする工具ソケットにある(請求項1)。
上記工具ソケットは、多角形ボルト又は多角形ナットを、専ら締め付けるときにトルクが必要となる場合、又は専ら緩めるときにトルクが必要となる場合に用いることを意図している。
そして、工具ソケットは、その各内壁面において、角凹部に対して周方向一方側に隣接する一方面部分が、周方向他方側に隣接する他方面部分よりも径方向外側に位置するように形成されている。これにより、専ら締め付けるときにトルクが必要となる場合には、多角形ボルトの頭部又は多角形ナットを締め付けるときに、これらに対して各内壁面における他方面部分が接触する。
そのため、工具ソケットを回転させるときに、工具ソケットの中心と各内壁面の他方面部分における締付け力の作用線とを結ぶ垂線の長さである締付けモーメントアームをできるだけ長くすることができる。これにより、必要とする締付けトルク(モーメント)を出力するための締付け力を小さくすることができる。また、この締付けのときに、各内壁面における一方面部分が多角形ボルトの頭部又は多角形ナットに接触しない。この相乗効果により、締付けトルクを確保して、各内壁面の一方面部分を介して角凹部に生ずる集中応力を効果的に低減することができる。
また、専ら緩めるときにトルクが必要となる場合には、多角形ボルト又は多角形ナットを緩めるときに、これらに対して各内壁面における他方面部分が接触するようにする。この場合には、上記専ら締め付けるときにトルクが必要となる場合と同様に、緩めトルクを確保して、各内壁面の一方面部分を介して角凹部に生ずる集中応力を効果的に低減することができる。
このように、上記工具ソケットによれば、締付けトルク又は緩めトルクを確保して、角凹部に生ずる集中応力を低減することができ、寿命を延ばすことができる。
実施例にかかる、工具ソケットを示す断面説明図。 実施例にかかる、工具ソケットの先端部を、その軸方向から見た状態で示す平面説明図。 実施例にかかる、図2の一部を拡大して示す説明図。 確認試験にかかる、従来の工具ソケットに生ずる集中応力の解析結果を示す斜視説明図。 確認試験にかかる、実施例の工具ソケットに生ずる集中応力の解析結果を示す斜視説明図。 確認試験にかかる、従来の工具ソケットに生ずる亀裂の解析結果を示す平面説明図。 確認試験にかかる、実施例の工具ソケットに生ずる亀裂の解析結果を示す平面説明図。
上述した工具ソケットにおける好ましい実施の形態につき説明する。
上記工具ソケットは、多角形ボルトとしての六角ボルト、又は多角形ナットとしての六角ナットに対して用いることができる。また、工具ソケットは、六角以外の多角形、例えば四角形、八角形等に対応することもできる。また、工具ソケットは、手動によるソケットレンチ、電動による電動工具等に取り付けて使用することができる。
また、上記一方面部分は、上記工具ソケットの中心から上記内壁面の周方向中心を通る仮想線上の点を中心とする円に沿って径方向内側に膨らむ円弧形状の第1曲面形状を、該第1曲面形状よりも小さな曲率半径で径方向外側に膨らむ円弧形状の第2曲面形状によって変形させて形成されており、上記他方面部分は、上記第1曲面形状によって形成されている。
具ソケットの挿入穴における内壁面を第1曲面形状によって形成することにより、内壁面が、多角形ボルト又は多角形ナットに対して面接触する状態を容易に形成することができる。また、第2曲面形状によって一方面部分を形成することにより、挿入穴の各内壁面を最適な形状にして、工具ソケットの角凹部に生ずる集中応力の低減を図ることができる。
また、上記多角形ボルト又は上記多角形ナットを締め付ける際に、上記工具ソケットの中心と上記他方面部分における締付け力の作用線とを結ぶ垂線の長さである締付けモーメントアームは、上記多角形ボルト又は上記多角形ナットを緩める際に、上記工具ソケットの中心と上記一方面部分における緩め力の作用線とを結ぶ垂線の長さである緩めモーメントアームよりも長い。
具ソケットによって多角形ボルト又は多角形ナットを専ら締め付けるときにトルクが必要となる場合ある。締付けモーメントアームが緩めモーメントアームよりも長いことにより、工具ソケットに作用させる締付け力と緩め力とが同じであっても、締付けトルク(モーメント)を緩めトルク(モーメント)よりも大きく作用させることができる。そのため、締付けトルクを確保して、工具ソケットにおける角凹部に生ずる集中応力を低減することができる。
また、上記第1曲面形状と上記第2曲面形状とは、該第1曲面形状よりも小さな曲率半径で径方向内側に膨らむ円弧形状の第3曲面形状によって結ばれており、上記他方面部分における締付け力の作用線上の作用点は、上記第1曲面形状の上に位置し、上記一方面部分における緩め力の作用線上の作用点は、上記第3曲面形状の上に位置している。
具ソケットにおける内壁面の形状が適切であり、締付けトルクを確保して、工具ソケットにおける角凹部に生ずる集中応力を適切に低減することができる。
以下に、工具ソケットにかかる実施例につき、図面を参照して説明する。
本例の工具ソケット1は、図1、図2に示すごとく、多角形ボルト3における多角形の頭部31を挿入するための挿入穴2を有している。挿入穴2は、多角形の頭部31における角部の数と同じ数の内壁面21を有している。各内壁面21において、内壁面21間に形成された角凹部22に対して周方向一方側に隣接する一方面部分23Aは、角凹部22に対して周方向他方側に隣接する他方面部分23Bよりも、径方向外側に位置する。
以下に、本例の工具ソケット1につき、図1〜図3を参照して詳説する。
図1、図2に示すごとく、本例の工具ソケット1は、円筒状の軸部11の先端部12に、六角ボルトである多角形ボルト3の頭部31が挿入される六角形状の挿入穴2を設けて形成されている。工具ソケット1の先端部12の外周は、円形状に形成されている。また、工具ソケット1の挿入穴2よりも奥には、挿入穴2から連続して中心穴24が形成されている。
挿入穴2における各内壁面21は、工具ソケット1の中心Oから内壁面21の周方向中心を通る仮想線L上の点を中心とする円に沿って径方向内側に膨らむ円弧形状の第1曲面形状R1をベースにして形成されている。第1曲面形状R1を形成する円の中心は、工具ソケット1の外周よりも径方向外側に位置する。内壁面21間の角凹部22は、工具ソケット1の内周側から描かれる、後述する第2曲面形状R2よりも小さな曲率半径の円弧形状R4によって形成されている。
図3に示すごとく、各内壁面21における一方面部分23Aは、第1曲面形状R1の一部を、第1曲面形状R1よりも小さな曲率半径で径方向外側に膨らむ円弧形状の第2曲面形状R2によって変形させて形成されている。また、第1曲面形状R1の周方向一方側の端部と第2曲面形状R2とは、第1曲面形状R1よりも小さな曲率半径で径方向内側に膨らむ円弧形状の第3曲面形状R3によって結ばれている。そして、一方面部分23Aは、第3曲面形状R3と、工具ソケット1内に中心を有する円に沿って径方向外側に膨らむ円弧形状の第2曲面形状R2とが連続するように形成されている。各内壁面21における他方面部分23Bは、第1曲面形状R1の一部として形成されている。
同図においては、各内壁面21における一方面部分23Aと他方面部分23Bとが対称形状に形成された従来の工具ソケット9における内壁面90についても示す。本例の工具ソケット1においては、各内壁面21における一方面部分23Aが第2曲面形状R2の形成によって、従来の工具ソケット9における内壁面90に比べて径方向外側に膨らんでいることが分かる。
図2に示すごとく、本例の工具ソケット1は、専ら多角形ボルト3を締め付けるときに用いられ、この締付けを行う際に、各内壁面21における他方面部分23Bが多角形ボルト3の頭部31に接触する。
同図においては、工具ソケット1によって締付けを行うときに、各内壁面21における他方面部分23Bに接触する多角形ボルト3の頭部31を実線A1で示し、工具ソケット1によって緩めを行うときに、各内壁面21における一方面部分23Aの近傍の内壁面21の部分に接触する多角形ボルト3の頭部31を破線A2で示す。また、同図においては、工具ソケット1を締め付けるときに回転させる方向を符号Dによって示す。
また、締付けを行うときに各内壁面21における他方面部分23Bが多角形ボルト3の頭部31に接触する点、及び緩めを行うときに各内壁面21が多角形ボルト3の頭部31に接触する点を、それぞれ締付け時の力の作用点P1、緩め時の力の作用点P2として示す。
他方面部分23Bにおける締付け力F1の作用線X1は、第1曲面形状R1の上に位置し、第1曲面形状R1の円弧形状が多角形ボルト3の頭部31に接する接線に対して垂直に引かれる。工具ソケット1を回転させて多角形ボルト3を締め付ける際の締付け力F1は、締付け力F1の作用線X1上の作用点P1に作用する。このとき、工具ソケット1による締付けトルク(モーメント)F1・r1は、工具ソケット1の中心Oと他方面部分23Bにおける締付け力F1の作用線X1とを結ぶ垂線の長さである締付けモーメントアームr1と、締付け力F1との積となる。
また、一方面部分23Aにおける緩め力F2の作用線X2は、第3曲面形状R3の上に位置し、第3曲面形状R3の円弧形状が多角形ボルト3の頭部31に接する接線に対して垂直に引かれる。工具ソケット1を回転させて多角形ボルト3を緩める際の緩め力F2は、緩め力F2の作用線X2上の作用点P2に作用する。このとき、工具ソケット1による緩めトルク(モーメント)F2・r2は、工具ソケット1の中心Oと一方面部分23Aにおける緩め力F2の作用線X2とを結ぶ垂線の長さである緩めモーメントアームr2と、緩め力F2との積となる。
本例の工具ソケット1の各内壁面21においては、他方面部分23Bが第1曲面形状R1によって形成されているのに対して、一方面部分23Aが第2曲面形状R2及び第3曲面形状R3によって形成されている。これにより、締付けモーメントアームr1が緩めモーメントアームr2よりも長くなっている。そのため、例えば締付け力F1と緩め力F2とを同じにすると、締付けトルクF1・r1が緩めトルクF2・r2よりも大きくなる。
本例の工具ソケット1は、多角形ボルト3を専ら締め付けるときに用いる。
そして、工具ソケット1は、多角形ボルト3を締め付けるときに、各内壁面21における他方面部分23Bの第1曲面形状R1の作用点P1が多角形ボルト3の頭部31に対して接触する。そのため、工具ソケット1を回転させるときに、締付けモーメントアームr1をできるだけ長くすることができる。これにより、必要とする締付けトルクF1・r1を出力するための締付け力F1を小さくすることができる。また、この締付けのときに、各内壁面21における一方面部分23Aが多角形ボルト3の頭部31に接触しない。この相乗効果により、締付けトルクF1・r1を確保して、各内壁面21の一方面部分23Aを介して角凹部22に生ずる集中応力を効果的に低減することができる。
このように、本例の工具ソケット1によれば、締付け力F1を確保して、角凹部22に生ずる集中応力を低減することができ、その寿命を延ばすことができる。
なお、工具ソケット1を、多角形ボルト3を専ら緩めるときに用いる場合には、多角形ボルト3を緩めるときに、第2曲面形状R2が形成されていない他方面部分23Bが多角形ボルト3の頭部31に接触するようにする。この場合には、上記専ら締め付けるときに用いる場合と同様に、緩めトルクF2・r2を確保して、各内壁面21の一方面部分23Aを介して角凹部22に生ずる集中応力を効果的に低減することができる。
また、工具ソケット1は、多角形ボルト3としての六角ボルトに用いる以外にも、多角形ナットとしての六角ナットに用いることもできる。
(確認試験)
本確認試験においては、各内壁面21における一方面部分23Aを他方面部分23Bよりも径方向外側に位置させた(一方面部分23Aに第2曲面形状R2を有する)実施例1の工具ソケット1と、各内壁面91における一方面部分93Aと他方面部分93Bとが対称形状に形成された(一方面部分93Aを第1曲面形状R1のみによって形成した)従来の工具ソケット9とに生ずる集中応力について、有限要素法によるコンピュータ解析を行った。
図4は、従来の工具ソケット9によって締付けを行う際の解析結果を示し、図5は、実施例の工具ソケット1によって締付けを行う際の解析結果を示す。各図には、各工具ソケット1,9における角凹部22,92に生ずる集中応力の大きさを、角凹部22,92を拡大してモノクロ表示によって示す。各図において、白色に近い色が集中すると集中応力が大きいことを主に示し、これとは逆に黒色に近い色が集中すると集中応力が小さいことを主に示す。
図4の従来の工具ソケット9において、締付けを行う際に多角形ボルト3の頭部31に接触する他方面部分93Bには圧縮応力が作用し、締付けを行う際に多角形ボルト3の頭部31に接触しない一方面部分93Aには引張応力が作用する。このとき、一方面部分93Aには、縦方向(工具ソケット9の軸方向)に延びる白色の部分として大きな引張応力による集中応力が作用し、この最大主応力は、M8サイズのボルトにおいては1460MPaとなった。
一方、図5の実施例の工具ソケット1においても、締付けを行う際に多角形ボルト3の頭部31に接触する他方面部分23Bには圧縮応力が作用し、締付けを行う際に多角形ボルト3の頭部31に接触しない一方面部分23Aには引張応力が作用する。ただし、一方面部分23Aに第2曲面形状R2を形成したことにより、引張応力による集中応力が緩和され、この最大主応力は、M8サイズのボルトにおいては996MPaとなった。
また、本確認試験においては、従来の工具ソケット9と実施例の工具ソケット1とを相当回数繰り返し使用した場合に生ずる変形度合いについても、有限要素法によるコンピュータ解析を行った。
図6は、従来の工具ソケット9によって締付けを行う際の解析結果を示し、図7は、実施例の工具ソケット1によって締付けを行う際の解析結果を示す。各同図においては、各工具ソケット1,9の挿入穴21,91を軸方向から見た状態で示し、各工具ソケット1,9に生ずる変形を50倍に誇張して示す。
図6の従来の工具ソケット9においては、一方面部分93A及び他方面部分93Bが第1曲面形状R1のみによって形成されているため、角凹部92において径方向外方へ延びる亀裂が生じていることが分かる。一方、図7の実施例の工具ソケット1においては、一方面部分23Aが第2曲面形状R2及び第3曲面形状R3によって形成されているため、角凹部22において径方向外方へ亀裂が生じていないことが分かる。
以上の確認試験の結果より、実施例に示した工具ソケット1は、角凹部22に生ずる集中応力を低減することができ、従来の工具ソケット9に比べて寿命を延ばすことができることが分かった。
1 工具ソケット
2 挿入穴
21 内壁面
22 角凹部
23A 一方面部分
23B 他方面部分
3 多角形ボルト
31 頭部
R1 第1曲面形状
R2 第2曲面形状
R3 第3曲面形状

Claims (1)

  1. 多角形ボルトにおける多角形の頭部又は多角形ナットを挿入するための挿入穴を有する工具ソケットであって、
    上記挿入穴は、上記多角形の頭部又は上記多角形ナットにおける角部の数と同じ数の内壁面を有しており、
    上記各内壁面において、隣り合う該内壁面間に形成され、径方向外側に膨らむ円弧形状の角凹部に対して周方向一方側に隣接する一方面部分は、上記角凹部に対して周方向他方側に隣接する他方面部分よりも、径方向外側に位置し、
    上記一方面部分と上記他方面部分とが上記角凹部を挟んで対称形状に形成された場合の上記角凹部間を結び、上記工具ソケットの中心から上記角凹部間の周方向中心を通る仮想線上の点を中心とする円に沿って、上記角凹部よりも大きな曲率半径で径方向内側に膨らむ円弧形状の仮想曲面形状を想定したとき、
    上記他方面部分は、上記仮想曲面形状の一部に倣った上記第1曲面形状によって形成されており、
    上記一方面部分は、上記第1曲面形状に繋がるとともに該第1曲面形状よりも小さな曲率半径で径方向外側に膨らむ円弧形状の第2曲面形状と、上記第1曲面形状と上記第2曲面形状とを結び、上記第1曲面形状よりも小さな曲率半径で径方向内側に膨らむ円弧形状の第3曲面形状とによって形成されており、
    上記多角形ボルト又は上記多角形ナットを締め付ける際に、上記工具ソケットの中心と上記他方面部分における締付け力の作用線とを結ぶ垂線の長さである締付けモーメントアームは、上記多角形ボルト又は上記多角形ナットを緩める際に、上記工具ソケットの中心と上記一方面部分における緩め力の作用線とを結ぶ垂線の長さである緩めモーメントアームよりも長く、
    上記他方面部分における締付け力の作用線上の作用点は、上記第1曲面形状の上に位置し、上記一方面部分における緩め力の作用線上の作用点は、上記第3曲面形状の上に位置することを特徴とする工具ソケット。
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