JP6088773B2 - 金属容器 - Google Patents

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Description

この発明は、容器のいわゆる本体となる胴部が全体としては円筒状をなすように金属製薄板で形成された容器に関するものである。
従来、飲料や果物などの缶詰に金属缶が多用されており、その金属缶は円筒状の胴部に上下の蓋を取り付けたスリーピース缶や、底部が胴部と一体になりかつその胴部に上蓋を取り付けたツーピース缶が一般的であり、最近ではネジ付きキャップによって再封止することのできるボトル型缶も開発されている。この種の金属容器の胴部は、矩形状の薄板を筒状に成形しかつ突き合わせた両端エッジ部を溶接して形成され、あるいは薄い円板状のブランクに絞り加工およびしごき加工などを施して円筒状に形成される。
最大外径部分が円筒状をなしていれば、起立状態(もしくは正立状態)の容器に水平方向での方向性がないので、製造あるいは成形が比較的容易であり、また搬送性あるいはハンドリング性が良好になる。これに対して、胴部を構成しているスチール板やアルミ板もしくはアルミ合金板などは、成形性がよいので、最近では、製品としての缶の意匠性を高めるために、胴部の外表面に多様な、あるいは複雑な凹凸を形成することも行われるようになってきている。また、金属容器に必要とする材料を可及的に削減する目的で最近では、胴部を含めた容器全体の薄肉化が検討されており、そうした場合の強度保持を図るために胴部に特殊な形状を施すことも行われる。例えば特許文献1には、内圧に応じて内部容積が増大もしくは減少するように胴部(缶本体)が撓む構造が記載されている。具体的には、円筒状の側壁に軸線方向に長い複数の窪み部を形成し、その窪んだ部分のいわゆる底部を柔軟性のあるパネルとし、かつそのパネル同士の境界をリブとした缶本体である。この特許文献1に記載された構造では、内圧が低下した場合に、リブと共にパネルが内側に撓んで内部容積が減少し、また反対に内圧が高い場合には、リブと共にパネルが外側に撓んで内部容積が増大する、とされている。
特表平7−505848号公報
上記の特許文献1に記載された缶本体では、内圧の変化をパネルの変形によって吸収するように構成されており、そのような変形を容易に生じさせるために、もしくはそのような変形が生じることを可能にするために、リブ同士の間の部分すなわち縦溝の底面が缶本体の内側に窪んだ形状とされている。より具体的には、パネルはリブと共に、缶本体の上下方向(軸線方向)での中央部が缶本体の内側に窪むように滑らかに湾曲しており、これに加えてリブの先端が缶本体における側壁面の円筒包絡面の弦に一致しているもののリブ同士の間の部分である縦溝の底面は、缶本体の円周方向において缶本体の内側に窪んで湾曲している。
このように、特許文献1に記載されているパネルは、上述したように内圧の変化によって容易に撓むように構成されるから、缶本体もしくは缶容器の強度の低下要因になる。すなわち、パネルは内側に撓み易い部分となるから、缶本体に軸線方向(上下方向)の荷重が作用した場合、缶本体が座屈しやすく、必要な座屈強度を得られなくなる可能性がある。そのため、例えばロールオンキャップを有する容器の本体として使用すると、キャッピングの際の上下方向の荷重によって缶本体が変形してしまったり、あるいはキャッピングの際に掛け得る荷重が制限されてロールオンキャッピングに支障が生じたりする可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、胴部が搬送性や製造性などを損なうことなく特異な形状をなすとともに、座屈強度に優れた金属容器を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、胴部が金属製薄板によって筒状に形成された金属容器において、前記胴部の上端部分と下端部分とが円筒状をなし、かつ
前記胴部の中間部における円周方向での所定の領域が前記上端部分もしくは下端部分の外周円筒面よりも前記胴部の内側に後退した後退部とされ、その後退部は、前記上端部分もしくは下端部分の外周円筒面の曲率半径より大きい曲率半径で前記胴部の外側に向けて凸となった凸曲面を基準面として前記胴部の外側もしくは内側に向けて突出させられた複数のビードを備え、前記後退部の輪郭形状は、前記胴部の軸線方向が短軸であって前記円周方向が長軸である楕円状に形成されていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ビードは、前記胴部の軸線方向に沿いかつ互いに平行な複数の縦ビードを含むことを特徴とする金属容器である。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記縦ビードは、前記基準面となっている凸曲面から前記胴部の外側に向けて突出するとともに前記胴部の軸線方向に沿う縦断面における稜線部が前記胴部の内側に窪んで湾曲するように形成されていることを特徴とする金属容器である。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記後退部は、前記胴部の直径方向で互いに対向する二箇所に設けられていることを特徴とする金属容器である。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記胴部の下端開口部を閉じる底蓋が前記胴部に巻き締め部によって取り付けられるとともに、前記胴部の上端部に上端側に次第に外径が小さくなる肩部と頸部とが連続して形成され、その頸部の上端開口部が前記頸部に螺着されるキャップによって密閉されていることを特徴とする金属容器である。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記後退部の上端と前記胴部における前記肩部側の端部との間隔より前記後退部の下端と前記胴部の前記巻き締め部側の端部との間隔が狭いことを特徴とする金属容器である。
請求項1の発明によれば、胴部の軸線方向での中間部が胴部の内側に後退しており、しかもその後退部が胴部の基本形状すなわち上端部分や下端部分のように凸円弧状になっている。そのため、胴部の外観は、単純な円筒状ではなく、その基本形状と比較して相対的に幾分平坦に近くなっている形状を中央部に有しているので、特異なものとなる。その後退部の曲率半径の選択の仕方によっては、胴部の軸線方向での中間部を、断面形状が楕円形を呈する形状とすることができる。その後退部は、胴部を単純な円筒状に形成した後に前記上端部分や下端部分に対して内側に後退させて形成されると、その円周方向での長さすなわち周長が後退変形させる前に比較して短くなるが、複数のビードが形成されていることにより周長が短くなることにより生じるいわゆる余長がビードによって吸収され、後退部を所期の形状とすることができる。
さらに、後退部は胴部の外側に向けて凸となった凸曲面であるから、胴部に軸線方向(上下方向)の荷重が作用した場合にいわゆる腰折れとなるような変形すなわち座屈が生じにくく、したがって後退部のある特異形状であるにも関わらず座屈強度の高い金属容器とすることができる。そして、後退部に対して外側に突出している上端部分や下端部分は円筒状をなしているから、金属容器同士を接触させて搬送したり、あるいは箱詰めしたりするなどの際に金属容器の回転方向での向きが問題となることがなく、さらには通常の金属缶と同様の工程で製造した後に前記後退部を形成することが可能であり、搬送性やハンドリング性あるいは製造性の良好な金属容器とすることができる。
請求項2の発明によれば、複数のビードが胴部の軸線方向に沿って形成されているので、座屈強度を更に高くすることができ、また胴部をその中心軸線を中心にして回転させてビードを形成する場合には、周方向への凹凸が形成されるため、全体の周長を長くすることができ、成形に伴う余肉もしくは余長部分を成形の終了側に偏らせる度合いが小さくなり、シワなどの成形不良もしくは成形欠陥が生じにくくなる。
請求項3の発明によれば、縦ビードの稜線部分すなわち胴部の外面側における縦ビードのエッジ部分が、その長手方向(軸線方向)での中心側で窪んでおり、これは、縦ビードの稜線部分を繋いだいわゆる包絡面が胴部の内側に窪んだ形状である。したがって、胴部をシュリンクフィルムなどで覆った場合、後退部で窪んだ形状になり、製品としての容器の形状を特異なものとすることができる。また、湾曲しているため、成形性を損なうことを抑制できるとともに、後退部での応力の集中を緩和することにより、座屈強度の強い容器を得ることができる。
請求項4の発明によれば、胴部の直径方向で対向する二箇所に形成されている後退部が、その後退部に円周方向で隣接する箇所に対して内側に位置し、かつその曲率半径が大きい相対的に滑らかな箇所になっているので、胴部の断面形状が、より楕円に近い形状になり、またその二箇所の後退部が金属容器を持つ場合に指を掛ける部分として機能し、金属容器を持ち易いものとすることができる。
請求項5の発明によれば、キャップによって再封止可能ないわゆるリシール缶を、ガラス製もしくは合成樹脂製のボトルの形状に近づけることができる。
請求項6の発明によれば、そのリシール缶の座屈強度を更に高くすることができる。すなわち、再栓機能を持ち合わせたリシール缶の肩部は、胴部に対して肉厚となっている。このため、胴部に後退部を形成した場合、後退部の上部の区間には座屈は発生しにくい。逆に、後退部の下方の非成形区間は座屈が発生し易い区間であるので、請求項6の発明によれば、この区間を短くすることができるので座屈強度を向上させることができる。
この発明に係る金属容器の一例を示す正面図である。 その金属容器の側面図である。 図1のIII−III線に沿う断面図である。 図2のIV−IV線に沿う断面図である。 後退部を成形する方法の一例を模式的に示す図である。 そのインナーツールの一例を示す斜視図である。 座屈強度の解析結果をまとめて示す図表である。
この発明に係る金属容器は、少なくとも胴部が金属製薄板で形成された容器であり、金属製のツーピース缶、金属製のスリーピース缶、金属製のリシール缶が典型的な例である。したがって、素材はスチールやアルミニウムあるいはアルミニウム合金などである。図1および図2には、この発明をボトル型缶(リシール缶)に適用した例を示してある。ここに示す例は、円形の薄板を絞りしごき成形して造られる容器であり、先ず胴部1となる部分を成形し、その胴部の底付き底部側に数回の絞り加工と平滑化加工とを行うことになり、上側で次第に径が小さくなる肩部2および頸部3に相当する部分を成形し、さらにその頸部3の先端部を切断して開口部4を形成して得られる。このとき、形成された肩部2の壁厚は胴部1よりも厚くなるように形成している。そして、頸部4にネジ部5が形成され、また底部には底蓋6が巻き締められる。
その胴部1の軸線方向(上下方向)での中間部に後退部7が形成されている。この後退部7は胴部1の一部を内側に後退させた部分であり、この後退部7の輪郭形状は製品として得るべき形状に基づいた適宜な形状であってよく、図1に示すような楕円形状や、いわゆる角丸の矩形形状であってよく、上下対称および左右対称の形状が好ましい。図1および図2に示す例では、胴部1の直径方向で互いに対向する二箇所に後退部7が形成されており、それぞれの後退部7と同一の形状・構造に構成されている。なお、図1に示す楕円形状は、円周方向が長軸であってその円周方向の周長は70mm、軸線方向(上下方向)が短軸であってその長さ(すなわち高さ)は50mmである。そして、これらの後退部7は、製品としての金属容器を持つ場合に指を掛ける部分として機能する。
後退部7は、円筒状に成形された胴部1の一部を窪み変形させた部分である。その窪み変形は、元々の胴部1の外表面であるいわゆる非成形部8に対して段が付くような変形ではなく、僅かな折れ線が生じるか、幅の広い稜線が生じる程度に滑らかに連続した窪み変形である。また、その窪み変形は、元々の胴部1の外表面を内側に後退させた変形であり、したがって後退部7の基準となる面は、図4に示すように、胴部1の外表面の曲率半径より大きい曲率半径の凸曲面(胴部1の外側に向けて凸となる曲面)である。なお、後退部7の最大後退寸法に関しては、小さすぎると指を掛ける部分として機能せず、大きすぎると成形時のシワの発生や座屈強度の低下の可能性が高くなるので、胴部1の外表面(非成形部8を延長した円筒面)から後退部7の最大後退寸法は、2〜3mm程度であることが好ましい。
後退部7にはその凸曲面を基準面として複数のビード9が形成されている。したがって、後退部7は単純な円弧面ではなく、多数の凹凸を備えた凸曲面によって構成されている。そのビード9は強度を維持し、また成形加工を容易にすること、具体的には後退部の形成の際に発生する余長によって生じる胴部のシワの発生を防止することを主たる目的とするものであり、したがってその形状や数などはその目的を達成し得るものであれば適宜に選択することができる。例えば、後退部7の輪郭に沿った複数の環状のビードや同心円状のビード、斜めのビードや水平のビードであっても良いが、好ましくは、周方向への凹凸によって、全体の周長を長くし、周方向の余肉を少なくするために、図1および図2に示すようにビード9は、直線状の縦ビードであることが好ましい。
これらのビード9は後退部7を形成している凸曲面を基準面として、胴部1の外側もしくは内側に向けて突出させられているが、胴部1の外側に向けて突出させた場合の突出高さは、後退部7の前記非成形部8からの後退寸法未満となっている。突出高さは、小さすぎると周方向の余肉もしくは余長部分を吸収する作用が不十分となってシワが発生しやすくなり、大きすぎると成形時に胴部1に破断や亀裂が生じ易くなるため、具体的には、0.15〜0.5mmが好ましい。また、ビード9のピッチは小さすぎるとビード9の突出高さを大きくできないために周方向の余肉もしくは余長部分を吸収できなくなり、大きすぎると成形時にシワが発生する可能性が高くなるため、3〜6mmが好ましい。したがって、ビード9の先端部である稜線を繋いだ包絡面10は、図4に示すように、非成形部8の円筒面11から内側に後退した凸曲面をなしている。また、後退部7(もしくはその基準面)は非成形部8に対して滑らかに連続するように形成されているから、ビード9が図1や図2に示すいわゆる縦ビードであれば、そのビード9の高さは、上側および下側で次第に低くなっている。
そして、その稜線の形状(胴部1の軸線方向に沿うビード9の縦断面形状)は、図2に示すように、胴部1の内側に滑らかに窪んだ円弧をなしており、円弧は好ましくは単一の曲率からなる円弧である。これは、後退部7を構成している凸曲面の縦断面形状に沿う形状であり、したがって図に示す例では、後退部7を非成形部8に対して内側に後退させることによりその部分の上下方向での長さが長くなるとしても、その伸長量が可及的に短くなるように構成されている。単一の曲率からなる円弧の場合、複数の曲率からなる円弧の形状よりも、上下方向の伸長量が短くなり、座屈強度が高くなる。また、円弧であれば、ストレートな部分を設けている形状に比べてシワの発生が少なく、成形性が良好になるとともに、座屈発生の起点となる折れ曲がり部が無いため、座屈強度が向上する。したがって、胴部1の外形もしくはそのシルエットは、図3に示すように、軸線方向での中央部がくびれた形状になっている。
なお、後退部7の上下方向での位置は、胴部1の上下方向での中央より下がった位置であることが好ましい。より具体的には、胴部1の上端(胴部1と前記肩部2との境界)と後退部7の上端との間隔(幅)L1が、胴部1の下端(胴部1と巻き締め部12に向けて絞られている箇所との境界)と後退部7の下端との間隔(幅)L2より大きくなるように、後退部7の位置が設定されている。これは、本実施例では肩部2は胴部1に対して肉厚になっており、後退部7の上方の区間には座屈は発生しにくいため、座屈の発生し易い後退部7の下方の区間を短くすることによって座屈強度を向上させている。なお、後退部7の最大幅(円周方向での幅)は、中心角度で105°以上であることが好ましい。したがって、各後退部7の間の幅は中心角度で75°以下である。また、後退部7の最大幅を中心角度で105°以上にした場合、後退部7のビード9によって十分な座屈強度を得ることができ、さらに、後退部の中間部の横断面形状がほぼ楕円形状になる。
ここで、上述した後退部7を成形する方法について説明する。この発明の金属容器は、円筒状の胴部1を有し、その胴部1に所定の加工を施して得ることができる。すなわち、胴部1を変形させて後退部7を成形する。図5はその成形方法を説明するための模式図であり、予め円筒状に成形された胴部1の内部にインナーツール13が挿入され、そのインナーツール13の走行経路の途中にアウターツール14が配置されている。インナーツール13は胴部1の内径より僅かに小さい外径を有する円柱状(もしくは円筒状)の部材であって、その外周面に前記後退部7の形状に対応する形状の成形部15が設けられている。図6はその一例を示しており、その成形部15は輪郭が楕円形をなし、かつ中心軸線側に窪んだ部分であり、その内部に前述したビード9に対応する形状の複数の縦溝が形成されている。このインナーツール13は、その中心軸線を中心に回転し、かつその半径方向に移動するように配置されている。これに対してアウターツール14は、上記のインナーツール13を向いている表面部に、ゴム板などの胴部1と接触する弾性受け面16を設けたものであって、胴部1の周長以上の長さに構成されている。なお、本実施例では弾性受け面16を設けているが、その弾性受け面16を設けずに後退部7の成形を行うこともできる。その場合、アウターツール14にインナーツール13の成形部15とは雄雌の関係となる凹凸形状の成形部を設ける必要がある。そして、このアウターツール14は、インナーツール13の移動経路に沿い、かつインナーツール13に嵌合させた胴部1をインナーツール13との間に挟み付けるように配置されている。
したがって、インナーツール13に嵌合させた胴部1がインナーツール13と共にアウターツール14の表面側を移動すると、胴部1がインナーツール13によってアウターツール14に押し付けられる。その場合、アウターツール14の表面が弾性受け面16によって構成されているので、その弾性受け面16がインナーツール13の表面形状に応じて変形する。それに伴って両者の間に挟み込まれている胴部1が変形する。インナーツール13はアウターツール14の表面に沿って移動する際に回転し、それに合わせて胴部1も回転するから、インナーツール13の外周面の形状が胴部1に転写される。すなわち、インナーツール13に形成されている成形部15の形状が胴部1に付与され、前述した後退部7が形成される。その場合、後退部7は胴部1の内側に窪んでいるので、その周長が短くなるが、その余長もしくは余肉はビード9によって吸収される。また、後退部7の軸線方向(上下方向)での長さが成形前に比較して長くなるが、後退部7は非成形部8に滑らかに連続した形状であって成形に伴って延びる長さが可及的に短くなるように構成されているので、胴部1を構成している素材に過度な張力が作用することはない。したがって既に成形されている胴部1に対して前述した後退部7を、過度なシワや破断あるいは亀裂などの欠陥を生じさせることなく成形することができる。なお、胴部1を上記のように成形する際に、胴部1の外周面は、インナーツール13の外周面と前記弾性受け面16とによっていわゆるシワ押さえされる。その弾性受け面16はアウターツール14の表面側に設ける替わりに、インナーツール13の外周側に設けてもよい。
ここで、上述した後退部7による座屈強度に対する影響を解析した結果を示す。その解析に供された金属容器は、ラミネートされたアルミ合金板を素材としたボトル型缶であり、その胴部の径が66mmであり、その板厚が0.170mmである。そのボトル型缶を正立状態において、上下方向に荷重を掛け、座屈が生じた際の荷重を座屈強度とした。
先ず、後退部7の横幅Wを70.0mm、後退部7の上側に続く非成形部8の幅L1を2.3mm、後退部7の下側に続く非成形部8の幅L2を4.1mmとし、後退部7の軸線方向(上下方向)の寸法(縦幅)Hを30mmから65mmまで10mm(60mmと65mmとの間は5mm)間隔で変化させて解析した。結果を図7の図表にまとめて示してある。
また、後退部7の横幅Wの影響を調べるために、その横幅Wを50mmから80mmまで、10mmずつ変化させて座屈強度を求めた。なお、後退部7の縦幅Hは50mm、後退部7の上側に続く非成形部8の幅L1を2.3mm、後退部7の下側に続く非成形部8の幅L2を4.1mmとした。結果を図7の図表にまとめて示してある。
さらに、後退部7の上側に続く非成形部8の幅L1の影響を調べるために、その幅L1を0.0mm、6.4mm、10.0mmに変化させて座屈強度を求めた。なお、後退部7の縦幅Hは50mm、後退部7の横幅Wは70mm、後退部7の下側に続く非成形部8の幅L2を0.0mmとした。結果を図7の図表にまとめて示してある。
そして、後退部7の下側に続く非成形部8の幅L2の影響を調べるために、その幅L2を0.0mm、6.4mm、10.0mmに変化させて座屈強度を求めた。なお、後退部7の縦幅Hは50mm、後退部7の横幅Wは70mm、後退部7の上側に続く非成形部8の幅L1を0.0mmとした。結果を図7の図表にまとめて示してある。
図7に示す結果から、後退部7の縦幅Hが小さいほど座屈強度が大きいが、50mmを超えるとは座屈強度が特には変化しないことが認められた。したがって、縦幅Hは金属容器の意匠上の要求から決めればよいものと考えられる。また、後退部7の横幅Wが大きいほど、座屈強度が大きくなることが認められた。前述したように全体として円筒状をなす胴部の一部に内側に後退した後退部7を形成して特異形状とするとすれば、後退部7の横幅Wは自ずと限度があるから、意匠上の要求に応じて横幅Wを決め、その中に収まるビード9の本数を多くすることが好ましいものと考えられる。
さらに、後退部7の上側に続く非成形部8の幅L1が広くなるのに従って座屈強度が大きくなることが認められた。これとは反対に後退部7の下側に続く非成形部8の幅L2は狭いほど、より具体的には間隔をあけない場合に座屈強度が最も大きくなった。したがってこの発明では、後退部7の上側に続く非成形部8の幅L1よりも後退部7の下側に続く非成形部8の幅L2を小さくすることとした。
1…胴部、 2…肩部、 3…頸部、 4…開口部、 5…ネジ部、 6…底蓋、 7…後退部、 8…非成形部、 9…ビード、 10…包絡面、 11…円筒面、 12…巻き締め部、 13…インナーツール、 14…アウターツール、 15…成形部、 16…弾性受け面、 W…(後退部の)横幅、 L1…(後退部の上側に続く非成形部の)幅、 L2…(後退部の下側に続く非成形部の)幅、 H…(後退部の)縦幅。

Claims (6)

  1. 胴部が金属製薄板によって筒状に形成された金属容器において、
    前記胴部の上端部分と下端部分とが円筒状をなし、かつ
    前記胴部の中間部における円周方向での所定の領域が前記上端部分もしくは下端部分の外周円筒面よりも前記胴部の内側に後退した後退部とされ、
    その後退部は、前記上端部分もしくは下端部分の外周円筒面の曲率半径より大きい曲率半径で前記胴部の外側に向けて凸となった凸曲面を基準面として前記胴部の外側もしくは内側に向けて突出させられた複数のビードを備え、
    前記後退部の輪郭形状は、前記胴部の軸線方向が短軸であって前記円周方向が長軸である楕円状に形成されている
    ことを特徴とする金属容器。
  2. 前記ビードは、前記胴部の軸線方向に沿いかつ互いに平行な複数の縦ビードを含むことを特徴とする請求項1に記載の金属容器。
  3. 前記縦ビードは、前記基準面となっている凸曲面から前記胴部の外側に向けて突出するとともに前記胴部の軸線方向に沿う縦断面における稜線部が前記胴部の内側に窪んで湾曲するように形成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の金属容器。
  4. 前記後退部は、前記胴部の直径方向で互いに対向する二箇所に設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の金属容器。
  5. 前記胴部の下端開口部を閉じる底蓋が前記胴部に巻き締め部によって取り付けられるとともに、前記胴部の上端部に上端側に次第に外径が小さくなる肩部と頸部とが連続して形成され、その頸部の上端開口部が前記頸部に螺着されるキャップによって密閉されていることを特徴とする請求項1ないし4にいずれかに記載の金属容器。
  6. 前記後退部の上端と前記胴部における前記肩部側の端部との間隔より前記後退部の下端と前記胴部の前記巻き締め部側の端部との間隔が狭いことを特徴とする請求項5に記載の金属容器。
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