JP6088035B1 - 切削工具選択システム及び切削工具選択方法 - Google Patents
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Abstract
Description
図1を参照して、本発明の第1の実施形態による切削工具選択システムを説明する。この図1は、本発明の第1の実施形態による切削工具選択システムの構成例を示す図である。図1に示す切削工具選択システムは、CADデータ入力部101、3次元形状生成部102、3次元形状抽出部103、面積3D率算出部104、モード対応工具抽出部105、被削材料対応工具抽出部106、機械対応工具抽出部107、工具形状抽出部108、工具選定部109、結果出力部110、工具データベース111、3Dデータ記憶部112、工具検索用データベース113、CAD取得情報テーブル記憶部114及び工具形状確定用テーブル記憶部115の各々を備えている。
参照目的は、各CAD取得情報の参照目的が示されている。出力データは、参照目的に対応して取得されたCAD取得情報に対応する数値が示されている。記号は、各CAD取得情報の数値の種別を示す識別情報である。
本実施形態においては、例えば、CAD取得情報の種類として、最峡部幅、最大垂直高さ、凹凸定義、ワーク座標系、最小輪郭R、最小底R、曲率部面積割合、平坦部面積割合、立ち壁部面積割合、角度壁部面積割合、ピン角有無し、除去体積、表面積の各々が記載されている。
図3(a)は、最小輪郭Rを示す構成例が記載されている。この図3(a)においては、ワークの3次元形状モデルにおける壁501と壁505との境界503が、壁501及び壁505の輪郭に沿った輪郭方向に切削する設計のピン角である。また、ワークの3次元形状モデルにおける壁501と底部506との境界507が、底部506に沿った底部方向に切削する設計のピン角である。
また、図3(b)は、最小底Rを示す構成例が記載されている。この図3(b)においては、最小輪郭Rがワークの3次元形状モデルにおける壁501と壁505との境界503のピン角を設計変更したフィレット曲面503’の径Rであることを示している。最小底Rがワークの3次元形状モデルにおける壁501と底部506の境界507のピン角を設計変更したフィレット曲面507’の径Rであることを示している。
この平坦部面積割合の参照目的は、切削工具の工具形状(切削工具の刃の形状)の選定に用いる3D率を算出するために用いる。平坦部面積が多くある場合、2次元平面に平行な面を削り出す加工(2D(2次元)加工)が多い加工領域であることが推定される。すなわち、切削工具の形状としては平面を切削するのに適しているFLATが用いることが必要であることが推定される。平坦部面積割合の出力データは、3D形状モデルの加工領域の全面積における平坦部の面積の割合としてパーセンテージ(%)として出力される。
この立ち壁部面積割合の参照目的は、切削工具の工具形状(切削工具の刃の形状)の選定に用いる3D率を算出するために用いる。立ち壁部面積が多くある場合、2次元平面に垂直な面を削り出す加工(2D加工)が多い加工領域であることが推定される。すなわち、切削工具の形状としては、平面を切削するのに適しているFLATが用いることが必要であることが推定される。立ち壁部面積割合の出力データは、加工領域の全面積における立ち壁部の面積の割合としてパーセンテージ(%)として出力される。
ピン角有無しの参照目的は、厳密な意味で設計値におけるピン角の加工を行うことができないため、許容できるフィレット曲面の径Rを取得する必要が有るピン角の有無を検出するためである。すなわち、ワークの3次元形状モデルにおいて指定された加工領域を参照し、加工領域におけるピン角の有無を検出する。これにより、ピン角が有る場合、この径Rのフィレット曲面を加工することができる工具形状及び最小径を有する切削工具を選定するため、工程設計者に対する許容できるフィレット曲面のRの入力を促し、切削工具を選定するパラメータとして工程設計者が許容するフィレット曲面のRを工程設計者から取得する。ピン角有無しの出力データは、ピン角が検出された際に書き込まれるデータであり、そのピン角の最小輪郭の径Rの寸法(単位はmm)が記載され、I1の符号が付されている場合、輪郭方向のピン角の径であり、I2の符号が付されている場合、底方向のピン角の径である。ここで、ピン角の有無は、3次元形状抽出部103により3次元形状モデルから抽出され、ピン角があった場合、その箇所に付けてよいコーナーR値(許容値半径値)の入力を促す通知を行う。そして、3次元形状抽出部103は、通知に対応して入力されたコーナーR値を最小輪郭の径Rの寸法とする。しかしながら、3次元形状抽出部103は、許容値として入力されるコーナーR値が予め設定された閾値(径R)を下回る場合(許容値が小さすぎる場合)、切削加工では工具剛性上から加工不可と判断され、切削工具を選定せず、他の加工法(例えば放電加工)を推奨する旨の通知を行う。例えば、閾値としては、輪郭方向に対して:有効長L/Dが6倍以上の直壁部と最小輪郭の径Rが0.05mm以下、また、底方向に対して:壁面(直壁、テーパ壁、曲面)と接続する床面境界の径Rが0.01以下である。
除去体積の参照目的は、除去体積を素材から切削するために必要な切削工具の本数を推定する。すなわち、選定する切削工具の寿命(切削によって摩耗し、工具として使用できる期間)に対して、切削に必要な時間から用いる切削工具の本数を推定するために参照する。また、切削工具の寿命を延ばすための参考データとしても用いる。除去体積の出力データは、素材から除去する素材の材料の体積量を示す単位(例えば、cc)などである。また、除去体積は、切削工程の作成の際、最大切削工具径の切削工具を検討する場合に、この最大切削工具径の切削工具により素材から切削される体積により求めることもできる。
また、面積3D率算出部104は、算出した曲率部面積割合及び角度壁部面積割合の各々を加算して、加算結果を面積3D率とし、CAD取得情報テーブル記憶部114のCAD取得情報テーブルに対応させて書き込んで記憶させる。
また、モード対応工具抽出部105は、ワークのモードにより、後述する工具データベース111の工具カタログテーブルから、選定とする候補となる切削工具を抽出する。
記号W2は、分類が調質鋼の材料であり、硬度表記がHRC40であり、適合被削材種一般が炭素鋼、SUS系快削、AISA P21であり、この分類の素材の材料の切削に適した工具形状がRADIであることが示されている。
記号W3は、分類が焼き入れ鋼の材料であり、硬度表記がHRC55であり、適合被削材種一般がSKD61、SUS系420、SUS440Cであり、この分類の素材の材料の切削に適した工具形状がBALLであることが示されている。
記号W4は、分類が工具鋼の材料であり、硬度表記がHRC65であり、適合被削材種一般がSKD11、SKH51、マトリックス系、粉末高速度工具鋼であり、この分類の素材の材料の切削に適した工具形状がBALLであることが示されている。
記号M1は、低回転、高トルクであり、定格トルクが60(N・m)であり、最高出力が30(kW)であり、ツール形式がBT40以上であり、最高回転数が12000(RPM)であり、最大径が20(cm)であり、最小径が0.5(cm)であり、切削工具形状がFLATである。
また、記号M2は、バランスタイプであり、定格トルクが30(N・m)であり、最高出力が40(kW)であり、ツール形式がBT30相当であり、最高回転数が25000(RPM)であり、最大径が10(cm)であり、最小径が0.1(cm)であり、切削工具形状がRADIである。
また、記号M3は、高回転、低トルクであり、定格トルクが8(N・m)であり、最高出力が10(kW)であり、ツール形式がHSK−E32相当であり、最高回転数が45000(RPM)であり、最大径が6(cm)であり、最小径が0.05(cm)であり、切削工具形状がBALLである。
また、記号M4は、超高速回転であり、定格トルクが4(N・m)であり、最高出力が5(kW)であり、ツール形式がHSK−E25相当であり、最高回転数が80000(RPM)であり、最大径が3(cm)であり、最小径が0.05(cm)であり、切削工具形状がBALLである。
素材Wにおいては、図6に示す工具検索用データベース113に記憶されている素材テーブルにおける記号W1、W2、W3及びW4の各々に対してスペック(図6における硬度表記に示されたスペック)と工具形状とその点数がポイントとして設定されている。
本実施形態において、記号M1はスペックがS12000に対応し、工具形状としてFLATが適した切削工具であり、ポイントが2と設定されている。記号M2はスペックがS25000に対応し、工具形状としてRADIが適した切削工具であり、ポイントが2と設定されている。記号W3はスペックがS45000に対応し、工具形状としてBALLが適した切削工具であり、ポイントが2と設定されている。記号W4はスペックがS80000に対応し、工具形状としてBALLが適した切削工具であり、ポイントが2と設定されている。
また、工具形状抽出部108は、3Dデータ記憶部112におけるCADデータからワークを削り出す際に用いる機械のスペック(図7の機械テーブルにおける最高回転数)を読み出す。また、機械のスペックは、工程設計者が図示しない入力手段から入力するように構成しても良い。そして、工具形状抽出部108は、工具形状確定用テーブル記憶部115の採点用点数テーブルから、読み出した機械のスペックに対応する工具形状を読み出す。
また、工具形状抽出部108は、CAD取得情報テーブル記憶部114から、工具選定対象の加工領域のCAD取得情報テーブルに対応して記憶されている面積3D率を読み出す。
そして、工具形状抽出部108は、ワークのモードに対応させ、スペック(面積3D率)に対応する工具形状を、工具形状確定用テーブル記憶部115の採点用点数テーブルから読み出す。
条件式#1_1 W=M=DDD
条件式#1_2 M=DDD
条件式#1_3 M≠DDD
上記条件式#1_1は、素材のスペックに対応した工具形状と、機械のスペックに対応した工具形状と、面積3D率に対応した工具形状との各々が等しいか否かを示す条件式である。
条件式#1_2は、機械のスペックと面積3D率のスペックとの双方に対応する工具形状が等しく、一方、機械のスペックと面積3D率のスペックとの双方に対応する工具形状と素材のスペックに対応する工具形状とが異なるか否かを示す条件式である。
条件式#1_3は、素材のスペックに対応する工具形状と面積3D率に対応する工具形状とが等しい否かにかかわらず、機械のスペックに対応する工具形状と面積3D率に対応する工具形状とが異なるか否かを示す条件式である。
工具形状抽出部108は、算出した合計ポイントと素材のスペックに対応するポイントとを比較し、算出した合計ポイントが素材のスペックに対応するポイント以上か否かの判定を行う。ここで、工具形状抽出部108は、算出した合計ポイントが素材のスペックに対応するポイント以上である場合、加工領域の切削工具の工具形状として、機械のスペック及び面積3D率の各々に対応した工具形状を選択する。一方、工具形状抽出部108は、算出した合計ポイントが素材のスペックに対応するポイント以上でない場合、加工領域の切削工具の工具形状として、素材のスペックに対応する工具形状を選択する。
形状変換式#2_1 NT←BALL(M)+FLAT(DDD)=RADI
形状変換式#2_2 NT←RADI(M)+BALL(DDD)=BALL
形状変換式#2_3 NT←FLAT(M)+RADI(DDD)=RADI
形状変換式#2_1は、機械のスペックに対応する工具形状がBALL(M)で、面積3D率に対応する工具形状がFLAT(DDD)である場合、工具形状をRADI(NT)に変換することを示す式である。
形状変換式#2_2は、機械のスペックに対応する工具形状がRADI(M)で、面積3D率に対応する工具形状がBALL(DDD)である場合、工具形状をBALL(NT)に変換することを示す式である。
形状変換式#2_3は、機械のスペックに対応する工具形状がFLAT(M)で、面積3D率に対応する工具形状がRADI(DDD)である場合、工具形状をRADI(NT)に変換することを示す式である。
条件式3_1 W=NT
条件式3_2 W≠NT
上記条件式#3_1は、素材のスペックに対応した工具形状と、形状変換した工具形状とが等しいか否かを示す条件式である。
上記条件式#3_2は、素材のスペックに対応した工具形状と、形状変換した工具形状とが異なるか否かを示す条件式である。
工具形状抽出部108は、条件式#3_1が成り立たず、条件式#3_2が成り立つ場合、工具形状確定用テーブル記憶部115の採点用点数テーブルから、3D面積率に対応する工具形状の変形加算値を読み出す。そして、工具形状抽出部108は、3D面積率に対応したポイントと読み出した変形加算値とを加算し、加算結果を新たな3D面積率に対応したポイントを算出する。工具形状抽出部108は、この新たな3D面積率に対応したポイントと、機械のスペックに対応したポイントとを加算し、合計ポイントを算出する。工具形状抽出部108は、算出された合計ポイントとワークの素材に対応したポイントとを比較し、合計ポイントがワークの素材に対応したポイント以上か否かの判定を行う。
工具形状抽出部108は、上述したように選択した加工領域を切削する切削工具の工具形状に対応する切削工具を、工具データベース111の工具カタログから抽出する。
このとき、工具選定部109は、CAD取得情報テーブル記憶部114に記憶されている、加工領域に対応したCAD取得情報テーブルから、加工領域における狭部幅、最大垂直高さ及びフィレット曲面の径Rの情報を読み出す。
そして、工具選定部109は、最狭幅部の幅の数値を、この最狭幅部を加工するために用いる切削工具の刃の径とする。また、工具選定部109は、最大垂直高さの数値を、この最大垂直高さを切削加工するために用いる切削工具の有効長とする。そして、最峡部幅及び最大垂直高さの数値に基づき、工具選定部109は、加工領域を切削加工する荒工程において用いる切削工具を工具データベース111の工具カタログから抽出する。
一方、工具選定部109は、3次元形状モデルの加工領域において、フィレット曲面が有り、かつフィレット曲面の径Rが荒工程用の切削工具の径Rより大きい場合、切削工具において最大切削工具径以下であり、かつ最短切削工具有効長以上の切削工具のなかから、仕上げ工具として切削工具の径Rがフィレット曲面の径R未満の切削工具を、仕上げ工程ようの切削工具として抽出する。ここで、工具選定部109は、フィレット曲面のRとして、CAD取得情報テーブル記憶部114のCAD取得テーブルを参照して、フィレット曲面のRとして最小輪郭Rと最小底Rとの各々を抽出する。
上述したフィレット曲面としては、予め設計された径Rのものと、図3(a)の用に輪郭方向及び底方向にピン角が検出され、図3(b)に示す様にピン角をフィレット曲面で形成する際に許容できる径Rを工程設計者が入力したものとの双方がある(CAD取得情報テーブル記憶部114のCAD取得テーブルにおける凹凸定義)。
ステップS1:CADデータ入力部101は、外部のCADシステムから、工程設計者が設計したワークの設計情報であるCADデータを入力する。
そして、機械対応工具抽出部107は、ワークを素材から削り出す際に用いる機械が図7におけるいずれの分類であるかの判定を行う。機械対応工具抽出部107は、例えば素材を切削する際に用いる機械が記号M1(低回転、高トルク)である場合、工具データベース111を参照して、上記選択フラグが選択状態である工具カタログテーブルのなかから、切削工具の対応する機械が記号M1を含む工具カタログテーブルを抽出する。また、機械対応工具抽出部107は、抽出されなかった工具カタログテーブルの各々の選択フラグを選択されていない状態に書き換える。これにより、機械対応工具抽出部107は、切削工具の対応する機械が記号M1である切削後具の工具カタログテーブルを、工具データベース111から選択し、切削工具候補とする。ここで、機械対応工具抽出部107は、切削工具の対応する機械が記号M1以外である場合においても、上述した切削工具の対応する機械が記号M1である場合と同様に、工具データベース111から切削工具の対応する機械がCADデータから抽出した素材の材料に対応する切削工具を切削工具候補として抽出する(絞り込む)。
ステップS11:3次元形状生成部102は、3Dデータ記憶部112からCADデータを読み出し、素材から切削するワークの完成形である3次元形状モデルを生成する。
3次元形状抽出部103は、3次元形状生成部102が生成した3次元形状モデルから、形状の特徴を、CAD取得情報として抽出する。
ステップS21:3次元形状生成部102は、工程設計者が図示しない入力手段から入力する、3Dデータ記憶部112から切削工具を選定する対象のCADデータを読み込む。
ステップS31:面積3D率算出部104は、工具検索用データベース113に記憶されているフィーチャーテーブルを参照し、フィーチャーテーブルにおける形状の定義に基づき、3次元形状モデルの加工領域における各部の形状を解析し、立ち壁、テーパ面、フィレット曲面、平面及び自由曲面の種類毎に各々に分類する。
また、面積3D率算出部104は、角度壁部面積を加工領域における加工する全ての面の面積により除算し、除算結果を角度壁部面積割合として求める。面積3D率算出部104は、求めた角度壁部面積割合を、CAD取得情報テーブル記憶部114のCAD取得情報テーブルに対して書き込んで記憶させる。
面積3D率算出部104は、曲率部面積を加工領域における加工する全ての面の面積により除算し、除算結果を曲率部面積割合として求める。面積3D率算出部104は、求めた曲率部面積割合を、CAD取得情報テーブル記憶部114のCAD取得情報テーブルに対して書き込んで記憶させる。
面積3D率算出部104は、平坦部面積を加工領域における加工する全ての面の面積により除算し、除算結果を平坦部面積割合として求める。面積3D率算出部104は、求めた平坦部面積割合を、CAD取得情報テーブル記憶部114のCAD取得情報テーブルに対して書き込んで記憶させる。
また、面積3D率算出部104は、求めた面積3D率を、CAD取得情報テーブル記憶部114に対し、CAD取得情報テーブルに対応して書き込んで記憶させる。
なお、面積3D率算出部104は、角度壁部面積及び曲率部面積の各々の面積を加算し、加算結果を加工領域における加工する全ての面の面積により除算し、除算結果を面積3D率とするように構成しても良い。
ステップS41:工具形状抽出部108は、CAD取得情報テーブル記憶部114のCAD取得情報テーブルに対応して記憶されている面積3D率を読み込む(入力する)。
そして、工具形状抽出部108は、工具3Dデータ記憶部112におけるCADデータからワーク3Dデータ記憶部112におけるCADデータからワークが金型か部品であるかを読み込む。工具形状抽出部108は、例えば、部品モードであれば形状解析部品モードDDDの項を参照し、面積3DF率が0%から20%の範囲にあれば、工具形状をFLAT(DDD)として読み出す。
このとき、工具形状抽出部108は、条件式#1_1のW=M=DDDが成り立つ場合、処理をステップS48へ進め、一方、条件式#1_1のW=M=DDDが成り立たない場合、処理をステップS45へ進める。
また、機械のスペックに対応した工具形状がRADIであり、面積3D率に対応した工具形状がBALLである場合、工具形状抽出部108は、形状変換式#2_2に基づき変換後の工具形状(NT)をBALLとする。
また、機械のスペックに対応した工具形状がFLATであり、面積3D率に対応した工具形状がRADIである場合、工具形状抽出部108は、形状変換式#2_3に基づき変換後の工具形状(NT)をLADIとする。
そして、工具形状抽出部108は、加算結果を新たな面積3D率に対応した工具形状のポイントとし、処理をステップS46へ進める。
ステップS61:工具選定部109は、モード対応工具抽出部105、被削材料対応工具抽出部106及び機械対応工具抽出部107の各々により絞り込まれた切削工具選択候補から、工具形状抽出部108の抽出した工具形状を絞り混む。すなわち、工具選定部109は、工具データベース111を参照して、選択フラグが選択状態である工具カタログテーブルのなかから、工具形状抽出部108の抽出した工具形状の切削工具を抽出する。また、工具選定部109は、抽出されなかった工具カタログテーブルの各々の選択フラグを選択されていない状態に書き換える。これにより、工具選定部109は、工具形状抽出部108の抽出した工具形状に対応する切削工具の工具カタログテーブルを、工具データベース111から選択し、切削工具候補とする。
そして、工具選定部109は、抽出した切削工具において最大切削工具径以下であり、かつ最短切削工具有効長以上の切削工具のなかから、最大切削工具径以下で最も径が大きい切削工具を、最大進入可能径工具として選択する。
ここで、工具選定部109は、切削工具候補において最大切削工具径と最短切削工具有効長とを満足している切削工具があれば、複数の種類の推奨工具を選択する場合もある。
また、本実施形態によれば、ワークのモードの種類、素材の材料の種類、切削工具を駆動する機械、切削工具の工具形状、最峡部幅及び最大垂直高さの各々により、膨大な切削工具のなかから、荒工程用及び仕上げ工程用の最適に近い切削工具を選定することができる。これにより、本実施形態によれば、工程設計者(工程設計者)が最も時間を費やす切削工具の選択を、工程設計者個々のノウハウを必要とせず、被加工材料の3DのCADデータの形状モデルの特徴から、被加工材料の加工に用いる最適に近い切削工具を選択することが容易にできる。また、本実施形態によれば、切削工具の選定における人的な工数を低減でき、工程設計者個々の能力によらず、いずれの工程設計者による選定される切削工具が同様となり、CNC加工装置に対する機械軸制御指令も同様となり、素材を切削加工して形成するワークの加工品質を安定させることができる。
在庫管理システム2は、工具を扱う中間業者の会社に設けられており、切削工具の在庫を管理するシステムである。
端末3は、切削工具を用いてワークを加工するユーザの会社に設けられたパーソナルコンピュータなどである。
切削工具選択システム1は、切削工具を生産する会社に設けられており、工具データベース111を順次更新している。
また、切削工具選択システム1、在庫管理システム2及び端末3の各々は、インターネットなどから構成されたネットワーク4により相互に接続されている。
そして、ユーザは、端末3の表示画面により推定工具を確認し、在庫管理システム2に対してアクセスする。ユーザは、端末3からネットワークを介して、推奨工具を在庫管理システムの発注画面から発注する。
在庫管理システム2は、切削工具の各々の在庫状況を管理する管理テーブルを参照し、注文された切削工具の発送時期を端末3に対して送信する。
図17を参照して、本発明の第2の実施形態による切削工具選択システムを説明する。この図1は、本発明の第2の実施形態による切削工具選択システムの構成例を示す図である。図17に示す切削工具選択システムは、CADデータ入力部101、3次元形状生成部102、3次元形状抽出部103、面積3D率算出部104、モード対応工具抽出部105、被削材料対応工具抽出部106、機械対応工具抽出部107、工具形状抽出部108、工具選定部109、結果出力部110、工具データベース111、3Dデータ記憶部112、工具検索用データベース113、CAD取得情報テーブル記憶部114、工具形状確定用テーブル記憶部115、スキャン処理部116、ポスト処理部117及び微少線分3D率算出部118の各々を備えている。本実施形態においては、第1の実施形態に対して、スキャン処理部116、ポスト処理部117及び微少線分3D率算出部118が加えて備えられている。
そして、微少線分3D率算出部118は、ポスト処理部117が生成した微少線分を、線分長分類毎に加算し、線分長分類毎の微少線分積算値を求める。ここで、線分長分類がフィレット曲面と自由曲面との分類は、曲率部の分類として一括して扱う。すなわち、微少線分3D率算出部118は、線分長分類が立ち壁の微少線分の線分長を積算し、微少線分積算値である立ち壁総線分長を求める。また、微少線分3D率算出部118は、線分長分類がテーパ面の微少線分の線分長を積算し、微少線分積算値である角度壁部総線分長を求める。微少線分3D率算出部118は、線分長分類がフィレット曲面と自由曲面との各々の微少線分の線分長を積算し、微少線分積算値である曲率部総線分長を求める。微少線分3D率算出部118は、線分長分類が平面の微少線分の線分長を積算し、微少線分積算値である平坦部総線分長を求める。
第2の実施形態においては、第1の実施形態の面積3D率を、上述のように求めた3D率に置き代えて、切削工具の工具形状の選定を行う。
本実施形態によれば、第1の実施形態に比較して、実際に3次元形状モデルの面を仮想切削工具によりスキャンさせ、この軌跡における微少線分により求めた微少線分3D率の情報を付加しているため、より3次元形状モデルの面の形状に対応した切削工具の工具形状を選定することができる。
ステップS71:スキャン処理部116は、CAD取得情報テーブル記憶部114に記憶されている、3次元形状モデルにおける加工領域に対応したCAD取得情報テーブルから、3次元形状モデルの加工領域の最峡部幅及び最大垂直高さの各々の寸法を読み出す。
これにより、スキャン処理部116は、3次元形状モデルの加工領域の面における、切削工具の移動の軌跡を示す移動座標を取得する。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
Claims (9)
- ワークの設計データから生成された3次元形状モデルの形状を形状取得情報として抽出する3次元形状抽出部と、
前記形状取得情報により前記ワークを作成する、素材を切削加工する切削工具の工具形状として刃の形状である刃形状を、前記3次元形状モデルの全面の面積において3次元加工を必要とする面の面積の割合を示す面積3D率に基づき、複数の異なる刃形状から抽出する工具形状抽出部と、
前記刃形状及び前記形状取得情報の各々により複数の異なる切削工具のなかから、前記ワークを作成するために適する切削工具を選定する工具選定部と
を備えることを特徴とする切削工具選択システム。 - 前記形状取得情報から前記面積3D率を算出する面積3D率算出部をさらに備え、
当該面積3D率算出部が、前記3次元形状モデルにおける加工領域における曲面の領域の全ての面積を、前記加工領域における全ての面の面積により除算して曲率部面積割合を求め、また、前記3次元形状モデルにおける前記加工領域における角度壁の壁面の領域である角度壁部の全ての面積を、前記加工領域における全ての面の面積により除算して角度壁部面積割合を求め、曲率部面積割合及び角度壁部面積割合の各々を加算して、加算結果を面積3D率とする
ことを特徴とする請求項1に記載の切削工具選択システム。 - 前記工具形状抽出部が、前記刃形状の選択を行う際、前記面積3D率に加えて前記切削工具が加工する前記素材の材料、前記切削工具を用いる機械の種類を含めることを特徴とする請求項2に記載の切削工具選択システム。
- 前記工具形状抽出部が、前記刃形状の選択を行う際、
前記素材の材料により選択される刃形状と前記機械の種類により選択される刃形状と、前記面積3D率により選択される刃形状とが一致している場合、当該刃形状が前記切削工具の刃形状として選択する
ことを特徴とする請求項3に記載の切削工具選択システム。 - 前記工具形状抽出部が、前記刃形状の選択を行う際、
前記機械の種類により選択される刃形状と前記面積3D率により選択される刃形状とが等しく、前記素材の種類により選択される刃形状が異なる場合、
前記機械の種類により選択される刃形状に対応するポイントと、前記面積3D率により選択される刃形状に対応するポイントとを加算して合計ポイントを算出し、
当該合計ポイントと前記素材の種類により選択される刃形状に対応するポイントとを比較し、比較結果から前記面積3D率により選択される刃形状または前記素材の種類により選択される刃形状のいずれかを、前記切削工具の刃形状とする
ことを特徴とする請求項4に記載の切削工具選択システム。 - 前記工具形状抽出部が、
前記比較結果が前記合計ポイントが前記素材の種類により選択される刃形状のポイント以上である場合、前記面積3D率により選択される刃形状を前記切削工具の刃形状とし、
一方、前記比較結果が前記合計ポイントが前記素材の種類により選択される刃形状のポイント未満である場合、前記素材の種類により選択される刃形状を前記切削工具の刃形状とする
ことを特徴とする請求項5に記載の切削工具選択システム。 - 前記工具形状抽出部が、前記刃形状の選択を行う際、
前記機械の種類により選択される刃形状と前記面積3D率により選択される刃形状とが異なる場合、
前記機械の種類により選択される刃形状と前記面積3D率により選択される刃形状との組み合わせに対応した変換刃形状に変換し、当該変換刃形状と前記前記素材の種類により選択される刃形状とが等しい場合、前記変換刃形状を前記切削工具の刃形状とし、一方、当該変換刃形状と前記前記素材の種類により選択される刃形状とが異なる場合、前記機械の種類により選択される刃形状に対応するポイントと、前記変換刃形状に対応するポイントと、当該変換刃形状に対応する変形加算値とを加算し、他の合計ポイントを算出し、当該他の合計ポイントと前記素材の種類により選択される刃形状に対応するポイントとを比較し、比較結果から前記変換刃形状または前記素材の種類により選択される刃形状のいずれかを、前記切削工具の刃形状とする
ことを特徴とする請求項6に記載の切削工具選択システム。 - 前記3次元形状モデルの最峡部幅と最大垂直高さとに対応した仮想切削工具を生成し、前記3次元形状モデルの面をスキャンするスキャン処理部と、
当該3次元形状モデルの面における前記仮想切削工具の移動の軌跡を示す移動座標から、微少線分を生成するポスト処理部と、
前記微少線分の前記3次元形状モデルにおける3次元空間における長さ及び微少線分を形成する座標値とから3次元加工が必要な面の微少線分か、2次元加工で形成できる面の微少線分かの判定を行い、前記3次元形状モデルにおける前記微少線分の全長における、3次元加工が必要な面の微少線分の積算値を除算し、微少線分3D率を算出する微少線分3D率算出部と
をさらに備え、
前記前記工具形状抽出部が、前記面積3D率と前記微少線分3D率との平均値を刃形状を選択する3D率として用いる
ことを特徴とする請求項2から請求項7のいずれか一項に記載の切削工具選択システム。 - 3次元形状抽出部が、ワークの設計データから生成された3次元形状モデルの形状を形状取得情報として抽出する3次元形状抽出過程と、
工具形状抽出部が、前記形状取得情報により前記ワークを作成する、素材を切削加工する切削工具の工具形状として刃の形状である刃形状を、前記3次元形状モデルの全面の面積において3次元加工を必要とする面の面積の割合を示す面積3D率に基づき、複数の異なる刃形状から抽出する工具形状抽出過程と
を含むことを特徴とする切削工具選択方法。
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