JP6087853B2 - 発光装置の製造方法 - Google Patents

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本発明は、近紫外光により蛍光体を励起して発光する発光装置に関する。
従来の発光装置は特許文献1に開示されている。この発光装置は光源と複数の蛍光部材とを備えている。蛍光部材は励起光の励起によって赤色、青色、緑色をそれぞれ発光する蛍光体を有し、伝熱部材上に設けられている。光源は発光ダイオードやレーザダイオードから成り、蛍光体の発光の波長帯域よりも短波長の紫外光を励起光として出射する。尚、蛍光部材は一般に樹脂や無機ガラス等の封止材の内部に蛍光体の粒子を分散して形成される。
上記構成の発光装置において、光源から出射された紫外光から成る励起光が各蛍光部材に照射される。各蛍光部材の蛍光体はそれぞれ励起光により励起され、赤色、青色、緑色をそれぞれ出射する。そして、各蛍光部材の出射光を合成して目的の光が出射される。
特開2010−86815号公報(第3頁−第16頁、第6図)
高輝度の照明光が必要とされる用途に発光装置を用いる際に、光源として高出力のレーザダイオードが用いられる場合が考えられる。また、光源から出射される励起光源を照明光として利用しない場合は、蛍光体による励起光の吸収率を上げて蛍光部材の発光効率を向上させることが望まれる。
高出力のレーザダイオードを光源とした場合は出射光の励起密度が高いため、蛍光体が発熱する。上記特許文献1に開示されている蛍光部材において蛍光体の発熱は封止材を伝熱して基板から放熱される。この時、蛍光体の吸収率を向上させるために蛍光部材の封止材を厚くして蛍光体の含有量を増加させると、出射面側の蛍光体が基板から離れるため蛍光部材の放熱性が低下するという問題がある。これにより、蛍光体が温度上昇することによって発光効率の低下や発光部の劣化が生じることとなる。
また、上記特許文献1に開示されている蛍光部材では、蛍光部材を移動させて励起光の照射位置を変化させることで蛍光体の温度上昇を抑制しているが、照射位置を移動させる駆動部が必要となり、消費電力が高く、また構成が複雑となるという課題がある。
一方、蛍光体の粒子は封止材の内部に分散されるため、封止材が薄い状態で蛍光体の含有率を増加させることが困難である。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、蛍光体による発熱の放熱性及び励起光の吸収率を向上して発光効率を向上できる発光装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、レーザ光を出射する光源と、前記光源の出射光により励起して発光する蛍光体を含む蛍光部材とを備えた発光装置において、前記蛍光部材が、高熱伝導体から成る基板と、前記基板上に前記蛍光体の粒子を堆積した蛍光体層とを有し、前記蛍光体層における前記蛍光体の体積含有率が69%以上であることを特徴としている。
この構成によると、光源から出射される励起光によって蛍光体が励起して所定の波長の光を発光する。蛍光部材は高熱伝導体から成る基板上に蛍光体の粒子を堆積した蛍光体層を有するため、蛍光体層が蛍光体を高密度に有して薄く形成される。これにより、光源からの光による蛍光体の発熱が隣接する蛍光体の粒子を介して基板に伝えられて放熱される。
また本発明は、上記構成の発光装置において、前記蛍光体層の表面と前記基板との間に前記蛍光体の粒子が連続して繋がることを特徴としている。この構成によると、蛍光体層の表面の蛍光体の発熱が互いに接した各粒子を介して基板に伝えられて放熱される。
また本発明は、上記構成の発光装置において、前記蛍光体層を固着するコーティング材を前記蛍光体層の表面に配したことを特徴としている。この構成によると、基板上に蛍光体の粒子が堆積した蛍光体層がコーティング材により固着され、蛍光体の粒子の脱落が防止される。
また本発明は、上記構成の発光装置において、前記コーティング材がTiO2から成ることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の発光装置において、前記蛍光体の粒子を被膜するバインダーを有し、前記バインダーによって隣接する前記蛍光体の粒子を固着したことを特徴としている。この構成によると、隣接する蛍光体の粒子がバインダーにより強固に固着される。
また本発明は、上記構成の発光装置において、前記バインダーがシリカから成ることを特徴としている。この構成によると、バインダーが樹脂よりも紫外光に対する劣化に強く、耐熱性も高い。
また本発明は、近紫外レーザ光を出射する光源と、前記光源の出射光により励起して発光する蛍光体を含む蛍光部材とを備えた発光装置の製造方法において、前記蛍光部材が、高熱伝導体から成る基板と、前記基板上に前記蛍光体の粒子を堆積した蛍光体層とを有し、分散媒に前記蛍光体の粒子を分散させる分散工程と、前記分散媒に分散した前記蛍光体の粒子を電気泳動法または沈降法によって前記基板上に堆積して前記蛍光体層を形成する蛍光体層形成工程と、を備えたことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の発光装置の製造方法において、TiO2のアルコキシドを前記蛍光体層上に塗布するコーティング材塗布工程と、前記分散媒から取り出した前記蛍光部材を焼成して前記蛍光体層をTiO2によりコーティングする焼成工程とを備えたことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の発光装置の製造方法において、前記分散媒にシリカの前駆体を添加して前記蛍光体の粒子をシリカの前駆体により覆うバインダー添加工程を備え、前記蛍光体層形成工程で電気泳動法によって前記蛍光体層を形成するとともに、前記焼成工程で前記蛍光部材を焼成して前記蛍光体の粒子をシリカにより被膜することを特徴としている。
本発明によると、蛍光部材が高熱伝導体から成る基板上に蛍光体の粒子を堆積した蛍光体層を有するので、蛍光体層が蛍光体を高密度に有して薄く形成される。これにより、蛍光体による発熱の放熱性を高くできるとともに励起光の吸収率を高くできる。従って、発光装置の発光効率を向上できる。
また本発明によると、分散媒に蛍光体の粒子を分散させる分散工程と、分散媒に分散した蛍光体の粒子を電気泳動法または沈降法によって基板上に堆積して蛍光体層を形成する蛍光体層形成工程とを備えたので、基板上に蛍光体の粒子が堆積した蛍光体層を容易に形成することができる。
本発明の実施形態の発光装置を備えた前照灯を示す側面断面図 本発明の実施形態の発光装置の蛍光部材を示す縦断面図 本発明の実施形態の発光装置の蛍光部材の蛍光体層を示す拡大図 本発明の実施形態の発光装置の蛍光部材の製造方法を示す工程図 本発明の実施形態の発光装置の蛍光部材の温度と蛍光体の含有率との関係を示す図 本発明の実施形態の発光装置の蛍光部材の他の蛍光体層を示す縦断面図 本発明の実施形態の発光装置の蛍光部材の変形例を示す縦断面図
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は一実施形態の発光装置を備えた自動車の前照灯を示す側面断面図である。前照灯1は発光装置10、反射鏡2、取付部材3及びフィルタ部材4を備えている。発光装置10は光源11及び蛍光部材12を有している。
光源11は350nm〜420nmの波長領域に発光ピークを持つ近紫外光のレーザ光を出射する。蛍光部材12は詳細を後述するように蛍光体13(図2参照)を有し、光源11の出射光により励起されて波長変換された蛍光を出射する。
蛍光部材12には3種類の蛍光体13が含まれ、それぞれ近紫外光の励起光を赤色光、緑色光及び青色光に変換する。これにより、蛍光部材12から出射される赤色光、緑色光及び青色光の蛍光を混色して白色光が得られる。
レーザ光による励起では励起密度が高くなるため耐熱性の高い酸窒化物系や窒化物系の蛍光体13を用いるとより望ましい。近紫外光を赤色光に変換する蛍光体13として、例えばCaAlSiN3:Euを用いることができる。近紫外光を緑色光に変換する蛍光体13として、例えばβ−SiAlON:Euを用いることができる。近紫外光を青色光に変換する蛍光体13として、例えば(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46Cl2:EuやBaMgAl1017:Eu、(Sr,Ba)3MgSi28:Euを用いることができる。BaMgAl1017:Euは温度特性が優れているためより望ましい。
また、近紫外光の励起光を黄色光及び青色光に変換する2種類の蛍光体13を含むように蛍光部材12を形成してもよい。これにより、蛍光部材12から出射される黄色光及び青色光の蛍光を混色して擬似白色光が得られる。近紫外光を黄色光に変換する蛍光体として、例えばCa−α−SiAlON:Euを用いることができる。
尚、上記において発光装置10を自動車の前照灯として利用するため、照明光が白色光あるいは擬似白色光となる場合を説明している。発光装置10を自動車の前照灯として利用しない場合は、これに限らず、照明光を青色、緑色、赤色等の白色光以外としてもよい。また、蛍光部材12に含まれる蛍光体13も青色、緑色、赤色等を発光する種々の蛍光体を1種類のみを含んでいてもよい。
反射鏡2は樹脂成形品から成り、光源11の出射光が通過する貫通孔2bを有している。反射鏡2の内面には放物面の反射面2aが形成される。反射面2aには反射率の高い金属(銀やアルミニウム等)による金属コート等が施される。また、反射鏡2を金属により形成してもよい。
なお、反射鏡2は放物面を含むものに限定されず、楕円面、球面、自由曲面あるいは非球面を含んでいてもよい。また、反射鏡2を形成する部材も金属に限定されず、樹脂などであってもよい。さらに反射面2aは金属コートが施されていることに限定されず、反射鏡2の部材とその周囲の環境との反射率差により、反射面を形成していてもよい。
取付部材3は高熱伝導率を有するAlやCu等の金属やセラミック等により形成され、反射鏡2に固定して蛍光部材12を保持する。取付部材3が高熱伝導率を有するため、蛍光部材12の発熱は取付部材3を介して放熱される。
取付部材3は反射面2aの略中心軸上に配され、軸方向に対して所定の傾斜角α(例えば、0゜〜30゜)で傾斜した傾斜面3a上に蛍光部材12が配される。これにより、光源11の出射光が所定の入射角で蛍光部材12に入射する。この時、光源11により照射される蛍光部材12の照射領域は反射面2aの焦点に配される。このため、蛍光部材12から出射される蛍光は反射面2aで反射して平行光となる。
フィルタ部材4は反射鏡2及び取付部材3に固定され、反射鏡2の軸方向の一端の開口面2cを覆う。フィルタ部材4は光源11の出射光(近紫外光)を吸収または反射により遮光し、蛍光部材12から出射される蛍光(赤色光、緑色光及び青色光)を透過する。フィルタ部材4として、例えば、五鈴精工硝子株式会社製のITY−418や、HOYA株式会社製のL42等のガラス材料を用いることができる。
図2は蛍光部材12の縦断面図を示している。蛍光部材12は基板16上に蛍光体13を含む蛍光体層14を形成し、蛍光体層14の表面はコーティング材15によりコーティングされる。
基板16は高熱伝導率を有する金属やセラミック等により形成される。これにより、蛍光部材12の発熱は基板16を介して取付部材3に伝えられて放熱される。基板16をCu、Ag、Al等の金属により形成すると、後述するように蛍光体層14を電気泳動法により形成する際に電極として用いることができる。絶縁体の基板16を用いた場合は表面に金属蒸着を行うと、電気泳動の電極として用いることができる。
また、蛍光体層14との密着性を向上するために、基板16として熱膨張係数の小さい材料を用いるとより望ましい。熱膨張係数が小さく高熱伝導率の材料として、Si、GaN、AlN等を用いることができる。また、光源11から入射して蛍光体13で変換されなかった光を反射するために、基板16として近紫外光及び可視光の吸収が少なく反射率の高い材料を用いるとより望ましい。
蛍光体層14は蛍光体13の各粒子13dを基板16上に堆積して形成される。この時、大部分の粒子13dは互いに接し、各粒子13dが基板16上に連続的に配される。このため、蛍光体層14の表面と基板16との間に蛍光体13の粒子13dが連続して繋がる。蛍光体13の各粒子13dが従来例のように封止材内に分散されないため、蛍光体層14の蛍光体13の密度を高くすることができる。蛍光体13の各粒子13dが光源11(図1参照)から出射される励起光により励起して蛍光を出射する。
コーティング材15はTiO2等により形成され、蛍光体層14の表面を固着する。これにより、基板16上に堆積した蛍光体13の粒子13dの脱落が防止される。また、蛍光体層14を覆うコーティング材15をTiO2等の無機材料により形成すると、紫外光や熱による劣化が少ない。これにより、コーティング材15の変色を防止し、色度ずれや発光効率の低下を防止することができる。
図3は蛍光体層14の拡大図を示している。蛍光体13の粒子13dにはシリカ等のバインダー13eが被膜されている。バインダー13eによって隣接する各粒子13dが固着される。これにより、粒子13dの脱落をより確実に防止することができる。また、隣接する各粒子13dを確実に接触させて粒子13d間の伝熱性を向上させることができる。加えて、バインダー13eをシリカにより形成すると、後述するように蛍光体層14を電気泳動法により形成する際にバインダー13eが帯電して粒子13dを容易に基板16上に堆積させることができる。更に、バインダー13eとして樹脂等の接着剤を使うことと比べると、紫外光や熱による劣化が少ない。
上記構成の前照灯1において、光源11から近紫外光の励起光が矢印A1(図1参照)に示すように出射される。光源11の出射光は反射鏡2の貫通孔2bを介して蛍光部材12の蛍光体層14上に照射される。蛍光部材12に入射した光によって蛍光体13が励起され、赤色光、緑色光及び青色光の蛍光が蛍光部材12から矢印A2(図1参照)に示すように出射される。この時、蛍光体層14の蛍光体13が高密度に形成されるため、発光装置10の発光効率を向上することができる。
蛍光部材12から出射される各色の蛍光は混色され、白色光が得られる。そして、白色光が矢印A3(図1参照)に示すように反射鏡2の反射面2aで反射し、平行光としてフィルタ部材4を介して出射される。これにより、白色の照明光によって前方が照明される。
また、高出力の光源11から出射された励起密度の高い励起光によって蛍光体13が発熱する。蛍光体層14は蛍光体13を高密度に有して薄く形成され、蛍光体13の粒子13dは一般的に用いられる樹脂や無機ガラス等の封止材よりも熱伝導率が高い。このため、蛍光体13の発熱は隣接する蛍光体13の粒子13dを介して基板16及び取付部材3に伝えられて放熱する。この時、蛍光体層14の表面の蛍光体13が主に蛍光に寄与して発熱する。これにより、蛍光体層14の表面の蛍光体13の発熱は連続して繋がる粒子13dを効率よく伝熱して基板16から放熱される。
従って、蛍光体13の温度による劣化を防止して発光装置10の発光効率を向上することができる。また、発光色によって温度消光が異なる各蛍光体13がそれぞれ十分冷却され、発光装置10の色度ずれを防止することができる。
図4は蛍光部材12の製造方法を示す工程図である。分散工程ではエタノール等の分散媒に粉末の蛍光体13の粒子13dを加え、超音波ホモジナイザー等により凝集を解いて分散させる。バインダー添加工程ではTEOS(ケイ酸エチル、テトラエトキシシラン)に水及び酸を添加して加水分解し、シリカの前駆体の溶液を作成する。次に、シリカの前駆体の溶液を分散媒に加えて攪拌する。これにより、シリカの前駆体が蛍光体13の粒子13dを覆う。
蛍光体層形成工程では蛍光体13の粒子13dが分散した分散媒に電極を浸漬して電圧を印加する。これにより、電気泳動法によって一方の電極に配した基板16上に蛍光体13の粒子13dを堆積させ、蛍光体層14を形成する。この時、シリカの前駆体が正電荷に帯電し、陰極に配した基板16上に粒子13dを容易に堆積させることができる。
また、印加電圧や電圧の印加時間によって蛍光体層14の膜厚を容易に制御することができる。蛍光体層14の膜厚は例えば、粒子13dを数層積層した程度(例えば、粒子径が約10μmの粒子13dの積層により約30〜50μm)が望ましい。粒子13dが1層では高密度の均一な膜を作成することが困難であり、積層数が多くなると表面の粒子13dと基板16との距離が大きくなるため放熱性が低下する。尚、基板16が導電性の高い物質から成る場合や導電性の高い被膜を有する場合に電気泳動法の電極として用いることができる。
乾燥工程では蛍光体13の粒子13dが堆積した基板16を分散媒から取り出し、自然乾燥する。コーティング材塗布工程ではTiO2のアルコキシドを蛍光体層14の表面に塗布してスピンコートする。焼成工程では蛍光部材15を所定の温度で焼成する。これにより、シリカの前駆体がシリカとなってバインダー13eを形成し、TiO2のアルコキシドがTiO2となってコーティング材15を形成する。
尚、蛍光体層形成工程において、分散媒に分散した蛍光体13の粒子13dを自重により基板16上に沈降させる沈降法によって蛍光体層14を形成してもよい。また、基板16上にスクリーン印刷により蛍光体13の粒子13dの層を印刷する印刷法や、基板16上にディスペンサーを用いて蛍光体13の粒子13dを塗布する塗布法により蛍光体層14を形成してもよい。しかしながら、印刷法や塗布法では基板16上に蛍光体13の粒子13dを均一に堆積した蛍光体層14を形成することが困難である。このため、電気泳動法や沈降法により蛍光体層14を形成すると、粒子13dを高密度で均一に配した蛍光体層14を容易に実現できるためより望ましい。
図5は蛍光体層14の蛍光体13の体積含有率と蛍光部材12の温度との関係を示す図である。縦軸は蛍光部材12の温度(単位:℃)を示し、横軸は蛍光体13の体積含有率(単位:%)を示している。測定に用いた試料は基板16をAlにより1mm角×1mm厚に形成し、蛍光体13としてβ−SiAlON:Euを用いて蛍光体層14の厚みを50μmに形成している。また、光源11から波長が405nmのレーザ光を出射している。この時、蛍光体13の含有率が76%の試料に対して光源11の出力を5Wにし、各試料から同じ光量の蛍光が出射されるように光源11の出力を可変している。
尚、蛍光体13の体積含有率は蛍光体層14の基板16に垂直な複数の断面における粒子13dの面積占有率を平均して取得している。
大きさが同じ球形の粒子を最も高密度の六方最密充填構造によって形成した結晶構造の充填率(体積含有率)は74%である。実際の蛍光体13の粒子13dは形状及び大きさにばらつきがあるため、図5では一試料の体積含有率が理想の最密充填率よりも高い値の76%になっている。蛍光体13の体積含有率が69%以上になると、最大の体積含有率まで高密度に粒子13dを充填した状態(76%)と同程度の温度に飽和している。このため、蛍光体13の体積含有率を69%以上にすると、蛍光体層14の放熱能力を最大限まで引き出すことができるためより望ましい。
本実施形態によると、蛍光部材12が高熱伝導体から成る基板16上に蛍光体13の粒子13dを堆積した蛍光体層14を有するので、蛍光体層14が蛍光体13を高密度に有して薄く形成される。これにより、蛍光体13による発熱の放熱性を高くできるとともに励起光の吸収率を高くすることができる。従って、発光装置10の発光効率を向上することができるとともに、発光色の異なる複数の蛍光体13の温度消光による色度ずれを防止することができる。
また、蛍光体層14の表面と基板16との間に蛍光体13の粒子13dが連続して繋がるので、主に蛍光に寄与する表面の蛍光体13の発熱が連続した粒子13dを介して基板16に伝えられる。従って、蛍光体13による発熱の放熱性をより高くすることができる。
また、蛍光体層14の蛍光体13の体積含有率を69%以上にしたので、蛍光体層14の放熱能力を最大限まで引き出して放熱性をより向上することができる。
また、蛍光体層14を固着するコーティング材15を蛍光体層14の表面に配したので、基板16上に堆積する蛍光体13の粒子13dの脱落を防止することができる。
また、コーティング材15がTiO2から成るので、蛍光体層14の表面を容易にコーティングすることができる。加えて、コーティング材15が無機材料から成るため紫外光や熱による劣化が少なく、コーティング材15の変色を防止して色度ずれや発光効率の低下を防止することができる。
また、蛍光体13の粒子13dを被膜するバインダー13eによって隣接する蛍光体13の粒子13dを固着したので、基板16上に堆積する蛍光体13の粒子13dの脱落をより確実に防止することができる。
また、バインダー13eがシリカから成るので、容易に粒子13dを被膜して固着することができる。また、蛍光体層14を電気泳動法により形成する際に帯電するバインダー13eによって基板16上に粒子13dを容易に堆積させることができる。更に、バインダー13eとして樹脂等の接着剤を使うことと比べると、紫外光や熱による劣化が少ない。
尚、前述の図3に示すように、蛍光体13の各粒子13d間にコーティング材15が充填されると、粒子13dの脱落をより確実に防止することができる。加えて、蛍光体13の発熱がコーティング材15を介した伝熱経路によっても基板16に伝熱されるため、蛍光部材12の放熱性をより高くすることができる。バインダー13eによる各粒子13dの接着性が高く放熱性も十分確保できる場合は、図6に示すように、バインダー13eの表面をコーティング材15で覆い、粒子13d間に空隙19を形成してもよい。
また、分散媒に蛍光体13の粒子13dを分散させる分散工程と、分散媒に分散した蛍光体13の粒子13dを電気泳動法または沈降法によって基板16上に堆積して蛍光体層14を形成する蛍光体層形成工程とを備えたので、基板16上に蛍光体13の粒子13dが堆積した蛍光体層14を容易に形成することができる。
また、TiO2のアルコキシドを蛍光体層14上に塗布するコーティング材塗布工程と、分散媒から取り出した蛍光部材12を焼成して蛍光体層14をTiO2によりコーティングする焼成工程とを備えたので、蛍光体層14をTiO2により容易に固着することができる。
また、分散媒にシリカの前駆体を添加して蛍光体13の粒子13dをシリカの前駆体により覆うバインダー添加工程を備え、蛍光体層形成工程で電気泳動法によって蛍光体層14を形成するとともに、焼成工程で蛍光部材12を焼成して蛍光体13の粒子13dをシリカにより被膜したので、各粒子13dをシリカから成るバインダー13eにより容易に固着することができる。また、蛍光体層形成工程で帯電するシリカの前駆体によって基板16上に粒子13dを容易に堆積させることができる。
本実施形態において、蛍光部材12として蛍光体粒子13dが基板16上に密に堆積している場合を説明しているが、これに限らない。図7は蛍光部材12(図2参照)の変形例である蛍光部材17の縦断面図を示している。蛍光部材17は基板16上に蛍光体13を含む蛍光体層14を形成し、蛍光体層14の表面及び蛍光体層14の隙間の全てまたは一部はコーティング材15により覆われる。
蛍光体13は蛍光体層14中において蛍光体層14の表面と基板16との間に蛍光体13の粒子13dが連続して繋がっている蛍光体鎖18を形成している。蛍光体鎖18は主に蛍光に寄与する表面の粒子13dの発熱により生じた熱を連続して繋がっている他の粒子13dを介して基板16に伝える。ここで、蛍光体13の粒子13dは一般的に用いられる樹脂や無機ガラス等の封止材よりも高い熱伝導率を有する。このため、封止材を経由して基板16へ放熱を行う場合に比べ、粒子13dが連続的に繋がっている蛍光体鎖18を経由して放熱を行う方が放熱性をより高くすることができる。
また、本実施形態において、発光装置10を自動車の前照灯1に搭載しているが、飛行機、船舶、ロボット、オートバイ、自転車、その他の移動体の前照灯に搭載してもよい。また、発光装置10をダウンライトやスポットライト等の照明装置、プリンタ、複写機等に用いてもよい。
また、発光装置10から白色光以外の光を出射するように光源11及び蛍光体13を設けてもよい。また、蛍光体13によって励起光を可視光以外の光に変換してもよい。例えば、励起光を赤外光に変換すると、セキュリティ用CCDカメラの夜間照明装置等にも適用することができる。
本発明によると、自動車等の移動体の前照灯、照明装置、複写機、プリンタ等に利用することができる。
1 前照灯
2 反射鏡
3 取付部材
4 フィルタ部材
10 発光装置
11 光源
12、17 蛍光部材
13 蛍光体
13d 粒子
13e バインダー
14 蛍光体層
15 コーティング材
16 基板
18 蛍光体鎖
19 空隙

Claims (3)

  1. レーザ光を出射する光源と、前記光源の出射光により励起して発光する蛍光体を含む蛍光部材とを備えた発光装置の製造方法において、前記蛍光部材が、高熱伝導体から成る基板と、前記基板上に前記蛍光体の粒子を堆積した蛍光体層とを有し、
    前記蛍光体の粒子が分散した分散媒にバインダーの前駆体を添加して前記前駆体により前記蛍光体の粒子を被膜する第1の工程と、
    前記基板上に前記蛍光体の粒子を堆積させる第2の工程と、
    前記基板を乾燥させる第3の工程と、
    前記前駆体により覆われた前記蛍光体の粒子が堆積した状態の前記蛍光体層の表面にTiO のアルコキシドを塗布する第4の工程と、
    前記蛍光部材を焼成してTiO から成るコーティング材を形成する第5の工程と、
    を備え、前記第2の工程により前記蛍光体層における前記蛍光体の粒子の体積含有率が69%以上に形成され、前記第の工程により前記蛍光体の粒子を覆う前記バインダーを形成して隣接する前記蛍光体の粒子が前記バインダーにより固着されるとともに、前記蛍光体の粒子間に前記コーティング材が充填されることを特徴とする発光装置の製造方法。
  2. 前記蛍光体層の表面と前記基板との間に前記蛍光体の粒子が連続して繋がることを特徴とする請求項1に記載の発光装置の製造方法。
  3. 前記バインダーがシリカから成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発光装置の製造方法。
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