JP6087801B2 - 金属部材の脱塩方法及び装置 - Google Patents

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本発明は、例えばタービン設備のタービンロータの翼根、翼溝部の金属部材等の隙間部(狭隘部)に発生する塩分を除去する金属部材の脱塩方法及び装置に関するものである。
従来、火力発電設備等においては、ボイラで発生したボイラ蒸気を復水器で冷却凝縮させ、ボイラ水(純水)として循環使用している。ここで、復水器内でボイラ蒸気を冷却する冷却管が設けられ、該冷却管には冷却用の海水が流れているが、該冷却管に亀裂等が生じると、そこから海水が液漏れし、凝縮したボイラ凝縮水に混入し、該ボイラ凝縮水に塩分が混じって各種配管等を腐食させることになる(例えば、特許文献1参照)。
この海水漏洩があることにより、高圧スチームを減温する場合、復水器からの給水をそのまま減温スプレーから主蒸気配管内に供給しているので、海水が含まれた水蒸気がタービン側に供給されることとなる。
この結果、長期間運転していくと、この海水漏洩に起因する塩分等が、タービンロータ等の隙間部に、塩化物イオンなどの腐食性物質が入り込み、翼根部や翼溝部に腐食割れの発生が懸念される。
このため、翼根部及び翼溝部に入り込んだ腐食性物質を除去し、健全な状態に戻す必要があるため、従来ではタービンを分解し、タービン翼を取り外した後、腐食性物質の除去作業を行っている。
特開2001−141596号公報
しかしながら、タービンを分解し、タービン翼を取り外し、腐食性物質の除去作業を行った後、再度タービンを組み付ける必要があるたため、費用と時間とが必要となり、大きな損失となる、という問題がある。
また、タービンロータの翼根・翼溝などの隙間部(狭隘部)の洗浄においては、以下のような問題がある。
1)塩分を除去するためには、水系の洗浄液を用いて、溶解除去する必要があるが、隙間部の亀裂は狭く、空気の噛み込みなどにより、洗浄液が浸透し難いため、塩分の除去は難しい。
2)よって、タービンロータを解体して、解体した各部材を水槽等に沈め、複数回水を入れ替えの洗浄を行うことで、除塩する必要があるが、錆の細部や凹部割れ先端(深部)における塩素化合物は、例えば100〜1000ppm程度まで濃縮されており、容易に短時間でしかも低コストでの水洗浄を実施することができない、という問題がある。
よって、タービンを分解することなく、隙間部(狭隘部)の塩分の除去を効率よく実施できる手法の出現が切望されている。
本発明は、前記問題に鑑み、金属部材等の隙間部(狭隘部)に発生する塩分を除去する金属部材の脱塩方法及び装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、塩分が付着している金属部材の全体を密閉状態で覆う金属製の密閉容器又は密閉建屋と、前記密閉容器又は密閉建屋内にナノミストを導入するナノミスト導入装置と、前記金属製の密閉容器又は密閉建屋を負極側に、前記金属部材を正極側に接続して通電する直流電源部と、を備えた脱塩装置を用い、前記ナノミストを前記金属製の密閉容器又は密閉建屋内に充満させつつ所定時間通電して、前記金属部材の隙間部に侵入した塩素化合物を電気分解し、塩素イオンとして水に溶解させ、次いで、前記金属製の密閉容器又は密閉建屋を正極側に、前記金属部材を負極側に、各々の接続を逆転させた後、さらに通電し、前記塩素イオンが溶出した前記水を前記隙間部から排出させ、前記金属部材の表面に塩素イオンが溶解した液滴として除塩することを特徴とする金属部材の脱塩方法にある。
本発明によれば、隙間部内にナノミストを導入し、電気分解により塩素イオンとした後、前記金属製の密閉容器又は密閉建屋と金属部材との電源部への負極と正極との接続を逆転させることで、塩素イオンを含む水を外部に排出させ、液滴として除塩する。
第2の発明は、第1の発明において、前記直流電源部に対して、前記正極と前記負極の逆転する接続を複数回繰り返すことを特徴とする金属部材の脱塩方法にある。
本発明によれば、直流電源部に対して、前記金属製の密閉容器又は密閉建屋と金属部材との電源部への負極と正極との接続を繰り返すことにより、さらに塩素イオンを含む水を外部に排出させ、液滴として除塩する。
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記ナノミストに二酸化炭素を添加してなることを特徴とする金属部材の脱塩方法にある。
本発明によれば、二酸化炭素を添加するので、炭酸イオンが共存することとなり、ナノミストの帯電が強化され、隙間部の深淵部への挙動が速くなり、隙間部の深度方向での電気分解が確実になり、電解による塩素イオンの溶出が確実となる。
第4の発明は、塩分が付着している金属部材の全体を密閉状態で覆う金属製の密閉容器又は密閉建屋と、前記密閉容器又は密閉建屋内にナノミストを導入するナノミスト導入装置と、前記金属製の密閉容器又は密閉建屋を負極側に、前記金属部材を正極側に接続して所定時間通電し、前記金属部材の隙間部に侵入した塩素化合物を電気分解させる直流電源部と、を備え、前記直流電源部は、所定時間通電して塩素化合物を電気分解し、塩素イオンとして水に溶解させた後、前記直流電源部は、当該直流電源部に対して、前記金属製の密閉容器又は密閉建屋を正極側に、前記金属部材を負極側に、各々の接続を逆転させて交番した後、さらに通電し、前記塩素イオンが溶出した前記水を前記隙間部から排出させ、前記金属部材の表面に塩素イオンが溶解した液滴として除塩することを特徴とする金属部材の脱塩装置にある。
本発明によれば、隙間部内にナノミストを導入し、電気分解により塩素イオンとした後、前記金属製の密閉容器又は密閉建屋と金属部材との電源部への負極と正極との接続を逆転させることで、塩素イオンを含む水を外部に排出させ、液滴として除塩する。
第5の発明は、第4の発明において、前記直流電源部に対して、前記正極と前記負極の逆転する接続を複数回繰り返すことを特徴とする金属部材の脱塩装置にある。
本発明によれば、直流電源部に対して、前記金属製の密閉容器又は密閉建屋と金属部材との電源部への負極と正極との接続を繰り返すことにより、さらに塩素イオンを含む水を外部に排出させ、液滴として除塩する。
第6の発明は、第4又は5の発明において、前記ナノミストに二酸化炭素を添加してなることを特徴とする金属部材の脱塩装置にある。
本発明によれば、二酸化炭素を添加するので、炭酸イオンが共存することとなり、ナノミストの帯電が強化され、隙間部の深淵部への挙動が速くなり、隙間部の深度方向での電気分解が確実になり、電解による塩素イオンの溶出が確実となる。
本発明によれば、隙間部内にナノミストを導入し、電気分解により塩素イオンとした後、前記金属製の密閉容器又は密閉建屋と金属部材との電源部への負極と正極との接続を逆転させることで、塩素イオンを含む水を外部に排出させ、液滴として除塩することができる。
図1は、タービンロータの翼溝に腐食生成物が生成した状態を示す図である。 図2は、実施例1に係る金属部材の脱塩装置の概略図である。 図3は、実施例1に係るナノミストによる塩分を除去する作用を模式的に示す図である。 図4は、実施例1に係るナノミストによる塩分を除去する作用を模式的に示す図である。 図5は、実施例2に係るナノミストによる塩分を除去する作用を模式的に示す図である。 図6は、実施例2に係るナノミストによる塩分を除去する作用を模式的に示す図である。
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、タービンロータの翼溝に腐食生成物が生成した状態を示す図である。図2は、実施例1に係る金属部材の脱塩装置の概略図である。図3及び図4は、実施例1に係るナノミストによる塩分を除去する作用を模式的に示す図である。
先ず、図1に示すように、タービンロータ11に形成された翼溝12に翼根13が装着されている場合、通常は、翼溝12の狭隘部には、何も発生していない健全な状態Aである。しかし、腐食生成物や塩分15が発生した場合には、狭隘部14に腐食生成物や塩分15が詰まった状態Bとなる。
このような場合、以下の工程によりタービンロータ11を分解せずに、塩分を除去している。
図2に示すように、本実施例に係る金属部材の脱塩装置は、塩分が付着している金属部材である例えばタービンロータ11の全体を密閉状態で覆う金属製の密閉建屋21と、密閉建屋21内にナノミスト22を導入するナノミスト導入装置23と、金属製の密閉容器又は密閉建屋21を負極側に、タービンロータ11を正極側に接続して所定時間通電した後、電極の接続を逆転させつつ所定時間通電する直流電源部24と、を備えるものである。
密閉建屋21には、その天井側からナノミスト22を導入するナノミスト導入装置23が設置され、ナノミストの発生と共に、密閉建屋21内に発生したナノミスト22を導入するようにしている。この導入されたナノミスト22は、建屋内に充満すると共に、タービンロータ11に発生する亀裂部や、タービンロータと、翼根との接続の翼溝内の隙間部に導入される。
ここで、図3は、タービンロータ11を模式化した金属部材31と密閉容器32との内部にナノミスト22を図示しないナノミスト導入装置から導入している様子を示す模式図である。図3に示すように、先ず、ナノミスト22の導入と共に、金属部材31は直流電源部24の正極側に接続され、密閉容器32は直流電源部24の負極側に接続され、通電している。
導入されたナノミスト22は、密閉容器32内に充満されるが、ナノミスト22自身は、微小粒子であるので、いわゆるレナード効果により、負イオンとなっている。よって、充満されるナノミスト22は、密閉容器32の壁側において、弾かれて、正極側に接続される金属部材31に引き寄せられその周囲に集中する。
そして、充満したナノミストは、時間の経過と共に、正極に接続されている金属部材31の隙間部33内に侵入し、隙間部33の深淵部(先端部)まで侵入する。
これは、一般のスチームの場合には、その粒径が6000nm程度であるが、ナノミストは約10〜500nm以下と極々微小であるので、隙間部33内に侵入することができることによる。
ここで、ナノミスト22の発生のためには、所定粒径のナノミスト(例えば約10〜500nm)を発生する装置であれば、公知のナノミスト発生装置を適用することができる。
直流電源部24の電圧としては、20〜50V程度、好ましくは、30〜40Vとし、所定時間(2〜3日)かけて通電する。この間、導入されたナノミスト22は、飽和状態となり、金属部材31の表面では、結露する。
この結果、隙間部33内で、ナノミストが凝縮して水35となる。この水35が塩分である塩素化合物(例えばNaCl,β−Fe2(OH)3Cl)に到達し、電気分解により塩素化合物は塩素イオンに解離される。この電気分解された塩素イオンは水35に取り込まれる。この状態でさらに結露が進行すると、隙間部35の入口側から液滴として落下する水35内には塩素イオンが取り込まれるので、除塩することとなる。
ここで、図4は、タービンロータ11を模式化した金属部材31と密閉容器32との内部にナノミスト22を図示しないナノミスト導入装置から導入し、その後直流電源の接続を逆転した場合の様子を示す模式図である。
そして、図3の直流電源部24での接続状態で2〜3日通電をした後、図4に示すように、直流電源部24での接続を逆転(交番)し、直流電源部24から金属部材31への接続を負極側とし、密閉容器32への接続を正極側とする。
この結果、図4に示すように、塩分として塩化ナトリウム(NaCl)の場合、水35中にはNa+、H+、Cl-、OH-がイオン状態で存在する。
この状態で、金属部材31が負極側に接続すると、水35内の正イオン(Na+、H+)は、金属部材31側に引き付けられ、逆に負イオン(Cl-、OH-)は隙間部33の先端部より外側の密閉容器32側に引き付けられる。この結果、ナノミスト22を連続して充満させているので、塩素イオンが溶解した液滴が隙間部33の開口部より連続して引っ切り無しに落下し、除塩が完了する。なお、塩化水素も蒸気圧を有しているので、塩素イオン(Cl-)として、ナノミスト空間内を浮遊して正極側に接続される金属製の密閉容器32の内壁面に付着する。付着した塩素イオンは、飽和状態の液滴に侵入して液滴36として落下し、密閉容器32の底部に溜まることとなる。また、錆34に潜んでいる塩分からも塩素イオン(Cl-)として同様に脱離されることとなる。
除塩終了後は、溜まった塩素イオンを含む液滴36を洗浄し、乾燥する。
この状態を2〜3日継続して、塩素イオンが溶出した水35を隙間部33から排出させ、金属部材11の表面に塩素イオンが溶解した液滴36として除塩することができる。
さらに、塩分付着の程度が高い場合(例えばボイラ運転中に復水器における海水リーク等があった場合)には、直流電源部24に対して、正極と負極の逆転する接続を複数回繰り返すことにより、さらに除塩効果を向上させるようにしてもよい。
この結果、金属製の密閉容器又は密閉建屋と金属部材との電源部への負極と正極との接続を繰り返すことにより、さらに塩素イオンを含む水35を外部に排出させ、液滴36として除塩する。
本実施例によれば、隙間部内にナノミストを導入し、電気分解により塩素イオンとした後、前記金属製の密閉容器又は密閉建屋と金属部材との電源部への負極と正極との接続を逆転させることで、塩素イオンを含む水を外部に排出させ、液滴として除塩することができる。この除塩は、除塩対象の金属部材31を覆う密閉容器32や密閉建屋21と、この密閉容器32又は密閉建屋21内にナノミスト22を導入するナノミスト導入装置23を設け、直流電源部からの通電を、所定時間逆転させることで、除塩することが可能となる。
よって、従来のような洗浄に大量の純水や精製水を必要としないので、被処理物である金属部材を浸漬する水槽が不要となり、大量の洗浄水による複数回の繰り返しの洗浄作業が不要となる。
さらに、タービンロータの翼溝の隙間部の洗浄においては、翼根を取り外すような分解工程及びその分解後の個々の部材の洗浄、更には洗浄後の部材の組み付けと、組み付け後の検査という複数の工程が不要となり、除塩工程の大幅な簡素化を図ることができる。
すなわち、従来では、金属部材31に付着した塩分を水沈処理(浸漬槽にどぶ漬け処理)する場合には、初期の塩素イオンの付着量が100mg/m2とした場合、一回の浸漬処理では、1/10程度しか濃度が低下しないので、応力腐食割れの原因とならない塩分量(例えば0.5m/m2以下)とする場合には、少なくとも3〜5回程度の浸漬による洗浄処理が必要となり、純水を入れ替えるため多量の純水を必要としていた。
これに対して、本発明では、純水の使用はナノミスト22の発生に使用するだけでよいこととなる。なお、本除塩処理の後に、金属部材31の表面を純水で洗い流すようにしてもよいが、その使用量も微々たるものである。なお、水洗処理した場合には、乾燥処理して錆の発生を防止するようにしている。
ここで、塩分が付着した金属部材としては、金属部材に微小な隙間部(狭隘部)が存在する例えばボイラ車室、弁、ロータ、翼、翼溝部(翼根)等を例示することができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、本実施例では通電時間を夫々2〜3日としているが、除塩の対象の金属部材の塩分付着の程度により通電時間は適宜変更するようにしてもよい。
よって、ボイラ設備において、例えば復水器に使用する冷却水の海水リークが発生した場合でも、ナノミスト22の発生のための僅かな純水や精製水の使用で除塩処理することができる。
本発明では、金属部材31として、タービンロータ11を用いて説明し、密閉建屋21としては、このタービンロータ11を分解せずにそのまま全体を覆うことができ、且つナノミスト22を導入してもその密閉状態を保持できるものを用いて説明したが、本発明で対象とする金属部材31は、タービンロータ11に何ら限定されるものではなく、小型の塩分が付着する金属部材31の場合には、その小型の金属部材31を覆うことができる、密閉容器31を用いて本発明を実施することができる。
また、金属部材31の表面に例えば超音波振動子を設け、電気分解の際及び塩素イオン排出の際における水中のイオンの挙動を活発にして、さらに除塩効果を高めるようにすることもできる。
図5及び図6は、実施例2に係るナノミストによる塩分を除去する作用を模式的に示す図である。なお、実施例1に係る金属部材の脱塩装置の構成と重複する部材には同一符号を付してその説明は省略する。
本実施例では、実施例1において、さらにナノミスト22の導入に際して、二酸化炭素(CO2)を混合するようにしている。この二酸化炭素(CO2)の導入に際しては、ボンベやドライアイスを用いることができるが、これに限定されるものではない。
ナノミスト22に二酸化炭素(CO2)を添加して密閉容器32内に充満させることにより、炭酸イオン(CO3 2-)が共存することとなる。ここで、CO2の水への溶解度は1cc/1ml水であるので、1〜5%程度混合するのが好ましい。
このナノミスト中に共存した炭酸イオンは負イオンであるので、図5に示すように、炭酸イオン(CO3 2-)が共存により、ナノミストの負の帯電が強化され、より正極に接続する金属部材31の隙間部33の深部まで、到達する挙動が加速される。よって、より隙間部が狭い狭隘部内への侵入も容易となる。
そして、図5の直流電源部24での接続状態で2〜3日通電をした後、図6に示すように、直流電源部24での接続を逆転(交番)し、直流電源部24から金属部材31への接続を負極側とし、密閉容器32への接続を正極側とする。
この結果、図6に示すように、塩分として塩化ナトリウム(NaCl)の場合、水35中にはNa+、H+、Cl-、OH-に加えてCO3 2-がイオン状態で存在する。
この状態で、金属部材31が負極側に接続すると、水35内の正イオン(Na+、H+)は、金属部材31側に引き付けられ、逆に負イオン(Cl-、OH-、CO3 2-)は隙間部33の先端部より外側の密閉容器32側に引き付けられる際、炭酸イオン(CO3 2-)が共存により、ナノミストの負の帯電が強化される。この結果、ナノミスト22を連続して充満させているので、塩素イオンが溶解した液滴が隙間部33の開口部より連続して引っ切り無しに落下し、負イオンの排出効果が助長される。付着した塩素イオンは、飽和状態の液滴に侵入して液滴36として落下し、密閉容器32の底部に溜まることとなる。
この状態を2〜3日継続して、塩素イオンが溶出した水35を隙間部33から排出させ、金属部材11の表面に塩素イオンが溶解した液滴36として除塩することができる。
本実施例によれば、二酸化炭素を添加するので、炭酸イオンが共存することとなり、ナノミストの帯電が強化され、隙間部の深淵部への挙動が速くなり、実施例1に比べて隙間部の深度方向での電気分解が確実になり、電解による塩素イオンの溶出が確実となる。
11 タービンロータ
12 翼溝
13 翼根
14 狭隘部
22 ナノミスト
23 ナノミスト導入装置
24 直流電源部
31 金属部材
32 密閉容器
33 隙間部(又は狭隘部)
35 水
36 液滴

Claims (6)

  1. 塩分が付着している金属部材の全体を密閉状態で覆う金属製の密閉容器又は密閉建屋と、
    前記密閉容器又は密閉建屋内にナノミストを導入するナノミスト導入装置と、
    前記金属製の密閉容器又は密閉建屋を負極側に、前記金属部材を正極側に接続して通電する直流電源部と、を備えた脱塩装置を用い、
    前記ナノミストを前記金属製の密閉容器又は密閉建屋内に充満させつつ所定時間通電して、前記金属部材の隙間部に侵入した塩素化合物を電気分解し、塩素イオンとして水に溶解させ、
    次いで、前記金属製の密閉容器又は密閉建屋を正極側に、前記金属部材を負極側に、各々の接続を逆転させた後、さらに通電し、
    前記塩素イオンが溶出した前記水を前記隙間部から排出させ、前記金属部材の表面に塩素イオンが溶解した液滴として除塩することを特徴とする金属部材の脱塩方法。
  2. 請求項1において、
    前記直流電源部に対して、前記正極と前記負極の逆転する接続を複数回繰り返すことを特徴とする金属部材の脱塩方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記ナノミストに二酸化炭素を添加してなることを特徴とする金属部材の脱塩方法。
  4. 塩分が付着している金属部材の全体を密閉状態で覆う金属製の密閉容器又は密閉建屋と、
    前記密閉容器又は密閉建屋内にナノミストを導入するナノミスト導入装置と、
    前記金属製の密閉容器又は密閉建屋を負極側に、前記金属部材を正極側に接続して所定時間通電し、前記金属部材の隙間部に侵入した塩素化合物を電気分解させる直流電源部と、を備え、
    前記直流電源部は、所定時間通電して塩素化合物を電気分解し、塩素イオンとして水に溶解させた後、
    前記直流電源部は、当該直流電源部に対して、前記金属製の密閉容器又は密閉建屋を正極側に、前記金属部材を負極側に、各々の接続を逆転させて交番した後、さらに通電し、前記塩素イオンが溶出した前記水を前記隙間部から排出させ、前記金属部材の表面に塩素イオンが溶解した液滴として除塩することを特徴とする金属部材の脱塩装置。
  5. 請求項4において、
    前記直流電源部に対して、前記正極と前記負極の逆転する接続を複数回繰り返すことを特徴とする金属部材の脱塩装置。
  6. 請求項4又は5において、
    前記ナノミストに二酸化炭素を添加してなることを特徴とする金属部材の脱塩装置。
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