JP6086388B2 - 箔の絞り加工 - Google Patents

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この発明は、粉末カプセルなどを製造するためなどに用いることのできる箔の絞り加工技術に関するものである。
金属板や箔などに対し、金型を用いた絞り加工が行われている。一般的な絞り加工を、図9に示す。図9Aに示すように、空隙2を有する下型4の上に、絞り加工の対象となる箔6を載置する。次に、上型8を下降させて箔6に圧力をかける。上型8は、空隙2に対して箔6の厚さを考慮して、空隙2に入り込む大きさに形成されている。したがって、図9Bに示すように、箔6が絞られるように変形する。上型8を上昇させ、絞り加工が施された箔6を取り出す。このようにして絞り加工が行われる。
しかしながら、上記のような従来の絞り加工法では、次のような問題があった。絞り加工の大きさは、空隙の大きさによって決定される。したがって、小さな絞り加工を行おうとすれば、小さな空隙を持つ下型を用意すればよいことになる。しかし、これに伴って、上型の直径も小さくなる。このため、上型の強度が小さくなって、絞り加工をしようとする材料によっては、上型が折れてしまうという問題があった。
また、深い絞りを行おうとしても、上型の圧力によって材料が破壊されてしまうという問題もあった。
さらに、材料によっては、絞り加工時の摩擦によって、材料が下型や上型に貼り付いてしまい、型からの取り外しが困難になったり、取り外し時に破損したりすることがあった。
この発明は、上記問題点の少なくとも一つを解決した絞り加工技術を提供することを目的とする。
以下この発明の独立したいくつかの特徴を示す。
(1)この発明に係る絞り加工箔の製造方法は、空隙を有する下型の、当該空隙を塞ぐように箔を載置するステップと、当該箔の上に粉体を載置するステップと、当該粉体の上から上型によって圧力をかけるステップとを備えている。
粉体を介して箔に圧力がかけられるので、材料を破壊せず、より深い絞りを行うことができる。
(2)この発明に係る絞り加工箔の製造方法は、上型が、前記下型の前記空隙に対して、直径換算で2倍以上の大きさを有することを特徴としている。
したがって、圧力をかけるステップにおいて、空隙上部における粉体の横方向への分散を抑えることができ効率よく箔に対して圧力をかけることができる。また、小さな絞り加工を行う場合であっても上型の強度を確保することができる。
(3)この発明に係る絞り加工箔の製造方法は、圧力をかけるステップにおいて、粉体がひろがらないように上型の周囲に規制壁を設けた状態で圧力をかけることを特徴としている。
したがって、圧力をかけるステップにおいて、空隙上部における粉体の横方向への分散を抑えることができ効率よく箔に対して圧力をかけることができる。
(4)この発明に係る絞り加工箔の製造方法は、圧力をかけるステップの前に、前記粉体の上に第2の箔を載置するステップをさらに備えることを特徴としている。
したがって、第2の箔により、空隙上部における粉体の横方向への分散を抑えることができ効率よく箔に対して圧力をかけることができる。また、加工時に絞り内部に残った粉体を閉じ込めるように第2の箔がふたをするので、粉体入りのカプセルを容易に製造することができる。
(5)この発明に係る絞り加工箔の製造方法は、圧力をかけるステップにおいて、前記下型の空隙に対応する位置に空隙を有する上型によって圧力をかけることを特徴としている。
したがって、粉体入りの長いカプセルを容易に製造することができる。
(6)この発明に係る絞り加工箔の製造方法は、粉体を載置するステップおよび圧力をかけるステップを、繰り返し実行することを特徴としている。
したがって、箔の破壊を防いで、より深い絞り加工を行うことができる。
(7)この発明に係る絞り加工箔の製造方法は、繰り返し実行される圧力をかけるステップにおいて、繰り返し回数とともに圧力を大きくすることを特徴としている。
したがって、箔の破壊を防いで、より深い絞り加工を行うことができる。
(8)この発明に係る加工箔の製造方法は、箔が、チタンを主成分とする箔またはアルミニウムを主成分とする箔であり、前記粉体が、強磁性体粉末であることを特徴としている。
したがって、ハイパーサーミア温熱治療のための微小発熱体を製造することができる。
(9)この発明に係る粉体カプセルは、絞り加工した箔の絞り部に粉体が収納されたことを特徴としている。
したがって、様々な粉体を収納したカプセルを提供することができる。
(10)この発明に係る絞り加工型は、空隙の設けられた下型と、当該下型上に載置された箔に対して、粉体を介して圧力を加えるため、水平断面において前記空隙より大きい上型とを備えたことを特徴としている。
したがって、粉体を介して箔に圧力がかけられるので、材料を破壊せず、より深い絞りを行うことができる。また、小さな絞り加工を行う場合であっても上型の強度を確保することができる。
(11)この発明に係る絞り加工型は、上型には、前記下型の空隙に対応する位置に空隙が設けられていることを特徴としている。
したがって、粉体入りの長いカプセルを容易に製造することができる。
この発明において、「空隙」とは、箔を絞ることの可能な形状であればよく、貫通孔や凹部を含む概念である。
「粉体の上から圧力をかける」とは、粉体に直接圧力をかける場合だけでなく、箔や板などの媒介を介して粉体に圧力をかける場合も含む概念である。
この発明の一実施形態による絞り加工装置の構造図である。 絞り加工型2による絞り加工のステップを示す図である。 絞り加工のなされた箔30を示す図である。 カプセル化した箔30を示す図である。 他の実施形態を示す図である。 他の実施形態による絞り加工のステップを示す図である。 種々の条件により絞り加工を施した箔の状態を示す写真である。 種々の条件により絞り加工を施した箔の状態を示す写真である。 従来の絞り加工を示す図である。
1.第一の実施形態
(1)構成
図1に、この発明の一実施形態による絞り加工型2の構造を示す。この実施形態においては、上型であるパンチ4、下型であるダイ6によって絞り加工型2が構成されている。この実施形態では、パンチ4、ダイ6は水平方向の断面が円形となるような形状にしている。ダイ6の中央部には、空隙である穴8が設けられている。この穴8の直径は、絞り加工の大きさに対応した大きさに設定することが好ましい。外径1mmの絞り加工を行う場合には、穴8の直径も1mmとする。穴の直径を1mm以下としても、絞り加工可能である。また、穴の直径は、絞り加工の大きさに合わせて大きくすることができる。円形ではなく、角形の絞りを行うのであれば、角形の穴8を設ければよい。なお、この実施形態では、深さによらず直径の大きさが一定の穴8を設けているが、入り口(上部)では直径が大きく、下部に行くにしたがって直径が小さくなるような穴を設けてもよい。
ダイ6は、金型機構のベース10に取り付ける。パンチ4は、金型機構の可動部20に取り付ける。押圧部22を駆動シリンダ(図示せず)によって押圧すると、支柱12によって位置決めがされた状態で、可動部20が下降する。これに伴って、可動部20に固定されたパンチ4も下降する。なお、パンチ4は、最大下降時(ダイ6と接するまで下降したとき)において、ダイ6の穴8を塞ぐ位置に取り付けられている。なお、穴8の中心と、ダイ6の中心が合致するように固定することが好ましい。
(2)加工
図2に、絞り加工型2を用いた絞り加工の工程を示す。まず、図2Aに示すように、ダイ6の穴8を覆うように、絞り加工対象である箔30を載置する。この時、穴8の中心とダイ6の中心を合致させるようにすることが好ましい。箔30を載置する際、その裏面(ダイ6に接する面)に、潤滑剤(二酸化モリブデングリースなど)を塗布しておくことが好ましい。箔30を、ダイ6から外しやすくするためのである。箔30の材質としては、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、マグネシウム合金など絞り加工に用いられる一般的な金属を用いることができる。また、展性の低い金属の場合、焼き鈍しを行ってから用いることが好ましい。ハイパーサーミア法に用いるカプセルを製造するのであれば、人体に影響の少ないアルミニウムやチタンを主成分とする箔などを用いることが好ましい。
次に、図2Bに示すように、箔30の上に、粉体32を一様の厚さになるように載置する。粉体としては、鉄粉などの金属粉だけでなく、プラスチックなどの非金属粉などを用いてもよい。ハイパーサーミア法に用いるカプセルを製造するのであれば、強磁性体粉末が好ましい。たとえば、フェライト粉末、鉄粉末、コバルト粉末、ニッケル粉末などである。
次に、図2Cに示すように、パンチ4を下降させる。パンチ4によって粉体32を押圧する。これにより、粉体32の一部は横方向に逃げるが、穴8の上部に残った粉体32によって箔30が押圧される。したがって、箔30は粉体32からの圧力によって、穴8において突出するよう変形する。この時、パンチ4によって直接的に箔30を押圧するのではなく、粉体32を介して箔30を押圧しているので、穴8上の箔30が均等に押圧されることになる。したがって、箔30の破壊を防ぎつつ、より深い(絞りの横方向の幅に対して、絞りの縦方向が長い場合)絞り加工を行うことができる。
なお、図2に示すような工程において、水のような流体を介して圧力を加えることは困難である。粉体32とは違って、流体はそのままでは箔30の上に載置できないからである。つまり、固体としての性質と、流動体としての性質とを併せ持つ粉体であるからこそ、実現できた加工方法である。
引き続きパンチ4を下降させ、パンチ4が箔30に接するまでになれば(あるいはその手前で)、パンチ4を上昇させる。このようにして、図3に示すように、箔30の絞り加工部30aに、粉体32が収容されたものが得られる。なお、図3Aは平面図、図3Bは断面図である。
絞り加工のみが目的であれば、絞り加工部30aに収容された粉体32を取り除くことによって、絞り加工された箔30を得ることができる。
また、粉体32を収納したカプセルを得るのが目的であれば、図3Bに示す周縁部30bを折り返すことで粉体32の上部に蓋をする。このようにして得られたカプセルを図4Aに示す。なお、周縁部30bを取り除き(あるいは、周縁部30bが小さくなるように材料を選択し)、粉体32の上部に箔34によって蓋をするようにしてもよい。このようにして得られたカプセルを図4Bに示す。箔30と箔34とは、かしめ、接着などによって接合することができる。
(3)その他
なお、絞り加工の効率を求める場合には、図5Aに示すように、穴8の幅(円形の場合は直径)αに対して、パンチ4の幅βは、十分に大きいことが好ましい。幅βが小さいと、押圧時に、粉体32が横方向に逃げてしまって、箔30に十分な圧力がかからず、一度の押圧で達成できる絞りが浅くなるからである。このため、深い絞りを行うためには、図2B、図2Cのステップを複数回繰り返さなければならず、時間を要することになる。このような観点からは、穴8の幅αに対して、パンチ4の幅βは、少なくとも2倍以上であることが好ましく、さらに好ましくは5倍以上であることが適している(穴8の中心とパンチ4の中心が一致しているとした場合)。
なお、パンチ4の幅βが小さい場合(たとえば、穴8の幅αの2倍程度)には、図5Bに示すように、パンチ4が降下したときにその外側に来るように、規制壁40を設けるようにしてもよい。この実施形態では、規制壁40は、円環状のものとしている。この規制壁40によって、粉体32の横方向への逃げが規制される。
また、図5Cに示すように、パンチ4の幅βが小さい場合(たとえば、穴8の幅αの2倍程度)、第2の箔36を粉体32の上に載置し、パンチ4で押圧するようにしてもよい。第2の箔36によって、粉体32の横方向への逃げが規制され、穴8上の箔30に対して十分な圧力を与えることができる。第2の箔36の上面には、潤滑剤を塗布することが好ましい。
一方、加工効率を求めないのであれば、パンチ4の幅βを小さくし(たとえば、穴8の幅αの2倍程度)、図2Cの工程が終了した後、パンチ4を上昇させ、粉体32を整えて再び図2Bの状態として、図2Cの工程を実行することで、所望の絞り深さを得るようにしてもよい。つまり、所望の絞り深さが得られるまで、図2B、図2Cの工程を繰り返すようにしてもよい。この際、上記繰り返しにおいて、徐々にパンチ4による押圧の圧力を高くするようにしてもよい。
2.第二の実施形態
図6に、第二の実施形態による絞り加工型2と、その加工ステップを示す。図6Aに示すように、この実施形態においては、パンチ4にも穴9が設けられている。この穴9は、ダイ6の穴8に対応する位置に設けられている。この実施形態では、穴8と穴9の中心を一致させているが、ずらせるようにしてもよい。また、この実施形態では、穴8と穴9の大きさを同じにしているが、異なる大きさとしてもよい。
ダイ6の穴8を覆うように、箔30を載置する。その上に、粉体32を載置する。さらに、その上に第2の箔36を載置する。この状態を示したのが、図6Aである。
次に、図6Bに示すように、パンチ4を下降させ、粉体32を押圧する。これにより、箔30が穴8の方向に変形するとともに、第2の箔36が穴9の方向に変形する。
パンチ4を最後まで下降させると、図6Cに示すようになる。絞り加工された箔30と箔36の間に、粉体32が収納されたカプセルを得ることができる。不要な箔30、36(絞り加工された部分以外の部分)を取り除くことにより、カプセルが完成する。
1.実施例1
(1)実験方法
強磁性体をガンのある患部に埋め込み、外部から周波数50〜400kHzの高周波を印加することで、強磁性体を発熱させる。これによって、患部のがん細胞などを死滅させる治療法が知られている。ここでは、この強磁性体をカプセル化する手法について検討した。
一般的なアトマイズ鉄粉を原料粉末とし、それを篩にかけて粒子径を75〜32μmに調整し、さらに、内部潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を1.0wt.%添加混合したものを供試粉末とした。加えて、磁気ヒステリシス損の向上を図るためにボールミリング処理を施した粉末についても調査した。ただし、この場合ミリング助剤としてステアリン酸亜鉛添加量は10wt.%としている。
Ti箔はJIS 1種の純チタン圧延シートを用い、600℃,1hr.で真空焼鈍を施したものを10mm四方に切り取ってブランクとした。箔の厚さとしてt=50μmおよび100μmの場合について調べた。50μmのものについては比較材として受入れのまま(焼鈍せず)の場合についても試験した。
絞り加工型は、図2に示す構造のものを用いた。絞りダイ穴(穴8)形状は円形でテーパ付きとし、入口部直径φ1.5mm、テーパ角55°、絞り径φ1.0mmである。成形パンチ(パンチ4)の直径はφ2.0mmと、ダイ穴径よりも大きくした。Ti箔(箔30)をダイ(ダイ6)表面に置き、その上に鉄粉末(粉体32)を載せて粉末層を造り、そこにダイ穴径よりも大きな径を有する成形パンチを押しあてるという、極めて簡単な操作で、微細絞りおよび粉末のカプセル化を実現する。粉末層の厚みは約3mmとした。潤滑はTi箔裏面(ダイ側)に二硫化モリブデングリースをスプレー塗布した。
成形特性については、最大成形荷重2200Nまで負荷した場合におけるカップ(絞り加工によって形成された凹部)成形高さを評価するものとした。成形速度は0.1 mm・s-1とし、次の4つの場合について実施した。
1)パンチによる押圧(最大成形荷重2200N)を1回だけ行う場合(1ストロークで負荷する場合)。
2)パンチによる押圧を複数回繰り返した場合。最初に245Nを負荷し、その後490Nずつ段階的に負荷していく(段階負荷1)。
3)パンチによる押圧を複数回繰り返した場合。最初に245Nを負荷し、その後490Nずつ段階的に負荷していき、1225Nを4回繰り返した後、最後に2200Nにて1回負荷する(段階負荷2)。
4)パンチによる押圧を複数回繰り返した場合。最初に245Nを負荷し、その後490Nずつ段階的に負荷していき、735Nを4回繰り返した後、最後に2200Nにて1回負荷する(段階負荷3)。
(2)実験結果
図7A、図7Bに、1ストロークで2200Nまで負荷した場合における成形カップの外観写真および成形高さを示す。受入れ材(図7A)、焼鈍材(図7B)のいずれも、張出しは行われているが絞りまでには至っていない様子がわかる。
図7C〜図7Hに、段階負荷を行った結果を示す。段階負荷によって、カップ内に充填される粉末量を増すことができ、より高い成形高さが得られた。ただし、図7Cに示すように受入れ材はダイ肩部から破断が生じていた。焼鈍材の場合、t=50μmのもの(図7D)は打ち抜きが生じており、これ以上成形高さを増すことはできない。この観点で、t=100μmにおいては更なる成形高さの増加が見込まれる(図7E参照)。図7Fは、1225Nまで段階負荷し、その荷重でさらに3回繰返し負荷した後に2200Nを負荷した場合(段階負荷2)の結果である。1.10mmの成形高さを得た。しかし、 735Nで同様の繰返し負荷を行った場合(段階負荷3)は、図7Gに示すように、成形高さが段階負荷の場合よりもむしろ低下していた。また、ミリング処理粉末を使用した場合は、735Nの成形荷重ですでにダイ肩部からの破断が生じ、それ以上の荷重では成形できなかった(図7H)。理由としては, ミリングによって粒子形状が板状となり粒子径も長辺が100μm以上に増大していたこと、さらに、内部潤滑剤が多量であったことが関与していると考察される。
以上、提案手法においては粉末の圧密特性が絞りの進行に大きな影響を及ぼしていることが推察される。
2.実施例2
上記の1ストロークと同じ条件で、図5に示すカプセル化を行った。粉末層の上にさらに50μmの板厚のTi箔(第2の箔36)を置き、その上面に成形パンチを押しあてて成形することで、下側箔成形カップに蓋をすることでその達成を試みた。
図8に、焼鈍材についてカプセル化を試みた結果を示す。いずれの板厚についても絞り加工が成されており、かつ、粉末層の上に置いたTi箔(上側Ti箔)で成形カップに蓋をすることに成功した。50μmの場合(図8A)、上下両者のTi箔は成形パンチとダイ表面に挟まれたことで圧着され、かつ、共に打ち抜かれていた。図8Cがその俯瞰写真であり、上側Ti箔(第2の箔36)で蓋がされている様子がわかる。発生しているバリは絞られた下側Ti箔のものである。図8Dはt=100μmのもののパンチ接触面側の写真である。上側のTi箔のみが打ち抜かれている。
図7A、図7Bおよび図8の結果から、本手法において絞りを達成する場合、粉末粒子の崩落を阻止する必要があることが推察される。すなわち、粉末層はパンチ降下に伴って崩落し、粉末粒子の大部分は半径方向へ流出してしまうが、カプセル化の場合において絞りが達成されたのは、上側Ti箔を介して負荷されるためにその流出量が減少したことによると思われる。

Claims (10)

  1. 空隙を有する下型の、当該空隙を塞ぐように箔を載置するステップと、
    当該箔の上に粉体を載置するステップと、
    当該粉体の上から上型によって圧力をかけるステップと、
    を備えた絞り加工箔の製造方法であって、
    前記圧力をかけるステップにおいて、粉体の一部が横方向に逃げるような状態で圧力をかけることを特徴とする製造方法。
  2. 請求項1の絞り加工箔の製造方法において、
    前記圧力をかけるステップにおいて、粉体がひろがらないようにするための規制壁を設けないで圧力をかけることを特徴とする製造方法。
  3. 請求項1または2のいずれかの絞り加工箔の製造方法において、
    前記圧力をかけるステップにおいて、粉体がひろがらないように上型の周囲に規制壁を設けた状態で、規制壁の間隔よりも小さい幅の上型にて圧力をかけることを特徴とする製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかの絞り加工箔の製造方法において、
    前記上型は、前記下型の前記空隙に対して、直径換算で2倍以上の大きさを有することを特徴とする製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかの絞り加工箔の製造方法において、
    前記圧力をかけるステップの前に、前記粉体の上に第2の箔を載置するステップをさらに備えることを特徴とする製造方法。
  6. 空隙を有する下型の、当該空隙を塞ぐように箔を載置するステップと、
    当該箔の上に粉体を載置するステップと、
    当該粉体の上から上型によって圧力をかけるステップと、
    を備えた絞り加工箔の製造方法であって、
    前記圧力をかけるステップの前に、前記粉体の上に第2の箔を載置するステップをさらに備え、
    前記圧力をかけるステップにおいて、前記下型の空隙に対応する位置に空隙を有する上型によって圧力をかけることを特徴とする製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかの絞り加工箔の製造方法において、
    前記粉体を載置するステップおよび前記圧力をかけるステップを、繰り返し実行することを特徴とする製造方法。
  8. 請求項7の絞り加工箔の製造方法において、
    前記繰り返し実行される圧力をかけるステップにおいて、繰り返し回数とともに圧力を大きくすることを特徴とする製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかの加工箔の製造方法において、
    前記箔は、チタンを主成分とする箔またはアルミニウムを主成分とする箔であり、
    前記粉体は、強磁性体粉末であることを特徴とする製造方法。
  10. 箔を絞り加工するための型であって、
    空隙の設けられた下型と、
    当該下型上に載置された箔に対して、粉体を介して圧力を加え絞り加工するため、水平断面において前記空隙より大きい上型と、
    を備えた絞り加工型であって、
    前記上型には、粉体の上に載置された異なる箔を絞り加工するため、前記下型の空隙に対応する位置に空隙が設けられていることを特徴とする加工型。


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