JP6086218B2 - 定点黒体炉 - Google Patents

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Description

本発明は、測定対象の表面温度を非接触で、且つ、高速に測定する放射温度計等の各種温度計の校正及び評価に用いる定点黒体炉に関する。
従来より、物体から放射される赤外線を検出することにより温度を測定する放射温度計は、高速で比較的正確に測定できるため広く用いられている。この放射温度計は、測定対象である物体が発する赤外線(可視光線領域より波長の長い約0.77〜1000μmの範囲の電磁波)を測定して対象物の表面温度を非接触で測定できる温度計であり、特に食品の管理や工業部門で直接触れることの困難な個所の温度管理に使用されている。
また、下記非特許文献1には、高純度の黒鉛からなる定点るつぼ内に定点物質として純金属(一例として、In,Sn,Zn,Al,Ag,Cu等)を鋳込んで収容し、これを電気炉で加熱してるつぼ内部の潜熱を利用して被校正温度計の温度校正を行う定点黒体炉について開示されている。
図5は、下記非特許文献1に開示される従来の定点黒体炉の装置構成を示す概略断面図である。図示のように、定点黒体炉200は、放射温度計等の被校正温度計の温度校正を行う温度校正装置に具備されるものであり、定点物質を納める高純度の黒鉛からなる外筒201と、温度定点を測定するための測定用開口部202を有し、外筒201に収装して黒体空洞となる内筒203とで構成される定点るつぼ204と、収容する定点るつぼ204の測定用開口部202と相対する側に定点るつぼ204の酸化を防止する不活性ガスを流入するガス注入部205が設けられ、定点るつぼ204を収容した後に蓋部材206が装着されるステンレス製の均熱容器207と、均熱容器207の両端面の外側に設けられる一対の断熱材208と、均熱容器207を中心として一対の断熱材208を均熱容器207の中心線上に整列させて挟み込んだ状態で収容するアルミナ管209と、アルミナ管209からの放射熱をシールドする放射シールド部材210とで構成されている。
日本工業規格 「JIS C1612 放射温度計の性能試験方法通則」 制定1988年 第1413頁〜第1441頁
しかしながら、上述した従来の定点黒体炉200では、定点るつぼ204内の溶融した定点金属が定点黒体炉200の外に漏れ出るおそれがあり、設置箇所によっては火災の原因にもなり、危険性を伴うという問題があった。
この問題を解消するため、定点黒体炉200が収容される装置本体に対し、定点黒体炉200の測定用開口部202に臨むようにして受け皿を別途設ける構成も考えられる。しかし、この構成では、受け皿が装置外部に突出し、外観上の見栄えが悪いという問題があった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、定点るつぼ内から漏れ出る定点金属を定点黒体炉内で受け止めることができ、外観上の見栄えも損なうことがない定点黒体炉を提供することを目的とするものである。
上記した目的を達成するため、請求項1記載の定点黒体炉は、定点金属を納める外筒と、一端に断面すり鉢状の閉塞部を有するとともに、他端に前記定点金属の相平衡状態である温度定点を測定するための測定用開口部を有し、前記外筒に収装して黒体空洞となる内筒とを備えた定点るつぼが収容された定点黒体炉において、
前記測定用開口部に連通する測定用空洞としての貫通穴が形成され、該貫通穴に前記定点るつぼから漏れ出る定点金属を受け止めるための凹部を有する断熱材を前記測定用開口部の前面側に配置し、前記断熱材の前記貫通穴が前記測定用開口部から離れるに従って拡径していることを特徴とする。
請求項記載の定点黒体炉は、請求項1記載の定点黒体炉において、
前記断熱材は、前記貫通穴の長さ方向の複数箇所に前記凹部を有することを特徴とする。
本発明によれば、測定用開口部に連通する測定用空洞としての貫通穴が形成され、この貫通穴に定点るつぼから漏れ出る定点金属を受け止めるための凹部を有する断熱材を測定用開口部の前面側に配置したので、定点るつぼから漏れ出る溶融した定点金属を定点黒体炉内の測定用開口部側に近い位置で受け止め、定点金属が定点黒体炉外に漏れ出るのを防ぐことができる。また、定点黒体炉の構成要素である断熱材の凹部で定点金属を受け止めるので、定点金属を受け止めるための部品が定点黒体炉を収容する装置の外部に突出することがなく、外観上の見栄えを損なうこともない。
また、断熱材の貫通穴が測定用開口部から離れるに従って拡径する構成とすれば、定点るつぼから漏れ出る定点金属を測定用開口部側に戻すことなく凹部側へ案内して受け止めることができる。
さらに、断熱材の貫通穴の長さ方向の複数箇所に凹部を有する構成とすれば、より多くの溶融した定点金属を凹部で受け止めることができる。また、測定用開口部から離れるに従って断熱材の貫通穴を拡径する構成との相乗効果により、定点るつぼから漏れ出る溶融した定点金属を測定用開口部側に近い位置から段階的に受け止めることができる。
本発明に係る定点黒体炉を収容した温度校正装置の正面図である。 図1における定点黒体炉の側面断面図である。 同定点黒体炉の概略構造を説明するための側断面図である。 (a)本発明に係る定点黒体炉における熱媒体の流動状態を示す側断面図である。 (b)(a)におけるA−A線側断面図である。 従来の黒体炉の装置構成を示す概略構成図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。また、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではなく、この形態に基づいて当業者などによりなされる実施可能な他の形態、実施例及び運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれる。
本発明の定点黒体炉は、放射温度計等の被校正温度計の温度校正を行う温度校正装置に具備され、定点るつぼ内に所望の定点金属(純度が99.999%以上のIn,Sn,Zn,Al,Ag,Cuの何れかの金属)を鋳込み、ヒータにより昇温・降温させた定点金属Mの潜熱によりプラトー状態となった時点で温度定点を被校正温度計で測定して温度校正を行うものである。
そして、本形態では、定点るつぼを中心として一対の保護部材、一対の断熱材の順で配置した状態でガス注入部を備えた均熱管に収容し、さらに均熱管の両端部をキャップするアルミナ製の押さえ部を設けた定点るつぼユニットを定点黒体炉内に具備することで定点るつぼの交換を可能としている。
なお、本明細書では、本形態の定点黒体炉を説明する便宜上、定点黒体炉を温度校正装置内に水平設置した際に、被校正温度計である放射温度計を含む各種温度計による黒体空洞の測定を行うための開口窓側(すなわち、被校正温度計の設置位置側)を「前面」として規定し、この前面側と相対する側であり炉内に収容される定点るつぼユニット内の定点るつぼの酸化を防止するための不活性ガス(Ar等)を注入する側を「背面」として規定する。
図1又は図2に示すように、本例の定点黒体炉1は、黒体空洞となる定点るつぼ11を収容する定点るつぼユニット10と、定点るつぼユニット10の両端面の外側に設けられる複数の断熱材20と、定点るつぼユニット10を中心として断熱材20を挟み込んだ状態でそれぞれが収容される円筒形のパネルヒーター30とが、定点るつぼユニット10を中心としてその両端側を断熱材20で挟み込んだ状態で開口部41を有する円筒形の収容部材40内に収容されて構成されている。また、収容部材40における開口部41の下方には、定点るつぼ11内から漏れ出した定点金属Mを回収する受け部材42が設けられている。
そして、定点黒体炉1は、図1又は図2に示すように、温度校正装置50の外筐体51内の所定位置に収容される。すなわち、定点黒体炉1は、被校正温度計となる放射温度計100の校正を行う際、炉内における黒体空洞からの放射熱を測定するための開口窓51aを有する温度校正装置50の外筐体51内において、開口部41が開口窓51aの中心線上と合う位置に収容されている。
このように、定点黒体炉1の開口部41を開口窓51aの中心線上に合わせた位置で定点黒体炉1を外筐体51内に収容することで、定点るつぼユニット10内に具備された定点るつぼ11の黒体空洞の中心と、開口窓51aの中心とが一直線上に位置合わせされた状態となる。従って、放射温度計100を校正する際に、開口窓51aの中心線を測定用の基準軸として使用することで放射温度計100の位置合わせを容易に行うことができる。
また、温度校正装置50の外筐体51の所定箇所(例えば外筐体51の前面側)には、放射温度計100の校正を行う際の温度設定や炉内温度を表示するための各種表示装置(例えば液晶パネルやLED)や各種設定ボタン等で構成される不図示の設定表示部が設けられている。
図3や図4(a),(b)に示すように、定点るつぼユニット10は、定点るつぼ11と、保護部材12と、ユニット断熱材13と、均熱管14と、ガス注入部15と、押さえ部16とで構成されている。
定点るつぼ11は、円筒形の外筒11aと、外筒11aに収容される円筒形の内筒11bとから構成される。外筒11aは、高純度の黒鉛で形成され、背面側にねじ込み式の蓋部材11cが設けられており、他方に内筒11bを収容するための開口部11dを有している。また、内筒11bは、外筒11aと同じく高純度の黒鉛で形成され、一端に断面すり鉢状の閉塞部11eを有し、他端に温度定点を測定するための測定用開口部11fを有する黒体空洞を形成している。
また、外筒11aの両端部には、ガス流入部11gが形成されている。ガス流入部11gは、図4(a),(b)に示すように、外筒11aの両端部における外周縁の上下左右を外周縁から所定深さだけ直線状に欠切した欠切部からなる。ガス流入部11gは、定点るつぼ11の背面側に設けられるガス注入部15から注入された不活性ガスを、定点るつぼ11の外周面に沿って背面側から前面側に向かう方向(すなわち、定点るつぼ11の内筒11bにおける閉塞部11eから測定用開口部11fに向かう方向)に流入させている。これにより、ガス注入部15から注入された不活性ガスは、図4(b)の矢印で示すように、定点るつぼ11の長さ方向に沿って背面側から前面側に流入される。その結果、定点るつぼ11の前面側(測定用開口部11f側)に不活性ガスを十分に送り込み、定点るつぼ11における前面側の酸化を抑制している。
なお、図4(a),(b)の例では、ガス流入部11gを外筒11aの両端部に形成した欠切部としているが、これに限定されるものではない。すなわち、ガス流入部11gは、ガス注入部15から注入された不活性ガスを定点るつぼ11の背面側から前面側に十分流入できる形状であれば良く、例えば外筒11aの両端部における外周縁の複数箇所に小径の貫通穴を形成してガス流入部11gとすることもできる。
さらに、内筒11bの開口部11dには、使用条件(例えば使用温度など)に応じて測定用開口部11fの口径を任意に調整可能とするため、測定用開口部11fよりも小径のしぼり穴が形成されたしぼり部11hが着脱可能に設けられている。このしぼり部11hの着脱可能な構成により、酸化による劣化・破損や使用条件によってしぼりサイズの変更が生じた際に、最適なしぼりサイズで形成されたしぼり部11hに適宜交換することができる。
保護部材12は、定点るつぼ11と同様に高純度の黒鉛で形成された前面側保護部材12aと背面側保護部材12bの一対の環状部材で構成されている。前面側保護部材12aは、定点るつぼ11の前面側(すなわち、定点るつぼ11における内筒11bの測定用開口部11f側)に設けられている。また、背面側保護部材12bは、定点るつぼ11の背面側(すなわち、定点るつぼ11における内筒11bの閉塞部11e側)に設けられている。すなわち、保護部材12は、外気による定点るつぼ11の酸化を抑制させるため、定点るつぼ11の両端側の外側に設けられている。
また、前面側保護部材12aには、内筒11bの測定用開口部11fと連通するための貫通孔12cが形成されている。さらに、前面側保護部材12aの貫通孔12cには、内筒11bの測定用開口部11fの前面に対向してガス案内凹部12dが形成されている。ガス案内凹部12dは、内筒11bの測定用開口部11fの中心と対応する位置が最も凹んだ所定曲率の湾曲形状をなしており、ガス流入部11gから流入する不活性ガスを、効率よく定点るつぼ11の前面側中心部(すなわち、内筒11bの測定用開口部11fの中心部)に向けて導いている。これにより、定点るつぼ11の測定用開口部11fの酸化をさらに抑制し、定点るつぼ11の延命を図っている。
なお、図4(b)の例では、ガス案内凹部12dを所定曲率の湾曲形状としているが、不活性ガスが定点るつぼ11の前面側に十分行き渡るような凹部形状(例えば、階段状の凹部など)であれば良い。
また、背面側保護部材12bには、案内孔12eが複数箇所に形成されている。案内孔12eは、ガス注入部15から注入された不活性ガスを、定点るつぼ11の背面側から前面側に向けて案内している。
ユニット断熱材13は、セラミックファイバーを接着剤等で固めた断熱部材であり、前面側ユニット断熱材13aと背面側断熱材13bとで構成されている。ユニット断熱材13は、定点るつぼ11の温度分布安定化を図るため、定点るつぼ11の両端面のそれぞれと対向するように各保護部材12の外側端面と対向して設けられている。
そして、前面側ユニット断熱材13aには、前面側保護部材12aの貫通孔12cと連通する貫通孔13cが形成されている。また、背面側ユニット断熱材13bには、ガス注入部15から注入された不活性ガスを背面側保護部材12bまで案内するための貫通孔13dが形成されている。
均熱管14には、前面側ユニット断熱材13aの貫通孔13cに連通する貫通孔14aと、ガス注入部15に連通して不活性ガスを導入する貫通孔14bとが形成されている。均熱管14は、定点金属MがIn,Sn,Zn,Alの何れかの金属のときにステンレスで形成されたものを使用し、定点金属MがAg又はCuの金属のときはインコネルで形成されたものを使用する。
ガス注入部15は、定点るつぼ11の背面側(すなわち、定点るつぼ11における内筒11bの閉塞部11e側)から不活性ガスを注入するための均熱管14と同素材のガス導入管であり、均熱管14の背面側に一体形成されている。
押さえ部16は、均熱管14に収容された定点るつぼ11を交換可能とするため、パネルヒーター30の加熱により均熱管14に固着しない例えばアルミナ製の前面側押さえ部16aと背面側押さえ部16bの一対のキャップ部材で構成される。そして、前面側押さえ部16aは、均熱管14の前面側をキャップするように装着され、均熱管14の開口部14aと連通する貫通孔16cが形成されている。また、背面側押さえ部16bは、均熱管14の背面側をキャップするように装着され、均熱管14に一体形成されるガス注入部15が挿通される挿通孔16dが形成されている。
断熱材20は、セラミックファイバーを接着剤等で固めた断熱部材であって、前面側断熱材21と背面側断熱材22から構成されている。前面側断熱材21は、複数に分割(図3の例では3つ)して定点るつぼユニット10の前面側に設けられ、定点るつぼユニット10の測定用開口部11fに連通する貫通孔21aが形成されている。この貫通孔21aは、測定用空洞の一部をなし、定点るつぼユニット10の測定用開口部11fから温度校正装置50の開口窓51aに向かうに従って徐々に拡径するように形成されている。
また、前面側断熱材21の貫通孔21aには、定点るつぼ11から漏れ出る定点金属を受け止めるための凹部21bが形成されている。この凹部21bは、貫通孔21aの長さ方向の複数箇所に形成されている。これにより、定点るつぼ11から漏れ出した定点金属Mが温度校正装置50の開口窓51aから外に漏れ出ることを防止している。
背面側断熱材22は、定点るつぼユニット10の背面側に設けられ、ガス注入部15が挿通される挿通孔22aが形成されている。なお、本例では、2つの前面側断熱材21と1つの背面側断熱材22で断熱材20を構成しているが、その構成数が限定されるものではない。
パネルヒーター30は、円筒形を有するセラミックファイバー(例えば、アルミナとシリカを基本組成とする無機質の耐火性繊維であるカオウール(登録商標))製の第1断熱部材31と、この断熱部材の内周面に少なくとも均熱管15の長手方向長さよりも長いヒータ32が一体形成され、さらに第1断熱部材31の外周にガラス繊維による織布からなる第2断熱部材33が巻装されている。パネルヒータ30は、定点るつぼユニット10を中心として、前面側断熱材21と背面側断熱材22とで挟み込んだ状態で収容部材40に収容される。
また、本例の定点黒体炉1では、前面側保護部材12aの貫通孔12c、前面側ユニット断熱材13aの貫通孔13c、均熱管14の貫通孔14a、押さえ部16の貫通孔16c、前面側断熱材21の貫通孔21aの順で温度校正装置50の開口窓51aに向かって徐々に拡径するように形成されており、定点るつぼ11における内筒11bの測定用開口部11fを起点として、貫通孔12a、13c、14a、16c及び21aとで測定用空洞を構成している。
そして、上記構成による定点黒体炉1を収容した温度校正装置50を用いて被校正温度計となる放射温度計100の校正を行う場合には、温度校正装置50の開口窓51aから所定距離離れた測定軸上の位置に放射温度計100を設置し、測定用空洞を介して定点るつぼ11の黒体空洞内の潜熱を測定して温度校正を行っている。
以上説明したように、本例の定点黒体炉1によれば、以下に示すような効果を奏することができる。
本例の定点黒体炉1は、均熱管14内に、定点るつぼ11を中心として、一対の保護部材12、一対の断熱材13の順に定点るつぼ11の両端面の外側から挟み込み、定点るつぼ11、一対の保護部材12、一対の断熱材13を定点るつぼ11の中心線上に整列させて収容し、この均熱管14の両端部にアルミナ製の押さえ部16をキャップするように装着された定点るつぼユニット10を具備する構成であるため、定点黒体炉1の稼働に伴うパネルヒータ30の加熱によって押さえ部材16が固着することなく均熱管14内に収容される定点るつぼ11を容易に交換することができる。また、異なる種類の定点金属Mを収容した定点るつぼ11毎に温度校正装置50を用意する必要がなくなる。
また、定点るつぼ11の測定用開口部11fに連通する貫通孔21aに定点るつぼ11から漏れ出る定点金属Mを受け止めるための凹部21bを有する断熱材21を測定用開口部11fの前面側に配置した構成なので、定点るつぼ11から漏れ出る溶融した定点金属Mを定点黒体炉1内の測定用開口部11f側に近い位置で受け止め、定点金属Mが定点黒体炉1から温度校正装置50の外に漏れ出るのを防ぐことができる。そして、定点黒体炉1の構成要素である断熱材21の凹部21bで定点金属Mを受け止めるので、定点金属Mを受け止めるための部品が温度校正装置50の外部に突出することがなく、外観上の見栄えを損なうこともない。
さらに、断熱材21の貫通孔21aが定点るつぼ11の測定用開口部11fから離れるに従って拡径する構成なので、定点るつぼ11から漏れ出る定点金属Mを測定用開口部11f側に戻すことなく凹部21b側へ案内して受け止めることができる。
また、断熱材21の貫通孔21aの長さ方向の複数箇所に凹部21bを有する構成なので、より多くの溶融した定点金属Mを凹部21bで受け止めることができる。そして、定点るつぼ11の測定用開口部11fから離れるに従って断熱材21の貫通孔21aを拡径する構成との相乗効果により、定点るつぼ11から漏れ出る溶融した定点金属Mを測定用開口部11f側に近い位置から段階的に受け止めることができる。
さらに、定点るつぼ11の閉塞部11e側から測定用開口部11f側に向けて不活性ガスを流入するガス流入部11gを外筒11aの両端部における外周の一部に形成した構成なので、不活性ガスを定点るつぼ11の測定用開口部11f側に送り込むことができ、測定用開口部11f側の酸化を抑制して定点るつぼ11の寿命を延ばすことができる。
また、定点るつぼ11のガス流入部11gから測定用開口部11fに流入される不活性ガスを測定用開口部11fの中心部に向けて導くためのガス案内凹部12dが形成された前面側保護部材12aを測定用開口部11fの前面に配置した構成なので、測定用開口部11fの中心部まで十分に不活性ガスを流入させることができ、さらに定点るつぼ11の延命を図ることができる。
さらに、定点るつぼ11の測定用開口部11fより小径のしぼり穴の形成されたしぼり部11hが内筒11bの開口部11dに着脱可能に設けられる構成なので、酸化による劣化・破損時やしぼりサイズの変更に対応して最適なしぼり部11fに交換することができる。
1…定点黒体炉
10…定点るつぼユニット
11…定点るつぼ(11a…外筒、11b…内筒、11c…蓋部材、11d…開口部、11e…閉塞部、11f…測定用開口部、11g…ガス流入部、11h…しぼり部)
12…保護部材(12a…前面側保護部材、12b…背面側保護部材、12c…貫通孔、12d…ガス案内凹部、12e…案内孔)
13…ユニット断熱材(13a…前面側ユニット断熱材、13b…背面側ユニット断熱材、13c,13d…貫通孔)
14…均熱管(14a,14b…貫通孔)
15…ガス注入部
16…押さえ部(16a…前面側押さえ部、16b…背面側押さえ部、16c…貫通孔、16d…挿通孔)
20…断熱材
21…前面側断熱材(21a…貫通孔、21b…凹部)
22…背面側断熱材(22a…挿通孔)
30…パネルヒーター(31…第1断熱部材、32…ヒータ、33…第2断熱部材)
40…収容部材
41…開口部
42…受け部材
50…温度校正装置
51…外筐体(51a…開口窓)
100…放射温度計

Claims (2)

  1. 定点金属を納める外筒と、一端に断面すり鉢状の閉塞部を有するとともに、他端に前記定点金属の相平衡状態である温度定点を測定するための測定用開口部を有し、前記外筒に収装して黒体空洞となる内筒とを備えた定点るつぼが収容された定点黒体炉において、
    前記測定用開口部に連通する測定用空洞としての貫通穴が形成され、前記貫通穴に前記定点るつぼから漏れ出る定点金属を受け止めるための凹部を有する断熱材を前記測定用開口部の前面側に配置し、前記断熱材の前記貫通穴が前記測定用開口部から離れるに従って拡径していることを特徴とする定点黒体炉。
  2. 前記断熱材は、前記貫通穴の長さ方向の複数箇所に前記凹部を有することを特徴とする請求項1記載の定点黒体炉。
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