JP6086176B1 - 非水電解液二次電池ケース用鋼板及び非水電解液二次電池ケース - Google Patents

非水電解液二次電池ケース用鋼板及び非水電解液二次電池ケース Download PDF

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Abstract

この非水電解液二次電池ケース用鋼板は、鋼板と、前記鋼板の表面に形成され、Ni−W−Fe合金を含有し、非水電解液二次電池ケースの内面となるNi−W−Fe合金めっき層とを備える。

Description

本発明は、非水電解液二次電池ケース用鋼板及び非水電解液二次電池ケースに関する。
本願は、2015年7月7日に、日本に出願された特願2015−135885号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、民生用モバイル機器の小型化及び高機能化に伴い、機器電源として小型で軽量かつ高エネルギー密度で、長期間充放電が可能な二次電池が求められてきた。この結果、従来のニッケル−カドミウム電池やニッケル−水素電池などのアルカリ二次電池(水系二次電池)に代わって、より高いエネルギー密度と出力密度とを有するリチウムイオン電池などの非水電解液二次電池が広く普及している。また、最近では、ハイブリッド自動車や電気自動車などのモーター駆動自動車のモーター用電源として、リチウムイオン電池の開発が進められている。
非水電解液二次電池を安価に製造するためには、低コストで高信頼性の外装ケース用素材が必要である。この外装ケース用素材として、プレス成形性や溶接性、耐食性、強度などの観点から、通常、鋼板表面にNiめっきを施したNiめっき鋼板が使用される。Niめっき鋼板をプレス成形することによって円筒缶や角缶などの電池缶が製造され、正極板、負極板及びセパレータにより構成される電極群と電解質とが、かかる電池缶の内部に収容される。その後、電池缶の開口部に電池蓋がカシメ固定され、電池缶と電池蓋とにより構成される外装ケースを密閉する。
リチウムイオン電池では、通常、金属缶は、負極と接続される。この場合、負極の電位から考えて、リチウムイオン電池の作動時にNiめっき鋼板から金属イオンが溶出する可能性は少ない。しかしながら、リチウムイオン電池の製造時において、外装ケース内に電極群と電解液とを収納してからリチウムイオン電池を充電するまでのエージング工程では、ケースの電位は、リチウムイオンがドープされていない未充電のカーボン負極電位(3.2〜3.4V vs Li/Li)となっている。また、このエージング工程は、正極、負極及びセパレータに電解液を十分に浸透させ、初期の充放電特性を安定化するために、通常、数日間程度行われる。そのため、条件によっては、Niめっき層やあるいはその損傷部からのFeイオン溶出が起こる場合がありうる。
また、電池使用時に、電池の過放電等により電池ケースの電位が上昇した場合にも、金属イオンが溶出する場合がある。また、Niめっき鋼板を用いた金属外装ケースを、電池素子とは絶縁した中立ケースとして使用する場合にも、通常の使用状況では耐食性に問題はない。しかしながら、電解質中の酸化剤の作用などによって電池ケースの電位が上昇すると、Ni等の金属が溶出する場合がある。
このように、めっきされたNiや下地のFeなどの金属が電解質中に溶出すると、電池を充放電した際に負極表面に溶出した金属が析出し成長するため、この析出金属がセパレータを貫通して正負極間に微小短絡を発生させる原因となる。微小短絡が発生すると電池電圧の低下を招くため、必要な電池性能を得ることができず、電池の歩留まり低下につながる。また、金属外装ケース自体の腐食が進行し、電解質の液漏れ原因ともなる。
上記の問題に対して、以下の特許文献1では、Ni層の下層にCu層を有する非水電解液二次電池ケース用の鋼板が開示されている。
また、以下の特許文献2では、電池容器内面となる側の鋼板上に、下からニッケル層、ニッケル−タングステン合金層が形成されたアルカリ電池用めっき鋼板が開示されている。
非水電解液電池の代表例であるリチウムイオン電池の電池容器は負極であるのに対して、アルカリ電池(アルカリマンガン電池)の電池容器は正極である。また、アルカリ電池の正極の電池活物質としてはMnOやNiOOHが使われることが多く、これらの電池活物質は電池容器内面に直接接触して集電されている。
一方、リチウムイオン電池の電池活物質(代表的な例では、負極はC、正極はLiCoO)は正負極の箔に塗布され、箔からリードを介して正負極に接続されている。また、リチウムイオン電池では、電池活物質が電池容器に接触していないという特徴がある。
リチウムイオン電池の電解液には、エチレンカーボネート(EC)やジエチルカーボネート(DEC)などの非水溶媒にヘキサフルオロりん酸リチウム(LiPF)などのLi塩が溶解された非水電解液が用いられる。一方、アルカリ電池の電解液には、KOH水溶液などが用いられる。
国際公開第2010/113502号 日本国特開2007−51325号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術は、加工時の鉄露出抑制を主な目的としており、NiやCuの溶出防止を目的としたものではない。
また、上記特許文献2に開示されている技術は、正極合剤と電池容器とが直接接触するアルカリ電池の電池容器に用いる技術である。つまり、特許文献2に開示されている技術を、電池容器が集電体ではない非水電解液二次電池に適用しても、十分な特性は得られない。
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、負極接続又は中立の金属外装ケースにおいて、電池ケースの電位が上昇した場合であっても金属溶出に伴う電池性能の劣化やケースの腐食が少なく、かつ、経済性に優れた非水電解液二次電池ケース用鋼板及び非水電解液二次電池ケースを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決して、係る目的を達成するために以下の手段を採用する。
(1)本発明の一態様に係る非水電解液二次電池ケース用鋼板は、鋼板と、前記鋼板の表面に形成され、Ni−W−Fe合金を含有し、非水電解液二次電池ケースの内面となるNi−W−Fe合金めっき層と、を備える。
(2)上記(1)に記載の非水電解液二次電池ケース用鋼板において、前記Ni−W−Fe合金めっき層が、前記Ni−W−Fe合金めっき層の全質量に対して1〜20質量%のFeを含有する構成を採用してもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載の非水電解液二次電池ケース用鋼板において、前記Ni−W−Fe合金めっき層が、前記Ni−W−Fe合金めっき層の全質量に対して5〜50質量%のWを含有する構成を採用してもよい。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一態様に記載の非水電解液二次電池ケース用鋼板において、前記Ni−W−Fe合金めっき層が、Cr、Mo及びCoからなる群から選ばれる1種又は2種以上を、前記Ni−W−Fe合金めっき層の全質量に対して合計で5質量%以下更に含有する構成を採用してもよい。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか一態様に記載の非水電解液二次電池ケース用鋼板において、前記Ni−W−Fe合金めっき層中のWの含有量を単位質量%でXとし、Feの含有量を単位質量%でYとした場合に、前記X及び前記Yが下式(1)を充足する構成を採用してもよい。
0.1X+0.5≦Y≦0.3X+7 ・・・(1)
(6)上記(1)〜(5)のいずれか一態様に記載の非水電解液二次電池ケース用鋼板において、前記Ni−W−Fe合金めっき層の下層に、Niめっき層を更に備える構成を採用してもよい。
(7)上記(6)に記載の非水電解液二次電池ケース用鋼板において、前記Niめっき層の少なくとも一部が、Ni−Fe拡散層である構成を採用してもよい。
(8)本発明の一態様に係る非水電解液二次電池ケースは、上記(1)〜(7)のいずれか一態様に記載の非水電解液二次電池ケース用鋼板を用いて製造される。
上記各態様によれば、負極接続又は中立の金属外装ケースにおいて、電池ケースの電位が上昇した場合であっても金属溶出に伴う電池性能の劣化やケースの腐食が少なく、かつ、経済性に優れた非水電解液二次電池ケース用鋼板及び非水電解液二次電池ケースを提供することができる。
本実施形態に係る非水電解液二次電池ケース用鋼板の層構造を示す模式図である。 Ni−W−Fe合金めっき層の下層にNiめっき層が形成されている場合の、本実施形態に係る非水電解液二次電池ケース用鋼板の層構造を示す模式図である。
以下に、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
(第1実施形態、非水電解液二次電池ケース用鋼板)
最初に、第1実施形態に係る非水電解液二次電池ケース用鋼板について説明する。図1は、非水電解液二次電池ケース用鋼板10の層構造を示す模式図である。図1に示すように、非水電解液二次電池ケース用鋼板10は、鋼板20と、鋼板20の表面に形成され、Ni−W−Fe合金を含有し、非水電解液二次電池ケースの内面となるNi−W−Fe合金めっき層50とを備える。
[鋼板20]
非水電解液二次電池ケース用鋼板10の母材として用いられる鋼板(鋼材)20は普通鋼であれば特に限定されないが、経済性の観点からステンレス鋼は好ましくない。金属ケースの形状から要求される加工性に適した鋼材を適宜選択し、使用することができる。
[Ni−W−Fe合金めっき層50]
非水電解液二次電池ケース用鋼板10は、電池ケースの内面となる側の面の表層に、Feを含有するNi−W−Fe合金めっき層50を有することを特徴とする。本実施形態に係る非水電解液二次電池ケース用鋼板10は、このような構成を有することによって、リチウムイオン電池に代表される非水電解液二次電池のケースとして十分な耐食性が確保でき、かつ、金属イオンの電解液中への溶出を抑制することが可能となる。
Ni−W−Fe合金めっき層50は、当該合金めっき層中にFeを含有するが、Ni−W−Fe合金めっき層中のFeの好ましい含有率は、例えば、Ni−W−Fe合金めっき層50の全質量に対して、1〜20%(以下、%は質量%を表わす)である。
Feの含有率が下限値未満である場合、及び、上限値超過である場合には、非水電解液中での金属イオン溶出が増加傾向となり、好ましくない。Ni−W−Fe合金めっき層中のFeの含有率は、更に好ましくは、5〜15%である。
Ni−W−Fe合金めっき層50のWの含有率は、例えば、Ni−W−Fe合金めっき層50の全質量に対して、5〜50%であることが好ましい。
Wの含有率が下限値未満である場合、また、上限値超過である場合には、非水電解液中での金属イオン溶出が増加傾向となり、好ましくない。Ni−W−Fe合金めっき層50中のWの含有率は、更に好ましくは、10〜40%である。
Ni−W−Fe合金めっき層50において、上記Fe及びW以外の残部は、Ni及び不可避的な不純物から構成される。
なお、Ni−W−Fe合金めっき層50中には、残部のNiの一部に替えて、Cr、Mo、又は、Coの少なくとも何れかの含有が許容される。上記元素の含有率(二種以上が含まれる場合は、合計の含有率)は、例えば、Ni−W−Fe合金めっき層50の全質量に対して、5%以下が好ましい。かかる条件のもとで、非水電解液中での金属イオン溶出が効果的に抑制される。Ni−W−Fe合金めっき層50におけるCr、Mo、Coの少なくとも何れかの含有率は、更に好ましくは、3%以下である。
Ni−W−Fe合金めっき層50が非水電解液中での耐金属イオン溶出性に優れる理由は明確ではないが、Ni−W−Fe合金めっき層50の表層に存在する自然酸化膜(不図示)が非水電解液に対して安定であることが考えられる。また、電位上昇の際、Ni−W−Fe合金めっき層50が非水電解液と反応し、安定的な保護作用を有する皮膜(不図示)を形成することが考えられる。
一方、Ni−W−Fe合金めっき層50中にNi、W、Feが共存しない場合には、上記のような安定的な保護作用を有する皮膜(不図示)が形成されにくいと推定される。
本発明者らが更に詳細に検討した結果、Wの含有率とFeの含有率には最適範囲があり、Wの含有率が高いほどFeの含有率の最適濃度範囲も高い側にシフトすることが判明した。検討の結果、Wの含有率をX[質量%]とし、Feの含有率をY[質量%]とした場合に、以下の式(1)で表わされる関係を満たすとき、金属イオン溶出が最も抑制されることが判明した。
0.1X+0.5≦Y≦0.3X+7 ・・・(1)
非水電解液二次電池ケース用鋼板10は、その表層(より詳細には、電池ケースを形成した際に、電池ケースの内側となる面の表層)にNi−W−Fe合金めっき層50を有する点を特徴とするが、Ni−W−Fe合金めっき層50の下層のめっき層については必ずしも限定されず、電池ケース用に用いられている公知のめっき層を適用することが可能である。
図2は、Ni−W−Fe合金めっき層の下層にNiめっき層が形成されている場合の、本実施形態に係る非水電解液二次電池ケース用鋼板の層構造を示す模式図である。
電池ケースの加工を考えた場合、Ni−W−Fe合金めっき層50の下層には、Ni−W−Fe合金めっき層50と比較して、相対的に軟らかいNiめっき層30を有していることが望ましい。Niめっき層30を形成することによって、Ni−W−Fe合金めっき層50の加工による損傷と損傷に伴う非水電解液中への金属イオン溶出を抑制することができる。
Niめっき層30の一部又は全ては、Ni−Fe拡散層(不図示)となっていることが好ましい。これにより、Ni−W−Fe合金めっき層50の加工による損傷と損傷に伴う非水電解液中への金属イオン溶出を、更に抑制することができる。なお、Ni−Fe拡散層(不図示)とは、Niめっき後の加熱処理によって、めっきのNiと鋼のFeが相互拡散して形成されたものである。
Ni−W−Fe合金めっき層50の厚みは、例えば、0.05〜2.00μmであることが好ましい。Ni−W−Fe合金めっき層50の厚みが0.05μm未満と薄すぎる場合には、非水電解液中での金属イオン溶出が増加傾向となり、好ましくない。また、Ni−W−Fe合金めっき層50の厚みが2.00μm超過と厚すぎる場合には、加工時のめっき損傷が大きくなる傾向にあり、結果的に非水電解液中への金属イオン溶出が増加傾向となるため、好ましくない。
Ni−W−Fe合金めっき層50の厚みは、より好ましくは、0.10〜1.50μmである。
ここで、Ni−W−Fe合金めっき層50の厚みや、Feの含有率、Wの含有率は、板厚方向に沿う断面が観察できるようにFIB(Focused Ion Beam:集束イオンビーム)により箔片加工したサンプルを、EDS(Energy Dispersive X−ray Spectroscopy:エネルギー分散型蛍光X線分析装置)による元素分析が可能なTEM(Transmission Electron Microscope:透過型電子顕微鏡)や、EDSによる元素分析が可能なSTEM(Scanning Transmission Electron Microscope:透過型走査電子顕微鏡)モード付きFE−SEM(Field−Emission Scanning Electron Microscopy:冷陰極電界放射型走査電池顕微鏡)を用いて断面分析することで、測定することができる。
その際、Feの含有率及びWの含有率については、検量線を作製する必要がある。まず、Ni、W、Feの組成を変化させた合金を単層で鋼板20上にめっきして、組成が異なる複数のサンプルを作製する。これらサンプルのめっき層の断面について、EDSによる元素分析が可能なTEMやSTEMモード付きFE−SEMを用いて、Ni、W、Feを定量分析する。加えて、これらサンプルのめっき層を酸で溶解し、ICP−AES(Inductively Coupled Plasma−Atomic Emission Spectrometry:誘導結合プラズマ発光分光分析)又はICP−MS(Inductively Coupled Plasma−Mass Spectrometry:誘導結合プラズマ質量分析)を用いて、Ni、W,Feを定量分析する。TEM又はFE−SEMに付随するEDSによる定量分析結果と、ICP−AES又はICP−MSによる定量分析結果と、を比較することにより、EDSでの検出強度と各元素濃度との関係である検量線を求める。例えば、EDSによる元素分析が可能なTEMとしては、日本電子製FE−TEM:JEM2100F(加速電圧200kV)と日本電子製EDS:JED−2300T(プローブ径約2nm)との組み合わせなどがある。
なお、Niめっき層30又はNi−W−Fe合金めっき層50を酸で溶解する際に、めっき層の組成によってはめっき層のみを選択的に溶解することが難しい場合がある。特に、鋼板20上にNiめっき層30が形成されている場合には、Niめっき層30のみを溶解するのは困難である。
その場合には、鋼板20(、Niめっき層30)及びNi−W−Fe合金めっき層50を全て溶解して得られた分析結果から、鋼板20のみを溶解して得られた分析結果を差し引く方法が採用できる。この場合の溶解方法として、具体的には、常温又は80℃程度以下のめっき鋼板を、数%〜数十%の濃度の硝酸に数秒から数時間浸漬する方法が挙げられる。
また、Ni−W−Fe合金めっき層50のFe濃度を測定する場合には、地鉄(鋼板20)の影響が大きくなってしまう。そのため、原板としてCu板を用い、Cu板上にNi−W−Fe合金めっき層50を形成し、上述の方法によりFe濃度を測定する方法も採用できる。この場合の具体的な溶解方法は、前述のものと同様である。
Ni−W−Fe合金めっき層50の下層のNiめっき層30については、そのNi付着量が多いほど、加工による損傷と損傷に伴う非水電解液中への金属イオン溶出を抑制することができるが、多すぎてもコスト的に不利となる。従って、Ni−W−Fe合金めっき層50の下層に設けるNiめっき層30のNi付着量は、1〜45g/m程度が好ましい。
Niめっき層30の全てがNi−Fe拡散層(不図示)となっている場合には、Ni−Fe拡散層(不図示)中のNi量が、上記範囲であることが好ましい。また、Niめっき層30の一部がNi−Fe拡散層(不図示)となっている場合には、Ni−Fe拡散層(不図示)中のNi量と、Niめっき層30中のNi量の合計が、上記範囲であることが好ましい。
Niめっき層30の拡散状態は、前述したFIB加工片によるEDS分析により確認することができる。なお、Niめっき層30のNi付着量は、より好ましくは、9〜27g/mである。
(第1実施形態、非水電解液二次電池ケース用鋼板10の製造方法)
次に、第1実施形態に係る非水電解液二次電池ケース用鋼板10の製造方法について説明する。
[合金めっき工程]
Ni−W−Fe合金めっき層50は、公知のNi−Wめっき浴にFeイオンを共存させた電気めっき法により、形成することが可能である(合金めっき工程)。
なお、Feについては、鋼から拡散してきたものであってもかまわない。
Ni−Wめっき浴にFeイオンを共存させる場合には、Feイオンの濃度は0.05〜5g/lが好ましい。
Ni−Wめっき浴としては、タングステン酸イオンと、ニッケルイオンと、これらの錯化剤と、が含まれる浴を用いることができる。
タングステン酸イオンは、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム、又は、タングステン酸アンモニウム等の水溶性が高い塩として添加することができる。
Ni−Wめっき浴中のタングステン酸イオンの濃度は、0.5〜50g/lが好ましい。
ニッケルイオンは、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、又は、調合の順番によって溶解が可能であれば炭酸ニッケルを用いることもできる。
Ni−Wめっき浴中のNiイオンの濃度は、1〜50g/lが好ましい。
錯化剤としては、くえん酸やその塩を添加することが多いが、ピロリン酸やその塩、1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸など他の錯化剤も用いることができる。
くえん酸塩としては、くえん酸三ナトリウム、くえん酸水素二ナトリウム、くえん酸二水素ナトリウム、くえん酸三カリウム、くえん酸水素二カリウム、くえん酸二水素カリウム、くえん酸三リチウム、くえん酸水素二リチウム、くえん酸二水素リチウム、くえん酸三アンモニウム、くえん酸水素二アンモニウム、又は、くえん酸二水素アンモニウムなどを用いることができる。
また、アンモニウムイオンには電流効率を高める作用があるとも言われており、Ni−Wめっき浴に対してアンモニウム塩を使っても良いし、アンモニアとして別に添加しても良い。
鉄イオンは、II価のFe塩で供給すればよく、例えば硫酸鉄(II)、塩化鉄(II)などが用いられる。
Ni−W−Fe合金めっき層50中のWの含有率やFeの含有率の調整は、浴濃度や、電流密度を適正化することで、任意に調整することが可能である。
例えば、Wは、浴中のタングステン酸イオン濃度とともに、電流密度にも依存し、電流密度が低いほどWの含有率は高まる傾向がある。Feは、Niに対して異常型の析出挙動を示すことが知られており、電位の序列、Ni,Fe(貴な順)とは逆に析出しやすくなる。すなわち、浴中のFe/Ni比よりも、めっき中のFe/Ni比の方が大きくなる。
このことを考慮して、所望のめっき組成になるように、Ni−Wめっき浴中の金属イオン濃度を調整すればよい。
上述したように、合金めっき工程を行う際の電流密度は特に限定されないが、例えば0.5〜50A/dmが挙げられる。この範囲の電流密度で合金めっき工程を行うことにより、所望の成分を有するNi−W−Fe合金めっき層50を形成することができる。
合金めっき工程を行う際のNi−Wめっき浴の温度も特に限定されないが、例えば40〜80℃が挙げられる。
本実施形態において、より有利な形態のNi−W−Fe合金めっき層50を形成する方法として、母材として用いられる鋼板20に対して予めNiめっきした後、Ni−W−Fe合金めっき層50を形成する方法が挙げられる。この場合のNiめっき方法には何ら限定はなく、公知の方法が幅広く適用できる。
また、本実施形態では、母材として用いられる鋼板20に対してNi−Fe合金めっきした後、Ni−W−Fe合金めっき層50を形成する方法も採用できる。また、母材として用いられる鋼板20に対してNiめっき、Feを含有するNi−W合金めっき、をこの順番で実施した後、熱処理を行い、下層のNiめっき層30の一部又は全てを、Ni−Fe拡散層(不図示)とする方法も好適である。
(第2実施形態、非水電解液二次電池ケース(不図示))
次に、第2実施形態に係る非水電解液二次電池ケース(不図示)について説明する。
非水電解液二次電池ケース(不図示)は、内面がNi−W−Fe合金めっき層50となるように非水電解液二次電池ケース用鋼板10を用いること以外は特に限定されない。非水電解液二次電池ケース(不図示)の外面となる面については、内面と同じ構成としてもよいし、その用途に合わせて、公知のめっきを施してもよい。
(第2実施形態、非水電解液二次電池ケース(不図示)の製造方法)
非水電解液二次電池ケース(不図示)の製造方法は特に限定されず、公知の非水電解液二次電池ケースの製造方法を用いることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明に係る非水電解液二次電池ケース用鋼板のあくまでも一例であって、本発明に係る非水電解液二次電池ケース用鋼板が下記の例に限定されるものではない。
<試験例1>
(実施例1〜25及び比較例1、2)
板厚0.3mmの焼鈍済みの極低炭素鋼板を原板とし、以下の表1に示す条件で、付着量1g/mのNiめっきを行い、引き続き、以下の表2に示す条件で、種々の組成のNi−W−Fe合金めっきを厚みが1μmとなるようにめっきした。Ni−W−Fe合金めっき層中のWの含有量及びFeの含有率は、表2に示す電流密度、及び、硫酸鉄(II)の添加量を調整することで制御した。上記のめっき後に、無酸化雰囲気にて、500℃の温度下で30秒間熱処理を行った。
(実施例26)
以下の表2に示すめっき浴に対し、更に硫酸クロム(III)12水和物を2g/L添加してめっきを行った以外は、上記実施例1〜25と同様に行った。
(実施例27)
以下の表2に示すめっき浴に対し、更にモリブデン酸ナトリウム2水和物を10g/L添加してめっきを行った以外は、上記実施例1〜25と同様に行った。
(実施例28)
以下の表2に示すめっき浴に対し、更に硫酸コバルト7水和物を3g/L添加してめっきを行った以外は、上記実施例1〜25と同様に行った。
(実施例29)
以下の表2に示すめっき浴に対し、更に、モリブデン酸ナトリウム2水和物7g/L、及び、硫酸コバルト7水和物3g/L、を添加してめっきを行った以外は、上記実施例1〜25と同様に行った。
(実施例30)
以下の表2に示すめっき浴に対し、更に、硫酸クロム(III)12水和物3g/L、モリブデン酸ナトリウム2水和物9g/L、及び、硫酸コバルト7水和物1g/L、を添加してめっきを行った以外は、上記実施例1〜25と同様に行った。
(比較例3)
上記実施例1〜25において、Ni−W−Fe合金めっきの代わりに、以下の表3に示す条件で厚みが1μmのNi−Fe合金めっきを行った以外は、上記実施例1〜25と同様に行った。
性能評価は、以下のように行った。
試験片の端部と裏面とをテープシールし、1cmの面積を露出させて評価面とした。アルゴン雰囲気のグローブボックス内にて、上記試験片を作用極とし、金属リチウムを対極及び参照極とする三極式のセルを組み立てた。エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比で1:1の割合で混合した溶媒に、1MのLiPFを溶解した溶液を電解液として用いた。
上記のセルを、30℃の温度下で、作用極電位を3.6V(リチウム基準)に規定して、48時間保持した。
トータルの通電量の計測と、電解液に溶出した金属量の定量とを行い、下記の基準で評価した。以下の評価基準において、評点3以上を良好であると判断した。
[トータル通電量]
5:0.01C/cm以下
4:0.01C/cm超過0.1C/cm以下
3:0.1C/cm超過0.3C/cm以下
2:0.3C/cm超過1C/cm以下
1:1C/cm超過
[金属溶解量]
5:検出限界(0.005mg/cm)未満
4:0.005mg/cm以上0.01mg/cm以下
3:0.01mg/cm超過0.1mg/cm以下
2:0.1mg/cm超過0.3mg/cm以下
1:0.3mg/cm超過
以下の表4に、得られた結果を示した。
なお、上層のNi−W−Fe合金めっき層の組成は、FIB加工片を用い、日本電子製FE−TEM:JEM2100F(加速電圧200kV)と日本電子製EDS:JED−2300T(プローブ径約2nm)により、先に述べた方法で定量した。表4に示したNi−W−Fe合金めっき層の組成において、残部はNi及び不純物であった。
実施例1〜30はNi−W−Fe合金を含有していたが、比較例1〜3はNi−W−Fe合金を含有していなかった。
上記表4から明らかなように、実施例では良好な特性が得られた一方で、比較例では、良好な結果を得ることは出来なかった。
比較例1および比較例2では、めっき浴にFeイオンを含有しない方法により製造したため、合金めっき層がFeを含有しなかった。そのため、比較例1および比較例2は、好適な通電量及び溶解量を有さなかった。
比較例3は、合金めっき層をNi−Fe合金めっきにより製造したため、合金めっき層がWを含有しなかった。そのため、比較例3は、好適な通電量及び溶解量を有さなかった。
Figure 0006086176
Figure 0006086176
Figure 0006086176
Figure 0006086176
<試験例2>
(実施例31〜40)
板厚0.3mmの未焼鈍のAlキルド鋼板を原板とし、上記表1に示す条件で、種々の付着量のNiめっきを行い、引き続き、上記表2に示す条件で、種々の組成のNi−W−Fe合金めっきを種々の厚みでめっきした。Ni−W−Fe合金めっき層中のWの含有率及びFeの含有率は、上記表2に示す電流密度、及び、硫酸鉄(II)の添加量を調整することで制御した。上記めっき後に、無酸化雰囲気にて、740℃の温度下で30秒間熱処理を行うことにより、焼鈍とNiめっきの拡散処理を行った。
(実施例41〜44)
板厚0.3mmの未焼鈍の極低炭素鋼板を原板とし、上記表1に示す条件で、種々の付着量のNiめっきを行い、引き続き、上記表2に示す条件で、種々の組成のNi−W−Fe合金めっきを0.5μmの厚みでめっきした。Ni−W−Fe合金めっき層中のWの含有率及びFeの含有率は、上記表2に示す電流密度、及び、硫酸鉄(II)の添加量を調整することで制御した。上記めっき後に、無酸化雰囲気にて、820℃の温度下で30秒間熱処理を行うことにより、焼鈍とNiめっきの拡散処理を行った。
(実施例45〜48)
板厚0.3mmの焼鈍済みのAlキルド鋼板を原板とし、上記表1に示す条件で、種々の付着量のNiめっきを行い、引き続き、上記表2に示す条件で、種々の組成のNi−W−Fe合金めっきを0.5μmの厚みでめっきした。Ni−W−Fe合金めっき層中のWの含有率及びFeの含有率は、上記表2に示す電流密度、及び、硫酸鉄(II)の添加量を調整することで制御した。上記めっき後に、無酸化雰囲気にて、450℃の温度下で120秒間熱処理を行った。
(実施例49〜52)
板厚0.3mmの焼鈍済みのAlキルド鋼板を原板とし、上記表3に示す条件で、種々の付着量のNi−Fe合金めっきを行い、引き続き、上記表2に示す条件で、種々の組成のNi−W−Fe合金めっきを0.5μmの厚みでめっきした。Ni−W−Fe合金めっき層中のWの含有率及びFeの含有率は、上記表2に示す電流密度、及び、硫酸鉄(II)の添加量を調整することで制御した。上記めっき後に、無酸化雰囲気にて、450℃の温度下で120秒間熱処理を行った。
(実施例53〜55)
板厚0.3mmの焼鈍済みのAlキルド鋼板を原板とし、上記表2に示す条件で、種々の組成のNi−W−Fe合金めっきを1.5μmの厚みでめっきした。Ni−W−Fe合金めっき層中のWの含有率及びFeの含有率は、上記表2に示す電流密度、及び、硫酸鉄(II)の添加量を調整することで制御した。上記めっき後に、無酸化雰囲気にて、450℃の温度下で120秒間熱処理を行った。
(比較例4)
板厚0.3mmの未焼鈍のAlキルド鋼板を原板とし、上記表1に示す条件で、45g/mの付着量のNiめっきを行い、その後、無酸化雰囲気にて、740℃の温度下で30秒間熱処理を行うことにより、焼鈍とNiめっきの拡散処理を行った。比較例4では、Ni−W−Fe合金めっき層を形成しなかった。
性能評価は、上記試験例1と同様に行った。また、得られた試験材を円筒型リチウムイオン二次電池の規格18650(直径18mm×長さ65mm)相当の円筒絞り缶にプレスした後、その内側面を切り出し、同様に評価を行った。
以下の表5に、得られた結果を示した。
なお、下層のNi層の状態、及び、上層のNi−W−Fe合金めっき層の組成は、FIB加工片を用い、日本電子製FE−TEM:JEM2100F(加速電圧200kV)と日本電子製EDS:JED−2300T(プローブ径約2nm)により確認、定量した。表5に示したNi−W−Fe合金めっき層の組成において、残部はNi及び不純物であった。
また、試験例1と同様の方法でNi−W−Fe合金の含有状態を確認した。実施例31〜55はNi−W−Fe合金を含有していたが、比較例4はNi−W−Fe合金を含有していなかった。
Figure 0006086176
上記表5から明らかなように、実施例では良好な特性が得られた一方で、比較例4では、良好な結果を得ることは出来なかった。
比較例4はNi−W−Fe合金めっき層を有さないため、好適な通電量及び溶解量を有さなかった。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上記各実施形態によれば、負極接続又は中立の金属外装ケースにおいて、電池ケースの電位が上昇した場合であっても金属溶出に伴う電池性能の劣化やケースの腐食が少なく、かつ、経済性に優れた非水電解液二次電池ケース用鋼板及び非水電解液二次電池ケースを提供することができる。
10 非水電解液二次電池ケース用鋼板
20 鋼板
30 Niめっき層
50 Ni−W−Fe合金めっき層

Claims (8)

  1. 鋼板と;
    前記鋼板の表面に形成され、Ni−W−Fe合金を含有し、非水電解液二次電池ケースの内面となるNi−W−Fe合金めっき層と;
    を備える
    ことを特徴とする、非水電解液二次電池ケース用鋼板。
  2. 前記Ni−W−Fe合金めっき層が、前記Ni−W−Fe合金めっき層の全質量に対して1〜20質量%のFeを含有する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の非水電解液二次電池ケース用鋼板。
  3. 前記Ni−W−Fe合金めっき層が、前記Ni−W−Fe合金めっき層の全質量に対して5〜50質量%のWを含有する
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の非水電解液二次電池ケース用鋼板。
  4. 前記Ni−W−Fe合金めっき層が、Cr、Mo及びCoからなる群から選ばれる1種又は2種以上を、前記Ni−W−Fe合金めっき層の全質量に対して合計で5質量%以下更に含有する
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の非水電解液二次電池ケース用鋼板。
  5. 前記Ni−W−Fe合金めっき層中のWの含有量を単位質量%でXとし、Feの含有量を単位質量%でYとした場合に、前記X及び前記Yが下式(1)を充足する
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の非水電解液二次電池ケース用鋼板。
    0.1X+0.5≦Y≦0.3X+7 ・・・(1)
  6. 前記Ni−W−Fe合金めっき層の下層に、Niめっき層を更に備える
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の非水電解液二次電池ケース用鋼板。
  7. 前記Niめっき層の少なくとも一部が、Ni−Fe拡散層である
    ことを特徴とする、請求項6に記載の非水電解液二次電池ケース用鋼板。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の非水電解液二次電池ケース用鋼板を用いて製造された、非水電解液二次電池ケース。
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