JP6085883B2 - 自律走行車 - Google Patents
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Description
圃場を走行する走行機体を備えており、運行経路に設置された複数の磁気マーカーを辿って自律的に走行するように構成された自律走行車であって、
前記運行経路は、畝間を通る畝間経路の中心線と畝外を通る畝外経路の中心線との接続地点を含むものであって、少なくとも該接続地点に前記磁気マーカーが設置されているものであり、
前記磁気マーカーからの3軸方向の磁気を検出する3軸磁気検出手段と、
前記走行機体の機体角度を検出する機体角度検出手段と、
前記3軸磁気検出手段で検出された磁気及び前記機体角度検出手段で検出された角度に基づいて前記走行機体の走行を制御する走行制御手段とを備え、
前記走行制御手段は、前記接続地点の前記磁気マーカーの地点で旋回したときに、前記3軸磁気検出手段に該磁気マーカーからの磁気を検出させるとともに、前記機体角度検出手段により機体角度を検出させ、該磁気に基づいて該磁気マーカーに対する前記走行機体の乖離距離を算出し、該乖離距離及び前記機体角度に基づいて、前記運行経路に対する前記走行機体の位置ずれを減少させるように、該走行機体の走行を制御する。
仮に、前記走行制御手段による補正を一切行わないと、前記畝外経路の走行動作の確実性に課題がある。それは、進路が左右の畝肩によってガイドされ、進路が大幅にずれる心配がない畝間経路に比べ、前記接続地点での旋回動作では、路面の凹凸や傾斜、路面からの接地抵抗の影響を大きく受けるため、旋回角度にずれが発生したり、前記走行機体の前後左右の中心位置と前記磁気マーカーとの間にずれが発生したりしてしまうためである。このようなずれが発生してしまうと、後続の前記畝間経路の入口に到達できず、自律走行が成立しなくなる可能性がある。
本発明は、このようなずれが発生する可能性が高く、自律走行の妨げになる可能性が高い前記接続地点での旋回時に、ずれを補正するように構成しているので、効率的に走行制御することができる。
前記3軸磁気検出手段は、3軸方向の磁気を検出する地磁気センサーと、前記検出した磁気から、前記運行経路における地磁気の影響を校正する地磁気校正手段とを備えた態様を例示する。
(1)前記走行機体の左右それぞれに車輪が設けられている態様。
(2)前記走行機体のの左右それぞれに無限軌道が設けられている態様。
本実施例では、枕地マーカーMaの磁石同士が最も近接した状態となり、この磁石同士の磁場が最も干渉しやすい状況である。一般的なビニールハウスでは、隣り合う畝Uは1000mm以上離れていることを前提とすると、この枕地マーカーMa同士の最短距離は1000mmと想定することができ、個々の磁石による磁場が500mm以内であれば、互いに干渉しないようにすることができる。
そこで、本例では、磁気マーカーMの永久磁石として、半径20mm、厚さ6mmの丸型のフェライト磁石を採用することを例示する。水平面上にS極側を上向きとしてこの磁石を設置した際の磁束密度の分布、すなわち磁場は、図2のようになる。同図において、高さ軸は、磁束密度(単位G:ガウス)、横軸は水平面内での磁石からの左右距離(単位mm)、縦軸は水平面内での磁石からの前後距離(単位mm)である。同図によれば、磁石から150mm以上離れた距離では、ほぼ0ガウスとなっているため、上記の「個々の磁石による磁場が500mm以内」の条件を十分に満足するものとなる。
本例の地磁気校正手段4bは、次のように地磁気の影響の校正を行う。
まず、初期設定として、地磁気センサー4aを設けた走行機体2において、運行経路の周辺に検出対象とするマーカーM(磁石)が無い状態で、地磁気センサー4aの検出値を得る。また、走行機体2に設けている機体角度検出手段5を使用して、その際の走行機体2の方向を検出して、基準角度を得る。上記で得られた地磁気センサー4aの検出値は、走行機体2の方向が基準角度の場合において、地磁気そのものに対して行われたものとして、扱うことができる。さらに、基準角度とは相違する走行機体2の方向の場合に関しても、基準角度に対する走行機体2の方向の変位角度を使用した三角関数の演算を行うことで、その方向において地磁気そのものに対して行われる地磁気センサー4aの検出値を導出することもできる。
例えば、走行機体2の方向が基準角度の場合における、地磁気そのものに対する地磁気センサー4aの検出値(x,y,z)が(x0,y0,z0)のとき、走行機体2の方向が基準角度に対して右回転方向にθの場合における、地磁気そのものに対する地磁気センサー4aの検出値(xa,ya,za)は、それぞれxa = x0・cosθ - y0・sinθ、ya = x0・sinθ + y0・cosθ、za = z0となる。
次に、地磁気校正手段4bは、初期設定で得られた、地磁気そのものに対する地磁気センサー4aの検出値を、地磁気による重畳成分として、マーカーMを設置した運行経路における地磁気センサー4aの検出値から減算することで、地磁気からの影響を校正する。これにより、検出対象とするマーカーMからの磁気を正しく検出することを可能にしている。
次いで、畝間を前進中に、畝間の終端に設けられた畝端マーカーMbを、3軸磁気検出手段4により検出すると、一旦停止(このとき薬液噴霧手段7による噴霧も停止)してから、進行方向を逆転させて、前進走行してきた畝間の走行路を後進走行する(図8の矢印A2参照)。畝間を後進走行する際は、走行機体2の後方における左右両側の下部にそれぞれ設けられた接触式の畝検出器3を用いて、前進走行時と同様に操舵制御を行い、畝Uに倣いながら進行する。また、畝間を後進走行中は、駆動手段2bに設けられたロータリーエンコーダー8により、車輪の回転数を算出して、後進した走行距離を逐次算出する。この後進走行は、後進した走行距離と、直前の前進走行した走行距離との比較により、畝間内での走行機体2の位置を判断し、前進してきた畝間の走行路を戻り、畝間の延長線上にある枕地まで進行する。
次いで、畝間を後進中に、枕地に設置された枕地マーカーMaを、3軸磁気検出手段4により検出すると、一旦停止してから、隣接する畝間がある方向(本例において、この方向は既知の情報であるものとする。)へ、走行機体2を旋回する(図8の矢印A3参照)。本例では、右廻りに90°旋回する。
次いで、この旋回後、走行制御手段6により、隣接する次の畝間の延長線上にある枕地に設置された枕地マーカーMaに対する方向調整角度θを算出し、これに基づいて、該枕地マーカーMaの方向へ前進する(図8の矢印A4参照)。
次いで、この枕地での前進中に、枕地に設置された枕地マーカーMaを、3軸磁気検出手段4により検出すると、一旦停止してから、次の畝間がある方向(本例において、この方向は既知の情報であるものとする。)へ、走行機体2を旋回する(図8の矢印A5参照)。本例では、左廻りに90°旋回する。
次いで、この旋回後、走行制御手段6により、次の畝間の畝端マーカーMbに対する方向調整角度θを算出し、これに基づいての該畝端マーカーMbの方向への前進に備える。このようにして、磁石を使用した走行制御による畝替化を実現する。
上記の旋回後、正対した次の畝間を走行路として、以上と同様な動作を繰り返し、自律走行を実現する。
仮に、走行制御手段6による補正を一切行わないと、前記畝外経路の走行動作の確実性に課題がある。それは、進路が左右の畝肩によってガイドされ、進路が大幅にずれる心配がない畝間経路に比べ、前記接続地点での旋回動作では、路面の凹凸や傾斜、路面からの接地抵抗の影響を大きく受けるため、旋回角度にずれが発生したり、走行機体2の前後左右の中心位置と磁気マーカーMとの間にずれが発生したりしてしまうためである。このようなずれが発生してしまうと、後続の前記畝間経路の入口に到達できず、自律走行が成立しなくなる可能性がある。
本発明は、このようなずれが発生する可能性が高く、自律走行の妨げになる可能性が高い前記接続地点での旋回時に、ずれを補正するように構成しているので、効率的に走行制御することができる。
(1)走行機体2の走行手段2aとして、走行機体2の左右それぞれに、車輪に代えて、無限軌道を設けること。
(2)走行機体2の旋回手段として、走行手段2aの回転差による手段に代えて、走行手段2aの向きを変えることによる手段を採用すること。
(3)運行経路を、前記実施形態とは異なるパターンの経路に変更すること。例えば、平行に隣接する複数の畝間を、畝毎に交互に進行方向を変えながら走行するパターンの経路に変更すること。
(4)運行経路を、所定のパターンの経路に代えて、列設された複数の磁気マーカーMによって形成される任意のパターンの経路とすること。この場合、自律走行車1には、その走行制御用に、その運行経路のパターンの情報と、該運行経路上における磁気マーカーMの設置場所の情報を含む運行経路情報を備えさせるようにする。
(5)走行制御手段6による運行経路に対するずれの補正を、畝間経路Piから畝外経路Poに移行する地点、又は、畝外経路Poから畝間経路Piに移行する地点のいずれか一方のみで行うようにすること。
(6)畝外経路Po内に複数の磁気マーカーMが設置されている場合、それらすべての磁気マーカーMについて、走行制御手段6による運行経路に対するずれの補正を行うようにすること。
2 走行機体
2a 走行手段
2b 駆動手段
3 畝検出器
4 3軸磁気検出手段
4a 地磁気センサー
4b 地磁気校正手段
5 機体角度検出手段
6 走行制御手段
7 薬液噴霧手段
8 ロータリーエンコーダー
F 機体前側
M 磁気マーカー
Ma 枕地マーカー
Mb 畝端マーカー
Pi 畝間経路
Po 畝外経路
S 畝間の始点
U 畝
Claims (5)
- 圃場を走行する走行機体を備えており、運行経路に設置された複数の磁気マーカーを辿って自律的に走行するように構成された自律走行車であって、
前記運行経路は、畝間を通る畝間経路の中心線と畝外を通る畝外経路の中心線との接続地点を含むものであって、少なくとも該接続地点に前記磁気マーカーが設置されているものであり、
前記磁気マーカーからの3軸方向の磁気を検出する3軸磁気検出手段と、
前記走行機体の機体角度を検出する機体角度検出手段と、
前記3軸磁気検出手段で検出された磁気及び前記機体角度検出手段で検出された角度に基づいて前記走行機体の走行を制御する走行制御手段とを備え、
前記走行制御手段は、前記接続地点の前記磁気マーカーの地点で旋回したときに、前記3軸磁気検出手段に該磁気マーカーからの磁気を検出させるとともに、前記機体角度検出手段により機体角度を検出させ、該磁気に基づいて該磁気マーカーに対する前記走行機体の乖離距離を算出し、該乖離距離及び前記機体角度に基づいて、前記運行経路に対する前記走行機体の位置ずれを減少させるように、該走行機体の走行を制御する自律走行車。 - 前記3軸磁気検出手段は、3軸方向の磁気を検出する地磁気センサーと、前記検出した磁気から、前記運行経路における地磁気の影響を校正する地磁気校正手段とを備えた請求項1記載の自律走行車。
- 前記走行機体は、走行手段として、その左右それぞれに車輪が設けられている請求項1又は2に記載の自律走行車。
- 前記走行機体は、走行手段として、その左右それぞれに無限軌道が設けられている請求項1又は2に記載の自律走行車。
- 前記3軸磁気検出手段は、前記走行機体の底面部の略中央に設けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載の自律走行車。
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