JP2017084057A - 磁性体検知装置および磁性体検知方法 - Google Patents

磁性体検知装置および磁性体検知方法 Download PDF

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三博 永原
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Abstract

【課題】磁性体の移動方向を容易に検出できる磁性体検知装置および磁性体検知方法を提供する。
【解決手段】少なくとも2軸に関する地磁気の変化量を検出するセンサ4と、センサの出力に基づいてセンサ近傍を通過する磁性体を検知する検知部とを備えた磁性体検知装置1である。検知部は、2軸に関する地磁気の各変化量に基づいて磁性体の移動方向を検知する。好ましくは、センサが、2軸に関する地磁気の強度を所定時間毎に検出する。検知部が、各検出値の差分から得られたベクトルを継ぎ足し、継ぎ足された複数のベクトルによる軌跡の方向を判別することにより、磁性体の移動方向を検知する。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁性体検知装置および磁性体検知方法に関し、詳細には、少なくとも2軸に関する地磁気の変化量を検出するセンサと、センサの出力に基づいてセンサ近傍を通過する磁性体を検知する検知部とを備えた磁性体検知装置および磁性体検知方法に関する。
車両感知器には、ループコイルを用いたループ式、超音波センサを用いた超音波式、赤外線センサを用いた赤外式などが知られている。しかし、ループ式にはループコイルが断線しやすい。超音波式には、建柱工事が必要になり、コスト削減が困難である。また、赤外式には、植生で遮られたりして誤作動を招きやすいなどの懸念がある。
これに対し、例えば特許文献1には、地磁気センサを用いた車両感知器の技術が開示されており、この地磁気式によれば、赤外式のような誤作動がなくすことができると共に、赤外式に比べても工事費を減らし、工期を短くできる。
実用新案登録第3155462号公報
しかしながら、上記特許文献1は、車両感知器の消費電力を抑えるための技術であり、磁性体の移動方向を容易に検出することについては開示されていない。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたもので、磁性体の移動方向を容易に検出できる磁性体検知装置および磁性体検知方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明による磁性体検知装置は、少なくとも2軸に関する地磁気の変化量を検出するセンサと、該センサの出力に基づいてセンサ近傍を通過する磁性体を検知する検知部とを備えた磁性体検知装置であって、前記検知部は、前記2軸に関する地磁気の各変化量に基づいて前記磁性体の移動方向を検知することを特徴とする。
また、前記センサが、前記2軸に関する地磁気の強度を所定時間毎に検出し、前記検知部が、前記各検出値の差分から得られたベクトルを継ぎ足し、該継ぎ足された複数のベクトルによる軌跡の方向を判別することにより、前記磁性体の移動方向を検知してもよい。
また、前記磁性体が車両であり、前記2軸が、前記車両の進行方向に沿うX軸、および該X軸に交差して前記車両の走行路の天地方向に沿うZ軸からなり、前記センサが、前記走行路あるいは走行路近辺に設けられ、前記車両の通過時に生ずる前記X軸に関する地磁気の強度および前記Z軸に関する地磁気の強度を検出可能な地磁気センサであり、該地磁気センサが、前記X軸および前記Z軸に関する地磁気の強度を所定時間毎に検出し、前記検知部が、前記各検出値の差分から得られた各ベクトルを継ぎ足し、該X,Z軸による平面上で継ぎ足された複数のベクトルによる軌跡の方向を判別することにより、前記磁性体の移動方向を検知してもよい。
また、前記地磁気センサが、前記X軸および前記Z軸に交差して、前記走行路の幅員に沿うY軸に関する地磁気の強度をさらに検出可能であり、該地磁気センサが、前記X軸および前記Y軸に関する地磁気の強度を所定時間毎に検出し、前記検知部が、前記各検出値の差分から得られた各ベクトルを継ぎ足し、該X,Y軸による平面上で継ぎ足された複数のベクトルによる軌跡の方向を判別することにより、前記磁性体の移動方向を検知してもよい。
また、本発明による磁性体検知方法は、少なくとも2軸に関する地磁気の変化量をセンサで検出する検出ステップと、該センサの出力に基づいてセンサ近傍を通過する磁性体を検知する検知ステップとを含む磁性体検知方法であって、前記検知ステップは、前記2軸に関する地磁気の各変化量に基づいて前記磁性体の移動方向を検知することを特徴とする。
本発明によれば、地磁気の乱れを2軸による平面上で検出しており、磁性体の移動方向に応じて異なる軌跡が得られるので、磁性体の移動方向を容易に判別することができる。
本発明の一態様に係る磁性体検知装置の外観斜視図である。 磁性体検知装置の概略構成図である。 磁性体検知を説明する図である。 磁性体検知のフローチャートである。 移動方向検知のフローチャートである。 磁性体検知を説明する図である。 磁性体検知を説明する図である。 磁性体検知を説明する図である。 磁性体検知を説明する図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明による磁性体検知装置および磁性体検知方法の好適な実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一態様に係る磁性体検知装置の外観斜視図、図2は、磁性体検知装置の概略構成図である。磁性体検知装置1は、例えば、埋設型の車両感知器であり、自発光鋲と同様に、アスファルト等の舗装に形成した孔に接着剤で固定される。
図1に示すように、磁性体検知装置1は、上記舗装に形成した孔に固定される筐体2を有し、筐体2の中央部分には、直径17cm程度の検知ユニット10を収容可能な収容部3が形成されている。検知ユニット10には、後述の地磁気センサ、制御部やバッテリなどが収納される。磁性体検知装置1はバッテリを内蔵し、また消費電力が小さいため、約5年間は充電せずに作動可能である。
図2に示すように、磁性体検知装置1は、地磁気センサ4、制御部8、バッテリ7の他、通信部6を備えている。
制御部8は、通信部6を介して外部機器と無線通信可能である。また、制御部8は、CPU(Central Processing Unit)等からなり、例えばROMに格納されている各種のプログラムやデータをRAMにロードし、このロードしたRAM内のプログラムを実行する。これにより、磁性体検知装置1の動作を制御できる。
地磁気センサ4は、地球の地磁気を検出して方位を検知可能なセンサ(電子コンパスともいう)であり、互いに直交する3軸(例えばX軸、Y軸、Z軸)方向の磁力をそれぞれ検出することができる。なお、地磁気センサ4が本発明のセンサに相当し、例えばホール素子、磁気抵抗素子などの磁気検出素子を用いてもよい。一般的に普及している地磁気センサを使用すれば、磁性体検知装置の製造コストを抑えることができる。
また、制御部8は検知部9を有している。地磁気センサ4が車両の通過時にわずかに揺らぐ地磁気を検出し、この検知信号がA/D変換されて検知部9に出力され、車両通過を認識可能な電圧値であると判定された場合、検知部9は、地磁気センサ4近傍を通過する車両の移動の有無および移動方向を検知する。さらに、検知部9では、通過車両の速度や台数なども計測できる。
図3は、磁性体検知を説明する図である。また、図4は、磁性体検知のフローチャート、図5は、移動方向検知のフローチャートである。
図3(A)に示すように、磁性体検知装置1は、走行路Rの例えば中央位置に埋設、あるいは走行路Rの近辺、例えば、図3(B)に示すような手前の路肩に埋設することができる。このため、磁性体検知装置を設置しても景観を損ねることはない。
車両が走行路Rを通過する場合(図3に矢印で示す)、車体や車両に搭載されたモータやエンジンなどの磁性体の影響によって、地磁気の強度が時間経過と共に変化する。図2で説明した地磁気センサ4は、車両の進行方向(走行路Rの長手方向)に沿う第1軸(以下、X軸とする)、このX軸に直交して走行路Rの天地方向に沿う第2軸(以下、Z軸とする)、およびこれらX,Z軸に直交して走行路Rの幅員に沿う第3軸(以下、Y軸とする)に関する地磁気の各変化量を検出する。なお、X軸は走行路Rを右に通過する方向を正とし、Z軸は天に向かう方向を正とし、Y軸は手前の路肩から奥の路肩に向かう方向を正とする。
そして、図2で説明した検知部9は、地磁気センサ4の初期化を実行し(図4のステップS10)、地磁気センサ4は、例えばバッテリ7からの電力供給が停止されるまで、X,Y,Zの3軸に関する地磁気の強度を所定時間(例えば100ms)毎に検出する。
検知部9は、地磁気センサ4からの3軸データを読み込む(ステップS11)。この読み込みは、3軸データのいずれかが、車両通過を認識可能な所定の閾値を超えるまで継続される(ステップS12のNO、ステップS11)。
その後、3軸データのいずれかがこの閾値を超えた場合(ステップS12のYES)、検知部9は、3軸データの全てがこの閾値以下になって、同じ値に収束したと判定できるまで、3軸データの読み込みを継続する(ステップS13、ステップS14のNO)。3軸データの全てがこの閾値以下になった場合(ステップS14のYES)、検知部9は車両の移動方向を判定する(ステップS15)。
詳しくは、検知部9は、XZ平面でベクトルを継ぎ足す(図5のステップS20)。具体的には、検知部9は、まず、XZ平面に関する前後の検出値の差分から、XZ平面上で見たベクトルを得る。複数のベクトルが得られると、例えば今回得たベクトルの終点が次回得たベクトルの始点に重なるので、得られたベクトルが順に継ぎ足される。これにより、XZ平面上で継ぎ足された各ベクトルによる軌跡が得られ、その軌跡の方向(回転方向ともいう)が得られる。
続いて、ステップS21では、磁性体検知装置が路面設置型であるか否かを判定する。図3(A)に示したような、走行路Rに埋設されている場合(図5のステップS21のYES)、ステップS20で得られた各ベクトルによる軌跡の方向を判別する(ステップS22)。これにより、車両の移動方向が検知される。
このように、磁性体検知装置が走行路Rに埋設されている場合、地磁気の乱れをX,Z軸の2軸による平面上で検出しており、車両の移動方向に応じて異なる軌跡が得られるので、車両の移動の有無やその移動方向を容易に判別することができる。このため、本発明は、少なくともX,Z軸の2軸に関する地磁気の強度を検出するセンサであってもよい。
一方、磁性体検知装置が、図3(B)に示したような、走行路Rの近辺に埋設されている場合(図5のステップS21のNO)、検知部9は、ステップS20で得られた各ベクトルによる軌跡の方向を利用できるかを検討する(ステップS23)。その場合、例えば、面積Sxzを利用する。面積Sxzは、ステップS20で得られた各ベクトルによる軌跡で閉じられた面積である。そして、この面積Sxzが、例えば回転方向を判別できるような所定の閾値を超えていた場合(ステップS23のYES)、ステップS20で得られた各ベクトルによる軌跡の方向を判別する(ステップS22)。
これに対し、面積Sxzが所定の閾値以下の場合(ステップS23のNO)、検知部9は、XY平面でもベクトルを継ぎ足す(ステップS24)。つまり、検知部9は、XY平面に関する前後の検出値の差分から、XY平面上で見たベクトルを複数得る。続いて、XY平面上で継ぎ足された各ベクトルによる軌跡が得られ、その軌跡の方向を得ることができる。
次に、検知部9は、ステップS20で得られた各ベクトルによる軌跡の方向を利用できるかをさらに検討する(ステップS25)。その場合、例えば、面積Sxz,Sxyを利用する。後者の面積Sxyは、ステップS24で得られた各ベクトルによる軌跡で閉じられた面積である。大きな面積の方が軌跡の方向を精度よく特定できるからである。
そこで、検知部9は、面積Sxyが面積Sxzよりも大きいか否かを判定する(ステップS25)。面積Sxzが面積Sxyよりも大きい場合(ステップS25のNO)、検知部9は、ステップS20で得られた各ベクトルによる軌跡の方向を採用する(ステップS22)。一方、面積Sxyが面積Sxzよりも大きい場合(ステップS25のYES)、ステップS24で得られた各ベクトルによる軌跡の方向を採用する(ステップS26)。
図6〜図9は、磁性体検知を説明する図である。まず、図6で説明する磁性体検知装置は、図3(A)に示したような走行路Rに埋設されており、車両をX軸の負方向に走らせた際の実測データである。
図2で説明した検知部9が、地磁気センサ4からの3軸データを読み込んでX,Y,Z座標上にプロットすると、図6(A)に示すように、A(0,390,−350)あたりに収束していた後、B(−257,100,−1401)が検出され、続いてC(700,−200,−1250)、D(716,397,−500)、E(480,397,−500)、F(327,397,134)、G(−150,360,30)、H(−62,380,−300)の順に検出された。
図6(B)に示すように、XZ平面をY軸の例えば負側から見ると、XZ平面上でベクトルABに継ぎ足されたベクトルBCは、ベクトルABに対して反時計回りに回転した位置にあるといえる。また、継ぎ足された関係で同様に調べると、ベクトルCDはベクトルBCに対して反時計回りに回転した位置に、ベクトルDEはベクトルCDに対して反時計回りに回転した位置にある。さらに、ベクトルEFはベクトルDEに対して時計回りに回転した位置にあるが、ベクトルFGはベクトルEFに対し、ベクトルGHはベクトルFGに対していずれも反時計回りに回転した位置にある。つまり、この反時計回りに回転した位置にあるベクトルの個数が、時計回りに回転した位置にあるベクトルの個数よりも多い。
よって、図2の検知部9は、XZ平面上で継ぎ足された各ベクトルによる軌跡の方向を反時計回りであると判別し、車両の移動方向を、X軸の負方向(図3(A)の左向きの矢印、仮にY軸の負方向が北向きの場合には東向き)と検知する。
なお、検知部9は、反時計回りに回転した位置にあるベクトルABとベクトルBCの角度(例えば180°以下の劣角、以下同じ)、ベクトルBCとベクトルCDの角度、ベクトルCDとベクトルDEの角度、ベクトルEFとベクトルFGの角度、ベクトルFGとベクトルGHの角度の積算値が、時計回りに回転した位置にあるベクトルDEとベクトルEFの角度よりも大きいため、この軌跡の方向を反時計回りであると判別してもよい。
また、今回の検知例には利用していないが、図6(C)に示すXY平面をZ軸の例えば正側から見ても、継ぎ足された各ベクトルによる軌跡の方向は、反時計回りであると判別できるので、車両の移動方向は、X軸の負方向と検知できる。
なお、図6では、Y軸の負方向が北向きの場合を例に挙げて説明したが、Y軸の正方向が北向きの場合には、収束位置Aが異なるものの、継ぎ足された各ベクトルによる軌跡の方向は、同じく反時計回りであった。
次に、図7で説明する磁性体検知装置も、図3(A)に示したような走行路Rに埋設されているが、車両をX軸の正方向に走らせた際の実測データであり、図2の地磁気センサ4からの3軸データをX,Y,Z座標上にプロットした。
図7(A)に示すように、XZ平面をY軸の例えば負側から見て、継ぎ足されたベクトル同士を調べると、時計回りに回転した位置にあるベクトルの個数が反時計回りに回転した位置にあるベクトルの個数よりも多い。
よって、この例の場合には、XZ平面上で継ぎ足された各ベクトルによる軌跡の方向は時計回りであると判別され、車両の移動方向は、X軸の正方向(図3(A)の右向きの矢印、仮にY軸の負方向が北向きの場合には西向き)と検知される。
なお、今回の検知例には利用していないが、図7(B)に示すXY平面をZ軸の例えば正側から見ても、継ぎ足された各ベクトルによる軌跡の方向は、反時計回りであると判別でき、図7(A)の判別結果に一致しない。しかし、例えば、XZ平面で得られた各ベクトルによる軌跡のZ軸方向の長さは、XY平面で得られた各ベクトルによる軌跡のY軸方向の長さよりも大きいので、XZ平面で得られた各ベクトルによる軌跡で閉じられた面積(Sxz)は、XY平面で得られた各ベクトルによる軌跡で閉じられた面積(Sxy)よりも大きい。よって、XZ平面で得られた各ベクトルによる軌跡の方向に基づき、車両の移動方向は、X軸の正方向と検知される。
このように、継ぎ足された各ベクトルによる軌跡の方向から車両の移動方向を検知できるので、車両の移動方向を容易に判別することができる。
また、移動する車両を側方から見たXZ平面上で判別すれば、車両の通過による地磁気の揺らぎを検出しやすいので、車両の移動方向をより一層容易に判別できる。
続いて、図8で説明する磁性体検知装置は、図3(B)に示したような走行路Rの近辺(手前の路肩)に埋設されており、車両をX軸の負方向に走らせた際の実測データであり、図2の地磁気センサ4からの3軸データをX,Y,Z座標上にプロットした。
図8(A)に示すように、XZ平面をY軸の例えば負側から見て、継ぎ足されたベクトル同士を調べたが、時計回りあるいは反時計回りに回転した位置にあるベクトルのいずれが優勢であるかが明確ではなかった。
一方、図8(B)に示すXY平面をZ軸の例えば正側から見て、継ぎ足されたベクトル同士を調べると、反時計回りに回転した位置にあるベクトルの個数が時計回りに回転した位置にあるベクトルの個数よりも多い。よって、XY平面上で継ぎ足された各ベクトルによる軌跡の方向は反時計回りであると判別される。
また、XZ平面で得られた各ベクトルによる軌跡が明確ではないため、その軌跡で閉じられた面積(Sxz)は、XY平面で得られた各ベクトルによる軌跡で閉じられた面積(Sxy)よりも小さいと推定できる。
よって、この例の場合には、XY平面上による結果(継ぎ足された各ベクトルによる軌跡の方向は反時計回りである)が採用され、車両の移動方向は、X軸の負方向(図3(B)の左向きの矢印)と検知される。
次に、図9で説明する磁性体検知装置も、図3(B)に示したような走行路Rの近辺(手前の路肩)に埋設されているが、車両を奥側の路肩付近でX軸の正方向に走らせた際の実測データであり、図2の地磁気センサ4からの3軸データをX,Y,Z座標上にプロットした。
図9(A)に示すように、XZ平面をY軸の例えば負側から見て、継ぎ足されたベクトル同士を調べると、反時計回りに回転した位置にあるベクトルの個数が時計回りに回転した位置にあるベクトルの個数よりも多いように見える。しかし、XZ平面で得られた各ベクトルによる軌跡のZ軸方向の長さは小さいため、面積Sxzも小さいように見える。
これに対し、図9(B)に示すXY平面をZ軸の例えば正側から見て、継ぎ足されたベクトル同士を調べると、時計回りに回転した位置にあるベクトルの個数が反時計回りに回転した位置にあるベクトルの個数よりも多い。よって、XY平面上で継ぎ足された各ベクトルによる軌跡の方向は時計回りであると判別可能である。
また、例えば、XY平面で得られた各ベクトルによる軌跡のY軸方向の長さは、XZ平面で得られた各ベクトルによる軌跡のZ軸方向の長さよりも大きいので、面積Sxyは、面積Sxzよりも大きい。
よって、この例の場合には、XY平面上による結果(継ぎ足された各ベクトルによる軌跡の方向は時計回りである)が採用され、車両の移動方向は、X軸の正方向(図3(B)の右向きの矢印)と検知される。
このように、移動する車両を上下方向で見たXY平面も判定に加えれば、例えば、車両が地磁気センサから離れた位置を移動する場合にも、車両の移動方向を検知できる。
以上のように、磁性体検知装置は、車両の到来やその移動方向を検知できるので、中山間部向けの交通システム(ゆずりあいロード支援システムともいう)、国道や高速道路の交通システム、駐車場管理システム、カーブミラーの補完など、多様な交通インフラシステム向けの車両感知器として利用することができる。
1…磁性体検知装置、2…筐体、3…収容部、4…地磁気センサ、6…通信部、7…バッテリ、8…制御部、9…検知部、10…検知ユニット。
本発明は、磁性体検知装置および磁性体検知方法に関し、詳細には、少なくとも2軸に関する地磁気の変化量を検出するセンサと、センサの出力に基づいてセンサ近傍を通過する磁性体を検知する検知部とを備えた磁性体検知装置および磁性体検知方法に関する。
車両感知器には、ループコイルを用いたループ式、超音波センサを用いた超音波式、赤外線センサを用いた赤外式などが知られている。しかし、ループ式にはループコイルが断線しやすい。超音波式には、建柱工事が必要になり、コスト削減が困難である。また、赤外式には、植生で遮られたりして誤作動を招きやすいなどの懸念がある。
これに対し、例えば特許文献1には、地磁気センサを用いた車両感知器の技術が開示されており、この地磁気式によれば、赤外式のような誤作動がなくすことができると共に、赤外式に比べても工事費を減らし、工期を短くできる。
実用新案登録第3155462号公報
しかしながら、上記特許文献1は、車両感知器の消費電力を抑えるための技術であり、磁性体の移動方向を容易に検出することについては開示されていない。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたもので、磁性体の移動方向を容易に検出できる磁性体検知装置および磁性体検知方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明による磁性体検知装置は、少なくとも2軸に関する地磁気の変化量を検出するセンサと、該センサの出力に基づいてセンサ近傍を通過する磁性体を検知する検知部とを備えた磁性体検知装置であって、前記検知部は、前記2軸に関する地磁気の各変化量に基づいて前記磁性体の移動方向を検知することを特徴とする。
また、前記センサが、前記2軸に関する地磁気の強度を所定時間毎に検出し、前記検知部が、前記各検出値の差分から得られたベクトルを継ぎ足し、該継ぎ足された複数のベクトルによる軌跡の方向を判別することにより、前記磁性体の移動方向を検知してもよい。
また、前記磁性体が車両であり、前記2軸が、前記車両の進行方向に沿うX軸、および該X軸に交差して前記車両の走行路の天地方向に沿うZ軸からなり、前記センサが、前記走行路あるいは走行路近辺に設けられ、前記車両の通過時に生ずる前記X軸に関する地磁気の強度および前記Z軸に関する地磁気の強度を検出可能な地磁気センサであり、該地磁気センサが、前記X軸および前記Z軸に関する地磁気の強度を所定時間毎に検出し、前記検知部が、前記各検出値の差分から得られた各ベクトルを継ぎ足し、該X,Z軸による平面上で継ぎ足された複数のベクトルによる軌跡の方向を判別することにより、前記磁性体の移動方向を検知してもよい。
また、前記地磁気センサが、前記X軸および前記Z軸に交差して、前記走行路の幅員に沿うY軸に関する地磁気の強度をさらに検出可能であり、該地磁気センサが、前記X軸および前記Y軸に関する地磁気の強度を所定時間毎に検出し、前記検知部が、前記各検出値の差分から得られた各ベクトルを継ぎ足し、該X,Y軸による平面上で継ぎ足された複数のベクトルによる軌跡の方向を判別することにより、前記磁性体の移動方向を検知してもよい。
また、本発明による磁性体検知方法は、少なくとも2軸に関する地磁気の変化量をセンサで検出する検出ステップと、該センサの出力に基づいてセンサ近傍を通過する磁性体を検知する検知ステップとを含む磁性体検知方法であって、前記検知ステップは、前記2軸に関する地磁気の各変化量に基づいて前記磁性体の移動方向を検知することを特徴とする。
本発明によれば、地磁気の乱れを2軸による平面上で検出しており、磁性体の移動方向に応じて異なる軌跡が得られるので、磁性体の移動方向を容易に判別することができる。
本発明の一態様に係る磁性体検知装置の外観斜視図である。 磁性体検知装置の概略構成図である。 磁性体検知を説明する図である。 磁性体検知のフローチャートである。 移動方向検知のフローチャートである。 磁性体検知を説明する図である。 磁性体検知を説明する図である。 磁性体検知を説明する図である。 磁性体検知を説明する図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明による磁性体検知装置および磁性体検知方法の好適な実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一態様に係る磁性体検知装置の外観斜視図、図2は、磁性体検知装置の概略構成図である。磁性体検知装置1は、例えば、埋設型の車両感知器であり、自発光鋲と同様に、アスファルト等の舗装に形成した孔に接着剤で固定される。
図1に示すように、磁性体検知装置1は、上記舗装に形成した孔に固定される筐体2を有し、筐体2の中央部分には、検知ユニットを収容可能な収容部3が形成されている。検知ユニットには、後述の地磁気センサ、制御部やバッテリなどが収納される。磁性体検知装置1はバッテリを内蔵し、また消費電力が小さいため、約5年間は充電せずに作動可能である。
図2に示すように、磁性体検知装置1は、地磁気センサ4、制御部、バッテリの他、通信部を備えている。
制御部は、通信部を介して外部機器と無線通信可能である。また、制御部は、CPU(Central Processing Unit)等からなり、例えばROMに格納されている各種のプログラムやデータをRAMにロードし、このロードしたRAM内のプログラムを実行する。これにより、磁性体検知装置1の動作を制御できる。
地磁気センサ4は、地球の地磁気を検出して方位を検知可能なセンサ(電子コンパスともいう)であり、互いに直交する3軸(例えばX軸、Y軸、Z軸)方向の磁力をそれぞれ検出することができる。なお、地磁気センサ4が本発明のセンサに相当し、例えばホール素子、磁気抵抗素子などの磁気検出素子を用いてもよい。一般的に普及している地磁気センサを使用すれば、磁性体検知装置の製造コストを抑えることができる。
また、制御部は検知部を有している。地磁気センサ4が車両の通過時にわずかに揺らぐ地磁気を検出し、この検知信号がA/D変換されて検知部に出力され、車両通過を認識可能な電圧値であると判定された場合、検知部は、地磁気センサ4近傍を通過する車両の移動の有無および移動方向を検知する。さらに、検知部では、通過車両の速度や台数なども計測できる。
図3は、磁性体検知を説明する図である。また、図4は、磁性体検知のフローチャート、図5は、移動方向検知のフローチャートである。
図3(A)に示すように、磁性体検知装置1は、走行路Rの例えば中央位置に埋設、あるいは走行路Rの近辺、例えば、図3(B)に示すような手前の路肩に埋設することができる。このため、磁性体検知装置を設置しても景観を損ねることはない。
車両が走行路Rを通過する場合(図3に矢印で示す)、車体や車両に搭載されたモータやエンジンなどの磁性体の影響によって、地磁気の強度が時間経過と共に変化する。図2で説明した地磁気センサ4は、車両の進行方向(走行路Rの長手方向)に沿う第1軸(以下、X軸とする)、このX軸に直交して走行路Rの天地方向に沿う第2軸(以下、Z軸とする)、およびこれらX,Z軸に直交して走行路Rの幅員に沿う第3軸(以下、Y軸とする)に関する地磁気の各変化量を検出する。なお、X軸は走行路Rを右に通過する方向を正とし、Z軸は天に向かう方向を正とし、Y軸は手前の路肩から奥の路肩に向かう方向を正とする。
そして、図2で説明した検知部は、地磁気センサ4の初期化を実行し(図4のステップS10)、地磁気センサ4は、例えばバッテリからの電力供給が停止されるまで、X,Y,Zの3軸に関する地磁気の強度を所定時間毎に検出する。
検知部は、地磁気センサ4からの3軸データを読み込む(ステップS11)。この読み込みは、3軸データのいずれかが、車両通過を認識可能な所定の閾値を超えるまで継続される(ステップS12のNO、ステップS11)。
その後、3軸データのいずれかがこの閾値を超えた場合(ステップS12のYES)、検知部は、3軸データの全てがこの閾値以下になって、同じ値に収束したと判定できるまで、3軸データの読み込みを継続する(ステップS13、ステップS14のNO)。3軸データの全てがこの閾値以下になった場合(ステップS14のYES)、検知部は車両の移動方向を判定する(ステップS15)。
詳しくは、検知部は、XZ平面でベクトルを継ぎ足す(図5のステップS20)。具体的には、検知部は、まず、XZ平面に関する前後の検出値の差分から、XZ平面上で見たベクトルを得る。複数のベクトルが得られると、例えば今回得たベクトルの終点が次回得たベクトルの始点に重なるので、得られたベクトルが順に継ぎ足される。これにより、XZ平面上で継ぎ足された各ベクトルによる軌跡が得られ、その軌跡の方向(回転方向ともいう)が得られる。
続いて、ステップS21では、磁性体検知装置が路面設置型であるか否かを判定する。図3(A)に示したような、走行路Rに埋設されている場合(図5のステップS21のYES)、ステップS20で得られた各ベクトルによる軌跡の方向を判別する(ステップS22)。これにより、車両の移動方向が検知される。
このように、磁性体検知装置が走行路Rに埋設されている場合、地磁気の乱れをX,Z軸の2軸による平面上で検出しており、車両の移動方向に応じて異なる軌跡が得られるので、車両の移動の有無やその移動方向を容易に判別することができる。このため、本発明は、少なくともX,Z軸の2軸に関する地磁気の強度を検出するセンサであってもよい。
一方、磁性体検知装置が、図3(B)に示したような、走行路Rの近辺に埋設されている場合(図5のステップS21のNO)、検知部は、ステップS20で得られた各ベクトルによる軌跡の方向を利用できるかを検討する(ステップS23)。その場合、例えば、面積Sxzを利用する。面積Sxzは、ステップS20で得られた各ベクトルによる軌跡で閉じられた面積である。そして、この面積Sxzが、例えば回転方向を判別できるような所定の閾値を超えていた場合(ステップS23のYES)、ステップS20で得られた各ベクトルによる軌跡の方向を判別する(ステップS22)。
これに対し、面積Sxzが所定の閾値以下の場合(ステップS23のNO)、検知部は、XY平面でもベクトルを継ぎ足す(ステップS24)。つまり、検知部は、XY平面に関する前後の検出値の差分から、XY平面上で見たベクトルを複数得る。続いて、XY平面上で継ぎ足された各ベクトルによる軌跡が得られ、その軌跡の方向を得ることができる。
次に、検知部は、ステップS20で得られた各ベクトルによる軌跡の方向を利用できるかをさらに検討する(ステップS25)。その場合、例えば、面積Sxz,Sxyを利用する。後者の面積Sxyは、ステップS24で得られた各ベクトルによる軌跡で閉じられた面積である。大きな面積の方が軌跡の方向を精度よく特定できるからである。
そこで、検知部は、面積Sxyが面積Sxzよりも大きいか否かを判定する(ステップS25)。面積Sxzが面積Sxyよりも大きい場合(ステップS25のNO)、検知部は、ステップS20で得られた各ベクトルによる軌跡の方向を採用する(ステップS22)。一方、面積Sxyが面積Sxzよりも大きい場合(ステップS25のYES)、ステップS24で得られた各ベクトルによる軌跡の方向を採用する(ステップS26)。
図6〜図9は、磁性体検知を説明する図である。まず、図6で説明する磁性体検知装置は、図3(A)に示したような走行路Rに埋設されており、車両をX軸の負方向に走らせた際の実測データである。
図2で説明した検知部が、地磁気センサ4からの3軸データを読み込んでX,Y,Z座標上にプロットすると、図6(A)に示すように、A(0,390,−350)あたりに収束していた後、B(−257,100,−1401)が検出され、続いてC(700,−200,−1250)、D(716,397,−500)、E(480,397,−500)、F(327,397,134)、G(−150,360,30)、H(−62,380,−300)の順に検出された。
図6(B)に示すように、XZ平面をY軸の例えば負側から見ると、XZ平面上でベクトルABに継ぎ足されたベクトルBCは、ベクトルABに対して反時計回りに回転した位置にあるといえる。また、継ぎ足された関係で同様に調べると、ベクトルCDはベクトルBCに対して反時計回りに回転した位置に、ベクトルDEはベクトルCDに対して反時計回りに回転した位置にある。さらに、ベクトルEFはベクトルDEに対して時計回りに回転した位置にあるが、ベクトルFGはベクトルEFに対し、ベクトルGHはベクトルFGに対していずれも反時計回りに回転した位置にある。つまり、この反時計回りに回転した位置にあるベクトルの個数が、時計回りに回転した位置にあるベクトルの個数よりも多い。
よって、図2の検知部は、XZ平面上で継ぎ足された各ベクトルによる軌跡の方向を反時計回りであると判別し、車両の移動方向を、X軸の負方向(図3(A)の左向きの矢印、仮にY軸の負方向が北向きの場合には東向き)と検知する。
なお、検知部は、反時計回りに回転した位置にあるベクトルABとベクトルBCの角度(例えば180°以下の劣角、以下同じ)、ベクトルBCとベクトルCDの角度、ベクトルCDとベクトルDEの角度、ベクトルEFとベクトルFGの角度、ベクトルFGとベクトルGHの角度の積算値が、時計回りに回転した位置にあるベクトルDEとベクトルEFの角度よりも大きいため、この軌跡の方向を反時計回りであると判別してもよい。
また、今回の検知例には利用していないが、図6(C)に示すXY平面をZ軸の例えば正側から見ても、継ぎ足された各ベクトルによる軌跡の方向は、反時計回りであると判別できるので、車両の移動方向は、X軸の負方向と検知できる。
なお、図6では、Y軸の負方向が北向きの場合を例に挙げて説明したが、Y軸の正方向が北向きの場合には、収束位置Aが異なるものの、継ぎ足された各ベクトルによる軌跡の方向は、同じく反時計回りであった。
次に、図7で説明する磁性体検知装置も、図3(A)に示したような走行路Rに埋設されているが、車両をX軸の正方向に走らせた際の実測データであり、図2の地磁気センサ4からの3軸データをX,Y,Z座標上にプロットした。
図7(A)に示すように、XZ平面をY軸の例えば負側から見て、継ぎ足されたベクトル同士を調べると、時計回りに回転した位置にあるベクトルの個数が反時計回りに回転した位置にあるベクトルの個数よりも多い。
よって、この例の場合には、XZ平面上で継ぎ足された各ベクトルによる軌跡の方向は時計回りであると判別され、車両の移動方向は、X軸の正方向(図3(A)の右向きの矢印、仮にY軸の負方向が北向きの場合には西向き)と検知される。
なお、今回の検知例には利用していないが、図7(B)に示すXY平面をZ軸の例えば正側から見ても、継ぎ足された各ベクトルによる軌跡の方向は、反時計回りであると判別でき、図7(A)の判別結果に一致しない。しかし、例えば、XZ平面で得られた各ベクトルによる軌跡のZ軸方向の長さは、XY平面で得られた各ベクトルによる軌跡のY軸方向の長さよりも大きいので、XZ平面で得られた各ベクトルによる軌跡で閉じられた面積(Sxz)は、XY平面で得られた各ベクトルによる軌跡で閉じられた面積(Sxy)よりも大きい。よって、XZ平面で得られた各ベクトルによる軌跡の方向に基づき、車両の移動方向は、X軸の正方向と検知される。
このように、継ぎ足された各ベクトルによる軌跡の方向から車両の移動方向を検知できるので、車両の移動方向を容易に判別することができる。
また、移動する車両を側方から見たXZ平面上で判別すれば、車両の通過による地磁気の揺らぎを検出しやすいので、車両の移動方向をより一層容易に判別できる。
続いて、図8で説明する磁性体検知装置は、図3(B)に示したような走行路Rの近辺(手前の路肩)に埋設されており、車両をX軸の負方向に走らせた際の実測データであり、図2の地磁気センサ4からの3軸データをX,Y,Z座標上にプロットした。
図8(A)に示すように、XZ平面をY軸の例えば負側から見て、継ぎ足されたベクトル同士を調べたが、時計回りあるいは反時計回りに回転した位置にあるベクトルのいずれが優勢であるかが明確ではなかった。
一方、図8(B)に示すXY平面をZ軸の例えば正側から見て、継ぎ足されたベクトル同士を調べると、反時計回りに回転した位置にあるベクトルの個数が時計回りに回転した位置にあるベクトルの個数よりも多い。よって、XY平面上で継ぎ足された各ベクトルによる軌跡の方向は反時計回りであると判別される。
また、XZ平面で得られた各ベクトルによる軌跡が明確ではないため、その軌跡で閉じられた面積(Sxz)は、XY平面で得られた各ベクトルによる軌跡で閉じられた面積(Sxy)よりも小さいと推定できる。
よって、この例の場合には、XY平面上による結果(継ぎ足された各ベクトルによる軌跡の方向は反時計回りである)が採用され、車両の移動方向は、X軸の負方向(図3(B)の左向きの矢印)と検知される。
次に、図9で説明する磁性体検知装置も、図3(B)に示したような走行路Rの近辺(手前の路肩)に埋設されているが、車両を奥側の路肩付近でX軸の正方向に走らせた際の実測データであり、図2の地磁気センサ4からの3軸データをX,Y,Z座標上にプロットした。
図9(A)に示すように、XZ平面をY軸の例えば負側から見て、継ぎ足されたベクトル同士を調べると、反時計回りに回転した位置にあるベクトルの個数が時計回りに回転した位置にあるベクトルの個数よりも多いように見える。しかし、XZ平面で得られた各ベクトルによる軌跡のZ軸方向の長さは小さいため、面積Sxzも小さいように見える。
これに対し、図9(B)に示すXY平面をZ軸の例えば正側から見て、継ぎ足されたベクトル同士を調べると、時計回りに回転した位置にあるベクトルの個数が反時計回りに回転した位置にあるベクトルの個数よりも多い。よって、XY平面上で継ぎ足された各ベクトルによる軌跡の方向は時計回りであると判別可能である。
また、例えば、XY平面で得られた各ベクトルによる軌跡のY軸方向の長さは、XZ平面で得られた各ベクトルによる軌跡のZ軸方向の長さよりも大きいので、面積Sxyは、面積Sxzよりも大きい。
よって、この例の場合には、XY平面上による結果(継ぎ足された各ベクトルによる軌跡の方向は時計回りである)が採用され、車両の移動方向は、X軸の正方向(図3(B)の右向きの矢印)と検知される。
このように、移動する車両を上下方向で見たXY平面も判定に加えれば、例えば、車両が地磁気センサから離れた位置を移動する場合にも、車両の移動方向を検知できる。
以上のように、磁性体検知装置は、車両の到来やその移動方向を検知できるので、中山間部向けの交通システム(ゆずりあいロード支援システムともいう)、国道や高速道路の交通システム、駐車場管理システム、カーブミラーの補完など、多様な交通インフラシステム向けの車両感知器として利用することができる。
1…磁性体検知装置、2…筐体、3…収容部、4…地磁気センサ、…通信部、…バッテリ、…制御部、…検知部、…検知ユニット。

Claims (5)

  1. 少なくとも2軸に関する地磁気の変化量を検出するセンサと、該センサの出力に基づいてセンサ近傍を通過する磁性体を検知する検知部とを備えた磁性体検知装置であって、
    前記検知部は、前記2軸に関する地磁気の各変化量に基づいて前記磁性体の移動方向を検知することを特徴とする磁性体検知装置。
  2. 前記センサが、前記2軸に関する地磁気の強度を所定時間毎に検出し、前記検知部が、前記各検出値の差分から得られたベクトルを継ぎ足し、該継ぎ足された複数のベクトルによる軌跡の方向を判別することにより、前記磁性体の移動方向を検知することを特徴とする請求項1に記載の磁性体検知装置。
  3. 前記磁性体が車両であり、前記2軸が、前記車両の進行方向に沿うX軸、および該X軸に交差して前記車両の走行路の天地方向に沿うZ軸からなり、前記センサが、前記走行路あるいは走行路近辺に設けられ、前記車両の通過時に生ずる前記X軸に関する地磁気の強度および前記Z軸に関する地磁気の強度を検出可能な地磁気センサであり、
    該地磁気センサが、前記X軸および前記Z軸に関する地磁気の強度を所定時間毎に検出し、前記検知部が、前記各検出値の差分から得られた各ベクトルを継ぎ足し、該X,Z軸による平面上で継ぎ足された複数のベクトルによる軌跡の方向を判別することにより、前記磁性体の移動方向を検知することを特徴とする請求項2に記載の磁性体検知装置。
  4. 前記地磁気センサが、前記X軸および前記Z軸に交差して、前記走行路の幅員に沿うY軸に関する地磁気の強度をさらに検出可能であり、
    該地磁気センサが、前記X軸および前記Y軸に関する地磁気の強度を所定時間毎に検出し、前記検知部が、前記各検出値の差分から得られた各ベクトルを継ぎ足し、該X,Y軸による平面上で継ぎ足された複数のベクトルによる軌跡の方向を判別することにより、前記磁性体の移動方向を検知することを特徴とする請求項3に記載の磁性体検知装置。
  5. 少なくとも2軸に関する地磁気の変化量をセンサで検出する検出ステップと、該センサの出力に基づいてセンサ近傍を通過する磁性体を検知する検知ステップとを含む磁性体検知方法であって、
    前記検知ステップは、前記2軸に関する地磁気の各変化量に基づいて前記磁性体の移動方向を検知することを特徴とする磁性体検知方法。
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