JP6084909B2 - リング光変調器 - Google Patents

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Description

本発明は、リング光変調器に関する。
近年、安価で大規模集積が可能なシリコン基板上に形成するシリコン光集積素子が注目を集めている。
シリコン(Si)は、光通信に用いられる1.3μm帯や1.55μm帯の光信号に対して透明な媒質であり、高度なプロセス技術を利用した低損失かつ小型のシリコン細線導波路を形成可能である。これまでに、このような技術をベースとした各種光素子が提案・実証され、例えば光通信システムやサーバ内の高速インターコネクトへの利用が考えられている。
このようなシリコン光集積素子に集積する光変調器としては、小型で低消費電力なリング光変調器が適している。
また、リング光変調器には、その共振波長を制御するために、例えば、リング導波路コアの上方に絶縁膜を挟んで設けた金属薄膜をヒータとして用いるもの、あるいは、n型にドーピングしたドープシリコン層をヒータとして用いるものなどがある。
特開2013−037281号公報 特開2012−198465号公報
Hui Yu et.al., "Compact Thermally Tunable Silicon Racetrack Modulators Based on an Asymmetric Waveguide", IEEE photonics technology letters, vol.25, no.2, pp.159-162, 2013 Guoliang Li et.al., "25Gb/s 1V-driving CMOS ring modulator with integrated thermal tuning", Optics Express, vol.19, no.21, pp.20435-20443, 2011
しかしながら、n型にドーピングしたドープシリコン層をヒータとして用いる場合、以下のような課題がある。
まず、リング導波路コアの外側の離れた位置に、独立して、ドープシリコン層を設けると、リング導波路コアからの距離が遠く、また、リング導波路コアとドープシリコン層との間に熱伝導率の低い部分(例えばSiO)が介在してしまう。このため、ヒータとしてのドープシリコン層からリング導波路コアまで熱が効率的に伝わらず、共振波長の波長制御効率が良くない。
これに対し、リング導波路コアの円周方向の一部を、変調領域として用いずに、ヒータ領域として用いると、共振波長の波長制御効率は良くなるものの、変調効率が低下してしまう。つまり、リング導波路コアの円周方向の一部に対して変調領域として用いるためのドーピングを行なわずに、変調領域と分離して、リング導波路コアを構成するシリコン層のスラブ部をn型にドーピングしてドープシリコン領域(ドープシリコン層)とし、これをヒータとして用いると、共振波長の波長制御効率は良くなるものの、変調効率が低下してしまう。
なお、ここでは、n型にドーピングしたドープシリコン層をヒータとして用いる場合の課題として説明しているが、これに限られるものではなく、p型にドーピングしたドープシリコン層又は金属化合物にしたシリサイド層をヒータとして用いる場合にも同様の課題がある。
そこで、n型若しくはp型にドーピングしたドープシリコン層、又は、金属化合物にしたシリサイド層をヒータとして用いる場合に、変調効率を低下させずに、共振波長の波長制御効率を向上させたい。
本リング光変調器は、シリコン層のリブ部であってp型ドーピング領域及びn型ドーピング領域を有するリング導波路コアを含むリング導波路と、リング導波路に光学的に接続されたバス導波路と、リング導波路コアの内周に沿って設けられ、シリコン層のリブ部に対して内側のスラブ部に設けられた内側ドープシリコン領域又は内側シリサイド領域を含み、変調電極及びヒータ線路として機能する内周電極線路と、リング導波路コアの外周に沿って設けられ、シリコン層のリブ部に対して外側のスラブ部に設けられた外側ドープシリコン領域又は外側シリサイド領域を含み、変調電極及びヒータ線路として機能する外周電極線路と、変調電気信号を供給する変調駆動回路と、共振波長を制御するためのヒータ電流を供給するヒータ駆動回路とを備え、変調駆動回路及びヒータ駆動回路は、内周電極線路及び外周電極線路に接続されており、内周電極線路及び外周電極線路に変調電気信号を供給するとともに周方向に沿ってヒータ電流を流すことを要件とする。
したがって、本リング光変調器によれば、n型若しくはp型にドーピングしたドープシリコン層、又は、金属化合物にしたシリサイド層をヒータとして用いる場合に、変調効率を低下させずに、共振波長の波長制御効率を向上させることができるという利点がある。
第1実施形態にかかるリング光変調器の構成を示す模式的平面図である。 第1実施形態にかかるリング光変調器の構成を示す模式図であって、図1のA−A′線に沿う断面図である。 第1実施形態にかかるリング光変調器の構成を示す模式図であって、図1のB−B′線に沿う断面図である。 第1実施形態にかかるリング光変調器の透過スペクトル特性を示す図である。 第1実施形態にかかるリング光変調器の等価回路を示す図である。 (A)は、第1実施形態にかかるリング光変調器の各pn接合部C1−C5のON状態の電位差Von及びOFF状態の電位差Voffとヒータ電圧Vhとの関係を示す図であり、(B)は、第1実施形態にかかるリング光変調器の内周電極線路及び外周電極線路の各線路抵抗Rで発生するジュール熱をON状態とOFF状態で平均化した平均発熱量Ph(ave)とヒータ電圧Vhとの関係を示す図である。 第1実施形態にかかるリング光変調器の駆動回路の構成を説明するための模式図である。 図8(A),図8(B)は、第1実施形態にかかるリング光変調器の内周電極線路及び外周電極線路にヒータ電流を流した場合のヒータ動作効率をシミュレーションした結果を示しており、図8(A)は温度分布計算結果を示しており、図8(B)は共振ピーク波長のシフト量のヒータ電力依存性を示している。 第1実施形態の第1変形例にかかるリング光変調器の構成を示す模式的断面図である。 第1実施形態の第2変形例にかかるリング光変調器の構成を示す模式的断面図である。 第1実施形態の第3変形例にかかるリング光変調器の構成(等価回路を含む)を示す図である。 (A)は、第1実施形態の第3変形例にかかるリング光変調器の各pn接合部C1−C5のON状態の電位差Von及びOFF状態の電位差Voffとヒータ電圧Vhとの関係を示す図であり、(B)は、第1実施形態の第3変形例にかかるリング光変調器の内周電極線路及び外周電極線路の各線路抵抗Rで発生するジュール熱をON状態とOFF状態で平均化した平均発熱量Ph(ave)とヒータ電圧Vhとの関係を示す図である。 第1実施形態の第4変形例にかかるリング光変調器の等価回路を示す図である。 第1実施形態の第4変形例にかかるリング光変調器の各pn接合部C1−C5のOFF状態の電位差Voffとヒータ電圧Vhとの関係を示す図である。 第1実施形態の第5変形例にかかるリング光変調器の等価回路を示す図である。 第2実施形態にかかるリング光変調器の構成を示す模式的平面図である。 第2実施形態にかかるリング光変調器の構成を示す模式図であって、図16のA−A′線に沿う断面図である。 第2実施形態にかかるリング光変調器の構成を示す模式図であって、図16のB−B′線に沿う断面図である。
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかるリング光変調器について説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態にかかるリング光変調器について、図1〜図8を参照しながら説明する。
本実施形態にかかるリング光変調器は、リング光共振器を利用した光変調器であって、その共振波長を制御するために、n型若しくはp型にドーピングしたドープシリコン層、又は、金属化合物にしたシリサイド層をヒータとして用いる、波長制御機構付きリング光変調器である。このようなリング光変調器は、小型で低消費電力な光変調器であるため、シリコン光集積素子に集積するのに適している。なお、リング光変調器を、リング共振器型光変調器、又は、シリコン(Si)リング光変調器ともいう。
本リング光変調器は、図1に示すように、リング導波路1と、バス導波路2と、内周電極線路3と、外周電極線路4と、変調電気信号を供給する変調駆動回路5と、共振波長を制御するためのヒータ電流を供給するヒータ駆動回路6とを備える。
ここで、リング導波路1は、図2、図3に示すように、シリコン層7のリブ部7Aであってp型ドーピング領域7AX及びn型ドーピング領域7AYを有するリング導波路コア1A(光導波路コア;シリコン導波路コア)を含む。なお、リング導波路コア1Aは、円周状の導波路コアである。また、リング導波路1は、円周状の光導波路である。
バス導波路2は、リング導波路1に光学的に接続されている。つまり、バス導波路2は、リング導波路1に近接して設けられている。なお、バス導波路2を主導波路ともいう。
なお、このようにリング導波路1に近接してバス導波路2を設けたものは、光共振器として機能するため、リング光共振器ともいう。
ここでは、リング導波路コア1Aは、電流注入又は電圧印加が可能なp型ドーピング領域7AX及びn型ドーピング領域7AYを有する。そして、リング導波路コア1Aの中間位置でp型ドーピング領域7AXとn型ドーピング領域7AYが接してpn接合部7AZが形成されており、このpn接合部7AZに変調電気信号を供給することで、リング導波路コア1Aの屈折率を変化させて、バス導波路2の一方の側から入力された光を変調してバス導波路2の他方の側から変調光信号として出力するようになっている。なお、図2、図3では、pn接合部7AZの近傍に形成される空乏層を模様を付して示している。
内周電極線路3及び外周電極線路4は、図1に示すように、リング導波路コア1Aの内周及び外周に沿ってそれぞれ設けられており、変調電極及びヒータ線路として機能する。つまり、内周電極線路3及び外周電極線路4は、リング導波路コア1Aの内周及び外周に沿ってそれぞれ設けられており、変調電気信号が供給されるとともに周方向に沿ってヒータ電流が流れる。なお、内周電極線路3を内側電極線路ともいう。また、外周電極線路4を外側電極線路ともいう。
ここで、内周電極線路3は、リング導波路コア1Aの内周に沿って設けられており、図2、図3に示すように、シリコン層7のリブ部7Aに対して内側のスラブ部7Bに設けられたドープシリコン領域7BX又はシリサイド領域7BYである。本実施形態では、内周電極線路3は、後述の金属電極端子8が接続される領域が内側シリサイド領域7BYであり、後述の金属電極端子8が接続される領域以外の領域が内側ドープシリコン領域7BXである。ここで、ドープシリコン領域7BXは、シリコン層7の内側のスラブ部7Bの一部分をp型及びn型の一方(ここではp型)にドーピングした領域であり、ドープシリコン層ともいう。また、シリサイド領域7BYは、シリコン層7の内側のスラブ部7Bの一部分を金属化合物(例えばNiSi等)にした領域であり、シリサイド層ともいう。
また、外周電極線路4は、図1に示すように、リング導波路コア1Aの外周に沿って設けられ、図2、図3に示すように、シリコン層7のリブ部7Aに対して外側のスラブ部7Cに設けられたドープシリコン領域7CX又はシリサイド領域7CYである。本実施形態では、外周電極線路4は、後述の金属電極端子8が接続される領域が外側シリサイド領域7CYであり、後述の金属電極端子8が接続される領域以外の領域が外側ドープシリコン領域7CXである。なお、ドープシリコン領域7CXは、シリコン層7の外側のスラブ部7Cの一部分をp型及びn型の他方(ここではn型)にドーピングした領域であり、ドープシリコン層ともいう。また、シリサイド領域7CYは、シリコン層7の外側のスラブ部7Cの一部分を金属化合物にした領域であり、シリサイド層ともいう。
そして、変調駆動回路5及びヒータ駆動回路6は、図1に示すように、内周電極線路3及び外周電極線路4に接続されており、内周電極線路3及び外周電極線路4に変調電気信号を供給するとともに周方向に沿ってヒータ電流を流すようになっている。
本実施形態では、内周電極線路3及び外周電極線路4のそれぞれの両端部3X,3Y,4X,4Yに接続された金属電極端子8(83X,83Y,84X,84Y)を備える。なお、金属電極端子8には変調駆動回路5及びヒータ駆動回路6が接続されるため、金属電極端子8を回路接続用の金属電極端子ともいう。また、変調駆動回路5及びヒータ駆動回路6は、金属電極端子8を介して、内周電極線路3及び外周電極線路4に接続されている。そして、変調駆動回路5は、外周電極線路4の一端4Xに正の変調電気信号を供給し、外周電極線路4の一端4Xの反対側の内周電極線路3の他端3Yに負の変調電気信号を供給するようになっている。また、ヒータ駆動回路6は、外周電極線路4の他端4Yに正のヒータ電圧を印加し、内周電極線路3の一端3Xに負のヒータ電圧を印加するようになっている。
なお、これに限られるものではなく、変調駆動回路5は、内周電極線路3及び外周電極線路4の一方の第1端部に正の変調電気信号を供給し、第1端部の反対側の内周電極線路3及び外周電極線路4の他方の第2端部に負の変調電気信号を供給し、ヒータ駆動回路6は、内周電極線路3及び外周電極線路4の一方の第1端部の反対側の第3端部に正のヒータ電圧を印加し、内周電極線路3及び外周電極線路4の他方の第2端部の反対側の第4端部に負のヒータ電圧を印加するようにすれば良い。
ところで、リング光共振器を利用したリング光変調器にはその円周長と導波路の等価屈折率で決まる複数の共振ピーク波長が存在し、例えば図4に示すような透過スペクトル特性を示す。なお、図4では、透過スペクトル特性における複数の共振ピーク波長の一部を示している。また、共振ピーク波長を単に共振波長ともいう。また、透過スペクトル特性を透過スペクトル応答ともいう。
そして、光変調に際しては、電流注入又は電圧印加によってリング光導波路1の等価屈折率を変化させ、透過スペクトル特性における共振ピーク波長をシフトさせる。
例えば、逆バイアス電圧を印加すると、リング光導波路1のリング導波路コア1Aに備えられるpn接合部7AZでは空乏層幅が拡大し、リング導波路コア1A内のキャリア密度が減少して屈折率が増大するため、共振ピーク波長は長波長側へシフトする。逆に、順バイアス電圧を印加すると、pn接合部7AZに自由キャリアが注入され、リング導波路コア1A内の屈折率が低下するため、共振ピーク波長は短波長側へシフトする。
図4では、実線A,Bで変調電圧印加時に変化する透過スペクトル特性を示している。つまり、電圧を印加していない時、例えば0V印加時の透過スペクトル特性を実線Aで示し、リング光変調器のリング光導波路1に備えられるpn接合部7AZに逆バイアス電圧(n側の電位>p側の電位)を印加した時、例えば−3V印加時の透過スペクトル特性を実線Bで示している。
ところで、リング光共振器を利用したリング光変調器では、共振ピーク波長近傍で急峻な透過スペクトル特性を有するため、入力される信号光波長を予め共振ピーク波長に整合させておけば、わずかな屈折率変化で変調振幅の高い光変調を実現することができる。
このため、リング光変調器では、高効率な光変調を実現するために、入力される信号光波長に対して共振ピーク波長を整合させるのが好ましい。
しかしながら、リング光変調器を構成するリング光共振器の共振ピーク波長は、例えば作製時の寸法ばらつきや動作時の基板温度変化などの要因で、予め決まった絶対波長に合わせこむことは難しい。
このため、リング光変調器に共振波長を制御するための波長制御機構を設けて、その共振波長が信号光波長に整合するように共振波長を制御することになる。
ここで、リング光導波路のリング導波路コアを構成するシリコン(Si)の屈折率は比較的高い温度係数(例えば約5.2×10−5−1)を有しており、リング導波路コアの温度が変化すると信号光が感じる導波路の等価屈折率が変化し、これにより共振波長が変動する。
このため、リング光変調器の共振波長を制御するための波長制御機構としてヒータを設け、リング導波路コア1Aの温度を変化させることによって、リング光導波路1の等価屈折率を変化させ、リング光変調器の共振波長を制御することが可能である。
例えば、シリコン層のリブ部であるリング導波路コアを覆うSiO膜(絶縁膜)の上面に別層の金属(Ti,Pt)薄膜ヒータを設けることが考えられる。また、リング導波路コアを形成したシリコン層と同一平面上のシリコン層をn型若しくはp型にドーピングしたドープシリコン層又はこれを金属化合物にしたシリサイド層をヒータとして設けることも考えられる。いずれのヒータを用いる場合も、ヒータに制御電流を流し、ヒータで生じるジュール熱によって、シリコンからなるリング導波路コアの温度を変化させるため、ヒータへの電流注入量又は電圧印加量を調整することで、リング光変調器の共振波長を制御することが可能である。
このうち、ドープシリコン層又はシリサイド層を用いたヒータは、シリコン層に形成されるリング導波路コアやリング導波路コアと変調電極とを接続するチャネル部分などと共通のプロセスで形成可能である。このため、金属薄膜ヒータを設ける場合のように、追加のプロセス工程を必要としないため、有利である。
しかしながら、ヒータにドープシリコン層又はシリサイド層を用いる場合に、これらを、リング導波路コアの外側の離れた位置に独立して設けると、リング導波路コアからの距離が遠く、また、リング導波路コアとの間に熱伝導率の低い部分(例えばSiO)が介在してしまう。このため、リング導波路コアに熱が効率的に伝わらず、共振波長の波長制御効率が良くない。
これに対し、ヒータにドープシリコン層又はシリサイド層を用い、ヒータ発熱体であるドープシリコン層又はシリサイド層とシリコンからなるリング導波路コアとを、熱伝導率の高いシリコン層(又はドープシリコン層)で接続すれば、リング導波路コアに熱が効率的に伝わり、温度制御の効率、ひいては、共振波長の波長制御効率が良くなる。つまり、より小さいヒータ消費電力で、リング光変調器の共振波長をある必要な変化幅で制御することが可能になる。
しかしながら、この場合に、リング導波路コアの円周方向の一部に対して変調領域として用いるためのドーピングを行なわずに、変調領域と分離して、リング導波路コアを構成するシリコン層のスラブ部にドープシリコン領域又はシリサイド領域を設けて、これをヒータとして用いると、共振波長の波長制御効率は良くなるものの、変調効率が低下してしまう。つまり、リング導波路コアに熱が効率的に伝わりやすくなり、共振波長の波長制御効率は良くなるものの、リング導波路コアの円周方向の一部をヒータとして用いることになり、その部分は高速光変調を起こす位相変調器として作用しないために、変調効率(光変調効率、必要な光変調度を得るために必要な振幅電圧もしくは消費電力の効率)が低下してしまう。
このように、波長制御機構付きリング光変調器では、ヒータにおける高い波長制御効率と光変調器における高い変調効率を両立することが困難であった。
そこで、図2、3に示すように、本実施形態では、上述のように、リング導波路コア1Aを構成するシリコン層7のリブ部7Aに対して内側及び外側のスラブ部7B,7Cに設けられたドープシリコン領域7BX,7CX又はシリサイド領域7BY,7CYを、リング光変調器に適用する波長制御機構としてのヒータ(ヒータ線路;波長制御用ヒータ線路)として用いるとともに、リング光変調器のリング導波路コア1Aへ変調電気信号を供給するための変調電極として用いるようにしている。
つまり、リング導波路コア1Aを構成するシリコン層7のリブ部7Aに対して内側及び外側のスラブ部7B,7Cに設けられたドープシリコン領域7BX,7CX又はシリサイド領域7BY,7CYを、ヒータと変調電極を兼用する内周電極線路3及び外周電極線路4として用いることで、変調効率を低下させずに、共振波長の波長制御効率を向上させるようにしている。
なお、内周電極線路3及び外周電極線路4を、ヒータ線路兼変調電極ともいう。また、内周電極線路3を、内周ヒータ線路兼変調電極ともいう。また、外周電極線路4を、外周ヒータ線路兼変調電極ともいう。また、変調電気信号として変調電圧を印加する場合、変調電極を電圧印加用電極ともいう。
具体的には、シリコン基板上に、埋め込み酸化膜(BOX;buried oxide)層(SiO層)9、シリコン(SOI;silicon on insulator)層7が形成されたSOI基板11を用い、SOI層(シリコン層)7を部分的にn型又はp型にドーピングし、エッチングしてパターニングすることで、リング導波路コア1A、内周電極線路3及び外周電極線路4、及び、これらを接続するチャネル部12が形成される。なお、SOI層7をエッチングしてパターニングすることで、バス導波路コアも形成される。そして、これらの周囲がクラッドとして機能するSiO膜10(シリコン酸化膜;酸化膜;オーバークラッド酸化膜)によって覆われている。
ここでは、以下のようにして、リング導波路コア1A、内周電極線路3及び外周電極線路4、及び、これらを接続するチャネル部12が形成される。
つまり、SOI層7をエッチングして、例えば幅約500nm,高さ約250nmのリング状のリブ部7Aと、例えば厚さ約50nmのスラブ部7B,7Cが形成される。
そして、リング状のリブ部7Aの全周にわたって、リブ部7Aの一側の領域(ここでは内側領域)にp型不純物を低濃度ドーピングしてp型ドーピング領域7AX(p型ドーピング領域;p−Si領域)が形成され、他側の領域(ここでは外側領域)にn型不純物を低濃度ドーピングしてn型ドーピング領域7AY(n型ドーピング領域;n−Si領域)が形成される。これにより、p型ドーピング領域7AXとn型ドーピング領域7AYとが接合されたpn接合部7AZを備えるリブ部7Aが形成され、これがリング導波路コア1Aとなる。つまり、シリコン層7のリブ部7Aであってp型ドーピング領域7AX及びn型ドーピング領域7AYを有するリング導波路コア1Aが形成される。
また、リング状のリブ部7Aのバス導波路コアが近接している部分を除く部分に沿って、リブ部7Aに対して内側のスラブ部7Bの端部領域(例えば幅約2000nm)のうち、後述の金属電極端子8が接続される領域以外の領域にp型不純物を高濃度ドーピングしてp型ドーピング領域7BX(p型ドーピング領域;p−Si領域)が形成され、後述の金属電極端子8が接続される領域を金属化合物(例えばNiSi)にシリサイド化してシリサイド領域7BYが形成され、これが内周電極線路3(例えば幅約2000nm)となる。つまり、リング導波路コア1Aの内周に沿って設けられ、シリコン層7のリブ部7Aに対して内側のスラブ部7Bに設けられた内側ドープシリコン領域7BX又は内側シリサイド領域7BYを含み、変調電極及びヒータ線路として機能する内周電極線路3が形成される。なお、後述の金属電極端子8が接続される領域をシリサイド領域7BYとしているのは、後述の金属電極端子8とのコンタクト抵抗、即ち、金属と半導体層間のコンタクト抵抗を低減するためである。
また、リング状のリブ部7Aのバス導波路コアが近接している部分を除く部分に沿って、リブ部7Aに対して外側のスラブ部7Cの端部領域(例えば幅約3000nm)のうち、後述の金属電極端子8が接続される領域以外の領域にn型不純物を高濃度ドーピングしてn型ドーピング領域7CX(n型ドーピング領域;n−Si領域)が形成され、後述の金属電極端子8が接続される領域を金属化合物(例えばNiSi)にシリサイド化してシリサイド領域7CYが形成され、これが外周電極線路4(例えば幅約3000nm)となる。つまり、リング導波路コア1Aの外周に沿って設けられ、シリコン層7のリブ部7Aに対して外側のスラブ部7Cに設けられた外側ドープシリコン領域7CX又は外側シリサイド領域7CYを含み、変調電極及びヒータ線路として機能する外周電極線路4が形成される。なお、後述の金属電極端子8が接続される領域をシリサイド領域7CYとしているのは、後述の金属電極端子8とのコンタクト抵抗、即ち、金属と半導体層間のコンタクト抵抗を低減するためである。
また、リブ部7Aとその内側のスラブ部7Bの端部領域との間の領域(例えば幅約250nm)に、p型不純物を低濃度ドーピングしてp型ドーピング領域(p型ドーピング領域;p−Si領域)が形成され、リング導波路コア1Aと内周電極線路3とを接続するチャネル部12(内側チャネル部12X)となる。
また、リブ部7Aとその外側のスラブ部7Cの端部領域との間の領域(例えば幅約250nm)に、n型不純物を低濃度ドーピングしてn型ドーピング領域(n型ドーピング領域;n−Si領域)が形成され、リング導波路コア1Aと外周電極線路4とを接続するチャネル部12(外側チャネル部12Y)となる。
このように、内周電極線路3及び外周電極線路4は、リング導波路コア1A内を伝搬する信号光の光電界がかからない程度にリング導波路コア1Aから離れていれば良く、リング導波路コア1Aに例えば約250nm程度まで近接させて配置することが可能である。
上述のように、内周電極線路3及び外周電極線路4は、それぞれ、リング導波路コア1Aと同一のSOI層7に形成されたドープシリコン領域7BX,7CX又はシリサイド領域7BY,7CYである。つまり、リング導波路コア1Aはヒータとして作用するリング導波路コア1Aと同一のSOI層7に形成されたドープシリコン領域7BX,7CX又はシリサイド領域7BY,7CYと熱伝導率の高いSiからなるチャネル部12XYを介して熱的に接続されている。このため、内周電極線路3及び外周電極線路4で発生した熱(ジュール熱)がリング導波路コア1Aに効率よく伝わり、より少ないヒータ電力でリング導波路コア1Aの温度を上昇させることが可能である。
特に、本実施形態では、図1に示すように、内周電極線路3と外周電極線路4は、同一中心角にわたって設けられている。つまり、内周電極線路3と外周電極線路4は、リング導波路コア1Aの円周方向に沿って、リング導波路コア1Aを挟んで両側に、それぞれ、同一の中心角にわたって設けられている。
そして、内周電極線路3及び外周電極線路4は、それぞれ、その全長(全線路長)にわたって抵抗が均一になっているのが好ましい。つまり、内周電極線路3及び外周電極線路4は、それぞれ、リング導波路コア1Aの円周方向に沿って、単位回転角当たりの電気抵抗(ヒータ抵抗;線路抵抗)が均一になっているのが好ましい。このように、内周電極線路3及び外周電極線路4における線路抵抗をそれぞれ均一にすることで(但し、内周電極線路3と外周電極線路4で線路抵抗は異なっていても良い)、リング光変調器の全周にわたって均一なヒータ発熱が得られ、高い波長制御効率が得られることになる。なお、内周電極線路3及び外周電極線路4における線路抵抗に大きな分布があると、線路抵抗が高い部分で局所的な発熱と温度上昇が生じるおそれがあり、この結果、波長制御効率が劣化するとともに、リング光変調器の信頼性に悪影響が生じるおそれがあるため、このように構成するのが好ましい。
また、内周電極線路3と外周電極線路4は、抵抗が同一になっているのがさらに好ましい。つまり、内周電極線路3と外周電極線路4は、上記単位回転角当たりの電気抵抗(ヒータ抵抗)が同一になっているのがさらに好ましい。このように、内周電極線路3及び外周電極線路4は、それぞれ、その全長にわたって抵抗が均一になっており、かつ、内周電極線路3と外周電極線路4で抵抗が同一になっているのがさらに好ましい。これにより、リング光変調器のリング導波路コア1Aに備えられるpn接合部7AZにかかる電圧が全周で均一化され、高い変調効率と高速な動作速度を実現できることになる。
そして、本実施形態では、上述のように、内周電極線路3及び外周電極線路4のそれぞれの両端部3X,3Y,4X,4Yに接続された金属電極端子83X,83Y,84X,84Yを設け、変調駆動回路5及びヒータ駆動回路6(外部駆動回路)を、金属電極端子83X,83Y,84X,84Yを介して、内周電極線路3及び外周電極線路4に接続している。つまり、内周電極線路3及び外周電極線路4のそれぞれの両端部3X,3Y,4X,4Yに、金属電極端子83X,83Y,84X,84Yを介して、外部駆動回路5,6が接続されている。そして、変調駆動回路5は、外周電極線路4の一端4Xに正の変調電気信号を供給し、外周電極線路4の一端4Xの反対側の内周電極線路3の他端3Yに負の変調電気信号を供給するようになっている。また、ヒータ駆動回路6は、外周電極線路4の他端4Yに正のヒータ電圧を印加し、内周電極線路3の一端3Xに負のヒータ電圧を印加するようになっている。これにより、内周電極線路3及び外周電極線路4に変調電気信号を供給するとともに周方向に沿ってヒータ電流を流すようになっている。
具体的には、内周電極線路3及び外周電極線路4のそれぞれの両端部3X,3Y,4X,4Yに接続されるようにシリコン層7を覆うSiO膜10に4つのビアホールを設け、これらの4つのビアホールのそれぞれに例えばAl,Cu等の金属電極端子、即ち、4つの金属電極端子83X,83Y,84X,84Yを設けている(図3参照)。なお、金属電極端子83X,83Y,84X,84Yのビアホール内に形成された部分をビアといい、これに接続された絶縁膜上の部分(別層部分)を金属電極又はパッドともいう。このように、本実施形態では、4つの金属電極端子83X,83Y,84X,84Yが設けられている部分以外の内周電極線路3及び外周電極線路4の上方の領域は、SiO膜10で覆われており、金属電極のようなものは設けられていない(図2参照)。つまり、4つの金属電極端子83X,83Y,84X,84Yが設けられている部分以外のシリコン層7の内側及び外側のスラブ部7B,7Cに設けられたドープシリコン領域7BX,7CX又はシリサイド領域7BY,7CYの上方の領域は、SiO膜10で覆われており、金属電極のようなものは設けられていない。以上の構成を取ることで、4つの金属電極端子83X,83Y,84X,84Yが設けられている部分以外のシリコン層7の内側及び外側のスラブ部7B,7Cでは、ドープシリコン領域7BX,7CX又はシリサイド領域7BY,7CYで生じたヒータの発熱が熱伝導の高い金属電極を伝って散逸することなく、熱伝導率の低いSiO膜10で周囲を断熱された状況下で効率的にリング導波路コア1Aの温度を変化させることができ、波長制御の効率が高められる。
また、変調駆動時には、内周電極線路3及び外周電極線路4の片側の金属電極端子83Y,84Xに変調電気信号を供給し(ここでは変調電圧を印加し)、反対側の金属電極端子83X,84Yにヒータ電圧(波長制御電圧)を印加するようにしている。そして、内周電極線路3と外周電極線路4では、変調電気信号を供給する金属電極端子8を反対側にし(即ち、ヒータ電圧を印加する金属電極端子8を反対側にし)、変調電気信号(ここでは高周波変調信号;RF変調信号)が内周電極線路3と外周電極線路4との間で反対側から入力されるようにしている。ここで、内周電極線路3及び外周電極線路4に供給する変調電気信号は、同一位相で逆振幅の差動信号である。ここでは、外周電極線路4の一端4Xに正の変調電気信号(+Vs⇔0)が供給され、内周電極線路3の他端3Yに負の変調電気信号(−Vs⇔0)が供給される。また、ヒータ電圧も、逆振幅の電圧が内周電極線路3及び外周電極線路4の金属電極端子8に印加される。ここでは、外周電極線路4の他端4Yに正のヒータ電圧(+Vh)が印加され、内周電極線路3の一端3Xに負のヒータ電圧(−Vh)が印加される。なお、Vsは変調速度でVs⇔0Vを往復する変調電圧であり、Vhは直流のヒータ電圧である。
このようにして、内周電極線路3及び外周電極線路4のそれぞれの両端部3X,3Y,4X,4Yに接続された4つの金属電極端子83X,83Y,84X,84Yに、それぞれ、+Vs、−Vh、−Vs、Vhの電位が与えられる。これにより、内周電極線路3及び外周電極線路4のそれぞれにおいて、ヒータ電流及び変調電流がその周方向に線路抵抗を感じながら伝搬することになる。つまり、内周電極線路3と外周電極線路4の電位差によってリング導波路コア1Aへの電荷入出力が可能となるとともに、内周電極線路3及び外周電極線路4のそれぞれに周方向の電位差が付加され、内周電極線路3及び外周電極線路4のそれぞれに周方向に沿ってヒータ電流(制御用電流)が流れることになる。
ここで、図5は、本リング光変調器の等価回路、即ち、内周電極線路3及び外周電極線路4並びにリング導波路コア1Aに備えられるpn接合部7AZに関わる等価回路モデルを示している。
なお、図5では、内周電極線路3及び外周電極線路4の抵抗(単位回転角当たりの線路抵抗)は、単位回転角で規格化してRで表し、内周電極線路3及び外周電極線路4の抵抗を、それぞれ、Rin及びRoutとしている。また、図5では、リング導波路コア1Aに備えられるpn接合部7AZの容量(単位回転角当たりのpn接合容量)も、同様に、単位回転角で規格化してCで表し、リング導波路コア1Aの円周方向の各部分についてのpn接合部7AZの容量を、それぞれ、C1、C2、C3、C4、C5(C1=C2=C3=C4=C5)としている。
ここでは、内周電極線路3及び外周電極線路4の抵抗は、単位回転角当たりで均一になるように設計している。つまり、内周電極線路3は、リング導波路コア1Aの円周方向に沿う方向の単位回転角に相当する各部分の抵抗を、いずれも、Rinとしている。また、外周電極線路4は、リング導波路コア1Aの円周方向に沿う方向の単位回転角に相当する各部分の抵抗を、いずれも、Routとしている。また、内周電極線路3と外周電極線路4で抵抗が同一になるように設計している(Rin=Rout=R)。具体的には、半径約8μmのリング導波路コア1Aに対して、内周電極線路3(pSi層;ドーピング濃度約5×1019cm−3;幅約2000nm)、及び、外周電極線路4(nSi層;ドーピング濃度約5×1019cm−3;幅約3000nm)を形成した場合、R=Rin=Rout=13[Ω/deg]が得られる。
そして、外周電極線路4の一端4X、内周電極線路3の他端3Yに、それぞれ、+Vs⇔0、−Vs⇔0の差動信号を与える。一方、必要な波長制御量に応じて、外周電極線路4の他端4Y、内周電極線路3の一端3Xに、それぞれ、+Vh、−Vhのヒータ電圧(DCヒータ電圧)を印加する。
この場合、図5に示す等価回路におけるC1−C5、即ち、各pn接合部(キャパシタ)にかかるON−OFF間電位差Vc1−Vc5は全てVsで等しくなる(Vc1=Vc2=Vc3=Vc4=Vc5=Vs)。
ここで、ヒータ電圧(波長制御電圧)Vhを変化させて、各pn接合部C1−C5のON状態の電位及びOFF状態の電位を計算したところ、図6(A)に示すように、各pn接合部C1−C5のON状態の電位差及びOFF状態の電位差は、それぞれ、Von、Voffとなった。ここで、各pn接合部C1−C5のON状態の電位差Vonは、外周電極線路4の一端4X、内周電極線路3の他端3Yに、それぞれ、+Vs、−Vsを与えた時の各pn接合部C1−C5にかかる電位差である。また、各pn接合部C1−C5のOFF状態の電位差Voffは、外周電極線路4の一端4X、内周電極線路3の他端3Yに、それぞれ、0V、0Vを与えた時の各pn接合部C1−C5にかかる電位差である。そして、各pn接合部C1−C5にかかるON−OFF間電位差Vc1−Vc5は、全て同一の値で、かつ、Vhの値に依らず、Vsの振幅が与えられる結果となった。なお、図6(A)において、Von<Voffとなっているのは、各pn接合部C1−C5に逆バイアス電圧が印加されることを示している。また、図6(A)中、Vs/2は、図6(B)に示すように最小の平均発熱量Ph(ave)を与えるヒータ電圧Vhである。
このように、本リング光変調器によれば、リング導波路コア1Aに備えられるpn接合部7AZの円周方向の全域にわたってVsという一定の電圧振幅が与えられ、全周で均一な屈折率変化が実現でき、良好な変調特性が得られることになる。
また、内周電極線路3及び外周電極線路4には、ヒータ電圧Vhに応じて、周方向にヒータ電流が流れる。そして、内周電極線路3及び外周電極線路4の各線路抵抗Rでジュール熱が発生する。つまり、内周電極線路3の線路抵抗Rinで均一なジュール熱が発生し、外周電極線路4の線路抵抗Routでジュール熱が発生する。これにより、リング導波路コア1Aの円周方向の全体を均一に温度制御することができる。
ここで、内周電極線路3及び外周電極線路4の各線路抵抗Rで発生するジュール熱を、ON状態(外周電極線路4の一端4X、内周電極線路3の他端3Yに、それぞれ、+Vs、−Vsを与えた状態)とOFF状態(外周電極線路4の一端4X、内周電極線路3の他端3Yに、それぞれ、0V、0Vを与えた状態)で平均化した平均発熱量Ph(ave)は1/32R*((Vh−Vs)+Vh)である。この平均発熱量Ph(ave)は、図6(B)に示すように、Vh=Vs/2で最小値Vs/64Rとなり、Vhを増やすほど発熱量は大きくなる。なお、ここでは、Vsは約1.0Vである。また、ここでは、平均発熱量を求めるための上記式において、Rの係数が1/32となっているのは等価回路モデルにおいて内周電極線路3及び外周電極線路4の線路抵抗を4分割したためで、N分割の場合には1/(2×N)の形で一般化することができる。
このため、ヒータ電圧VhをVs/2<Vh<∞の範囲で制御すれば、リング導波路コア1Aの全周にわたって均一な発熱量を連続的に任意の値に調整可能で、リング光変調器の共振ピーク波長を任意に制御することが可能となる。
なお、このヒータ電圧Vhの制御範囲では、各pn接合部C1−C5にかかる電位差は常にマイナスの値であり、各pn接合部C1−C5に対する逆バイアス動作は保持される。但し、変調バイアスはVhによって変動する。
このように、本リング光変調器では、ヒータと変調電極を兼用する内周電極線路3及び外周電極線路4を用いているが、従来のリング光変調器と同様に、リング導波路コア1Aに備えられるpn接合部7AZに対して均一に電気変調を与えることが可能である。
ところで、上述のように構成されるリング光変調器を駆動するために、外部駆動回路として、図7に示すように、外周電極線路4の一端4X、内周電極線路3の他端3Yに、低出力インピーダンスのRF変調ドライバ5(例えば変調レート25Gbps、1Vpp出力)を接続し、外周電極線路4の他端4Y、内周電極線路3の一端3Xに、高出力インピーダンスのDC電流ドライバ6を接続すれば良い。このように、内周電極線路3と外周電極線路4で、RF変調ドライバ5及びDC電流ドライバ6を、互いに逆に接続すれば良い。そして、内周電極線路3及び外周電極線路4のそれぞれの両端部3X,3Y,4X,4YにRF変調ドライバ5及びDC電流ドライバ6から与えられる電位はそれぞれ正負逆の差動構成になるようにすれば良い。また、DC直流ドライバ6の出力インピーダンスはRF変調ドライバ5の出力インピーダンスよりも大きくすれば良い。なお、RF変調ドライバ5を、高周波変調ドライバ、変調器駆動用の高周波ドライバ回路、又は、変調駆動回路ともいう。また、DC電流ドライバ6を、直流ドライバ、制御電流供給用の直流ドライバ回路、又は、ヒータ駆動回路ともいう。
例えば、外周電極線路4の一端4X及び内周電極線路3の他端3Yに接続されるRF変調ドライバ5は、それぞれ別体で電圧極性が反転したものを用いる構成とすれば良い。また、共通の差動ドライバを用いて、外周電極線路4の一端4X及び内周電極線路3の他端3Yに、プラス(+)とマイナス(−)の出力をそれぞれ接続する構成としても良い。いずれの構成においても、ドライバ5から外周電極線路4の一端4Xまでの距離と、ドライバ5から内周電極線路3の他端3Yまでの距離は、等長配線として、リング光変調器に印加される変調電気信号(RF信号)の同期が取れるようにするのが好ましい。
また、例えば、外周電極線路4の他端4Y及び内周電極線路3の一端3Xに接続されるDC電流ドライバ6についても、個別の電圧極性が反転したものを用いても良いし、差動ドライバを用いても良い。
このような駆動構成を採用することで、RF変調ドライバ5から出力された高周波の変調電気信号(変調信号)は、内周電極線路3及び外周電極線路4の逆端に接続されたDC電流ドライバ6のインピーダンスが高いため、そちら側には伝搬せず、効率的に各pn接合部C1−C5への電荷の出し入れを行ない、信号エネルギーを注入することが可能となる。一方、DC電流ドライバ6から出力されたヒータ電流は、内周電極線路3及び外周電極線路4のそれぞれを伝搬してジュール熱を発生させた後、RF変調ドライバ5にて終端される。
ここで、図8(A),図8(B)は、本リング光変調器の内周電極線路3及び外周電極線路4にヒータ電流を流した場合のヒータ動作効率をシミュレーションした結果を示している。
図8(A)は温度分布計算結果を示しており、この図8(A)に示すように、内周電極線路3及び外周電極線路4で発生したジュール熱によってリング導波路コア1A(7A)及びスラブ部7B,7Cの温度が局所的に上昇していることがわかる。
図8(B)は共振ピーク波長のシフト量のヒータ電力依存性を示しており、この図8(B)に示すように、波長制御効率は約0.27nm/mWであり、リング光変調器を構成するリング光共振器のFSR(10.8nm)分だけシフトさせるのに必要な電力は約39mWであり、高効率な波長制御特性が得られていることがわかる。
したがって、本実施形態にかかるリング光変調器によれば、n型若しくはp型にドーピングしたドープシリコン層、又は、金属化合物にしたシリサイド層をヒータとして用いる場合に、変調効率を低下させずに、共振波長の波長制御効率を向上させることができるという利点がある。
なお、上述の実施形態では、内周電極線路3を、金属電極端子8が接続される領域が内側シリサイド領域7BYであり、金属電極端子8が接続される領域以外の領域が内側ドープシリコン領域7BXであるものとし、外周電極線路4を、金属電極端子8が接続される領域が外側シリサイド領域7CYであり、金属電極端子8が接続される領域以外の領域が外側ドープシリコン領域7CXであるものとしているが(図2、図3参照)、これに限られるものではない。
例えば、内周電極線路3を、全長にわたって設けられた内側シリサイド領域、又は、全長にわたって設けられた内側ドープシリコン領域とし、外周電極線路4を、全長にわたって設けられた外側シリサイド領域、又は、全長にわたって設けられた外側ドープシリコン領域としても良い。なお、共振波長制御に必要な発熱量及び高周波の変調電気信号への帯域制限などを考慮した場合に必要な線路抵抗に応じて、内周電極線路3及び外周電極線路4にドープシリコン領域及びシリサイド領域のいずれかを用いれば良い。例えば、ドープシリコン領域を用いる場合と比較して、シリサイド領域を用いることで、線路抵抗を低減することが可能である。また、後述のように、シリサイド領域上に金属層や金属電極を設けることで、さらに線路抵抗を低減することが可能である。このほか、ドーピング量、厚さ、幅、ドーピング材料やシリサイド化するのに用いる金属材料、あるいは、金属層や金属電極を設ける領域の長さや幅等によって必要な線路抵抗が得られるようにしても良い。
また、例えば、図9に示すように、内周電極線路3は、全長にわたって設けられた内側シリサイド領域7D、及び、内側シリサイド領域7D上に全長にわたって設けられた内側金属層13Xであるものとし、外周電極線路4は、全長にわたって設けられた外側シリサイド領域7E、及び、外側シリサイド領域7E上に全長にわたって設けられた外側金属層13Yであるものとしても良い。なお、これを第1変形例という。
つまり、内周電極線路3及び外周電極線路4を、リング導波路コア1Aを構成するリブ部7Aを有するシリコン層7のスラブ部7Bに設けられたシリサイド領域7BY,7CY又はドープシリコン領域7BX,7CXとするのに代えて、リング導波路コア1Aを構成するリブ部7Aを有するシリコン層7のスラブ部7Bを介して設けられたシリサイド領域7D,7E、及び、このシリサイド領域7D,7Eに接する金属層13X,13Yを備えるものとしても良い。
このように構成することで、内周電極線路3及び外周電極線路4の線路抵抗を大幅に低減することが可能となる。
具体的には、図9に示すように、内周電極線路3及び外周電極線路4を設ける領域は、シリコン層7のエッチングを行なわずに、リング導波路コア1Aを構成するリブ部7Aと同じ厚さとし(例えば約250nm)、シリサイド化して、例えば厚膜のNiSi層7D,7E(シリサイド層)とし、さらに、その上に厚膜のNiSi層7D,7Eと同じ幅で例えば厚さ500nmのAl層13X,13Y(配線層;電極層;金属層)を形成すれば良い。ここでは、Al層を用いているが、これに限られるものではなく、例えば、配線として使うことができる金属材料(例えばタングステンや銅など)を用いても良い。この場合、シリコン層7のスラブ部7B,7Cはチャネル部12(12X,12Y)のみとなる。ここでは、内側チャネル部12Xは、シリコン層7のスラブ部7Bにp型不純物を高濃度ドーピングしたp型ドーピング領域(p型ドーピング領域;p−Si領域)としている。また、外側チャネル部12Yは、シリコン層7のスラブ部7Cにn型不純物を高濃度ドーピングしたn型ドーピング領域(n型ドーピング領域;n−Si領域)としている。なお、上述の実施形態のように、内側チャネル部12Xは、シリコン層7のスラブ部7Bにp型不純物を低濃度ドーピングしたp型ドーピング領域(p型ドーピング領域;p−Si領域)とし、外側チャネル部12Yは、シリコン層7のスラブ部7Cにn型不純物を低濃度ドーピングしたn型ドーピング領域(n型ドーピング領域;n−Si領域)としても良い。また、シリコン層7のスラブ部7B,7Cをシリコン(Si)スラブ層ともいう。このように、低抵抗なAl層13X,13YをNiSi層7D,7Eと並列な構成で挿入することで、内周電極線路3及び外周電極線路4の線路抵抗を大幅に低減することが可能となる。つまり、単位回転角当たりの線路抵抗を大幅に低減することが可能となる。
例えば、半径約8μmのリング導波路コア1Aに対して、内周電極線路3(NiSi層+Al層;幅約2000nm)、外周電極導波路4(NiSi層+Al層;幅約3000nm)を形成した場合、R=Rin=Rout=0.003[Ω/deg]が得られる。これは、270°の回転角にわたって内周電極線路3及び外周電極線路4を形成した場合でも、両端部間の線路抵抗を1Ω以下にすることができる値である。これにより、内周電極線路3及び外周電極線路4の抵抗による高周波信号への帯域制限を緩和しながら、効率的な波長制御を可能にすることができる。加えて、本第1変形例では、内周電極線路3及び外周電極線路4の周囲が高い熱抵抗を有するSiO膜で囲われており、周囲へのヒータ発熱の散逸が抑制され、また、金属層13X,13Yの断面積を比較的小さく設定できる。このため、金属電極を通じた円周方向への熱拡散も抑制しやすいため、比較的高い波長制御効率を得ることが可能である。
また、例えば、図10に示すように、内周電極線路3は、全長にわたって設けられた内側シリサイド領域7Dであり、外周電極線路4は、全長にわたって設けられた外側シリサイド領域7Eであり、内周電極線路3及び外周電極線路4上に、それぞれ、全長にわたって設けられた内周金属電極14X及び外周金属電極14Yを備え、変調駆動回路5及びヒータ駆動回路6が、内周金属電極14X及び外周金属電極14Yのそれぞれの両端部に接続されているものとしても良い。なお、これを第2変形例という。
つまり、内周電極線路3及び外周電極線路4のそれぞれの両端部3X,3Y,4X,4Yに金属接続端子83X,83Y,84X,84Yを設けるのに代えて、内周電極線路3及び外周電極線路4上に、それぞれ、全長にわたって設けられた内周金属電極14X及び外周金属電極14Yを設けても良い。この場合、内周電極線路3及び外周電極線路4のそれぞれの上方の全面に金属電極14X,14Yが設けられることになる。
具体的には、図10に示すように、内周電極線路3及び外周電極線路4を設ける領域は、シリコン層7のエッチングを行なわずに、リング導波路コア1Aを構成するリブ部7Aと同じ厚さとし(例えば約250nm)、シリサイド化して、例えば厚膜のNiSi層7D,7E(シリサイド層)とし、さらに、その上に例えばAl,Cuなどからなる金属電極14X,14Yを形成すれば良い。そして、金属電極14X,14Yの両端部に、変調駆動回路5及びヒータ駆動回路6を接続するためのパッドにつながる引き出し配線(引き出し電極;例えばAl,Cuなどの金属からなる)を接続すれば良い。なお、この場合、シリコン層7のスラブ部7B,7Cはチャネル部12(12X,12Y)のみとなる。ここでは、内側チャネル部12Xは、シリコン層7のスラブ部7Bにp型不純物を低濃度ドーピングしたp型ドーピング領域(p型ドーピング領域;p−Si領域)とし、外側チャネル部12Yは、シリコン層7のスラブ部7Cにn型不純物を低濃度ドーピングしたn型ドーピング領域(n型ドーピング領域;n−Si領域)としても良い。なお、上述の第1変形例のように、内側チャネル部12Xは、シリコン層7のスラブ部7Bにp型不純物を高濃度ドーピングしたp型ドーピング領域(p型ドーピング領域;p−Si領域)とし、外側チャネル部12Yは、シリコン層7のスラブ部7Cにn型不純物を高濃度ドーピングしたn型ドーピング領域(n型ドーピング領域;n−Si領域)としても良い。そして、リブ部7Aの両側のスラブ部7B,7Cは、それぞれ、リング導波路コア1Aを伝搬する信号光がNiSi層7D,7Eにかからない程度の幅があれば良く、例えば約250nm程度あれば良い。なお、NiSi層7D,7Eは、金属電極14X,14Yとのコンタクトのための層であるため、これをNiSiコンタクト層ともいう。
このように、内周電極線路3及び外周電極線路4の全長にわたって金属電極14X,14Yを設けることで、内周電極線路3及び外周電極線路4の線路抵抗を低くし、変調電極のRC時定数を小さくできるため、リング光変調器の高速動作に向いている。これに対し、上述の実施形態のように、内周電極線路3及び外周電極線路4のそれぞれの両端部3X,3Y,4X,4Yに金属接続端子83X,83Y,84X,84Yを設ける構造では、金属接続端子83X,83Y,84X,84Yの部分を除いて、内周電極線路3及び外周電極線路4に熱抵抗の小さな金属電極が接続されず、内周電極線路3及び外周電極線路4の周囲全体が熱伝導率の小さなSiOで覆われる。このため、内周電極線路3及び外周電極線路4で発生したジュール熱が周囲に伝熱しにくく、少ないヒータ電流で効率的にリング導波路コア1Aを温め、その温度を上昇させることが可能である。
また、上述の実施形態では、外周電極線路4の一端4Xに正の変調電気信号(+Vs⇔0)が供給され、内周電極線路3の他端3Yに負の変調電気信号(−Vs⇔0)が供給され、外周電極線路4の他端4Yに正のヒータ電圧(+Vh)が印加され、内周電極線路3の一端3Xに負のヒータ電圧(−Vh)が印加されるようになっているが(例えば図5参照)、これに限られるものではない。
例えば、図11に示すように、外周電極線路4の一端4Xに正の変調電気信号(ここでは変調電圧)が供給されるとともに正のヒータ電圧が印加され(+Vs+Vh⇔+Vh)、外周電極線路4の他端4Yに終端抵抗15が接続され、内周電極線路3の一端3Xに終端抵抗15が接続され、内周電極線路3の他端3Yに負の変調電気信号(ここでは変調電圧)が供給されるとともに負のヒータ電圧が印加される(−Vs−Vh⇔−Vh)ようにしても良い。つまり、変調駆動回路5及びヒータ駆動回路6は、外周電極線路4の一端4Xに正の変調電気信号を供給するとともに正のヒータ電圧を印加し、内周電極線路3の他端3Yに負の変調電気信号を供給するとともに負のヒータ電圧を印加し、外周電極線路4の他端4Y及び内周電極線路3の一端3Xにそれぞれ終端抵抗15を接続するようにしても良い。なお、これを第3変形例という。
なお、これに限られるものではなく、変調駆動回路5及びヒータ駆動回路6は、内周電極線路3及び外周電極線路4の一方の第1端部に正の変調電気信号を供給するとともに正のヒータ電圧を印加し、第1端部の反対側の内周電極線路3及び外周電極線路4の他方の第2端部に負の変調電気信号を供給するとともに負のヒータ電圧を印加し、内周電極線路3及び外周電極線路4の一方の第1端部の反対側の第3端部並びに内周電極線路3及び外周電極線路4の他方の第2端部の反対側の第4端部にそれぞれ終端抵抗15が接続されるようにすれば良い。
このように、内周電極線路3及び外周電極線路4の同じ端部に変調電気信号及びヒータ電圧(波長制御電圧)を与え、反対側の端部に終端抵抗15を設けるようにしても良い。
具体的には、例えば図11に示すように、内周電極線路3及び外周電極線路4の互いに逆側にあたる端部4X,3Yに、変調駆動回路5からの差動の変調波形(+Vs⇔0、−Vs⇔0)と、ヒータ駆動回路6からの差動のヒータ電圧(+Vh,−Vh)をそれぞれバイアスティー16で合成して印加すれば良い。なお、これに限られるものではなく、変調駆動回路5及びヒータ駆動回路6から変調電気信号及びヒータ電圧が供給されるように構成すれば良い。これにより、外周電極線路4の一端4Xに+Vs+Vh⇔+Vh、内周電極線路3の他端3Yに−Vs−Vh⇔−Vhの電位が与えられる。一方、外周電極線路4の他端4Y、及び、内周電極線路3の一端3Xは、終端抵抗15を介して、GND電位に接続し、終端すれば良い。
ここで、ヒータ電圧(波長制御電圧)Vhを変化させて、各pn接合部C1−C5のON状態の電位及びOFF状態の電位を計算したところ、図12(A)に示すように、各pn接合部C1−C5のON状態の電位差及びOFF状態の電位差は、それぞれ、Von、Voffとなった。ここで、各pn接合部C1−C5のON状態の電位差Vonは、外周電極線路4の一端4X、内周電極線路3の他端3Yに、それぞれ、+Vs+Vh、−Vs−Vhを与えた時の各pn接合部C1−C5にかかる電位差である。また、各pn接合部C1−C5のOFF状態の電位差Voffは、外周電極線路4の一端4X、内周電極線路3の他端3Yに、それぞれ、+Vh、−Vhを与えた時の各pn接合部C1−C5にかかる電位差である。そして、各pn接合部C1−C5にかかるON−OFF間電位差Vc1−Vc5は、全て同一の値で、かつ、Vhの値に依らず、Vsの振幅が与えられる結果となった。なお、これは終端抵抗15を入れない場合(R=0Ω)の計算結果である。また、図12(A)において、Von<Voffとなっているのは、各pn接合部C1−C5に逆バイアス電圧が印加されることを示している。また、図12(A)中、−Vs/2は、図12(B)に示すように最小の平均発熱量Ph(ave)を与えるヒータ電圧Vhである。
この場合も、内周電極線路3と外周電極線路4で駆動電圧を互いに逆の端部4X,3Yから与えているため、リング導波路コア1Aに備えられるpn接合部7AZの円周方向の全域にわたってVsという一定の電圧振幅が与えられ、全周で均一な屈折率変化を実現でき、良好な変調特性が得られることになる。
また、内周電極線路3及び外周電極線路4には、ヒータ電圧Vhに応じて、周方向にヒータ電流が流れる。そして、内周電極線路3及び外周電極線路4の各線路抵抗Rでジュール熱が発生する。つまり、内周電極線路3の線路抵抗Rinで均一なジュール熱が発生し、外周電極線路4の線路抵抗Routでジュール熱が発生する。これにより、リング導波路コア1Aの円周方向の全体を均一に温度制御することができる。
ここで、内周電極線路3及び外周電極線路4の各線路抵抗Rで発生するジュール熱を、ON状態(外周電極線路4の一端4X、内周電極線路3の他端3Yに、それぞれ、+Vs+Vh、−Vs−Vhを与えた状態)とOFF状態(外周電極線路4の一端4X、内周電極線路3の他端3Yに、それぞれ、+Vh、−Vhを与えた状態)で平均化した平均発熱量Ph(ave)は1/32R*((Vh−Vs)+Vh)である。この平均発熱量Ph(ave)は、図12(B)に示すように、Vh=−Vs/2で最小値Vs/64Rとなり、Vhを増やすほど発熱量は大きくなる。なお、ここでは、Vsは約1.0Vである。
このため、ヒータ電圧Vhを−Vs/2<Vh<∞の範囲で制御すれば、リング導波路コア1Aの全周にわたって均一な発熱量を連続的に任意の値に調整可能で、リング光変調器の共振ピーク波長を任意に制御することが可能となる。
しかしながら、本第3変形例の構成の場合、図12(A)に示すように、各pn接合部C1−C5にかかる電圧を見ると、最少発熱条件Vh=−Vs/2においては変調信号OFF時の電位差Voffとして+Vs/2が与えられてしまう。ここで、Vs=1.0Vとすると1.0/2=0.5Vの順方向電圧が各pn接合部C1−C5にかかり、pn接合のビルトイン電圧に近づくことになる。この結果、シリコン層7に形成されたpn接合部7AZに自由キャリアの注入が起こり、変調速度を制限してしまうおそれがある。なお、一般に、シリコン層7に形成されたpn接合部7AZで生じる屈折率変化の応答速度は、順方向電圧印加によるキャリア注入動作よりも、逆方向電圧印加によるキャリア引抜動作の方が高速である。このように、ヒータ駆動条件の下限付近でpn接合部7AZを順方向バイアスで動作させる領域があり、変調特性の劣化が生じるおそれがある。このような点を考慮すると、上述の実施形態のように構成するのが好ましい。
また、本第3変形例の構成の場合、変調電気信号を確実にpn接合部7AZに印加するために、内周電極線路3及び外周電極線路4の駆動回路5,6を接続しない逆側の端部に、ある程度高抵抗値の終端抵抗15を設けることになる。この終端抵抗15のインピーダンスが高ければ(例えばR>>50Ω)、変調電気信号である高周波信号は終端抵抗15側に伝搬せず、効率的にpn接合部7AZに印加される。しかしながら、終端抵抗15にも、内周電極線路3及び外周電極線路4に沿って流れるヒータ電流が流れるため、ヒータ電流が終端抵抗15を流れる際に多大な電力を消費してしまい、ヒータの電力効率を劣化させてしまうおそれもある。このような点を考慮すると、上述の実施形態のように構成するのが好ましい。
なお、ここでは、本第3変形例を、上述の実施形態の変形例として説明しているが、上述の第1変形例や第2変形例のものに、本第3変形例の構成を適用することも可能である。
また、例えば、図13に示すように、外周電極線路4の一端4Xに正の変調電気信号(+Vs⇔0)が供給され、内周電極線路3の一端3Xに負の変調電気信号(−Vs⇔0)が供給され、外周電極線路4の他端4Yに正のヒータ電圧(+Vh)が印加され、内周電極線路3の他端3Yに負のヒータ電圧(−Vh)が印加されるようにしても良い。つまり、変調駆動回路5は、外周電極線路4の一端4Xに正の変調電気信号を供給し、外周電極線路4の一端4Xと同じ側の内周電極線路3の一端3Xに負の変調電気信号を供給し、ヒータ駆動回路6は、外周電極線路4の他端4Yに正のヒータ電圧を印加し、内周電極線路3の他端3Yに負のヒータ電圧を印加するようにしても良い。なお、これを第4変形例という。
なお、これに限られるものではなく、変調駆動回路5は、内周電極線路3及び外周電極線路4の一方の第1端部に正の変調電気信号を供給し、第1端部と同じ側の内周電極線路3及び外周電極線路4の他方の第2端部に負の変調電気信号を供給し、ヒータ駆動回路6は、内周電極線路3及び外周電極線路4の一方の第1端部の反対側の第3端部に正のヒータ電圧を印加し、内周電極線路3及び外周電極線路4の他方の第2端部の反対側の第4端部に負のヒータ電圧を印加するようにすれば良い。
このように、内周電極線路3及び外周電極線路4の同じ側の端部4X,3Xに変調電気信号を与え、これらの反対側の端部4Y,3Yにヒータ電圧(波長制御電圧)を与えるようにしても良い。
ところで、各pn接合部C1−C5にかかるヒータ電圧は、変調時に各pn接合部C1−C5にかかるバイアス電圧として作用する。また、内周電極線路3及び外周電極線路4の端部に印加されたヒータ電圧は、各pn接合部C1−C5に到達するまでに内周電極線路3及び外周電極線路4の抵抗によって電圧降下が生じる。そして、本第4変形例の構成のように、内周電極線路3及び外周電極線路4の同じ側の端部にヒータ電圧を印加した場合、内周電極線路3及び外周電極線路4の抵抗による電圧降下が内周電極線路3と外周電極線路4でキャンセルアウトしないため、各pn接合部C1−C5にかかるヒータ電圧に分布が生じてしまう。
ここで、図14は、各pn接合部C1−C5にかかるバイアス電圧、即ち、各pn接合部C1−C5のOFF状態の電位差Voffと、ヒータ電圧(波長制御電圧)Vhとの関係を示している。ここで、各pn接合部C1−C5のOFF状態の電位差Voffは、外周電極線路4の他端4Y、内周電極線路3の他端3Yに、それぞれ、+Vh、−Vhを与えた時の各pn接合部C1−C5にかかる電位差である。
図14に示すように、内周電極線路3及び外周電極線路4の変調電気信号が供給される側に最も近いpn接合部C5、即ち、内周電極線路3及び外周電極線路4のヒータ電圧が印加される側から最も遠いpn接合部C5では、常にバイアス電圧が印加されない。一方で、内周電極線路3及び外周電極線路4の変調電気信号が供給される側から最も遠いpn接合部C1、即ち、内周電極線路3及び外周電極線路4のヒータ電圧が印加される側に最も近いpn接合部C1では、ヒータ電圧Vhの値によって大きなバイアス電圧が印加される。
このように、本第4変形例の構成のように、内周電極線路3及び外周電極線路4の同じ側の端部にヒータ電圧を印加した場合、各pn接合部C1−C5においてバイアス電圧にムラが生じ、リング導波路コア1Aの全周にわたって均一な変調効率と動作速度が得られず、リング光変調器の性能を劣化させるおそれがある。このような点を考慮すると、上述の実施形態のように構成するのが好ましい。つまり、上述の実施形態の構成では、各pn接合部C1−C5にかかるバイアス電圧(図6(A)のVoffに相当)は全て同一であるため、リング導波路コア1Aの全周にわたって均一な変調効率と動作速度(動作特性)が得られることになるため、好ましい。
なお、ここでは、本第4変形例を、上述の実施形態の変形例として説明しているが、上述の第1変形例や第2変形例のものに、本第4変形例の構成を適用することも可能である。
また、例えば、図15に示すように、外周電極線路4の一端4Xに正の変調電気信号(+Vs⇔0)が供給され、内周電極線路3の他端3Yが接地され、外周電極線路4の他端4Yに正のヒータ電圧(+Vh)が印加され、内周電極線路3の一端3Xに負のヒータ電圧(−Vh)が印加されるようにしても良い。つまり、変調駆動回路5は、外周電極線路4の一端4Xに正の変調電気信号を供給し、外周電極線路4の一端4Xの反対側の内周電極線路3の他端3Yを接地し、ヒータ駆動回路6は、外周電極線路4の他端4Yに正のヒータ電圧を印加し、内周電極線路3の一端3Xに負のヒータ電圧を印加するようにしても良い。なお、これを第5変形例という。
なお、これに限られるものではなく、変調駆動回路5は、内周電極線路3及び外周電極線路4の一方の第1端部に正の変調電気信号を供給し、第1端部の反対側の内周電極線路3及び外周電極線路4の他方の第2端部が接地され、ヒータ駆動回路6は、内周電極線路3及び外周電極線路4の他方の第2端部の反対側の第3端部に負のヒータ電圧を印加し、内周電極線路3及び外周電極線路4の一方の第1端部の反対側の第4端部に正のヒータ電圧を印加するようにすれば良い。
このように、内周電極線路3及び外周電極線路4のいずれか一方に変調電気信号を与え、他方を接地したシングル駆動の構成を採用しても良い。
この場合でも、各pn接合部C1−C5において逆バイアス領域における均一なバイアス電圧での動作が可能である。また、内周電極線路3及び外周電極線路4において均一な発熱が得られ、上述の実施形態の場合と同等の波長制御性が得られる。
但し、シングル駆動の場合、特に外周電極線路4の抵抗Routや各pn接合部C1−C5の接合容量が大きい場合には、外周電極線路4を伝搬する過程での変調電気信号の減衰が大きくなる。これにより、外周電極線路4の変調電気信号が入力される側の端部から最も遠いpn接合部C1では十分な大きさの駆動電圧振幅がpn接合にかからないおそれがある。このため、リング導波路コア1Aの全周にわたって均一な変調動作が起こらず、リング光変調器の動作効率が劣化するおそれがある。このような点を考慮すると、上述の実施形態のように構成するのが好ましい。つまり、上述の実施形態の構成では、差動信号を用いることで、各線路抵抗や接合容量で変調電気信号の減衰が生じる場合であっても、リング導波路コア1Aの全周にわたって均一な変調電圧が印加されるため、リング導波路コア1Aの全周を有効に活用した効率的な変調動作が可能になるため、好ましい。
なお、ここでは、本第5変形例を、上述の実施形態の変形例として説明しているが、上述の第1変形例や第2変形例のものに、本第5変形例の構成を適用することも可能である。
[第2実施形態]
まず、第2実施形態にかかるリング光変調器について、図16〜図18を参照しながら説明する。
本実施形態にかかるリング光変調器は、上述の第1実施形態のものに対し、図16に示すように、モニタ導波路20が設けられている点、並びに、内周電極線路3及び外周電極線路4がそれぞれ複数(ここでは2つ)に分割されている点が異なる。
つまり、リング光変調器は、上述の第1実施形態のように、モニタ導波路を備えないものとしても良いし、本実施形態のように、モニタ導波路20を備えるものとしても良い。また、リング光変調器は、上述の第1実施形態のように、内周電極線路3及び外周電極線路4をそれぞれ単一の電極線路としても良いし、本実施形態のように、内周電極線路3及び外周電極線路4をそれぞれ複数の電極線路30A,30B,40A,40B(セグメント)としても良い。
本実施形態では、モニタ導波路20は、リング導波路1に光学的に接続されている。ここでは、モニタ導波路20は、バス導波路2とは別に、リング導波路1を挟んでバス導波路2の反対側に、リング導波路1に近接して設けられている。このモニタ導波路20は、リング光変調器を構成するリング光共振器で共振した波長成分の光を取り出すためのものである。ここで、モニタ導波路20に結合する光(モニタ光)は、バス導波路2における光応答(例えば図4参照)が反転し、共振ピーク波長付近の透過率がピーク状に高くなるスペクトル形状を示している。このモニタ光強度を検出することで、変調信号光が出力されるポートとは独立の別のポートで信号光波長と共振ピーク波長の関係を把握することが可能である。
また、本実施形態では、リング導波路1の周囲のバス導波路2及びモニタ導波路20が近接していない領域(図16中、左右の領域)に、リング導波路コア1Aの内周及び外周のそれぞれに沿って独立に2つの内周電極線路30A,30B及び2つの外周電極線路40A,40Bが設けられている。つまり、内周電極線路3及び外周電極線路4として、リング導波路コア1Aの第1領域の内周及び外周のそれぞれに沿って設けられた第1内周電極線路30A及び第1外周電極線路40Aと、リング導波路コア1Aの第2領域の内周及び外周のそれぞれに沿って設けられた第2内周電極線路30B及び第2外周電極線路40Bとを備える。
ここでは、第1内周電極線路30Aと第1外周電極線路40Aは、同一中心角(同一リング中心角)にわたって設けられている。また、第2内周電極線路30Bと第2外周電極線路40Bは、同一中心角にわたって設けられている。さらに、第1内周電極線路30A及び第1外周電極線路40Aと、第2内周電極線路30B及び第2外周電極線路40Bとは、リング導波路コア1Aのリング中心を挟んで互いに対向するように設けられている。但し、第1内周電極線路30A及び第1外周電極線路40Aと、第2内周電極線路30B及び第2外周電極線路40Bとは、中心角や長さが異なっていても良い。そして、上述の第1実施形態の場合と同様に、第1内周電極線路30A及び第1外周電極線路40Aは、それぞれ、その全長にわたって抵抗が均一になっている、即ち、単位回転角当たりの抵抗が均一になっているのが好ましく、第1内周電極線路30Aと第1外周電極線路40Aで、抵抗が同一になっている、即ち、単位回転角当たりの抵抗が同一になっているのがさらに好ましい。同様に、第2内周電極線路30B及び第2外周電極線路40Bは、それぞれ、その全長にわたって抵抗が均一になっている、即ち、単位回転角当たりの抵抗が均一になっているのが好ましく、第2内周電極線路30Bと第2外周電極線路40Bで、抵抗が同一になっている、即ち、単位回転角当たりの抵抗が同一になっているのがさらに好ましい。
ここで、本実施形態では、図17、図18に示すように、第1及び第2内周電極線路30A,30Bを、全長にわたって設けられた内側シリサイド領域(例えばNiSi)7BYとし、第1及び第2外周電極線路40A,40Bを、全長にわたって設けられた外側シリサイド領域(例えばNiSi)7CYとしている。これにより、ドープシリコン領域とする場合と比較して、単位回転角当たりの抵抗を低減することができる。例えば、NiSi層は、pSi層、nSi層と比較して、高い電気伝導度を有しているため、NiSi層7BY,7CYを用いることで、pSi層、nSi層を用いる場合と比較して、単位回転角当たりの抵抗を低減することができる。具体的には、半径約8μmのリング導波路コア1Aに対して、第1及び第2内周電極線路30A,30B(NiSi層;厚さ約50nm;幅約2000nm)、並びに、第1及び第2外周電極線路40A,40B(NiSi層;厚さ約50nm;幅約3000nm)を形成した場合、R=Rin=Rout=0.34[Ω/deg]が得られる。
なお、ここでは、第1及び第2内周電極線路30A,30Bを、全長にわたって設けられた内側シリサイド領域7BYとし、第1及び第2外周電極線路40A,40Bを、全長にわたって設けられた外側シリサイド領域7CYとする場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。例えば、上述の第1実施形態の場合と同様に、第1及び第2内周電極線路30A,30Bを、金属電極端子8が接続される領域が内側シリサイド領域であり、金属電極端子8が接続される領域以外の領域が内側ドープシリコン領域であるものとし、第2及び第2外周電極線路40A,40Bを、金属電極端子8が接続される領域が外側シリサイド領域であり、金属電極端子8が接続される領域以外の領域が外側ドープシリコン領域であるものとしても良い。また、上述の第1実施形態の変形例のように、第1及び第2内周電極線路30A,30Bを、全長にわたって設けられた内側シリサイド領域、又は、全長にわたって設けられた内側ドープシリコン領域とし、第1及び第2外周電極線路40A,40Bを、全長にわたって設けられた外側シリサイド領域、又は、全長にわたって設けられた外側ドープシリコン領域としても良い。
また、本実施形態では、第1内周電極線路30A及び第1外周電極線路40Aのそれぞれの両端部30AX,30AY,40AX,40AYに、上述の第1実施形態の場合と同様に、金属電極端子8(830AX,830AY,840AX,840AY)を介して、外部駆動回路としての変調駆動回路5及びヒータ駆動回路6が接続されている。そして、変調駆動回路5は、第1外周電極線路40Aの一端40AXに正の変調電気信号を供給し、第1外周電極線路40Aの一端40AXの反対側の第1内周電極線路30Aの他端30AYに負の変調電気信号を供給するようになっている。また、ヒータ駆動回路6は、第1外周電極線路40Aの他端40AYに正のヒータ電圧を印加し、第1内周電極線路30Aの一端30AXに負のヒータ電圧を印加するようになっている。これにより、第1内周電極線路30A及び第1外周電極線路40Aに変調電気信号を供給するとともに周方向に沿ってヒータ電流を流すようになっている。
なお、これに限られるものではなく、変調駆動回路5は、第1内周電極線路30A及び第1外周電極線路40Aの一方の第1端部に正の変調電気信号を供給し、第1端部の反対側の第1内周電極線路30A及び第1外周電極線路40Aの他方の第2端部に負の変調電気信号を供給し、ヒータ駆動回路6は、第1内周電極線路30A及び第1外周電極線路40Aの一方の第1端部の反対側の第3端部に正のヒータ電圧を印加し、第1内周電極線路30A及び第1外周電極線路40Aの他方の第2端部の反対側の第4端部に負のヒータ電圧を印加するようにすれば良い。
同様に、第2内周電極線路30B及び第2外周電極線路40Bのそれぞれの両端部30BX,30BY,40BX,40BYに、上述の第1実施形態の場合と同様に、金属電極端子8(830BX,830BY,840BX,840BY)を介して、外部駆動回路としての変調駆動回路5及びヒータ駆動回路6が接続されている。そして、変調駆動回路5は、第2外周電極線路40Bの一端40BXに正の変調電気信号を供給し、第2外周電極線路40Bの一端40BXの反対側の第2内周電極線路30Bの他端30BYに負の変調電気信号を供給するようになっている。また、ヒータ駆動回路6は、第2外周電極線路40Bの他端40BYに正のヒータ電圧を印加し、第2内周電極線路30Bの一端30BXに負のヒータ電圧を印加するようになっている。これにより、第2内周電極線路30B及び第2外周電極線路40Bに変調電気信号を供給するとともに周方向に沿ってヒータ電流を流すようになっている。
なお、これに限られるものではなく、変調駆動回路5は、第2内周電極線路30B及び第2外周電極線路40Bの一方の第1端部に正の変調電気信号を供給し、第1端部の反対側の第2内周電極線路30B及び第2外周電極線路40Bの他方の第2端部に負の変調電気信号を供給し、ヒータ駆動回路6は、第2内周電極線路30B及び第2外周電極線路40Bの一方の第1端部の反対側の第3端部に正のヒータ電圧を印加し、第2内周電極線路30B及び第2外周電極線路40Bの他方の第2端部の反対側の第4端部に負のヒータ電圧を印加するようにすれば良い。
この場合、第1内周電極線路30A及び第1外周電極線路40Aと、第2内周電極線路30B及び第2外周電極線路40Bとで、それぞれ、別体の変調駆動回路5及び別体のヒータ駆動回路6を接続しても良いし、第1内周電極線路30Aと第2内周電極線路30B、第1外周電極線路40Aと第2外周電極線路40Bを、それぞれ一体として扱い、上述の第1実施形態と同様に、変調駆動回路5及びヒータ駆動回路6を接続しても良い。ここで、第1内周電極線路30Aと第2内周電極線路30B、第1外周電極線路40Aと第2外周電極線路40Bを、それぞれ一体として扱う場合、第1内周電極線路30Aの一方の端部と第2内周電極線路30Bの一方の端部とを、例えばAl,Cu等の金属からなる表面配線で低抵抗に接続し、第1外周電極線路40Aの一方の端部と第2外周電極線路40Bの一方の端部とを、例えばAl,Cu等の金属からなる表面配線で低抵抗に接続し、第1及び第2内周電極線路30A,30Bの他方の端部、及び、第1及び第2外周電極線路40A,40Bの他方の端部に、上述の第1実施形態と同様に、変調駆動回路5(例えばRF変調ドライバ)及びヒータ駆動回路6(例えばDC電流ドライバ)を接続すれば良い。
なお、その他の詳細は、上述の第1実施形態の場合と同様である。
したがって、本実施形態にかかるリング光変調器によれば、上述の第1実施形態の場合と同様に、n型若しくはp型にドーピングしたドープシリコン層、又は、金属化合物にしたシリサイド層をヒータとして用いる場合に、変調効率を低下させずに、共振波長の波長制御効率を向上させることができるという利点がある。
なお、本実施形態では、上述の第1実施形態の変形例として説明しているが、これに限られるものではなく、例えば、上述の第1実施形態の第1変形例〜第5変形例のものを、本実施形態のものに適用することも可能である。
[その他]
なお、本発明は、上述した各実施形態及び各変形例に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
以下、上述の各実施形態及び各変形例に関し、更に、付記を開示する。
(付記1)
シリコン層のリブ部であってp型ドーピング領域及びn型ドーピング領域を有するリング導波路コアを含むリング導波路と、
前記リング導波路に光学的に接続されたバス導波路と、
前記リング導波路コアの内周に沿って設けられ、前記シリコン層の前記リブ部に対して内側のスラブ部に設けられた内側ドープシリコン領域又は内側シリサイド領域を含み、変調電極及びヒータ線路として機能する内周電極線路と、
前記リング導波路コアの外周に沿って設けられ、前記シリコン層の前記リブ部に対して外側のスラブ部に設けられた外側ドープシリコン領域又は外側シリサイド領域を含み、変調電極及びヒータ線路として機能する外周電極線路と、
変調電気信号を供給する変調駆動回路と、
共振波長を制御するためのヒータ電流を供給するヒータ駆動回路とを備え、
前記変調駆動回路及び前記ヒータ駆動回路は、前記内周電極線路及び前記外周電極線路に接続されており、前記内周電極線路及び前記外周電極線路に変調電気信号を供給するとともに周方向に沿ってヒータ電流を流すことを特徴とするリング光変調器。
(付記2)
前記内周電極線路及び前記外周電極線路のそれぞれの両端部に接続された金属電極端子を備え、
前記変調駆動回路及び前記ヒータ駆動回路は、前記金属電極端子を介して、前記内周電極線路及び前記外周電極線路に接続されていることを特徴とする、付記1に記載のリング光変調器。
(付記3)
前記内周電極線路は、前記金属電極端子が接続される領域が前記内側シリサイド領域であり、前記金属電極端子が接続される領域以外の領域が前記内側ドープシリコン領域であり、
前記外周電極線路は、前記金属電極端子が接続される領域が前記外側シリサイド領域であり、前記金属電極端子が接続される領域以外の領域が前記外側ドープシリコン領域であることを特徴とする、付記2に記載のリング光変調器。
(付記4)
前記内周電極線路は、全長にわたって設けられた前記内側シリサイド領域、及び、前記内側シリサイド領域上に全長にわたって設けられた内側金属層であり、
前記外周電極線路は、全長にわたって設けられた前記外側シリサイド領域、及び、前記外側シリサイド領域上に全長にわたって設けられた外側金属層であることを特徴とする、付記2に記載のリング光変調器。
(付記5)
前記内周電極線路は、全長にわたって設けられた前記内側シリサイド領域であり、
前記外周電極線路は、全長にわたって設けられた前記外側シリサイド領域であり、
前記内周電極線路及び前記外周電極線路上に、それぞれ、全長にわたって設けられた内周金属電極及び外周金属電極を備え、
前記変調駆動回路及び前記ヒータ駆動回路は、前記内周金属電極及び前記外周金属電極のそれぞれの両端部に接続されていることを特徴とする、付記1に記載のリング光変調器。
(付記6)
前記内周電極線路と前記外周電極線路は、同一中心角にわたって設けられており、
前記内周電極線路及び前記外周電極線路は、それぞれ、その全長にわたって抵抗が均一であることを特徴とする、付記1〜5のいずれか1項に記載のリング光変調器。
(付記7)
前記内周電極線路と前記外周電極線路は、抵抗が同一であることを特徴とする、付記6に記載のリング光変調器。
(付記8)
前記変調駆動回路は、前記内周電極線路及び前記外周電極線路の一方の第1端部に正の変調電気信号を供給し、前記第1端部の反対側の前記内周電極線路及び前記外周電極線路の他方の第2端部に負の変調電気信号を供給し、
前記ヒータ駆動回路は、前記内周電極線路及び前記外周電極線路の一方の前記第1端部の反対側の第3端部に正のヒータ電圧を印加し、前記内周電極線路及び前記外周電極線路の他方の前記第2端部の反対側の第4端部に負のヒータ電圧を印加することを特徴とする付記1〜7のいずれか1項に記載のリング光変調器。
(付記9)
前記変調駆動回路及び前記ヒータ駆動回路は、前記内周電極線路及び前記外周電極線路の一方の第1端部に正の変調電気信号を供給するとともに正のヒータ電圧を印加し、前記第1端部の反対側の前記内周電極線路及び前記外周電極線路の他方の第2端部に負の変調電気信号を供給するとともに負のヒータ電圧を印加し、
前記内周電極線路及び前記外周電極線路の一方の前記第1端部の反対側の第3端部並びに前記内周電極線路及び前記外周電極線路の他方の前記第2端部の反対側の第4端部にそれぞれ終端抵抗が接続されていることを特徴とする付記1〜7のいずれか1項に記載のリング光変調器。
(付記10)
前記変調駆動回路は、前記内周電極線路及び前記外周電極線路の一方の第1端部に正の変調電気信号を供給し、前記第1端部と同じ側の前記内周電極線路及び前記外周電極線路の他方の第2端部に負の変調電気信号を供給し、
前記ヒータ駆動回路は、前記内周電極線路及び前記外周電極線路の一方の前記第1端部の反対側の第3端部に正のヒータ電圧を印加し、前記内周電極線路及び前記外周電極線路の他方の前記第2端部の反対側の第4端部に負のヒータ電圧を印加することを特徴とする付記1〜7のいずれか1項に記載のリング光変調器。
(付記11)
前記変調駆動回路は、前記内周電極線路及び前記外周電極線路の一方の第1端部に正の変調電気信号を供給し、
前記第1端部の反対側の前記内周電極線路及び前記外周電極線路の他方の第2端部が接地され、
前記ヒータ駆動回路は、前記内周電極線路及び前記外周電極線路の他方の前記第2端部の反対側の第3端部に負のヒータ電圧を印加し、前記内周電極線路及び前記外周電極線路の一方の前記第1端部の反対側の第4端部に正のヒータ電圧を印加することを特徴とする付記1〜7のいずれか1項に記載のリング光変調器。
(付記12)
前記リング導波路に光学的に接続されたモニタ導波路を備え、
前記内周電極線路及び前記外周電極線路として、前記リング導波路コアの第1領域の内周及び外周のそれぞれに沿って設けられた第1内周電極線路及び第1外周電極線路と、前記リング導波路コアの第2領域の内周及び外周のそれぞれに沿って設けられた第2内周電極線路及び第2外周電極線路とを備えることを特徴とする、付記1〜11のいずれか1項に記載のリング光変調器。
1 リング導波路
1A リング導波路コア
2 バス導波路
3 内周電極線路
3X,3Y 内周電極線路の端部
4X,4Y 外周電極線路の端部
4 外周電極線路
5 変調駆動回路
6 ヒータ駆動回路
7 シリコン層(SOI層)
7A リブ部
7AX p型ドーピング領域
7AY n型ドーピング領域
7AZ pn接合部
7B スラブ部
7BX ドープシリコン領域
7BY シリサイド領域
7C スラブ部
7CX ドープシリコン領域
7CY シリサイド領域
7D 内側シリサイド領域
7E 外側シリサイド領域
8,83X,83Y,84X,84Y 金属電極端子
9 埋め込み酸化膜(BOX)層
10 SiO
11 SOI基板
12 チャネル部
12X 内側チャネル部
12Y 外側チャネル部
13X 内側金属層
13Y 外側金属層
14X 内周金属電極
14Y 外周金属電極
15 終端抵抗
16 バイアスティー
20 モニタ導波路
30A 第1内周電極線路
30AX,30AY 第1内周電極線路の端部
30B 第2内周電極線路
30BX,30BY 第2内周電極線路の端部
40A 第1外周電極線路
40AX,40AY 第1外周電極線路の端部
40B 第2外周電極線路
40BX,40BY 第2外周電極線路の端部
830AX,830AY,840AX,840AY,830BX,830BY,840BX,840BY 金属電極端子

Claims (11)

  1. シリコン層のリブ部であってp型ドーピング領域及びn型ドーピング領域を有するリング導波路コアを含むリング導波路と、
    前記リング導波路に光学的に接続されたバス導波路と、
    前記リング導波路コアの内周に沿って設けられ、前記シリコン層の前記リブ部に対して内側のスラブ部に設けられた内側ドープシリコン領域又は内側シリサイド領域を含み、変調電極及びヒータ線路として機能する内周電極線路と、
    前記リング導波路コアの外周に沿って設けられ、前記シリコン層の前記リブ部に対して外側のスラブ部に設けられた外側ドープシリコン領域又は外側シリサイド領域を含み、変調電極及びヒータ線路として機能する外周電極線路と、
    変調電気信号を供給する変調駆動回路と、
    共振波長を制御するためのヒータ電流を供給するヒータ駆動回路とを備え、
    前記変調駆動回路及び前記ヒータ駆動回路は、前記内周電極線路及び前記外周電極線路に接続されており、前記内周電極線路及び前記外周電極線路に変調電気信号を供給するとともに周方向に沿ってヒータ電流を流すことを特徴とするリング光変調器。
  2. 前記内周電極線路及び前記外周電極線路のそれぞれの両端部に接続された金属電極端子を備え、
    前記変調駆動回路及び前記ヒータ駆動回路は、前記金属電極端子を介して、前記内周電極線路及び前記外周電極線路に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のリング光変調器。
  3. 前記内周電極線路は、前記金属電極端子が接続される領域が前記内側シリサイド領域であり、前記金属電極端子が接続される領域以外の領域が前記内側ドープシリコン領域であり、
    前記外周電極線路は、前記金属電極端子が接続される領域が前記外側シリサイド領域であり、前記金属電極端子が接続される領域以外の領域が前記外側ドープシリコン領域であることを特徴とする、請求項2に記載のリング光変調器。
  4. 前記内周電極線路は、全長にわたって設けられた前記内側シリサイド領域、及び、前記内側シリサイド領域上に全長にわたって設けられた内側金属層であり、
    前記外周電極線路は、全長にわたって設けられた前記外側シリサイド領域、及び、前記外側シリサイド領域上に全長にわたって設けられた外側金属層であることを特徴とする、請求項2に記載のリング光変調器。
  5. 前記内周電極線路は、全長にわたって設けられた前記内側シリサイド領域であり、
    前記外周電極線路は、全長にわたって設けられた前記外側シリサイド領域であり、
    前記内周電極線路及び前記外周電極線路上に、それぞれ、全長にわたって設けられた内周金属電極及び外周金属電極を備え、
    前記変調駆動回路及び前記ヒータ駆動回路は、前記内周金属電極及び前記外周金属電極のそれぞれの両端部に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のリング光変調器。
  6. 前記内周電極線路と前記外周電極線路は、同一中心角にわたって設けられており、
    前記内周電極線路及び前記外周電極線路は、それぞれ、その全長にわたって抵抗が均一であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のリング光変調器。
  7. 前記内周電極線路と前記外周電極線路は、抵抗が同一であることを特徴とする、請求項6に記載のリング光変調器。
  8. 前記変調駆動回路は、前記内周電極線路及び前記外周電極線路の一方の第1端部に正の変調電気信号を供給し、前記第1端部の反対側の前記内周電極線路及び前記外周電極線路の他方の第2端部に負の変調電気信号を供給し、
    前記ヒータ駆動回路は、前記内周電極線路及び前記外周電極線路の一方の前記第1端部の反対側の第3端部に正のヒータ電圧を印加し、前記内周電極線路及び前記外周電極線路の他方の前記第2端部の反対側の第4端部に負のヒータ電圧を印加することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のリング光変調器。
  9. 前記変調駆動回路及び前記ヒータ駆動回路は、前記内周電極線路及び前記外周電極線路の一方の第1端部に正の変調電気信号を供給するとともに正のヒータ電圧を印加し、前記第1端部の反対側の前記内周電極線路及び前記外周電極線路の他方の第2端部に負の変調電気信号を供給するとともに負のヒータ電圧を印加し、
    前記内周電極線路及び前記外周電極線路の一方の前記第1端部の反対側の第3端部並びに前記内周電極線路及び前記外周電極線路の他方の前記第2端部の反対側の第4端部にそれぞれ終端抵抗が接続されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のリング光変調器。
  10. 前記変調駆動回路は、前記内周電極線路及び前記外周電極線路の一方の第1端部に正の変調電気信号を供給し、
    前記第1端部の反対側の前記内周電極線路及び前記外周電極線路の他方の第2端部が接地され、
    前記ヒータ駆動回路は、前記内周電極線路及び前記外周電極線路の他方の前記第2端部の反対側の第3端部に負のヒータ電圧を印加し、前記内周電極線路及び前記外周電極線路の一方の前記第1端部の反対側の第4端部に正のヒータ電圧を印加することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のリング光変調器。
  11. 前記リング導波路に光学的に接続されたモニタ導波路を備え、
    前記内周電極線路及び前記外周電極線路として、前記リング導波路コアの第1領域の内周及び外周のそれぞれに沿って設けられた第1内周電極線路及び第1外周電極線路と、前記リング導波路コアの第2領域の内周及び外周のそれぞれに沿って設けられた第2内周電極線路及び第2外周電極線路とを備えることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のリング光変調器。
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