JP6083777B1 - 膜天井用支持具及び膜天井の施工方法 - Google Patents

膜天井用支持具及び膜天井の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】膜天井の張り具合の調節作業を容易に行うことができる膜天井用支持具を提供する。【解決手段】建物の構造躯体200に対して膜天井100の端縁部を支持させるための膜天井用支持具10を、建物の構造躯体200に固定される固定部材11と、固定部材11に対して上下方向に昇降可能な状態で取り付けられた昇降部材12と、昇降部材12を昇降させるための操作部材13とを備えたものとして、昇降部材12に対して膜天井100の端縁部を支持させることが可能な構造とするとともに、操作部材13の操作部分13aが、昇降部材12の下側に配されるようにした。【選択図】 図5

Description

本発明は、建物の構造躯体に対して膜天井の端縁部を支持させるための膜天井用支持具と、この膜天井用支持具を用いた膜天井の施工方法に関する。
天井材として可撓性を有する膜材を使用する膜天井は、体育館や屋内プールやホールや駅等の比較的大規模な施設を始めとする各種の建物において採用されることが多くなってきている。膜天井は、石膏ボード等の硬質板からなる従来の天井材と比較して、軽量で柔らかいため、[1]地震が発生しても天井材が崩落又は破損しにくい(耐震性に優れる)、[2]施工が容易である、[3]天井のデザインの自由度が高い、といった多くの利点を有している。近年は、膜天井の有する耐震性に注目して、学校の教室における天井も膜天井で置き換えられるようになってきている。
ところで、膜天井の施工は、通常、建物の構造躯体(柱や壁材や梁等)に固定した支持具(以下においては、「膜天井用支持具」と呼ぶことがある。)に、膜天井の端縁部を支持させることによって行われる。膜天井用支持具としては、これまでに各種のものが提案されている(例えば、特許文献1の図1における膜天井廻り縁5、特許文献2の図3におけるブリッジハンガー2、特許文献3の図1における張設部材10、及び、特許文献4の図1における端部用取付金具10を参照。)。
しかし、特許文献1〜4の膜天井用支持具はいずれも、それに対して膜天井を取り付けた後には、膜天井の端縁部の支持位置を変更することができない構造のものとなっていた。このため、特許文献1〜4の膜天井用支持具では、膜天井の施工時や施工後に膜天井の張り具合を調節しようとしても、そのような調節を行うことができなかった。
このような実状に鑑みてか、これ迄には、例えば、特許文献5の図10及び図11に示されるように、膜天井(膜材5a)の端縁部の支持位置(膜固定部4の位置)を変更できる構造を採用したことによって、それに対して膜天井を取り付けた後であっても、膜天井の張り具合を調節することができるようにした膜天井用支持具も提案されている(同文献の段落0027〜0028を参照。)。
特開2007−100321号公報 特開2008−255697号公報 特開2013−087480号公報 特開2014−101715号公報 特開2015−197005号公報
しかし、特許文献5の膜天井用支持具は、膜固定部4を水平方向に移動させることによって、膜天井(膜材5a)の張り具合を調節するものとなっていた。このため、同文献の膜天井用支持具では、膜天井を現状よりも張った状態にしようとしても、移動させる膜固定部4が、その膜固定部4の隣に位置する別の膜固定部4や建物の壁等に突き当たるまでしか、膜固定部4を移動させることができなかった。すなわち、同文献の膜天井用支持具は、膜天井の張り具合の調節しろを大きく確保しにくいものとなっていた。
また、特許文献5の膜天井用支持具は、逆の言い方をすると、膜天井(膜材5a)の張り具合を調節すると、膜固定部4(膜天井の端縁部)が水平方向に移動するものとなっていた。このため、同文献の膜天井用支持具を用いて膜天井を施工すると、建物の壁側に配される膜固定部4(膜天井における壁側を向く端縁部)と当該壁との隙間の幅や、隣り合う膜固定部4の隙間(隣り合う膜天井の隙間)の幅が、膜天井の張り具合を調節する前後で変化するようになるため、これらの隙間が不自然に広くなったり、逆に狭くなったりする虞があった。これらの隙間は、通常、室内の人(膜天井の下側の人)からも視認することができるため、同文献の膜天井用支持具を用いて膜天井を施工すると、施工後の見た目が悪くなる虞もある。
さらに、特許文献5の膜天井用支持具は、同文献の図2に示されるように、締結部3の軸部3bに設けられた調整部7を回転させることによって、膜固定部4を移動させるものとなっていた(同文献の段落0027〜0028を参照。)。このため、同文献の膜天井用支持具において膜天井(膜材5a)の張り具合を調節するためには、同文献の図11に示されるように、膜天井の下側のスペースから、隣り合う膜固定部4の隙間に、ラチェット式スパナ等の工具13を斜めに挿し込む必要があった。したがって、同文献の膜天井用支持具は、膜天井の張り具合の調節作業を行いにくいものとなっていた。そもそも、建物の壁側に配された膜固定部4を移動させようとすると、壁側から工具13を斜めに挿し込む必要があるところ、その壁側には作業者が立つ作業スペースがないため、壁側の膜固定部4は移動させることができない可能性もある。
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、膜天井の張り具合の調節作業を容易に行うことができる膜天井用支持具を提供することを目的とする。また、膜天井を見た目のよい状態で施工することできる膜天井用支持具を提供することも、本発明の目的である。さらに、膜天井の張り具合の調節しろを大きく確保することができる膜天井用支持具を提供することも、本発明の目的である。さらにまた、この膜天井用支持具を用いる膜天井の施工方法を提供することも本発明の目的である。
上記課題は、
建物の構造躯体に対して膜天井の端縁部を支持させるための膜天井用支持具であって、
建物の構造躯体に固定される固定部材と、
固定部材に対して上下方向に昇降可能な状態で取り付けられた昇降部材と、
昇降部材を昇降させるための操作部材と、
を備え、
昇降部材に対して膜天井の端縁部を支持させることが可能な構造とされるとともに、
操作部材の操作部分が、昇降部材の下側に配された
ことを特徴とする膜天井用支持具
を提供することによって解決される。
本発明の膜天井用支持具は、昇降部材を上下方向に昇降させることによって、膜天井の張り具合を調節するものとなっている。膜天井の裏側(屋根裏)には、通常、十分なスペースが設けられるため、昇降部材は、上下方向に大きく変位させることができる。このため、本発明の膜天井用支持具を用いて膜天井を施工すると、膜天井の張り具合の調節しろを大きく確保することが可能になる。
また、本発明の膜天井用支持具は、昇降部材における、膜天井の端縁部の支持位置を水平方向に移動させることなく、膜天井の張り具合を調節できる構造となっている。このため、本発明の膜天井用支持具を用いて膜天井を施工すると、建物の壁と膜天井との間等に形成される隙間が、膜天井の張り具合の調節の前後で変化しないようにすることもできる。したがって、施工後の見た目をよくすることも可能である。
さらに、本発明の膜天井用支持具では、昇降部材を操作する操作部材の操作部分(工具や手等で操作する部分)を、昇降部材の下側に配したため、建物の壁と膜天井との間等に形成される隙間に対し、工具や手を上向きに挿入すれば、操作部材の操作部分を操作することができる。また、操作部材の操作部分を目視しながら当該操作部分を操作することもできる。このため、本発明の膜天井用支持具を用いて膜天井を施工すると、膜天井の張り具合を容易に調節することも可能である。
本発明の膜天井用支持具において、昇降部材を操作する操作部材は、その操作部分が昇降部材の下側に配されたものであれば、特に限定されないが、以下のように、ボルト(操作ボルト)とすることが好ましい。すなわち、操作部材を、頭部及びネジ軸部で構成された操作ボルトとするとともに、ネジ軸部が上向きに配された操作ボルトの頭部付近を保持するための操作ボルト保持部を、固定部材における、昇降部材が取り付けられた部分よりも下側に設ける一方、操作ボルト保持部から上側に突出した操作ボルトのネジ軸部を螺合するための操作ボルト螺合部を、昇降部材に設け、操作ボルトの頭部を前記操作部分として回転操作することによって、昇降部材を昇降させることができるようにすることが好ましい。これにより、操作部材を簡素な構造として、膜天井用支持具の製造コスト等を抑えるだけでなく、膜天井用支持具を破損等しにくいものとすることも可能になる。
また、本発明の膜天井用支持具においては、昇降部材を上下方向に案内するための一対の案内溝を、固定部材に設けることも好ましい。これにより、上下方向に移動する昇降部材を、固定部材に対して安定した状態で支持することが可能になる。
さらに、本発明の膜天井用支持具においては、膜天井の端縁部を昇降部材から吊り下げるための吊下具を備え、吊下具を固定するための吊下具固定孔を、昇降部材に長孔状に形成することも好ましい。これにより、昇降部材に対する吊下具の固定位置(昇降部材における、膜天井の端縁部の支持位置)を、長孔状の吊下具固定孔が設けられた範囲内で調節することが可能になる。
この構成(長孔状の吊下具固定孔に吊下具を固定する構成)は、複数枚の膜天井を側縁部(膜天井用支持具に支持されない端縁部)同士が上下に重なり合った状態で複数列に施工する場合に好適に採用することができる。というのも、このような場合には、一の膜天井の端縁部を支持する膜天井用支持具と、当該一の膜天井の隣に配される他の膜天井の端縁部を支持する膜天井用支持具とは、1つの膜天井用支持具に集約した方が、膜天井用支持具の使用個数を削減でき、そのためには、1つの膜天井用支持具に、前記一の膜天井と前記他の膜天井との双方を支持できるようにする必要があるところ、上記の構成を採用することによって、前記一の膜天井の端縁部に取り付けられた吊下具と、前記他の膜天井の端縁部に取り付けられた吊下具とを、吊下具固定孔における異なる箇所にずらして固定することができるようになるからである。
以上のように、本発明によって、膜天井の張り具合の調節作業を容易に行うことができる膜天井用支持具を提供することが可能になる。また、膜天井を見た目のよい状態で施工することできる膜天井用支持具を提供することも可能になる。さらに、膜天井の張り具合の調節しろを大きく確保することができる膜天井用支持具を提供することも可能になる。かかる膜天井用支持具によって、膜天井の施工方法を提供することも可能になる。
本発明に係る膜天井用支持具を用いて膜天井を施工した状態を示した斜視図である。 本発明に係る膜天井用支持具を用いて膜天井を施工した状態を、図1におけるz軸方向正側から見た状態を示した図である。 本発明に係る膜天井用支持具を示した斜視図である。 本発明に係る膜天井用支持具を固定部材と昇降部材とに分解した状態を示した斜視図である。 本発明に係る膜天井用支持具において、昇降部材を昇降させている様子を、図1におけるy軸方向に垂直な平面で切断した状態を示した断面図である。 ガイド部材取付具に固定したガイド部材に膜天井を掛け回した状態を、図1におけるy軸方向負側から見た状態を示した図である。 複数枚の天井膜を側縁部同士が上下に重なり合った状態で複数列に施工した状態を示した断面斜視図である。
本発明の膜天井用支持具、及び、この膜天井用支持具を用いた本発明の膜天井の施工方法の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。
図1は、本発明に係る膜天井用支持具10を用いて膜天井100を施工した状態を示した斜視図である。図2は、本発明に係る膜天井用支持具10を用いて膜天井100を施工した状態を、図1におけるz軸方向正側から見た状態を示した図である。図3は、本発明に係る膜天井用支持具10を示した斜視図である。図4は、本発明に係る膜天井用支持具10を固定部材11と昇降部材12とに分解した状態を示した斜視図である。図5は、本発明に係る膜天井用支持具10において、昇降部材12を昇降させている様子を、図1におけるy軸方向に垂直な平面で切断した状態を示した断面図である。図6は、ガイド部材取付具30に固定したガイド部材20に膜天井100を掛け回した状態を、図1におけるy軸方向負側から見た状態を示した図である。
本発明の膜天井の施工方法は、図1に示すように、建物の構造躯体200に固定された膜天井用支持具10に対して、膜天井100の端縁部を支持させることによって、膜天井100を施工するものとなっている。本実施態様の施工方法においては、膜天井用支持具10の下側となる箇所に、長尺状のガイド部材20を水平方向に(y軸方向に沿って)配しており、膜天井100の端縁部近傍を、ガイド部材20の外周部の下側から上側に掛け回してから、膜天井100の端縁部を膜天井用支持具10に支持させるようにしている。ガイド部材20は、ガイド部材取付具30を介して建物の構造躯体200に固定された状態となっている。膜天井用支持具10やガイド部材取付具30を固定する構造躯体200としては、建物の壁材や柱材や梁材等が例示される。本実施態様の施工方法において、構造躯体200は、建物の内壁を形成する壁材としている。
ところで、図1及び図2では、膜天井100から見てx軸方向負側となる箇所の構造躯体200しか描いておらず、膜天井用支持具10やガイド部材取付具30も、x軸方向負側の構造躯体200に固定されたものしか描いていないが、実際には、膜天井100から見てx軸方向正側となる箇所にも構造躯体200があり、x軸方向正側の構造躯体200にも、膜天井用支持具10やガイド部材取付具30が固定される。
x軸方向負側の構造躯体200に固定された膜天井用支持具10によって、膜天井100におけるx軸方向負側の端縁部を支持するとともに、x軸方向正側の構造躯体200に固定された膜天井用支持具10によって、膜天井100におけるx軸方向正側の端縁部を支持することで、x軸方向負側の構造躯体200とx軸方向正側の構造躯体200との間に、膜天井100を施工することができる。
また、膜天井100から見てy軸方向負側となる箇所及びy軸方向正側となる箇所にも構造躯体200が存在し、これらの構造躯体200に対しても、膜天井用支持具10やガイド部材取付具30を固定する場合もある。この場合には、膜天井100におけるx軸方向負側の端縁部及びx軸方向正側の端縁部に加えて、膜天井100におけるy軸方向負側の端縁部及びy軸方向正側の端縁部も構造躯体200に対して支持させる(膜天井100の四辺部を構造躯体200に対して支持させる)ことが可能になる。
以下においては、説明の便宜上、主に、膜天井100におけるx軸方向負側の端縁部をx軸方向負側の構造躯体200に対して支持させる場合について説明を行い、膜天井100における他の端縁部(x軸方向正側の端縁部等)を他の構造躯体200(x軸方向正側の構造躯体200等)に対して支持させる場合については、説明を割愛している。しかし、以下で述べる内容は、他の構造躯体200に対して膜天井100の端縁部を支持させる場合においても、同様に採用することができる。
本実施態様の膜天井100の施工方法は、ガイド部材取付具固定工程と、ガイド部材取付工程と、膜天井用支持具固定工程と、膜天井支持工程と、張り具合調節工程とで構成される。以下、これらの工程について、詳しく説明する。ただし、これらの工程を行う順番は、以下に述べる順番に限定されず、膜天井100の施工が不可能とならない範囲で適宜変更を施すことができる。例えば、ガイド部材取付工程と膜天井用支持具固定工程は、その順番を逆にしてもよい。膜天井支持具10については、膜天井用支持具固定工程を説明する際(下記の「3.膜天井用支持具固定工程」の欄)に詳しく説明する。
1. ガイド部材取付具固定工程
ガイド部材取付具固定工程は、図1及び図2に示すように、建物の構造躯体200に対してガイド部材取付具30を固定する工程である。本実施態様の施工方法において、ガイド部材取付具30は、図6に示すように、第一部分31と、第一部分31から水平方向(x軸方向正側)に突出して設けられた第二部分32と、第二部分32の先端から下側(z軸方向負側)に突出して設けられた第三部分33とで構成された、逆L字状の金属製の部材となっているところ、これらのうち第一部分31を構造躯体200に固定するようにしている。構造躯体200に第一部分31を固定する方法は、特に限定されないが、本実施態様においては、第一部分31に設けたボルト挿通孔31aに固定ボルト300を挿通することによって固定している。
ところで、ガイド部材取付具30は、ガイド部材20を固定するものであるところ、このガイド部材20は、長尺状(y軸方向に沿って細長い形状)となっている。このため、ガイド部材取付具30は、通常、図2に示すように、構造躯体200における、ガイド部材20の配置方向(y軸方向)に沿った複数箇所に固定される。これにより、長尺状のガイド部材20を、ガイド部材取付具30に対して、安定した状態で取り付けることが可能になる。
また、ガイド部材取付具30に取り付けるガイド部材20は、膜天井100の端縁部近傍を巻き掛けることによって、膜天井100の端縁部近傍を整えられた状態に規制するためのものであるため、施工後における膜天井100の基本的な姿勢は、ガイド部材20の配置方向によって決まるところ、ガイド部材20の配置方向は、複数のガイド部材取付具30の配列方向によって定まる。このため、膜天井100を水平(xy平面に平行)に施工する場合には、複数のガイド部材取付具30は、水平方向(y軸方向)に対して平行に配列(同じ高さに配置)されるが、膜天井100を水平面(xy平面)に対して傾斜した状態に施工する場合には、複数のガイド部材取付具30は、水平方向(y軸方向)に対して傾斜した状態に配列(異なる高さに配置)される。
構造躯体200に対してガイド部材取付具30を固定するピッチ(y軸方向でのピッチ)は、ガイド部材20の重量等によっても異なり、特に限定されない。しかし、ガイド部材取付具30を固定するピッチを狭くしすぎると、ガイド部材取付具30が密に配される分、天井の単位面積当たりの重量が増大してしまう。特に、平成26年4月に施行された改正建築基準法施行例等においては、天井の単位面積当たりの重量が2kg/mを超えると、特定天井(脱落によって重大な危害を生ずる虞がある天井)に該当し、同法令等で定められる天井脱落対策等を施す必要が生じるようになっている。このため、ガイド部材取付具30は、膜天井100のほか、膜天井100の施工に供される他の部材(膜天井用支持具10や、ガイド部材20や、吊下具40や、固定ボルト300等)を全て含めて、天井の単位面積当たりの重量が2kg/m以下となるピッチで固定することが好ましい。
一方、ガイド部材取付具30を固定するピッチを広くしすぎると、天井の単位面積当たりの重量を抑えることができるものの、個々のガイド部材取付具30に加わる負荷が増大し、ガイド部材取付具30にガイド部材20を安定して取り付けることができなくなる虞がある。このため、ガイド部材取付具30を固定するピッチは、5m以下とすることが好ましく、2m以下とすることがより好ましい。本実施態様の施工方法において、ガイド部材取付具30を固定するピッチは、50cm程度としている。
以上では、x軸方向負側の構造躯体200に対してガイド部材取付具30を固定する場合について説明したが、これと同様の手順で、x軸方向正側の構造躯体200に対しても、ガイド部材取付具30を固定する。膜天井100の四辺部を構造躯体200に支持させる場合には、建物におけるy軸方向負側の構造躯体200及びy軸方向正側の構造躯体200に対しても、ガイド部材取付具30を固定する。
2. ガイド部材取付工程
ガイド部材取付工程は、図6に示すように、建物の構造躯体200に固定したガイド部材取付具30に対してガイド部材20を取り付ける工程である。ガイド部材20は、その外周部に膜天井100の端縁部近傍を掛け回すことにより、膜天井100の端縁部近傍を、シワ等が形成されない整えられた状態にガイドするためのものとなっている。ガイド部材20は、このような機能を発揮できるのであれば、その具体的な形態を特に限定されない。しかし、ガイド部材20として中空な長尺部材を用いると、ガイド部材20を軽量化でき、天井の単位面積当たりの重量を削減することが可能になる。本実施態様の施工方法においては、断面「C」字状の溝型鋼材(いわゆるチャンネル鋼材)をガイド部材20として用いている。このほか、断面「ロ」字状の中空鋼材(いわゆる角パイプ)等もガイド部材20として好適に用いることができる。
既に述べたように、ガイド部材20は、長尺状となっているところ、本実施態様の施工方法においては、図2に示すように、所定ピッチで配された複数のガイド部材取付具30に対してガイド部材20を架け渡した状態で取り付けるようにしている。ガイド部材20をガイド部材取付具30におけるいずれの箇所にどのような方法で固定するかは、特に限定されない。本実施態様の施工方法においては、図6に示すように、ガイド部材取付具30における第三部分33に設けた固定ボルト挿通孔33aに固定ボルト300を挿通することによって固定している。
以上では、x軸方向負側の構造躯体200に固定したガイド部材取付具30に対してガイド部材20を取り付ける場合について説明したが、これと同様の手順で、x軸方向正側の構造躯体200に固定したガイド部材取付具30に対しても、ガイド部材20を取り付ける。膜天井100の四辺部を構造躯体200に支持させる場合には、建物におけるy軸方向負側の構造躯体200及びy軸方向正側の構造躯体200に固定したガイド部材取付具30に対しても、ガイド部材20を取り付ける。
3. 膜天井用支持具固定工程
3.1 膜天井用支持具固定工程の概要
膜天井用支持具固定工程は、図1に示すように、建物の構造躯体200に対して膜天井用支持具10を固定する工程である。膜天井用支持具10は、建物の構造躯体200に対して膜天井100の端縁部を支持させるためのものとなっている。膜天井100は、横方向(y軸方向)にある程度の幅を有しているため、膜天井用支持具10は、通常、構造躯体200における、膜天井100の端縁部に沿った複数箇所に固定される。これにより、膜天井100の端縁部をバランスよく膜天井用支持具10に支持させることが可能になる。
構造躯体200に対して膜天井用支持具10を固定するピッチ(y軸方向でのピッチ)は、膜天井100の重量等によっても異なり、特に限定されない。しかし、膜天井用支持具10を固定するピッチを狭くしすぎると、ガイド部材取付具30を固定するピッチを狭くした場合と同様、天井の単位面積当たりの重量が増大してしまい、施工した天井が上記の「特定天井」に該当して、天井脱落対策等を追加的に施す必要が生じる虞がある。このため、膜天井用支持具10は、膜天井100のほか、膜天井100の施工に供される他の部材(ガイド部材20や、ガイド部材取付具30や、吊下具40や、固定ボルト300等)を全て含めて、天井の単位面積当たりの重量が2kg/m以下に収めることができるピッチで固定することが好ましい。
一方、膜天井用支持具10を固定するピッチを広くしすぎると、天井の単位面積当たりの重量を抑えることができるものの、膜天井100における、ガイド部材20に掛け回される部分に、膜天井用支持具10の支持力(張力)が伝わりにくい箇所が生じやすくなり、昇降部材12を上昇させて膜天井100を張った状態にしたとしても、当該部分にシワ等が形成されやすい箇所が生じやすくなる虞がある。また、個々の膜天井用支持具10に加わる負荷が増大する虞もある。このため、膜天井用支持具10を固定するピッチは、5m以下とすることが好ましく、2m以下とすることがより好ましい。本実施態様の施工方法において、膜天井用支持具10を固定するピッチは、50cm程度としている。膜天井用支持具10は、図2に示すように、ガイド部材取付具30に併設した状態で固定することが好ましい。
以上では、x軸方向負側の構造躯体200に対して膜天井用支持具10を固定する場合について説明したが、これと同様の手順で、x軸方向正側の構造躯体200に対しても、膜天井用支持具10を固定する。膜天井100の四辺部を構造躯体200に支持させる場合には、建物におけるy軸方向負側の構造躯体200及びy軸方向正側の構造躯体200に対しても、膜天井用支持具10を固定する。
3.2 膜天井用支持具
ここで、膜天井用支持具固定工程で建物の構造躯体200に固定する膜天井用支持具10について説明する。膜天井用支持具10としては、図3及び図4に示すように、固定部材11と、昇降部材12と、操作部材13とを備えたものが用いられる。この膜天井用支持具10は、図5に示すように、操作部材13を操作することによって、固定部材11に対して昇降部材12を昇降させることが可能な構造を有している。以下、膜天井用支持部10を構成するこれらの部材についてより詳しく説明する。
3.2.1 固定部材
固定部材11は、建物の構造躯体200に対して固定するための部材である。図3及び図4に示すように、固定部材11には、昇降部材12が上下方向に昇降可能な状態で取り付けられる。また、固定部材11には、昇降部材12を昇降させるための操作部材13が、その操作部分13aを昇降部材12の下側から操作可能な状態で取り付けられる。固定部材11は、このような機能を発揮できるのであれば、その形態を限定されない。本実施態様の膜天井用支持具10において、固定部材11は、その両側の側縁部に沿って一対の案内溝11a,11bが互いに向き合う状態で設けられるとともに、その下部中央に操作部材保持部11cが設けられた金属製の板状部材となっている。
案内溝11a,11bは、昇降部材12の側縁部を案内するための部分であり、本実施態様の膜天井用支持具10においては、いずれも上下方向(z軸方向)に設けている。また、操作部材保持部11cは、操作部材13を、その操作部分13aが昇降部材12の下側となる状態で保持するための部分であり、本実施態様の膜天井用支持具10においては、固定部材11の下部中央から昇降部材12が配される側(x軸方向正側)に突出した状態で設けている。本実施態様の膜天井用支持具10は、後述するように、操作部材13として操作ボルトを用いたものであるため、以下においては、「操作部材保持部」を「操作ボルト保持部」と呼ぶことがある。
本実施態様の施工方法においては、固定部材11における、昇降部材12が取り付けられる側とは反対側の面(x軸方向負側の面)を建物の構造躯体200に宛がった状態で、構造躯体200に対して膜天井用支持具10を固定するようにしている。固定部材11を、構造躯体200に対してどのような方法で固定するかは、特に限定されないが、本実施態様の施工方法においては、固定部材11に設けた固定ボルト挿通孔11dに固定ボルト300を挿通することによって固定するようにしている。
3.2.2 昇降部材
昇降部材12は、膜天井100の端縁部を支持させるための部材である。既に述べたように、昇降部材12は、固定部材11に対して上下方向に昇降可能な状態で取り付けられるところ、この昇降部材12に膜天井100の端縁部を支持させることによって、図5に示すように、膜天井100の端縁部の高さを調節することができるようになっている。すなわち、操作部材13の操作部分13aを操作して昇降部材12を上昇させると、膜天井100の端縁部の位置を高くして、膜天井100を張った状態とし、操作部材13の操作部分13aを操作して昇降部材12を下降させると、膜天井100の端縁部の位置を低くして、膜天井100を弛んだ状態とすることができるようになっている。
膜天井用支持具10は、上記のように、昇降部材12を昇降させることによって、膜天井100の張り具合を調節するようになっているため、膜天井100の張り具合の調節の前後で、膜天井100の端縁部の水平位置(x軸方向での位置)が変化しないようになっている。加えて、本実施態様の施工方法では、図6に示すように、膜天井100の端縁部近傍をガイド部材20に掛け回す構造を採用したため、建物の構造躯体200と膜天井100の端縁部との間等に形成される隙間Bが、膜天井100の張り具合の調節の前後で変化しないようになっている。このため、施工後の膜天井100の見た目をよくすることが可能となっている。
昇降部材12は、固定部材11に対して昇降させることができ、且つ、膜天井100の端縁部を支持させる部分と操作部材13の操作力が作用する部分とを有するのであれば、その形態を限定されない。本実施態様の膜天井用支持具10においては、図3及び図4に示すように、昇降部材12として、平板状の案内部12aと、案内部12aから水平方向(x軸方向正側)に突出して設けられた膜天井支持部12bと、膜天井支持部12bの下側に設けた操作力作用部12c(図5を参照)とで構成された金属製の部材を用いている。
案内部12aは、昇降部材12を昇降させる際に、固定部材11の案内溝11a,11bに案内される部分である。案内部12aにおける両側の側縁部は、固定部材11の案内溝11a,11bに対して、上下方向にスライド可能な状態で挿入される。
膜天井支持部12bは、膜天井100の端縁部を支持させるための部分である。本実施態様の膜天井用支持具10では、後述するように、昇降部材12に固定された吊下具40に膜天井100の端縁部を吊り下げるようにしているため、昇降部材12における膜天井支持部12bには、吊下具40を固定するための吊下具固定孔12bを設けている。吊下具固定孔12bは、x軸方向に沿って細長い長孔状に形成している。このため、昇降部材12に対する吊下具40の固定位置を、長孔状の吊下具固定孔12bが設けられた範囲内で調節することができるようになっている。
したがって、例えば、図7に示すように、複数枚の天井膜100を側縁部同士が上下に重なり合った状態で複数列に施工する場合であって、隣り合う天井膜100における、上下に重なり合った部分(同図における重なり部Aを参照)の端縁部を1つの天井膜支持具10に支持させる場合であっても、一の天井膜100の端縁部を吊り下げる吊下具40と、他の天井膜100の端縁部を吊り下げる吊下具40とを、互いに干渉させることなく、吊下具固定孔12bにおける異なる位置に固定することができるようになっている。図7は、複数枚の天井膜100を側縁部同士が上下に重なり合った状態で複数列に施工した状態を示した断面斜視図(x軸に平行な平面で切断した状態を示した断面斜視図)である。図7においては、図示の便宜上、膜天井100の厚さ(z軸方向の厚さ)と、重なり部Aの幅(y軸方向の幅)を、実際よりも強調して模式的に描いている。
操作力作用部12cは、操作部材13の操作力が作用する部分である。操作部材13の操作力が操作力作用部12cに加わることによって、固定部材11に対して昇降部材12が昇降する。本実施態様の膜天井用支持具10は、後述するように、操作部材13として操作ボルトを用いているため、操作力作用部12cには、操作ボルト13のネジ軸部が螺合できる操作ボルト螺合孔12cを設けている。このため、以下においては、「操作力作用部」を、「操作ボルト螺合部」と呼ぶことがある。
3.2.3 操作部材
操作部材13は、昇降部材12を昇降させるための操作を行う部材である。操作部材13は、昇降部材12を昇降させることができ、且つ、昇降部材12の下側から操作可能な操作部分13aを有するものであれば、その形態を限定されない。本実施態様の膜天井用支持具10においては、図2〜4に示すように、操作部材13として、頭部13a及びネジ軸部13bで構成された金属製の操作ボルトを用いている。操作ボルト13は、頭部13aが下側でネジ軸部13bが上側となるように配される。操作ボルト13の頭部13aは、スパナ等の工具や、手等によって操作するための部分(操作部分)となっている。
一方、操作ボルト13のネジ軸部13bは、固定部材11の操作ボルト保持部11cに設けられた操作ボルト保持孔11cに対して、下側から挿通され、ネジ軸部13bの基端部(頭部13aが設けられた側(下側)の端部)を、操作ボルト保持部11cに保持された状態となっている。操作ボルト保持孔11cには、ネジ溝等が形成されておらず、ネジ軸部13bは、操作ボルト保持孔11cに対して空回りできる状態となっている。ネジ軸部13bの基端部における、操作ボルト保持部11cよりも上側に位置する部分には、ナット等の抜止部13cが設けられており、操作ボルト13が下側に抜け落ちないようになっている。
また、ネジ軸部13bの先端部(頭部13aが設けられた側とは反対側(上側)の端部)は、昇降部材12の操作ボルト螺合部12cに設けられた操作ボルト螺合孔12cに挿通された状態となっている。操作ボルト螺合孔12cの内周面には、ネジ軸部13bの外周面に形成されたネジ溝に螺合可能なネジ溝が螺旋状に形成されている。このため、膜天井用支持具10の下側から操作部材13の頭部13aを操作して回転させると、ネジ軸部13bも回転し、ネジ軸部13bに対する操作ボルト螺合残12cの螺合箇所が変化することによって、昇降部材12が上下方向に昇降するようになっている。
5. 膜天井支持工程
膜天井支持工程は、図1に示すように、建物の構造躯体200に固定された膜天井用支持具10における昇降部材12に対して膜天井100の端縁部を支持させる工程となっている。膜天井支持工程を行う際には、通常、膜天井用支持具10における昇降部材12は、下降した状態としておく。というのも、昇降部材12が上昇した状態であると、x軸方向負側の構造躯体200に固定された膜天井用支持具10に膜天井100の端縁部を支持させた後、x軸方向正側の構造躯体200に固定された膜天井用支持具10に膜天井100の端縁部を支持させようとしても、当該端縁部が、その膜天井用支持具10の昇降部材12に届かない虞があるからである。
膜天井100の端縁部は、昇降部材12に対して直接的に支持させてもよいが、本実施態様の施工方法では、昇降部材12に固定した吊下具40に吊り下げるようにしている。このため、膜天井100の端縁部には、吊下具40に係止するための係止具50を予め取り付けている。この係止具50は、膜天井100の端縁部に沿って設けたスライドレール60に対して長手方向(y軸方向)にスライド可能な状態で取り付けられており、膜天井用支持具10を固定したピッチに応じて、係止具50の位置を調節することができるようになっている。吊下具40と係止具50は、その形態を限定されないが、通常、フック状又はリング状とされる。本実施態様の施工方法では、脱落防止用の開閉片が設けられたフック(いわゆるナスカン)を吊下具40として用いており、吊下具40のフック部に係止可能なリングを係止具50として用いている。
膜天井100としては、可撓性を有する各種シートを用いることができる。膜天井100として用いるシートは、可撓性及び必要な強度を有するのであれば、その素材を限定されない。しかし、膜天井100として用いるシートが重たいものであると、施工した天井が上記の「特定天井」に該当しないようにするために、膜天井用支持具10やガイド部材取付具30の設置個数を減らす等しなければならない事態も生じ得る。このため、膜天井100として用いるシートは、単位面積当たりの重量が、3kg/m以下の素材で形成することが好ましく、2kg/m以下の素材で形成することがより好ましく、1kg/m以下の素材で形成することがさらに好ましい。このように軽量でありながらも、強靭なシートとしては、ガラス繊維や金属線等からなる基布を合成樹脂でコーティングした樹脂シートを挙げることができる。本実施態様の施工方法においては、ガラス繊維からなる基布を樹脂でコーティングした、厚さ1mm未満の樹脂シートを、膜天井100として用いており、その単位面積当たりの重量は、約0.5kg/mとなっている。
以上では、x軸方向負側の構造躯体200に固定した膜天井用支持具10に対して膜天井100を支持させる場合について説明したが、これと同様の手順で、x軸方向正側の構造躯体200に固定した膜天井用支持具10に対しても、膜天井100を支持させる。膜天井100の四辺部を構造躯体200に支持させる場合には、建物におけるy軸方向負側の構造躯体200及びy軸方向正側の構造躯体200に固定したガイド部材取付具30に対しても、膜天井100を支持させる。膜天井支持工程を終えると、膜天井100は、その両側の端縁部(x軸方向負側の端縁部及びx軸方向正側の端縁部)が、膜天井用支持具10から吊り下げられた状態となっている。
6. 張り具合調節工程
張り具合調節工程は、上記の膜天井支持工程で膜天井用支持具10に支持された膜天井100の張り具合を調節する工程である。既に述べたように、膜天井支持工程は、通常、膜天井用支持具10の昇降部材12を下降させた状態で行うため、膜天井支持工程を終えた段階では、膜天井10は、その中央部が垂れ下がって弛んだ状態となっていることが多い。張り具合調節工程では、この弛んだ状態にある膜天井10を、膜天井用支持具10の操作部材13を操作して昇降部材12を上昇させることによって、徐々に張った状態としていく。操作部材13の操作部分13aは、昇降部材12の下側に位置しているため、膜天井用支持具10の下側(図6における隙間Bの下側)から工具や手等を挿入することによって容易に操作することができる。このため、膜天井100の張り具合は、容易に調節することができる。
ところで、本実施態様の施工方法では、同じ側の構造躯体200(例えばx軸方向負側の構造躯体200)における複数箇所に膜天井用支持具10を固定したところ、同じ側の構造躯体200に固定された膜天井用支持具10の昇降部材12を別々に一気に上昇させると、膜天井100における、ガイド部材20に掛け回された部分等に、シワ等が形成される虞がある。このため、同じ側の構造躯体200に固定された膜天井用支持具10の昇降部材12の昇降操作は、その上昇具合が概ね揃うように、それぞれの膜天井用支持具10で並行して段階的に行うことが好ましい。膜天井100が所望の張り具合になると、操作部材13の操作をやめ、張り具合調節工程を終える。図7に示すように、複数枚の天井膜100を複数列に配列し、隣り合う天井膜100の側縁部近傍を重ね合わせた状態で施工する場合には、上側に重なる膜天井100から順に張り具合を調節していくとよい。
7. 用途
以上で述べた全ての工程を終えると、本実施態様の膜天井の施工方法は終了する。本実施態様の膜天井の施工方法の用途(施工する建物等)は、特に限定されない。しかし、本実施態様の膜天井の施工方法を採用すれば、耐震性や安全性に優れた膜天井を容易に施工することも可能である。このため、本実施態様の膜天井の施工方法は、高い耐震性や安全性が要求される建物の天井を施工する場合に好適に採用することができる。また、本実施態様の膜天井の施工方法を採用すれば、デザイン性に優れた膜天井を容易に施工することも可能である。このため、本実施態様の膜天井の施工方法は、デザイン性が要求される天井を施工する場合にも好適に採用することができる。本実施態様の膜天井の施工方法は、体育館や屋内プールやホールや駅等の比較的大規模な建物における大空間に膜天井を施工する場合だけでなく、一般家屋等の比較的小規模な建物における小空間に膜天井を施工する場合においても、好適に採用することができる。特に、学校の教室における天井が膜天井で置き換えられつつあることについては、既に述べたが、本実施態様の膜天井の施工方法は、教室に膜天井を施工する場合においても、好適に採用することができる。また、本実施態様の膜天井の施工方法は、上述したような建物内の部屋に膜天井を施工する場合だけでなく、屋外に膜天井(膜屋根)を施工する場合にも好適に採用することができる。
10 膜天井用支持具
11 固定部材
11a 案内溝
11b 案内溝
11c 操作ボルト保持部(操作部材保持部)
11c 操作ボルト保持孔
11d 固定ボルト挿通孔
12 昇降部材
12a 案内部
12b 膜天井支持部
12b 吊下具固定孔
12c 操作ボルト螺合部(操作力作用部)
12c 操作ボルト螺合孔
13 操作ボルト(操作部材)
13a 頭部(操作部分)
13b ネジ軸部
13c 抜止部
20 ガイド部材
30 ガイド部材取付具
31 第一部分
31a ボルト挿通孔
32 第二部分
33 第三部分
33a 固定ボルト挿通孔
40 吊下具
50 係止具
60 スライドレール
100 膜天井
200 建物の構造躯体
300 固定ボルト
A 重なり部
B 建物の構造躯体と膜天井の端縁部との間等に形成される隙間

Claims (5)

  1. 建物の構造躯体に対して膜天井の端縁部を支持させるための膜天井用支持具であって、
    建物の構造躯体に固定される固定部材と、
    固定部材に対して上下方向に昇降可能な状態で取り付けられた昇降部材と、
    昇降部材を昇降させるための操作部材と、
    を備え、
    昇降部材に対して膜天井の端縁部を支持させることが可能な構造とされるとともに、
    操作部材の操作部分が、昇降部材の下側に配された
    ことを特徴とする膜天井用支持具。
  2. 操作部材が、頭部及びネジ軸部で構成された操作ボルトとされるとともに、
    ネジ軸部が上向きに配された操作ボルトの頭部付近を保持するための操作ボルト保持部が、固定部材における、昇降部材が取り付けられた部分よりも下側に設けられる一方、
    操作ボルト保持部から上側に突出した操作ボルトのネジ軸部を螺合するための操作ボルト螺合部が、昇降部材に設けられ、
    操作ボルトの頭部を前記操作部分として回転操作することによって、昇降部材を昇降させることができるようにした
    請求項1記載の膜天井用支持具。
  3. 昇降部材を上下方向に案内するための一対の案内溝が、固定部材に設けられた請求項1又は2記載の膜天井用支持具。
  4. 膜天井の端縁部を昇降部材から吊り下げるための吊下具を備え、
    吊下具を固定するための吊下具固定孔が、昇降部材に長孔状に形成された
    請求項1〜3いずれか記載の膜天井用支持具。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の膜天井用支持具を用いることを特徴とする膜天井の施工方法。
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