JP6083478B2 - セパレータ、非水電解質電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム - Google Patents
セパレータ、非水電解質電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP6083478B2 JP6083478B2 JP2016013710A JP2016013710A JP6083478B2 JP 6083478 B2 JP6083478 B2 JP 6083478B2 JP 2016013710 A JP2016013710 A JP 2016013710A JP 2016013710 A JP2016013710 A JP 2016013710A JP 6083478 B2 JP6083478 B2 JP 6083478B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- separator
- battery
- negative electrode
- porosity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Cell Separators (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
基材の少なくとも一方の面に形成され、表面が凹凸形状を有し、基材より高い空孔率を有する多孔質の表面層と
を有し、
表面層は、多孔質の複数の凸部と空隙として存在する複数の凹部とを有し、厚み方向において、複数の凹部のうちの最も低い部分から、複数の凸部のうちの最も高い部分までからなる第1の層と、
該第1の層と基材との間に形成される多孔質の第2の層と
を備え、
第2の層は、基材よりも高い空孔率を有し、
第1の層は、第2の層よりも高い空孔率を有し、
第1の層の厚みは、第2の層の厚みと同等または第2の層の厚みよりも厚いことを特徴とする。
非水電解質と
を備え、
セパレータが、
多孔質膜からなる基材と、
基材の少なくとも一方の面に形成され、表面が凹凸形状を有し、基材より高い空孔率を有する多孔質の表面層と
を有し、
表面層は、多孔質の複数の凸部と空隙として存在する複数の凹部とを有し、厚み方向において、複数の凹部のうちの最も低い部分から、複数の凸部のうちの最も高い部分までからなる第1の層と、
該第1の層と基材との間に形成される多孔質の第2の層と
を備え、
第2の層は、基材よりも高い空孔率を有し、
第1の層は、第2の層よりも高い空孔率を有し、
第1の層の厚みは、第2の層の厚みと同等または第2の層の厚みよりも厚いことを特徴とする。
1.第1の実施の形態(本技術のセパレータの例)
2.第2の実施の形態(本技術のセパレータを用いた円筒型非水電解質電池の例)
3.第3の実施の形態(本技術のセパレータを用いた角型非水電解質電池の例)
4.第4の実施の形態(本技術のセパレータを用いたラミネートフィルム型非水電解質電池の例)
5.第5の実施の形態(本技術のセパレータを用いたラミネートフィルム型非水電解質電池の電池パックの例)
6.第6の実施の形態(非水電解質電池を用いた電池パックの例)
7.第7の実施の形態(非水電解質電池を用いた蓄電システム等の例)
第1の実施の形態に係るセパレータは、基材の少なくとも一方の面に、空孔率の異なる2層が積層された表面層を形成したものである。以下、本技術のセパレータについて詳細に説明する。
第1の実施の形態に係るセパレータ1は、図1に示すように、多孔質膜からなる基材2と、基材2の少なくとも一方の面に形成される表面層3とを備える。セパレータ1は、電池内において正極と負極とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止するとともに、非水電解質が含浸される。セパレータ1の表面層3は、充電に伴う電極の膨張時においても、充放電反応を阻害する程度まで空孔に目潰れが生じない様にしたものである。
基材2は、イオン透過度が大きく、所定の機械的強度を有する絶縁性の膜から構成される多孔質膜である。非水電解質電池にセパレータ1が適用された場合には、基材2の空孔に非水電解液が保持される。基材2は、セパレータ1の主要部として所定の機械的強度を有する一方で、非水電解液に対する耐性が高く、反応性が低く、膨張しにくいという特性を要する。また、巻回構造を有する電極体に用いられる場合には、柔軟性も必要とされる。
表面層3は、基材2の少なくとも一方の面に形成されるものであり、充電に伴う負極の膨張をその一部が潰れることによって吸収するとともに、負極の膨張時においても、表面全面に亘って空孔が目潰れしないようにした多孔質層である。非水電解質電池にセパレータ1が適用された場合には、表面層3の空孔に非水電解液が保持される。
図2に示すように、セパレータ1の最表面とされる高空孔率層3bは、断面凹凸状とされ、複数形成された凸部の先端が正極もしくは負極と接するように構成されている。高空孔率層3bとは、樹脂材料と無機粒子とで構成された凸部と、空隙として存在する凹部とを含めた部分を言うものとする。また、図2に示すように、本技術における高空孔率層3bは、厚み方向において、複数の凹部のうち最も低い部分から、複数の凸部のうち最も高い部分までを言うものとする。なお、形成される複数の凸部のそれぞれの高さは全て同じである必要はなく、互いに異なっていてもよい。
空孔率[%]={1−(高空孔率層3bの体積密度)/(高空孔率層3bの固形分の平均比重)}×100 ・・・(1)
また、高空孔率層3bにおける固形分の平均比重は、下記の式(2)から算出することができる。
固形分の平均比重[g/cm3]=(質量W1+質量W2+・・・+質量Wn)/{(質量W1/真密度d1)+(質量W2/真密度d2)+・・・+(質量Wn/真密度dn)} ・・・(2)
なお、式(2)において、質量W1〜質量Wnおよび真密度d1〜真密度dnは、高空孔率層3bの固形分を構成する樹脂材料または無機粒子のいずれかからなるi種類(i=1,2・・・,n)の材料の質量(Wi[g]、i=1,2・・・,n)および真密度(di[g/cm3]、i=1,2・・・,n)を示す。
固形分の平均比重[g/cm3]=(樹脂材料質量+無機粒子質量)/{(樹脂材料質量/樹脂材料真密度)+(無機粒子質量/無機粒子真密度)} ・・・(3)
低空孔率層3aは、基材2と高空孔率層3bとの間に形成され、樹脂材料と無機粒子とを含有する多孔質層である。低空孔率層3aは、基材2の少なくとも一方の面の全面または表面の一部を除く領域に形成され、低空孔率層3aの表面に形成された高空孔率層3bの凸部にかかる荷重を分散して支える機能を有する。すなわち、低空孔率層3aは、高空孔率層3bよりもさらに高い強度を有し、電極が膨張して高空孔率層3bに荷重がかかった場合に、基材2と高空孔率層3bとの間に位置して目潰れを発生することなく高空孔率層3bを支えるクッション層として機能する。これにより、高空孔率層3bの凸部のみに過剰な荷重がかかって高空孔率層3bの凸部の空孔に目潰れが生じることを抑制する。
本技術のセパレータの他の例として、低空孔率層を設けず、基材と高空孔率層とが積層された構成を挙げることができる。高空孔率層の凸部に一定の強度がある場合には、低空孔率層を設けることなく負極の膨張を効果的に吸収することができる。
以下、表面層3を設けたセパレータ1の製造方法について説明する。
まず、表面層3を形成するための樹脂溶液を調製する。表面層3を構成する樹脂材料と無機粒子とを所定の質量比で混合し、N−メチル−2−ピロリドン等の分散溶媒に添加し、樹脂材料を溶解させて、樹脂溶液を得る。
高空孔率層3b形成時において、浴槽に加える超音波のエネルギーを調整する。超音波のエネルギーが大きいほど完成後の高空孔率層3bの表面の凹凸形状を粗く、すなわち高空孔率層3bの空孔率を高くすることができる。
樹脂溶液は、樹脂溶液中における固形分(無機粒子と樹脂材料と合計量)の濃度を所望の濃度に調整して用いる。樹脂溶液中における固形分の比率が多いほど、完成後の低空孔率層3aおよび高空孔率層3bの空孔率を低くすることができる。
表面層3における体積あたりの無機粒子の質量を調整する。無機粒子の質量が多いほど、完成後の低空孔率層3aおよび高空孔率層3bの空孔率を低くすることができる。
セパレータの第1の製造方法と同様にして調製した樹脂溶液を、基材2の少なくとも一方の面に均一に塗布する。この後、表面に凹凸形状を有する金属版等を用いて、塗布した樹脂溶液の表面に凹凸形状を転写する。表面に凹凸形状を有する金属板からなる版(以下、金属版と適宜称する)の表面形状は、図4に一例を示す種々の形状に対応する凹凸形状とすることができる。
表面に凹凸形状を有するローラ等の表面に樹脂溶液を塗布して、高空孔率層3bを形成するための樹脂溶液を転写する方法を用いる場合には、高空孔率層3bの凸部の面積割合が少ないほど高空孔率層3bの空孔率を高くすることができる。高空孔率層3bの凸部の面積割合は、ローラ等の表面の凹凸形状を変えることで調整することができる。すなわち、高空孔率層3bの凸部に対応する、ローラ等の表面の凹部の面積割合が少ないほど、高空孔率層3bの凸部の面積割合を少なくすることができ、高空孔率層3bの空孔率を高く形成することができる。また、高空孔率層3bの凸部の高さ(凸部と凹部との高低差)が大きいほどより高空孔率層3bの空孔率を高くすることができる。凸部の高さは、ローラ等の表面の凹凸形状と、樹脂溶液の粘度によって調整することができる。すなわち、高空孔率層3bの凸部に対応する、ローラ等の表面の凹部と、高空孔率層3bの凹部に対応する、ローラ等の表面の凸部との高低差が大きいほど、高空孔率層3bの凸部の高さを高くすることができ、高空孔率層3bの空孔率を高く形成することができる。樹脂溶液の粘度は、樹脂溶液中における固形分比率によって調整することができる。
表面層3を構成する樹脂材料と無機粒子とを所定の質量比で混合し、2−ブタノン(メチルエチルケトン;MEK)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の分散溶媒に添加し、溶解させて、樹脂溶液を得る。続いて、この樹脂溶液を、基材2の少なくとも一方の面に塗布する。
本技術の表面層3は、基材2と正極および負極の少なくとも一方との境界に存在すればよく、必ずしもセパレータ1の一部(表面層3)である必要はない。すなわち、本技術の他の例として、従来の構成(基材2のみからなる構成)を有するセパレータを用い、正極表面もしくは負極表面の少なくとも一方に低空孔率層および高空孔率層からなる表面層を形成することも考えられる。正極表面もしくは負極表面の少なくとも一方に表面層を形成する場合には、1枚のセパレータを介して対向する正極および負極の少なくとも一方に必ず表面層が形成されるようにする。また、本技術の製造方法を用いて正極表面に本技術の表面層を形成する場合、正極表面に低空孔率層を形成し、さらに低空孔率層表面に高空孔率層を形成する。負極表面に本技術の表面層を形成する場合も同様である。
本技術の第1の実施の形態のセパレータは、空孔率60%を超える無機粒子を含む多孔質層を形成することは困難であるという従来の問題点を解消し、負極膨張時にセパレータが圧縮された場合であっても、セパレータの空孔潰れが電池反応を阻害しない程度とすることができる。
第2の実施の形態では、第1の実施の形態にかかるセパレータを用いた円筒型非水電解質電池について説明する。
[非水電解質電池の構造]
図6は、第2の実施の形態にかかる非水電解質電池10の一例を示す断面図である。非水電解質電池10は、例えば充電および放電が可能な非水電解質二次電池である。この非水電解質電池10は、いわゆる円筒型と呼ばれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、図示しない液体状の非水電解質(以下、非水電解液と適宜称する)とともに帯状の正極21と負極22とが本技術のセパレータ1を介して巻回された巻回電極体20を有している。
正極21は、正極活物質を含有する正極活物質層21Bが、正極集電体21Aの両面上に形成されたものである。正極集電体21Aとしては、例えばアルミニウム(Al)箔、ニッケル(Ni)箔あるいは、ステンレス(SUS)箔等の金属箔を用いることができる。
負極22は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、負極集電体22Aの片面のみに負極活物質層22Bを設けるようにしてもよい。負極集電体22Aは、例えば、銅箔等の金属箔により構成されている。
セパレータ1は、第1の実施の形態と同様である。
非水電解液は、電解質塩と、この電解質塩を溶解する非水溶媒とを含む。
[正極の製造方法]
正極活物質と、導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドン等の溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーを作製する。次に、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し溶剤を乾燥させ、ロールプレス機等により圧縮成型することにより正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製する。
負極活物質と、結着剤とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドン等の溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーを作製する。次に、この負極合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布し溶剤を乾燥させ、ロールプレス機等により圧縮成型することにより負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製する。
非水電解液は、非水溶媒に対して電解質塩を溶解させて調製する。
正極集電体21Aに正極リード25を溶接等により取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード26を溶接等により取り付ける。その後、正極21と負極22とを本技術のセパレータ1を介して巻回し巻回電極体20とする。なお、負極活物質として金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料を用いる場合には、少なくとも負極22側面に対して、本技術のセパレータ1の低空孔率層3aおよび高空孔率層3bからなる表面層3が設けられるようにする。
本技術のセパレータを用いた円筒型非水電解質電池では、充放電に伴う電極(特に負極)の膨張収縮を、セパレータ1の高空孔率層3bで吸収することができ、セパレータ1全体として、表面における空孔の目潰れ、目詰まりを抑制することができる。このため、充放電に伴う円筒型非水電解質電池の電池特性の低下を抑制することができる。
第3の実施の形態では、第1の実施の形態にかかるセパレータを用いた角型非水電解質電池について説明する。
図8は、第3の実施の形態にかかる非水電解質電池40の構成を表すものである。この非水電解質電池は、いわゆる角型電池といわれるものであり、巻回電極体40を角型の外装缶31内に収容したものである。
セパレータは、第1の実施の形態と同様の構成である。
非水電解液は、第2の実施の形態に記載されたものを用いることができる。また、第2の実施の形態で記載したような、非水電解液を高分子化合物に保持させたゲル電解質を用いてもよい。
この非水電解質電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
正極および負極は、第2の実施の形態と同様の方法により作製することができる。
第2の実施の形態と同様にして、正極と負極と、本技術のセパレータと順に積層および巻回し、小判型に細長く巻回された巻回電極体40を作製する。続いて、巻回電極体40を例えばアルミニウム(Al)、鉄(Fe)等の金属よりなる角型缶である外装缶31内に収容する。
第3の実施の形態は、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
第4の実施の形態では、第1の実施の形態にかかるセパレータを用いたラミネートフィルム型非水電解質電池について説明する。
図9は、第4の実施の形態にかかる非水電解質電池62の構成を表すものである。この非水電解質電池62は、いわゆるラミネートフィルム型といわれるものであり、正極リード51および負極リード52が取り付けられた巻回電極体50をフィルム状の外装部材60の内部に収容したものである。
正極53は、正極集電体53Aの片面あるいは両面に正極活物質層53Bが設けられた構造を有している。正極集電体53A、正極活物質層53Bの構成は、上述した第2の実施の形態の正極集電体21Aおよび正極活物質層21Bと同様である。
負極54は、負極集電体54Aの片面あるいは両面に負極活物質層54Bが設けられた構造を有しており、負極活物質層54Bと正極活物質層53Bとが対向するように配置されている。負極集電体54A、負極活物質層54Bの構成は、上述した第2の実施の形態の負極集電体22Aおよび負極活物質層22Bと同様である。
セパレータ1は、第1の実施の形態と同様である。
ゲル電解質56は非水電解質であり、非水電解液と非水電解液を保持する保持体となる高分子化合物とを含み、いわゆるゲル状となっている。ゲル状の電解質は高いイオン伝導率を得ることができると共に、電池の漏液を防止することができるので好ましい。なお、第4の実施の形態における非水電解質電池62においては、ゲル電解質56の代わりに第2の実施の形態と同様の非水電解液を用いてもよい。
この非水電解質電池62は、例えば、次のようにして製造することができる。
正極53および負極54は、第2の実施の形態と同様の方法により作製することができる。
正極53および負極54のそれぞれの両面に、非水電解液と、高分子化合物と、混合溶剤とを含む前駆溶液を塗布し、混合溶剤を揮発させてゲル電解質56を形成する。そののち、正極集電体53Aの端部に正極リード51を溶接により取り付けると共に、負極集電体54Aの端部に負極リード52を溶接により取り付ける。
第4の実施の形態では、巻回電極体50が外装部材60で外装された非水電解質電池62について説明したが、図11A〜図11Cに示すように、巻回電極体50の代わりに積層電極体70を用いてもよい。図11Aは、積層電極体70を収容した非水電解質電池62の外観図である。図11Bは、外装部材60に積層電極体70が収容される様子を示す分解斜視図である。図11Cは、図11Aに示す非水電解質電池62の底面側からの外観を示す外観図である。
第4の実施の形態では、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。特に、ラミネートフィルムを外装材として用いた電池においては、金属缶のような電極体と異なり、電池厚みの増大が生じ易いが、本技術のセパレータを用いることにより、サイクルの進行に伴う素子厚の著しい増大を低減することができる。
第5の実施の形態では、第1の実施の形態にかかるセパレータを用いたラミネートフィルム型非水電解質電池の電池パックの例について説明する。
図12は、第5の実施の形態にかかる電池パック90の一構成例を示す斜視図である。図13は、電池セル80の構造を示す分解斜視図である。図14は、第5の実施の形態にかかる電池セル80の製造途中の状態を示す上面図および側面図である。図15は、電池セル80における断面構造を示す断面図である。
図13および図14に示すように、この外装材は、巻回電極体50を収納するための凹部86が設けられた軟質ラミネートフィルム85と、この軟質ラミネートフィルム85上に凹部86を覆うようにして重ねられる硬質ラミネートフィルム83とからなる。
軟質ラミネートフィルム85は、第4の実施の形態における外装部材60と同様の構成を有している。特に、軟質ラミネートフィルム85は、金属層として軟質の金属材料、例えば焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS A8021P−O)または(JIS A8079P−O)等が用いられる点に特徴を有している。
軟質ラミネートフィルム85は、曲げた後の形状を維持し、外部からの変形に耐える機能を有する。このため、金属層として硬質の金属材料、例えばアルミニウム(Al)、ステンレス(SUS)、鉄(Fe)、銅(Cu)あるいはニッケル(Ni)等の金属材料が用いられ、特に焼きなまし処理なしの硬質アルミニウム(JIS A3003P−H18)または(JIS A3004P−H18)、もしくはオーステナイト系ステンレス(SUS304)等が用いられる点に特徴を有している。
巻回電極体50は、第4の実施の形態と同様の構成とすることができる。また、第4の実施の形態の他の例で説明した積層電極体70を用いてもよい。
電池セル80に注液される非水電解液もしくは正極53および負極54の表面に形成されるゲル電解質は、第2の実施の形態と同様の構成とすることができる。
セパレータ1は、第1の実施の形態と同様である。
回路基板81は、巻回電極体50の正極リード51および負極リード52が電気的に接続されるものである。回路基板81には、ヒューズ、熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)、サーミスタ等の温度保護素子を含む保護回路の他、電池パックを識別するためのID抵抗等がマウントされ、更に複数個(例えば3個)の接点部が形成されている。保護回路には、充放電制御FET(Field Effect Transistor;電界効果トランジスタ)、電池セル80の監視と充放電制御FETの制御を行うIC(Integrated Circuit)等が設けられている。
トップカバー82aは、電池セル80のトップ側開口に嵌合されるものであり、トップカバー82aの外周の一部または全部に沿って、トップ側開口に嵌合するための側壁が設けられている。電池セル80とトップカバー82aとは、トップカバー82aの側壁と、硬質ラミネートフィルム83の端部内面とが熱融着されて接着される。
ボトムカバー82bは、電池セル80のボトム側開口に嵌合されるものであり、ボトムカバー82bの外周の一部または全部に沿って、ボトム側開口に嵌合するための側壁が設けられている。電池セル80とボトムカバー82bとは、ボトムカバー82bの側壁と、硬質ラミネートフィルム83の端部内面とが熱融着されて接着される。
軟質ラミネートフィルム85の凹部86に巻回電極体50を収容し、凹部86を覆うように硬質ラミネートフィルム83が配置される。このとき、硬質ラミネートフィルム83の内側樹脂層と、軟質ラミネートフィルム85の内側樹脂層とが対向するように硬質ラミネートフィルム83と軟質ラミネートフィルム85とを配設する。この後、硬質ラミネートフィルム83および軟質ラミネートフィルム85を、凹部86の周縁に沿って封止する。封止は、図示しない金属製のヒータヘッドを用い、硬質ラミネートフィルム83の内側樹脂層と、軟質ラミネートフィルム85の内側樹脂層とを減圧しながら熱融着することにより行う。
続いて、電池セル80から導出された正極リード51と負極リード52とを回路基板81に接続した後、回路基板81を、トップカバー82aに収納し、トップカバー82aを電池セル80のトップ側開口に嵌合する。また、ボトムカバー82bを、電池セル80のボトム側開口に嵌合する。
第5の実施の形態では、第4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
第6の実施の形態では、第1の実施の形態にかかるセパレータを用いた非水電解質電池が備えられた電池パックについて説明する。
第7の実施の形態では、第2〜第4の実施の形態にかかる非水電解質電池および第5および第6の実施の形態にかかる電池パックを搭載した電子機器、電動車両および蓄電装置等の機器について説明する。第2〜第5の実施の形態で説明した非水電解質電池および電池パックは、電子機器や電動車両、蓄電装置等の機器に電力を供給するために使用することができる。
本技術の非水電解質電池を用いた蓄電装置を住宅用の蓄電システムに適用した例について、図17を参照して説明する。例えば住宅101用の蓄電システム100においては、火力発電102a、原子力発電102b、水力発電102c等の集中型電力系統102から電力網109、情報網112、スマートメータ107、パワーハブ108等を介し、電力が蓄電装置103に供給される。これと共に、家庭内発電装置104等の独立電源から電力が蓄電装置103に供給される。蓄電装置103に供給された電力が蓄電される。蓄電装置103を使用して、住宅101で使用する電力が給電される。住宅101に限らずビルに関しても同様の蓄電システムを使用できる。
本技術を車両用の蓄電システムに適用した例について、図18を参照して説明する。図18に、本技術が適用されるシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッド車両の構成の一例を概略的に示す。シリーズハイブリッドシステムはエンジンで動かす発電機で発電された電力、あるいはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、電力駆動力変換装置で走行する車である。
下記の実施例1−1〜実施例1−72および比較例1−1〜比較例1−3では、表面層を構成する低空孔率層および高空孔率層の各厚みおよび各空孔率を調整したセパレータを用いて、本技術の効果を確認した。
[正極の作製]
正極活物質であるコバルト酸リチウム(LiCoO2)91質量%と、導電材であるカーボンブラック6質量%と、結着材であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)3質量%とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤を分散媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させて正極合剤スラリーとした。この正極合剤スラリーを厚さ12μmの帯状アルミニウム箔からなる正極集電体の両面に、正極集電体の一部が露出するようにして塗布した。この後、塗布した正極合剤スラリーの分散媒を蒸発・乾燥させ、ロールプレスにて圧縮成型することにより、正極活物質層を形成した。最後に、正極端子を正極集電体露出部に取り付け、正極を形成した。
負極活物質であるシリコン(Si)粒子85質量%と、導電材であるカーボンブラック
10質量%と、結着材であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)5質量%とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤を分散媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させて負極合剤スラリーとした。この負極合剤スラリーを厚さ15μmの帯状銅箔からなる負極集電体の両面に、負極集電体の一部が露出するようにして塗布した。この後、塗布した負極合剤スラリーの分散媒を蒸発・乾燥させ、ロールプレスにて圧縮成型することにより、負極活物質層を形成した。最後に、負極端子を正極集電体露出部に取り付け、負極を形成した。
まず、基材の両面に第1の表面層である低空孔率層を形成した。基材として厚さ9μm、空孔率35%のポリエチレン(PE)製微多孔性フィルムを用いた。この基材の両面に、下記の様にして表面層を形成した。まず、無機粒子である平均粒径0.3μmのアルミナ粒子と、樹脂材料であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを質量比で9:1となるように混合し、2−ブタノン(MEK)に分散させて樹脂溶液を作製した。続いて、この樹脂溶液を、基材の両面に同じ厚みかつ均一に塗布した。なお、アルミナ粒子と、樹脂材料であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを質量比で9:1で混合した場合、体積比での混合比は、アルミナの比重3.95[g/cm3]とポリフッ化ビニリデンの比重1.75[g/cm3]とから、樹脂材料:ポリフッ化ビニリデンはほぼ80:20((9÷3.95):(1÷1.75))である。また、アルミナとポリフッ化ビニリデンとを質量比9:1で混合した樹脂溶液は、その比重が3.5g/cm3(10÷(9÷3.95+1÷1.75))であった。
炭酸エチレン(EC)と炭酸ビニレン(VC)と炭酸ジエチル(DEC)とを、質量比で炭酸エチレン(EC)と炭酸ビニレン(VC)と炭酸ジエチル(DEC)=30:10:60で混合した非水溶媒に対して、電解質塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1mol/dm3の濃度で溶解させることにより、非水電解液を調製した。
正極および負極と、表面層が両面に形成されたセパレータとを、正極、セパレータ、負極、セパレータの順に積層し、長手方向に多数回巻回させた後、巻き終わり部分を粘着テープで固定することにより巻回電極体を形成した。次に、正極端子を電池蓋と接合された安全弁に接合すると共に、負極リードを負極缶に接続した。巻回電極体を一対の絶縁板で挟んで電池缶の内部に収納した後、巻回電極体の中心にセンターピンを挿入した。
空孔率が25%または40%のポリエチレン(PE)微多孔膜を基材としてそれぞれ用いた以外は、実施例1−1と同様にしてセパレータをそれぞれ作製した。このセパレータをそれぞれ用いて、実施例1−2および実施例1−3の円筒型電池を作製した。
セパレータの低空孔率層形成時において、樹脂溶液の分散溶媒量を増やし、樹脂溶液中の固形分濃度を下げることにより、低空孔率層の空孔率が40%、45%または65%となるようにした以外は実施例1−1と同様にしてセパレータをそれぞれ作製した。このセパレータをそれぞれ用いて、実施例1−4〜実施例1−6の円筒型電池を作製した。
セパレータの高空孔率層形成時において、樹脂溶液が転写される部分の面積比を調整することにより、高空孔率層の空孔率が60%、65%、70%、80%または85%となるようにした以外は実施例1−1と同様にしてセパレータをそれぞれ作製した。このセパレータをそれぞれ用いて、実施例1−7〜実施例1−11の円筒型電池を作製した。
低空孔率層を形成せず、片面厚さ7μm(両面厚さ合計14μm)、空孔率90%の高空孔率層を形成した以外は実施例1−1と同様にしてセパレータを作製した。このセパレータを用いて、実施例1−12の円筒型電池を作製した。
低空孔率層を形成せず、片面厚さ7μm(両面厚さ合計14μm)、空孔率60%の表面均一な高空孔率層を、相分離により形成した以外は実施例1−1と同様にしてセパレータを作製した。このセパレータを用いて、実施例1−13の円筒型電池を作製した。
低空孔率層を形成せず、片面厚さ7μm(両面厚さ合計14μm)、空孔率70%の高空孔率層を、相分離により形成した以外は実施例1−1と同様にしてセパレータを作製した。このセパレータを用いて、実施例1−14の円筒型電池を作製した。なお、高空孔率層表面の凹凸形状は、相分離時に浴槽に加える超音波のエネルギーを実施例1−13よりも強くすることにより調整した。
セパレータの高空孔率層形成時において、樹脂溶液の塗布を、図4Bに示す格子状の形状に対応する凹凸を表面に有するロールを用いた以外は実施例1−1と同様にして、表面形状が格子状であるセパレータを作製した。このセパレータを用いて、実施例1−15の円筒型電池を作製した。
セパレータの高空孔率層形成時において、樹脂溶液の塗布を、図4Cに示すドット状の形状に対応する凹凸を表面に有するロールを用いた以外は実施例1−1と同様にして、表面形状がドット状であるセパレータを作製した。このセパレータを用いて、実施例1−16の円筒型電池を作製した。
セパレータの高空孔率層形成時において、樹脂溶液の塗布を、図4Dに示すピンホール状の形状に対応する凹凸を表面に有するロールを用いた以外は実施例1−1と同様にして、表面形状がピンホール状であるセパレータを作製した。このセパレータを用いて、実施例1−17の円筒型電池を作製した。
セパレータの高空孔率層形成時において、樹脂溶液の塗布を、図4Eに示すハニカム状の形状に対応する凹凸を表面に有するロールを用いた以外は実施例1−1と同様にして、表面形状がハニカム状であるセパレータを作製した。このセパレータを用いて、実施例1−18の円筒型電池を作製した。
負極活物質層形成時に、負極活物質としてシリコン粉末の代わりに炭素スズ複合材料を用いた。炭素スズ複合材料としては、スズ(Sn)とコバルト(Co)と炭素(C)とを構成元素として含み、組成がスズの含有量が22質量%、コバルトの含有量が55質量%、炭素の含有量が23質量%、スズおよびコバルトの合計に対するスズの割合(Co/(Sn+Co))が71.4質量%であるSnCoC含有材料を用いた。
負極活物質層形成時に、負極活物質としてシリコン粉末の代わりにチタン酸リチウム(Li4Ti5O12)を用いた。負極活物質としてチタン酸リチウム(Li4Ti5O12)85質量%と、導電剤として黒鉛10質量%と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)5質量%とを混合して負極合剤とした。続いて、N−メチル−2−ピロリドンに負極合剤を分散させて、ペースト状の負極合剤スラリーを調製した。この負極合剤スラリーを用いた以外は実施例1−1〜実施例1−18と同様にして実施例1−37〜実施例1−54の円筒型電池をそれぞれ作製した。
負極活物質層形成時に、負極活物質としてシリコン粉末の代わりに黒鉛を用いた。負極活物質として平均粒径20μmの粒状黒鉛粉末96質量%と、結着材としてスチレン−ブタジエン共重合体のアクリル酸変性体1.5質量%と、増粘材としてカルボキシメチルセルロース1.5質量%とを混合して負極合剤とし、さらに適量の水を加えて攪拌することにより、負極合剤スラリーを調製した。この負極合剤スラリーを用いた以外は実施例1−1〜実施例1−18と同様にして実施例1−55〜実施例1−72の円筒型電池をそれぞれ作製した。
セパレータとして表面層を設けていない厚さ23μmのポリエチレン製微多孔性フィルムを用いたこと以外は実施例1−1と同様にして比較例1−1の円筒型電池を作製した。
セパレータとして表面層を設けず、かつセパレータの膨張吸収分として、セパレータと負極との間に7μmの間隙を設けると共に、セパレータと正極との間に7μmの間隙を設けて、合計14μmの間隙を設けた以外は実施例1−1と同様にして比較例1−2の円筒型電池を作製した。
セパレータの高空孔率層における空孔率が50%となるように形成したこと以外は実施例1−1と同様にして比較例1−3の円筒型電池を作製した。
(a)サイクル試験
作製した実施例1−1〜実施例1−36、実施例1−55〜実施例1−72および比較例1−1〜比較例1−3の円筒型電池について、23℃の雰囲気下において1Cの充電電流で電池電圧4.2Vまで定電流充電を行った後、4.2Vにて定電圧充電を行い、充電電流が0.5mAとなった時点で充電を終了した。その後、1Cの放電電流で電池電圧3.0Vまで定電流放電を行い、このときの放電容量を測定して初回容量とした。なお、「1C」とは、理論容量を1時間で放電しきる電流値である。続いて、上述の充放電条件と同様の条件で500サイクルまで充放電を行い、500サイクル目の放電容量を測定した。下記の式から、容量維持率を算出した。
容量維持率[%]=(500サイクル目の放電容量/初回容量)×100
作製した各実施例および各比較例の円筒型電池について、上述のサイクル試験と同条件で初回充電を行った後、解体してセパレータの低空孔率層および高空孔率層のそれぞれの空孔率および厚みを測定した。また、上述のサイクル試験と同条件で500サイクルまで充放電を行った円筒型電池についても同様に解体し、セパレータの低空孔率層および高空孔率層のそれぞれの空孔率および厚みを測定した。
実施例2−1〜実施例2−70および比較例2−1では、セパレータの表面層を構成する無機粒子と樹脂材料とを変更して本技術の効果を確認した。
実施例1−1と同様にして、厚さ9μmのポリエチレン製微多孔性フィルム上に、無機粒子としてアルミナ(Al2O3)を用いると共に、樹脂材料としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を用いて、片面厚さ1μm(両面厚さ合計2μm)、空孔率60%の低空孔率層と、片面厚さ6μm(両面厚さ合計12μm)、空孔率90%の高空孔率層を有するセパレータを作製した。このセパレータと、負極活物質としてシリコン(Si)粉末とを用いた円筒型電池を作製した。
セパレータの表面層に用いる樹脂材料として、ポリフッ化ビニリデンの代わりにポリイミドを用いたこと以外は実施例2−1と同様にして円筒型電池を作製した。
セパレータの表面層に用いる樹脂材料として、ポリフッ化ビニリデンの代わりにアラミド(全芳香族ポリアミド)を用いたこと以外は実施例2−1と同様にして円筒型電池を作製した。
セパレータの表面層に用いる樹脂材料として、ポリフッ化ビニリデンの代わりにポリアクリロニトリルを用いたこと以外は実施例2−1と同様にして円筒型電池を作製した。
セパレータの表面層に用いる樹脂材料として、ポリフッ化ビニリデンの代わりにポリビニルアルコールを用いたこと以外は実施例2−1と同様にして円筒型電池を作製した。
セパレータの表面層に用いる樹脂材料として、ポリフッ化ビニリデンの代わりにポリエーテルを用いたこと以外は実施例2−1と同様にして円筒型電池を作製した。
セパレータの表面層に用いる樹脂材料として、ポリフッ化ビニリデンの代わりにアクリル酸樹脂を用いた以外は実施例2−1と同様にして円筒型電池を作製した。
セパレータの表面層に用いる無機粒子として、アルミナの代わりにジルコニア(ZrO2)を用いたこと以外は、実施例2−1〜実施例2−7とそれぞれ同様にして円筒型電池を作製した。なお、ジルコニアとアルミナとは比重が異なり、ジルコニアの比重(約6.0)はアルミナの比重(約3.9)よりも大きい。このため、単位面積あたりのジルコニア量を、比重に比例して実施例2−1〜実施例2−7の単位面積あたりのアルミナ量よりも多くすることにより、ジルコニアの仕込み量を調整した。
セパレータの表面層に用いる無機粒子として、アルミナの代わりにイットリア(Y2O3)を用いたこと以外は、実施例2−1〜実施例2−7とそれぞれ同様にして円筒型電池を作製した。このとき、イットリアの仕込み量をアルミナの比重に比例するように調整した。
セパレータの表面層に用いる無機粒子として、アルミナの代わりにチタン酸バリウム(BaTiO3)を用いたこと以外は、実施例2−1〜実施例2−7とそれぞれ同様にして円筒型電池を作製した。このとき、チタン酸バリウムの仕込み量をアルミナの比重に比例するように調整した。
セパレータの表面層に用いる無機粒子として、アルミナの代わりにチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)を用いたこと以外は、実施例2−1〜実施例2−7とそれぞれ同様にして円筒型電池を作製した。このとき、チタン酸ストロンチウムの仕込み量をアルミナの比重に比例するように調整した。
セパレータの表面層に用いる無機粒子として、アルミナの代わりにシリカ(SiO2)を用いたこと以外は、実施例2−1〜実施例2−7とそれぞれ同様にして円筒型電池を作製した。このとき、シリカの仕込み量をアルミナの比重に比例するように調整した。
セパレータの表面層に用いる無機粒子として、アルミナの代わりにゼオライト(Na12[(AlO2)12(SiO2)12]・27H2O)を用いたこと以外は、実施例2−1〜実施例2−7とそれぞれ同様にして円筒型電池を作製した。このとき、ゼオライトの仕込み量をアルミナの比重に比例するように調整した。
セパレータの表面層に用いる無機粒子として、アルミナの代わりに硫酸バリウム(BaSO4)を用いたこと以外は、実施例2−1〜実施例2−7とそれぞれ同様にして円筒型電池を作製した。このとき、硫酸バリウムの仕込み量をアルミナの比重に比例するように調整した。
セパレータの表面層に用いる無機粒子として、アルミナの代わりにチタニア(TiO2)を用いたこと以外は、実施例2−1〜実施例2−7とそれぞれ同様にして円筒型電池を作製した。このとき、チタニアの仕込み量をアルミナの比重に比例するように調整した。
セパレータの表面層に用いる無機粒子として、アルミナの代わりにマグネシア(MgO)を用いたこと以外は、実施例2−1〜実施例2−7とそれぞれ同様にして円筒型電池を作製した。このとき、マグネシアの仕込み量をアルミナの比重に比例するように調整した。
比較例1−1と同様に、厚さ23μmのポリエチレン製微多孔性フィルムをセパレータとして用いたこと以外は実施例2−1と同様にして円筒型電池を作製した。
(a)サイクル試験
作製した各実施例および各比較例の円筒型電池について、実施例1−1と同様にしてサイクル試験を行った。
負極活物質としてシリコンの代わりに実施例1−19と同様の炭素スズ複合材料を用いたこと以外は、実施例2−1〜実施例2−70および比較例2−1と同様にして、実施例3−1〜実施例3−70および比較例3−1の円筒型電池をそれぞれ作製した。なお、負極活物質層を形成する負極合剤スラリーは、実施例1−19と同様の組成とした。
(a)サイクル試験
作製した各実施例および各比較例の円筒型電池について、実施例1−1と同様にしてサイクル試験を行った。
負極活物質としてシリコンの代わりに実施例1−37と同様のチタン酸リチウムを用いたこと以外は、実施例2−1〜実施例2−70および比較例2−1と同様にして、実施例4−1〜実施例4−70および比較例4−1の円筒型電池をそれぞれ作製した。なお、負極活物質層を形成する負極合剤スラリーは、実施例1−37と同様の組成とした。
(a)サイクル試験
作製した各実施例および各比較例の円筒型電池について、実施例1−1と同様にしてサイクル試験を行った。
負極活物質としてシリコンの代わりに実施例1−55と同様の黒鉛を用いたこと以外は実施例2−1〜実施例2−70および比較例2−1と同様にして、実施例5−1〜実施例5−70および比較例5−1の円筒型電池をそれぞれ作製した。なお、負極活物質層を形成する負極合剤スラリーは、実施例1−55と同様の組成とした。
(a)サイクル試験
作製した各実施例および各比較例の円筒型電池について、実施例1−1と同様にしてサイクル試験を行った。
実施例6−1〜実施例6−60では、電池構成、負極活物質、セパレータの表面層の位置を変えて電池を作製し、本技術の効果を確認した。
実施例1−1と同様の円筒型電池を作製し、実施例6−1の円筒型電池とした。すなわち、電池構成は電池外装が円筒型外装缶、負極活物質はシリコンとした。また、セパレータは、厚さ9μmのポリエチレン製微多孔性フィルムの両面に、無機粒子であるアルミナと、樹脂材料であるポリフッ化ビニリデンとからなる片面厚さ7μm(両面厚さ合計14μm)の表面層を設けた構成とした。
厚さ9μmのポリエチレン製微多孔性フィルムの正極側面(電池作製時において正極と対向する面)のみに、片面厚さ14μmの表面層を設けたセパレータを用いたこと以外は実施例6−1と同様にして円筒型電池を作製した。
厚さ9μmのポリエチレン製微多孔性フィルムの負極側面(電池作製時において負極と対向する面)のみに、片面厚さ14μmの表面層を設けたセパレータを用いたこと以外は実施例6−1と同様にして円筒型電池を作製した。
負極活物質として炭素スズ複合材料を用い、負極合剤スラリーを実施例1−19と同様の構成としたこと以外は、実施例6−1〜実施例6−3と同様にして実施例6−4〜実施例6−6の円筒型電池をそれぞれ作製した。
負極活物質としてチタン酸リチウムを用い、負極合剤スラリーを実施例1−37と同様の構成としたこと以外は、実施例6−1〜実施例6−3と同様にして実施例6−7〜実施例6−9の円筒型電池をそれぞれ作製した。
負極活物質として黒鉛を用い、負極合剤スラリーを実施例1−55と同様の構成としたこと以外は、実施例6−1〜実施例6−3と同様にして実施例6−10〜実施例6−12の円筒型電池をそれぞれ作製した。
正極、負極、セパレータおよび非水電解液のそれぞれの構成が実施例6−1と同様である角型電池を作製した。すなわち、電池構成は電池外装が角型外装缶、負極活物質はシリコンとした。また、セパレータは、厚さ9μmのポリエチレン製微多孔性フィルムの両面に、無機粒子であるアルミナと、樹脂材料であるポリフッ化ビニリデンとからなる片面厚さ7μm(両面厚さ合計14μm)の表面層を設けた構成とした。以下、角型電池の組み立て方法を説明する。
正極および負極と、表面層が両面に形成されたセパレータとを、正極、セパレータ、負極、セパレータの順に積層し、長手方向に多数回、扁平形状に巻回させた後、巻き終わり部分を粘着テープで固定することにより巻回電極体を形成した。次に、図8に示すように、巻回電極体を角型の電池缶に収容した。続いて、電池蓋に設けられた電極ピンと、巻回電極体から導出された正極端子とを接続した後、電池缶を電池蓋にて封口し、電解液注入口から非水電解液を注入して封止部材にて封止し、密閉した。これにより、電池形状が厚さ5.2mm、幅34mm、高さ36mm(523436サイズ)、電池容量が1000mAhの角型電池を作製した。
電池構成を実施例6−13と同様の角型電池としたこと以外は、実施例6−2〜実施例6−12と同様にして実施例6−14〜実施例6−24の角型電池をそれぞれ作製した。
正極、負極、セパレータおよび非水電解液のそれぞれの構成が実施例6−1と同様であり、積層電極体とを軟質ラミネートフィルムで外装したラミネートフィルム型電池を作製した。すなわち、電池構成は電池外装がラミネートフィルム、電極体は積層型、負極活物質はシリコンとした。また、セパレータは、厚さ9μmのポリエチレン製微多孔性フィルムの両面に、無機粒子であるアルミナと、樹脂材料であるポリフッ化ビニリデンとからなる片面厚さ7μm(両面厚さ合計14μm)の表面層を設けた構成とした。以下、ラミネートフィルム型電池の組み立て方法を説明する。
矩形状の正極および負極と、表面層が両面に形成されたセパレータとを、正極、セパレータ、負極、セパレータの順に積層して積層電極体を形成した。次に、図11Bに示すように、積層電極体を軟質アルミニウム層を有するラミネートフィルムで外装し、積層電極体周辺の正極端子および負極端子の導出辺と、他の二辺とを熱融着してラミネートフィルムを袋状とした。続いて、熱融着されていない開口部から非水電解液を注入した後、減圧下で熱融着されていない一辺を熱融着して封止し、密閉した。これにより、電池形状が厚さ5.2mm、幅34mm、高さ36mm(523436サイズ)、電池容量が1000mAhのラミネートフィルム型電池を作製した。
電池構成を実施例6−25と同様のラミネートフィルム型電池としたこと以外は、実施例6−2〜実施例6−12と同様にして実施例6−26〜実施例6−26のラミネートフィルム型電池をそれぞれ作製した。
正極、負極、セパレータのそれぞれの構成が実施例6−1と同様であり、下記のようなゲル電解質と巻回電極体とを軟質ラミネートフィルムで外装したラミネートフィルム型電池を作製した。すなわち、電池構成は電池外装がラミネートフィルム、電極体は巻回電極体、負極活物質はシリコンとした。また、セパレータは、厚さ9μmのポリエチレン製微多孔性フィルムの両面に、無機粒子であるアルミナと、樹脂材料であるポリフッ化ビニリデンとからなる片面厚さ7μm(両面厚さ合計14μm)の表面層を設けた構成とした。以下、ラミネートフィルム型電池の組み立て方法を説明する。
炭酸エチレン(EC)と炭酸プロピレン(PC)と炭酸ビニレン(VC)とを、質量比49:49:2で混合した非水溶媒に対して、電解質塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1mol/dm3の濃度で溶解させることにより、非水電解液を調製した。続いて、非水電解液を保持する高分子化合物として、セパレータの熱吸収層を構成する樹脂材料と同様にポリフッ化ビニリデン(PVdF)を用い、非水電解液と、ポリフッ化ビニリデンと、可塑剤である炭酸ジメチル(DMC)とを混合してゾル状の前駆体溶液を調製した。続いて、正極および負極の両面に、前駆体溶液を塗布し、乾燥させて可塑剤を除去した。これにより、正極および負極の表面にゲル電解質層を形成した。
ゲル電解質層が両面に形成された正極および負極と、表面層が両面に形成されたセパレータとを、正極、セパレータ、負極、セパレータの順に積層し、長手方向に多数回、扁平形状に巻回させた後、巻き終わり部分を粘着テープで固定することにより巻回電極体を形成した。
電池構成を実施例6−37と同様のラミネートフィルム型電池としたこと以外は、実施例6−2〜実施例6−12と同様にして実施例6−38〜実施例6−48のラミネートフィルム型電池をそれぞれ作製した。
正極、負極、セパレータのそれぞれの構成が実施例6−1と同様であり、実施例6−37と同様のゲル電解質と巻回電極体とを軟質ラミネートフィルムおよび硬質ラミネートフィルムで外装したラミネートフィルム型電池を作製した。すなわち、電池構成は電池外装がラミネートフィルム、電極体は扁平巻回型、負極活物質はシリコンとした。また、セパレータは、厚さ9μmのポリエチレン製微多孔性フィルムの両面に、無機粒子であるアルミナと、樹脂材料であるポリフッ化ビニリデンとからなる片面厚さ7μm(両面厚さ合計14μm)の表面層を設けた構成とした。以下、ラミネートフィルム型電池の組み立て方法を説明する。
正極および負極と、表面層が両面に形成されたセパレータとを、正極、セパレータ、負極、セパレータの順に積層し、長手方向に多数回、扁平形状に巻回させた後、巻き終わり部分を粘着テープで固定することにより巻回電極体を形成した。このとき、正極および負極の両面には、高分子材料に非水電解液を保持させることによってゲル状とされた非水電解質を塗布したものを用いた。
電池構成を実施例6−49と同様のラミネートフィルム型電池としたこと以外は、実施例6−2〜実施例6−12と同様にして実施例6−50〜実施例6−60のラミネートフィルム型電池をそれぞれ作製した。
(a)サイクル試験
作製した各実施例および各比較例の電池について、実施例1−1と同様にしてサイクル試験を行った。
実施例7−1〜実施例7−14ならびに比較例7−1では、表面層を構成する低空孔率層および高空孔率層の厚み比を変化させたセパレータを用いて、本技術の効果を確認した。
厚さ9μmのポリエチレン製微多孔性フィルム上に、低空孔率層を設けず、片面厚さ7μm(両面厚さ合計14μm)、空孔率90%の高空孔率層のみを設けたセパレータ(表面層における高空孔率層の割合100%)を用いた以外は実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
厚さ9μmのポリエチレン製微多孔性フィルム上に、片面厚さ0.5μm(両面厚さ合計1μm)、空孔率60%の低空孔率層と、片面厚さ6.5μm(両面厚さ合計13μm)、空孔率90%の高空孔率層を設けたセパレータ(表面層における高空孔率層の割合93%)を用いた以外は実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
実施例1−1と同様に、片面厚さ1μm(両面厚さ合計2μm)、空孔率60%の低空孔率層と、片面厚さ6μm(両面厚さ合計12μm)、空孔率90%の高空孔率層を設けたセパレータ(表面層における高空孔率層の割合86%)を用いて円筒型電池を作製した。
厚さ9μmのポリエチレン製微多孔性フィルム上に、片面厚さ1.5μm(両面厚さ合計3μm)、空孔率60%の低空孔率層と、片面厚さ5.5μm(両面厚さ合計11μm)、空孔率90%の高空孔率層を設けたセパレータ(表面層における高空孔率層の割合79%)を用いた以外は実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
厚さ9μmのポリエチレン製微多孔性フィルム上に、片面厚さ2μm(両面厚さ合計4μm)、空孔率60%の低空孔率層と、片面厚さ6μm(両面厚さ合計10μm)、空孔率90%の高空孔率層を設けたセパレータ(表面層における高空孔率層の割合71%)を用いた以外は実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
厚さ9μmのポリエチレン製微多孔性フィルム上に、片面厚さ2.5μm(両面厚さ合計5μm)、空孔率60%の低空孔率層と、片面厚さ4.5μm(両面厚さ合計9μm)、空孔率90%の高空孔率層を設けたセパレータ(表面層における高空孔率層の割合64%)を用いた以外は実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
厚さ9μmのポリエチレン製微多孔性フィルム上に、片面厚3μm(両面厚さ合計6μm)、空孔率60%の低空孔率層と、片面厚さ4μm(両面厚さ合計8μm)、空孔率90%の高空孔率層を設けたセパレータ(表面層における高空孔率層の割合57%)を用いた以外は実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
厚さ9μmのポリエチレン製微多孔性フィルム上に、片面厚さ3.5μm(両面厚さ合計7μm)、空孔率60%の低空孔率層と、片面厚さ3.5μm(両面厚さ合計7μm)、空孔率90%の高空孔率層を設けたセパレータ(表面層における高空孔率層の割合50%)を用いた以外は実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
厚さ9μmのポリエチレン製微多孔性フィルム上に、片面厚さ4μm(両面厚さ合計8μm)、空孔率60%の低空孔率層と、片面厚さ3μm(両面厚さ合計6μm)、空孔率90%の高空孔率層を設けたセパレータ(表面層における高空孔率層の割合43%)を用いた以外は実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
厚さ9μmのポリエチレン製微多孔性フィルム上に、片面厚さ4.5μm(両面厚さ合計9μm)、空孔率60%の低空孔率層と、片面厚さ2.5μm(両面厚さ合計5μm)、空孔率90%の高空孔率層を設けたセパレータ(表面層における高空孔率層の割合36%)を用いた以外は実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
厚さ9μmのポリエチレン製微多孔性フィルム上に、片面厚さ5μm(両面厚さ合計10μm)、空孔率60%の低空孔率層と、片面厚さ2μm(両面厚さ合計4μm)、空孔率90%の高空孔率層を設けたセパレータ(表面層における高空孔率層の割合29%)を用いた以外は実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
厚さ9μmのポリエチレン製微多孔性フィルム上に、片面厚さ5.5μm(両面厚さ合計11μm)、空孔率60%の低空孔率層と、片面厚さ1.5μm(両面厚さ合計3μm)、空孔率90%の高空孔率層を設けたセパレータ(表面層における高空孔率層の割合21%)を用いた以外は実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
厚さ9μmのポリエチレン製微多孔性フィルム上に、片面厚さ6μm(両面厚さ合計12μm)、空孔率60%の低空孔率層と、片面厚さ1μm(両面厚さ合計2μm)、空孔率90%の高空孔率層を設けたセパレータ(表面層における高空孔率層の割合14%)を用いた以外は実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
厚さ9μmのポリエチレン製微多孔性フィルム上に、片面厚さ6.5μm(両面厚さ合計13μm)、空孔率60%の低空孔率層と、片面厚さ0.5μm(両面厚さ合計1μm)、空孔率90%の高空孔率層を設けたセパレータ(表面層における高空孔率層の割合7%)を用いた以外は実施例1−1と同様にして円筒型電池を作製した。
比較例1−1と同様に、セパレータとして、表面層を設けていない厚さ23μmのポリエチレン製微多孔性フィルムを用いて円筒型電池を作製した。
(a)サイクル試験
(b)セパレータ空孔率・厚みの確認
作製した各サンプルの円筒型電池について、実施例1−1と同様にしてサイクル試験およびセパレータ空孔率・厚みの確認を行った。
多孔質膜からなる基材と、
上記基材の少なくとも一方の面に形成され、表面が凹凸形状を有し、上記基材よりも高い空孔率を有する多孔質の表面層と
からなる非水電解質電池用セパレータ。
[2]
上記表面層が、多孔質の凸部と、空隙として存在する凹部とからなる第1の層と、該第1の層と上記基材との間に形成される多孔質の第2の層とを備え、
上記第2の層が、上記基材よりも高い空孔率を有し、
上記第1の層が、上記第2の層よりも高い空孔率を有する
[1]に記載の非水電解質電池用セパレータ。
[3]
上記第1の層の空孔率が、上記第1の層全体に対する、上記凸部に含まれる空孔と上記凹部の空隙との合計の割合である
[2]に記載の非水電解質電池用セパレータ。
[4]
上記基材の空孔率が、25%以上40%以下であり、
上記第1の層の空孔率が、60%以上90%以下であり、
上記第2層の空孔率が、40%以上65%以下である
[2]に記載の非水電解質電池用セパレータ。
[5]
上記第1の層が、上記第2の層の厚みと同等または上記第2の層の厚みよりも厚く形成される
[2]〜[4]のいずれかに記載の非水電解質電池用セパレータ。
[6]
上記表面層が、無機粒子と樹脂材料とを含有し、該無機粒子が該表面層中に分散して存在する
[1]〜[5]のいずれかに記載の非水電解質電池用セパレータ。
[7]
上記表面層が、無機粒子と樹脂材料とを含有し、該無機粒子が三次元網目構造に形成された該樹脂材料に分散して担持される
[6]に記載の非水電解質電池用セパレータ。
[8]
上記無機粒子が、少なくともアルミナ(Al2O3)を含む
[6]に記載の非水電解質電池用セパレータ。
[9]
上記樹脂材料がポリフッ化ビニリデンまたはアラミドを含む
[6]に記載の非水電解質電池用セパレータ。
[10]
上記表面層の上記凹凸形状が、上記無機粒子および上記樹脂材料が偏在して形成される
[6]に記載の非水電解質電池用セパレータ。
[11]
正極および負極がセパレータを介して対向する電極体と、
非水電解質と
を備え、
上記セパレータが、
多孔質膜からなる基材と、
上記基材の少なくとも一方の面に形成され、表面が凹凸形状を有し、上記基材よりも高い空孔率を有する多孔質の表面層と
からなる
非水電解質電池。
[12]
上記表面層が、多孔質の凸部と、空隙として存在する凹部とからなる第1の層と、該第1の層と上記セパレータとの間に形成される多孔質の第2の層とを備え、
上記第2の層が、上記基材よりも高い空孔率を有し、
上記第1の層が、上記第2の層よりも高い空孔率を有する
[11]に記載の非水電解質電池。
[13]
上記負極に含まれる負極活物質が、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料からなる
[11]または[12]に記載の非水電解質電池。
[14]
正極および負極が多孔質膜からなるセパレータを介して対向する電極体と、
非水電解質と、
上記セパレータと、該セパレータを介して対向する上記正極および上記負極の少なくとも一方との間に、表面が凹凸形状を有し、上記セパレータよりも高い空孔率を有する多孔質層を備える
非水電解質電池。
[15]
[11]または[14]に記載の非水電解質電池と、
上記非水電解質電池を制御する制御部と、
上記非水電解質電池を内包する外装を有する
電池パック。
[16]
[11]または[14]に記載の非水電解質電池を有し、
上記非水電解質電池から電力の供給を受ける
電子機器。
[17]
[11]または[14]に記載の非水電解質電池と、
上記非水電解質電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、
上記非水電解質電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置とを有する
電動車両。
[18]
[11]または[14]に記載の非水電解質電池を有し、
上記非水電解質電池に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置。
[19]
他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報制御装置を備え
上記電力情報制御装置が受信した情報に基づき、上記非水電解質電池の充放電制御を行う
[18]に記載の蓄電装置。
[20]
[11]または[14]に記載の非水電解質電池から電力の供給を受け、または、発電装置もしくは電力網から上記非水電解質電池に電力が供給される
電力システム。
Claims (20)
- 多孔質膜からなる基材と、
上記基材の少なくとも一方の面に形成され、表面が凹凸形状を有し、上記基材より高い空孔率を有する多孔質の表面層と
を有し、
上記表面層は、多孔質の複数の凸部と空隙として存在する複数の凹部とを有し、厚み方向において、上記複数の凹部のうちの最も低い部分から、上記複数の凸部のうちの最も高い部分までからなる第1の層と、
該第1の層と上記基材との間に形成される多孔質の第2の層と
を備え、
上記第2の層は、上記基材よりも高い空孔率を有し、
上記第1の層は、上記第2の層よりも高い空孔率を有し、
上記第1の層の厚みは、上記第2の層の厚みと同等または上記第2の層の厚みよりも厚い非水電解質電池用セパレータ。 - 上記第1の層の空孔率が、上記第1の層全体に対する、上記凸部に含まれる空孔と上記凹部の空隙との合計の割合である
請求項1に記載の非水電解質電池用セパレータ。 - 上記基材の空孔率が、25%以上40%以下であり、
上記第1の層の空孔率が、60%以上90%以下であり、
上記第2の層の空孔率が、40%以上65%以下である
請求項1または2に記載の非水電解質電池用セパレータ。 - 上記表面層が、無機粒子と樹脂材料とを含有し、該無機粒子が該表面層中に分散して存在する
請求項1乃至3のいずれか一に記載の非水電解質電池用セパレータ。 - 上記無機粒子が三次元網目構造に形成された該樹脂材料に分散して担持される
請求項4に記載の非水電解質電池用セパレータ。 - 上記無機粒子が、少なくともアルミナを含む
請求項4または5に記載の非水電解質電池用セパレータ。 - 上記樹脂材料がポリフッ化ビニリデンまたはアラミドを含む
請求項4乃至6のいずれか一に記載の非水電解質電池用セパレータ。 - 上記表面層の上記凹凸形状は、上記無機粒子および上記樹脂材料が偏在して形成されたものである
請求項4乃至7のいずれか一に記載の非水電解質電池用セパレータ。 - 正極および負極がセパレータを介して対向する電極体と、
非水電解質と
を備え、
上記セパレータが、
多孔質膜からなる基材と、
上記基材の少なくとも一方の面に形成され、表面が凹凸形状を有し、上記基材より高い空孔率を有する多孔質の表面層と
を有し、
上記表面層は、多孔質の複数の凸部と空隙として存在する複数の凹部とを有し、厚み方向において、上記複数の凹部のうちの最も低い部分から、上記複数の凸部のうちの最も高い部分までからなる第1の層と、
該第1の層と上記基材との間に形成される多孔質の第2の層と
を備え、
上記第2の層は、上記基材よりも高い空孔率を有し、
上記第1の層は、上記第2の層よりも高い空孔率を有し、
上記第1の層の厚みは、上記第2の層の厚みと同等または上記第2の層の厚みよりも厚い非水電解質電池。 - 上記負極に含まれる負極活物質が、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料からなる
請求項9に記載の非水電解質電池。 - 上記負極に含まれる負極活物質が、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)および白金(Pt)から選ばれた少なくとも一種を含む
請求項9または10に記載の非水電解質電池。 - 上記負極に含まれる負極活物質が、(1)ケイ素の単体、合金若しくは化合物、(2)スズの単体、合金若しくは化合物または(3)チタン酸リチウムを含む
請求項9乃至11のいずれか一に記載の非水電解質電池。 - 上記ケイ素またはスズの合金が、スズまたはケイ素、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含む
請求項12に記載の非水電解質電池。 - 上記ケイ素またはスズの化合物が、酸素(O)および炭素(C)の少なくとも一種を含む
請求項12または13に記載の非水電解質電池。 - 請求項9乃至14のいずれか一に記載の非水電解質電池と、
上記非水電解質電池を制御する制御部と、
上記非水電解質電池を内包する外装を有する
電池パック。 - 請求項9乃至14のいずれか一に記載の非水電解質電池を有し、
上記非水電解質電池から電力の供給を受ける
電子機器。 - 請求項9乃至14のいずれか一に記載の非水電解質電池と、
上記非水電解質電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、
上記非水電解質電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置とを有する
電動車両。 - 請求項9乃至14のいずれか一に記載の非水電解質電池を有し、
上記非水電解質電池に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置。 - 他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報制御装置を備え
上記電力情報制御装置が受信した情報に基づき、上記非水電解質電池の充放電制御を行う
請求項18に記載の蓄電装置。 - 請求項9乃至14のいずれか一に記載の非水電解質電池から電力の供給を受け、または、発電装置もしくは電力網から上記非水電解質電池に電力が供給される
電力システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016013710A JP6083478B2 (ja) | 2016-01-27 | 2016-01-27 | セパレータ、非水電解質電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016013710A JP6083478B2 (ja) | 2016-01-27 | 2016-01-27 | セパレータ、非水電解質電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011193395A Division JP2013054972A (ja) | 2011-09-05 | 2011-09-05 | セパレータ、非水電解質電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016066629A JP2016066629A (ja) | 2016-04-28 |
JP6083478B2 true JP6083478B2 (ja) | 2017-02-22 |
Family
ID=55804207
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016013710A Active JP6083478B2 (ja) | 2016-01-27 | 2016-01-27 | セパレータ、非水電解質電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6083478B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102579828B1 (ko) * | 2018-01-11 | 2023-09-18 | 삼성전자주식회사 | 전기화학 디바이스 |
JP7231334B2 (ja) * | 2018-03-23 | 2023-03-01 | 旭化成株式会社 | 微細パタンを有する多孔質フィルム |
CN115428196A (zh) * | 2021-03-30 | 2022-12-02 | Tdk株式会社 | 蓄电器件用电极和锂离子二次电池 |
EP4411964A1 (en) * | 2021-09-30 | 2024-08-07 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Lithium secondary battery |
WO2023127716A1 (ja) * | 2021-12-27 | 2023-07-06 | 東レ株式会社 | 電池用セパレータ |
JP7298795B1 (ja) * | 2021-12-27 | 2023-06-27 | 東レ株式会社 | 電池用セパレータ |
CN115832608B (zh) * | 2023-02-22 | 2023-07-04 | 东营昆宇电源科技有限公司 | 一种mof凝胶电解质隔膜及其制备方法和钠离子电池 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0553126U (ja) * | 1991-12-21 | 1993-07-13 | 古河電池株式会社 | 非水電解液電池 |
JPH09219185A (ja) * | 1996-02-09 | 1997-08-19 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 電池用隔膜及びその製造方法 |
JPH1012279A (ja) * | 1996-04-26 | 1998-01-16 | Denso Corp | 金属リチウム2次電池 |
WO2005022674A1 (ja) * | 2003-08-29 | 2005-03-10 | Ube Industries, Ltd. | 電池用セパレータ及びリチウム二次電池 |
JP2009211949A (ja) * | 2008-03-04 | 2009-09-17 | Nissan Motor Co Ltd | 非水電解質二次電池 |
JP2010244875A (ja) * | 2009-04-07 | 2010-10-28 | Panasonic Corp | リチウム二次電池用セパレータ、およびそれを用いたリチウム二次電池 |
-
2016
- 2016-01-27 JP JP2016013710A patent/JP6083478B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016066629A (ja) | 2016-04-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6186783B2 (ja) | セパレータ、電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム | |
JP5994354B2 (ja) | セパレータおよび非水電解質電池、並びに、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム | |
JP6015676B2 (ja) | セパレータ、非水電解質電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム | |
JP5935872B2 (ja) | 電池用セパレータ、電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム | |
JP6582979B2 (ja) | セパレータ、電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム | |
JP5915804B2 (ja) | 二次電池ならびに電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム | |
JP5853400B2 (ja) | セパレータおよび非水電解質電池、ならびに電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム | |
JP6083478B2 (ja) | セパレータ、非水電解質電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム | |
JP5891655B2 (ja) | 非水電解質電池および非水電解質電池の製造方法、並びに絶縁材および絶縁材の製造方法、並びに電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム | |
JP6070421B2 (ja) | 電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム | |
JP5903807B2 (ja) | セパレータ、非水電解質電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム | |
JP2013054972A (ja) | セパレータ、非水電解質電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム | |
JP5915806B2 (ja) | 二次電池ならびに電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム | |
JP6264429B2 (ja) | 電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム | |
JP2013225388A (ja) | 電池および電解質、並びに電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム | |
JP2013157088A (ja) | 電池ならびに電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム | |
WO2016136132A1 (ja) | 電解質、電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム | |
JP6776530B2 (ja) | 電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160127 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20161227 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170109 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6083478 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
R371 | Transfer withdrawn |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
R371 | Transfer withdrawn |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
R371 | Transfer withdrawn |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |